説明

自立運動用の回転器具

【課題】 自立的筋力活動が可能な自立運動用の回転器具に関し、人が自らの意思で自らの手足を動かすことにより運動機能を回復することができる自立的筋力運動が可能な回転器具を提供することを課題とする。
【解決手段】 床面に設置される台座4と、上記台座4に対して水平回転自在に配置された回転体8と、を有し、上記回転体8の上部に身をおいた人の手足の操作により、上記台座4又は床面に固定される固定体12に加える押し、引き、回し等の力の作用に対するこの固定体からの反作用により、又は上記人による引っ張り力により長い媒体64を介し上記固定体12を経由して上記回転体8に設けた固定部66に加えられる作用により、上記人とともに上記回転体8を回転させる、構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自立的筋力活動が可能な自立運動用の回転器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人が休む器具として、ベッド、椅子などは睡眠或いは休息の為に用いられており、また医療用のベッドとして患者の療養にも用いられている。
例えば、特許文献1に記載の運動手段を備える医療用ベッドは、図9に示すように、患者のリハビリと、健康を維持、増進させるものであり、前後及び左右の手すり80とフレーム82及びその上のマット84と、固定用フレーム86と、駆動手段による1ヶ所のヒンジ部位を用いて、起立したり、横になったりすることができる上体の運動用フレーム88と、駆動手段によるヒンジ部位と、中間の関節部位を用いて、折り畳んだり、広げたりすることができる下体の運動用フレーム90とを有し、膝の運動装置及び腕の運動装置を有するものである。
【0003】
また特許文献2には、垂直支柱、L型を形成する横支柱、ベッドのサイドフレームに固定され垂直支柱を支持する固定金具を有する、介助用リフトの装備されたベッドが開示されている。
【0004】
特許文献3には、患者の状態に応じて、臥せった状態での患者を簡便に体位変換できるベッドにおける体位変換装置が開示されている。
また、特許文献4には、ベッド本体に対して背もたれ部が回動可能に連結され、この背もたれ部に起上がり方向への回動力を付与する伸縮機構部などを有する介護用ベッドが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2008−510562号公報
【特許文献2】特開平5−95979号公報
【特許文献3】特開2001−129029号公報
【特許文献4】特開2003−52762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、幼児或いは小学生(特に低学年)等の年少の子供で、障害などでベッド上の生活を余儀なく行っている者、或いは患者等にとって、ある程度体を動かすことは人が体力を維持する上では必要である。
ここで、上記特許文献1の医療用ベッドは、動力手段を用いて患者の上体と下体、及び膝、腕などを動かす運動手段を備えるものであり、このような動力手段を用いた運動は、幼児或いは子供等を対象とするのは危険が伴い、また取扱が容易ではないなどの問題がある。また、引用文献2のベッドについても、介助用リフトは介護には都合が良いが患者自身の運動にはあまり寄与しない。
【0007】
引用文献3のベッドは患者の体位を変換する変換装置を備えたものであり、これは患者の寝返りなどをサポートするものであり、引用文献4のベッドについても、動力により患者の上体などを動かすものであり、これは患者自らの力による運動を目指したものではなく、何れについても患者自身がベッド上で体を動かすことに関しては配慮がなく、介護の面から支援を行うものに留まるものであり、患者自身がベッド上で体を動かすのは不便であるという問題があった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、人が自らの意思で自らの手足を動かすことにより運動機能を回復することができる自立的筋力運動が可能な回転器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の技術的課題を解決するため、本発明に係る自立運動用の回転器具は、図1,2などに示すように、床面に設置される台座4と、上記台座4に対して水平回転自在に配置された回転体8と、を有し、上記回転体8の上部に身をおいた人の手足の操作により、上記台座4又は床面に固定される固定体12,13,38,56に加える押し、引き、回し等の力の作用に対するこの固定体からの反作用により、又は上記人による引っ張り力により長い媒体64を介し上記固定体12を経由して上記回転体8に設けた固定部66に加えられる作用により、上記人とともに上記回転体8を回転させる、構成である。
【0010】
本発明に係る自立運動用の回転器具は、上記回転体8を円形とし、この回転体8の周囲に枠体10を設けた構成である。
【0011】
本発明に係る自立運動用の回転器具は、上記台座4に上記固定体12,13,38,56の下部を固定した構成である。
【0012】
本発明に係る自立運動用の回転器具は、上記固定体12,13,38を上記台座4から上記回転体8の上方に向かうアーム状に形成し、この回転体8の上方において上記固定体にハンドル体28,46を取り付け、上記人による上記ハンドル体を回す方向に加えた力の反作用により、上記人とともに上記回転体8を回転させる構成である。
【0013】
本発明に係る自立運動用の回転器具は、上記アーム状の固定体38を、上記回転体8の上方から外れる位置に倒れるように折り曲げ可能に形成した構成である。
【0014】
本発明に係る自立運動用の回転器具は、上記ハンドル体28,46を、棒状の操作杆34,50が複数方向に放射状に配置された形状とした構成である。
【0015】
本発明に係る自立運動用の回転器具は、上記操作杆50を、上記固定体38に沿う状態で同一方向に折り畳み可能に形成した構成である。
【0016】
本発明に係る自立運動用の回転器具は、上記固定体56を、上記台座4から上方に向かわせ且つ上記回転体8の周囲の外側に手摺状に配置し、上記人がこの手摺状の部位を上記回転体8の周方向に押し又は引き操作することにより、上記人とともに上記回転体8を回転させる構成である。
【0017】
本発明に係る自立運動用の回転器具は、上記固定体12を上記台座4から上記回転体8の上方に向かうアーム状に形成し、上記固定体12が中間に位置する上記回転体8又は枠体10の二箇所に、それぞれ一の固定部66及び他の固定部66を設け、上記一の固定部66に端部が固定され、ここから上記固定体12に設けた通過部68を経由し上記回転体8の上方の位置から下方に垂れ下げた上記媒体64及び、上記他の固定部66に端部が固定され、ここから上記固定体12に設けた通過部68を経由し上記回転体8の上方の位置から下方に垂れ下げた他の上記媒体64をそれぞれ設け、上記人が上記媒体64,64を交互に引っ張り操作することにより、上記人とともに上記回転体8を回転させる構成である。
【0018】
本発明に係る自立運動用の回転器具は、上記回転体8の上部に、周囲に複数の取っ手72を取り付けたシーツ70を配置した構成である。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る自立運動用の回転器具によれば、台座と回転体とを有し、回転体の上部に身をおいた人の手足の操作により、台座に固定される固定体に加える力の作用に対する反作用により、又は人による引っ張り力により媒体を介して回転体に設けた固定部に加えられる作用により、人とともに回転体を回転させる構成を採用したから、手足の押す、引く、回す、握る、掴むなどの自立的筋力活動により、回転体の回転運動を、自力にて生じさせ、自己の位置、制御を認識し回転体の位置を自己制御する等その自在性を楽しむと同時に、手足の筋力維持、強化、或いは回転器具構造を利用した保育、治療、環境改善を行うことを目的とする運動システムが得られる、という効果を奏する。
【0020】
本発明に係る自立運動用の回転器具によれば、回転体を円形とし、この回転体の周囲に枠体を設けた構成としたから、回転体の回転が円滑におこなわれ、また回転体をベッドとして利用するなど有効に利用できるという効果がある。
【0021】
本発明に係る自立運動用の回転器具によれば、台座に固定体の下部を固定した構成としたから、台座に固定体が一体化できて全体が機能的に構成されるという効果がある。
【0022】
本発明に係る自立運動用の回転器具によれば、固定体にハンドル体を取り付け、人によるハンドル体を回す方向に加えた力の反作用により、人とともに回転体を回転させる構成としたから、ハンドル操作により回転体の位置を自己制御できる等その自在性を楽しむと同時に、手足の筋力維持、強化などの筋力運動が行えるという効果がある。
【0023】
本発明に係る自立運動用の回転器具によれば、アーム状の固定体を、回転体の上方から外れる位置に倒れるように折り曲げ可能に形成したから、回転運動後は、回転体をベッド等として利用する場合に固定体が邪魔にならず、また支障なく介護が行えるという効果がある。
【0024】
本発明に係る自立運動用の回転器具によれば、ハンドル体を、棒状の操作杆が複数方向に放射状に配置された形状としたから、手足でのハンドルを回す操作が効果的に行なえ、回転体を自在に回すことができるという効果がある。
【0025】
本発明に係る自立運動用の回転器具によれば、操作杆を、固定体に沿う状態で同一方向に折り畳み可能に形成したから、回転運動後は操作杆が邪魔にならずに済み機能的であるという効果がある。
【0026】
本発明に係る自立運動用の回転器具によれば、固定体を手摺状に配置し、人がこの手摺状の部位を操作することにより、人とともに回転体を回転させる構成としたから、固定体を押し、引くことで自身が希望する位置まで回転体を回すことができ、回転体に身をおいた人が回転体周辺に設置される各種機能体などの近くに人力制御によって位置を移ることができ、良好な活動環境が得られるという効果がある。
【0027】
本発明に係る自立運動用の回転器具によれば、回転体又は枠体の二箇所にそれぞれ固定部を設け、固定部に端部を固定し固定体に設けた通過部を経由し垂れ下げた媒体を操作することにより、人とともに回転体を回転させる構成としたから、回転体の上方の媒体を人が手で掴み、引っ張るなど自立的に遊べ、かつ回転運動を行うことで、楽しみながら軽微な筋力増強が行えるという効果がある。
【0028】
本発明に係る自立運動用の回転器具によれば、回転体の上部に、周囲に複数の取っ手を取り付けたシーツを配置した構成としたから、介護人などがシーツの上で寝ている人(患者等)に寝返りをさせたい場合、この人の側部に位置する取っ手を握って引き寄せ、持ち上げることで、何れの方向に人が向いていても好適な位置から寝返り等のサポートが行える。また介護人は、シーツを手前に引き寄せることにより、人の体を傾斜させ、好適な位置に回転させ、またシーツの好適な位置の取っ手を持つことで、ベストの位置及び状態で人の寝返り或いは着替えの処置が行え、さらに介護にとって好適な位置に回転体を回すことができるなど介護者等にとっても有効に利用できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る自立運動用の回転器具の斜視図である。
【図2】第一の実施の形態に係る自立運動用の回転器具を示す図であり、(a)は回転体及び台座を、(b)は回転器具の斜視図である。
【図3】第一の実施の形態に係り、片持ち形態のアーム体を設けた回転器具の斜視図である。
【図4】第一の実施の形態に係り、他の形態のアーム体を設けた回転器具の斜視図である。
【図5】第一の実施の形態に係り、(a)は折り畳み式のハンドル体を設けた回転器具の斜視図、(b)は折り畳んだ状態のハンドル体を示す部分図である。
【図6】第二の実施の形態に係る自立運動用の回転器具の斜視図である。
【図7】第三の実施の形態に係る自立運動用の回転器具の斜視図である。
【図8】実施の形態に係る回転器具の回転体に設けたシーツを示す図である。
【図9】従来例に係る運動手段を備える医療用ベッドを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2(a)(b)は、第一の実施の形態に係る自立運動用の回転器具を示したものである。この回転器具2は、台座4、脚体6、回転体8、枠体10、及び固定体としてのアーム体12などを有する。
【0031】
上記台座4は図2(a)に示すように、円板状の形状であり、中央部には円筒状の軸受部14が下方に突出した状態に配置されている。また台座4の下部には、均一間隔を隔てた4箇所にそれぞれ脚体6が取り付けられている。この台座4は木質の合成材からなり、中央の軸受部14は鋼製からなる。脚体6は、木製或いは金属製の材料が用いられている。
【0032】
上記軸受部14の上部には、環状に拡径された受け部16が形成され、軸受部14の筒部は台座4の中央部に設けられた孔部に嵌め込まれて固定されている。また、台座4の中心対称な左右部位には有底角筒状の保持体18,18がそれぞれ固定されている。
【0033】
上記回転体8は、上記台座4と同程度の大きさの円板形状であり、中央部の裏面部には円筒状の軸体20が下方に突出した状態で固定されている。この回転体8は木質の合成材からなり、中央の軸部20は鋼製からなる。軸部20の上部には、環状に拡径した摺動部21が形成されている。
【0034】
また上記回転体8には、周囲を壁状に囲む状態で枠体10が形成されている。この枠体10は円筒状で、下部の周囲部は止着具等により回転体8の周囲に固定されている。枠体10の上縁部は、丸みを帯びた形状に形成されている。
上記枠体10の形態としては、単なる筒形状以外に、筒面の複数個所をくり貫き模様を形成したもの、筒面の上下にスリットを設けた形態、或いは棒体を所定間隔並べて筒状に形成した形態などを採用することができ、これにより美感も高められ風通しも良くなる。枠体10には、木材或いは合成樹脂材が用いられる。
【0035】
また、枠体10の一部に扉(蝶番を用いた扉等)を形成し、人の回転体8内への出入りの際にはこの扉を開いて出入りが容易に行えるようにしても良い。枠体10は、回転体8上の人が座った状態で手がかけられる程度、或いは乗り越えて落ちない程度の高さとする。
回転体8の上部及び枠体10の上部などに、クッション材などを取り付けることで衝撃が防止できる。この回転体8のサイズは、例えば内径1mの円形で、枠体10の高さが30cmとし、ニーズに応じてこれよりも大きく或いは小さく設定することができる。
また回転体8の上部に、布団、シーツ等の寝具を敷けば十分ベッドとして使用でき、回転ベッドとして機能する。
【0036】
上記アーム体12は、横向きの架設部24とこの両端から下方に垂下する支持部26からなる。このアーム体12は、両支持部26をそれぞれ上記台座4の保持体18,18に嵌入して固定する。また、保持体18,18にボルト等の止着具19を用いてアーム体12の抜け等を防止する。アーム体12は、木製或いは合成樹脂製からなる。
【0037】
さて、上記回転器具2は図2(b)に示すように、上記台座4を床面等の上に配置し、この台座4の軸受部14に上から回転体8の軸部20を挿入すると、台座4に対して回転自在の回転体8が構成される。そして、回転体8内に身を置いた人が、仰向けに寝転び或いは座った状態で手又は足でアーム体12を操作し、このアーム体12を押し或いは引くことでその反作用として回転体8に回転力が加わり、回転体8が力の方向により右又は左回りに回る。
【0038】
この回転器具2の回転機構では、台座4の軸受部14(受け部16)と回転体8の軸部20(摺動部21)との間の摩擦により回転体8の回転に所定の制動力が働く。この制動力(摩擦力)に抗して、人がアーム体12を操作し回転体8を回すことにより手、腕などの運動により筋力が補強される。
また、上記制動力を増減させたい場合には、軸受部14に車両等のブレーキに用いられる制動機構を取り付け、軸部20を押圧して回転を制動するようにしても良い。このとき、ブレーキレバーを設けて、複数段階に制動力を加減可能にすれば、利用する人の体力に合った制動力を確保することができ広い用途に活用できる。
【0039】
回転器具2の回転機構としては、上記軸受部14と軸部20からなる形態以外にも、例えば台座4に環状のレールを配置し、この上部に載置する回転体8の該当環状位置に所定の間隔をおいてコロ等を配置した形態など、種々の回転機構を採用することができる。
このように、台座4と回転体8との間に上記環状の回転機構を設けた形態では、回転体8の耐荷重性が高くなり、重量のある人が回転体8に身をおいた場合でも回転が安定し、また回転体8上の多少偏った位置に人が身を置いた場合であっても、安定した回転が行なえる。なお、この場合にも、台座4に制動機構を取り付け回転体8の回転を制動してもよい。
【0040】
図1に記載の回転器具2は、上記アーム体12にハンドル体28を取り付けたものである。このハンドル体28は、固定軸部30及びこの固定軸部30の下部に放射状(ここでは十字状)に取り付けられた複数の棒状の操作杆34からなる。また、各操作杆34の端部には球状の把持部36が設けられている。ハンドル体28は、固定軸部30の上部が回転体8の中心部の上方に位置するアーム体12の中央部に固定されている。
【0041】
上記ハンドル体28により、回転体8の上部に身をおいた人は仰向けの状態或いは座った状態で、上方の操作杆34を手又は足で自在に操作することができる。そして、固定軸部30を中心にハンドル体28を回すように操作すれば、その反作用として回転体8に回す力が作用し回転体8を回すことができる。このハンドル体28は、また車のハンドルを回す感覚で回転体8を回転させることができるため、遊び感覚で腕などの運動が行なえる。ハンドル体28の操作は、手でハンドル体28を回転操作する以外に、人が仰向けの状態で足で回転操作しても良く、何れについても筋力活動が行なえる。
【0042】
この回転器具2を自立運動に利用した後は、回転体8をベッドとして使用することができる。この場合には、アーム体12は保持体18,18から抜く(止着具19を緩めて)ことで脱着でき、再度利用するときにはアーム体12を保持体18,18に装着する。これにより、アーム体12が回転体8上の人などの邪魔にならずに済む。
また、回転体8をベッドとして利用する場合には、上記ブレーキレバーによる制動を回転停止の位置に設定し回転体8の不用意な回転を防止する。
【0043】
上記ハンドル体28は、ここでは操作杆34を放射状に配置した形態であるが、これは自動車のハンドルのように、放射状の杆の周囲に環状の操作環部を設けた形態であってもよい。またここでの操作杆34は、十字状(四方向)に放射した形態であるが、これは二方向、三方向等複数の方向に向けた形態としてもよい。
【0044】
図3に記載の回転器具2は、アーム体13を片持ち形態としたものであり、アーム体13の端部が略回転体8の中心の上方に位置する。そして、このアーム体13の端部に上記ハンドル体28の固定軸部30の上部を固定し、ハンドル体28を取り付けている。
この回転器具2についても、使用方法は上記と同様であり、ハンドル体28の操作杆34を操作して回転体8を回す。この回転器具2は、回転体8の上方の片半部分はアーム体13に邪魔されないため、回転体8内の人は、立つなど比較的自由な行動が行え、また内部のシーツなどの取り替え等も容易に行える。
【0045】
図4は、アーム体の他の形態に係る回転器具42を示したものである。この回転器具42についても、上記台座4及び回転体8等の基本形態及び材料などは上記回転器具2のものと同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0046】
この回転器具42に用いられるアーム体38は、略半円状の架設部40とこの両端から下方に垂下する支持部41,41からなる。また、台座4の脚体6の上部には外側に向けて膨出する取付部44,44が形成され、この取付部44,44には螺子穴が設けられている。一方、アーム体38の支持部41の下部には外側から内側に向けて挿通孔が形成されている。
【0047】
上記アーム体38は、一方の支持部41から回動軸としてボルト45等を挿通し、これを取付部44の螺子穴にねじ込んで固定する。他方の支持部41についても、同様にしてボルトで固定する。図4に示すように、このボルト45を締結することでアーム体38は回転体8の上方で固定され、またボルト45を緩めることでアーム体38は回動し、横向き(点線で図示した位置)に折り曲げて倒すことができる。
【0048】
この回転器具42についても、回転体8の上部に身をおいた人は、回転体8内に寝転び、或いは座った状態で手足でアーム体38を操作し、筋力運動によりアーム体38を押し或いは引くことで回転体8に回転力が加わり回転体8が回る。
【0049】
また回転器具42は、回転体8内の人が睡眠などのためベッドとして使用する時には、アーム体38を固定する左右のボルト45を緩めてアーム体38を横向きに倒す。これにより、アーム体38が回転体8内の人或いは介護者などの邪魔にならなくて済む。
【0050】
図5(a)(b)に示す回転器具42は、上記アーム体38に折り畳み可能なハンドル体46を取り付けた形態である。
このハンドル体46は、固定軸部48及びこの固定軸部48の下部に放射状(十字状)に取り付けられた操作杆50からなる。各操作杆50は、固定軸部48に蝶番等の開閉部材を用いて取り付けられている。これにより、各操作杆50は先端部が固定軸部48に当たる折り畳んだ状態から、固定軸部48に対して直角(90度)の角度位置まで開閉可能である。
【0051】
一方、固定軸部48の上部には一方に向けて膨出する取付部51が形成されており、またこの取付部51には挿通孔が形成されている。一方、アーム体38の架設部40の中央部には横向きに螺子孔が形成されている。そして、上記固定軸部48の挿通孔から回転軸としてボルト49等を挿通し、これを架設部40の螺子穴に締結して固定する。この固定軸部48はボルト49の締め付け加減により、アーム体38から垂下する位置及びアーム体38の架設部40に沿った横向きの位置に折り畳んで固定することができる。
【0052】
この回転器具42の利用の際には、横向きに倒されたアーム体38を起こし回転体8の上方の位置においてボルト45を締付けてアーム体38を固定する。また固定軸部48を固定するボルト49を緩め、折り畳んだ状態でアーム体38に固定された固定軸部48を垂下する向きに回してボルト49を締結しこの位置で固定する。そして、折り畳まれた各操作杆50を開いて固定軸部48に対して90度の位置まで開く。この状態でハンドル体46は操作可能であり、回転体8の上部に身をおいた人は上方の操作杆50を自在に回転操作することができ回転体8を回すことができる。
【0053】
回転器具42を自立運動としての利用が終了すれば、図5(b)に示すように、ハンドル体46の各操作杆50を折り畳み、固定軸部48を固定するボルト49を緩めて固定軸部48をアーム体38に沿った向きに折り畳む。そして、アーム体38を固定するボルト45を緩め、アーム体38をハンドル体46とともに横に倒す。これにより、回転体8の上方が開放され、回転器具42はベッド等として有効に利用できまた介護などにも支障をきたさない。なお、アーム体38は片持の形態とすることも可能である。
【0054】
上記回転器具2,42は、回転構造を利用して人の自立運動を積極的に支援する器具であり、人の腕力、手の握力等の筋力活動を行わせることで筋力を補強する。このため、回転器具を利用する対象者については、子供、健常人、障害をもった人など何人であっても利用可能である。
【0055】
特に、小児、小学校の下級生(身長1m程度)など筋力が弱い者には有効であり、また遊び感覚で回転操作が行なえるため広く利用できる。また、身体が不自由な小児障害者(中程度)、長期的にベッド上の生活を余儀なくする小児患者にも利用可能である。また、手足の筋力が、適当な大きさの物体に対して押す、引く、掴むことが可能な者、微弱であっても自立的手足の筋力運動を行える者にも利用できる。寝た状態を余儀なくする者にとっても、ベッド状の回転揺りかごとして有効な筋力活動の環境を提供する。
このように、上記回転器具2,42は、回転自己制御型ベッドとして有用に利用でき、保育、治療、生活(運動)環境の改善に貢献する。
【0056】
なお、ここでは回転体8の形状(平面形状)を円形としているが、これは他に、正方形、長方形、或いは多角形の形状を採用することができる。
また、ここでは上記回転体8を平坦なベッド形状としているが、これは回転体8の上部に背もたれを設ける形態、或いは回転体8を椅子或いはソファー状に形成(枠体は外しても良い)した形態も可能である。この場合、人は座った状態で、上記ハンドル体などを操作する。
また、上記アーム体12,13,38等は、上記台座4に固定され一体形成された形態であるが、これらは回転器具を設置する床面或いは近傍の壁面に基礎部材を配置或いは固定し、これに上記アーム体12,13,38等を保持固定させる形態とすることもでき、また同様な効果が得られる。
【0057】
図6は、第二の実施の形態に係る回転器具52を示すものである。
この回転器具52についても、上記台座4及び回転体8等の基本形態及び材料などは上記第一の実施の形態のものと同様であり、ここでは同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0058】
上記回転器具52は、上記回転体8の周囲の外側に上記台座4と一体に手摺体56を配置したものである。この回転器具52は、台座4の脚体6に固定される3本の格子体54、及び各格子体54の上部を連結する円弧形状の手摺体56、及び立体形状の把持部58を有する。
【0059】
上記格子体54は、台座4を支持する3つの脚体6にそれぞれ一体的に固定され、各脚体6の上部から外側に向けて突出しさらに上方に向けて屈曲し立設された形態である。各格子体54の上部には、格子体54同士を連結する形態で手摺体56が取り付けられている。ここでは、手摺体56は回転体8の半周程度の範囲にわたって設けられている。また、手摺体56には、各格子体54間の中間位置にそれぞれ把持部58が取り付けられている。
またこの回転器具52の周囲にはテーブル59を設置し、各テーブル59の上に各種機能物57(例えば愛用品の棚、飲み物、テレビ、本等)を並置している。
【0060】
この回転器具52は、回転体8の上部に身を置いた人が上記手摺体56、把持部58などを握って押し又は引っ張るなどの力を作用させることで、この反作用として回転体8を回転させる力が働き人とともに回転体8が回る。このため回転体8上の人は、自身の力により自己が希望する上記機能物が置かれている位置に回転体8とともに移動することができる。
【0061】
このように、回転器具52の回転体8上に身をおいた人(小児、体の不自由な人など)は、回転体8の外周外側に設けた手摺体56を利用し、回転体8周辺に設置される各種機能物に人力制御によって位置を移すことができる。また回転器具52の周囲に上記各種機能物を配置することにより、興味、楽しみを伴った筋力補強システムが構築できる。
【0062】
上記回転器具52の周囲に各種機能物を配置する形態は、他の実施形態にも採用することができる。
なお、上記手摺体56は台座4と一体形成されているが、これは例えば、回転器具52を設置する床面或いは近傍の壁面に基礎部材を配置或いは固定し、これに上記手摺体56を保持固定させる形態を採用することも可能であり、また同様な効果が得られる。
【0063】
図7は、第三の実施形態に係る回転器具62を示したものである。
この回転器具62についても、台座4及び回転体8等の基本形態及び材料などは上記第一の実施の形態と同様であり、同一の符号を付してここでの詳細な説明は省略する。
【0064】
この回転器具62は、上記アーム体12を設けた回転器具に媒体としての紐体64を用いた回転機構を設けたものである。この回転機構は、アーム体12に加えて、棒状の2本の固定部66,66、糸、布又は皮などで作られた2本の紐体64,64、及び紐体の通過部としての滑車68,68、紐体64,64を通す環状体69などを有している。
なお、紐体64の通過部として上記滑車68は、他に紐体64が通過し得る環体、鉤状体などであってもよく、何れもアーム体12に取り付けられて紐体64を挿通或いは通過させ得るものであればよい。またアーム体12に貫通孔を設け、これを通過部としてもよい。
【0065】
上記固定部66,66は、回転体8の枠体10の側部に所定の間隔を隔てて配置され、それぞれ螺子等の止着具或いは接着剤などを用いて立設固定される。また上記固定部66,66は、アーム体12の一方側の支持部26を挟む2箇所に配置され、両固定部66,66の中間に上記支持部26が位置する。上記2本の固定部66,66は、ここでは回転体8の周囲の1/3程度の間隔を隔てて配置している。この間隔は、回転体8の周囲の1/2程度まで広げることができる。なお、上記固定部66は、回転体8又は枠体10に紐体64の端部を固定し得る形態であればよく、回転体8又は枠体10にフックを取り付けた形態等であってもよい。
【0066】
上記滑車68,68は、上記アーム体12の一方側の支持部26の上部の左右部位にそれぞれ取り付けられる。この支持部26の近傍の架設部24には、この架設部24の下部位置に上記環状体69を取り付ける。この環状体69は、上記2本の紐体64,64が挿通自在な形態で配置し、その一部を架設部24に固定して取り付ける。
【0067】
そして上記固定部66の一方には、固定部66の上部に設けた鉤部等に紐体64の一端を縛りつけ、この紐体64を滑車68を経由させ架設部24の下方を通過して環状体69を潜らせて下方に垂らし、その下端部に球状の把持体65を取り付ける。上記固定部66の他方についても、同様にして他の紐体64の一端を縛りつけ、滑車68、環状体69を経由して下方に垂らし、その下端部に把持体65を取り付ける。
【0068】
この形態の回転機構では、上記紐体64を下に引く力が、アーム体12に取り付けられた滑車68を経由して回転体8に設けられた固定部66に作用し、この固定部66が滑車68の方向に引かれて回転体8が回る。
上記回転体8の上部に身を置いた人は、上記2本の紐体64,64(把持体65,65)の一方を引っ張ることにより、回転体8の固定部66が引かれこれと共に回転体8が一方に回り、また他方の紐体64を引っ張ることにより、回転体8は反対向きに回る。
このため、回転体8上の人は、仰向けの状態などで両手でそれぞれ上記2本の紐体64,64を交互に引っ張り操作すると、回転体8は左右に所定角度の範囲で往復回転を繰り返す。
【0069】
このように回転体8上の人は、上方に釣り下げられ人が手で掴み得る紐体64(把持体65)を引っ張ったり掴んで自立的に遊べ、また回転運動を行うことで楽しみながら軽微な筋力増強が行える。また、釣り下げられた紐体64(把持体65)は、例えば赤子、幼児などであってもこれを引っ張ったり掴んで自立的に遊べ、手の運動が行える。
【0070】
また上記各紐体64,64は、自立運動を行なわないとき(回転体8をベッドとして利用する場合等)は、簡単に取り外すことができ、またアーム体12についても脱着可能であるため取り外しておいてもよい。なお、このアーム体12は、上記アーム体38のように横向きに倒す形態を採用するようにしてもよく、また片持ちの形態とすることもできる。
【0071】
図8は、上記各実施の形態に係る回転体8の上部に敷くことが可能なシーツ70を示したものである。このシーツ70は、円形の形状で、周囲には所定間隔で複数(ここでは8箇所)の取っ手72が取り付けられている。この取っ手72は、ここではテープ状の布をU字状にしたものを用いているが、他に合成樹脂材等を環状に形成したものを同様の位置に取り付けることとしてもよい。
【0072】
このシーツ70によれば、シーツ70の上に横たわり、或いは睡眠をとる患者等に寝返りをさせたい場合、この患者の側部に位置する取っ手72を握って引き寄せ、持ち上げることで、何れの方向に患者が向いていても好適な位置から寝返り等の介護をサポートできる。
【0073】
介護者は、取っ手72を握ってシーツ70を手前に引き寄せることにより、回転体8上の患者の体を傾斜、好適な位置に回転させ、またシーツ70の好適な取っ手を持つことで、ベストの位置及び状態で患者の寝返り、或いは着替えの処置が行える。また介護者は、上記回転器具の回転体8を適当な位置に回して好適な位置で介護することができるため、回転器具は患者にとってもまた介護者にとっても有効に利用できる。
なお、上記シーツ70に取り付ける取っ手72は、回転体8の周囲に折り込む状態で配置する形態、或いは枠体10の上部から外側に少し垂らした状態に配置してもよい。
【0074】
以上のように、上記第一、第二及び第三の実施形態によれば、回転体8上の人は手足による押し、引き、掴み、握りなどの自立的筋力活動により、回転体8の回転運動を自力にて生じさせ、また自己の位置、制御を認識して回転体8の位置を自己制御できる等その自在性を楽しむと同時に、手足の筋力維持、強化、或いは回転器具構造を利用した保育、治療、環境改善を行うことを目的とする運動システムが構築できる。
【0075】
また、回転器具は回転体8の回転を生じさせるため、手足の自立的運動を行うことで、楽しみながら軽微な筋力増強効果も得られ、赤子、障害児童、健康人でも使用可能であり、また寝ている状態を余儀なくする人(患者)にとっても有効な運動環境を提供する。また、回転器具は、回転自己制御型のベッドとして有用に利用でき、回転揺りかご(ベッド状の)的な利用もある。
また、寝たままの状態あるいは体の不自由な人、これらに準ずる状態の人にもスペースと活動対象の拡大した環境を提供する。そして、この自己回転機能を、寝たままで制御を繰り返すことができ自己筋力改善に利用できる。
【0076】
上記回転器具の利用対象者は、主に小学校の下級生(身長1m程度)、中程度の小児障害者、また小児患者として、日常、また長期的にベッド上の活動を余儀なくする者、手足の筋力により適当な大きさの物体に対して押す、引く、掴むことが可能な者、自己の位置、移動に混乱を生じない確認能力を持つ者、微弱ではあっても自立的手足の筋力運動を行える者等があり、子供、健常人、障害をもった人など多くの人に適用できる。
【0077】
上記各実施の形態に係る回転器具の利用形態としては、以下の形態などがある。
(A)回転ベッド(または回転椅子)として利用し、ハンディキャップを負った小児を対象とした自立回転運動に用いる。この場合は、回転体8は円形が好ましい。
(B)回転ベッドとして利用し、介護者にも有効利用し得るよう介護者の作業位置を調整し、介護のやり易い位置に回転体8(ベッド)を回して作業を行う。このように介護などの作業の内容とも連携させ、シーツを引っ張って患者の寝返り等の処置を行う。この場合、回転体8は円形、又は長方形が好ましい。
(C)回転ベッドとして利用し、自立回転運動を行わせる。これには小児、児童などの健常人を対象とし、周辺に各種機能物(本棚、テレビなど)を配置するなどして各種利用を行う。この場合は、回転体8は円形が好ましい。
【0078】
なお、上記回転体8を回転させる機構として、上記実施の形態では手動にて、押す、引く、掴み引っ張ることができる機能を備えたアーム体、ハンドル体、手摺体、紐体(把持体)などを用いたものを提案したが、これ以外の機構であっても人の手足で駆動でき回転体8を回すことができる機構であれば有効であり採用可能である。
【符号の説明】
【0079】
4 台座
8 回転体
10 枠体
12,13,38,56 固定体(アーム体、手摺体)
28,46 ハンドル体
34,50 操作杆
64 媒体(紐体)
66 固定部
68 通過部(滑車)
70 シーツ
72 取っ手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に設置される台座と、
上記台座に対して水平回転自在に配置された回転体と、を有し、
上記回転体の上部に身をおいた人の手足の操作により、上記台座又は床面に固定される固定体に加える押し、引き、回し等の力の作用に対するこの固定体からの反作用により、又は上記人による引っ張り力により長い媒体を介し上記固定体を経由して上記回転体に設けた固定部に加えられる作用により、上記人とともに上記回転体を回転させることを特徴とする自立運動用の回転器具。
【請求項2】
上記回転体を円形とし、この回転体の周囲に枠体を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自立運動用の回転器具。
【請求項3】
上記台座に上記固定体の下部を固定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の自立運動用の回転器具。
【請求項4】
上記固定体を上記台座から上記回転体の上方に向かうアーム状に形成し、この回転体の上方において上記固定体にハンドル体を取り付け、上記人による上記ハンドル体を回す方向に加えた力の反作用により、上記人とともに上記回転体を回転させることを特徴とする請求項3に記載の自立運動用の回転器具。
【請求項5】
上記アーム状の固定体を、上記回転体の上方から外れる位置に倒れるように折り曲げ可能に形成したことを特徴とする請求項4に記載の自立運動用の回転器具。
【請求項6】
上記ハンドル体を、棒状の操作杆が複数方向に放射状に配置された形状としたことを特徴とする請求項4又は5に記載の自立運動用の回転器具。
【請求項7】
上記操作杆を、上記固定体に沿う状態で同一方向に折り畳み可能に形成したことを特徴とする請求項6に記載の自立運動用の回転器具。
【請求項8】
上記固定体を、上記台座から上方に向かわせ且つ上記回転体の周囲の外側に手摺状に配置し、上記人がこの手摺状の部位を上記回転体の周方向に押し又は引き操作することにより、上記人とともに上記回転体を回転させることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の自立運動用の回転器具。
【請求項9】
上記固定体を上記台座から上記回転体の上方に向かうアーム状に形成し、
上記固定体が中間に位置する上記回転体又は枠体の二箇所に、それぞれ一の固定部及び他の固定部を設け、
上記一の固定部に端部が固定され、ここから上記固定体に設けた通過部を経由し上記回転体の上方の位置から下方に垂れ下げた上記媒体及び、上記他の固定部に端部が固定され、ここから上記固定体に設けた通過部を経由し上記回転体の上方の位置から下方に垂れ下げた他の上記媒体をそれぞれ設け、
上記人が上記媒体を交互に引っ張り操作することにより、上記人とともに上記回転体を回転させることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の自立運動用の回転器具。
【請求項10】
上記回転体の上部に、周囲に複数の取っ手を取り付けたシーツを配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の自立運動用の回転器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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