説明

自己拡張式電極カフ

電極リードアセンブリーが説明される。このリードアセンブリーは、間隔を空けて位置した一連の電極部材と実質的に再閉鎖可能な開口とを備えている拡張可能なカフ電極を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年5月2日付の米国特許仮出願第 61/049,927号について、米国特許法第119条(e)に規定の優先権を主張し、これを参照することにより、その内容は本明細書に含まれるものとする。
【0002】
本発明は、広くには、患者の軟組織を刺激および監視するための埋め込み式の刺激システムに関し、さらに詳しくは、神経組織の刺激および/または監視のために埋め込み式の刺激システムの電極を神経の周囲に配置するための拡張可能な電極カフに関する。
【背景技術】
【0003】
睡眠時無呼吸とは、一般に、睡眠の最中に呼吸が中断することを指す。閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と称される睡眠時無呼吸の一種は、上気道の閉塞および/またはつぶれに起因して睡眠の最中に呼吸が反復的に中断することを特徴とし、通常は、血中酸素飽和度の低下を伴う。
【0004】
閉塞性睡眠時無呼吸の1つの治療方法として、顎の下方の首領域に位置する舌下神経へと電気刺激をもたらすことが挙げられる。そのような刺激療法は、上気道の筋肉を活発にして、上気道の開通性を維持する。睡眠時無呼吸の治療においては、閉塞した気道を通って呼吸をすることの困難性ゆえの呼吸の苦労の増大が、呼吸の吸気段階に同期して気道を開いた状態に保持する上気道の筋肉または筋肉群を刺激することによって回避される。例えば、頤舌筋が、睡眠時無呼吸の治療において舌下神経の周囲に配置されたカフ電極によって刺激される。
【0005】
顎の下方においてかなりの運動が多数の方向に生じる可能性があるため、舌下神経の刺激を可能にするように電極を配置することは、かなりの難題となる。一方では、電極およびリードを舌下神経のすぐ近くに配置することが、顎および首の通常の運動の結果として、神経への刺激につながる可能性があり、他方では、神経への密着を欠くと、神経および電極カフおよびリードの間の接続組織が増加し、しきい値を低くして、装置によってもたらされる刺激の有効性を減じる可能性がある。
【0006】
神経刺激療法のための電極の配置における別の課題は、カフ電極を埋め込むべく神経を処理するときおよび/またはカフ電極を神経の周囲に固定するときに神経が乱されるため、舌下神経が膨らむ傾向を有することに関係する。カフ電極が神経に固定された後で、神経が膨らむと、電極およびリードによって神経に過大な圧力が加わる結果となりうる。さらには、電極が最初に埋め込まれた後に、線維症ゆえに、電極の位置がさらに固定される傾向にある。したがって、リードおよび電極の埋め込み後の1ヵ月の間、電極カフを神経に適切に配置された状態に保つと同時に、膨らむ神経に過度の圧力を加えないことが望まれる。神経刺激のための電極の配置におけるさらなる課題は、他の近傍の神経または筋肉を刺激することがないように、刺激電流が舌下神経に限定されなければならないという事実に起因する。近傍の神経または筋肉を刺激してしまうと、患者が不快に感じ、睡眠が失われかねない。
【0007】
本発明の態様および特徴は、それらが本発明の実施の形態についての以下の詳細な説明を参照し、添付の図面と併せて検討することによってよりよく理解されたときに、正当に評価されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態による自己拡張式神経カフを備えている埋め込み式の刺激システムの概略図である。
【0009】
【図2】本発明の実施の形態による埋め込み式の刺激システムにおいて利用されるリードの側面図である。
【0010】
【図3】本発明の実施の形態による拡張可能な電極カフの斜視図である。
【0011】
【図4】本発明の一実施の形態による図3の線4−4に沿って得た断面図である。
【0012】
【図5】本発明の一実施の形態による図3の線5−5に沿って得た断面図である。
【0013】
【図6】本発明の実施の形態による中間的な開放位置にある図5の拡張可能なカフの断面図である。
【0014】
【図7】本発明の実施の形態による完全に開いた位置にある図5の拡張可能な電極カフの断面図である。
【0015】
【図8】本発明の実施の形態による中間的な開放位置にある拡張可能な電極カフの断面図である。
【0016】
【図9】本発明の実施の形態によるより大きな直径の完全に係合した位置にある拡張可能な電極カフの断面図である。
【0017】
【図10】本発明の実施の形態による別のより大きな直径の完全に係合した位置にある拡張可能な電極カフの断面図である。
【0018】
【図11】本発明の実施の形態による完全に係合した位置にある拡張可能な電極カフの断面図である。
【0019】
【図12】本発明の実施の形態による完全に係合した位置にある拡張可能な電極カフの断面図である。
【0020】
【図13】本発明の実施の形態による完全に係合した位置にある拡張可能な電極カフの断面図である。
【0021】
【図14】本発明の実施の形態による拡張可能な電極カフの斜視図である。
【0022】
【図15】本発明の実施の形態による図14の線15−15に沿って得た断面図である。
【0023】
【図16】本発明の実施の形態による別の外側フランジ部材を備えている図15の拡張可能な電極カフの断面図である。
【0024】
【図17】本発明の実施の形態による拡張可能な電極カフの断面図である。
【0025】
【図18】本発明の実施の形態による拡張可能な電極カフの断面図である。
【0026】
【図19】本発明の実施の形態による別の外側フランジ部材を備えている図18の拡張可能な電極カフの断面図である。
【0027】
【図20】本発明の実施の形態によるさらに別の外側フランジ部材を備えている図15の拡張可能な電極カフの断面図である。
【0028】
【図21】本発明の実施の形態によるさらに別の外側フランジ部材を備えている図18の拡張可能な電極カフの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の詳細な説明は、あくまでも例示にすぎず、本発明または本発明の実施の形態の応用および用途を限定しようとするものではない。さらに、上述の技術分野、背景、要約、または以下の詳細な説明に明示的または暗示的に提示されるいかなる理論にも縛られるものではない。
【0030】
本発明の実施の形態は、ひとたび再閉鎖可能な開口を介して神経の周囲に係合させられたならば、神経の直径の増加に対応するように自動的に拡張することが可能でありながら、依然としてカフの電極と神経との間の接触を維持する電極カフを提供する。説明される特徴の中でもとりわけ、電極カフは、電極カフの内側に神経を緩まないように閉じ込めつつ自動的に拡張可能なよう、互いに解除可能に接触したままであるように付勢され、お互いに対してスライドにて可動である、対向かつ/あるいは重なり合うフランジ部材の組み合わせを備えている。
【0031】
これらの実施の形態および他の実施の形態が、図1〜21に関連して説明される。
【0032】
図1は、本発明の実施の形態による自己拡張式神経カフを備えている埋め込み式の刺激システムの概略図である。図1に示されているように、本発明の一実施の形態による埋め込み式の刺激システムの実施例は、患者10の胸部に外科的に配置することができる埋め込み式のパルス発生器(IPG)55と、IPG55の接続ポートに配置されたコネクター(図示されていない)を介してIPG55に電気的に接続される刺激リード52とを備えている。リード52は、電極または電極システム65を備えており、詳しくは後述されるように、神経53の刺激を可能にするために、電極システム65を所望の神経(患者10の舌下神経53など)の周囲に位置させるようにIPG55から延びている。リード52を利用することができる典型的な埋め込み式の刺激システムは、例えばChristophersonらの米国特許第6,572,543号(その全体が、ここでの言及によって本明細書に援用される)に記載されており、呼吸の努力を検出すべくセンサーまたはトランスデューサ60を患者10に配置できるよう、IPG55に電気的に接続されてIPG55から延びているセンサーリード57をさらに備えている。
【0033】
センサー60は、頸切痕または気管と食道との間の空間など、胸膜内の空間との圧力の連続性を有している領域に外科的に埋め込まれ、あるいは気管または食道のいずれかに取り付けられる圧力センサーであってよい。さらには、センサー60を、肋間に配置しても、あるいは胸骨柄の後ろ側の圧力を検出するための位置に固定してもよい。胸骨64の頸切痕62および胸骨柄63は、胸膜内の空間に解剖学的に連続している胸郭上部の周知の構造体である。さらには、胸膜内の圧力の変化が、特徴的な呼吸の努力の波形をもたらすことも周知である。
【0034】
センサー60を配置するための場所は、少なくとも部分的には、遅延(すなわち、呼吸の発生点からセンサー位置へと伝播する呼吸の努力に特徴的な圧力波形に関する伝播時間)の関数として選択される。選択される位置は、特定の位置において有用な検出信号を実現するために必要なフィルター処理の量(すなわち、例えば心臓の波形の活動を取り除くために必要とされるフィルター処理など、所望される検出対象の特徴に関する波形以外の波形を除去するために必要なフィルター処理の量)の関数でもある。センサー60を配置することで、IPG55が、呼吸の苦労の増大を判断するために利用される呼吸の努力の波形情報を受け取ることができ、IPG55が、この情報を使用して判断される呼吸の苦労の増大に応答して、治療の提供を制御することができる。
【0035】
図2は、本発明の実施の形態による埋め込み式の刺激システムにおいて利用されるリードの側面図である。一実施の形態においては、図2に示されるように、リード80が、リード本体82、コネクター88、および拡張可能なカフ電極90を備えている。リード本体82が、近位端84から遠位端86まで延びており、コネクター88が、リード80をIPG55へと電気的に接続するために、リード本体82の近位端84に配置されている。拡張可能な電極カフ90が、リード本体82の遠位端86に位置しており、舌下神経または他の神経など、対象となる神経の周囲に配置されるように構成されている。電極カフ90は、1つ以上の電極92を、電極カフ90が神経の周囲に配置されたときにそれぞれの電極92が神経に接するように、電極カフ90の壁に埋め込んで備えている。一態様において、リード本体82は、この技術分野において公知のとおり、電極92がコネクター88のそれぞれのコネクターピン94を介してIPG55へと電気的に接続されるよう、電極92とコネクター88とを電気的に接続するために、リード本体82の内部を延びる導体(図示されていない)を備えている。
【0036】
図3は、リード80のカフ電極90に代えて配置することができる本発明の一実施の形態による拡張可能な電極カフ100の斜視図である。図3に示されるとおり、カフ100は、カフ本体101および電極103のアレイ102を備えている。一般に、カフ本体101は、対象とする神経が通過して延びる管腔140を定めている。他の特徴の中でもとりわけ、カフ本体101は、1対の弾性フィンガー134、150(例えば、フランジ部材)を備えており、弾性フィンガー134、150は、おおむねアーチ形の形状を有し、カフ本体101のベース部120から延びている。大まかには、弾性的に付勢されたフィンガー134、150の端部を互いに引き離すことによって、対象とする神経を係合させるために、管腔140へのアクセスがもたらされる。フィンガー134、150を解放すると、カフ本体101は、図3に示されている形状に復帰する。さらに後述されるとおり、ひとたび神経に配置されると、フィンガー134、150の材料および構造ゆえに、カフ本体101によって囲まれた神経のサイズの拡大に対応するように、管腔140のサイズが自動的に拡張可能である。このやり方で、電極103が、フィンガー134、150とベース120との間に定められる管腔140の直径の拡大を可能にしつつ、神経にぴったりと接触した状態に保持される。
【0037】
一実施の形態において、電極103のアレイ102は、それぞれの電極103をカフ本体101の長さに沿って互いに離間させつつ、カフ本体101の壁に埋め込まれている。いくつかの実施の形態においては、図3に示されているように、電極103が、カフ本体101の共通の側または部位に位置する1本の長手軸に沿って直列に整列している。しかしながら、他の実施の形態においては、電極103が、1本の長手軸に対して側方に互い違いにずらされ、あるいは他のパターンに配置される。一実施の形態において、電極103は、約0.050インチの幅(W2)を有している。
【0038】
いくつかの実施の形態においては、カフ100が、少なくとも図4〜10に関してさらに詳しく説明されるように、カフ本体101の外表面の少なくとも一部分およびフィンガー134、150の遠位端の間の再閉鎖可能な開口109を開放可能に覆うように付勢および構成された外側のフラップまたはフランジ部材をさらに備えている。しかしながら、他の実施の形態においては、この外側フラップが省略される。いずれの場合も、図3は、外側フラップが存在することによって見えなくなってしまうと考えられるカフ本体101の特徴および属性を明瞭に見えるように示すために、外側フラップを有さないカフ本体101を図示している。
【0039】
図4は、本発明の一実施の形態による拡張可能な電極カフ100について、図3の線4−4に沿って得た断面図である。図4に示されるとおり、カフ100は、管腔140を定めており、カフ100によって囲まれる神経に接触するように、間隔を空けて配置された電極103の列を提供している。他の特徴のなかでもとりわけ、カフ本体101は、本体部120の長さを貫いて延び、それぞれの電極103の各々に電気的につながるように配置された導電コイル105をさらに備えている。いくつかの実施の形態においては、コイル105が、3つの別々のコイルコンポーネントを含んでおり、各々の電極103を、各々の電極103から神経へと独立した刺激信号を加えることができるよう、該当する1つのコイルコンポーネントによって別々に制御できると理解される。さらに、別の態様においては、ベース部120が、コイル105の近位部分をリード本体82の導電要素へと電気的に接続しつつ、カフ本体101をリード本体82へと機械的に接続するために、近位方向に延びた近位延長部121を備えている。一態様においては、この近位延長部121が、リード本体82から電極カフ100への力をリード本体82のより広い部分に分布させるためのひずみ緩和部として機能する。
【0040】
一態様においては、各々の電極103が、コネクターまたはクリンプチューブ107(図5に示されている)が機械的および電気的に取り付けられる下端部を備えており、電極コイル105の一部分が、クリンプチューブ107へと機械的および電気的に接続される。一例(ただし、これに限られるわけではない)においては、クリンプチューブ107および電極103が、それらの機械的および電気的な接続を達成するために、溶接に適した金属である。一態様において、電極は、生体適合性かつ耐食性の導電材料から製作される。一例(ただし、これに限られるわけではない)においては、電極が、90%の白金および10%のインジウムを含んでいる材料など、白金−イリジウム材料から製作される。他の態様においては、コイル105が、銀コアのMP35Nタイプの導体で製作されるが、他の種類の、銀ではない導体も使用可能である。銀製の部品はリードのインピーダンスを下げ、より効率的なリードをもたらす。これらの導電材料の特定の属性ゆえに、リード本体82の材料は、リード82の一部分をクリンプすることによってクリンプチューブ107へと機械的に接続され、コイル105と電極103との間の電気的接続を確立する。
【0041】
図5が、本発明の一実施の形態による拡張可能な電極カフについて、図3の線5−5に沿って得た断面図である。図5に示されているように、一実施の形態においては、拡張可能な電極カフ100が、ベース部120、第1のフランジ部材130、第2のフランジ部材134、および第3のフランジ部材150を備えている。ベース部120は、上壁122、底壁124、第1の側壁126、および第2の側壁128を備えている。第2のフランジ部材134および第3のフランジ部材150は、おおむね円形の管腔140を定めるように形作られ、付勢され、長さを有しているアーチ形のフィンガーを備えている。第2のフランジ部材134は、ベース部120の第2の側壁128および上壁122からおおむね外方向に延びており、第2のフランジ部材134の少なくとも一部分が、ベース部120の上壁122から離れて位置している。他方で、第3のフランジ部材150は、ベース部120の第1の側壁126および上壁122からおおむね外方向に延びている。
【0042】
一態様において、第2のフランジ部材134は、第3のフランジ部材150のアーチ形の長さよりも大幅に大きいアーチ形の長さを有している。一実施の形態においては、第2のフランジ部材134が、第3のフランジ部材150のアーチ形の長さよりも大幅に大きい(3倍長いなど)アーチ形の長さを有している。さらに、別の態様においては、さらに詳しく後述されるとおり、第2のフランジ部材134が、第2のフランジ部材134の遠位部分136の幅および第3のフランジ部材150の遠位部分152の幅よりも大幅に大きい幅(3〜5倍大きいなど)を有する近位部分162を備えている。
【0043】
いくつかの実施の形態においては、第1のフランジ部材130が、近位端131ならびに遠位端または遠位部分132を備えており、近位端131が、第3のフランジ部材150の外壁152の一部分に沿って第3のフランジ部材150へと貼り付けられている。第1のフランジ部材130は、第3のフランジ部材150および第2のフランジ部材134の長さの大部分の両方の外周または外表面を巡って延びて解放可能に接触するために充分な長さを有している。この構成において、さらに第1のフランジ部材130は、ベース部120の上壁122から離れてベース部120の上壁122の上方を延びている。いくつかの実施の形態においては、第1のフランジ部材130が、第2および第3のフランジ部材134、150によって定められるカフ100の外表面の外周の約半分に等しく、あるいはそれよりも大きいアーチ形の長さを有している。この構成において、第1のフランジ部材130が第2のフランジ部材134のアーチ形の長さの大部分と同じ程度まで延びた状態(さらには、第1のフランジ部材130が第2のフランジ部材134のアーチ形の長さの大部分に解放可能に接触した状態)で、第1のフランジ部材130は、たとえ管腔140の直径が増加するときでも(第2および第3のフランジ部材134、150のそれぞれの遠位端136、152の間の)実質的に再閉鎖可能な開口109を横切るカバー範囲を維持するように付勢されている。
【0044】
一態様において、第1のフランジ部材130の自由な遠位部分(遠位端132を含む)は、第2のフランジ部材134の自由な遠位部分(遠位端136を含む)が延びている方向(または、向き)とは反対の第1の方向または向きに延びている。この構成において、第1のフランジ部材130および第2のフランジ部材134が重なり合って解放可能に接触する関係に付勢された状態で、第1および第2のフランジ部材130、134のそれぞれの遠位端132、136の各々は、少なくとも図9および10に関してさらに説明されるように、神経の膨張に応答して管腔140が拡張し、あるいは神経の周囲にカフ100を配置する際に管腔140が広げられるときに、反対の方向に移動する。
【0045】
図5の実施の形態の拡張可能な電極カフ100においては、ベース部120、第2のフランジ部材134、および第3のフランジ部材150が、ただ1つの一体の成型片から形成され、第1のフランジ部材130が、この成型片へと貼り付けられている。換言すると、ベース部材120、第2のフランジ部材134、および第3のフランジ部材150を含むこのただ1つの一体の成型片が、第1のフランジ部材130が取り付けられる一枚岩の部品を形成している。いくつかの実施の形態においては、第1のフランジ部材130が、接着剤(ポリウレタン接着剤など)または他のボンドによって取り付けられる。
【0046】
さらに図5は、すでに図3および4に示したようにカフ本体101に埋め込まれた電極103のうちの1つを示している。図5に示されているように、電極103は、近位ベース部110、本体部111、および遠位フック部112を備えており、遠位フック部112が、遠位端部分115と本体部111との間を延びる凹所114を定めている。一態様において、各々の電極103は、さらに詳しく後述されるように、導電性を有しているおおむね剛な部材である。図5に示されているように、近位ベース部110が、おおむね直線的な部位である一方で、ベース部110から遠位方向に延びている本体部111は、管腔140を定めるカフ本体101の内壁142の曲率半径を近似するおおむねアーチ形の形状を有している。一態様においては、本体部111が、近位ベース部110に対しておおむね鈍角を形成している。いくつかの実施の形態においては、鈍角(α)が、約120度〜140度の範囲にある。一実施の形態においては、鈍角(α)が、約130度である。
【0047】
一実施の形態においては、電極103の本体部111のアーチ形の長さが、おおむね円形の管腔140を巡る約45度の円弧におおむね相当する(図5に円弧βで表わされているとおり)。しかしながら、いくつかの実施の形態においては、電極103の本体部111のアーチ形の長さが、カフ本体101によって定められるおおむね円形の管腔140を巡る約20度〜約60度の円弧におおむね相当する範囲にある。
【0048】
いくつかの実施の形態においては、電極103の少なくとも本体部111が、約0.006インチの厚さを有している。いくつかの実施の形態においては、本体部111の幅W2およびアーチ形の長さ(L1)の組み合わせが、対象となる神経との接触に利用することができる表面積を定める。本体部111のアーチ形の長さを、管腔140の約45度の円弧におおむね相当する比較的短い長さに限定することによって、おおむね剛な本体部111が曲げを受けることがなく、あるいはわずかな曲げを受けるだけであり、したがって本体部111および電極103が割れまたは疲労破損に悩む可能性が少なくなる。しかしながら、本体部111の比較的短い長さに鑑みて、本体部111(および、電極103の他の部分)が、かなりの幅を有するように構成される。
【0049】
一実施の形態において、電極の幅に対する長さのアスペクト比は、約1.2である。しかしながら、いくつかの実施の形態においては、このアスペクト比が、約1〜1.5の範囲にあってよい。このやり方で、電極103の本体部111の長さを、疲労破損がより生じやすくなるしきい値未満に保ちつつ、電極103の本体部111のおおむね最適な表面積が、神経へと露出される。一態様においては、露出された本体部111が、機械的な曲げによる疲労の可能性を最小化する長さに限られる一方で、安全な電流密度を維持するために、露出された本体部111の表面積が比較的最大化されるように、本体部111が、対象とする神経の断面のかなりの部分(少なくとも1/4または45度の円弧)に係合するための充分に長い長さを有している。
【0050】
別の態様においては、カフ100の製造時に、カフ本体101が、それぞれの電極103をカフ本体101の一部分に捕らえ、あるいは埋め込むようなやり方で成型される。この成型プロセスの際に、材料が、電極103の遠位フック部112の凹所114を埋めることも含め、電極103をおおむね包み込む。いくつかの実施の形態においては、カフ本体101が、単一の一枚岩の部材として形成または成型される。しかしながら、他の実施の形態においては、カフ本体101が、2つ以上の別々の構成部品から形成される。いずれの場合も、カフ本体101は、電極103をカフ本体102の残りの部分に対して固定の位置にしっかりと保持するように成型または製造される。この点に関し、電極103の近位ベース部110をベース部120の中へと延ばし、遠位フック部112を電極103の近位ベース部110から横方向に離れた位置において第2のフランジ部材134の中へと延すことで、この配置構成は、カフ本体101に対する電極103の位置の安定性を保証する。さらに、図5に示されているように、電極103の本体部111は、カフ本体101が電極103の本体部111の領域においてきわめて剛である(すなわち、たわみにくい)ように、第2のフランジ部材134の最も厚い部分に埋め込まれている。さらに、この配置構成によれば、本体部111が、管腔140を通って延びる神経に直接的に接触できるように、管腔140において露出される。
【0051】
一態様においては、電極103(とくには、本体部111)がおおむね剛な材料で作られているため、電極103が、体内における使用の際に曲げおよび/または疲労破損を被る可能性が大幅に低い。さらには、電極がおおむね剛であり、上述のようにカフ本体101の最もたわみにくい部分(例えば、第2のフランジ部材134の近位部162)に成型されているため、図6〜10(とくには、図7)に関してさらに詳しく後述されるように、電極103の本体部111と遠位フック部112とを取り入れてなる第2のフランジ部材134の近位部162が、電極103に対して曲げられることがなく、したがって電極103が剥離(従来からの電極カフの構成の箔を主体とする電極構造において典型的に生じる)を被ることがない。一態様においては、電極103を(本体部111の露出面を除いて)完全に埋め込むことによって、カフ本体101が、神経を電極のエッジおよび角から保護する。
【0052】
図5〜10に関して後述されるように、電極カフ100は、電極カフ100(および、関連のリード80)を埋め込む際に広げることが可能であるほかに、すでに図3〜5に関して説明したように、電極カフ100が神経に電気刺激療法をもたらすために所望の神経の周囲に配置された後でも、(神経の直径の変化に応答して)自動的に拡張可能である。
【0053】
神経の周囲への挿入前の通常の付勢されていない状態において、電極カフ100は、第2のフランジ部材134が第2の側壁128からおおむね上方かつ外方向に延び、ベース部120の上壁122を越えて(すなわち、上壁122の上方を上壁122から離れて)延び、遠位端136を第3のフランジ部材150の遠位端152に隣接して終了させている完全に係合した位置(図5に示されている)にある。この完全に係合した位置において、第3のフランジ部材150は、ベース部120の第1の側壁126および上壁122からおおむね上方かつ外方向に延びており、上壁132の上方までは延びていない。一実施の形態においては、第2のフランジ部材134の遠位端136が、第3のフランジ部材150の遠位端152に隣接して位置し、解放可能に接触している一方で、他の実施の形態においては、それぞれの遠位端136および152が、近接しているが、互いに接してはいない。大まかに言えば、これらのそれぞれの端部は、第1のフランジ部材130の遠位端132よりも近位端131により近い第1のフランジ部材130に沿った位置で出会っている。第2および第3のフランジ部材134、150のそれぞれの遠位端136、152が協働して、管腔140への選択的なアクセスを提供し、電極カフ100を神経から取り外すための積極的な工程が行われない限りは神経を管腔140内におおむね確実に保持する実質的に再閉鎖可能な開口109を形成している。
【0054】
他の態様においては、図5に示されているこの完全に係合した位置において、近位端131を第3のフランジ部材150に取り付けた状態で、第1のフランジ部材130が、第3のフランジ部材150の外側の側壁147と同一の広がりとなりかつ第3のフランジ部材150の外側の側壁147に解放可能に接するように、ベース部120の第1の側壁からおおむね外側へと延びている。第1のフランジ部材130の第3のフランジ部材134への取り付けの領域が、頑丈な取り付けを保証するために第3のフランジ部材150の長さのかなりの部分にわたって広がっていることを、理解できるであろう。この領域から、第1のフランジ部材130は、遠位端132がベース部120の第2の面128においてベース部の上壁122に隣接して終わるまで、第2のフランジ部材134の外側の側壁146と同一の広がりを持ちかつ第2のフランジ部材134の外側の側壁146に解放可能に接するように、ベース部の上壁122を越えて(例えば、上壁122の上方を上壁122から離れて)さらに延びている。
【0055】
一態様においては、電極カフ100が完全に係合した位置にあるときに、第1、第2、および第3のフランジ部材130、134、および150が神経を内側に受け入れるための管腔140を形成するように、第1のフランジ部材130が、第2のフランジ部材134の長さよりも大きい長さを有している。これを念頭に、第2のフランジ部材134の内側の側壁141および第3のフランジ部材150の内側の側壁154は、第2のフランジ部材134に埋め込まれた電極103(図3〜5に示されている)を神経(図3には示されていない)に隣接して位置させるべく管腔140の内壁142を形成するように協働する。さらに、電極カフ100が、図5に示した完全に係合した位置にあるとき、第1のフランジ部材130の内側の側壁144は、第2のフランジ部材134の外側の側壁146および第3のフランジ部材150の外側の側壁147に解放可能に接した状態に配置される。この配置構成において、第1のフランジ部材130の外壁148が、管腔140の外壁143を形成する。このようにして、電極カフ100が図5に示した完全に係合した位置にあるとき、第1のフランジ部材130および第2のフランジ部材134の両方が、第1のフランジ部材130が電極カフ100の外側層を形成し、第2および第3のフランジ部材134および150が神経との係合のための電極カフ100の内側層を形成するように、ベース部120を越えて(例えば、ベース部120の上方をベース部120から離れて)延びている。
【0056】
カフ100が周囲に取り付けられる神経のサイズに応じて、電極カフ100は、図5の完全に係合した位置か、より大きなサイズの直径の神経または膨らんだ神経に適合するようにカフのサイズが自動的に拡張する場合に生じる部分的に完全に係合した位置(図9および10)か、のいずれかとなることができる。部分的に完全に係合した位置において、電極カフ100の全体的な構成は、おおむね完全に係合した位置と同じままであるが、第1のフランジ部材130が第2のフランジ部材134に対して摺動しつつ移動可能であり、かつ第2のフランジ部材134のおおむね可撓な遠位部分が、第3のフランジ部材150から離れようとする第2のフランジ部材134の回転移動を許容するため、第1のフランジ部材130の遠位端132が、第2のフランジ部材134の外側の側壁146に沿って、図5に示されているよりも第2の側壁128からさらに離れた位置に位置する。同様に、第2のフランジ部材134が第3のフランジ部材150から離れるように回転することで、第2のフランジ部材134の遠位端136と第3のフランジ部材150の遠位端152との間の実質的に再閉鎖可能な開口が、さらに後述されるように、遠位端136、152の間のすき間として少なくとも部分的に開く。しかしながら、このすき間にもかかわらず、部分的に完全に係合した位置において、第1のフランジ部材130が、依然としてそれぞれの遠位端136、152の間の(実質的に再閉鎖可能な開口の)すき間を横切って延び、第2のフランジ部材134のかなりの残りの部分を覆って(第2のフランジ部材134のかなりの残りの部分に解放可能に接触して)さらに延びるための充分な長さを有しているため、管腔140はおおむね閉じられたままである。
【0057】
いくつかの実施の形態においては、それぞれのフランジ部材130、134、150が、カフ電極109のより大きな直径サイズへの拡張を生じさせる力が、神経に沿った血管の毛細管血流の圧力よりも小さいような相対厚さ、形状、および(それらを形成する弾性材料における)充分な可撓性を備えて構成される。一態様において、この構成が、カフ電極100が神経への血流を制限することがないように保証する。
【0058】
図6が、本発明の実施の形態による中間的な開放位置にある図5の拡張可能なカフの断面図である。図6に示されているように、神経を管腔140内に適切に位置させることができるように電極カフ100を所望の神経へと配置する際に、電極カフ100は、図5に示されている完全に係合した位置から図6に示した中間的な開放位置へと進められる。この中間的な位置において、第1のフランジ部材130が、遠位端132から始まって、ベース部120の第2の側壁128から遠ざかりかつ第2のフランジ部材134から遠ざかる第1の方向(矢印Aによって表わされている)に引っ張られ、第1のフランジ部材130の遠位端132が、ベース部120の第1の側壁126から反対の方向におおむね外方向に延ばされる。結果として、電極カフ100が中間的な開放位置にあるとき、第1のフランジ部材130は、ベース部320の上壁を越えて(例えば、上壁122の上方を上壁122から離れて)延びることがないように配置される。しかしながら、この位置において、管腔140は、第2のフランジ部材134が依然としてベース部120の上壁122を越えて延びるように位置し、第2のフランジ部材134の遠位端136を第3のフランジ部材150の遠位端152に隣接して終わらせているため、おおむね閉じられたままである。最後に、カフ100が図6の中間的な開放位置にあるとき、第1のフランジ部材130の内側の側壁144は、もはや第2のフランジ部材134の外側の側壁146を覆うようには位置しておらず、第2のフランジ部材134の外側の側壁146に隣接していない。
【0059】
図7は、本発明の実施の形態による完全に開いた位置にある図5の拡張可能な電極カフの断面図である。図7に示されているように、ひとたび電極カフ100が中間的な開放位置になると、第2のフランジ部材134の遠位端136が、第2の方向(図6の第1の方向Aと反対の方向)に第3のフランジ部材150の遠位端152から離れるように動かされる。この操作によって、第2のフランジ部材134の大部分が、もはや上壁122を越えて延びることがなく、あるいはベース部120の上壁122または第1の側壁の上方を延びることがないように、第3のフランジ部材150から離れるように回転(方向の矢印Rによって表わされているとおり)させられる。この配置構成において、第2のフランジ部材134の遠位端136は、ベース部120の第2の側壁128から反対方向に外向きに延び、結果として、電極カフ100が図7の完全に開いた位置にあるとき、第2のフランジ部材134の内壁142は、もはや管腔140を形成しない。さらに、この位置において、第2および第3のフランジ部材134、150のそれぞれの遠位端136、152の間に定められる再閉鎖可能な開口109のすき間が大きくなることで、神経の周囲へのカフ100の設置が容易になる。したがって、電極カフ100が完全に開いた位置にあるとき、この構成は、以下を含んでいる。(1)第1のフランジ部材130および第2のフランジ部材134のいずれも、電極カフ100のベース部120の上壁122を越えて延びるようには位置していない。(2)第1のフランジ部材130の内側の側壁144が、もはや第2のフランジ部材134の外側の側壁146に重なっていない(あるいは、第2のフランジ部材134の外側の側壁146の近くにない)。(3)第2のフランジ部材134の内側の側壁141が、もはや管腔140の内壁142を定めていない(管腔140が一時的に解体されている)。
【0060】
このようにして、電極カフ100を完全に係合した位置(図5)、中間的な開放位置(図6)、および完全に開いた位置(図7)の間を行き来できるようにすることで、電極カフ100を、リード80の埋め込み時に神経へとより容易に配置することができる。
【0061】
図5〜7に見られるように、一実施の形態による第2のフランジ部材134は、第2の側壁128に沿ってベース部120の上壁122に隣接して位置する第2のフランジ部材134の近位端162における第1の厚さ(160におけるT1)と、第2のフランジ部材134の遠位端136における第1の厚さ(160におけるT1)よりも小さい第2の厚さ(図7のT2)とを有している。この構成において、第2のフランジ部材134の厚さは、近位端162から遠位端136へと先細りである。同様に、第3のフランジ部材150は、第1の側壁126に沿ってベース部120の上壁122の付近に位置する近位端166における第1の厚さ(図5の164におけるT3)と、第3のフランジ部材150の遠位端152における第1の厚さ164よりも小さい第2の厚さ(図7のT4)とを有している。この構成において、第3のフランジ部材150の厚さは、近位端166から遠位端152へと先細りである。図5〜7の内側フランジ部材134は、先細りであるように図示されているが、内側フランジ部材134、内側フランジ部材150、および/または外側のフランジ部材130を、先細りでないように形成してもよいことを、理解すべきである。上述のように、第2のフランジ部材134の近位端162が、遠位端136に比べて大幅に可撓でないことで、第2のフランジ部材134は、遠位端136を第3のフランジ部材150に対して動かすことによる再閉鎖可能な開口109の選択的な開放を可能にしつつ、管腔140を定める湾曲形状を維持するように付勢される。
【0062】
一実施の形態においては、上述のフランジ部材130、134、150が、ポリウレタン、シリコン、またはポリウレタンとシリコンとの混合物で形成される。さらに、いくつかの実施の形態によれば、フランジ部材のうちの1つをポリウレタンで形成し、残りのフランジ部材をシリコンで形成することができる。シリコーンから形成される場合、フランジ材料のデュロメータの範囲は、およそ40A〜70Aの範囲内であってよい。いくつかの実施の形態においては、フランジ材料の厚さが、およそ0.005インチ〜0.025インチであろう。例えば、フランジが約85Aというデュロメータを有するポリウレタン材料で形成される場合、そのフランジは、0.0075インチの厚さであろう。図5〜7の実施の形態においては、内側のフランジ134、150が成型ポリウレタンから形成され、外側のフランジ130が、ポリウレタンチューブの一部分から形成される。いずれの実施の形態においても、ポリウレタンは、フランジ部材を完全に係合した位置に向かって付勢できるようにする「記憶」を有するように形成される。いくつかの実施の形態において、管腔140が0.050〜0.400インチの間の内径を有する一方で、一実施の形態によれば、この内径が、完全に係合した位置において約0.140インチである。
【0063】
内側のフランジ部材134、150が先細りである場合、それらのそれぞれの近位部162、166は、約0.025〜0.030インチの厚さを有し、それらのそれぞれの遠位端136、152は、約0.001〜0.010インチの厚さを有する。上述の特徴に加えて、一実施の形態においては、この構成が、比較的厚いベースまたは近位端を設けることによって、ベース部120に対する強力な機械的接続をもたらし、電極103を保持し、電極103にひずみ緩和を提供するために必要な厚さももたらす。一実施の形態によれば、第2のフランジ部材134の遠位端136が、約0.005インチの厚さを有する。同様に、一実施の形態においては、第3のフランジ部材150の遠位端152が、約0.005インチの厚さを有する。
【0064】
図8が、本発明の実施の形態による中間的な開放位置にある図5の拡張可能な電極カフの断面図である。図8に示されているように、神経の外周に応じて、神経は、電極カフ110のベース部120の上壁122の上方において、第3のフランジ部材150に隣接して、第2のフランジ部材134の近位部162に位置する電極103の本体部111に当接して位置することになる。したがって、電極カフ100が図7の完全に開いた位置から中間的な開放位置へと進む際に、ひとたび第2のフランジ部材134が神経の周囲に配置されると、第2のフランジ部材134の遠位端136は、(電極カフ100が図6の中間的な開放位置にあるときよりも)第1のフランジ部材130の近位端131および第3のフランジ部材150の遠位端152の上方にさらに離れて位置するであろう。この構成は、再閉鎖可能な開口109に、かなり大きいすき間を形成する結果となる。このようにして、管腔140のサイズを、電極カフ100を配置する際に神経のサイズに対応するように、電極カフ100が図6の中間的な開放位置にあるときに比べて大きくすることができる。
【0065】
図9は、本発明の実施の形態による完全に係合した位置にある図5の拡張可能な電極カフの断面図であり、カフ100が、図8に関して述べたような直径のより大きい神経に配置されている場合である。同様に、電極カフ100の埋め込みの際に、電極カフ100を図8の中間的な開放位置から完全に係合した位置へと進めるときに、第1のフランジ部材130が付勢の作用によって休止時の構成へと復帰でき、第2のフランジ部材134と同一の広がりに広がり(さらには、第2のフランジ部材134に解放可能に接触し)、再閉鎖可能な開口109も覆う。さらに、外側のフランジ部材130の遠位端132が、電極カフ100が図5の完全に係合した位置にあるときよりも第2の側壁128からさらに離れ、ベース部120の上壁132よりも下方(図3)と言うよりはむしろ上方に位置するように、第2のフランジ部材134の外側の側壁146に沿って位置することができる。結果として、管腔140の直径が、神経のサイズに対応するために、電極カフ100が埋め込み前の図5の完全に係合した位置にあるときに比べて大きくなる。したがって、少なくとも図8および9に示されるように、神経のサイズに適応するために、第1のフランジ部材130および第2のフランジ部材134が、管腔140の直径の増加を可能にすべく反対向きの方向に可動である。
【0066】
図10は、本発明の実施の形態による図5の拡張可能な電極カフの断面図である。図10に示されるように、一実施の形態においては、とくには電極カフ100の埋め込みに関する初期の外傷の後でときに生じることがある舌下神経の膨張の影響に対処するために、第1および第2のフランジ部材130、134が、電極カフ100によって形成される管腔140の円周を、拡張可能な電極カフ100を図9に示されるように神経の周囲へと最初に配置した後で生じる神経の直径の増加に対応すべく大きくできるように、拡張可能である。例えば、電極カフ100を神経の周囲に配置し、リード80の残りの部分を埋め込んだ後の神経の膨張の際に、第1のフランジ部材130および第2のフランジ部材134が、管腔140が神経の直径の増加に対応すべく拡張するときに、お互いに対して反対方向に摺動移動する。この膨張の際に、第1のフランジ部材130の遠位端132は、電極カフ100が図9に示されている位置へと神経の周囲に最初に配置されたときに比べ、ベース部120の第2の側壁128からさらに離れて位置するようになり、ベース部120の上壁122よりも下方というよりはむしろさらに上方に位置するようになる。同時に、この管腔140の拡張の際に、第2のフランジ部材134が、第3のフランジ部材150から離れるように回転し、第2のフランジ部材134の遠位端136が、第3のフランジ部材150の遠位端152の上方にさらに離れ、かつベース部120の第1の側壁126および上壁122からさらに離れて位置するようになり、膨張に対応するように管腔140のサイズがさらに大きくなる。結果として、再閉鎖可能な開口109のすき間のサイズが、さらに大きくなる。しかしながら、図10に示されているように、第1のフランジ部材130がこの再閉鎖可能な開口109を依然として覆っている(すなわち、再閉鎖可能な開口109を横切って延びている)ことで、電極103の本体部111と神経との間の接触が神経に過度の圧力を加えることなく保たれるように、神経の周囲への管腔140の閉鎖が維持される。神経の膨張は、リード80およびカフ100の埋め込み後に或る程度の時間期間で沈静化するため、第1および第2のフランジ部材130および134は、リード80および電極カフ100を埋め込むときの電極カフ100の配置時に生じた神経の周囲の最初の完全に係合した位置(図9に示した位置など)に向かって復帰する。
【0067】
上述のように、第1および第2のフランジ部材130、134を、各々のフランジ部材130、134がベース部材の片側に位置する近位端(たとえば、それぞれ131および162)からベース部材の反対側に沿って位置する遠位端(例えば、それぞれ132および136)へと延びるように、ベース部材120を越えて延びるように形成することによって、電極カフが、神経の周囲に完全に位置し続けることができる。この第1のフランジ部材130と第2のフランジ部材134との間の重なり合いかつ摺動移動可能な関係、および第1のフランジ部材130と第3のフランジ部材150との間の重なり合いの関係が、神経が膨張するときにフランジ部材130、134、150のそれぞれの遠位端136、152の間に開放されたすき間が形成されることがないようにする。それどころか、上述の第1および第2のフランジ部材130、134は、当然の結果として、神経を管腔140の内側に囲み続けるために、管腔の直径の増加に対応するようにフランジ部材の拡張を可能にする。このようにして、上述の電極カフ100を使用することで、神経の一部分が管腔140の外へと移動してしまう可能性が、電極カフ100がそのような神経の膨張により効果的に対応できるため、最小限にされる。
【0068】
大まかに言えば、第1のフランジ部材130、第2のフランジ部材134、および第3のフランジ部材150の組み合わせの間の相互関係が、神経の周囲にしっかりと係合したままでありながら、より大きい直径を有する膨張した神経を収容するように自身の直径を自動的に調節する電極カフをもたらしている。一態様においては、相互作用するそれぞれのフランジ部材130、134、150のこの組み合わせが、従来からの電極カフに見られるクランプ、バックル、ヒンジ/ピンを使用することなく、電極カフ100の確実な固定および自動的な調節を実現する。むしろ、それぞれのフランジ部材の間の空間的な配置および選択的な重なり合いの関係、ならびにこれらのフランジ部材を形成する弾性的(例えば、おおむねあらかじめ形成された形状を維持し、あるいはあらかじめ形成された形状へと復帰するように構成されている)な材料、およびフランジ部材134、150のそれぞれの先細りの構成によって、電極カフ100は、神経への過度の圧力を最小限にしつつ神経への有効な接触を維持するしっかりした固定および/または自動的なサイズの調節(すなわち、膨張可能性と最小限の直径への収縮の両方)を提供することができる。
【0069】
図11は、本発明の実施の形態による拡張可能な電極カフ260の断面図である。一実施の形態において、この拡張可能な電極カフ260は、管腔140の内壁部分142に凹所270が存在しており、カフ本体101に埋め込まれた電極280の本体部282(図5の本体部111と同様)が凹んだ位置にある点を除いて、図5〜10に関してすでに述べた電極カフ100と実質的に同じ特徴および特質を有している。さらに、いくつかの実施の形態においては、図5〜10のカフ100のような遠位フック部112を有する代わりに、電極280が遠位フック部を省略している。しかしながら、電極280は、その近位端において、(図5の近位ベース部110のような)近位ベース部284では終わっていない。代わりに、図11に示されているように、電極280は、本体部282が近位ベース部280から横方向に外へと延びている方向とはおおむね反対の方向に、近位ベース部280に対して横方向かつおおむね垂直に延びている横部分286をさらに備えている。
【0070】
一態様において、ベース部284の両側に位置して、ベース部284に対して反対の方向に外へと延びている本体部282および横部分286の構成は、カフ100が電極280の周囲に成型されたときに、電極280をカフ100のベース部120および第2のフランジ部材134に対してしっかりと固定する多方向の形状をもたらしている。
【0071】
さらに、いくつかの実施の形態において、図11の実施の形態における電極280の構成を、凹所270が存在しても、あるいは存在しなくても、図5〜10の実施の形態の電極103で置き換えることができることを理解すべきである。
【0072】
図12および13は、本発明のいくつかの実施の形態による拡張可能な電極カフ300、400の断面図である。一実施の形態においては、それぞれの電極カフ300、400が、第2のフランジ部材および第3のフランジ部材の相対的な長さが変更されており、電極カフ300のベース部に対する第1のフランジ部材の長さおよび位置が変更されている点を除き、図5〜10に関してすでに述べた電極カフ100と実質的に同じ特徴および特性を有している。
【0073】
図12に示されているように、電極カフ300は、(図5の第2のフランジ部材134よりも)おおむね短い第2のフランジ部材334と、(図5の第3のフランジ部材150よりも)おおむね長い第3のフランジ部材350とを備えており、これらのフランジ部材のそれぞれの遠位端336、352の間の解放可能な接触の点(再閉鎖可能な開口139など)が、概してベース部120の上壁122の上方にさらに離れている。一態様(これに限られるわけではない)においては、管腔140へのアクセスをもたらすための第2のフランジ部材334および第3のフランジ部材350の再閉鎖可能な開口309の地点を(図5のカフ100に比べて)変えることによって、電極カフ300は、電極カフ100と比べて異なる解剖学的環境への配置により適することができ、かつ/または対象とする神経へと係合させるための一部変更された配置技法により適する構成を提供する。製造の時点において、第2および第3のフランジ部材334、350の遠位端336、352の間の再閉鎖可能な開口309による解放可能な接触の地点を、管腔140の外周に沿った多数の所望の位置に効果的に選択するために、第2および第3のフランジ部材334、350の相対長さを選択できることを、理解できるであろう。
【0074】
さらに、いくつかの実施の形態においては、第1のフランジ部材330の長さが、第1のフランジ部材430の遠位端332が図5の実施の形態のように第2のフランジ部材134の近位端162に沿って終わるのではなくて、第1の側壁126に沿って終わるように、(図5の第1のフランジ部材130の長さに比べて)増やされる。したがって、この構成においては、第1のフランジ部材334が、その近位端331から延び、第3のフランジ部材350の傍らを延び、第2のフランジ部材334の全体を巡り、ベース部120の第2の側壁128および底壁124に沿って延び、ベース部120の第1の側壁126において終わっている。この解放可能に固定された位置において、第1のフランジ部材330の遠位端332は、第1のフランジ部材330の近位端331の下方に、第1のフランジ部材330の近位端331から離れて位置している。
【0075】
図12に示されるとおり、いくつかの実施の形態においては、第1のフランジ部材330が、第2のフランジ部材334とベース部120の第2の側壁128との間の移行部の外形に実質的に一致するように構成された移行領域335を含むように、あらかじめ形成されている。この構成は、第1のフランジ部材330について、第2のフランジ部材334およびベース部120に対する解放可能かつしっかりした接触の維持を容易にする。さらに、いくつかの実施の形態においては、第1のフランジ部材330が、ベース部120の(第1の側壁126と第2の側壁128との間を延びるときの)底壁124のおおむねアーチ形の外形に実質的に一致するように構成された遠位キャップ領域333も含むように、あらかじめ形成されている。この構成は、第1のフランジ部材330について、ベース部120に対する解放可能かつしっかりした接触の維持を容易にする。このように、第1のフランジ部材330の追加の長さおよびあらかじめ形成された形状が、第1のフランジ部材330の遠位端331が第2のフランジ部材334に対して自動的に摺動移動することが生じえないより確実な配置をもたらす。
【0076】
しかしながら、第1のフランジ部材330の追加の長さを、移行領域335および遠位キャップ領域333をベース部120または第2のフランジ部材334の相応の形状の部分の外形に一致するようにあらかじめ形成することなく、図12に示されているように設けることができることを、理解すべきである。
【0077】
図13は、本発明の実施の形態による電極カフ400の断面図である。一実施の形態において、電極カフ400は、図13に関連して後述される相違点を除き、図12の実施の形態と実質的に同じ特徴および特性を備えている。図13に示されているように、別の実施の形態によれば、第1のフランジ部材430の長さが、さらにもっと増やされており、第1の側壁126において終わる(図12のような)第1のフランジ部材330の遠位端332の代わりに、より長い第1のフランジ部材430の遠位端432が、第3のフランジ部材450および第1のフランジ部材430の傍らで終わっている。この構成においては、第1のフランジ部材430の遠位端432が第1のフランジ部材430の近位端431の上方に位置するように、第1のフランジ部材430の遠位部433が、第1のフランジ部材430の近位部445に重なっている。別の態様においては、図13に示されているように、第1のフランジ部材430が、図12の電極カフ300のいくつかの実施の形態に関連してすでに説明したベース部120の外形に実質的に一致する1つ以上のあらかじめ形成された領域を、備えていない。しかしながら、ベース部の第1の側壁126を過ぎて延びる第1のフランジ部材430の比較的より長い遠位部が、電極カフ400によってより大きな抵抗がもたらされ、さらには/あるいは管腔140の自動的な拡張(第1のフランジ部材130の長さが全体として短い(したがって、もたらされる摩擦抵抗が少ない)図5の実施の形態においてより容易に生じる可能性がある)がおおむね防止されるように、電極カフ400のよりしっかりとした固定を依然として発揮および提供している。
【0078】
図14は、本発明の実施の形態による電極カフ500の斜視図である。一実施の形態において、電極カフ500は、異なる構成の電極503および異なる構成のフランジ部材534、550を備えているが、電極カフ500が、(とくにそのようでないと注記されない限りは)電極およびフランジ部材の材料について図5〜13に関してすでに説明した選択肢と実質的に同じ選択肢を含み、図5〜13に関してすでに説明したやり方とおおむね同じやり方で成型されることを、理解できるであろう。
【0079】
図14に示されているとおり、電極カフ500は、少なくともベース部520と、第2のフランジ部材534と、第3のフランジ部材550とを含んでいる細長いカフ本体501を備えている。電極カフ500が、通常は図15に示されるとおりの第1のフランジ部材530を含んでいるが、図14は、第2および第3のフランジ部材534、550をよりよく描くための図示の明瞭さのために、この第1のフランジ部材530を省略していることを理解できるであろう。ベース部520は、底壁524、第1の側壁526および第2の側壁528、ならびに上壁522を備えている。しかしながら、いくつかの実施の形態においては、上壁522が、電極503の中央部を覆う畝または突起523を含んでいる。図14に示されるように、突起523は、おおむねカフ本体501の長さに延びている。
【0080】
図14および図15の断面図に示されているとおり、第2および第3のフランジ部材534、550は、これらのフランジ部534、550のそれぞれの近位部537がベース部520から反対の方向におおむね外方向かつ上方に延びるよう、サイズおよび形状においておおむね対称である。各々のフランジ部材534、550が管腔540の一部分を形成するおおむねアーチ形の凹形状を備えているため、フランジ部材534、550のそれぞれの遠位部571は、それらのそれぞれの遠位端536、552が収束の点を向くように、わずかに内側へと湾曲している。しかしながら、この実施の形態においては、大きなすき間539(図15において指し示されている)が、フランジ部材534、550のそれぞれの遠位端536、552の間に残されたままである。
【0081】
一態様においては、電極カフ500が、第2のフランジ部材534の外表面へと固定された近位端531を有している第1のフランジ部材530を備えており、第1のフランジ部材530の残りの部分(非固定の遠位端532へと延びている)は、第2のフランジ部材534の遠位部571に解放可能に接しており、第3のフランジ部材550の遠位部571および近位部537の両方に解放可能に接している。図5〜10の実施の形態について説明したやり方と実質的に同様のやり方で、管腔540へのアクセスが、カフ500を対象とする神経へと神経が管腔540を占めるように配置できるよう、第1のフランジ部材530を第3のフランジ部材550から離れ、第2のフランジ部材534の遠位部571からも離れるように一時的に操作する(近位端531は第2のフランジ部材534に固定されたまま)ことによってもたらされる。その後に、第1のフランジ部材530が、図15に示されている位置へと戻されることで、電極カフ500が、完全に係合した位置または構成となる。この位置において、第1のフランジ部材530の第2のフランジ部材534および第3のフランジ部材550との組み合わせが、再閉鎖可能な開口539をもたらす。
【0082】
一態様においては、図5の実施の形態と実質的に同様のやり方で、第1のフランジ部材530が第2のフランジ部材534および第3のフランジ部材550の外表面に対して摺動移動可能である(さらには、解放可能に接している)ため、電極カフ500が、管腔540内に囲まれるより大きなサイズの神経または神経の膨張に応答してより大きな直径の管腔540を有するように、自らを調節することができる。
【0083】
一態様においては、図14に示されるように、電極カフ500が、カフ本体501の長さに沿って間隔を空けて位置する電極503のアレイ502を備えている。図15の断面図において最もよく見られるように、各々の電極503は、おおむね叉骨の断面形状を形成している。いくつかの実施の形態において、図3〜5に関してすでに説明したやり方と実質的に同じやり方で、それぞれの電極503がベース部520の長さを貫いて延びるコイルまたは他の導電性の構成部品を介してリード80(図3および4)へと電気的に接続されることを、理解できるであろう。大まかに言うと、電極503は、導電性の材料で形成され、それぞれのフランジ部材534、550(電極503が埋め込まれている)が電極カフ500を対象となる神経へと配置すべく操作されるときに、それぞれの電極503のフィンガー504が柔軟に曲がることができるように、寸法および形状付けられている。一実施の形態においては、電極503が、それぞれのフランジ部材534、550が電極カフ500を配置すべく操作されるときに電極503のフィンガー504の限られた柔軟な曲げを許容するために適した厚さおよび幅を有する点を除き、電極501の材料と同様の白金−イリジウム材料で形成される。
【0084】
一態様においては、電極503が、凹所509を定めるおおむねU字形のベース部508を備えている。それぞれのフィンガー504が、図15に示されているように、ベース部508の遠位移行領域510から、互いにおおむね反対の方向に、おおむね外方向かつ上方へと延びている。カフ本体501の成型時に電極503が存在するときに、電極103がカフ本体501のベース部520に埋め込まれ、第2および第3のフランジ部材534、550の遠位部571に埋め込まれるにつれて、材料がU字形のベース508の凹所509を満たす。この構成において、電極503が、少なくともベース部520に位置する第1の固定点とカフ500の両側のそれぞれの遠位端571の各々に位置する残り2つの固定点とを含む3点の構成にて固定される。一態様においては、この3点固定の構成が、第1の固定点(ベース部520に位置する)が残り2つの固定点(遠位端571に位置する)から管腔540の反対側に位置する一方で、この残り2つの固定点(遠位端571に位置する)も管腔540の両側に位置する三角形のパターンを形成する。このようにして、この3点固定の構成は、カフ本体501内の電極503の埋め込み位置に大きな安定性をもたらす。
【0085】
図14および15にさらに示されているように、第2のフランジ部材534および第3のフランジ部材550の遠位部571は、遠位端536、552が遠位部571のより広いトランク部570よりもわずかに狭いよう、おおむね先細りである。さらに、おおむねより広いトランク部570は、電極503の各々のフィンガー504の遠位端505を、第2および第3のフランジ部材534、550のそれぞれの凹所572に埋め込むように成型されている。一態様において、この構成は、自動的に、第2および第3のフランジ部材534、550のそれぞれからのフィンガー504の剥離または分離を防止するように機能する。しかしながら、さらにこの構成は、突起523および突起523の近位側の栓部分525(凹所509を満たしている)と協働して、カフ500のベース部520からの電極503のベース508の分離または剥離も防止する。図15に示されているとおり、電極503の各々のフィンガー504のうち、各々のフランジ部材534、550のトランク部570から近位側へと延びている部分は、神経に接触するように管腔140へと露出されている。
【0086】
他の態様においては、図5の実施の形態と同様に、電極503の各々の個別のフィンガー504のアーチ形の長さが、管腔540の45度の円弧におおむね相当する(円弧βによって示されているとおり)。この構成において、電極503について神経との接触のための充分な表面積を、フィンガー504の曲がりの程度または量を電極503の各部の疲労破損を実質的に最小にするために充分に抑えつつ、得ることができる。
【0087】
図16に示されているように、一実施の形態においては、図14および15の電極カフ500が、図12に関連して第1のフランジ部材330についてすでに説明したやり方と実質的に同様のやり方で、(第1のフランジ部材530の長さと比べて)より長い長さを有する第1のフランジ部材580をもたらすように変更される。したがって、第1のフランジ部材580が、底壁524および第3のフランジ部材552とベース部120の第1の側壁126との間の移行部においてカフ500のベース部520の外形に実質的に一致するようにあらかじめ形成される移行領域535および遠位キャップ領域533を備えるなど、第1のフランジ部材330(図12)と実質的に同じ特徴および特質を備える。
【0088】
図17は、本発明の一実施の形態による電極カフ600の断面図である。図17に示されるように、電極カフ600は、カフ500の再閉鎖可能な開口539のすき間を大幅に短くすべく長さが長くされている第2のフランジ部材634を備えている点を除き、図14および15の電極カフ500と実質的に同じ特徴および特性を備えている。したがって、電極カフ600においては、第2および第3のフランジ部材634、650のそれぞれの遠位端636、652が、互いに近接(あるいは、解放可能に接触)して再閉鎖可能な開口639を形成している。この構成においては、再閉鎖可能な開口539に関する大きなすき間が取り除かれているため、対象とする神経の周囲の管腔540の完全性の維持が、さらにより確実である。電極カフ600を配置するためには、第1のフランジ部材630の解放可能部分を(近位端631を第3のフランジ部材650に固定したままで)第2のフランジ部材634から一時的に引き戻した後で、第2のフランジ部材634の遠位端636が、管腔540へのアクセスをもたらすべく第3のフランジ部材650の遠位端652から離れるように操作される。
【0089】
一態様においては、すでに説明した実施の形態と実質的に同様のやり方で、電極カフ600を、管腔540の自動的な拡張を提供しつつ、管腔540の閉鎖および神経に対する電極503の接触を維持し、それでいて神経に過度の圧力を加えることがないように、第1のフランジ部材630が第2のフランジ部材634に対して摺動移動可能であり(かつ解放可能に接しており)、第2のフランジ部材634が第3のフランジ部材650から離れる方向に回転できる状態で、神経の周囲に固定することができる。
【0090】
図18は、本発明の実施の形態による電極カフ700の断面図である。図18に示されるように、電極カフ700は、第2および第3のフランジ部材634A、650Aのそれぞれの遠位端636A、652Aが斜めになるように変更され、再閉鎖可能な開口739を形成すべく相互の様相で解放可能に対をなす点を除き、電極カフ600と実質的に同じ特徴および特性を備えている。この構成において、相互する斜めにされた遠位端636A、652Aが、これらの遠位端636A、652Aの間の解放可能な接触または係合を促進し、電極カフ700を完全に係合した位置に保つことを助ける。
【0091】
図19は、本発明の実施の形態による電極カフ750の断面図である。図19に示されるように、電極カフ750は、第1のフランジ部材680の長さが第1のフランジ部材630と比べて長くなっている点を除き、電極カフ700と実質的に同じ特徴および特性を備えている。この構成において、第1のフランジ部材680は、第1のフランジ部材330(図12に関してすでに説明したとおり)および/または第1のフランジ部材580(図16に関してすでに説明したとおり)と実質的に同じ特徴および特質を備えている。したがって、この場合には、第1のフランジ部材680の近位端681が、第3のフランジ部材650Aに対して固定される一方で、第1のフランジ部材680の残りの部分が、第2のフランジ部材634Aおよびベース部520の大部分に解放可能に接しており、第1のフランジ部材680の遠位端682が、カフ750の同じ側で第1のフランジ部材680の近位端681から離れて第1のフランジ部材680の近位端681の下方に位置している(すなわち、第1のフランジ部材680の近位端681および遠位端682の両者が、ベース部520の第2の側壁528に隣接している)。
【0092】
図20は、本発明の一実施の形態による拡張可能な電極カフ775の断面図である。一実施の形態において、電極カフ775は、カフ本体501の周囲に少なくとも2つの層にて巻き付けられた大幅に長い第1のフランジ部材780を有している点を除き、図15の電極カフ500と実質的に同じ特徴および特質を備えている。とくには、第1のフランジ部材780の近位端781を第2のフランジ部材534に固定した状態で、第1のフランジ部材780の残りの自由な部分が、第1のフランジ部材780の遠位端782が近位端781の位置に重なるまで、カフ本体501の周囲に巻き付けられる。一実施の形態においては、第1のフランジ部材が、別の形状への一時的な操作の後でも図20に示されている形状と実質的に同様の形状をおおむね維持し、さらには/あるいは図20に示されている形状と実質的に同様の形状へと復帰するように付勢されるよう、図20に示されている形状と実質的に同様の形状を有するようにあらかじめ形成されている。
【0093】
図20に示されているように、第1のフランジ部材630の第1の層790が、第2のフランジ部材534の遠位部570、第3のフランジ部材550、およびベース部120の底壁524に、解放可能に接している。第1のフランジ部材780は、第1のフランジ部材780の近位端781に解放可能に接する。その地点からさらに、第1のフランジ部材780は、第1の層790に重なる第2の層791として、第1のフランジ部材780の遠位端782が第1のフランジ部材780の近位端781に再び重なることによって途中までの第3の層を形成するまで、さらに遠位方向に延びている。一実施の形態においては、第1のフランジ部材630が、カフ本体501の外周に巻き付けられた位置において、少なくとも2つの完全な層を形成するが、他の実施の形態においては、2つよりも多数の層または2つよりも少数の層を、第1のフランジ部材780を電極カフ775のカフ本体501の外周に巻き付けることによって形成することができる。
【0094】
図21は、本発明の一実施の形態による拡張可能な電極カフ800の断面図である。一実施の形態において、電極カフ800は、図20の第1のフランジ部材780と実質的に同じ特徴および特質を有する大幅に長い第1のフランジ部材810を有している点を除き、図18の電極カフ700と実質的に同じ特徴および特質を備えている。この構成においては、第2および第3のフランジ部材634A、650Aのそれぞれの相互の斜めの遠位端636A、652A、およびカフ本体501Bの周囲に巻き付けられた複数層(すくなくとも2層)の第1のフランジ部材810の組み合わせが、第2および第3のフランジ部材634A、652Aが体内へのカフ800の長期配置にもかかわらずに管腔140内に神経を捕まえ続けるように保証するための頑丈な機構をもたらす。
【0095】
本発明の実施の形態は、電極の神経に対する長期にわたる堅固な係合を保証する。いくつかの実施の形態においては、この堅固な係合の達成が、電極カフを構成する互いに重なり合いつつ摺動移動することができるフランジ部材によって、電極カフによって定められる管腔が自動的に拡張および収縮できることで、神経の膨張またはより大きなサイズの神経に対応しつつ実現される。
【0096】
以上の詳細な説明において、少なくとも1つの典型的な実施の形態を提示したが、変種が存在することを理解すべきである。また、典型的な実施の形態が、あくまでも例にすぎず、決して本発明の技術的範囲、応用可能性、または構成を限定しようとするものではないことを、理解すべきである。むしろ、以上の詳細な説明は、当業者に典型的な実施の形態を実施するための好都合な道筋を提供するものである。添付の特許請求の範囲に記載される本発明の技術的範囲およびその均等物から離れることなく、各構成要素の機能および構成についてさまざまな変更が可能であることを、理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長いカフ本体と、
前記カフ本体に埋め込まれ、前記カフ本体の長さに沿って互いに間隔を空けて位置しているおおむね剛な電極部材の列と、
を備えている電極アセンブリーであって、
前記カフ本体が、
ベースと、
第2のフランジ部材および第3のフランジ部材を含んでいる1対のアーチ形の弾性フランジ部材と、を含んでおり、前記それぞれのフランジ部材の各々が、近位部および遠位部を含んでおり、前記近位部が、前記ベースから外方向に、他方のフランジ部材の近位部から離れるように延びるとともに、前記遠位部が、他方のフランジ部材の遠位部に向かって延びており、前記ベースおよび前記2つのフランジ部材が管腔を定めており、前記遠位部が、実質的に再閉鎖可能な開口を定めており、前記両方のフランジ部材が、前記カフ本体の長さまで延びている電極アセンブリー。
【請求項2】
各々の電極部材が、
前記管腔に露出されるように前記それぞれのフランジ部材の少なくとも一方の内表面に沿って延びているおおむねアーチ形の第1の部位と、
前記ベースの中へと前記第1の部位から離れるように前記第1の部位に対しておおむね鈍角で延びているおおむね真っ直ぐな第2の部位と、
を含んでおり、前記電極部材の前記露出された第1の部位が、前記カフ本体の前記実質的に再閉鎖可能な開口のおおむね反対側に位置している請求項1に記載の電極アセンブリー。
【請求項3】
各々の電極部材の前記第1の部位が、前記管腔の45度の円弧におおむね相当するアーチ形の長さを有している請求項2に記載の電極アセンブリー。
【請求項4】
前記鈍角が、約130度である請求項3に記載の電極アセンブリー。
【請求項5】
前記第1の部位の前記おおむねアーチ形の形状が、第2のフランジ部材の内表面の曲率半径におおむね一致しており、該第1の部位が、前記第2のフランジ部材の内表面からおおむね離れるように延びている遠位フック部を備えており、該遠位フック部が、当該電極部材を前記カフ本体に対して固定すべく前記カフ本体の成型部分を受け入れる凹所を定めている請求項2に記載の電極アセンブリー。
【請求項6】
前記第2のフランジ部材の外表面へと固定された第1の端部を備えており、該固定された第1の端部から前記第2のフランジ部材の一部分、前記実質的に再閉鎖可能な開口、および前記第3のフランジ部材に重なりかつ解放可能に接触しつつ延びており、前記第3のフランジ部材を覆う位置に位置する第2の端部を終端としている第1のフランジ部材、をさらに備えており、
該第1のフランジ部材の前記第2の端部が、前記カフ本体の前記実質的に再閉鎖可能な開口のおおむね反対側に位置している請求項1に記載の電極アセンブリー。
【請求項7】
前記第1のフランジ部材が、前記第2の端部を前記第3のフランジ部材を越えて遠位方向に少なくとも前記ベースの底壁の周囲まで延ばすために充分な長さを有している請求項6に記載の電極アセンブリー。
【請求項8】
前記第1のフランジ部材が、前記第2の端部が該第1のフランジ部材の前記第1の端部に重なる位置で終わるまで、該第1のフランジ部材を前記カフ本体の周囲に少なくとも2回巻き付けるために充分な長さを有している請求項6に記載の電極アセンブリー。
【請求項9】
当該電極アセンブリーが完全に係合した状態にあるときに、前記第1のフランジ部材が、該第1のフランジ部材の少なくとも一部分が前記実質的に再閉鎖可能な開口を横切って延びて該開口を覆うよう、前記第2のフランジ部材に対して摺動移動可能であり、かつ前記第2のフランジ部材に解放可能に接している請求項6に記載の電極アセンブリー。
【請求項10】
前記電極カフ本体によって定められる前記管腔の直径が、該管腔内の神経の直径の増加に応答して、前記第3のフランジ部材の遠位部から離れようとする前記第2のフランジ部材の遠位部の回転、および前記第1のフランジ部材の前記第2のフランジ部材に対する摺動移動によって、自動的に拡張することができ、前記第1のフランジ部材が、前記自動的な拡張の際に前記実質的に再閉鎖可能な開口および前記第2のフランジ部材の長さの大部分との重なり合いを維持するために充分な長さを有している請求項9に記載の電極アセンブリー。
【請求項11】
前記実質的に再閉鎖可能な開口が、前記ベースに対して側方にあって直接には対向しないように、前記第2のフランジ部材が、前記第3のフランジ部材の長さよりも実質的に大きい長さを有している請求項1に記載の電極アセンブリー。
【請求項12】
前記第2および第3のフランジ部材のそれぞれの近位部が、それぞれの遠位部よりも実質的に大きい厚さを有しており、前記第2のフランジ部材の近位部の厚さが、前記第2および第3のフランジ部材の互いの厚さが非対称であるように、前記第3のフランジ部材の厚さよりも実質的に大きい請求項1に記載の電極アセンブリー。
【請求項13】
それぞれの電極部材の各々が、前記第2のフランジ部材の近位部において、おおむね該第2のフランジ部材の最大厚さの領域に配置されている請求項12に記載の電極アセンブリー。
【請求項14】
前記第2のフランジ部材の内表面が、前記それぞれの電極部材の前記第1の部位の領域において、該第2のフランジ部材の内表面の残りの部分に対して凹まされている請求項1に記載の電極アセンブリー。
【請求項15】
前記おおむね真っ直ぐな第2の部位が、前記カフ本体の前記ベースの断面の長手軸におおむね平行に延びており、各々の電極部材が、前記第2の部位から外方向へと前記第1の部位とはおおむね反対の方向に前記カフ本体の前記ベース内を延びているおおむね真っ直ぐな第3の部位をさらに備えており、該第3の部位が、前記第2の部位におおむね垂直である請求項14に記載の電極アセンブリー。
【請求項16】
細長いカフ本体と、
前記カフ本体に少なくとも部分的に埋め込まれ、前記カフ本体の長さに沿って互いに間隔を空けて位置している弾性電極部材の列と、
を備えている電極アセンブリーであって、
前記カフ本体が、
ベースと、
第2のフランジ部材および第3のフランジ部材を含んでいる1対のアーチ形の弾性フランジ部材と、を含んでおり、前記それぞれのフランジ部材の各々が、近位部および遠位部を含んでおり、前記近位部が、前記ベースから外方向に、他方のフランジ部材の近位部から離れるように延びるとともに、前記遠位部が、他方のフランジ部材の遠位部に向かって延びており、前記ベースおよび前記2つのフランジ部材が管腔を少なくとも部分的に定めており、前記遠位部が、前記管腔へのアクセスをもたらす開口を定めており、前記両方のフランジ部材が、前記カフ本体の長さまで延びている電極アセンブリー。
【請求項17】
各々の電極部材が、
前記それぞれのフランジ部材の内表面に沿って延び、前記管腔に露出されるように配置されているおおむね半円形の第1の部位と、
おおむね前記第1の中点から離れるように外へとベース内に延びている第2の部位と、
を含んでおり、前記露出された第1の部位が、前記カフ本体の前記開口のおおむね反対側に位置している請求項16に記載の電極アセンブリー。
【請求項18】
前記電極部材の前記第2の部位が、間隔を空けて位置する2つのレッグの間の凹所と、前記第1の部位から離れる方向を向いている頂点とを定めているおおむねU字形の部位を備えており、それぞれのレッグの各々が、前記第1の部位へと接続され、該第1の部位から延びている請求項17に記載の電極アセンブリー。
【請求項19】
前記第1の部位が、第1のセグメントおよび第2のセグメントを定めており、該第1および第2のセグメントが、前記電極部材の前記第2の部位から外へと反対方向に離れるように延びており、前記第1および第2のセグメントの各々が、前記おおむねU字形の第2の部位の前記レッグのうちの該当の1つに接続されており、前記第1のセグメントが前記第2のフランジ部材において前記管腔に露出され、前記第2のセグメントが前記第3のフランジ部材において前記管腔に露出され、前記第2の部位が、前記カフ本体の前記ベース内を延びている請求項18に記載の電極アセンブリー。
【請求項20】
前記第2および第3のフランジ部材のそれぞれの内表面においておおむね露出された前記第1および第2のセグメントのそれぞれが、遠位端を有しており、それぞれの遠位端が、前記第2および第3のフランジ部材のそれぞれの遠位部に埋め込まれている請求項19に記載の電極アセンブリー。
【請求項21】
前記カフ本体が、前記おおむねU字形の第2の部位の前記凹所へと延びて該第2の部位を前記カフ本体の前記ベース内に埋め込む突起を備えており、該突起が、前記管腔に露出されている請求項19に記載の電極アセンブリー。
【請求項22】
前記第2のフランジ部材の外表面へと固定された第1の端部を備えており、該固定された第1の端部から前記第2のフランジ部材の一部分および前記第3のフランジ部材の両方に解放可能に接触しつつ前記第2のフランジ部材の前記一部分、前記実質的に再閉鎖可能な開口、および前記第3のフランジ部材に重なるように延びている第1のフランジ部材、をさらに備えており、該第1のフランジ部材が、前記第3のフランジ部材を覆う位置に位置する第2の端部にて終わっている請求項17に記載の電極アセンブリー。
【請求項23】
前記第1のフランジ部材が、前記第2の端部を前記第3のフランジ部材を越えて遠位方向に少なくとも前記カフ本体の前記ベースの底壁の周囲まで延ばすために充分な長さを有している請求項22に記載の電極アセンブリー。
【請求項24】
前記第1のフランジ部材が、前記第2の端部が該第1のフランジ部材の前記第1の端部に重なる位置で終わるまで、該第1のフランジ部材を前記カフ本体の周囲に少なくとも2回巻き付けるために充分な長さを有している請求項22に記載の電極アセンブリー。
【請求項25】
当該電極アセンブリーが完全に係合した状態にあるときに、前記第1のフランジ部材が、該第1のフランジ部材の少なくとも一部分が前記実質的に再閉鎖可能な開口を横切って延びて該開口を覆うよう、前記第2のフランジ部材に対して摺動移動可能であり、かつ前記第2のフランジ部材に解放可能に接している請求項22に記載の電極アセンブリー。
【請求項26】
前記電極カフ本体によって定められる前記管腔の直径が、該管腔内の神経の直径の増加に応答して、前記第3のフランジ部材の遠位部から離れようとする前記第2のフランジ部材の遠位部の回転、および前記第1のフランジ部材の前記第2のフランジ部材に対する摺動移動によって、自動的に拡張することができ、前記第1のフランジ部材が、前記自動的な拡張の際に前記実質的に再閉鎖可能な開口および前記第2のフランジ部材の長さの大部分との重なり合いを維持するために充分な長さを有している請求項25に記載の電極アセンブリー。
【請求項27】
前記第2および第3のフランジ部材のそれぞれの遠位部が、互いに解放可能に接している請求項26に記載の電極アセンブリー。
【請求項28】
前記それぞれの遠位端が、相互の斜めになった端部を備えている請求項27に記載の電極アセンブリー。
【請求項29】
前記実質的に再閉鎖可能な開口が、前記カフ本体の前記ベースに対して側方にあって直接には対向しないように、前記第2のフランジ部材が、前記第3のフランジ部材の長さよりも実質的に大きい長さを有している請求項16に記載の電極アセンブリー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2011−519627(P2011−519627A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507685(P2011−507685)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/042539
【国際公開番号】WO2009/135138
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(591007804)メドトロニック,インコーポレイテッド (243)
【住所又は居所原語表記】710Medtronic Parkway,Minneapolis,Minnesota 55432,U.S.A
【Fターム(参考)】