説明

自由流動性充填剤組成物およびそれを含有するラバー組成物

本発明は、硫黄含有シランカップリング剤を含む、新規の自由流動性充填剤組成物、およびその充填剤組成物を含有するラバーに関する。
なし

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、35U.S.C.103条(C)に該当する、共同研究契約に従って開発された発明を対象とする。補正されたように、コンチネンタルAGと、現在ではモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社である、GEアドバンスドマテリアルズのシリコーン部門の代表としてのゼネラル・エレクトリック社との間の共同契約は、2001年5月7日付である。
【0002】
関連出願への相互参照
本出願は、本出願と同日付で出願された、以下の出願と関連しており、それぞれの出願の開示は参照によりその全文をここに組み入れる。
【0003】
本出願と同日付で出願された、「シラン化環状コアポリスルフィドを含有する、タイヤ組成物および成分」というタイトルの米国特許出願シリアル番号11/617,683。
【0004】
本出願と同日付で出願された、「自由流動性充填剤組成物を含有する、タイヤ組成物および成分」というタイトルの米国特許出願シリアル番号11/617,649。
【0005】
本出願と同日付で出願された、「自由流動性充填剤組成物を含有する、タイヤ組成物および成分」というタイトルの米国特許出願シリアル番号11/617,678。
【0006】
本出願と同日付で出願された、「シラン化コアポリスルフィドを含有する、タイヤ組成物および成分」というタイトルの米国特許出願シリアル番号11/617,663。
【0007】
本出願と同日付で出願された、「ブロック化メルカプトシランカップリング剤を含有する、タイヤ組成物および成分」というタイトルの米国特許出願シリアル番号11/617,659。
【0008】
本出願と同日付で出願された、「シラン化環状コアポリスルフィド、その製造および充填剤配合エラストマー組成物における使用」というタイトルの米国特許出願シリアル番号11/647,901。
【0009】
本出願と同日付で出願された、「自由流動性充填剤組成物およびそれを含有するラバー組成物」というタイトルの米国特許出願シリアル番号11/647,903。
【0010】
本出願と同日付で出願された、「ブロック化メルカプトシランカップリング剤、製造プロセス、およびラバーにおける使用」というタイトルの米国特許出願シリアル番号11/647,780。
【0011】
本出願と同日付で出願された、「シラン化コアポリスルフィド、その製造および充填剤配合エラストマー組成物における使用」というタイトルの米国特許出願シリアル番号11/648,287。
【0012】
本発明は、充填剤組成物、特に、シラン化コアポリスルフィドを含むもしくはシラン化コアポリスルフィド由来の、自由流動性充填剤組成物、ならびにその充填剤組成物を含有するラバーに関する。
【背景技術】
【0013】
燃料経済および環境を守る必要性は、経済的でかつ社会的に優先される。結果として、改善された性能を持ち、特に減少した転がり抵抗性を有するタイヤの製造に有用なラバー組成物の形態で用いられるような、優れた機械的特性を有したエラストマーを作成することは望ましい。
【0014】
この目的を達成するために、たとえば、改善されたエラストマーと強化充填剤との間の優れた相互作用を得るという目的のためにエラストマーを改善するのに、カップリング剤、スターリング剤(starring agent)、もしくは官能化剤(functionalizing agents)を強化充填剤と共に用いることのような、数多くの解決が提案されてきた。充填剤によって与えられる適した強化性能を得るために、充填剤は、それが可能な限りよく分離して、可能な限り均質に分布するという最終的な形で、エラストマーのマトリックス中に存在すべきである。
【0015】
充填剤粒子はお互いに引き寄せ合い、エラストマー中で塊になる傾向にある。そのように、混合プロセスで作られる充填剤−エラストマー結合の数の減少がある。それらの相互作用の結果として、ラバー組成物の濃度が増加し、加工をより困難にする。
【0016】
高い分散性の、アルミナもしくは水酸化(酸化)アルミニウムのような、充填剤で強化されたラバー組成物、ならびに、高い分散性タイプの特定の沈降シリカで強化された硫黄加硫可能なジエンラバー組成物は当分野によく知られている。これらの充填剤を用いる事でそれが、他の性能、特に、制御性、耐久性および耐摩耗性のそれに逆効果にならずに、改善された転がり抵抗を有するタイヤもしくは接地面を得る事を可能にする。それら特定の極めて強化されたシリカもしくはアルミニウム充填剤を用いる事は、それらを含むラバー組成物の加工の困難性を減らすが、それでもなお、そのようなラバー組成物は、従来のカーボンブラック充填剤配合ラバー組成物よりも、加工が困難である。
【0017】
特に、結合剤としても知られるカップリング剤を用いる必要があり、その機能は、充填剤粒子の表面とエラストマーとの間の結合を与え、一方でこの充填剤のエラストマーマトリックス中への分散を促進することである。
【0018】
無機充填剤配合エラストマーに用いられる硫黄含有カップリング剤は、その中で二つのアルコキシシリルアルキル基がそれぞれ硫黄原子の鎖の一つの端に結合するシランを含む二つのアルコキシシリル基は、二つの似た、そして多くの場合同一の、炭化水素フラグメントによって、硫黄原子の鎖に結合する。今述べられた一般的なシランの構造は、以下、「単純ビスポリスルフィドシラン」と述べられ、通常、三つのメチレン基の鎖を二つの仲介する炭化水素単位として有している。ある場合では、メチレン鎖は短く、鎖当たり、一つもしくは二つのメチレンのみ有している。これらの化合物の使用は、主として、無機充填剤配合エラストマーのカップリング剤としてである。これらのカップリング剤は、ラバーの用途に用いられるとき、シリカもしくは他の無機充填剤をポリマーと化学結合させることによって機能する。カップリングは、シランの硫黄とポリマーとの間の化学結合形成によって、および、アルコキシシリル基の加水分解と後に続くシリカのヒドロキシ基との縮合によって達成される。シランの硫黄とポリマーとの反応は、S−S結合が破壊され、生じたフラグメントがポリマーに付加する時に起こる。ポリマーへの単一結合は、シリカに結合したそれぞれのシリル基に起こる。この結合は単一の、ポリマーとシリカとの間に弱い結合を形成する、比較的弱いC−S結合および/もしくはS−S結合を有する。高い負荷において、この単一のC−S結合および/もしくはS−S結合は壊れ、その結果、充填剤配合エラストマーの磨耗に寄与する。
【0019】
ラバー作成におけるポリスルフィドシランカップリング剤の使用は良く知られている。それらシランは、それらのそれぞれが二置換された炭化水素基に結合する、二つのケイ素原子と、少なくとも一つは加水分解によってケイ素から除去されうる、他の三つの基を有する。それぞれシリル基と結合している、二つのそのような炭化水素基は、少なくとも二つの硫黄元素の鎖のそれぞれの端とさらに結合している。これらの構造はこのように、二つのケイ素原子と、硫黄原子の連続した単一の可変長の鎖とを有している。
【0020】
硫黄−硫黄結合によって分子中のケイ素から隔てられた中心の分子コアを特徴とする、炭化水素コアポリスルフィドシランは当分野に良く知られている。単一の硫黄およびポリスルフィド基によって、ケイ素分子から隔てられているアミノアルキル基であるコアを有し、ポリスルフィド基が第2級炭素原子においてコアと結合している、ポリスルフィドシランはまた、当分野に知られている。二つのポリスルフィド基のみがコアに連結したコアフラグメントもまたしかりである。
【0021】
ポリスルフィド基が芳香族コアに直接に連結するとき、ポリマー(ラバー)との反応性は減ぜられる。芳香族コアは、反応を阻害するように立体的にかさ高い。その中でビニルシクロヘキセンから誘導された環状脂肪族フラグメントに、ポリスルフィドが直接的に連結する組成物は、一つ以上のシラン化コアを有し、大きい環を形成する。シクロヘキシルコアは芳香族コアよりも、立体的により妨害され、そしてより反応性が低い。これらの組成物は、カップリング剤のシリカに対するシリル基を介してのそれぞれの連結に対して、一つ以上の硫黄結合をポリマーラバーに対して形成するが、その低い反応性のためその効率は低い。
【0022】
低い反応性は、環状コア構造の第2級炭素に対するポリスルフィドの連結のためである。ポリスルフィド基の位置は、促進剤との反応およびポリマーとの反応のためには最適ではない。
【0023】
本発明は、先に述べたシランカップリング剤を有した組成物の欠点を、いくつかの方法で克服する。ここに記載された本発明のシランは、二つのシリル基にも硫黄原子の一つの鎖にも限定されない。実際、複数のポリスルフィド鎖が、同一線上でない配置で並んでいる(すなわち、分岐点が、ポリスルフィド鎖を相互に連結している炭素骨格中に起こるという意味で、分岐している)分子構造は新規である。
【0024】
本発明の充填剤は、ケイ素の充填剤に連結する点当たり、複数の硫黄のポリマーに対して連結する点を達成するための手段を提供することによって、従来技術におけるものを超えた利点を有する。ここに記載される充填剤のシランは、硫黄鎖の二つの端の基に関して非対象であり得る。シリル基は、分子の端に生じるよりむしろ、より中心において生じ、炭素−炭素もしくは炭素−ケイ素結合を介してコアと化学結合される傾向にある。コアはまた、第1級炭素原子に連結した複数のポリスルフィド基を有する。この連結は、有意にコアの立体障害を減らし、ポリスルフィドのポリマーとの反応性を高める。この特徴が、本発明のシランを用いて、シランのケイ素をポリマーに対して複数の点で(共有化学結合の連続の仲介を介して)結合させそして結合させたままにするものである。
【0025】
また、理論に縛られず、本発明のシラン化コアのシランはYコア構造を含む。このYコア構造は、ポリマーを二つの異なった点で結合させることが出来るか、もしくは二つの異なったポリマー鎖を架橋させることが出来、そしてまた、充填剤へと結合によるもののように連結させると信じられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の最初の実施態様において、
あらかじめ形成される充填剤組成物は
a)充填剤と;
b)一般式:
[Y−][G(RSiX[G[R (式1)
を有したシラン化コアポリスルフィドである、第一のシランと、
〔式中、
ここでGの各々は、一般式:
[(CH−][−(CH−]; (式2)
によって表されるポリスルフィド基を含む、1から約30の炭素原子を持つ多価の炭化水素種から独立して選択され、
の各々は、一般式:
[(CH−][−(CH−]; (式3)
によって表されるポリスルフィド基を含む、1から約30の炭素原子の多価の炭化水素種から独立して選択され、
およびRの各々は、1から約20の炭素原子を持つ二価の炭化水素フラグメントから独立して選択され;
およびYの各々は、シリル(−SiX)、水素、アルコキシ(−OR)、カルボン酸、エステル(−C(=O)OR)〔ここで、Rが、1から20の炭素原子を有した一価の炭化水素基である〕からなるものから独立して選択され;
の各々は、−(CH−で表される直鎖炭化水素であり;
の各々は、a+c+e−1個の水素が置き換えられた環状の、分岐の、および直鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、およびアラルキル基を含む、a+c+eの合計に等しい水素原子の置換によって得られる1から約28の炭素原子の多価の炭化水素フラグメント、または、1から27の炭素原子の多価のヘテロカーボン(heterocarbon)フラグメントから独立して選択され;
の各々は、c+e−1個の水素が置き換えられた環状の、分岐の、および直鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、およびアラルキル基を含む、c+eの合計に等しい水素原子の置換によって得られる1から約28の炭素原子の、多価の炭化水素フラグメント、または、1から27の炭素原子の多価のヘテロカーボンフラグメントから独立して選択され;
の各々は、−Cl、−Br、−OH、−OR、およびRC(=O)O−からなる群から独立して選択され、ここでRは、1から20の炭素原子を有した任意の一価の炭化水素基であり;
およびXの各々は、水素、R〔ここで、Rが、1から20の炭素原子を有した一価の炭化水素基である〕、X〔ここで、Xは−Cl、−Br、−OH、−OR、およびRC(=O)O−からなる群から独立して選択され、式中、Rは、1から20の炭素原子を有した一価の炭化水素基である〕、および、シラノールの縮合によって生じる−OSi含有基からなる群から独立して選択され;
下付き文字a、b、c、d、e、f、m、n、o、p、およびxは、a、cおよびeは1から約3;bは1から約5;dは1から約5;fは0から約5;mおよびpは1から約100;nが1から約15;oが0から約10;ならびにxが1から約10、によって独立して与えられる〕
そして任意選択で、
c)一般式:
[XSiRSiX] (式4)
を有する第二のシランと
〔式中、RおよびRの各々は、一つの水素原子がシリル基(−SiX)によって置換されている分岐のおよび直鎖の、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、もしくはアラルキル基を含む、1から約20の炭素原子を持つ二価の炭化水素フラグメントから独立して選択され、Xは、−Cl、−Br、−OH、−OR、およびRC(=O)O−からなる群から独立して選択され、ここでRは、分岐のもしくは直鎖の、アルキル、アルケニル、アリール、もしくはアラルキル基を含む、1から20の炭素原子を持つ一価の炭化水素基であり、XおよびXは、水素、R、X、およびシラノールの縮合によって生じる−OSi含有基からなる群から独立して選択される〕を、含有して提供される。
【0027】
本発明の第二の実施態様において、ラバー組成物は少なくとも一つのラバー、少なくとも一つの本発明の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、ならびに、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、少なくとも一つの他の添加剤をさらに含有して提供される。
【0028】
ここに示される実施例は、本発明の充填剤が、これらエラストマーから製造された製品に対して、物理特性(無機充填剤配合エラストマー組成物に対する性能)とより良い磨耗特性との望ましいバランスを授けることを明示する。タイヤの用途に用いられるエラストマーに対する、転がり抵抗における改善もまた明らかである。
【0029】
本発明の組成物は、充填剤のすぐれた分散を示し、すぐれた加工性と加硫における改善された生産性とを達成することが出来る。
【0030】
定義
本発明を記載し、特許請求するために、以下の述語が用いられる。
【0031】
ここで用いられる時、「カップリング剤」という用語は、充填剤とエラストマーの間の化学的におよび/もしくは物理的に結合を充分に確立することが可能な剤を意味する。そのようなカップリング剤は、たとえばカップリング剤のケイ素原子と充填剤のヒドロキシ(OH)表面基の間(たとえば、ケイ素の場合、表面シラノール)のような、;ならびに、たとえば、エラストマーと充填剤と物理的におよび/もしくは化学的に結合することができる硫黄のような、充填剤と物理的におよび/もしくは化学的に結合することができる官能基を持つ。
【0032】
ここで用いられる時、「充填剤」という用語は、エラストマーの量を増やすか、またはエラストマーの網目を強化するためにエラストマーに添加される基質を意味する。強化充填剤は、そのモジュラスがエラストマー組成物の有機重合体より高く、そしてエラストマーが変形したとき、有機重合体から応力を吸収できる物質である。充填剤は、ファイバー、微粒子およびシート状の構造を含み、そして無機鉱物、ケイ酸塩、シリカ、粘土、セラミックス、炭素、有機ポリマー、ケイソウ土から構成されてよい。本発明の充填剤は、一緒に混合されるシランに対して実質的に不活性であってよく、またはそれらと反応性であってもよい。
【0033】
ここで用いられる時、「微粒子充填剤」の用語は、粒子または凝集体または集塊体を形成する粒子の集まりを意味する。本発明の微粒子充填剤は、一緒に混合されるシランに対して実質的に不活性であってあってよく、またはそれらと反応性であってもよい。
【0034】
ここで用いられる時、「担体」の用語は、高い吸着または吸収の能力を有し、そして自由流動性および乾性を維持しながら75パーセントまでの液体のシランを担持することができる、多孔性または大表面積の充填剤を意味する。本発明の担体充填剤は、実質的にシランに対して不活性であり、そしてエラストマー組成物に添加されたとき、液体のシランを放出するかまたは排出することができる。
【0035】
ここで用いられる時、「あらかじめ形成される」という用語は、充填剤組成物が、ラバーもしくはラバー混合物に対するその添加の前に作成されているということを意味すると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は実施例1の産物のHPLC分析を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の新規の自由流動性充填剤組成物は、あらかじめ形成される自由流動性充填剤組成物であって、
a)充填剤と;
b)一般式:
[Y−][G(RSiX[G[R (式1)
を有したシラン化コアポリスルフィドである、第一のシランと、
〔式中、
ここでGの各々は、式(2):
[(CH−][−(CH−]; (式2)
によって表されるポリスルフィド基を含む、1から約30の炭素原子を持つ多価の炭化水素種から独立して選択され、
の各々は、式(3):
[(CH−][−(CH−]; (式3)
によって表されるポリスルフィド基を含む、1から約30の炭素原子の多価の炭化水素種から独立して選択され、
およびRの各々は、一つの水素原子がYもしくはY基で置換された分岐のおよび直鎖の、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、もしくはアラルキル基を含む、1から約20の炭素原子を持つ二価の炭化水素フラグメントから独立して選択され;
およびYの各々は、シリル(−SiX)、アルコキシ(−OR)、水素、カルボン酸(−C(=O)OH)、エステル(−C(=O)OR)〔ここで、Rが、分岐のもしくは直鎖の、アルキル、アルケニル、アリールもしくはアラルキル基を含む、1から20の炭素原子を持つ任意の一価の炭化水素基である〕などから独立して選択されるが、それらに限定はされず;
の各々は、−(CH−で表される二価の直鎖炭化水素から独立して選択され;
の各々は、a+c+e−1個の水素が置き換えられた環状の、分岐の、および直鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、およびアラルキル基を含む、a+c+eの合計に等しい水素原子の置換によって得られる1から約28の炭素原子の多価の炭化水素フラグメント、または、1から27の炭素原子の多価のヘテロカーボンフラグメントから独立して選択され;
の各々は、c+e−1個の水素が置き換えられた環状の、分岐の、および直鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、およびアラルキル基を含む、c+eの合計に等しい水素原子の置換によって得られる1から約28の炭素原子の、多価の炭化水素フラグメント、または、1から27の炭素原子の多価のヘテロカーボンフラグメントから独立して選択され;
の各々は、−Cl、−Br、−OH、−OR、およびRC(=O)O−からなる加水分解性の基から独立して選択され、ここでRは、分岐のもしくは直鎖の、アルキル、アルケニル、アリール、もしくはアラルキル基を含む、1から20の炭素原子を持つ任意の一価の炭化水素基であり;
およびXの各々は、水素、Rのために上に列挙された要素、Xのために上に列挙された要素、および、シラノールの縮合によって生じる−OSi含有基からなる群から独立して選択され;
下付き文字a、b、c、d、e、f、m、n、o、p、およびxは、aは1から約3;bは1から約5;cは1から約3;dは1から約5;eは1から約3;fは0から約5;mは1から約100;nが1から約15;oが0から約10;pが1から約100;ならびにxが1から約10、によって独立して与えられる〕
そして任意選択で、
c)一般式:
[XSiRSiX] (式4)
を有する第二のシランと
〔式中、RおよびRの各々は、一つの水素原子がシリル基(−SiX)によって置換されている分岐のおよび直鎖の、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、もしくはアラルキル基を含む、1から約20の炭素原子を持つ二価の炭化水素フラグメントから独立して選択され、Xは、−Cl、−Br、−OH、−OR、およびRC(=O)O−からなる群から独立して選択され、ここでRは、分岐のもしくは直鎖の、アルキル、アルケニル、アリール、もしくはアラルキル基を含む、1から20の炭素原子を持つ任意の一価の炭化水素基であり、XおよびXは、水素、R、X、およびシラノールの縮合によって生じる−OSi含有基からなる群から独立して選択される〕を、含有する。
【0038】
ヘテロカーボンという用語はここで用いられる時に、炭素−炭素結合骨格が、窒素および/もしくは酸素の原子に対する結合によって分断される任意の炭化水素構造、または、炭素−炭素結合骨格が、たとえばシアヌール酸塩(C)のような窒素および/もしくは酸素を含む原子の基に対する結合によって分断される任意の炭化水素構造の事である。ヘテロカーボンフラグメントはまた、炭素に結合する、水素または二つもしくはそれ以上の水素が、たとえば、第一級アミン(−NH)およびオキソ(=O)などのような窒素、酸素もしくは窒素原子と置き換えられている、任意の炭化水素構造をも指す。
【0039】
このようにシラン化コアポリスルフィドのRおよびRは、任意選択で、その各々が二つの分離した炭素原子に結合する酸素原子を介したエーテル官能性、ポリスルフィド基(−Sx−)がGもしくはG上の二つの分離した炭素原子に結合して環を形成するポリスルフィド官能性、それの各々が三つの分離した炭素原子に結合する窒素原子を介した第四級アミン官能性、シアン(CN)基、および/もしくはシアヌール(C)基を有する、分岐の、直鎖の、環状の、および/もしくは多環式の、多価の脂肪族炭水化物;芳香族炭化水素;ならびに、先に述べた芳香族化合物の、分岐のまたは直鎖の、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールおよび/もしくはアラルキル基による置換によって誘導されるアレーンを含むが、それらに限定されない。
【0040】
ここで使用される時に、「アルキル」は直鎖の、分岐の、および環状の、アルキル基を含む;「アルケニル」は、一つもしくはそれ以上の炭素−炭素二重結合を有した任意の直鎖の、分岐の、もしくは環状のアルケニル基を含み、ここで置換の場所は、炭素−炭素二重結合においてか、または基の中の他の場所の、いずれか一方であり得る;「アルキニル」は、一つもしくはそれ以上の炭素−炭素三重結合を、ならびに任意選択で同様に一つもしくはそれ以上の炭素−炭素二重結合を有した任意の直鎖の、分岐の、もしくは環状のアルキニル基を含み、ここで置換の場所は、炭素−炭素三重結合においてか、炭素−炭素二重結合においてか、または基の中の他の場所の、いずれかであり得る。アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソブチルを含むがそれらに限定されない。アルケニルの例はビニル、プロペニル、アリル、メタリル、エチリデニル(ethylidenyl)ノルボルナン、エチリデンノルボルニル(Norbornyl)、エチリデニルノルボルネン、およびエチリデンノルボルネニルを含むがそれらに限定されない。アルキニルのいくつかの例は、アセチレニル、プロバルギル、およびメチルアセチレニルを含むがそれらに限定されない。
【0041】
ここで使用される時に、「アリール」は、そこから一つの水素原子が取り除かれた、任意の芳香族炭水化物を含む;「アラルキル」は、一つもしくはそれ以上の水素原子が、同じ数の同類のおよび/もしくは異なった(ここで定義されるような)アリールの置換基によって置換されている上述のアルキル基の任意のものを含む;ならびに「アレニル」は、一つもしくはそれ以上の水素原子が、同じ数の同類および/もしくは異なった(ここで定義された)アルキルの置換基によって置換されている上述のアリール基の任意のものを含む。アリールのいくつかの例はフェニルおよびナフタレニルを含むがそれらには限定されない。アラルキルの例はベンジルおよびフェネチルを含むがそれらには限定されず、そしてアレニルのいくつかの例はトリルおよびキシリルを含むがそれらには限定されない。
【0042】
ここで使用される時に、「環状アルキル」、「環状アルケニル」、および「環状アルキニル」はまた、二環式の、三環式の、およびより高次の環状構造をも含み、ならびに、上述の環状構造はまた、アルキル、アルケニル、および/もしくはアルキニル基によって置換される。代表例は、ノルボルニル、ノルボルネニル、エチルノルボルニル、エチルノルボルネニル、エチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキセニル、シクロヘキシルシクロヘキシル、およびシクロドデカトリエニルなどを含むがそれらには限定されない。
【0043】
の代表例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヒドロキシ、クロロ、およびアセトキシを含むがそれらには限定されない。XおよびXの代表例はXのために上に列挙された代表例、および、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、フェニル、ビニル、シクロヘキシル、ならびにブチル、ヘキシル、オクチル、ラウリル、およびオクタデシルなどのより高次な直鎖アルキルを含む。
【0044】
およびRの代表例は、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、および−CHCHCHCHCHCHCHCH−のような、他の端もまたさらに末端で置換された、末端直鎖アルキル、ならびに−CH(CHCH(CH)−(ここでuはゼロから17である)のようなそれらのベータ置換類似体;−CHCH(CH)CH−のような、メタリルクロライドから誘導可能な構造の任意のもの;−CHCH(C)CHCH−および−CHCH(C)CH(CH)−(ここでCの表記が二置換されたベンゼン基を示す)のような、ジビニルベンゼンから誘導可能な構造の任意のもの;−CHCHCHOCHCHCH−および−CHCHCHOCHCH(CH)−のような、ジアリルエーテルから誘導可能な構造の任意のもの;−CHCHCHCH−、−CHCHCH(CH)−、および−CHCH(CHCH)−のような、ブタジエンから誘導可能な構造の任意のもの;−CHCHCHCH(CH)−、−CHCHCH(CHCH)−、および−CHCH(CHCHCH)−のような、ピペリレンから誘導可能な構造の任意のもの;−CHCH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH(CH)−、−CHC(CH)(CHCH)−、−CHCHCH(CH)CH−、−CHCHC(CH−、および−CHCH[CH(CH]−のような、イソプレンから誘導可能な構造の任意のもの;−CHCH−ノルボルニル−、−CHCH−シクロヘキシル−の異性体の任意のもの;ノルボルナン、シクロヘキサン、シクロペンタン、テトラヒドロジシクロペンタジエン、もしくはシクロドデセンから二つの水素原子の消失によって得られる、ジラジカルの任意のもの;リモネンから誘導可能な構造、−CHCH(4−メチル−1−C−)CH−、ここでC6H9の表記が2の位置での置換を欠いた三置換のシクロヘキサン環の異性体を示す;−CHCH(ビニルC)CHCH−および−CHCH(ビニルC)CH(CH)−(ここでCの表記が三置換のシクロヘキサン環の異性体の任意のものを示す)のような、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能なモノビニル含有構造の任意のもの;−CHCH[CHCHCH=C(CH]CHCH−、−CHCH[CHCHCH=C(CH]CH(CH)−、−CHC[CHCHCH=C(CH](CHCH)−、−CHCHCH[CHCHCH=C(CH]CH−、−CHCH(C−)(CH)[CHCHCH=C(CH]、および−CHCH[CH(CH)[CHCHCH=C(CH]]−のような、三置換のC=Cを有する、ミルセンから誘導可能な単不飽和構造の任意のもの;ならびに、−CHCH(CH=CH)CHCHCHC(CH− 、−CHCH(CH=CH)CHCHCH[CH(CH]−、−CHC(=CH−CH)CHCHCHC(CH−、−CHC(=CH−CH)CHCHCH[CH(CH]−、−CHCHC(=CH)CHCHCHC(CH−、−CHCHC(=CH)CHCHCH[CH(CH]−、−CHCH=C(CHCHCHCHC(CH−、および−CHCH=C(CHCHCHCH[CH(CH]のような、三置換のC=Cを欠いた、ミルセンから誘導可能な単不飽和構造の任意のものを含む。
【0045】
三座のGの代表例は、−CH(CHq+1CH(CH−)−および−CH(CH)(CHCH(CH−)(式中、qはゼロから20)のような、非共役末端のジオレフィンから誘導可能な構造;−CHCH(C)CH(CH−)−および−CHCH(C−)CHCH−(式中、Cの表記は二置換のベンゼン環を示し、そしてC−の表記は三置換の環を示す)のようなジビニルベンゼンから誘導可能な構造の任意のもの;−CH(CH−)CHCH−のような、ブタジエンから誘導可能な構造;−CH(C−)(CH)CHCH−および−CHCH(CH)(CH−)CH−のような、イソプレンから誘導可能な構造の任意のもの;−CH(CH−)(ビニルC)CHCH−、(−CHCH、および(−CHCHCH(CH)−(ここでCの表記は三置換シクロヘキサン環の任意の異性体を示す)のような、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な任意の構造;−CH(C−)[CHCHCH=C(CH]CHCH−および−CHCH[CHCHCH=C(CH](CH−)CH−のようなミルセンから誘導可能な構造の任意のもの;CHCHCHC(CH−)およびCHCHC(CH−)のような、トリメチロールアルカンから誘導可能な構造;その構造が−CH(CH−)CH−であるグリセロール、およびその構造が−CH(−CCH)CH−であるそれのメチル類似体;ならびにトリエタノールアミン誘導体、(−CHCHN、を含むが、それらには限定されない。
【0046】
多価のGの代表例は、−CH(CH−)(CHCH(CH−)−(式中、qは1から20である)のような、非共役末端のジオレフィンから誘導可能な構造;−CH(CH−)(C)CH(CH−)−(式中、Cの表記は二置換のベンゼン環を示す)のような、ジビニルベンゼンから誘導可能な構造の任意のもの;−CH(CH−)CHOCHCH(CH−)−のような、ジアリルエーテルから誘導可能な構造の任意のもの;−CH(CH−)(CH−)CH−のような、ブタジエンから誘導可能な構造の任意のもの;−CH(CH−)(CH−)CH(CH)−のような、ピペリレンから誘導可能な構造の任意のもの;−CH(C−)(CH)(CH−)CH−のような、イソプレンから誘導可能な構造の任意のもの;−CH(CH−)(ビニルC)(CH−)CH−、−CHCH[(CH−)CH−]、−CH(CH)C[(CH−)CH−]、およびC[(CH−)CH−] (ここでCの表記は三置換シクロヘキサン環の任意の異性体を示す)のような、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能なビニル含有構造の任意のもの;−CH(CH−)C[CHCH−]および−CH(CH−)C[CH(CH)−][CHCH−](ここでCの表記は三置換シクロヘキサン環の任意の異性体を示す)のような、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な飽和構造の任意のもの;−CH(C−)[CHCHCH=C(CH]CHCH−、−CHCH[CHCHCH=C(CH](CH−)CH−のような、三置換のC=Cを有する、ミルセンから誘導可能な単不飽和構造の任意のもの;ならびに、その構造がC(CH−)である、ペンタエリトリチルを含むが、それらには限定されない。
【0047】
二座Gの代表例は、−CH(CHq+1CH(CH−)およびCH(CH)(CHCH(CH−)(ここで、Qはゼロから20である)のような、非共役末端のジオレフィンから誘導可能な構造;−CHCH(C)CHCH−(ここで、Cの表記は二置換のベンゼン環を示す)のような、ジビニルベンゼンから誘導可能な構造の任意のもの;−CHCHCHCH−のような、ブタジエンから誘導可能な構造の任意のもの;−CH(CH)(CH)CHCH−および−CHCH(CH)CHCH−のような、イソプレンから誘導可能な構造の任意のもの;−CHCH(ビニルC)CHCH−および(−CHCH)CCHCH(ここでCの表記は、三置換のシクロヘキサン環の任意の異性体を示す)のような、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な任意の構造;−CH(CH)[CHCHCH=C(CH]CHCH−のような、ミルセンから誘導可能な構造の任意のもの;ならびに、ジエタノールアミン誘導体、(−CHCH)NCHを含むが、それらには限定されない。
【0048】
三座のGの代表例は、−CH(CHq+1CH(CH−)−(ここでqはゼロから20である)のような、非共役末端ジオレフィンから誘導可能な構造;(−CHCH(ここでCの表記は三置換のシクロヘキサン環の任意の異性体を示す)のような、トリビニルシクロヘキサンから誘導可能な構造;CHCHCHC(CH−)および CHCHC(CH−)のような、トリメチロールアルカンから誘導可能な構造;ならびに、トリエタノールアミン誘導体、(−CHCHNを含むが、それらに限定されない。
【0049】
本発明のシラン化コアポリスルフィドシランの代表例は、2−トリエトキシシリル−1,3−ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパン、4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(13−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアトリデシル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス(13−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアトリデシル)シクロヘキサン;4−(2−ジエトキシメチルシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(13−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアトリデシル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(10−トリエトキシシリル−3,4,5,6,7−ペンタチアデシル)シクロヘキサン;1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2,4−ビス−(10−トリエトキシシリル−3,4,5,6,7−ペンタチアデシル)シクロヘキサン;1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2,4−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン;2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,4−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(8−トリエトキシシリル−3,4,5−トリチアオクチル)シクロヘキサン;2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,4−ビス−(8−トリエトキシシリル−3,4,5−トリチアオクチル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキサン;2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,4−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキサン;1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2,4−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキサン;2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)−2−(8−トリエトキシシリル−3,4,5−トリチアオクチル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)ベンゼン;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキシル]エチル]テトラスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキシル]エチル]トリスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキシル]エチル]ジスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)フェニル]エチル]テトラスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)ヘキシル]エチル]トリスルフィド:ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキシル]エチル]ジスルフィドの任意の異性体を含む。
【0050】
本発明の他の実施態様の、式(1)、(2)および(3)が記載され、式中、RおよびRの各々は、一つの水素原子がYもしくはY基によって置換されている分岐のおよび直鎖の、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、もしくはアラルキル基を含む、1から約5の炭素原子を持つ二価の炭化水素フラグメントから独立して選択され;YおよびYの各々は、シリル(−SiX,X,X)から独立して選択され;Rの各々は、−(CH−によって表される直鎖の炭化水素であって、式中fは約0から約3までの整数であり;Rの各々は、a+c+e−1個の水素が置き換えられた環状のアルキルおよびアリールを含む、a+c+eの合計に等しい水素原子の置換によって得られる3から約10の炭素原子の多価の炭化水素フラグメントから独立して選択され;Rの各々は、c+e−1の水素が置き換えられた分岐のおよび直鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、およびアラルキル基を含む、c+eの合計に等しい水素原子の置換によって得られる3から約10の炭素原子の多価の炭化水素フラグメントから独立して選択され;Xの各々は、−OHおよび−ORからなる加水分解性の基のセットから独立して選択され、ここでRは、分岐のもしくは直鎖の、アルキル、アルケニル、アリール、もしくはアラルキル基を含む、1から5の炭素原子を持つ任意の一価の炭化水素基であり;XおよびXの各々は、Rのために上に列挙された要素、Xのために上に列挙された要素、およびシラノールの縮合によって生じる−OSi含有基からなる群から独立して選択され;下付き文字a、b、c、d、e、f、m、n、o、p、およびxの各々は、aは1から約2;bは1から約3;cは1;dは1から約3;eは1;fは0から約3;mは1;nが1から約10;oが0から約1;pが1;ならびにxが1から約4、によって独立して与えられる。
【0051】
本発明の他の実施態様によると、30から99重量パーセントの本発明の充填剤のシラン化コアポリスルフィドは、70から1重量パーセントの、式(4)で表される構造のシランを含む他のシランと混合され、
[XSiRSiX] (式4)
式中、RおよびRの各々は、一つの水素原子がシリル基(−SiX)によって独立して置換されている分岐のおよび直鎖の、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、もしくはアラルキル基を含む、1から約20の炭素原子を持つ二価の炭化水素フラグメントから独立して選択され、Xは、−Cl、−Br、−OH、−OR、およびRC(=O)O−からなる加水分解性の基のセットから独立して選択され、ここでRは、分岐のもしくは直鎖の、アルキル、アルケニル、アリール、もしくはアラルキル基を含む、1から20の炭素原子を持つ一価の炭化水素基であり、XおよびXは、水素、Rのために上に列挙された要素、Xのために上に列挙された要素、およびシラノールの縮合によって生じる−OSi含有基からなる群から独立して選択される。式(1)のシラン化コアポリスルフィドと式(4)の他のシランとの混合物は約0・43対99に対応する。他の実施態様において、式(1)のシラン化コアポリスルフィドと式(4)の他のシランとの混合物は1対19の重量比にある。
【0052】
式4で記載されるこのシランの代表例は、参照によってここに組み入れる米国特許3,842,111号に列挙され、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド;ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド;ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド;ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ペンタスルフィド;ビス−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド;ビス−(トリエトキシシリルメチル)ジスルフィド;ビス−(4−トリエトキシシリルベンジル)ジスルフィド;ビス−(3−トリエトキシシリルフェニル)ジスルフィドなどを含む。
【0053】
およびR上のメチレン基に対する硫黄の結合は、メリレン基がシランと充填剤およびポリマーとの間の過剰な立体的な相互作用を軽減するために、望まれる。二つの連続したメチレン基は、立体相互作用をさらに軽減し、シランの化学構造に自由度を与え、それによって、界面におけるラバーと充填剤の両方の表面の形態によって強制される、分子レベルの位置的および方向的な制約に対して適応するそれの能力を高める。GおよびGへと結合するケイ素および硫黄原子の総数が3から4まで、およびそれ以上に増加するにともなって、シランの自由度はますます重要になってくる。ポリスルフィド基が、第2級炭素原子および第3級炭素原子、環状構造、そして特に、芳香族構造に結合した構造は、硬直しており、そして立体的に妨害されている。促進剤および硬化剤は、ポリスルフィド基を伴ってそれらの向きを簡単に変えて、反応に影響を与えることが出来ず、シラン化コアポリスルフィドは容易にそれ自身の向きを変えて、シリカおよびポリマー上の可能な結合部位と遭遇することが出来ない。これは硫黄基をポリマーと結合しない状態に置く傾向があり、それにより、シランのポリマーへの、シランの多重硫黄基を介した多重結合の原理が現実化する効率を減らす。
【0054】
混合液中の、他のシランの機能はシリカの表面上の部位を占めることであり、それはシリカを分散させるのと、ポリマーとカップリングするのとに助けとなる。
【0055】
本発明の充填剤は、液体のシランのための担体およびエラストマーのための強化充填剤として使用してよく、この際にシラン化コアポリスルフィドは、表面と反応するかまたは結合することができる。担体として使用される充填剤は、シラン化コアポリスルフィドに対して非反応性であるべきである。充填剤の非反応的な性質は、有機溶媒を使用して担持されたシランの50パーセントを超えて抽出されるシラン化コアポリスルフィドの能力によって説明される。抽出手順は、参照によってここに組み入れる米国特許6,005,027号に提供される。担体は、多孔性の有機ポリマー、カーボンブラック、ケイソウ土、およびシリカを含むが、これらに限定されず、このシリカは、米国特許6,005,027号に記載されるように、105℃で測定した時と500℃で測定した時のシリカの3502cm−2の赤外吸光度の間で、1.3未満の比較的小さい差によって特徴付けられる。一つの実施態様において、担体に担持させてよい、シラン化コアポリスルフィド、および、任意選択での式(4)の他のシランの量は、0.1パーセントと70パーセントとの間である。他の実施態様においては、シラン化コアポリスルフィド、および、任意選択での式(4)の他のシランは、10パーセントと50パーセントとの間の濃度で担体上に担持される。さらに他の実施態様において、この充填剤は微粒子充填剤である。
【0056】
本発明において有用な強化充填剤は、シランが充填剤の表面と反応性である充填剤を含む。充填剤の代表例は、無機充填剤、シリカ質充填剤、シリカ(焼成シリカおよび/または沈降シリカ)のような金属酸化物、チタン、アルミノケイ酸塩およびアルミナ、粘土およびタルクなどを含むが、これらに限定されない。微粒子の沈降シリカは、特にシリカが反応性の表面シラノールを有するときに、そのような目的に有用である。本発明の一つの実施態様において、シラン化コアポリスルフィド、および、任意選択での式(4)の他のシランを0.1から20パーセントと、80から99.9パーセントのシリカもしくは別の補強充填剤との組合せは、タイヤ接地面を含む種々のラバー製品を強化するために利用される。他の実施態様において、充填剤は、式(1)のシラン化コアポリスルフィドと任意選択で式(4)の第二のシランを約0.5から約10パーセントまでと、約90から約99.5重量パーセントの微粒子充填剤とを含有する。本発明の他の実施態様において、アルミナは、単独でシラン化コアポリスルフィドと共に、またはシリカとシラン化コアポリスルフィドとの組合せで使用してよい。「アルミナ」の用語は、酸化アルミニウム、またはAlとここでは記載することができる。本発明のさらなる実施態様において、充填剤は水和した形態でよい。
【0057】
水銀多孔度表面積は、水銀ポロシメトリーによって決定される特定の表面積である。この方法を用いて、揮発物を取り除くための温度処理ののち、水銀はサンプルの孔に浸透させられる。セットアップ条件は100mgの試料を用いて適切に記載され;環境大気圧(周囲環境から2000バールの圧力測定範囲)で、2時間、105℃の間に揮発物が取り除かれる。そのような評価は、ASTM公報39ページ(1959)のWinslow,Shapiro記載の方法、もしくはDIN66133に従って実施される。そのような評価のため、CARLO−ERBA Porosimeter2000が使用されるかも知れない。シリカの平均水銀多孔度の特定の表面積は約100から約300m/gの範囲であるべきである。
【0058】
そのような水銀多孔度評価による、シリカ、アルミナ、およびアルミノケイ酸塩の適切な細孔径分布は、その孔の5%もしくはそれ以下が、約10nm以下の直径を有し、その孔の約60パーセントから約90パーセントが、約10から約100nmの直径を有し、その孔の約10パーセントから約30パーセントが約100から約1000nmの直径を有し、そして、その孔の約5パーセントから約20パーセントが約1000nmより大きい直径を有する、とここでは考えられる。
【0059】
シリカは、電子顕微鏡によって決定されるように、たとえば約10から約50nmの範囲の平均素粒子径を有すると予想されるが、シリカ粒子がサイズとして、より小さくもしくは場合によってより大きい可能性がある。PRG Industriesからの、HI−SIL 210,243などの呼称を持つHI−SILの商標によるもの;Rhone−Poulencから入手可能な、たとえばZEOSIL 1165MPの呼称によるシリカ;Degussaから入手可能な、たとえばVN2およびVN3などの呼称によるシリカ;Huberから市販される、たとえばHUBERSIL7 8745の呼称を持つシリカのような、種々の市販のシリカは、本発明での使用を考えても良い。
【0060】
発明の一実施態様において、充填剤組成物は、シラン化コアポリスルフィドと共に、シリカ、アルミナおよび/もしくはアルミノケイ酸塩のようなシリカ充填剤を、カーボンブラック強化顔料と組み合わせて用いてよい。発明の他の実施態様において、充填剤組成物は、約15から約95重量パーセントのシリカ充填剤、約5から約85重量パーセントのカーボンブラック、および0.1から約19重量パーセントのシラン化コアポリスルフィドの微粒子充填剤混合物を含有し、ここでカーボンブラックは約80から約150の範囲のCTAB値を有する。発明のさらに他の実施態様において、少なくとも約3対1のシリカ充填剤のカーボンブラックに対する重量比のものを使うのが望ましい。発明のさらに他の実施態様において、シリカ充填剤のカーボンブラックに対する重量比は、約3対1から約30対1の範囲である。
【0061】
発明の一実施態様において、充填剤は約60から約95重量パーセントの、シリカ、アルミナ、および/もしくはアルミノケイ酸塩、そして対応する約40から約5重量パーセントのカーボンブラックならびに約0.1から20重量パーセントの本発明のシラン化コアポリスルフィドおよび任意選択での第二のシランからなり、ただし成分の混合物は合計100%という条件である。シリカ充填剤とカーボンブラックは加硫ラバーの製造において予備混合されるかもしくは一緒に混合できる。
【0062】
充填剤は、カーボンブラックもしくは有機ポリマーの場合、それと予備混合されたシランに対して実質的に不活性であり得、または、たとえば、表面シラノール機能性を有するシランもしくはシラン微粒子のような、たとえば、メタルヒドロキシ表面機能性を有する担体の場合、それらと反応性であり得る。
【0063】
本発明のさらに他の実施態様によると、ラバー組成物は、
(a)ラバー成分;
(b)式(1)のシラン化コアポリスルフィドを含む自由流動性充填剤組成物;
(c)および、任意選択で式(4)の第二のシラン;
とを含有して提供される。
【0064】
シラン化コアポリスルフィドおよび任意選択での他のシランカップリング剤は、ラバー混合物へと添加される前に、充填剤粒子と予備混合もしくは予備反応され、またはラバーおよび充填剤の加工中または混合段階において、ラバー混合物へと添加される。もし、シラン化コアポリスルフィドおよび任意選択での他のシランと充填剤とが、ラバーおよび充填剤の混合中にもしくは加工段階でラバー混合物中へ別々に添加されるなら、シラン化コアポリスルフィドはその場で(in situ)充填剤と結合すると考えられる。
【0065】
本発明の他の実施態様によると、硬化ラバー組成物は:
(a)ラバー成分;
(b)式(1)のシラン化コアポリスルフィドを含む自由流動性充填剤組成物;
(c)任意選択で、式(4)のシラン;
(d)硬化剤;そして
(e)任意選択で他の添加剤、
を含有して提供される。
【0066】
発明の充填剤組成物を含む有用なラバーは、共役ジエンホモポリマーおよび共役ジエンコポリマー、ならびに少なくとも一つの共役ジエンおよび芳香族ビニル化合物の共重合体を含む、硫黄加硫ラバーを含む。ラバー組成物作成のための適切な有機ポリマーは当分野によく知られており、The Vanderbilt Rubberr Handbook、Ohm, R.F.編集、R.T.Vanderbilt Company,Inc.,1990、および、Manual for the Rubber Industry,Kempermann,TおよびKoch,S.Jr.、Bayer AG,Levekusen,1993、を含むさまざまな参考書に記載されている。
【0067】
本発明の一実施態様において、ここでの利用に適切なポリマーは、溶液重合スチレンブタジエンラバー(sSBR)である。発明の他の実施態様において、溶液重合作成SBR(SSBR)は典型的には、結合スチレン含量が5から50パーセントの範囲であり、他の実施態様において、9から36パーセントである。本発明の他の実施態様によると、ポリマーは、エマルション重合スチレン−ブタジエンゴム(ESBR)、天然ラバー(NR)、エチレンプロピレンコポリマーおよびter−ポリマー(EP、EPDM)、アクリロニトリルブタジエンラバー(NBR)、ポリブタジエン(BR)など、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0068】
一実施態様において、ラバー組成物は、少なくとも一つのジエン系エラストマー、もしくはラバーからなる。適切な共役ジエンは、イソプレンおよび1,3−ブタジエンを含むがそれらに限定せず、適切なビニル芳香族化合物はスチレンおよびα−メチルスチレンを含むがそれらに限定しない。ポリブタジエンは当初は励起していると特徴づけられ、典型的に90重量%であり、シス−1,4ブタジエン形態であり得るが、他の組成物もまた、ここに記載の目的に使用される。
【0069】
このように、ラバーは硫黄硬化可能なラバーである。そのようなジエン系エラストマーもしくはラバーは、たとえば、シス−1,4−ポリイソプレンラバー(天然および/もしくは合成の)、エマルション重合製造スチレン/ブタジエンコポリマーラバー、有機溶液重合製造スチレン/ブタジエンラバー、3,4−ポリイソプレンラバー、イソプレン/ブタジエンラバー、スチレン/イソプレン/ブタジエンter−ポリマーラバー、シス−1,4−ポリブタジエン、中ビニルポリブタジエンラバー(35〜50パーセントビニル)、高ビニルポリブタジエンラバー(50〜75パーセントビニル)、スチレン/イソプレンコポリマー、エマルション重合製造スチレン/ブタジエン/アクリロニトリルter−ポリマーラバー、ならびにブタジエン/アクリロニトリルコポリマーラバー、の少なくとも一つから選択される。いくつかの用途には、比較的汎用の20から28パーセント結合スチレンのスチレン含量のエマルション重合由来のスチレン/ブタジエン(ESBR)、もしくは、中程度から比較的高い結合スチレン含量、すなわち、30〜45パーセントの結合スチレン含量を有したESBRが、用いられ得る。
【0070】
ter−ポリマー中に2から40重量パーセントの結合アクリロニトリルを有したエマルション重合作成のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリルter−ポリマーラバーはまた、ジエン系ラバーとして本発明における使用が意図される。
【0071】
加硫したラバー組成物は、合理的に高いモジュラスと高い耐摩耗性に寄与するのに充分な量の充填剤を含有すべきである。本発明の一つの実施態様において、混合された充填剤の重量は、100部のラバー当たり、約5から約100部(phr)という低さである。他の実施態様において、混合された充填剤の重量は、約25phrから約85phrであり、他の実施態様において、少なくとも一つの沈降シリカが充填剤として用いられる。シリカは、窒素ガスを用いて計測される、好ましくは約40から約600m/gの範囲の、BET表面積を有する事で特徴付けられる。本発明の他の実施態様において、シリカは、約50から約300m/gの範囲の、BET表面積を有する。表面積を測定するBET法は、Journal of the American Chemical Society, Volume 60, page 304(1930)に記載される。シリカは典型的には、約100から約350の範囲の、より通常には、約150から約300の、フタル酸ジブチル(DBP)吸収値を有する事によって特徴付けられる。さらに、シリカは、前述のアルミナおよびアルミノケイ酸塩と同様、約100から約220の範囲のCTAB表面積を有すると予想される。CTAB表面積は、pH9の臭化セチルトリメチルアンモニウムによって評価されるような外部表面である。この方法はASTM D 3849に記載される。
【0072】
本発明のラバー組成物は、一つもしくはそれ以上のシラン化コアポリスルフィドシランおよび任意選択での他のシランと有機ポリマーとを、充填剤を有機ポリマーへと配合する前に、最中に、もしくはその後において、混合することによって、作成される。シラン化コアポリスルフィドシランおよび任意選択での他のシランとは、これらのシランが充填剤の分散を促進し、向上するため、充填剤を有機ポリマーへと配合する前もしくは配合する間に、加えられ得る。他の実施態様において、生成する混合物に存在するシラン化コアポリスルフィドシランの全量は、有機ポリマーの100重量部当たり、約0.05から約25重量部(phr)であるべきで、他の実施態様においては、1から10phrである。さらに他の実施態様において、充填剤は、約5から約120phrの間の範囲の量で用いることが出来、さらに他の実施態様において、充填剤は、約25から約110phr、もしくは約25から約105phrの間の範囲の量で用いることが出来る。
【0073】
実施面では、硫黄加硫ラバー産物は典型的には、順次的な段階的な方法で、ラバーとさまざまな成分とを熱力学的に混合することによって作成され、加硫産物を作成するために、配合されたラバーを成型し硬化することが後に続く。最初に、典型的に硫黄と硫黄硫化促進剤(まとめて「硬化剤」)を除いた前述のラバーとさまざまな成分との混合のために、ラバーとさまざまなラバー配合成分は、典型的には、適切なミキサー内における、予備的な熱力学的混合の少なくとも一つ、そしてしばしば(シリカ充填剤配合低転がり抵抗のタイヤの場合)二つもしくはそれ以上の段階で混合される。そのような予備的な混合は、非生産的混合または非生産的混合ステップもしくは段階と呼ばれる。そのような予備的な混合は通常、約140℃から約200℃で、そしてある成分の場合には、約150℃から約180℃において実施される。そのような予備的な混合段階に続いて、しばしば生産的混合段階と呼ばれる最終混合段階において、硬化剤、ならびに場合によっては一つもしくはそれ以上の補足的な成分が、ラバー組成物もしくは成分と、典型的には、しばしばラバー組成物のスコーチと呼ばれる、硫黄硬化ラバーの早期加硫を防ぐかまたは遅らせるため、予備的な混合段階と比較してより低い温度である、約50℃から約130度の範囲の温度において、混合される。しばしばラバー組成物もしくは成分と呼ばれるラバー混合物は、前述のさまざまな混合のステップの間で、しばしば、中間的なミル混合の後もしくはその最中に、たとえば約50℃もしくはそれより低い温度へと、典型的には冷まされる。ラバーを成型したり硬化することが望まれるなら、最低約130℃から約200℃までにおいて、ラバーは適切な型へと置かれ、これは、シラン化コアポリスルフィドシラン上のS−S結合含有基(すなわち、ジスルフィド、トリスルフィド、テトラスルフィドなど;ポリスルフィド)とラバー混合物中の任意の他の遊離硫黄源によってラバーの加硫を引き起こす。
【0074】
熱力学的な混合とは、それによって、せん断と関連した摩擦とが、高せん断ミキサーにおける、ラバー組成物の混合、またはラバーの成分それ自身およびラバー配合成分の混合の結果生じるような、ラバーミキサー内の高いせん断条件において、温度が自己生産的に上昇する、すなわち「温まる」という現象を示す。いくつかの化学反応は、混合もしくは硬化プロセスにおけるさまざまな段階において起こるであろう。
【0075】
最初の反応は、比較的速い反応であり、ここでは充填剤とシラン化コアポリスルフィドのケイ素アルコキシド基との間で起こると考えられている。そのような反応は、たとえば、約120℃という比較的低い温度で起こる。第二の反応は、ここではシラン化コアポリスルフィドの硫黄含有部分と硫黄加硫ラバーとの間で、たとえば、約140℃というより高い温度において起こる反応である。
【0076】
それに限定しないが、たとえば、Sとしての元素硫黄の形状のような、他の硫黄源も用いられ得る。硫黄供給体は、ここでは、遊離のもしくは元素の硫黄を、約140℃から約190℃の範囲の温度において解放する、硫黄含有化合物であると考えられる。そのような硫黄供給体は、たとえば、そのポリスルフィド架橋において少なくとも二つの結合硫黄原子をもつポリスルフィド加硫促進剤およびオルガノシランポリスルフィド化物であり得るが、それらに限定されない。混合物へ添加する遊離の硫黄源の量は、前述のシラン化コアポリスルフィドシランの添加から比較的独立した選択の問題として、制御されるか操作され得る。このように、たとえば、硫黄源の独立した添加は、それ自身の添加の量、およびラバー混合物への他の成分の添加と比較した添加の順序によって操作され得る。
【0077】
本発明の一つの実施態様において、ラバー組成物はそれゆえ、共役ジエンホモポリマーおよび共役ジエンコポリマー、ならびに少なくとも一つの共役ジエンおよび芳香族ビニル化合物の共重合体、からなる群から選択される、少なくとも一つの硫黄加硫可能なラバーを約100重量部(phr)、約5−100phr、好ましくは約25−80phrの少なくとも一つの微粒子充填剤、約5phrまでの硬化剤、そして、約0.05から約25phrの少なくとも一つの、本発明に記載されるようなシラン化コアポリスルフィドシランを含有する。
【0078】
本発明の他の実施態様において、充填剤は、充填剤組成物の全重量をもとにして約1から約85重量パーセントのカーボンブラックと、充填剤組成物の全重量をもとにして0から約20重量部の少なくとも一つの本発明のシラン化コアポリスルフィドシランとを含有する。
【0079】
ラバー組成物は、約140℃から約200℃の温度への、約2から約20分の間の最初の熱力学的な混合ステップで、ラバー、充填剤、およびシラン化コアポリスルフィドシランを、またはラバー、シラン化コアポリスルフィドシランで予備処理された充填剤、および任意の残りのシラン化コアポリスルフィドシランを、最初に混合する事によって作成され得る。充填剤は全部分の、もしくは一部分のシラン化コアポリスルフィドシランで予備処理されたおよび任意の残りのシラン化コアポリスルフィドシランによって、約140℃から約200℃の温度への、約4から約15分の間の最初の熱力学的な混合ステップにおいて、予備処理され得る。任意選択で、硬化剤は、約50℃の温度での他の熱力学的な混合ステップへと加えられ、約1から約30分の間、混合される。その温度はその後、再び約130℃から約200℃の間にまで温められ、約5から約60分までに硬化が達成される。
【0080】
本発明の他の実施態様において、プロセスはまた、本発明によって作成されたラバー組成物からなるタイヤもしくは接地面を持つ硫黄硬化可能なラバーの部品を作成し、その部品を約130℃から約200℃の範囲の温度において加硫する、追加的なステップを含有する。
【0081】
他の任意選択の成分を本発明のラバー組成物に加えても良く、硬化助剤、すなわち硫黄化合物を含み、活性化剤、遅延剤、促進剤、オイルのような加工添加剤、可塑剤、粘着付与樹脂(tackifying resins)、シリカ、他の充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、および、たとえばカーボンブラックのような強化剤などを含んでいる。そのような添加剤は、意図される使用と、使用すると選択された硫黄加硫可能な物質とに基づいて選択され、そのような選択は当業者の知識の範囲内であり、そのような添加剤の要求される量は当業者に知られる事である。
【0082】
加硫は追加的な硫黄加硫剤の存在下で行われる。適切な硫黄加硫剤の例は、たとえば、最終的な生産的なラバー組成物混合ステップにおいて慣例的に添加される、たとえば、アミノジスルフィド、ポリマーポリスルフィド、もしくは硫化オレフィン付加物のような元素硫黄(遊離硫黄)もしくは硫黄供与加硫剤を含む。硫黄加硫剤(当分野で一般的に用いられる)は、約0.4から約3phrの範囲の量で、ある状況では約8phrまで、約1.5から約2.5phrの範囲で、およびそれらのすべての副範囲(subrange)で、一つの実施態様においては約2から約2.5phrで、およびそれらのすべての副範囲で、生産的な混合段階において添加される。
【0083】
任意選択で、加硫促進剤、すなわち、追加的な硫黄供与体はここでも用いる事が出来る。以下の例、ベンゾチアゾール、アルキルチウラムジスルフィド、グアニジン誘導体、およびチオカーバメートを含むようなものが、評価される。そのような促進剤の代表はたとえば、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、ベンゾチアゾールジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)、ジチオカルバメート亜鉛(ZBEC)、アルキルフェノールジスルフィド、キサント酸イソプロピル亜鉛(ZIX)、N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DCBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(TBBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド(TBSI)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、N−オキシジエチレンベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N,N−ジフェニルチオウレア、ジチオカルバミルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピルベンゾチオゾール−2−スルフェンアミド、2‐メルカプトトルイミダゾール亜鉛、ジチオビス(N−メチルピペラジン)、ジチオビス(N−ベータ−ヒドロキシエチルピペラジン)、およびジチオビス(ジベンジルアミン)であるが、それらに限定されない。他の追加的な硫黄供与体はたとえば、チウラムおよびモルフォリン誘導体であり得る。そのような供与体の代表はたとえば、ジモルフォリンジスルフィド、ジモルフォリンテトラスルフィド、テトラメチルチウラムテトラスルフィド、ベンゾチアジル−2,N−ジチオモルフォリド、チオプラスト、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、およびジスルフィドカプロラクタムであるが、それらに限定されない。
【0084】
促進剤は、加硫に必要な時間および/もしくは温度を制御し、加硫の性質を改善するために用いられる。一つの実施態様において、単一の促進剤系、すなわち一次促進剤が用いられ得る。慣例として、一次促進剤は、一つの実施態様において約0.5から約4phrの範囲およびそれらのすべての副範囲の、他の実施態様において、約0.8から約1.5phrの範囲およびそれらのすべての副範囲の総量で用いられる。活性化し加硫の性能を向上するために、一次および二次促進剤の組み合わせを使用することが出来、二次促進剤はより少ない量(約0.05から約3phrおよびそれらのすべての副範囲)で用いる。作用遅延促進剤もまた用いる事が出来る。加硫遅延剤もまた用いても良いだろう。適切な促進剤のタイプは、アミン、ジスルフィド、グアニジン、チオウレア、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、ジチオカーバメート、およびキサンテートである。一つの実施態様において、一次促進剤はスルフェンアミドである。もし二次促進剤を用いるなら、二次促進剤は好ましくは、グアニジン、ジチオカーバメート、および/もしくはチオウラム化合物である。好ましくは、テトラベンジルチウラムジスルフィドが、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドとジフェニルグアニジンと組み合わせて、またはジフェニルグアニジン無しのN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドと組み合わせて、二次促進剤として用いられる。テトラベンジルチウラムジスルフィドは、たとえばテトラメチルチウラムジスルフィドのようなニトロン化剤の産生を導かないので、好ましい促進剤である。
【0085】
もし用いるとするならば、粘着付与樹脂の典型的な量は、約0.5から約10phrおよびそれらのすべての副範囲、通常は約1から約5phrおよびそれらのすべての副範囲を含有する。加工助剤の典型的な量は約1から約50phrおよびそれらのすべての副範囲を含有する。そのような加工助剤はたとえば、芳香族の、ナフテン酸の、および/もしくはパラフィンの加工オイルを含む。坑酸化剤の典型的な量は約1から約5phrを含む。代表的な坑酸化剤は、たとえば、ジフェニル−p−フェニレンジアミン、および、Vanderbilt Rubber Handbook(1978)、344−46ページに開示されるような他の物であり得る。坑酸化剤の典型的な量は約1から約5phrおよびそれらのすべての副範囲を含有する。脂肪酸は、もし用いられるならステアリン酸を含み、典型的な量は0.約5から約3phrおよびそれらのすべての副範囲を含有する。酸化亜鉛の典型的な量は約2から約5phrを含有する。ワックスの典型的な量は約1から約5phrおよびそれらのすべての副範囲を含有する。しばしばマイクロクリスタリンワックスが用いられる。素練り促進剤の典型的な量は約0.1から約1phrおよびそれらのすべての副範囲を含む。典型的な素練り促進剤は、たとえば、ペンタクロロチオフェノールおよびジベンザミドジフェニルジスルフィドであり得る。
【0086】
本発明のラバー組成物はさまざまな目的に用いる事が出来る。たとえば、それはさまざまなタイヤ調合物、隙間充填材および靴底に用いる事が出来る。本発明の一つの実施態様において、ここに記載されるラバー組成物は、特にタイヤ接地面に有用であるが、タイヤの他のすべての部分に対してもまた同様に有用であろう。そのようなタイヤは、当業者にとって明白なよく知られたさまざまな方法によって、作られ、成型され、型に入れられ、そして硬化される。
【実施例】
【0087】
下に示された実施例は、ここに記載されるシランのシリカ充填剤配合ラバーにおけるカップリング剤としてのその性能において、従来技術のものと比較した上での大きな優位性を例証する。
【0088】
実施例1
(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキサンの作成
この実施例は、二つのビニル基を有するシランからの、中間体であるチオアセタートシランの生成を介したシラン化コアジスルフィドの作成を例示する。(2−トリメトキシシリルエチル)ジビニルシクロヘキサンの作成はヒドロシリル化によって作成された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/コントローラ、加熱マントル、添加ロート、コンデンサー、および気体吸入口を備えた、5リットルの三口丸底フラスコに、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン(2,001.1グラム、12.3モル)およびVCAT触媒(1.96グラム、0.01534グラム白金)が充填された。チューブがシランの表面より下にある気体吸入口によって、空気を泡立てながらビニルシランへ入れた。反応混合物は110℃に温められ、トリメトキシシラン(1,204グラム、9.9モル)は3.5時間にわたって添加された。反応混合物の温度は最高値130℃まで増加した。反応混合物は室温に冷まされ、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(3グラム、0.004モル)が添加された。反応混合物は122℃および1mmHgにおいて蒸留され、1,427グラムの(2−トリメトキシシリルエチル)ジビニルシクロヘキサンを提供した。収率は51パーセントであった。
【0089】
(2−トリエトキシシリルエチル)ジビニルシクロヘキサンはエステル交換によって作成された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/コントローラ、加熱マントル、添加ロート、ト字管、および、コンデンサー、ならびに窒素注入口を備えた、3リットルの三口丸底フラスコに、(2−トリメトキシシリルエチル)ジビニルシクロヘキサン(284グラム、2.33モル)、ナトリウムエトキシド・エタノール溶液(49グラムの21%ナトリウムエトキシド、Aldrich Chemicalより購入)およびエタノール(777グラム、16.9モル)を充填した。反応混合物は温められ、メタノールとエタノールは大気圧における蒸留により取り除かれた。粗生成物はその後、106℃、0.4mmHgという減圧において蒸留され、675グラムの産物で89パーセントの収率を提供した。
【0090】
(2−トリエトキシシリルエチル)ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロヘキサンはチオ酢酸をジビニルシランへ添加する事によって作成された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/コントローラ、加熱マントル、添加ロート、コンデンサー、気体注入口、および水酸化ナトリウムスクラバーを備えた、1リットル三口丸底フラスコに、チオ酢酸(210グラム、2.71モル)が充填された。(2−トリエトキシシリルエチル)ジビニルシクロヘキサン(400グラム、1.23モル)は30分にわたり、室温で、添加ロートを介してゆっくりと添加された。反応は発熱性の反応であった。混合物の温度は94.6℃に上昇した。混合物は2.5時間かく拌され38.8℃まで冷された。追加的なチオ酢酸(10グラム、0.13モル)が添加され、わずかな発熱反応が観察された。反応混合物は25℃で終夜(18時間)かく拌された。分析は、反応混合物が2パーセント以下のチオ酢酸を有している事を示した。その全体的な純度は91パーセントであった。反応混合物は、減圧下でクーゲル装置によって蒸留する事でさらに精製された。
【0091】
ジメルカプトシランである中間産物は、(2−トリエトキシシリルエチル)ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロヘキサンからアセチル基を取り除くことによって作成された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/コントローラ、加熱マントル、添加ロート、ト字管、およびコンデンサー、10段Oldershawカラム、ならびに窒素注入口を備えた5リットルの三口丸底フラスコに、(2−トリエトキシシリルエチル)ビス−(3−チア−4−オキソペンチル)シクロヘキサン(2,000グラム、4.1モル)、エタノール(546.8グラム、11.8モル)およびナトリウムエトキシド・エタノール溶液(108グラムの21%ナトリウムエトキシド・エタノール溶液)を充填した。反応混合物のpHは約8であった。反応混合物は、24時間、88℃に温められ、酢酸エチルおよびエタノールが反応混合物から取り除かれた。二度、エタノール(1リットル)が混合物へと添加され、21%ナトリウムエトキシド・エタノール溶液(21グラム)の添加によって、反応混合物のpHが約10にまで上昇し、そして追加で6.5時間温められた。反応混合物は冷され、加圧ろ過された。反応混合物は、95℃以下の温度と1mmHGの圧力においてストリップされた。ストリップされた産物はろ過され(2−トリエトキシシリルエチル)ビス(2−メルカプトエチル)シクロヘキサン(1398グラム、3.5モル、86%の収率)を提供した。
【0092】
産物である(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキサン、関連するオリゴマーおよびポリスルフィド、ならびにビス−(3−トリエトキシシリルプロピルポリスルフィド)の混合物は、ジメルカプタンシランと塩基、硫黄および3−クロロプロピルトリエトキシシランとを反応させることによって作成された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/コントローラ、加熱マントル、添加ロート、ト字管、および、フリードリヒコンデンサー、ならびに窒素注入口を備えた、3リットルの三口丸底フラスコに、(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(2−メルカプトエチル)シクロヘキサン(540.3グラム、1.28モル)を充填した。21%ナトリウムエトキシド・エタノール溶液(829グラム、2.56モル)に、150グラムのエタノールおよび硫黄(Aldorich Chemicalからの昇華された粉、86.4グラム、2.7モル)を急速なかく拌により、追加。溶液は、3.5時間還流され、1.5時間かけて3−クロロプロピルトリエトキシシラン(616.5グラム、2.56モル)で、その後17.5時間還流された。溶液は冷まされ、2マイクロメートル、その後、0.1マイクロメートルのフィルターを介して加圧ろ過された。ろ過したものは、その後、エタノールを取り除くために、60℃で9mmHgでストリップされた。産物(1027グラム)はHPLCで分析され、クロマトグラムが図1に示される。
【0093】
(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキサンの一つの異性体は以下の構造を有する:
【化1】

【0094】
実施例2
(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサンの作成
ジメルカプタンシラン中間体、(2−トリエトキシシリルエチル)ビス(2−メルカプトエチル)シクロヘキサンは、実施例1に記載される手順によって作成された。
【0095】
産物である、2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン、関連するオリゴマーおよびポリスルフィド、ならびにビス−(トリエポキシシリルプロピル)ポリスルフィド混合物は、ジメルカプタンシランと塩基、硫黄および3−クロロプロピルトリエトキシシランとを反応させることによって作成された。マグネチックスターラーバー、温度プローブ/コントローラ、加熱マントル、添加ロート、ト字管、および、フリードリヒコンデンサー、ならびに窒素注入口を備えた、5リットルの三口丸底フラスコに、(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(2−メルカプトエチル)シクロヘキサン(596.3グラム、1.5モル)を充填した。21%ナトリウムエトキシド・エタノール溶液(979.0グラム、3.0モル)に、600グラムのエタノールおよび硫黄(Aldorich Chemicalからの昇華された粉、299.0グラム、9.1モル)を急速なかく拌により、追加。溶液は、終夜還流され、3−クロロプロピルトリエトキシシラン(740.0グラム、3.07モル)が添加され、その後16時間還流された。溶液は冷まされ、0.1マイクロメートルのフィルターを介して加圧ろ過された。ろ過したものは、その後、エタノールを取り除くために、Rotavaporを用いてストリップされた。産物(1,375グラム)はHPLC、NMRおよびGCで分析された。
【0096】
(2−トリエトキシシリルエチル)−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサンの一つの異性体は以下の構造を有している:
【化2】

【0097】
比較例A−E、実施例3−7
低転がり抵抗のタイヤ接地面調合物におけるシランの使用
表1に記載されるような低転がり抵抗の乗用車用タイヤ接地面調合物のモデルと混合手順とは、本発明のシランの代表例を評価するために用いられた。実施例2のシランは後述のように、1690ml(103cu.in.)のチャンバ容量の「B」BANBURY(登録商標)(Farrell Corp.)ミキサーにおいて混合された。ラバーの混合は2ステップで行われた。ミキサーを80rpmにし、冷却水を71℃にして、ミキサーを起動した。ラバーポリマーはミキサーに添加され、30秒間ラムダウン(ram down)混合された。シランおよびオイルを除く、表1のマスターバッチのシリカおよび他の成分がミキサーに添加され、60秒間ラムダウン混合された。ミキサーの速度が35rpmに減ぜられ、そしてマスターバッチのシランおよびオイルがミキサーに添加され、60秒間ラムダウン混合された。ミキサー口(mixer throat)は塊を落とされ、成分は温度が149℃に達するまでラムダウン混合された。成分は追加的に3分30秒間混合された。ミキサーの速度は、温度が152℃と157℃に維持されるように調整された。ラバーは投げ下ろされ(ミキサーから取り出され)、約85℃から88℃にセットされたロールミルの上でシートが形成され、その後、室温に冷まされた。
【0098】
第二のステップにおいて、マスターバッチはミキサーに再び充填された。ミキサーの速度は80rpmであり、冷却水は71℃で、そしてバッチの圧は6MPaにセットされた。マスターバッチは30秒間ラムダウン混合され、マスターバッチの温度は149℃にまでされ、ミキサーの速度は32rpmに減ぜられた。ラバーは3分20秒、152℃と157℃の間の温度で混合された。混合中、(もし必要なら)トリメチロールプロパンが添加された。混合の後、ラバーは投げ下ろされ(ミキサーから取り出され)、約85℃から88℃にセットされたロールミルの上でシートが形成され、その後、室温に冷された。
【0099】
ラバーマスターバッチと硬化剤は、48℃と52℃の間に温められた15cm×33cmの2ロールミルにおいて混合された。硫黄と促進剤はラバーに添加され(マスターバッチ)、ロールミル上で完全に混合され、シートを形成させた。シートは、硬化される前に、室温にて24時間冷された。硬化条件は160℃で20分間であった。実施例2のシランは、上述の手順によってタイヤ接地面調合物へと配合された。実施例2で作成されたシランの性能は、従来技術において作成されたシラン、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)ジスルフィド(TESPD)、およびプロピルトリエトキシシラン、比較例A−Eの性能と比較された。試験手順は下記のASTM法に記載される:
ムーニースコーチ ASTM D1646
ムーニー粘度 ASTM D1646
振動ディスクレオメーター(ODR)
ASTM D2084
貯蔵モジュラス、ロスモジュラス、
張力および伸長 ASTM D412およびD224
DIN磨耗 DIN手順53516
発熱性 ASTM D623
パーセント永久変形 ASTM D623
ショアA硬さ ASTM D2240
【0100】
この手順の結果は以下の表1で一覧できる。
【表1】

【0101】
表1は、実施例3−7に列挙される本発明のシラン化コアポリスルフィド、TESPD、およびプロピルトリエトキシシランの性能パラメーターを示す。実施例2からのシランを含有する充填剤組成物を配合したラバー組成物の物理的性能は、対照のシランよりも常にそして非常に高い。
【0102】
本発明のシラン化コアポリスルフィドシランを含有した充填剤組成物は、より高い強化指数によって示されるような、シリカのラバーへのより良いカップリングを含むより優れた性能を、シリカ充填剤配合エラストマー組成物に対し授ける。より良い強化指数は、ラバー組成物およびそれらのラバーから製造される製品への性能の改善と解釈される。
【0103】
実施例8
以下の性質:
特性 値
BET表面積 180m/g
CTAB表面積 160m/g
DOP吸着 270ml/100グラム
105℃での水の消失 6%
1000℃での強熱減量 10.5%
SiO 98.5%
Al2O 0.4%
pH 6.5
を持つフランス、リヨンのRhoene PoulencからのZeosil 1165MP(50グラム)を1リットルの広口ジャーへと注ぐ。広口ジャーを105℃の通風オーブンに置き、4時間乾燥させた。赤外吸収の差分は1.12であった。熱したシリカに対して、実施例2からのシラン化コアポリスルフィド(50グラム)が、一部分で加えられ、ジャーが閉じられ、手で30秒間振られた。生じた化合物は乾燥して、自由流動性で、容器の壁にひっつかない。250丸底フラスコを備えた100mlソックスレー抽出装置において抽出試験が行われた。シラン化コアポリスルフィドとシリカの混合物(30グラム)が紙カートリッジにおかれ、分析グレードの乾燥アセトンがフラスコに入れられた。カートリッジは、一定の重量まで防爆オーブンにおいて110℃で乾燥された。重量のロスは、抽出可能なシランのパーセントとして計算された。
実施例2からのシラン化コアポリスルフィドとシリカの混合物は、担体として用いられるシリカの例である。
【0104】
実施例9
以下の性質:
特性 値
BET表面積 180m/g
CTAB表面積 160m/g
DOP吸着 270ml/100グラム
105℃での水の消失 6%
1000℃での強熱減量 10.5%
SiO 98.5%
Al2O 0.4%
pH 6.5
を持つフランス、リヨンのRhoene PoulencからのZeosil 1165MP(50グラム)を1リットルの広口ジャーへと注ぐ。ジャーに対して、実施例2からのシラン化コアポリスルフィド(50グラム)が、一部分で加えられ、ジャーが閉じられ、手で10分間振られた。ジャーは開かれ、シラン化コアポリスルフィドとシリカは加熱マントルを用いて140℃で1時間温められ、機械的ミキサーと金属のスターラーシャフトを用いて激しくかく拌された。シリカを加熱する事は、シラン化コアポリスルフィドとシリカとの反応を駆動することと生成するエタノールを取り除くことを意図している。生じた化合物は乾燥して、自由流動性で、容器の壁にひっつかない。それはシラン化コアポリスルフィドとシリカが反応して、二つの成分が互いに共有結合した産物を生成する混合物の例である。
【0105】
実施例10
以下の性質:
特性 値
BET表面積 180m/g
CTAB表面積 160m/g
DOP吸着 300ml/100グラム
105℃での水の消失 6%
1000℃での強熱減量 11%
SiO 98%
Al2O 0%
pH 6.0
を持つドイツ、フランクフルトのDeGussaからのSIPERNAT22(50グラム)を1リットルの広口ジャーへと注ぐ。シリカに対して、実施例1からのシラン化コアポリスルフィド(2グラム)が、一部分で加えられ、ジャーが閉じられ、手で10分間振られた。ジャーは開かれ、シラン化コアポリスルフィドとシリカは加熱マントルを用いて140℃で1時間温められ、機械的ミキサーと金属のスターラーシャフトを用いて激しくかく拌された。シリカを加熱する事は、シラン化コアポリスルフィドとシリカとの反応を駆動することと生成するエタノールを取り除くことを意図している。
生じた化合物は乾燥して、自由流動性で、容器の壁にひっつかない。それはシラン化コアポリスルフィドとシリカが反応して、二つの成分が互いに共有結合した産物を生成する混合物の例である。
【0106】
実施例11
以下の性質:
特性 値
BET表面積 83m/g
CTAB表面積 82m/g
ヨウ素価 82m/g
を持つジョージア州、マリエッタのColumbian ChemicalからのN330カーボンブラック(100グラム)を1リットルの広口ジャーへと注ぐ。N330カーボンブラックを含む開いたジャーは、120℃の通風オーブンに置き、2時間乾燥させた。熱したカーボンブラックに対して、実施例2からのシラン化コアポリスルフィド(50グラム)が、一部分で加えられ、ジャーが閉じられ、手で10分間振られた。生じた化合物は乾燥した自由流動性の黒い粉末である。
250丸底フラスコを備えた100mlソックスレー抽出装置において抽出試験が行われた。シラン化コアポリスルフィドとカーボンの混合物(30グラム)が紙カートリッジにおかれ、分析グレードの乾燥アセトンがフラスコに入れられた。抽出し件は還流開始から2時間行われた。フラスコは加熱マントルを用いて88℃に温められた。カートリッジは、一定の重量まで防爆オーブンにおいて110℃で乾燥された。重量のロスは、抽出可能なシランのパーセントとして計算された。
実施例2からのシラン化コアポリスルフィドとカーボンブラックの混合物は、担体として用いられるシリカの例である。N330はエラストマー組成物のための強化充填剤である。エラストマー組成物において、カーボンブラックから液体シランが脱吸着したのち、カーボンブラックは強化充填剤として機能する。
【0107】
実施例12
低転がり抵抗のタイヤ接地面調合物におけるシラン化コアポリスルフィドとシリカの混合物の使用
表1に記載されるような低転がり抵抗の乗用車用タイヤ接地面調合物のモデルが、実施例8のシラン化コアポリスルフィドとシリカの混合物17phrが、実施例2からのシランと取って代わり、Ultrasil VN3 GRシリカの充填量が76.5phrに調整されたことを除いて、シリカ担体上のシラン化コアポリスルフィドの性能を評価するのに用いられた。ラバー組成物は、実施例3に記載される混合手順によって作成された。実施例は、シリカ担体上のシラン化コアポリスルフィドの使用を例示する。
【0108】
実施例13
低転がり抵抗のタイヤ接地面調合物におけるシラン化コアポリスルフィドとシリカの混合物の使用
表1に記載されるような低転がり抵抗の乗用車用タイヤ接地面調合物のモデルが、実施例9のシラン化コアポリスルフィドとシリカの混合物93.5phrが、実施例2からのシランおよびUltrasil VN3 GRシリカと取って代わったことを除いて、シリカ担体上のシラン化コアポリスルフィドの性能を評価するのに用いられた。ラバー組成物は、実施例3に記載される混合手順によって作成された。実施例は、シリカ充填剤へと結合して、あらかじめ形成されたシラン化コアポリスルフィドの使用を例示する。
【0109】
実施例14
低転がり抵抗のタイヤ接地面調合物におけるシラン化コアポリスルフィドとシリカの混合物の使用
表1に記載されるような低転がり抵抗の乗用車用タイヤ接地面調合物のモデルが、実施例10のシラン化コアポリスルフィドとシリカの混合物93.5phrが、実施例2からのシランおよびUltrasil VN3 GRシリカと取って代わったことを除いて、シリカ担体上のシラン化コアポリスルフィドの性能を評価するのに用いられた。ラバー組成物は、実施例3に記載される混合手順によって作成された。実施例は、ラバー混合物へと添加される前に、シリカ充填剤へと結合して、あらかじめ形成されたシラン化コアポリスルフィドの使用を例示する。
【0110】
実施例15
低転がり抵抗のタイヤ接地面調合物におけるシラン化コアポリスルフィドとシリカの混合物の使用
表1に記載されるような低転がり抵抗の乗用車用タイヤ接地面調合物のモデルが、実施例10のシラン化コアポリスルフィドとカーボンブラックの混合物25.7phrが、実施例2からのシランおよび12phrのカーボンブラックと取って代わったことを除いて、シリカ担体上のシラン化コアポリスルフィドの性能を評価するのに用いられた。ラバー組成物は、実施例3に記載される混合手順によって作成された。実施例は、カーボンブラック担体上のシラン化コアポリスルフィドの使用を例示する。
【0111】
上の記述は多くの具体例を含んでいるが、これらの具体例は発明の限定と解釈されるべきでなく、単にそれらの好ましい実施態様の例示として取られるべきである。当業者なら、ここに添付された請求項によって定義される、本発明の範囲と精神に含まれる、多くの他の実施態様を想像する事ができよう。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ形成される、自由流動性充填剤組成物であって、
a)充填剤と;
b)一般式:
[Y−][G(RSiX[G[R
を有したシラン化コアポリスルフィドである、第一のシラン
〔式中、
ここでGの各々が、一般式:
[(CH−][−(CH−]
によって表されるポリスルフィド基を含む、1から約30の炭素原子を持つ多価の炭化水素種から独立して選択され、
の各々が、一般式:
[(CH−][−(CH−]
によって表されるポリスルフィド基を含む、1から約30の炭素原子の多価の炭化水素種から独立して選択され、
およびRの各々が、1から約20の炭素原子を持つ二価の炭化水素フラグメントから独立して選択され;
およびYの各々が、シリル(−SiX)、水素、アルコキシ(−OR)、カルボン酸、エステル(−C(=O)OR)〔ここで、Rが、1から20の炭素原子を有した一価の炭化水素基である〕からなるものから独立して選択され;
の各々が、−(CH−で表される直鎖炭化水素であり;
の各々が、a+c+e−1個の水素が置き換えられた環状の、分岐の、および直鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、およびアラルキル基を含む、a+c+eの合計に等しい水素原子の置換によって得られる1から約28の炭素原子の多価の炭化水素フラグメント、または、1から27の炭素原子の多価のヘテロカーボンフラグメントから独立して選択され;
の各々が、c+e−1個の水素が置き換えられた環状の、分岐の、および直鎖のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、およびアラルキル基を含む、c+eの合計に等しい水素原子の置換によって得られる1から約28の炭素原子の多価の炭化水素フラグメント、または、1から27の炭素原子の多価のヘテロカーボンフラグメントから独立して選択され;
の各々が、−Cl、−Br、−OH、−OR、およびRC(=O)O−からなる群から独立して選択され、ここでRは、1から20の炭素原子を有した任意の一価の炭化水素基であり;
およびXの各々が、水素、R〔ここで、Rが、1から20の炭素原子を有した一価の炭化水素基である〕、X〔ここで、Xが、−Cl、−Br、−OH、−OR、およびRC(=O)O−からなる群から独立して選択され、式中、Rは、1から20の炭素原子を有した一価の炭化水素基である〕、および、シラノールの縮合によって生じる−OSi含有基からなる群から独立して選択され;
下付き文字a、b、c、d、e、f、m、n、o、p、およびxが、a、cおよびeが1から約3;bが1から約5;dが1から約5;fが0から約5;mおよびpが1から約100;nが1から約15;oが0から約10;ならびにxが1から約10、によって独立して与えられる〕と;
そして任意選択で、
c)一般式:
[XSiRSiX
を有する第二のシラン〔式中、RおよびRの各々は、一つの水素原子がシリル基(−SiX)によって置換されている分岐のおよび直鎖の、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、もしくはアラルキル基を含む、1から約20の炭素原子を持つ二価の炭化水素フラグメントから独立して選択され、Xが、−Cl、−Br、−OH、−OR、およびRC(=O)O−からなる群から独立して選択され、ここでRが、分岐のもしくは直鎖の、アルキル、アルケニル、アリール、もしくはアラルキル基を含む、1から20の炭素原子を持つ一価の炭化水素基であり、XおよびXが、水素、R、X、およびシラノールの縮合によって生じる−OSi含有基からなる群から独立して選択される〕とを、含有する、組成物。
【請求項2】
前記充填剤が、シランに関して化学的に不活性である、請求項1に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項3】
前記充填剤が、前記シランに対して化学的に反応性であり、シランが前記化学的に反応性の充填剤に対して化学結合する、請求項1に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項4】
前記充填剤がカーボンブラックである、請求項2に記載の自由流動性充填剤組成物
【請求項5】
前記化学的に反応性の充填剤が、メタルヒドロキシ表面機能性を有する、請求項3に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項6】
前記化学的に反応性の充填剤が、シリカ物質である、請求項5に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項7】
前記シリカ物質が、シリカである、請求項6に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項8】
前記充填剤が、前記シランに関して不活性である充填剤と、シランに対して化学的に反応性であってそれと化学結合する充填剤との混合物である、請求項1に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項9】
前記不活性な充填剤がカーボンブラックであり、化学的に反応性の充填剤がシリカである、請求項8に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項10】
前記シラン化コアポリスルフィドが、2−トリエトキシシリル−1,3−ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピルテトラチオ)プロパン、4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(13−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアトリデシル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス(13−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアトリデシル)シクロヘキサン;4−(2−ジエトキシメチルシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(13−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアトリデシル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(10−トリエトキシシリル−3,4,5,6,7−ペンタチアデシル)シクロヘキサン;1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2,4−ビス−(10−トリエトキシシリル−3,4,5,6,7−ペンタチアデシル)シクロヘキサン;1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2,4−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン;2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,4−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(8−トリエトキシシリル−3,4,5−トリチアオクチル)シクロヘキサン;2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,4−ビス−(8−トリエトキシシリル−3,4,5−トリチアオクチル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキサン;2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,4−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキサン;1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−2,4−ビス−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキサン;2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)−2−(8−トリエトキシシリル−3,4,5−トリチアオクチル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキサン;4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−1,2−ビス−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)ベンゼン;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキシル]エチル]テトラスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)シクロヘキシル]エチル]トリスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキシル]エチル]ジスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)フェニル]エチル]テトラスルフィド;ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−(9−トリエトキシシリル−3,4,5,6−テトラチアノニル)ヘキシル]エチル]トリスルフィド:ビス−[2−[4−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−(7−トリエトキシシリル−3,4−ジチアヘプチル)シクロヘキシル]エチル]ジスルフィド、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項11】
前記充填剤が、シランに関して化学的に不活性である、請求項10に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項12】
前記充填剤が、前記シランに対して化学的に反応性であり、シランが前記化学的に反応性の充填剤に対して化学結合する、請求項10に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項13】
前記充填剤がカーボンブラックである、請求項11に記載の自由流動性充填剤組成物
【請求項14】
前記化学的に反応性の充填剤が、メタルヒドロキシ表面機能性を有する、請求項12に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項15】
前記化学的に反応性の充填剤が、シリカ物質である、請求項14に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項16】
前記シリカ物質が、シリカである、請求項15に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項17】
前記充填剤が、前記シランに関して不活性である充填剤と、シランに対して化学的に反応性であってそれと化学結合する充填剤との混合物である、請求項10に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項18】
前記不活性な充填剤がカーボンブラックであり、化学的に反応性の充填剤がシリカである、請求項17に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項19】
約30から約99.9重量パーセントの充填剤を含有し、組成物のバランスが、第一のシラン(b)または第一のシラン(b)と第二のシラン(c)との混合物である、請求項1に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項20】
約50から約90重量パーセントの充填剤を含有し、組成物のバランスが、第一のシラン(b)または第一のシラン(b)と第二のシラン(c)との混合物である、請求項1に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項21】
約30から約99.9重量パーセントの化学的に不活性な充填剤を含有し、組成物のバランスが、第一のシラン(b)または第一のシラン(b)と第二のシラン(c)との混合物である、請求項11に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項22】
約50から約90重量パーセントの化学的に不活性な充填剤を含有し、組成物のバランスが、第一のシラン(a)または第一のシラン(b)と第二のシラン(c)との混合物である、請求項11に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項23】
約80から約99.9重量パーセントの化学的に反応性の充填剤を含有し、組成物のバランスが、第一のシラン(b)または第一のシラン(b)と第二のシラン(c)との混合物である、請求項12に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項24】
約90から約99.5重量パーセントの化学的に反応性の充填剤を含有し、組成物のバランスが、第一のシラン(b)または第一のシラン(b)と第二のシラン(c)との混合物である、請求項12に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項25】
約5から約85重量パーセントの化学的に不活性な充填剤と約15から約95重量パーセントの化学的に反応性の充填剤、そして、約0.1から約19重量パーセントの、第一のシラン(b)または第一のシラン(b)と第二のシラン(c)との混合物を含有する、請求項17に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項26】
約40から約5重量パーセントの化学的に不活性な充填剤と約60から約95重量パーセントの化学的に反応性の充填剤、そして、約0.1から約20重量パーセントの、第一のシラン(b)または第一のシラン(b)と第二のシラン(c)との混合物を含有する、請求項17に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項27】
前記微粒子充填剤が、約15から約95重量パーセントのシリカ物質と約5から約85重量パーセントのカーボンブラック、そして、約0.1から約70重量パーセントの、第一のシラン(b)または第一のシラン(b)と第二のシラン(c)との混合物を含有する、請求項1に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項28】
前記微粒子充填剤が、約60から約95重量パーセントのシリカ物質と約40から約5重量パーセントのカーボンブラック、そして、約0.1から約70重量パーセントの、第一のシラン(b)または第一のシラン(b)と第二のシラン(c)との混合物を含有する、請求項1に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項29】
前記シランが、重量比が約0.43対約99である、第一のシラン(b)と第二のシラン(c)との混合物である、請求項19に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項30】
前記シランが、重量比が約1対約19である、第一のシラン(b)と第二のシラン(c)との混合物である、請求項19に記載の自由流動性充填剤組成物。
【請求項31】
ラバー組成物であって、少なくとも一つのラバーと、少なくとも一つの請求項1に記載の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、そして、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、添加剤を含有する、組成物。
【請求項32】
ラバー組成物であって、少なくとも一つのラバーと、少なくとも一つの請求項2に記載の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、そして、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、添加剤を含有する、組成物。
【請求項33】
ラバー組成物であって、少なくとも一つのラバーと、少なくとも一つの請求項3に記載の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、そして、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、添加剤を含有する、組成物。
【請求項34】
ラバー組成物であって、少なくとも一つのラバーと、少なくとも一つの請求項8に記載の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、そして、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、添加剤を含有する、組成物。
【請求項35】
ラバー組成物であって、少なくとも一つのラバーと、少なくとも一つの請求項9に記載の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、そして、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、添加剤を含有する、組成物。
【請求項36】
ラバー組成物であって、少なくとも一つのラバーと、少なくとも一つの請求項10に記載の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、そして、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、添加剤を含有する、組成物。
【請求項37】
ラバー組成物であって、少なくとも一つのラバーと、少なくとも一つの請求項11に記載の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、そして、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、添加剤を含有する、組成物。
【請求項38】
ラバー組成物であって、少なくとも一つのラバーと、少なくとも一つの請求項12に記載の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、そして、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、添加剤を含有する、組成物。
【請求項39】
ラバー組成物であって、少なくとも一つのラバーと、少なくとも一つの請求項17に記載の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、そして、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、添加剤を含有する、組成物。
【請求項40】
ラバー組成物であって、少なくとも一つのラバーと、少なくとも一つの請求項19に記載の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、そして、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、添加剤を含有する、組成物。
【請求項41】
ラバー組成物であって、少なくとも一つのラバーと、少なくとも一つの請求項21に記載の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、そして、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、添加剤を含有する、組成物。
【請求項42】
ラバー組成物であって、少なくとも一つのラバーと、少なくとも一つの請求項23に記載の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、そして、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、添加剤を含有する、組成物。
【請求項43】
ラバー組成物であって、少なくとも一つのラバーと、少なくとも一つの請求項25に記載の自由流動性充填剤組成物、硬化剤、そして、任意選択で、硫黄化合物、活性化剤、遅延剤、促進剤、加工添加剤、オイル、可塑剤、粘着付与樹脂、シリカ、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、坑酸化剤およびオゾン劣化防止剤、素練り促進剤、強化剤、およびそらの混合物からなる群から選択される、添加剤を含有する、組成物。
【請求項44】
前記ラバー組成物が、共役ジエンホモポリマーおよび共役ジエンコポリマー、少なくとも一つの共役ジエンおよび芳香族ビニル化合物の共重合体、およびそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも一つの硫黄加硫可能なラバーである、請求項31に記載のラバー組成物。
【請求項45】
前記ラバー組成物が、少なくとも一つの天然ラバーである、請求項31に記載のラバー組成物。
【請求項46】
前記ラバー組成物が、少なくとも一つのエマルション重合由来のラバーである、請求項31に記載のラバー組成物。
【請求項47】
前記ラバー組成物が、少なくともひとつの溶液重合由来のラバーである、請求項31に記載のラバー組成物。
【請求項48】
前記エマルション重合由来のラバーが、スチレン/ブタジエンラバー、エマルション製造スチレン/ブタジエンラバー、エチレン−プロピレンコポリマーおよびエチレン−プロピレンter−ポリマー、ブタジエン/アクリロニトリルラバー、ポリブタジエンラバー、ならびにスチレン/ブタジエン/アクリロニトリルラバーからなる群から選択されるような、少なくとも一つのラバーである、請求項31に記載のラバー組成物。
【請求項49】
前記溶液重合由来ラバーが、約5から約50パーセントのビニル含量を含むスチレン/ブタジエンラバーである、請求項47に記載のラバー組成物。
【請求項50】
前記溶液重合由来ラバーが、約9から約36パーセントのビニル含量を含むスチレン/ブタジエンラバーである、請求項49に記載のラバー組成物。
【請求項51】
前記共役ジエンが、イソプレン、1,3−ブタジエン、スチレン、3α−メチルスチレン、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項47に記載のラバー組成物。
【請求項52】
前記ポリブタジエンが約90重量パーセントであり、シス−1,4ブタジエン形態である、請求項47に記載のラバー組成物。
【請求項53】
前記ラバーが、シス−1,4−ポリイソプレンラバー、エマルション重合製造スチレン/ブタジエンコポリマーラバー、有機溶液重合製造スチレン/ブタジエンラバー、3,4−ポリイソプレンラバー、イソプレン/ブタジエンラバー、スチレン/イソプレン/ブタジエンter−ポリマーラバー、シス−1,4−ポリブタジエン、中ビニルポリブタジエンラバー(ここで、前記中ビニルポリブタジエンラバーは約35から50重量パーセントのビニルを含む)、高ビニルポリブタジエンラバー(ここで、前記高ビニルポリブタジエンラバーは約50から75重量パーセントのビニルを含む)、スチレン/イソプレンコポリマー、エマルション重合製造スチレン/ブタジエン/アクリロニトリルter−ポリマーラバー、およびブタジエン/アクリロニトリルコポリマーラバーからなる群から選択される、請求項31に記載のラバー組成物。
【請求項54】
前記エマルション重合由来のスチレン/ブタジエンが、約20から約28重量パーセントのスチレン含量を持つ、請求項46に記載のラバー組成物。
【請求項55】
前記エマルション重合由来のスチレン/ブタジエンが、約30から約45重量パーセントのスチレン含量を含む、請求項54に記載のラバー組成物。
【請求項56】
前記エマルション重合由来のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリルter−ポリマーラバーが、約2から約40重量パーセントのアクロニトリルを含む、請求項53に記載のラバー組成物。


【図1】
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【公表番号】特表2010−514897(P2010−514897A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544060(P2009−544060)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/026295
【国際公開番号】WO2008/085454
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】