説明

自立支援下着

【課題】
体側よりも前中心よりの接着剥離部分と、まち開口部を有したパンツ本体に対し、排尿時は吸水パット指掛け引き紐〔取っ手〕を利用しまち開口部から、下方向に引き出し吸水パット交換を可能とし、排便時は接着剥離部分を開き、容易に交換し得るようにする。
【解決手段】
胴回り開口部と、左右一対の足回り開口部とまち開口部と左右接着剥離開閉部分を有するパンツ本体に対し、パンツ本体の内側股間部に前後二段構えに配備された、初回使用分パットと後方予備パットの指掛け用の引き紐〔取っ手〕を利用し、排尿時給水パット交換は着用状態で、交換を行い、排便時は接着剥離開閉部を開き吸水パット交換を行い、予備パットを適切な位置に収める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明品は、下着本体と下着本体内側に対して、前後二段構えで交換可能な吸水パットが常設された構造に関する物である。なお本発明品は介護人の為ではなく、身体機能の低下した装着者自身が自立した下着交換が出来るよう意図したものである。
【背景技術】
【0002】
従来品は下着本体内に吸収体が存在するものの、予備吸水パットにおいては常設されておらず、吸収パットを内側から交換する構造品においては、経済的負担は軽減されるが、吸水パット交換時少なくても膝位置までパンツを脱がなければならない。 又、下記「特許文献3」の吸収体を外側にあてがう構造品は、腹部接着面の交換は装着者が容易に出来るが、背面部接着面の交換は困難である。 そして下記「特許文献2」の使用後の吸水パットと、未使用の吸水パットを連結させて下着本体内に引き込み交換する構造品に於いては、身体機能の低下した装着者が、股間部外側から装着状態で連結を行う行為は困難である。
【発明の目的】
【0003】
本発明の目的は、装着者が下着本体を着用した状態で排尿した時、着用状態のまま吸水パットを交換出来、排便時は排泄物の体への付着を最小限に抑制出来るよう、平面展開状態にして吸水パットを交換出来得る下着本体と、予備分を備えた常設吸水パットを提供する事にある。 排尿時も排便時も使用後の吸水パットは不衛生にならぬ様、前後移動させること無く交換可能な構造とした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−94155
【特許文献2】特開2006―116141
【特許文献3】特開2004−414
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
身体機能が低下した高齢者や、下半身不随の障害者においての、社会進出の機会創出が奪われてきた主な要因は、尿意を体感できない為、外出先での予期せぬ下着の排泄汚れと、それに伴う下着交換の困難さが心配で、外出が億劫であった。
外出前に水分補給を控え、体調を崩すことが課題であった。
【0006】
廃棄処分目的の紙おむつは、ゴミとして搬出する際、重量の重さが負担で有り、課題であった。 紙おむつ原料となる木材の森林伐採による環境破壊が課題であった。 紙おむつの外側に吸収体を接着する構造品は、腹部接着面の交換は容易に出来るが、装着状態で背面部の接着面を剥がして交換するのは困難であり、課題であった。 接着状態の吸収体が、吸収後に膨潤し、重みで接着部分から剥がれる懸念と、歩行時における内股部分の股ずれ、異物感を解消出来ず課題であった。
【0007】
従来の下着には、予備の吸水パットが常時装備された物が無く、外出時、公衆トイレで下
着交換を行う際、不安定な体制の状態で、パンツ、タイツ、ズボン、靴まで脱がねばなら
ず、課題であった。
【0008】
従来の下着を身体機能が低下した装着者が、就寝体制で交換する事は、腰を浮かせ脱着しなければ出来ず、困難であった。 又使用後の吸水パットを前後移動させて交換する事は、排泄物の皮膚付着を助長させ不衛生であり、課題であった。
【0009】
汚物洗いは、直接汚物に手が触れることで、衛生面が課題であった。
【0010】
横向き体制での就寝時、下着本体の体側部に継ぎ目が有ると、体の重みで皮膚に食い込む痛みが生じ、又同部分に開閉部分を設けても、装着者が体を捻って下着交換しなければならず、課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明品は、排尿汚れは着用状態で、使用後の初回使用分吸水パット取っ手に指を掛け、まち開口部分から引き出して、背面部分に収納されている予備吸水パットを、前方向の
輪状引き紐引き過ぎ防止帯状布位置まで引き、定位置に収めることで交換が出来、排便汚れの際も、左右二箇所の接着剥離開閉部分を設け、使用後の吸水パットを取り出すことにより、身体機能の低下した装着者であっても、自立して容易で迅速な下着の交換が出来る。
【0012】
汚物洗いは不衛生であるという課題は、予備吸水パット前方端に、輪状紐を縫い付ける事と、初回使用分予備分兼用吸水パットの輪状紐と、それぞれの吸水パットの取っ手を掴んだ状態で、洗浄時には、直接汚物に触れる事無く、トイレタンクに取り付け可能な、既存の汚物専用浄水栓にて処理が可能となる。
【0013】
横向き体制での就寝時に、縫い目〔継ぎ目〕が食い込む痛みを無くす為と、上体を捻らず
容易に脱着出来る様、開閉位置を体側よりも前中心寄りの位置とし、又接着剥離開閉部分には、反復使用可能な接着素材を施し、寝たきりの高齢者、身体障害者も、腰を浮かせて脱ぎ穿きするという、困難な下着交換から、開閉式で平面展開出来る本発明品により、寝返り程度の楽な体制の変化で、シーツの上を滑らせる事により、自立した下着交換が可能となる。
【0014】
下着本体に装備された前後二段構えの吸水パットは、汚しても常に背面部分に予備分があるので、装着者が、自立して下着交換する事が可能となり、安心して外出が出来、又、夜間に下着交換を依頼する為に、介護者を起こして睡眠を妨げ、負担を掛けてきた課題を解決出来る。 冬季に於いては、予備吸水パットが背面部分にて体温で暖められているため、排尿時には下着本体は着用状態で済み、従来品紙おむつのように、交換の度に脇接合部分を開き下半身を露出させ、体温を逃がし悪寒に悩まされる課題を解決出来る。
【0015】
本発明品は、廃棄処分目的の紙製品では無く、排泄物に直接触れる事無くトイレで簡易洗浄し、その後洗濯し反復使用が出来る事で、紙おむつ原料となる木材の森林伐採に歯止めがかかり、大気中の二酸化炭素削減が可能となる。
【0016】
使用後の吸水パットを前後移動させ交換する従来品は、排泄物皮膚付着を助長させてしまう事が課題であったが、本発明品に於いては、排尿時は股間のまち開口部分から使用後の吸水パットを引き出し、排便時は接着剥離開閉部分から使用後の吸水パットを取り出す事により、排泄物皮膚付着を最小限に抑制する事が可能となる。
【0017】
使用後の吸水パットを股間部外側で連結させ、未使用の吸水パットを下着本体内に引き込み交換する従来品は、介護人においては交換負担が軽減出来るが、身体機能の低下した装着者に於いては、装着状態での交換が困難であり課題であったが、本発明品に於いては装着者が、取っ手付き吸水パットに指を掛け引き出せることで、容易で迅速な自立した下着交換が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明品によれば、下着本体内側に、着用状態で脱着可能な初回使用分吸水パットと、初回使用分吸水パット後方の位置に、輪状引き紐付き予備吸水パットが常備されていて、他人に下着交換を依頼せずとも、自立して容易で迅速な吸水パット交換が出来る為、身体機能の低下した高齢者も身体障害者も、不安の無い外出機会が増える。
身体障害者においては、現役で働ける世代の職場進出が期待出来る。
病辱の装着者においては、前後二段構えの吸水パットが、坐骨部分の緩衝材〔クッション
〕となり床ずれを軽減する事が出来る。下着本体まち部分「内側」に吸水パットを配備したことで、パンツ本体「外側」に吸水パットをあてがう構造と異なり、内股部分の股ずれや、異物感が無く、吸水後膨潤しても重みで剥がれ落ちることが無い。
【0019】
又、本発明品は、体側よりも前中心寄りに剥離開閉部分を設けた事で、体を捻らず正面を
向いた楽な体制で下着本体交換が出来る。 下着本体が平面に出来る為、寝たきりの病人や高齢者の下着交換の際、腰を浮かせずにシーツ上を滑らせ、寝返り程度の体制の変化で、容易に下着交換が出来る。 開閉部分を左右に有している為、個人の利き手〔右利き、左利き〕や障害の度合い〔右半身不随、左半身不随〕にも対応出来得る。
【0020】
そして、本発明品の後ろ身頃とまちは、下着本体素材の内面に防水素材を施し、二層構造にする事で、吸水パットで対応出来ない通常以上の排泄物量の背面部への漏れにも対応出来得る。
【0021】
さらに本発明品は、まち開口部分に見返しを設けた事で、初回使用分吸水パットをまち開口部分から引き出す際に、初回使用分吸水パット下に敷かれた予備吸水パット輪状引き紐と絡む事無く、吸水パットの交換がスムーズに出来る。
【0022】
本発明品の後ろ身頃背面部分に、背面部分帯状布を設け、予備吸水パットを収納出来、従来品のように出掛ける際も、手荷物として予備分吸水パットを持ち歩く煩わしさから解消される。
【0023】
本発明品の、前中心腹部にまち接合部分の予備吸水パット引き過ぎ防止帯状布位置まで引く為の、予備吸水パット輪状引き紐専用引き出し穴を設けた事で、右利き左利きのどちらであっても、予備吸水パットの輪状引き紐は、正面方向に確実に導き出すことが出来る。
【0024】
本発明品の、接着剥離開閉部分に接合手段として接着剥離素材を配した事で、容易に迅速に下着本体の交換が出来得る。
【0025】
本発明品の、下着本体就寝型は、平面展開状態の、背面部分後方に長く弧状の後ろ身頃を設けた事で、伸ばした状態の予備吸水パットが収まり良く、漏れの心配をせず安眠出来る。
又、下着本体就寝型後ろ身頃に於いては、背骨部位周辺を避け、胴回り位置の脇部分にのみゴムを通した事で、予備吸水パットの前方への滑りが良くなり、夜間下着交換の際も、上体を起こさず、横向き体制で下着交換〔吸水パット〕が出来るので、起き上がる事により、ふらつき転倒する危険性が軽減される。
【0026】
本発明品の下着本体素材により、洗濯し反復使用が出来る為、使用者にとって使い捨て
紙製品より経済的負担が軽減出来、通気性の点でも皮膚表面の雑菌の繁殖を抑制し、蒸れ
、かぶれ等の皮膚病発症も軽減し、衛生的である。
【0027】
本発明品の、予備吸水パット前方端に輪状引き紐を設けた事と、初回使用分予備分兼用吸水パットの輪状紐に指を掛ける事で、指の機能がわずかに残った病人や障害者でも、下着本体着用状態で、自立して容易に迅速に二段階の下着交換〔吸水パット〕が出来る。 汚物洗いは輪状引き紐を掴むことで、直接汚物に触れる事無く汚物専用の浄水栓にて処理が可能である。
【0028】
本発明品の、反復使用可能の吸水パットはパルプ原料の紙製品と対比すると通気性に優れ、発汗後の蒸れによる皮膚表面の雑菌繁殖と装着者の皮膚表面の不快感が軽減される。防水素材との層により漏れの心配が軽減される。
【0029】
本発明品の、取っ手付き吸水パットを備えた事により、装着者自身が着用状態で自立して容易に迅速に下着交換が出来得る。
【0030】
本発明品の予備吸水パットは、前身頃とまち部分との接合部分に、予備吸水パット輪状引き紐引き過ぎ防止帯状布を施し、使用者の利き手や障害度合いに関係なく、定位置に確実に納める事が出来る。
【0031】
本発明品は、反復使用が出来る為、使用者にとって廃棄処分目的の紙製品より経済的負担の軽減が出来、通気性の点でも皮膚表面の雑菌の繁殖を抑制し、蒸れ、かぶれ等の皮膚病発症が軽減出来、衛生的である。
【0032】
初回使用分予備分兼用吸水パットに於いては、前後の設置位置を装着者が間違えても問題無く使用出来、裏側中央ポケット口から余分な紐をポケットに収納すれば、初回使用分吸水パットとして使用出来、片側ハト目穴から輪状紐を引き出せば、予備吸水パットとしても使用可能である。
【0033】
「請求項1」記載の本発明品は、女性用身体障害者の生理用品としても使用可能で、困難な吸水パット交換が容易に迅速に出来、他者に交換を依頼して羞恥心を封印せずに済む。
【0034】
本発明品は縮小型にして乳幼児用としても使用可能で、乳幼児に於いては、排泄周期が密の為、おむつの交換回数を頻繁に行うことは、育児者には負担が重かったが、排尿時には、下着本体を着用状態で、まち開口部分から、使用後の吸水パットを取り出せる為、パンツあるいはおむつ全体を脱がせての、交換回数が軽減出来るし、冬季は予備分の吸水パットを背面部分に収納して体温で温まっている事で、従来品紙おむつのように交換の度に下半身を露出し、体を冷やして病気抵抗力の弱い乳幼児の健康を害する事が軽減出来る。
【0035】
装着者の障害度合いが軽度の場合は、トイレで吸水パットの輪状紐を掴み、装着者自身で専用浄水栓にて、使用後の吸水パット洗浄が出来、介護者への遠慮や負担も軽減出来る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による下着本体全体図〔就寝型〕である。
【図2】下着本体背面に予備吸水パットを広げた状態で装着した状態の展開図〔就寝型下着本体〕である。
【図3】下着本体に予備吸水パットと初回使用分吸水パットを前後二段構えに装着した状態の展開図〔就寝型〕である。
【図4】本発明による下着本体展開図〔外出型〕である。
【図5】下着本体の背面部分に予備吸水パットを畳んだ状態で装着した状態の展開図〔外出型〕である。
【図6】下着本体に畳んだ状態の、予備吸水パットと初回使用分吸水パットを前後二段構えに装着した状態の展開図〔外出型〕である。
【図7】初回使用分吸水パットと予備吸水パットは、裏側「防水素材側」に取っ手が有り、予備吸水パット前方に輪状引き紐を有した図である。
【図8】輪状引き紐が通ってない状態の初回使用分と予備分、兼用の吸水パット図である。
【図9】前後方向四個のハト目穴に輪状紐を通し、裏側中央ポケット口から、当該輪状紐に指を掛けた初回使用分予備分、兼用吸水パット図である。
【図10】初回使用分予備分兼用吸水パットの輪状紐を、下側に引き出し、取っ手とした図である。
【図11】就寝用下着本体、立体図である。
【図12】就寝用下着本体、立体図〔男性型〕である。
【図13】男性用下着本体〔就寝型〕平面図である。
【図14】男性用下着本体〔外出型〕平面図である。
【図15】使用後初回使用分パットの取っ手に指を掛け、下方向に引き出した図である。
【図16】使用済み初回使用分パットを取り出した図である。
【図17】予備パット輪状引き紐に指を掛けパットを移動させた図である。
【図18】初回使用分吸水パットと予備吸水パットの交換を完了した図である。
【図19】下着本体背面部分とまち部分に防水布を配した図である。〔就寝型〕
【図20】下着本体背面部分とまち部分とに、部分的に前身ごろに防水布を配した図〔就寝型下着本体〕である。
【図21】下着本体背面部分に部分的と、まち部分に防水布を配した図である。〔外出型〕
【図22】まち部分と下着本体背面部分と前身ごろに部分的に防水素材を配した図〔外出型下着本体〕である。
【図23】前身ごろ接着剥離開閉部分の片側胴回り位置に、ゴムベルトを縫いこみ、逆側の接着剥開閉部分に縦穴を設けた立体図である。
【図24】前身ごろ接着剥離開閉部分片側にゴムベルトを縫いこみ、逆側の接着剥離開閉部分に縦穴を設け、その縦穴にゴムベルトを通し、パンツ背面部を引き寄せた立体装着図である。
【図25】予備吸水パットの前後方向を逆にして、二枚の予備吸水パットを下着本体に互い違いに二段構え配置し、輪状引き紐はパット下に潜らせて配置した図である。
【図26】図3の立体図
【図27】吸水布と防水布の前方と後方のみを縫合した二層構造の吸水パット立体図。
【図28】吸水布と防水布の前方と後方のみを縫合した三層構造の吸水パット立体図。
【図29】下着本体内側に防護カバーを取り付けた図。
【図30】予備吸水パット輪状引き紐を、引き過ぎ防止帯状布と、防護カバーと、予備吸水パット輪状引き紐専用引き出し穴に通した図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明における下着本体素材においては、天然繊維、合成繊維、又それらを組み合わせ
た複合繊維に、収縮性を持ったものや、抗菌防臭素材等を用い構成することが出来るが、洗濯に対する耐久性を備えて反復使用可能ならば、前記のようなものに限定されるわけではなく、装着者にとって自由な動きを妨げない快適な着用感であれば、それに最適な素材を採用すればよい。 又、下着本体構造においては、装着者の使用目的に応じて、図4の外出型、図1の就寝型、図13図14の男性型、と使い分け可能とし、必要な各パーツの縫い合わせ又は熱圧着によって、立体的に形成することが望ましい。
初回使用分、予備分、兼用分、それぞれの吸水パット素材においては、通常成人の排泄物量に十分対応出来、収縮自在な抗菌防臭素材などを用い構成することが出来るが、特に制限を設けない。 又、吸水パット構造においては、防水素材側に符号22、の取っ手を付け、装着者が指を掛けることで、まち開口部分から容易に迅速に交換出来得る。 符号18の、予備吸水パット輪状引き紐を、符号8、の予備吸水パット輪状引き紐専用引き出し穴〔内側から外側に〕から指を掛け、腹部まで引き上げる事で、容易に迅速に予備パットを定位置に導く事が可能である。
【実施例1】
【0038】
図1の下着本体構造は、符号4、のまち開口部分と符号36、の体側よりも前中心寄りの剥離開閉部分と、予備吸水パット輪状引き紐引き過ぎ防止帯状布と、背面部分に符号19、の予備吸水パット収納帯状布と、腹部に輪状引き紐引き出し専用穴と、符号24、の防護カバーを設けられていれば良く、特に制限を設けない。
下着本体〔就寝型〕後ろ身頃の形状は、弧状でなくても楕円形でも良く、特に制限は設けない。 又胴回り位置の脇部分のみにゴムを通した構造である。
【実施例2】
【0039】
図23は、半身不随等の障害者用に、符号36、の前身ごろ接着剥離開閉部分片側に、符号25のゴムベルトを縫いこみ、逆側の接着剥離開閉部分に 符号27の縦穴を設けた立体図であり、図24は、その縦穴にゴムベルトを通し、下着本体背面部を引き寄せ、ゴムベルト端に備えられた 符号26の、接着素材にて装着した立体図である。
装着者の障害度合いにより、このゴムベルトは右側に設けても左側に設けても良い。又ゴムベルトに限らず、ゴム紐でも良い。
【実施例3】
【0040】
図7、図8、図9、図10、図27、図28のパット形状は、初回使用分、予備分、兼用分、共に股間部まち領域を、容易に通過、交換出来る形状であれば、茄子型でもひょうたん型でも長方形でも良く、特に制限を設けない。
【実施例4】
【0041】
図7、図8、図9、図10図、図27、図28の吸水パット素材においては、通常成人の排泄物量に対応出来得る、十分な吸水力があり、反復使用可能ならば素材の種類に特に制限を設けない。 防臭力、抗菌力のある素材も使用者の目的に応じ採用すれば良い。
初回使用分吸水パットと予備吸水パットはそれぞれ独立しており、排尿時はまち開口部から使用後の吸水パットを取り出し、排便時は体側よりも前中心寄りに設けた剥離開閉部分を開き、使用後の吸水パットを取り出す。
【実施例5】
【0042】
図1の下着本体素材において、通気性、収縮性を備えていれば良く、天然繊維、化学繊維、複合繊維など反復使用可能ならば、抗菌防臭素材等素材の種類に特に制限を設けない。
符号21の吸水パット防水布と、符号10の背面部分防水素材においては、抗菌防水素材等、通常成人の排泄物量の漏れに対応出来得る、十分な防水力、撥水力があれば、素材の種類に特に制限を設けない。 なお、下着本体防水素材の配置においては、図19〜図22のように、まちと前身頃に部分的に設けても良い。
【実施例6】
【0043】
符号18の予備吸水パット引き紐と 符号22の取っ手は、通常の成人の牽引力に耐え得る素材であれば、特に制限を設けない。 身体機能の低下した高齢者、病人、身体障害者等の障害度合いに応じ、取っ手や輪状引き紐は、長さの調節が出来る構造や、素材をゴム紐に変えても良い。
【実施例7】
【0044】
符号20の初回使用分、符号21の予備分共に、吸水パットは洗濯に耐え得る構造であれ
ば、層の枚数を限定せずとも良い。 吸水パットは周囲を一周縫合あるいは熱圧着する構造に限定せず、図27、図28の様に、前方と後方の二箇所のみ縫合又は熱圧着し、側面は層の断面が見える速乾性を考慮した構造としても良い。
【実施例8】
【0045】
本発明品は、身体機能の低下した高齢者や身体障害者に限らず、図1、図2、図3、図4
図5、図6は、女性身体障害者の生理用品や、縮小型にして乳児用おむつや幼児トイレトレーニング用品としても対応出来得る。
【実施例9】
【0046】
図7の様に、吸水パットは初期使用分と予備分に限定せず、図8の様に、初回使用分と予備分兼用の吸水パットがあっても良い。 符号29は、吸水パット吸水素材。
符号30は、防水素材、 符号31のポケット部分には初回使用分として吸水パットを使用する際に、輪状紐を収納可能とする。 符号32は、ハト目穴とポケットが付いた状態の初回使用分と予備分兼用吸水パット。 符号33は、輪状紐を通す為のハト目穴でボタンホール等でも良く、前方と後方に4箇所備わっている。 符号34は、初回使用分予備分兼用吸水パットの輪状紐である。 なおハト目穴は、すべての層に貫通している。
【実施例10】
【0047】
初回使用分予備分兼用吸水パットに於いては、前後の方向や設置位置を装着者が間違えても、問題無く使用出来、裏側ポケットに余分な紐を収納すれば、初回使用分吸水パットとして使用出来、又、片側のハト目穴から輪状紐を引き出せば、予備吸水パットとしても使用可能である。
【実施例11】
【0048】
本発明品は、身体機能の低下した障害者や高齢者の、自尊心や羞恥心を考慮し、他者に下着着用時の姿を見られても、外見上は健常者の下着と、極端な垣根が無い構造とした物品である。
【実施例12】
【0049】
符号11の接着素材配置箇所は、4箇所でなくても良く、又下着本体を装着する為の当該位置の開閉方法は、接着テープに限らずロットボタンでもスナップでも良く特に制限を設けない。
【実施例13】
【0050】
符号3の、まち開口部分見返し形状は三日月型に限らず、初回使用分吸水パットを取り出す際、予備吸水パット引き紐が、絡んでまち開口部分から出てこなければ良く、特に見返し形状に制限は設けない。
【実施例14】
【0051】
符号24の防護カバーは、予備吸水パット輪状引き紐を引き上げる際に、皮膚摩擦を避けるため配置したもので、輪状引き紐を潜らせて使用する。
【実施例15】
【0052】
図25の様に、下着本体に対し、Aタイプ予備パットの前後方向を逆にして、二枚の予備吸水パットを、使用位置と背面部分に〔互い違い〕に配置し、輪状引き紐はパット下に潜らせて、使用する事も出来る。

【符号の説明】
【0053】
1.下着本体〔全体図〕
2.まち
3.初回使用分吸水パット
4.まち開口部分
5.前身頃
6.後ろ身頃
7.予備吸水パット輪状引き紐引き過ぎ防止帯状布
8.予備吸水パット輪状引き紐専用引き出し穴
9.予備吸水パット輪状引き紐専用引き出し穴の見返し
10.背面部分防水素材
11.接着素材
12.脚周り布端を包む収縮素材
13.ゴム紐
14.後ろ身頃布端の同型見返し
15.前身ごろ胴囲布端の収縮用包み素材
16.後ろ身頃、胴回り〔ウェスト〕布端を包む収縮素材
17.予備吸水パット〔伸ばして広げた図〕
18.予備吸水パット前方に縫いこまれた輪状引き紐
19.背面収納用帯状布〔予備吸水パット収納部分〕
20.吸水パット吸水素材
21.吸水パット防水素材
22.吸水パット取っ手
23.男性型下着本体腹部続きまち
24.防護カバー
25.ゴムベルト
26.ゴムベルト端に付けられた接着テープ
27.ボタンホール
28.まち開口部分見返し
29.初回使用分予備分兼用吸水パットの吸水素材
30. 初回使用分予備分兼用吸水パットの防水素材
31.初回使用分予備分兼用吸水パットポケット部分素材
32.前記 符号29、符号30、符号31、の三層の素材を重ねて、周囲を縫合又は熱圧着した初回使用分予備分兼用吸水パット
33.初回使用分予備分兼用吸水パット輪状紐通し用 ハト目穴
34.初回使用分予備分兼用吸水パットの輪状紐
35.初回使用分予備分兼用吸水パットの裏側中央ポケット口
36.体側よりも前中心寄りの接着剥離開閉部分








【特許請求の範囲】
【請求項1】
下着本体と、当該本体のまち部分内側に、着用状態で外側から取り出せる、脱着可能に設置した初回使用分吸水パットと、当該パット後方に二段構え配置した、予備吸水パットを備えた下着本体は、まち開口部分と、体側位置よりも前中心寄りに位置した剥離開閉部分を、左右二箇所に設け、後ろ身頃は、下着本体素材と背面部分防水素材との部分的二層構造で、背面帯状布に前記の、予備吸水パットの収納部分を有し、前身ごろ腹部に、予備吸水パット輪状引き紐専用引き出し穴と、前身頃とまち接合部分に、予備吸水パット輪状引き紐引き過ぎ防止帯状布を備え、予備吸水パット輪状引き紐は、前記の予備吸水パット輪状引き紐引きすぎ防止布と、予備吸水パット輪状引き紐専用引き出し穴を潜らせ、予備吸水パットが定位置で止まる構造を有し、前記、予備吸水パットは前方端に、輪状引き紐を有し、初回使用分吸水パットと予備吸水パットと、初回使用分予備分兼用吸水パットは、防水素材面に取っ手を有する構造の自立支援下着。
【請求項2】
下着本体の後ろ身頃股上構造を、通常胴位置に設定した外出型と、当該後ろ身頃構造を通常胴位置よりも後方弧状に設定した就寝型と、腹部続きまちを有した男性型構造の、「請求項1」記載の自立支援下着。
【請求項3】
前記の下着本体は、まち開口部分に、見返し部分を設けた構造の、「請求項1」記載の自立支援下着。
【請求項4】
「請求項1」記載の初回使用分予備分兼用吸水パットは、ポケットとハト目穴と輪状紐を備えた構造の自立支援下着。
【請求項5】
前期記載の初回使用分吸水パットと、予備吸水パットと、初回使用分予備分兼用吸水パットの素材は、反復使用可能の吸水素材と防水素材とが、二層以上の構造を持った吸水性物品を備えた自立支援下着。
【請求項6】
前記記載の下着本体接着剥離開閉部分に、反復使用可能の接着素材を施した構造の自立支援下着。
【請求項7】
下着本体後ろ身頃胴回り位置脇部分に、ゴムを通した構造の自立支援下着
【請求項8】
下着本体素材は反復使用可能の自立支援下着。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−95998(P2012−95998A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67519(P2011−67519)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【特許番号】特許第4838392号(P4838392)
【特許公報発行日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(710011338)
【Fターム(参考)】