自動針打込機
【課題】打込み対象物への針の打込みを自動的にかつ打込み対象物の状態によらず精度よく行うことが可能な自動針打込機を提供する。
【解決手段】自動釘打ち装置10は、打撃部材46により針打込み部56内の針に打撃を与えて、ワークWに連続して針が打ち込まれるため、人手を排して自動的に均一な力でしかも迅速に針を打ち込むことができ、多数の針打込み作業を短い作業時間で正確に行うことが可能になる。一対のローラ67,68によって凹凸のあるワークWの表面を移動でき、打撃部材46による針打ち込み時の衝撃をクッションシリンダ36等によって吸収することができ、ワークWの表面状態に影響されることなく均一な安定した針の打込みが可能になる。ローラ67,68の取付位置を調節できるため、ワークWへの針の打込み量や打込み強さを適正に調節でき、ワークWに応じた針の打込みが可能になる。
【解決手段】自動釘打ち装置10は、打撃部材46により針打込み部56内の針に打撃を与えて、ワークWに連続して針が打ち込まれるため、人手を排して自動的に均一な力でしかも迅速に針を打ち込むことができ、多数の針打込み作業を短い作業時間で正確に行うことが可能になる。一対のローラ67,68によって凹凸のあるワークWの表面を移動でき、打撃部材46による針打ち込み時の衝撃をクッションシリンダ36等によって吸収することができ、ワークWの表面状態に影響されることなく均一な安定した針の打込みが可能になる。ローラ67,68の取付位置を調節できるため、ワークWへの針の打込み量や打込み強さを適正に調節でき、ワークWに応じた針の打込みが可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧空気を利用して、ブレード等の打撃部材をピストン・シリンダ装置によって駆動し、この打撃部材によって針等を木材板等の打込み対象物に打込む針打込機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の針打込機としては、例えば特許文献1に示す空気圧式固着具打込機が知られている。この固着具打込機は、内部に高圧空気を溜めるリザーバを形成したハウジングと、ハウジングの内部に設けられたメインシリンダと、メインシリンダ内を往復動するように配置され、下方のノーズにある固着具(針)を打撃する打込み部材が連結されたメインピストンとを備えている。さらにメインシリンダ上部にメインシリンダ内への高圧空気の供給及び遮断制御するように移動するメインバルブが設けられたタイプのものや、メインシリンダ内への高圧空気の供給及び遮断を制御するように、トリガー装置を作動させることにより、メインシリンダ自体が静止位置と打込み位置との間を移動するタイプのものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−71948号公報
【0004】
上記固着具打込機は、人が手で固着具の打込みを行うものであり、打込み作業に時間がかかると共に、人の感覚に頼った打込みになるため、針の打込み量にばらつきが生じやすかった。特に、木製板材のような傾斜や反り等を有する打込み対象物に対して、人手でこれら傾斜等に追従して適正な打込みを行う必要があり、打込み作業が困難になると共に針の打込み量にさらにばらつきが生じやすかった。さらに、固着具打込機は、針を打込み位置に供給する針供給装置を備えており、マガジンに収容された多数の針を一本ずつ打込み位置に供給するようになっている。ここで、従来の手動による針打込機では、打込み位置への針の供給は、針をばねで押圧することにより行われているが、ばねの伸縮量の違いにより針に加わる押圧力に差が生じやすかった。そのため、打出し口への針の供給にばらつきが生じ、針の打ち漏れが生じるおそれがあると共に、針の打ち漏れの検出も困難であった。また、従来の針打込機では、マガジン内に収容された針の残量の管理は目視により行われており、さらにはマガジンへの針の自動的な供給もできなく、その結果、針の打ち込み作業がさらに非効率なものとなっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決しようとするもので、打込み対象物への針の打込みを自動的にかつ打込み対象物の状態によらず精度よく行うことが可能な自動針打込機を提供することを目的とする。また、本発明は、針供給装置における針の供給量を揃えて、針の打ち漏れを抑え、また針の打ち漏れの検出が可能な自動針打込機を提供することを第2の目的とする。また、本発明は、針供給装置における針の残量を管理でき、さらに針供給装置へ自動的に針を補充できる自動針打込機を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の特徴は、高圧空気を溜めるリザーバとシリンダとを設けたハウジングと、シリンダ内を往復動するように配置され、リザーバからシリンダ内に供給された高圧空気を受けてハウジングに突設された針打込み部に挿入されて針打込み部内に供給された針を打撃する打撃部材が連結されたピストンと、リザーバからシリンダ内への高圧空気の供給及び遮断を切り替える電磁開閉弁とを設けたタッカー本体と、多数の針が連なった針材を収容し針打込み部内に針を一本ずつ供給する針供給装置とを有するタッカー機と、タッカー機をピストンの移動方向に移動可能に支持するタッカー支持部と、タッカー支持部に設けられてタッカー機を押して針打込み部先端を打込み対象物に押し付けるタッカー押圧部と、打込み対象物への針の打ち込み条件を入力する条件入力手段と、条件入力手段からの入力に応じてタッカー機又は打込み対象物を打込み可能な状態に配置させる打込み配置手段と、打込み配置手段からの配置結果を受けて、タッカー押圧部を駆動して針打込み部先端を打込み対象物に押し付け、電磁開閉弁を駆動して打撃部材により打込み対象物に針を打込ませるように制御する打込み制御装置と、を備えたことにある。
【0007】
本発明によれば、条件入力手段による釘打ち込み条件の入力に対して、打込み配置手段によりタッカー機又は打込み対象物が打込み可能な状態に配置されると、これに応じて打込み制御装置の制御に基づいて、タッカー押圧部によりタッカー本体の針打込み部先端が打込み対象物に押し付けられ、タッカー本体の電磁開閉弁を駆動することにより、リザーバから高圧空気がシリンダに供給され、ピストンが移動して打撃部材により針打込み部内の針に打撃を与えて、打込み対象物に打ち込まれる。その結果、本発明においては、人手を排して自動的に均一な力でしかも迅速に針を打ち込むことができ、多数の針打込み作業を短い作業時間で正確に行うことが可能になる。
【0008】
また、本発明において、打込み配置手段を、タッカー支持部を支持すると共にタッカー支持部を上下及び水平方向に移動させる垂直水平移動装置と、タッカー支持部に支持されたタッカー機を回転させるタッカー回転駆動部と、垂直水平移動装置によるタッカー支持部の移動方向及び移動量と、タッカー回転駆動部によるタッカー機の回転角度とを制御する移動制御装置と、により構成することができる。
【0009】
本発明によれば、打込み配置手段を構成する移動制御装置の制御に基づいて、垂直水平移動装置によりタッカー支持部が所定の打込み位置に移動させられ、タッカー回転駆動部の回転角度が決められる。この位置決めに応じて、打込み制御装置の制御により、タッカー押圧部によりタッカー本体が打込み対象物に押し付けられ、タッカー本体の電磁開閉弁を駆動することにより、リザーバから高圧空気がシリンダに供給され、ピストンが移動して打撃部材により針が打撃を与えられて打込み対象物に打ち込まれる。その結果、本発明においては、広い打込み対象物の多数の箇所に針を打込む場合に、連続して自動的に位置を決め、位置を決めた後にタッカー本体を打込み対象物の打込み位置に自動的に押し付けて、打撃部材により自動的に針を打込み対象物に打ち込むことができる。その結果、本発明においては、自動針打込機自体の移動により、人手を排して正確な打込み位置に自動的に均一な力でしかも迅速に針を打ち込むことができ、多数の針打込み作業を短い作業時間で正確に行うことが可能になる。
【0010】
また、本発明において、タッカー支持部とタッカー機との連結部分に変位吸収ダンパを介在させ、針打込み部の先端側でかつタッカー本体又は打込み対象物の移動方向の両側に、それぞれ移動方向に向けて回転可能なローラを設けることができる。これにより、打込み対象物に反りや波打ち等の不規則な凹凸や傾斜があっても、一対のローラによって凹凸のある打込み対象物の表面を移動できるため、針打ち部先端を常に打込み対象物の面に合わせることができる。さらに、タッカー本体の打撃部材による針打ち込み時の衝撃を変位吸収ダンパにより吸収することができ、打込み対象物の表面状態によらず打ち出し部先端との接触を安定させることにより、均一な針の打込みが可能になる。そのため、打込み対象物表面の状態に影響されることなく均一な安定した針の打込みが可能になる。
【0011】
また、本発明において、ローラの針打込み部への取付位置を、針の打込み方向に調節可能とすることができる。これにより、打込み対象物への針の打込み量や打込み強さを適正に調節できるため、打込み対象物に応じた針の打込みが可能になる。
【0012】
また、本発明において、針打込み部の先端側に、打込み対象物に針が打ち込まれたことを検出する針検出センサを設けることができる。これにより、自動針打込機による連続的な針打込みの過程で、針の打ち漏れを自動的に確実に検出することができる。
【0013】
また、本発明において、針検出センサの取付け箇所におけるタッカー本体又は打込み対象物の移動方向の両側に、それぞれ移動方向に向けて回転可能なセンサ用ローラを設けることができる。これにより、針打込み時の衝撃をセンサ用ローラで緩和できるため、針検出センサによる打ち漏れ検出の精度が高められる。
【0014】
また、本発明において、針検出センサを、タッカー本体又は打込み対象物の移動方向の両側に設けることができる。これにより、自動針打込機による針打ちの方向が変わっても、両側に設けた針検出センサにより打ち漏れの検出が可能になるため、正確な針の打ち漏れの検出が可能になる。
【0015】
また、本発明において、針供給装置が、針打込み部に対して直角に配置されて、一端側開口から挿入される針材を収容して他端側開口から針打込み部に針を供給する長尺状の針材保持部と、針材を針打込み部に向けて一定の空気圧で押す押圧片を有するプッシャーとを設けることができる。これにより、針材保持部に収容された針材がプッシャーにより一定の空気圧で押されるため、針の量が増減しても、針が常に一定の力で押されるため、針打込み部内への針の供給にばらつきがなく、針打込み部内に確実に均一に供給される。その結果、本発明においては、針の打ち漏れを防止でき、確実な効率のよい針打ちが可能になる。
【0016】
また、本発明において、プッシャーの押圧片が針材保持部の一端側開口側の基準位置に戻った時に、押圧片により一端側開口側を開放し、押圧片が該基準位置から離れた時に一端側開口側を押圧片により閉鎖する開閉機構を設けることができる。これにより、プッシャーが針材保持部の一端側開口側に戻った時にのみ一端側開口側が開放されて針の挿入が可能になり、プッシャーが一端側開口側から離れると一端側開口側が閉鎖されるため、針の挿入を阻止できる。
【0017】
また、本発明において、プッシャーの押圧片が針材保持部内の針材の残量が一本分となる位置に達したことを検出して検出結果を表示する残量表示手段と、押圧片が針材保持部内の針材なしの位置に達したことを検出して押圧片を基準位置に移動させるように制御する位置制御手段とを設けることができる。これにより、針材の残量が一本分となったことが残量表示手段により表示されるため、針材の不足により供給する必要があることを自動的に知ることができる。また、針材がなしになると、位置制御装置の制御により押圧片が自動的に針材保持部の一端側開口側に移動させられることにより、針材なしを明確に知ることができる。
【0018】
また、本発明において、針材保持部を鉛直にすると共に一端側開口を上端側に配置した状態で、一端側開口の上方に配置され、内部に収容した針材を補充口から一端側開口内に落下補充する針補充装置を設けることができる。これにより、針供給装置の上方に配置した針補充装置の補充口から針供給装置の一端側開口内に針材を簡単かつ確実に落下供給することができる。
【0019】
また、本発明において、針補充装置の補充口を開閉板により開閉可能とし、針材保持部の一端側開口側の開放・閉鎖に応じて開閉板を開放・閉鎖する開閉制御装置を設けることができる。ここで、これにより、針供給装置内の針が一定量減少し、一端側開口側がシャッタにより解放されると、これに応じて開閉制御装置の制御により針補充装置から針材を自動的に補充できるので、針材不足の不都合を確実に防止できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明においては、打込み配置手段によりタッカー機又は打込み対象物が打込み可能な状態に配置されると、打込み制御装置の制御に基づいて、打撃部材により針打込み部内の針に打撃を与えて、打込み対象物に連続して針が打ち込まれるため、人手を排して自動的に均一な力でしかも迅速に針を打ち込むことができ、多数の針打込み作業を短い作業時間で正確に行うことが可能になる。特に、移動制御装置の制御により、垂直水平移動装置とタッカー回転駆動部とによってタッカー支持部が所定の打込み位置に移動させられる場合には、タッカー機自体の動作により打込み対象物の任意の位置に針の打込みが可能であり、多様な打込み対象物への適用が容易になる。
【0021】
また、本発明においては、一対のローラによって凹凸のある打込み対象物の表面を移動できるため、針打ち部先端を常に打込み対象物の面に合わせることができ、さらにタッカー本体の打撃部材による針打ち込み時の衝撃を変位吸収ダンパにより吸収することができ、打込み対象物の表面状態によらず針打込み部先端との接触を安定させることにより、打込み対象物表面の状態に影響されることなく均一な安定した針の打込みが可能になる。また、ローラの取付位置を調節できるため、打込み対象物への針の打込み量や打込み強さを適正に調節できるため、打込み対象物に応じた針の打込みが可能になる。
【0022】
また、本発明においては、自動針打込機による連続的な針打込みの過程で、針の打ち漏れを自動的に検出でき、また、針打込み時の衝撃をセンサ用ローラで緩和できるため、針検出センサによる打ち漏れ検出の精度が高められる。特に、針打込み部の両側に針検出センサを設けたことにより、針打込みの方向が変わっても、正確な針の打ち漏れの検出が可能になる。
【0023】
また、本発明においては、針材保持部に収容された針材がプッシャーにより一定の空気圧で押されるため、針の量が増減しても、針が常に一定の力で押されるため、針が針打込み部内に確実に均一に供給され、針の打ち漏れを防止できる。また、プッシャーが針材保持部の一端側開口側に戻った時にのみ一端側開口側が開放されて針材の挿入が可能になり、プッシャーが一端側開口側から離れると一端側開口側が閉鎖されるため、無用な針材の挿入を阻止できる。また、本発明においては、針材の残量が位置センサにより検出されると、位置制御手段の制御により押圧片が自動的に針材保持部の一端側開口側に移動させられるため、針材の不足により供給する必要があることを自動的に知ることができる。
【0024】
また、本発明においては、針供給装置の上方に配置した針補充装置の補充口から針供給装置の反対側開口内に針材を落下供給することができ、さらに、針供給装置内の針が一定量減少して一端側開口側解放されるのに応じて、開閉制御装置の制御により針補充装置から針材を自動的に補充できるので、針材不足の不都合を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例である自動針打込機の概略構成を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線方向の概略構成を示す部分図である。
【図3】図1のIII−III線方向の概略構成を示す部分図である。
【図4】回転駆動部を示す正面図である。
【図5】回転駆動部とタッカー機との接続部分を概略的に示す側面図である。
【図6】タッカー機の概略構成を示す正面図である。
【図7】タッカー機の概略構成を示す背面図である。
【図8】タッカー機の概略構成を示す底面図である。
【図9】タッカー機の針供給装置の概略構成を示す右側面図である。
【図10】タッカー機の針打込み部を示す図6のX−X線方向の側面図である。
【図11】針打込み部を示す図10のXI−XI線方向の断面図である。
【図12】針打込み部を示す図11のXII−XII線方向の断面図である。
【図13A】針供給装置の動作I状態を示す平面図である。
【図13B】針供給装置の動作II状態を示す平面図である。
【図14A】針供給装置の動作Iを説明する右側面図である。
【図14B】針供給装置の動作IIを説明する右側面図である。
【図14C】針供給装置の動作IIIを説明する右側面図である。
【図14D】針供給装置の動作IVを説明する右側面図である。
【図15】自動針補充機の概略構成を示す平面図である。
【図16】自動針補充機を示す左側面図である。
【図17】自動針補充機を示す右側面図である。
【図18】自動針補充機(前板102aを除く)と針供給装置の関係を示す正面図である。
【図19】自動針打込機の動作を制御する電気制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、一実施例である木材板等の打込み対象物W(以下ワークと記す。)に自動的に針を打込む自動針打込機の概略構成を正面図により示し、図2,図3は自動針打込機について図1のII−II線,III−III線方向を視た部分図により示したものである。自動針打込機10は、鋼材製の左右一対の垂直支柱12,13と、垂直支柱12,13の上端間を連結する上水平支柱14と、垂直支柱12,13の上下中間位置の間を連結する中間水平支柱15とにより構成され床面G上に立設された支持フレーム部11を備えている。上水平支柱14と中間水平支柱15には、左右一対の上下駆動支柱16,17が鉛直方向に床面G近傍まで垂下した状態で取り付けられている。以下、自動針打込機10の左右、上下及び前後方向については図1の左右、上下、前後に合わせるものとする。
【0027】
上水平支柱14の左右両端には、上サーボモータ18,19が載置固定されている。上水平支柱14には図示しないスライドレールが設けられており、上サーボモータ18,19に取り付けられた図示しないタイミングプーリと、上下駆動支柱16,17の図示しないプーリ間が図示しないスライドレールを介して繋げられている。また、中間水平支柱15にも図示しないスライドレールが設けられており、上下駆動支柱16,17が図示しないプーリを介して図示しないスライドレールに摺動可能に連結されている。これにより、上サーボモータ18,19の駆動に応じて、上下駆動支柱16,17がスムーズに左右方向に摺動可能なようになっている。
【0028】
中間水平支柱15の右側には、後述する左右のタッカー機40A,40Bにそれぞれ自動的に針を補充する一対の自動針補充機100A,100Bが併設されている。左垂直支柱12の外側には、高圧エアを発生してタッカー機40A,40Bの各部に供給するコンプレッサー21が床面G上に載置されている。コンプレッサー21からは、高圧エアを供給する高圧配管Pが延出され、垂直支柱12と上水平支柱14を経て途中で高圧配管P1,P2に分岐してそれぞれ上下駆動支柱16,17を経てタッカー機40A,40Bの後述する取付円盤部38に接続されている。また、高圧配管Pから高圧配管P6,P7が分岐してそれぞれ自動針補充機100A,100Bに接続されている。左垂直支柱12の外側には、自動針打込機10の各部の動作を電気的に制御するための移動制御装置、打込み制御装置、残量表示手段、位置制御手段、開閉制御装置等を含めた電気制御装置110が床面G上に載置されている。
【0029】
上下駆動支柱16,17の各右側面上端側には、下サーボモータ23,24が固定されている。上下駆動支柱16,17の互いに対向する側面には、上下に延びたスライドレール16aが一体で設けられており、スライドレール16aにはそれぞれタッカー支持部26A,26Bが後述する取付部27aにより上下方向に摺動可能なように取り付けられている。タッカー支持部26Aは、図2、図3に示すように、横長長方形の金属板製の基板部27を有しており、上下駆動支柱16の右側面(図2においては前面)に取付部27aにて垂直状態で取り付けられている。基板部27の前面左側には、ガイド部27bが水平状態で板面に固定されている。ガイド部27bには、支持台28が取り付けられている。
【0030】
支持台28は、基板部27に平行な長方形の横板28aと、その左端に直角に固定されて前方に延びた長方形の縦板28bと、横板28aと縦板28bの底辺に固定された三角形の底板28cと、縦板28bの右側面に固定された大径の円盤部28dと、円盤部28dに同軸状に重ね合わされた小径筒状の円筒部28eと、横板28aの後面に固定された係合部28fとを設けており、係合部28fによってガイド部27bに水平方向に摺動可能に取り付けられている。また、縦板28bと円盤部28dと円筒部28eの中心には貫通孔29が設けられている。
【0031】
基板部27の前面右側には一対のブラケット31を介して押圧用電磁シリンダ32が固定されている。電磁シリンダ32の駆動軸33が、左方向に延びて支持台28の貫通孔29に挿通されて支持台28に固定されて、縦板28bの外側面から突出している。基板部27の右端側上縁部には針検出センサボックス34が取り付けられている。針検出センサボックス34は、後述する制御部111の制御のもとに、針検出センサ74,78からの針検出情報等が表示されるようになっている。タッカー支持部26Bについてもタッカー支持部26Aと同様に、右側の上下駆動支柱17の左側面に上下方向に摺動可能に取り付けられている。タッカー支持部26A,26Bは、図示しないプーリによりスライドレール16aを介してそれぞれ左及び右の下サーボモータ23,24と連結されており、下サーボモータ23,24の駆動により上下方向に移動可能になっている。両縦板28bの外側面側には、中空の円盤状の回転円盤部35が駆動軸33に対して同軸状にかつ回転可能に取り付けられている。
【0032】
回転円盤部35は、縦板28bに一体で取り付けられており、支持台28と一体で軸方向に移動可能になっており、またパルスコントロールにより駆動軸33を中心として任意の角度に回動できるようになっている。図4,図5に示すように、回転円盤部35の外側面35aの中央にはクッションシリンダ36が同軸状に突出して取り付けられており、また外側面35aにはクッションシリンダ36を囲んで周方向に等間隔に3つのスライドブッシュ37が平行に突出して取り付けられている。クッションシリンダ36の中心軸36aと3つのスライドブッシュ37の中心軸37aは、回転円盤部35に対向して配置された取付円盤部38の片面側に一体で取り付けられている。クッションシリンダ36は、中心軸36aが回転円盤部35からの押圧力を受けて軸方向に移動可能になっており、3つのスライドブッシュ37もこれに応じて中心軸が軸方向に移動可能になっている。つまりクッションシリンダ36と3つのスライドブッシュ37とが、左右方向の変位吸収ダンパを構成している。
【0033】
取付円盤部38は、2枚の円盤部材38a,38bが重ね合わされて中空にされており、右側の円盤部材38aの外周には、コンプレッサー21から延びた高圧配管P1が接続されており、高圧エアが空間内に供給されるようになっている。左側の円盤部材38bの外周には、3本の高圧配管P3,P4,P5が取り付けられており、配管P3はタッカー本体41の後述する接続部49に連結されて、リザーバ43内に高圧エアを供給するようになっている。また、高圧配管P4,P5は、後述する針供給装置81の上下端に取り付けられるようになっている。円盤部材38b側の中心位置には、タッカー機40A,40Bがタッカー本体41の後述する下取付部52にて取り付けられている。
【0034】
タッカー機40A,40Bは、図6〜図9に示すように、タッカー本体41とこれに一体で取り付けられた針供給装置81とにより構成されている。以下、タッカー機40Aの左右、上下及び前後方向については図6の左右、上下、前後に合わせるものとする。タッカー本体41は、鋼鉄製で中空の容器である縦長のL字状のハウジング42を有している。ハウジング42は、縦長で厚さ(図示前後方向厚さ)の薄い上側部42aと横長で厚さの厚い下側部42bが組み合わされたものである。図6に示すように、ハウジング42は、上側部42a内がほぼコンプレッサー21からの高圧空気を溜めるリザーバ43になっており、下側部42b内がほぼシリンダ44になっている。リザーバ43とシリンダ44の間には、リザーバ43からシリンダ44につながる高圧エアの供給路(図示しない)の開閉を制御する高速電磁弁48が設けられている。シリンダ44内には、水平方向に往復動を行うように配置されたピストン45が設けられており、ピストン45の左側面には、細長い薄板状の打撃部材46がピストン45に直角に固定されて水平に延びている。打撃部材46は、後述する針打込み部56の打込み孔58内に供給された針を打撃して、開口からワークWに打ち込むものである。
【0035】
ハウジング42の上側部42aの上端には、接続部49が一体で設けられており、取付円盤部38から延びた高圧配管P3が接続されるようになっている。上側部42aの上端側左側壁には、水平に延びたブラケット51が一体で設けられており、ブラケット51によって後述する針供給装置81がハウジング42に取り付けられるようになっている。また、下側部42bの右側面側が、取付円盤部38に取り付けるための下取付部52になっており、反対の左側面側は開口を有する平坦部53と、平坦部53の上側にて水平に突出した取付凸部54になっており、平坦部53と取付凸部54に針打込み部56が取り付けられるようになっている。
【0036】
針打込み部56は、図6〜図12に示すように、下側の打込み本体57と、その上に重ね合わせて固定された針誘導部61とを有している。打込み本体57は、図11に示すように、上下方向の厚さが薄い板状部材であり、上面において右端近傍位置に段57aが設けられており、段57aから左端に至る部分が高さの高い重ね合せ部57bになっている。また、重ね合せ部57bの左端近傍側がわずかに凹んだ凹部57cになっている。重ね合せ部57bには上下に貫通するコ字状の針を多数連ねてなる針材M及び後述するレール部材82eを挿通させる挿通孔57dが設けられている。打込み本体57は、その中心位置に水平方向に貫通して上記打撃部材46が挿通される打込み孔58を設けている。打込み孔58の断面は針1本を挿入できる非常に狭い隙間になっている。上記挿通孔57dの下端が打込み孔58に連通するようになっている。打込み本体57は、図12に示すように、打込み孔58を挟んだ前後側(図では上下側)でかつ左右方向の右端側に取付孔56aを有し、また左右中間位置に取付孔57eを有している。打込み本体57の下面には、図8に示すように、下取付板59が取付長孔59aにてボルト59bにより固定されている。下取付板59は、ボルト59bによる取付長孔59aの固定位置を調節することにより、左端位置を左右方向に調節できるようになっている。
【0037】
針誘導部61は、図11に示すように、上記重ね合せ部57b上に載置される基部62と、その左側面に一体で重ね合わされる重合部63とを設けている。基部62は、右側面の上下中間位置にてその下側全体が直方体形状に切り欠かれて凹んだ凹部62aを設けており、左側面の下端側に直方体形状に突出した凸部62bを有している。基部62の底面が重ね合せ部57bと同一形状であり、基部62が重ね合せ部57b上に一致して重ね合わされている。基部62は、中央部分に上下に貫通して重ね合せ部57bの挿通孔57dに同一形状でつながる挿通孔62cを設けている。重合部63の上下面は、基部62上面及び底面と面一になっており、基部62の凸部62bに合わせた凹部63aを有しており、凹部63aを凸部62bに嵌め合わせることにより基部62に一体で取り付けられ、図示しないボルトにより基部62に固定される。
【0038】
打込み本体57の上面の上記凹部57cと重合部63の底面との間には、上取付板65が嵌め合わされており、打込み本体57に摺動可能に配設されている。また、打込み本体57の左端面に隣接して、打込み孔58を挟んだ上下両側でかつ前後両端側に各一対のローラ67,68が軸を垂直に向けて配設されている。上側のローラ67は、上取付板65に取付孔(図示しない)を通してピン66により回転可能に取り付けられており、下側のローラ68は、下取付板59に取付孔(図示しない)を通して共通のピン66により回転可能に取り付けられている。上述したように、下取付板59がボルト59bによる取付長孔59aの固定位置を調節することにより左端位置を左右方向に調節できるようになっていることにより、上下のローラ67,68の左右方向の位置調節が可能であり、その結果、ローラ67,68とワークW間の距離が調節可能になっている。針打込み部56は、図6,図8に示すように、ハウジング42下側部42bの左側面側の平坦部53と取付凸部54に重ね合わされて、取付孔56aにてボルト56b止めすることによりハウジング42に取り付けられる。
【0039】
図6及び図9に示すように、針打込み部56の前面上部には、前側ホルダー71が取り付けられている。前側ホルダー71の前面には左右方向に延びたスライド72aが取り付けられている。前側ホルダー71の前面から底面にかけて、右側面からみて略L字状の前センサホルダー72が配設されており、スライド72aを介して左右方向に摺動可能に取り付けられている。また、前側ホルダー71と前センサホルダー72上端間にはばね73が取り付けられており、前センサホルダー72がばね73によって前側ホルダー71に対して左方向に付勢されている。図9に示すように、前センサホルダー72の右側面下端側には、針検出センサ74が取り付けられている。また、図8に示すように、前センサホルダー72の底面側左端には、均し用のセンサ用ローラ75が取り付けられている。センサ用ローラ75は、前センサホルダー72の移動方向に一体となって移動可能になっている。
【0040】
図7及び図9に示すように、針打込み部56の後面上部には、左右方向に延びたスライド76aが取り付けられている。後センサホルダー76がスライド76aを介して針打込み部56に取り付けられている。また、針打込み部56と後センサホルダー76上端間にはばね77が取り付けられており、後センサホルダー76がばね77によって針打込み部56に対して左方向に付勢されている。図9に示すように、後センサホルダー76の右側面下端側には、針検出センサ78が取り付けられている。また、図8に示すように、後センサホルダー76の底面側左端には、センサ用ローラ79が取り付けられている。センサ用ローラ75,79は、前後センサホルダー72,76と一体で移動可能であることにより、針打込み時の衝撃を緩和でき、針検出センサ74,78による針の打ち漏れ検出の精度を高めることができる。
【0041】
針供給装置81は、図6、図7及び図9に示すように、互いに平行に上下に延びてかつ離間して配置された長尺板状の針材保持部82と、長尺丸棒状のロッドレスシリンダ83と、長尺棒状の連結材84とを設けており、これら3つの部材のそれぞれ上端側が上ホルダー85で連結されており、ロッドレスシリンダ83にはプッシャー91が取り付けられている。針材保持部82の下端側が、上記針打込み部56の針誘導部61に挿嵌固定されており、ロッドレスシリンダ83の下端側が、上記前側ホルダー71の上面側に固定されており、連結材84の下端は針誘導部61の左側面に固定されている。
【0042】
針材保持部82は、全体として中空の長方形筒状であって、幅広の左側部材82aと幅の狭い右側部材82bとが両者間に隙間82cを隔てて平行に配置されており、さらに内部の長手方向に沿って延びた空間である供給路82d内には長手方向に沿って長尺棒状のレール部材82eが収容されている。供給路82d内において、鋼製の細線をコの字状に折り曲げた100本の針が重ね合せて連結された一連の針材Mがレール部材82eに支持されて上下に2本収容可能なようになっている。針材保持部82の右側面の上下中央には、上記タッカー本体41のブラケット51を固定するための固定部82fが設けられている。図13A、図13Bに示すように、上ホルダー85は後側(図においては上側)にて供給路82dに繋がる挿通孔85aを設けており、前側(図においては下側)にてロッドレスシリンダ83に繋がる挿通孔85bを設けており、挿通孔85bの上側に取付突部85cを設けている。針材保持部82は、右端において上ホルダー85に設けた挿通孔85aと連通しており、後述する自動針補充機100A,100Bから落下供給される針材Mを、挿通孔85aを通して供給路82d内へ受け入れ可能になっている。
【0043】
図9に示すように、針材保持部82の上端前側(図9では上端左側)には、ロットレスシリンダ83方向に延びた板状の端部材86が取り付けられている。端部材86は、長方形の薄板でロッドレスシリンダ83側の下方左端側から右端近傍位置まで約45°に切り欠かれて傾斜した傾斜部86aになっている。ロッドレスシリンダ83は、中空のパイプであって、上ホルダー85の挿通孔85bに連通しており、取付円盤部38から延びて取付突部85cに連結された高圧配管P4に繋がれており、また下端側の前側ホルダー71側部の取付部(図示しない)に接続された高圧配管P5に連通しており、コンプレッサー21からの高圧エアが高圧配管P4,P5を通して内部に供給されるようになっている。
【0044】
ロッドレスシリンダ83は、中空のパイプ内に図示しない磁石片を移動可能状態で収容しており、この磁石片が上記高圧配管P4からの高圧エアを受けて下方に押され、高圧配管P5からの高圧エアを受けて上方に押されるようになっている。取付孔85bには、孔を開閉する電磁開閉弁87が取り付けられており、前側ホルダー71側部の取付部にも図示しない電磁開閉弁が取り付けられている。ロッドレスシリンダ83には、後述するプッシャー91が摺動可能に取り付けられている。ロッドレスシリンダ83は、図14B〜14Dに示すII,III,IVの3か所に磁気センサである位置センサ88a,88b,88cが取り付けられており、後述するプッシャー91の摺動により、3か所の位置に到達したことを検出できるようになっている。
【0045】
プッシャー91は、貫通孔(図示しない)にてロッドレスシリンダ83外周に嵌め合わされる本体92と、本体92に水平方向移動可能に取り付けられた押圧片93と、押圧片93を引っ張るばね94とを備えている。プッシャー91は上記端部材86と共に上記挿通孔85a下側を開閉する開閉機構を構成している。本体92の上記貫通孔内周面には磁石(図示しない)が配設されており、上記ロッドレスシリンダ83の磁石片の移動に伴って磁石片に吸引され、そのため本体93は磁石片と共に移動するようになっている。押圧片93はロッドレスシリンダ83の軸に対して直角方向に移動可能にされている。ばね94は、一端にて本体92に取り付けられ、他端にて押圧片93に取り付けられている。図13Aに示すように、通常は押圧片93がばね94に引っ張られて針材保持部82の隙間82c内に突出して、供給路82d内に配列された針材Mを前側ホルダー71に向けて押圧するようになっている。また、図13Bに示すように、押圧片93は、ロッドレスシリンダ83に沿って上方に移動する際に、針材保持部82に取り付けられた端部材86の傾斜部86aに当たって押され、ばね94を押してロッドレスシリンダ83の方向に移動することにより先端側が隙間82cから離れる。これにより、押圧片93によって供給路82d内に挿入された針材Mを押す動作が解除され、また上ホルダー85の挿通孔85aを通して針材保持部82内への新たな針材Mの供給が可能になる。
【0046】
プッシャー91の位置は、図14A〜図14Dに示すように、ロッドレスシリンダ83の上端である位置Iが、押圧片93が供給路82dを開放させる初期位置であり、位置IIが、針材Mが供給路82d内に補充された後に供給路82dが押圧片93より閉鎖される位置であり、位置IIIが針材M一本分が消費されて新たな針材Mを補充可能な位置であり、位置IVが針材Mの残量なしを示す位置である。
【0047】
自動針補充機100A,100Bは、図15〜図18に示すように、針材収容部101と、針材収容部101に収容された針材Mの束を補充口103a方向に押圧する針材押圧部107とを備えている。針材収容部101は、平坦な箱状で上端面が開口102fになっている箱部102を有している。箱部102は、前板102a、後板102b、左右側板102c,102d、底板102eを有しており、一本の針材Mの長さと同等の高さで針材Mの高さと同等の幅を有している。箱部102内には、上端面開口102fから多数の針材Mが挿入され、縦に密着して並べられて保持されるようになっている。底板102eの右端側には右端側の一本の針材Mが落下できる補充口103aが開口している。箱部102の後板102bには、上下中央位置に所定幅で略両端間に延びたシリンダ挿入口103bが形成されている。底板102eの右端下側には開閉装置104が設けられている。
【0048】
開閉装置104は、補充口103aを開閉する開閉シャッタ105と、開閉シャッタ105を駆動して開閉動作を行わせる電磁駆動部106とを設けている。針材押圧部107は、箱部102よりわずかに長く細長い中空のケース108と、ケース108内に配置されたケース左端の取入れ口108aを通して供給される高圧エアによって駆動されるプッシャー109とを備えている。ケース108の左端には高圧配管P6,P7が接続されており、ケース108左端側の電磁開閉弁108bの開閉により内部への高圧エアの供給と遮断が切り替えられるようになっている。プッシャー109からは押圧片109aが箱部102内のシリンダ挿入口103b内に挿入されて、針材M群を左端側からを右方に押すようになっている。
【0049】
電気制御装置110は、図1,図19に示すように、ROM,RAM,CPU,I/O等からなるマイクロコンピュータ等より構成された制御部111と、打込み対象物の大きさや、針打ち込み位置等の動作データや、打込み手順等を示す動作プログラムを入力すると共に位置センサ88a〜88cからの針残量情報等を表示するための入力表示装置112と、スタートスイッチ113が設けられている。制御部111の入力側には、位置センサ88a,88b,88c及び針検出センサ74,78が接続されている。制御部111の出力側には、上サーボモータ18,19、下サーボモータ23,24、電磁シリンダ32、針検出センサボックス34、回転円盤部35、高速電磁弁48、電磁開閉弁87、電磁駆動部106、電磁開閉弁108bが接続されている。電気制御装置110は、制御部111の入出力側に接続された上記各部材との協働により自動針打込機10の針打込み動作を電気的に制御するものである。
【0050】
次に、上記自動針打込機10の動作について説明する。
電気制御装置110のスタートスイッチ113をオンすることにより、制御部111による打込み制御が開始される。また、コンプレッサー21の駆動開始により、高圧配管P,P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7を通して高圧エアが供給される。入力表示装置112により入力されたタッカー機40A,40Bの打込み位置データが制御部111により読み取られ、タッカー機40A,40Bの水平方向と垂直方向の位置及び回転角度が決められる。それに応じて、制御部11の制御に基いて上サーボモータ18,19が回転して上下駆動支柱16,17を所定水平位置に移動させ、さらに下サーボモータ23,24が回転してタッカー支持部26A,26Bを所定垂直位置に移動させる。さらに、制御部11の制御に基いて回転円盤部35の回転位置が決められる。
【0051】
一方、針供給装置81には、針材Mが収容されており、押圧片93により一定圧力で押されて、針打込み部56の打込み孔58内に針が1本分供給されている。制御部111の制御により、電磁シリンダ32がタッカー機40A,40Bを押圧することによりタッカー本体41が木材等のワークWに押し付けられる。さらに、タッカー機40A,40Bの高速電磁弁48を駆動することにより、リザーバ43から高圧空気がシリンダ44に供給され、ピストン45が移動して打撃部材46が針打込み部56内に打ち込まれて、針打込み部56内に供給された針に打撃を与えてワークWに打ち込まれる。針の打込み後は、制御部111の制御により、タッカー機40A,40Bが次の打込み位置に移動させられ、同様に針打ち動作が繰り返し行われる。
【0052】
以上に説明したように、本実施例においては、広いワークWの非常に多数の打込み箇所に針を打ち込む場合に、タッカー機40A,40Bの移動により針打込み位置を連続して自動的に決め、位置を決めた後にタッカー機40A,40Bの針打込み部56先端をワークWの打込み位置に自動的に押し付けて、打撃部材46により自動的に針をワークWに打ち込むことができる。その結果、本実施例においては、人手を排して正確な打込み位置に自動的に均一な力でしかも迅速に針を打ち込むことができ、多数の針打込み作業を短い作業時間で正確に行うことが可能になる。
【0053】
また、本実施例では、タッカー支持部26A,26Bのタッカー機40A,40Bとの連結部分に、回転円盤部35にクッションシリンダ36及び3つのスライドブッシュ37が介在しているため、タッカー機40A,40Bの打撃部材46による針打ち込み時の衝撃をクッションシリンダ36と3つのスライドブッシュ37のクッション作用により吸収することができ、ワークWの表面状態によらず針打込み部56先端との接触を安定させることにより、均一な針の打込みが可能になる。さらに、本実施例においては、針打込み部56の先端側にて、上取付板65と下取付板59の間に上下各一対のローラ67,68が回転可能に設けられている。それにより、ワークWに反りや凹み等の不規則な凹凸があっても、ローラ67,68によって凹凸のあるワークWの表面を移動できるため、針打込み部56先端を常にワークWの凹凸状態の面や傾斜した面に合わせることができる。そのため、本実施例のタッカー機40A,40Bによれば、ワークW表面の状態に影響されることなく均一な針の打込みが可能になる。
【0054】
また、本実施例においては、ローラ67,68の針打込み部56への取付位置を針の打込み方向に調節可能としたことにより、ワークWへの針の打込み量や打込み強さを適正に調節できるため、ワークWに応じた針の打込みが可能になる。さらに、本実施例では、針打込み部56の先端側にて、前後センサホルダー72,76の前端に、それぞれ針検出センサ74,78が取り付けられている。これにより、タッカー機40A,40Bによる針打ちの方向が回転によって変わっても、タッカー本体41の移動方向の両側に針検出センサ74,78が設けられていることにより、自動針打込機10による連続的な針打込みの過程で、針の打ち漏れを自動的に検出でき、その結果が針検出センサボックス34に表示される。また、針検出センサ74,78の取付け箇所で、タッカー本体41の移動方向の両側にセンサ用ローラ75,79が設けられていることにより、針打込み時の衝撃をセンサ用ローラ75,79で緩和できるため、針検出センサ74,78による打ち漏れ検出の精度がさらに高められる。
【0055】
また、本実施例においては、針供給装置81が、針材保持部82内に上端の挿通孔85aから挿入された針材Mが収容された状態で、プッシャー91の押圧片93により一定の空気圧で押される。そのため、針の量が増減しても、針材Mが常に一定の力で押されるため、針打込み部56内への針の供給にばらつきがなく、針打込み部56内に確実に均一に供給される。その結果、本実施例においては、針の打ち漏れを防止でき、確実な効率のよい針打ちが可能になる。
【0056】
また、本実施例においては、プッシャー91が、針材保持部82内の及び針材の残量が一本分となる位置IIIに達すると、位置センサ88bにより検出され、制御部111の制御によりその結果が入力表示装置112に表示される。これにより、針材Mの残量を自動的に認識することができる。また、プッシャー91が,針材Mなしの位置IVに達すると位置センサ83cにより検出され、制御部111の制御により、電磁開閉弁87が閉鎖されて、高圧配管P4から高圧エアの供給が停止され、下側の高圧配管P5から高圧エアが供給されることにより、プッシャー91が上方の基準位置Iに移動し、同時に挿通孔85aが開放される。さらに、位置センサ88aによるプッシャー91の検出に応じて、制御部111の制御により、針供給装置81の上方に配置した自動針補充機100A,100Bの開閉装置104により開閉シャッタ105が動作して補充口103aが開放される。それにより、針収容部101内の針材Mが落下して針供給装置81の挿通孔85aを通して自動的に補充することができるので、針材M不足の不都合を確実に防止できる。プッシャー91が、位置Iから離れた時に挿通孔85aが閉鎖されるため、挿通孔85aからの無用な針材Mの供給を防止できる。
【0057】
上記実施例では、タッカー機40A,40B自体の位置を変えながら、固定されたワークWの複数個所に針の打ち込みが行われているが、変形例として、タッカー機自体を固定させて、逆にワークW自体を移動させながら針の打込みを行うことも可能である。例えば、床面に固定したタッカー支持部によってタッカー機を動かないように固定し、タッカー支持部に設けたタッカー押圧部によってワークへの押し付けを行わせるようにし、ワークを上下左右に移動させながら針打込み位置を決めることにより、ワークの多数の打込み位置に自動的に連続して針の打込みを行うことが可能になる。
【0058】
なお、上記実施例によれば、自動針打込機は、2台のタッカー機により2対のワークWに針打ち込みが行われるようになっているが、これに代えて1台のタッカー機により針打込みを行うようにすることも可能である。また、上記実施例においては、タッカー機に自動針補充機を加えた構成となっているが、必要に応じて自動針補充機を省くことも可能である。その他、上記実施例に示した自動針打込機の構成については一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0059】
10…自動針打込機、11…支持フレーム部、21…コンプレッサー、26A,26B…タッカー支持部、28…支持台、32…電磁シリンダ、35…回転円盤部、36…クッションシリンダ、37…スライドブッシュ、38…取付円盤部、40A,40B…タッカー機、41…タッカー本体、42…ハウジング、43…リザーバ、44…シリンダ、45…ピストン、46…打撃部材、56…針打込み部、57…打込み本体、58…打込み孔、61…針誘導部、67,68…ローラ、72…前センサホルダー、76…後センサホルダー、74,78…針検出センサ、75,79…センサ用ローラ、81…針供給装置、82…針材保持部、83…ロッドレスシリンダ、85…上ホルダー、85a…挿通孔、85b…取付孔、86…端部材、91…プッシャー、93…押圧片、100A,100B…自動針補充機、101…針材収容部、104…開閉装置、107…針材押圧部、109…プッシャー、110…電気制御装置、111…制御部、112…入力表示装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧空気を利用して、ブレード等の打撃部材をピストン・シリンダ装置によって駆動し、この打撃部材によって針等を木材板等の打込み対象物に打込む針打込機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の針打込機としては、例えば特許文献1に示す空気圧式固着具打込機が知られている。この固着具打込機は、内部に高圧空気を溜めるリザーバを形成したハウジングと、ハウジングの内部に設けられたメインシリンダと、メインシリンダ内を往復動するように配置され、下方のノーズにある固着具(針)を打撃する打込み部材が連結されたメインピストンとを備えている。さらにメインシリンダ上部にメインシリンダ内への高圧空気の供給及び遮断制御するように移動するメインバルブが設けられたタイプのものや、メインシリンダ内への高圧空気の供給及び遮断を制御するように、トリガー装置を作動させることにより、メインシリンダ自体が静止位置と打込み位置との間を移動するタイプのものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−71948号公報
【0004】
上記固着具打込機は、人が手で固着具の打込みを行うものであり、打込み作業に時間がかかると共に、人の感覚に頼った打込みになるため、針の打込み量にばらつきが生じやすかった。特に、木製板材のような傾斜や反り等を有する打込み対象物に対して、人手でこれら傾斜等に追従して適正な打込みを行う必要があり、打込み作業が困難になると共に針の打込み量にさらにばらつきが生じやすかった。さらに、固着具打込機は、針を打込み位置に供給する針供給装置を備えており、マガジンに収容された多数の針を一本ずつ打込み位置に供給するようになっている。ここで、従来の手動による針打込機では、打込み位置への針の供給は、針をばねで押圧することにより行われているが、ばねの伸縮量の違いにより針に加わる押圧力に差が生じやすかった。そのため、打出し口への針の供給にばらつきが生じ、針の打ち漏れが生じるおそれがあると共に、針の打ち漏れの検出も困難であった。また、従来の針打込機では、マガジン内に収容された針の残量の管理は目視により行われており、さらにはマガジンへの針の自動的な供給もできなく、その結果、針の打ち込み作業がさらに非効率なものとなっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決しようとするもので、打込み対象物への針の打込みを自動的にかつ打込み対象物の状態によらず精度よく行うことが可能な自動針打込機を提供することを目的とする。また、本発明は、針供給装置における針の供給量を揃えて、針の打ち漏れを抑え、また針の打ち漏れの検出が可能な自動針打込機を提供することを第2の目的とする。また、本発明は、針供給装置における針の残量を管理でき、さらに針供給装置へ自動的に針を補充できる自動針打込機を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の特徴は、高圧空気を溜めるリザーバとシリンダとを設けたハウジングと、シリンダ内を往復動するように配置され、リザーバからシリンダ内に供給された高圧空気を受けてハウジングに突設された針打込み部に挿入されて針打込み部内に供給された針を打撃する打撃部材が連結されたピストンと、リザーバからシリンダ内への高圧空気の供給及び遮断を切り替える電磁開閉弁とを設けたタッカー本体と、多数の針が連なった針材を収容し針打込み部内に針を一本ずつ供給する針供給装置とを有するタッカー機と、タッカー機をピストンの移動方向に移動可能に支持するタッカー支持部と、タッカー支持部に設けられてタッカー機を押して針打込み部先端を打込み対象物に押し付けるタッカー押圧部と、打込み対象物への針の打ち込み条件を入力する条件入力手段と、条件入力手段からの入力に応じてタッカー機又は打込み対象物を打込み可能な状態に配置させる打込み配置手段と、打込み配置手段からの配置結果を受けて、タッカー押圧部を駆動して針打込み部先端を打込み対象物に押し付け、電磁開閉弁を駆動して打撃部材により打込み対象物に針を打込ませるように制御する打込み制御装置と、を備えたことにある。
【0007】
本発明によれば、条件入力手段による釘打ち込み条件の入力に対して、打込み配置手段によりタッカー機又は打込み対象物が打込み可能な状態に配置されると、これに応じて打込み制御装置の制御に基づいて、タッカー押圧部によりタッカー本体の針打込み部先端が打込み対象物に押し付けられ、タッカー本体の電磁開閉弁を駆動することにより、リザーバから高圧空気がシリンダに供給され、ピストンが移動して打撃部材により針打込み部内の針に打撃を与えて、打込み対象物に打ち込まれる。その結果、本発明においては、人手を排して自動的に均一な力でしかも迅速に針を打ち込むことができ、多数の針打込み作業を短い作業時間で正確に行うことが可能になる。
【0008】
また、本発明において、打込み配置手段を、タッカー支持部を支持すると共にタッカー支持部を上下及び水平方向に移動させる垂直水平移動装置と、タッカー支持部に支持されたタッカー機を回転させるタッカー回転駆動部と、垂直水平移動装置によるタッカー支持部の移動方向及び移動量と、タッカー回転駆動部によるタッカー機の回転角度とを制御する移動制御装置と、により構成することができる。
【0009】
本発明によれば、打込み配置手段を構成する移動制御装置の制御に基づいて、垂直水平移動装置によりタッカー支持部が所定の打込み位置に移動させられ、タッカー回転駆動部の回転角度が決められる。この位置決めに応じて、打込み制御装置の制御により、タッカー押圧部によりタッカー本体が打込み対象物に押し付けられ、タッカー本体の電磁開閉弁を駆動することにより、リザーバから高圧空気がシリンダに供給され、ピストンが移動して打撃部材により針が打撃を与えられて打込み対象物に打ち込まれる。その結果、本発明においては、広い打込み対象物の多数の箇所に針を打込む場合に、連続して自動的に位置を決め、位置を決めた後にタッカー本体を打込み対象物の打込み位置に自動的に押し付けて、打撃部材により自動的に針を打込み対象物に打ち込むことができる。その結果、本発明においては、自動針打込機自体の移動により、人手を排して正確な打込み位置に自動的に均一な力でしかも迅速に針を打ち込むことができ、多数の針打込み作業を短い作業時間で正確に行うことが可能になる。
【0010】
また、本発明において、タッカー支持部とタッカー機との連結部分に変位吸収ダンパを介在させ、針打込み部の先端側でかつタッカー本体又は打込み対象物の移動方向の両側に、それぞれ移動方向に向けて回転可能なローラを設けることができる。これにより、打込み対象物に反りや波打ち等の不規則な凹凸や傾斜があっても、一対のローラによって凹凸のある打込み対象物の表面を移動できるため、針打ち部先端を常に打込み対象物の面に合わせることができる。さらに、タッカー本体の打撃部材による針打ち込み時の衝撃を変位吸収ダンパにより吸収することができ、打込み対象物の表面状態によらず打ち出し部先端との接触を安定させることにより、均一な針の打込みが可能になる。そのため、打込み対象物表面の状態に影響されることなく均一な安定した針の打込みが可能になる。
【0011】
また、本発明において、ローラの針打込み部への取付位置を、針の打込み方向に調節可能とすることができる。これにより、打込み対象物への針の打込み量や打込み強さを適正に調節できるため、打込み対象物に応じた針の打込みが可能になる。
【0012】
また、本発明において、針打込み部の先端側に、打込み対象物に針が打ち込まれたことを検出する針検出センサを設けることができる。これにより、自動針打込機による連続的な針打込みの過程で、針の打ち漏れを自動的に確実に検出することができる。
【0013】
また、本発明において、針検出センサの取付け箇所におけるタッカー本体又は打込み対象物の移動方向の両側に、それぞれ移動方向に向けて回転可能なセンサ用ローラを設けることができる。これにより、針打込み時の衝撃をセンサ用ローラで緩和できるため、針検出センサによる打ち漏れ検出の精度が高められる。
【0014】
また、本発明において、針検出センサを、タッカー本体又は打込み対象物の移動方向の両側に設けることができる。これにより、自動針打込機による針打ちの方向が変わっても、両側に設けた針検出センサにより打ち漏れの検出が可能になるため、正確な針の打ち漏れの検出が可能になる。
【0015】
また、本発明において、針供給装置が、針打込み部に対して直角に配置されて、一端側開口から挿入される針材を収容して他端側開口から針打込み部に針を供給する長尺状の針材保持部と、針材を針打込み部に向けて一定の空気圧で押す押圧片を有するプッシャーとを設けることができる。これにより、針材保持部に収容された針材がプッシャーにより一定の空気圧で押されるため、針の量が増減しても、針が常に一定の力で押されるため、針打込み部内への針の供給にばらつきがなく、針打込み部内に確実に均一に供給される。その結果、本発明においては、針の打ち漏れを防止でき、確実な効率のよい針打ちが可能になる。
【0016】
また、本発明において、プッシャーの押圧片が針材保持部の一端側開口側の基準位置に戻った時に、押圧片により一端側開口側を開放し、押圧片が該基準位置から離れた時に一端側開口側を押圧片により閉鎖する開閉機構を設けることができる。これにより、プッシャーが針材保持部の一端側開口側に戻った時にのみ一端側開口側が開放されて針の挿入が可能になり、プッシャーが一端側開口側から離れると一端側開口側が閉鎖されるため、針の挿入を阻止できる。
【0017】
また、本発明において、プッシャーの押圧片が針材保持部内の針材の残量が一本分となる位置に達したことを検出して検出結果を表示する残量表示手段と、押圧片が針材保持部内の針材なしの位置に達したことを検出して押圧片を基準位置に移動させるように制御する位置制御手段とを設けることができる。これにより、針材の残量が一本分となったことが残量表示手段により表示されるため、針材の不足により供給する必要があることを自動的に知ることができる。また、針材がなしになると、位置制御装置の制御により押圧片が自動的に針材保持部の一端側開口側に移動させられることにより、針材なしを明確に知ることができる。
【0018】
また、本発明において、針材保持部を鉛直にすると共に一端側開口を上端側に配置した状態で、一端側開口の上方に配置され、内部に収容した針材を補充口から一端側開口内に落下補充する針補充装置を設けることができる。これにより、針供給装置の上方に配置した針補充装置の補充口から針供給装置の一端側開口内に針材を簡単かつ確実に落下供給することができる。
【0019】
また、本発明において、針補充装置の補充口を開閉板により開閉可能とし、針材保持部の一端側開口側の開放・閉鎖に応じて開閉板を開放・閉鎖する開閉制御装置を設けることができる。ここで、これにより、針供給装置内の針が一定量減少し、一端側開口側がシャッタにより解放されると、これに応じて開閉制御装置の制御により針補充装置から針材を自動的に補充できるので、針材不足の不都合を確実に防止できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明においては、打込み配置手段によりタッカー機又は打込み対象物が打込み可能な状態に配置されると、打込み制御装置の制御に基づいて、打撃部材により針打込み部内の針に打撃を与えて、打込み対象物に連続して針が打ち込まれるため、人手を排して自動的に均一な力でしかも迅速に針を打ち込むことができ、多数の針打込み作業を短い作業時間で正確に行うことが可能になる。特に、移動制御装置の制御により、垂直水平移動装置とタッカー回転駆動部とによってタッカー支持部が所定の打込み位置に移動させられる場合には、タッカー機自体の動作により打込み対象物の任意の位置に針の打込みが可能であり、多様な打込み対象物への適用が容易になる。
【0021】
また、本発明においては、一対のローラによって凹凸のある打込み対象物の表面を移動できるため、針打ち部先端を常に打込み対象物の面に合わせることができ、さらにタッカー本体の打撃部材による針打ち込み時の衝撃を変位吸収ダンパにより吸収することができ、打込み対象物の表面状態によらず針打込み部先端との接触を安定させることにより、打込み対象物表面の状態に影響されることなく均一な安定した針の打込みが可能になる。また、ローラの取付位置を調節できるため、打込み対象物への針の打込み量や打込み強さを適正に調節できるため、打込み対象物に応じた針の打込みが可能になる。
【0022】
また、本発明においては、自動針打込機による連続的な針打込みの過程で、針の打ち漏れを自動的に検出でき、また、針打込み時の衝撃をセンサ用ローラで緩和できるため、針検出センサによる打ち漏れ検出の精度が高められる。特に、針打込み部の両側に針検出センサを設けたことにより、針打込みの方向が変わっても、正確な針の打ち漏れの検出が可能になる。
【0023】
また、本発明においては、針材保持部に収容された針材がプッシャーにより一定の空気圧で押されるため、針の量が増減しても、針が常に一定の力で押されるため、針が針打込み部内に確実に均一に供給され、針の打ち漏れを防止できる。また、プッシャーが針材保持部の一端側開口側に戻った時にのみ一端側開口側が開放されて針材の挿入が可能になり、プッシャーが一端側開口側から離れると一端側開口側が閉鎖されるため、無用な針材の挿入を阻止できる。また、本発明においては、針材の残量が位置センサにより検出されると、位置制御手段の制御により押圧片が自動的に針材保持部の一端側開口側に移動させられるため、針材の不足により供給する必要があることを自動的に知ることができる。
【0024】
また、本発明においては、針供給装置の上方に配置した針補充装置の補充口から針供給装置の反対側開口内に針材を落下供給することができ、さらに、針供給装置内の針が一定量減少して一端側開口側解放されるのに応じて、開閉制御装置の制御により針補充装置から針材を自動的に補充できるので、針材不足の不都合を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例である自動針打込機の概略構成を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線方向の概略構成を示す部分図である。
【図3】図1のIII−III線方向の概略構成を示す部分図である。
【図4】回転駆動部を示す正面図である。
【図5】回転駆動部とタッカー機との接続部分を概略的に示す側面図である。
【図6】タッカー機の概略構成を示す正面図である。
【図7】タッカー機の概略構成を示す背面図である。
【図8】タッカー機の概略構成を示す底面図である。
【図9】タッカー機の針供給装置の概略構成を示す右側面図である。
【図10】タッカー機の針打込み部を示す図6のX−X線方向の側面図である。
【図11】針打込み部を示す図10のXI−XI線方向の断面図である。
【図12】針打込み部を示す図11のXII−XII線方向の断面図である。
【図13A】針供給装置の動作I状態を示す平面図である。
【図13B】針供給装置の動作II状態を示す平面図である。
【図14A】針供給装置の動作Iを説明する右側面図である。
【図14B】針供給装置の動作IIを説明する右側面図である。
【図14C】針供給装置の動作IIIを説明する右側面図である。
【図14D】針供給装置の動作IVを説明する右側面図である。
【図15】自動針補充機の概略構成を示す平面図である。
【図16】自動針補充機を示す左側面図である。
【図17】自動針補充機を示す右側面図である。
【図18】自動針補充機(前板102aを除く)と針供給装置の関係を示す正面図である。
【図19】自動針打込機の動作を制御する電気制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、一実施例である木材板等の打込み対象物W(以下ワークと記す。)に自動的に針を打込む自動針打込機の概略構成を正面図により示し、図2,図3は自動針打込機について図1のII−II線,III−III線方向を視た部分図により示したものである。自動針打込機10は、鋼材製の左右一対の垂直支柱12,13と、垂直支柱12,13の上端間を連結する上水平支柱14と、垂直支柱12,13の上下中間位置の間を連結する中間水平支柱15とにより構成され床面G上に立設された支持フレーム部11を備えている。上水平支柱14と中間水平支柱15には、左右一対の上下駆動支柱16,17が鉛直方向に床面G近傍まで垂下した状態で取り付けられている。以下、自動針打込機10の左右、上下及び前後方向については図1の左右、上下、前後に合わせるものとする。
【0027】
上水平支柱14の左右両端には、上サーボモータ18,19が載置固定されている。上水平支柱14には図示しないスライドレールが設けられており、上サーボモータ18,19に取り付けられた図示しないタイミングプーリと、上下駆動支柱16,17の図示しないプーリ間が図示しないスライドレールを介して繋げられている。また、中間水平支柱15にも図示しないスライドレールが設けられており、上下駆動支柱16,17が図示しないプーリを介して図示しないスライドレールに摺動可能に連結されている。これにより、上サーボモータ18,19の駆動に応じて、上下駆動支柱16,17がスムーズに左右方向に摺動可能なようになっている。
【0028】
中間水平支柱15の右側には、後述する左右のタッカー機40A,40Bにそれぞれ自動的に針を補充する一対の自動針補充機100A,100Bが併設されている。左垂直支柱12の外側には、高圧エアを発生してタッカー機40A,40Bの各部に供給するコンプレッサー21が床面G上に載置されている。コンプレッサー21からは、高圧エアを供給する高圧配管Pが延出され、垂直支柱12と上水平支柱14を経て途中で高圧配管P1,P2に分岐してそれぞれ上下駆動支柱16,17を経てタッカー機40A,40Bの後述する取付円盤部38に接続されている。また、高圧配管Pから高圧配管P6,P7が分岐してそれぞれ自動針補充機100A,100Bに接続されている。左垂直支柱12の外側には、自動針打込機10の各部の動作を電気的に制御するための移動制御装置、打込み制御装置、残量表示手段、位置制御手段、開閉制御装置等を含めた電気制御装置110が床面G上に載置されている。
【0029】
上下駆動支柱16,17の各右側面上端側には、下サーボモータ23,24が固定されている。上下駆動支柱16,17の互いに対向する側面には、上下に延びたスライドレール16aが一体で設けられており、スライドレール16aにはそれぞれタッカー支持部26A,26Bが後述する取付部27aにより上下方向に摺動可能なように取り付けられている。タッカー支持部26Aは、図2、図3に示すように、横長長方形の金属板製の基板部27を有しており、上下駆動支柱16の右側面(図2においては前面)に取付部27aにて垂直状態で取り付けられている。基板部27の前面左側には、ガイド部27bが水平状態で板面に固定されている。ガイド部27bには、支持台28が取り付けられている。
【0030】
支持台28は、基板部27に平行な長方形の横板28aと、その左端に直角に固定されて前方に延びた長方形の縦板28bと、横板28aと縦板28bの底辺に固定された三角形の底板28cと、縦板28bの右側面に固定された大径の円盤部28dと、円盤部28dに同軸状に重ね合わされた小径筒状の円筒部28eと、横板28aの後面に固定された係合部28fとを設けており、係合部28fによってガイド部27bに水平方向に摺動可能に取り付けられている。また、縦板28bと円盤部28dと円筒部28eの中心には貫通孔29が設けられている。
【0031】
基板部27の前面右側には一対のブラケット31を介して押圧用電磁シリンダ32が固定されている。電磁シリンダ32の駆動軸33が、左方向に延びて支持台28の貫通孔29に挿通されて支持台28に固定されて、縦板28bの外側面から突出している。基板部27の右端側上縁部には針検出センサボックス34が取り付けられている。針検出センサボックス34は、後述する制御部111の制御のもとに、針検出センサ74,78からの針検出情報等が表示されるようになっている。タッカー支持部26Bについてもタッカー支持部26Aと同様に、右側の上下駆動支柱17の左側面に上下方向に摺動可能に取り付けられている。タッカー支持部26A,26Bは、図示しないプーリによりスライドレール16aを介してそれぞれ左及び右の下サーボモータ23,24と連結されており、下サーボモータ23,24の駆動により上下方向に移動可能になっている。両縦板28bの外側面側には、中空の円盤状の回転円盤部35が駆動軸33に対して同軸状にかつ回転可能に取り付けられている。
【0032】
回転円盤部35は、縦板28bに一体で取り付けられており、支持台28と一体で軸方向に移動可能になっており、またパルスコントロールにより駆動軸33を中心として任意の角度に回動できるようになっている。図4,図5に示すように、回転円盤部35の外側面35aの中央にはクッションシリンダ36が同軸状に突出して取り付けられており、また外側面35aにはクッションシリンダ36を囲んで周方向に等間隔に3つのスライドブッシュ37が平行に突出して取り付けられている。クッションシリンダ36の中心軸36aと3つのスライドブッシュ37の中心軸37aは、回転円盤部35に対向して配置された取付円盤部38の片面側に一体で取り付けられている。クッションシリンダ36は、中心軸36aが回転円盤部35からの押圧力を受けて軸方向に移動可能になっており、3つのスライドブッシュ37もこれに応じて中心軸が軸方向に移動可能になっている。つまりクッションシリンダ36と3つのスライドブッシュ37とが、左右方向の変位吸収ダンパを構成している。
【0033】
取付円盤部38は、2枚の円盤部材38a,38bが重ね合わされて中空にされており、右側の円盤部材38aの外周には、コンプレッサー21から延びた高圧配管P1が接続されており、高圧エアが空間内に供給されるようになっている。左側の円盤部材38bの外周には、3本の高圧配管P3,P4,P5が取り付けられており、配管P3はタッカー本体41の後述する接続部49に連結されて、リザーバ43内に高圧エアを供給するようになっている。また、高圧配管P4,P5は、後述する針供給装置81の上下端に取り付けられるようになっている。円盤部材38b側の中心位置には、タッカー機40A,40Bがタッカー本体41の後述する下取付部52にて取り付けられている。
【0034】
タッカー機40A,40Bは、図6〜図9に示すように、タッカー本体41とこれに一体で取り付けられた針供給装置81とにより構成されている。以下、タッカー機40Aの左右、上下及び前後方向については図6の左右、上下、前後に合わせるものとする。タッカー本体41は、鋼鉄製で中空の容器である縦長のL字状のハウジング42を有している。ハウジング42は、縦長で厚さ(図示前後方向厚さ)の薄い上側部42aと横長で厚さの厚い下側部42bが組み合わされたものである。図6に示すように、ハウジング42は、上側部42a内がほぼコンプレッサー21からの高圧空気を溜めるリザーバ43になっており、下側部42b内がほぼシリンダ44になっている。リザーバ43とシリンダ44の間には、リザーバ43からシリンダ44につながる高圧エアの供給路(図示しない)の開閉を制御する高速電磁弁48が設けられている。シリンダ44内には、水平方向に往復動を行うように配置されたピストン45が設けられており、ピストン45の左側面には、細長い薄板状の打撃部材46がピストン45に直角に固定されて水平に延びている。打撃部材46は、後述する針打込み部56の打込み孔58内に供給された針を打撃して、開口からワークWに打ち込むものである。
【0035】
ハウジング42の上側部42aの上端には、接続部49が一体で設けられており、取付円盤部38から延びた高圧配管P3が接続されるようになっている。上側部42aの上端側左側壁には、水平に延びたブラケット51が一体で設けられており、ブラケット51によって後述する針供給装置81がハウジング42に取り付けられるようになっている。また、下側部42bの右側面側が、取付円盤部38に取り付けるための下取付部52になっており、反対の左側面側は開口を有する平坦部53と、平坦部53の上側にて水平に突出した取付凸部54になっており、平坦部53と取付凸部54に針打込み部56が取り付けられるようになっている。
【0036】
針打込み部56は、図6〜図12に示すように、下側の打込み本体57と、その上に重ね合わせて固定された針誘導部61とを有している。打込み本体57は、図11に示すように、上下方向の厚さが薄い板状部材であり、上面において右端近傍位置に段57aが設けられており、段57aから左端に至る部分が高さの高い重ね合せ部57bになっている。また、重ね合せ部57bの左端近傍側がわずかに凹んだ凹部57cになっている。重ね合せ部57bには上下に貫通するコ字状の針を多数連ねてなる針材M及び後述するレール部材82eを挿通させる挿通孔57dが設けられている。打込み本体57は、その中心位置に水平方向に貫通して上記打撃部材46が挿通される打込み孔58を設けている。打込み孔58の断面は針1本を挿入できる非常に狭い隙間になっている。上記挿通孔57dの下端が打込み孔58に連通するようになっている。打込み本体57は、図12に示すように、打込み孔58を挟んだ前後側(図では上下側)でかつ左右方向の右端側に取付孔56aを有し、また左右中間位置に取付孔57eを有している。打込み本体57の下面には、図8に示すように、下取付板59が取付長孔59aにてボルト59bにより固定されている。下取付板59は、ボルト59bによる取付長孔59aの固定位置を調節することにより、左端位置を左右方向に調節できるようになっている。
【0037】
針誘導部61は、図11に示すように、上記重ね合せ部57b上に載置される基部62と、その左側面に一体で重ね合わされる重合部63とを設けている。基部62は、右側面の上下中間位置にてその下側全体が直方体形状に切り欠かれて凹んだ凹部62aを設けており、左側面の下端側に直方体形状に突出した凸部62bを有している。基部62の底面が重ね合せ部57bと同一形状であり、基部62が重ね合せ部57b上に一致して重ね合わされている。基部62は、中央部分に上下に貫通して重ね合せ部57bの挿通孔57dに同一形状でつながる挿通孔62cを設けている。重合部63の上下面は、基部62上面及び底面と面一になっており、基部62の凸部62bに合わせた凹部63aを有しており、凹部63aを凸部62bに嵌め合わせることにより基部62に一体で取り付けられ、図示しないボルトにより基部62に固定される。
【0038】
打込み本体57の上面の上記凹部57cと重合部63の底面との間には、上取付板65が嵌め合わされており、打込み本体57に摺動可能に配設されている。また、打込み本体57の左端面に隣接して、打込み孔58を挟んだ上下両側でかつ前後両端側に各一対のローラ67,68が軸を垂直に向けて配設されている。上側のローラ67は、上取付板65に取付孔(図示しない)を通してピン66により回転可能に取り付けられており、下側のローラ68は、下取付板59に取付孔(図示しない)を通して共通のピン66により回転可能に取り付けられている。上述したように、下取付板59がボルト59bによる取付長孔59aの固定位置を調節することにより左端位置を左右方向に調節できるようになっていることにより、上下のローラ67,68の左右方向の位置調節が可能であり、その結果、ローラ67,68とワークW間の距離が調節可能になっている。針打込み部56は、図6,図8に示すように、ハウジング42下側部42bの左側面側の平坦部53と取付凸部54に重ね合わされて、取付孔56aにてボルト56b止めすることによりハウジング42に取り付けられる。
【0039】
図6及び図9に示すように、針打込み部56の前面上部には、前側ホルダー71が取り付けられている。前側ホルダー71の前面には左右方向に延びたスライド72aが取り付けられている。前側ホルダー71の前面から底面にかけて、右側面からみて略L字状の前センサホルダー72が配設されており、スライド72aを介して左右方向に摺動可能に取り付けられている。また、前側ホルダー71と前センサホルダー72上端間にはばね73が取り付けられており、前センサホルダー72がばね73によって前側ホルダー71に対して左方向に付勢されている。図9に示すように、前センサホルダー72の右側面下端側には、針検出センサ74が取り付けられている。また、図8に示すように、前センサホルダー72の底面側左端には、均し用のセンサ用ローラ75が取り付けられている。センサ用ローラ75は、前センサホルダー72の移動方向に一体となって移動可能になっている。
【0040】
図7及び図9に示すように、針打込み部56の後面上部には、左右方向に延びたスライド76aが取り付けられている。後センサホルダー76がスライド76aを介して針打込み部56に取り付けられている。また、針打込み部56と後センサホルダー76上端間にはばね77が取り付けられており、後センサホルダー76がばね77によって針打込み部56に対して左方向に付勢されている。図9に示すように、後センサホルダー76の右側面下端側には、針検出センサ78が取り付けられている。また、図8に示すように、後センサホルダー76の底面側左端には、センサ用ローラ79が取り付けられている。センサ用ローラ75,79は、前後センサホルダー72,76と一体で移動可能であることにより、針打込み時の衝撃を緩和でき、針検出センサ74,78による針の打ち漏れ検出の精度を高めることができる。
【0041】
針供給装置81は、図6、図7及び図9に示すように、互いに平行に上下に延びてかつ離間して配置された長尺板状の針材保持部82と、長尺丸棒状のロッドレスシリンダ83と、長尺棒状の連結材84とを設けており、これら3つの部材のそれぞれ上端側が上ホルダー85で連結されており、ロッドレスシリンダ83にはプッシャー91が取り付けられている。針材保持部82の下端側が、上記針打込み部56の針誘導部61に挿嵌固定されており、ロッドレスシリンダ83の下端側が、上記前側ホルダー71の上面側に固定されており、連結材84の下端は針誘導部61の左側面に固定されている。
【0042】
針材保持部82は、全体として中空の長方形筒状であって、幅広の左側部材82aと幅の狭い右側部材82bとが両者間に隙間82cを隔てて平行に配置されており、さらに内部の長手方向に沿って延びた空間である供給路82d内には長手方向に沿って長尺棒状のレール部材82eが収容されている。供給路82d内において、鋼製の細線をコの字状に折り曲げた100本の針が重ね合せて連結された一連の針材Mがレール部材82eに支持されて上下に2本収容可能なようになっている。針材保持部82の右側面の上下中央には、上記タッカー本体41のブラケット51を固定するための固定部82fが設けられている。図13A、図13Bに示すように、上ホルダー85は後側(図においては上側)にて供給路82dに繋がる挿通孔85aを設けており、前側(図においては下側)にてロッドレスシリンダ83に繋がる挿通孔85bを設けており、挿通孔85bの上側に取付突部85cを設けている。針材保持部82は、右端において上ホルダー85に設けた挿通孔85aと連通しており、後述する自動針補充機100A,100Bから落下供給される針材Mを、挿通孔85aを通して供給路82d内へ受け入れ可能になっている。
【0043】
図9に示すように、針材保持部82の上端前側(図9では上端左側)には、ロットレスシリンダ83方向に延びた板状の端部材86が取り付けられている。端部材86は、長方形の薄板でロッドレスシリンダ83側の下方左端側から右端近傍位置まで約45°に切り欠かれて傾斜した傾斜部86aになっている。ロッドレスシリンダ83は、中空のパイプであって、上ホルダー85の挿通孔85bに連通しており、取付円盤部38から延びて取付突部85cに連結された高圧配管P4に繋がれており、また下端側の前側ホルダー71側部の取付部(図示しない)に接続された高圧配管P5に連通しており、コンプレッサー21からの高圧エアが高圧配管P4,P5を通して内部に供給されるようになっている。
【0044】
ロッドレスシリンダ83は、中空のパイプ内に図示しない磁石片を移動可能状態で収容しており、この磁石片が上記高圧配管P4からの高圧エアを受けて下方に押され、高圧配管P5からの高圧エアを受けて上方に押されるようになっている。取付孔85bには、孔を開閉する電磁開閉弁87が取り付けられており、前側ホルダー71側部の取付部にも図示しない電磁開閉弁が取り付けられている。ロッドレスシリンダ83には、後述するプッシャー91が摺動可能に取り付けられている。ロッドレスシリンダ83は、図14B〜14Dに示すII,III,IVの3か所に磁気センサである位置センサ88a,88b,88cが取り付けられており、後述するプッシャー91の摺動により、3か所の位置に到達したことを検出できるようになっている。
【0045】
プッシャー91は、貫通孔(図示しない)にてロッドレスシリンダ83外周に嵌め合わされる本体92と、本体92に水平方向移動可能に取り付けられた押圧片93と、押圧片93を引っ張るばね94とを備えている。プッシャー91は上記端部材86と共に上記挿通孔85a下側を開閉する開閉機構を構成している。本体92の上記貫通孔内周面には磁石(図示しない)が配設されており、上記ロッドレスシリンダ83の磁石片の移動に伴って磁石片に吸引され、そのため本体93は磁石片と共に移動するようになっている。押圧片93はロッドレスシリンダ83の軸に対して直角方向に移動可能にされている。ばね94は、一端にて本体92に取り付けられ、他端にて押圧片93に取り付けられている。図13Aに示すように、通常は押圧片93がばね94に引っ張られて針材保持部82の隙間82c内に突出して、供給路82d内に配列された針材Mを前側ホルダー71に向けて押圧するようになっている。また、図13Bに示すように、押圧片93は、ロッドレスシリンダ83に沿って上方に移動する際に、針材保持部82に取り付けられた端部材86の傾斜部86aに当たって押され、ばね94を押してロッドレスシリンダ83の方向に移動することにより先端側が隙間82cから離れる。これにより、押圧片93によって供給路82d内に挿入された針材Mを押す動作が解除され、また上ホルダー85の挿通孔85aを通して針材保持部82内への新たな針材Mの供給が可能になる。
【0046】
プッシャー91の位置は、図14A〜図14Dに示すように、ロッドレスシリンダ83の上端である位置Iが、押圧片93が供給路82dを開放させる初期位置であり、位置IIが、針材Mが供給路82d内に補充された後に供給路82dが押圧片93より閉鎖される位置であり、位置IIIが針材M一本分が消費されて新たな針材Mを補充可能な位置であり、位置IVが針材Mの残量なしを示す位置である。
【0047】
自動針補充機100A,100Bは、図15〜図18に示すように、針材収容部101と、針材収容部101に収容された針材Mの束を補充口103a方向に押圧する針材押圧部107とを備えている。針材収容部101は、平坦な箱状で上端面が開口102fになっている箱部102を有している。箱部102は、前板102a、後板102b、左右側板102c,102d、底板102eを有しており、一本の針材Mの長さと同等の高さで針材Mの高さと同等の幅を有している。箱部102内には、上端面開口102fから多数の針材Mが挿入され、縦に密着して並べられて保持されるようになっている。底板102eの右端側には右端側の一本の針材Mが落下できる補充口103aが開口している。箱部102の後板102bには、上下中央位置に所定幅で略両端間に延びたシリンダ挿入口103bが形成されている。底板102eの右端下側には開閉装置104が設けられている。
【0048】
開閉装置104は、補充口103aを開閉する開閉シャッタ105と、開閉シャッタ105を駆動して開閉動作を行わせる電磁駆動部106とを設けている。針材押圧部107は、箱部102よりわずかに長く細長い中空のケース108と、ケース108内に配置されたケース左端の取入れ口108aを通して供給される高圧エアによって駆動されるプッシャー109とを備えている。ケース108の左端には高圧配管P6,P7が接続されており、ケース108左端側の電磁開閉弁108bの開閉により内部への高圧エアの供給と遮断が切り替えられるようになっている。プッシャー109からは押圧片109aが箱部102内のシリンダ挿入口103b内に挿入されて、針材M群を左端側からを右方に押すようになっている。
【0049】
電気制御装置110は、図1,図19に示すように、ROM,RAM,CPU,I/O等からなるマイクロコンピュータ等より構成された制御部111と、打込み対象物の大きさや、針打ち込み位置等の動作データや、打込み手順等を示す動作プログラムを入力すると共に位置センサ88a〜88cからの針残量情報等を表示するための入力表示装置112と、スタートスイッチ113が設けられている。制御部111の入力側には、位置センサ88a,88b,88c及び針検出センサ74,78が接続されている。制御部111の出力側には、上サーボモータ18,19、下サーボモータ23,24、電磁シリンダ32、針検出センサボックス34、回転円盤部35、高速電磁弁48、電磁開閉弁87、電磁駆動部106、電磁開閉弁108bが接続されている。電気制御装置110は、制御部111の入出力側に接続された上記各部材との協働により自動針打込機10の針打込み動作を電気的に制御するものである。
【0050】
次に、上記自動針打込機10の動作について説明する。
電気制御装置110のスタートスイッチ113をオンすることにより、制御部111による打込み制御が開始される。また、コンプレッサー21の駆動開始により、高圧配管P,P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7を通して高圧エアが供給される。入力表示装置112により入力されたタッカー機40A,40Bの打込み位置データが制御部111により読み取られ、タッカー機40A,40Bの水平方向と垂直方向の位置及び回転角度が決められる。それに応じて、制御部11の制御に基いて上サーボモータ18,19が回転して上下駆動支柱16,17を所定水平位置に移動させ、さらに下サーボモータ23,24が回転してタッカー支持部26A,26Bを所定垂直位置に移動させる。さらに、制御部11の制御に基いて回転円盤部35の回転位置が決められる。
【0051】
一方、針供給装置81には、針材Mが収容されており、押圧片93により一定圧力で押されて、針打込み部56の打込み孔58内に針が1本分供給されている。制御部111の制御により、電磁シリンダ32がタッカー機40A,40Bを押圧することによりタッカー本体41が木材等のワークWに押し付けられる。さらに、タッカー機40A,40Bの高速電磁弁48を駆動することにより、リザーバ43から高圧空気がシリンダ44に供給され、ピストン45が移動して打撃部材46が針打込み部56内に打ち込まれて、針打込み部56内に供給された針に打撃を与えてワークWに打ち込まれる。針の打込み後は、制御部111の制御により、タッカー機40A,40Bが次の打込み位置に移動させられ、同様に針打ち動作が繰り返し行われる。
【0052】
以上に説明したように、本実施例においては、広いワークWの非常に多数の打込み箇所に針を打ち込む場合に、タッカー機40A,40Bの移動により針打込み位置を連続して自動的に決め、位置を決めた後にタッカー機40A,40Bの針打込み部56先端をワークWの打込み位置に自動的に押し付けて、打撃部材46により自動的に針をワークWに打ち込むことができる。その結果、本実施例においては、人手を排して正確な打込み位置に自動的に均一な力でしかも迅速に針を打ち込むことができ、多数の針打込み作業を短い作業時間で正確に行うことが可能になる。
【0053】
また、本実施例では、タッカー支持部26A,26Bのタッカー機40A,40Bとの連結部分に、回転円盤部35にクッションシリンダ36及び3つのスライドブッシュ37が介在しているため、タッカー機40A,40Bの打撃部材46による針打ち込み時の衝撃をクッションシリンダ36と3つのスライドブッシュ37のクッション作用により吸収することができ、ワークWの表面状態によらず針打込み部56先端との接触を安定させることにより、均一な針の打込みが可能になる。さらに、本実施例においては、針打込み部56の先端側にて、上取付板65と下取付板59の間に上下各一対のローラ67,68が回転可能に設けられている。それにより、ワークWに反りや凹み等の不規則な凹凸があっても、ローラ67,68によって凹凸のあるワークWの表面を移動できるため、針打込み部56先端を常にワークWの凹凸状態の面や傾斜した面に合わせることができる。そのため、本実施例のタッカー機40A,40Bによれば、ワークW表面の状態に影響されることなく均一な針の打込みが可能になる。
【0054】
また、本実施例においては、ローラ67,68の針打込み部56への取付位置を針の打込み方向に調節可能としたことにより、ワークWへの針の打込み量や打込み強さを適正に調節できるため、ワークWに応じた針の打込みが可能になる。さらに、本実施例では、針打込み部56の先端側にて、前後センサホルダー72,76の前端に、それぞれ針検出センサ74,78が取り付けられている。これにより、タッカー機40A,40Bによる針打ちの方向が回転によって変わっても、タッカー本体41の移動方向の両側に針検出センサ74,78が設けられていることにより、自動針打込機10による連続的な針打込みの過程で、針の打ち漏れを自動的に検出でき、その結果が針検出センサボックス34に表示される。また、針検出センサ74,78の取付け箇所で、タッカー本体41の移動方向の両側にセンサ用ローラ75,79が設けられていることにより、針打込み時の衝撃をセンサ用ローラ75,79で緩和できるため、針検出センサ74,78による打ち漏れ検出の精度がさらに高められる。
【0055】
また、本実施例においては、針供給装置81が、針材保持部82内に上端の挿通孔85aから挿入された針材Mが収容された状態で、プッシャー91の押圧片93により一定の空気圧で押される。そのため、針の量が増減しても、針材Mが常に一定の力で押されるため、針打込み部56内への針の供給にばらつきがなく、針打込み部56内に確実に均一に供給される。その結果、本実施例においては、針の打ち漏れを防止でき、確実な効率のよい針打ちが可能になる。
【0056】
また、本実施例においては、プッシャー91が、針材保持部82内の及び針材の残量が一本分となる位置IIIに達すると、位置センサ88bにより検出され、制御部111の制御によりその結果が入力表示装置112に表示される。これにより、針材Mの残量を自動的に認識することができる。また、プッシャー91が,針材Mなしの位置IVに達すると位置センサ83cにより検出され、制御部111の制御により、電磁開閉弁87が閉鎖されて、高圧配管P4から高圧エアの供給が停止され、下側の高圧配管P5から高圧エアが供給されることにより、プッシャー91が上方の基準位置Iに移動し、同時に挿通孔85aが開放される。さらに、位置センサ88aによるプッシャー91の検出に応じて、制御部111の制御により、針供給装置81の上方に配置した自動針補充機100A,100Bの開閉装置104により開閉シャッタ105が動作して補充口103aが開放される。それにより、針収容部101内の針材Mが落下して針供給装置81の挿通孔85aを通して自動的に補充することができるので、針材M不足の不都合を確実に防止できる。プッシャー91が、位置Iから離れた時に挿通孔85aが閉鎖されるため、挿通孔85aからの無用な針材Mの供給を防止できる。
【0057】
上記実施例では、タッカー機40A,40B自体の位置を変えながら、固定されたワークWの複数個所に針の打ち込みが行われているが、変形例として、タッカー機自体を固定させて、逆にワークW自体を移動させながら針の打込みを行うことも可能である。例えば、床面に固定したタッカー支持部によってタッカー機を動かないように固定し、タッカー支持部に設けたタッカー押圧部によってワークへの押し付けを行わせるようにし、ワークを上下左右に移動させながら針打込み位置を決めることにより、ワークの多数の打込み位置に自動的に連続して針の打込みを行うことが可能になる。
【0058】
なお、上記実施例によれば、自動針打込機は、2台のタッカー機により2対のワークWに針打ち込みが行われるようになっているが、これに代えて1台のタッカー機により針打込みを行うようにすることも可能である。また、上記実施例においては、タッカー機に自動針補充機を加えた構成となっているが、必要に応じて自動針補充機を省くことも可能である。その他、上記実施例に示した自動針打込機の構成については一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0059】
10…自動針打込機、11…支持フレーム部、21…コンプレッサー、26A,26B…タッカー支持部、28…支持台、32…電磁シリンダ、35…回転円盤部、36…クッションシリンダ、37…スライドブッシュ、38…取付円盤部、40A,40B…タッカー機、41…タッカー本体、42…ハウジング、43…リザーバ、44…シリンダ、45…ピストン、46…打撃部材、56…針打込み部、57…打込み本体、58…打込み孔、61…針誘導部、67,68…ローラ、72…前センサホルダー、76…後センサホルダー、74,78…針検出センサ、75,79…センサ用ローラ、81…針供給装置、82…針材保持部、83…ロッドレスシリンダ、85…上ホルダー、85a…挿通孔、85b…取付孔、86…端部材、91…プッシャー、93…押圧片、100A,100B…自動針補充機、101…針材収容部、104…開閉装置、107…針材押圧部、109…プッシャー、110…電気制御装置、111…制御部、112…入力表示装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧空気を溜めるリザーバとシリンダとを設けたハウジングと、前記シリンダ内を往復動するように配置され、前記リザーバからシリンダ内に供給された高圧空気を受けて前記ハウジングに突設された針打込み部に挿入されて該針打込み部内に供給された針を打撃する打撃部材が連結されたピストンと、前記リザーバからシリンダ内への高圧空気の供給及び遮断を切り替える電磁開閉弁とを設けたタッカー本体と、多数の針が連なった針材を収容し前記針打込み部内に針を一本ずつ供給する針供給装置とを有するタッカー機と、
該タッカー機を前記ピストンの移動方向に移動可能に支持するタッカー支持部と、
該タッカー支持部に設けられて前記タッカー機を押して前記針打込み部先端を打込み対象物に押し付けるタッカー押圧部と、
前記打込み対象物への針の打ち込み条件を入力する条件入力手段と、
該条件入力手段からの入力に応じて前記タッカー機又は打込み対象物を打込み可能な状態に配置させる打込み配置手段と、
該打込み配置手段からの配置結果を受けて、前記タッカー押圧部を駆動して前記針打込み部先端を前記打込み対象物に押し付け、前記電磁開閉弁を駆動して前記打撃部材により該打込み対象物に針を打込ませるように制御する打込み制御装置と、
を備えたことを特徴とする自動針打込機。
【請求項2】
前記打込み配置手段を、
前記タッカー支持部を支持すると共に該タッカー支持部を上下及び水平方向に移動させる垂直水平移動装置と、前記タッカー支持部に支持された前記タッカー機を回転させるタッカー回転駆動部と、前記垂直水平移動装置による前記タッカー支持部の移動方向及び移動量と、前記タッカー回転駆動部による前記タッカー機の回転角度とを制御する移動制御装置と、により構成したことを特徴とする請求項1に記載の自動針打込機。
【請求項3】
前記タッカー支持部と前記タッカー機との連結部分に変位吸収ダンパを介在させ、前記針打込み部の先端側でかつ前記タッカー本体又は前記打込み対象物の移動方向の両側に、それぞれ移動方向に向けて回転可能なローラを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動針打込機。
【請求項4】
前記ローラの前記針打込み部への取付位置を、針の打込み方向に調節可能としたことを特徴とする請求項3に記載の自動針打込機。
【請求項5】
前記針打込み部の先端側に、前記打込み対象物に針が打ち込まれたことを検出する針検出センサを設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の自動針打込機。
【請求項6】
前記針検出センサの取付け箇所における前記タッカー本体又は前記打込み対象物の移動方向の両側に、それぞれ移動方向に向けて回転可能なセンサ用ローラを設けたことを特徴とする請求項5に記載の自動針打込機。
【請求項7】
前記針検出センサを、前記タッカー本体又は前記打込み対象物の移動方向の両側に設けたことを特徴とする請求項5又は6に記載の自動針打込機。
【請求項8】
前記針供給装置が、前記針打込み部に対して直角に配置されて、一端側開口から挿入される針材を収容して他端側開口から該針打込み部に針を供給する長尺状の針材保持部と、該針材を前記針打込み部に向けて一定の空気圧で押す押圧片を有するプッシャーとを設けたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の自動針打込機。
【請求項9】
前記プッシャーの押圧片が前記針材保持部の一端側開口側の基準位置に戻った時に、該押圧片により該一端側開口側を開放し、該押圧片が該基準位置から離れた時に該一端側開口側を該押圧片により閉鎖する開閉機構を設けたことを特徴とする請求項8に記載の自動針打込機。
【請求項10】
前記プッシャーの押圧片が前記針材保持部内の針材の残量が一本分となる位置に達したことを検出して検出結果を表示する残量表示手段と、該押圧片が前記針材保持部内の針材なしの位置に達したことを検出して該押圧片を前記基準位置に移動させるように制御する位置制御手段とを設けたことを特徴とする請求項8又は9に記載の自動針打込機。
【請求項11】
前記針材保持部を鉛直にすると共に前記一端側開口を上端側に配置した状態で、該一端側開口の上方に配置され、内部に収容した針材を補充口から該一端側開口内に落下補充する針補充装置を設けたことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の自動針打込機。
【請求項12】
前記針補充装置の補充口を開閉板により開閉可能とし、前記針材保持部の一端側開口側の開放・閉鎖に応じて前記開閉板を開放・閉鎖する開閉制御装置を設けたことを特徴とする請求項11に記載の自動針打込機。
【請求項1】
高圧空気を溜めるリザーバとシリンダとを設けたハウジングと、前記シリンダ内を往復動するように配置され、前記リザーバからシリンダ内に供給された高圧空気を受けて前記ハウジングに突設された針打込み部に挿入されて該針打込み部内に供給された針を打撃する打撃部材が連結されたピストンと、前記リザーバからシリンダ内への高圧空気の供給及び遮断を切り替える電磁開閉弁とを設けたタッカー本体と、多数の針が連なった針材を収容し前記針打込み部内に針を一本ずつ供給する針供給装置とを有するタッカー機と、
該タッカー機を前記ピストンの移動方向に移動可能に支持するタッカー支持部と、
該タッカー支持部に設けられて前記タッカー機を押して前記針打込み部先端を打込み対象物に押し付けるタッカー押圧部と、
前記打込み対象物への針の打ち込み条件を入力する条件入力手段と、
該条件入力手段からの入力に応じて前記タッカー機又は打込み対象物を打込み可能な状態に配置させる打込み配置手段と、
該打込み配置手段からの配置結果を受けて、前記タッカー押圧部を駆動して前記針打込み部先端を前記打込み対象物に押し付け、前記電磁開閉弁を駆動して前記打撃部材により該打込み対象物に針を打込ませるように制御する打込み制御装置と、
を備えたことを特徴とする自動針打込機。
【請求項2】
前記打込み配置手段を、
前記タッカー支持部を支持すると共に該タッカー支持部を上下及び水平方向に移動させる垂直水平移動装置と、前記タッカー支持部に支持された前記タッカー機を回転させるタッカー回転駆動部と、前記垂直水平移動装置による前記タッカー支持部の移動方向及び移動量と、前記タッカー回転駆動部による前記タッカー機の回転角度とを制御する移動制御装置と、により構成したことを特徴とする請求項1に記載の自動針打込機。
【請求項3】
前記タッカー支持部と前記タッカー機との連結部分に変位吸収ダンパを介在させ、前記針打込み部の先端側でかつ前記タッカー本体又は前記打込み対象物の移動方向の両側に、それぞれ移動方向に向けて回転可能なローラを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動針打込機。
【請求項4】
前記ローラの前記針打込み部への取付位置を、針の打込み方向に調節可能としたことを特徴とする請求項3に記載の自動針打込機。
【請求項5】
前記針打込み部の先端側に、前記打込み対象物に針が打ち込まれたことを検出する針検出センサを設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の自動針打込機。
【請求項6】
前記針検出センサの取付け箇所における前記タッカー本体又は前記打込み対象物の移動方向の両側に、それぞれ移動方向に向けて回転可能なセンサ用ローラを設けたことを特徴とする請求項5に記載の自動針打込機。
【請求項7】
前記針検出センサを、前記タッカー本体又は前記打込み対象物の移動方向の両側に設けたことを特徴とする請求項5又は6に記載の自動針打込機。
【請求項8】
前記針供給装置が、前記針打込み部に対して直角に配置されて、一端側開口から挿入される針材を収容して他端側開口から該針打込み部に針を供給する長尺状の針材保持部と、該針材を前記針打込み部に向けて一定の空気圧で押す押圧片を有するプッシャーとを設けたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の自動針打込機。
【請求項9】
前記プッシャーの押圧片が前記針材保持部の一端側開口側の基準位置に戻った時に、該押圧片により該一端側開口側を開放し、該押圧片が該基準位置から離れた時に該一端側開口側を該押圧片により閉鎖する開閉機構を設けたことを特徴とする請求項8に記載の自動針打込機。
【請求項10】
前記プッシャーの押圧片が前記針材保持部内の針材の残量が一本分となる位置に達したことを検出して検出結果を表示する残量表示手段と、該押圧片が前記針材保持部内の針材なしの位置に達したことを検出して該押圧片を前記基準位置に移動させるように制御する位置制御手段とを設けたことを特徴とする請求項8又は9に記載の自動針打込機。
【請求項11】
前記針材保持部を鉛直にすると共に前記一端側開口を上端側に配置した状態で、該一端側開口の上方に配置され、内部に収容した針材を補充口から該一端側開口内に落下補充する針補充装置を設けたことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の自動針打込機。
【請求項12】
前記針補充装置の補充口を開閉板により開閉可能とし、前記針材保持部の一端側開口側の開放・閉鎖に応じて前記開閉板を開放・閉鎖する開閉制御装置を設けたことを特徴とする請求項11に記載の自動針打込機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−51263(P2012−51263A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196241(P2010−196241)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(508362310)八和エレック株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(508362310)八和エレック株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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