説明

自然に剥離した表面を有する役物を製造するための方法

【課題】ローコスト、高効率、および良好な外観の、自然に剥離した表面を有する役物を製造する方法を提供する。
【解決手段】自然の剥げ落ちられた外れた表面を有する役物を製造する方法であって、
1)加工面を有する型を設計する工程と、2)乾式成型によって生素地を得るために、前記型で成型する工程と、3)生素地を剥離加工する工程と、4)役物を得るために生素地を焼成する工程と、を備え、前記1)工程は、前記型の加工面が交差形状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造材料製造の分野に係り、特に自然に剥離した表面を有する役物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
経済の発展および生活レベルの改善により、構造の外観における美の要求は、徐々に増加している。この要求に応じるために、多くの種類の外装壁タイル(例えば、ミカゲ外装壁タイル)が知られている。しかしながら、タイルは自然物ではなく、また、石のような外観であることから、これらの種類の外装壁タイルは自然に剥離した表面を得ることができない。そこで、中国特許出願番号第200610037373.1号では、自然に剥離した表面を有する外装壁平物を製造する方法を開示している。しかしながら、この外装壁タイルと一致する役物を製造することは、未だ難題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自然に剥離した表面を有する役物を製造する方法としては、平物を切断し、加工し、そして、接着剤によって正しい角度形状に接着する方法が知られている。主要な工程としては、平物が所望の寸法に切断されて、接着部が刃で研磨されて、そして、研磨されたタイルは直角を形成するために接着され、そして、最後に、乾燥工程が実行される。
【0004】
この方法には、以下の欠点がある。
切断および研磨のコストが高い。
(2)切断および研磨における破損率が高い。
(3)接着に使用される接着剤のコストが高い。
(4)接着には手作業が採用され、その接着のためには高い技術が必要とされる。そして、それは生産量の低下および人件費の高騰を招く。
(5)接着された製品は固まらせるために乾燥させなければならず、それは人件費、水、電気、および器材のコストが増加する。
(6)役物の接着部が不自然である。
したがって、上記の課題を解決する自然に剥離した表面を有する役物を製造する方法が望まれている。
【0005】
本発明の目的は、ローコスト、高効率、および良好な外観の、自然に剥離した表面を有する役物を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は自然に剥離した表面を有する役物を製造する方法を提供するものであって、役物を成型するための型が設計され、成型の後に十字形またはT字形の生素地が得られ、前記生素地が十字方向またはT字方向に沿って剥離加工され、焼成される。
【0007】
本発明の方法は、
1)加工面を有する型を設計する工程と、
2)乾式成形によって生素地を得るために、前記型を使用して成型する工程と、
3)生素地を剥離加工する工程と、
4)役物を得るために生素地を焼成する工程と、を備え、
前記1)工程は、前記型の加工面が交差形状であることを特徴とする。
【0008】
工程1)では、型の加工面は、十字形状やT字形状のような交差形状になっている。すなわち、上型の水平加工面は十字形状に形成され、また、下型の水平加工面も、上型と一致した十字形状に形成されている。または、上型の水平加工面はT字形状に形成され、また、下型の水平加工面も、上型と一致したT字形状に形成されている。加工面は平面でもよいし、また凹凸面でもよい。
【0009】
工程2)では、生素地は、乾式成形によって成型される。
【0010】
工程3)では、剥離加工は剥離刃具によって実施される。剥離刃具は10°〜90°の範囲で切削角を形成するために、両側に傾斜した切削用のエッジを有する剥離機である。剥離刃具は十字形状、またはT字形状であり、剥離加工は1回で行われる。または、剥離加工は一直線形状の剥離刃具によって2回で行われる。
【0011】
剥離加工時に剥離刃具が所望の位置に向けられ、剥離加工を実施するために、剥離刃具に外力が作用する。
【0012】
工程4)では、役物の汎用焼成技術が採用される。焼成は最大焼成温度が1150℃〜1250℃の範囲にされたローラキルンにおいて行われる。そして、生素地をセッターに縦置きにしたり、馬に乗せたりして、焼成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明による方法は、以下の効果がある。
(1)手作業による切断、研磨、および接着が不要となる。そして、それは製造の間、労働、材料、水、電気、およびタイルの破損による消耗のコストを低減する。
(2)自動化の程度が高くなると、生産能力がより改善される。
(3)接着による人工的なラインが表れない。
(4)自然で、石のような美しい外観。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明における上記目的、他の目的、特徴、および利点は、以下に示す発明を実施するための最良の形態の説明と図面とからより明らかになるであろう。
【0015】
実施例1:
(128+80)*20*13mmの寸法を有する役物を製造するための方法
【0016】
1.図1に示すように、型の加工面は、十字形の形状を形成するように設計されている。すなわち、上型の水平加工面は十字形状に形成され、また、下型の水平加工面も、上型と一致した十字形状に形成されている。加工面表面は、平面であってもよいし、また、凹凸面であってもよい。
【0017】
2. 成型:
汎用の成型技術が採用される。技術的なパラメータは、水分:6.5%,成型圧力:20mpa,成型厚:21mmである。
【0018】
3.剥離加工:
剥離加工は、剥離刃具によって実施される、剥離刃具は10°の切削角を形成するために、両側に傾斜した切削用のエッジを有する剥離機である。剥離刃具は十字形であり、剥離加工は1回で行われる。剥離加工するときにおいては、剥離刃具が中心位置に向けられる。油圧作動衝撃装置は、剥離加工を実施するために剥離刃具に作用する。
【0019】
4.焼成:
役物の汎用焼成技術が採用される。そして、馬の上に配置された生素地は、ローラキルンで1250℃の最大焼成温度で90分間焼成される。
【0020】
本実施例においては、図2に示すように、型の加工面はT字形状でもよい。工程については同様である。
【0021】
本実施例で得られた製品に関連する試験結果は、以下の通りである。
吸水率:0.5%,
耐薬品性:不褪色
直角度:89°
【0022】
実施例2:
(125+60)*40*15mmの寸法を有する役物を製造するための方法
【0023】
1.図1に示すように、型の加工面は、十字形の形状を形成するように設計されている。すなわち、上型の水平加工面は十字形状に形成され、また、下型の水平加工面も、上型と一致した十字形状に形成されている。それぞれ型の加工面表面は、平面に形成されている。
【0024】
2. 成型:
汎用の成型技術が採用される。技術的なパラメータは、水分:6.0%,成型圧力:25mpa,成型厚:41mmである。
【0025】
3.剥離加工:
剥離加工は、剥離刃具によって実施される、剥離刃具は90°の切削角を形成するために、両側に傾斜した切削用のエッジを有する剥離機である。剥離刃具は一直線形状であり、剥離加工は2回で行われる。剥離加工するときにおいては、剥離刃具が中心位置に向けられる。機械式の器材は2回の剥離加工を実施するために剥離刃具に作用する。
【0026】
4.焼成:
役物の汎用焼成技術が採用される。そして、セッターの上に配置された生素地は、ローラキルンで1250℃の最大焼成温度で90分間焼成される。
【0027】
本実施例においては、図2に示すように、型の加工面はT字形状でもよい。工程については同様である。
【0028】
本実施例で得られた製品に関連する試験結果は、以下の通りである。
吸水率:2.5%,
耐薬品性:不褪色
直角度:90°
【0029】
本発明は、好ましい実施例に関連して記載されているが、他の多くのバリエーション、および変更は、本発明の範囲から外れない範囲内において、当業者によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】工程1)において使用する型の加工面の形状を示す概略図である。
【図2】工程1)において使用する型の加工面の他の形状を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)加工面を有する型を設計する工程と、
2)乾式成型によって生素地を得るために、前記型で成型する工程と、
3)生素地を剥離加工する工程と、
4)役物を得るために生素地を焼成する工程と、を備え、
前記1)工程は、前記型の加工面が交差形状であることを特徴とする自然に剥離した表面を有する役物の製造方法。
【請求項2】
前記1)工程は、前記型の加工面が十字形状であることを特徴とする請求項1記載の自然に剥離した表面を有する役物の製造方法。
【請求項3】
前記1)工程は、前記型の加工面がT字形状であることを特徴とする請求項1記載の自然に剥離した表面を有する役物の製造方法。
【請求項4】
前記型の加工面がそれぞれ平面形状であることを特徴とする請求項1記載の自然に剥離した表面を有する役物の製造方法。
【請求項5】
前記型の一方の加工面が凸形状であり、前記型の他方の加工面が、前記凸形状と一致する凹形状であることを特徴とする請求項1記載の自然に剥離した表面を有する役物の製造方法。
【請求項6】
前記3)工程は、剥離刃具によって剥離加工が実施され、
前記剥離刃具は、10°〜90°の切削角を形成するために、両側に傾斜した切削用のエッジを有する剥離機であることを特徴とする請求項1記載の自然に剥離した表面を有する役物の製造方法。
【請求項7】
前記剥離刃具は十字形状であり、剥離加工は1回であり、
剥離加工時に前記剥離刃具が所望の位置に向けられ、剥離加工を実施するために、前記剥離刃具に外力が作用することを特徴とする請求項6記載の自然に剥離した表面を有する役物の製造方法。
【請求項8】
前記剥離刃具はT字形状であり、剥離加工は1回であり、
剥離加工時に前記剥離刃具が所望の位置に向けられ、剥離加工を実施するために、前記剥離刃具に外力が作用することを特徴とする請求項6記載の自然に剥離した表面を有する役物の製造方法。
【請求項9】
前記剥離刃具は一直線形状であり、剥離加工は2回実行され、
剥離加工時に前記剥離刃具が所望の位置に向けられ、剥離加工を実施するために、前記剥離刃具に外力が作用することを特徴とする請求項6記載の自然に剥離した表面を有する役物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−30433(P2009−30433A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173559(P2008−173559)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(508199727)フォーシャン リョーワ コーポレーション リミテッド (1)
【Fターム(参考)】