説明

自走式架空電線検査装置

【課題】 架空電線上に障害となる物があったとしても、その障害物を安定感をもって通過することができ、かつ、多導体方式の架空電線を活線で検査できる自走式架空電線検査装置を提供する。
【解決手段】 架空電線上を駆動輪が回転走行することによって架空電線上を走行する2つの走行装置と、該走行装置にぶら下げられ且つ当該自走式架空電線検査装置の重心を移動させることができる重心移動装置とを具備し、該重心移動装置が当該自走式架空電線検査装置の走行方向に対して垂直な水平軸線周りで一方の走行装置に対して回転可能であって且つ鉛直軸線周りでも該一方の走行装置に対して回転可能であるように該一方の走行装置に接続されていると共に、当該自走式架空電線検査装置の走行方向に対して垂直な水平軸線周りで他方の走行装置に対して回転可能であって且つ鉛直軸線周りでも該他方の走行装置に対して回転可能であるように該他方の走行装置に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架空電線を検査する自走式の架空電線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
送電線などの架空電線は、経年により、腐食したり損傷したりする。このため、架空電線を定期的に検査する必要がある。これに関し、最近では、架空電線上を走行しながら架空電線を検査する装置(以下「自走式検査装置」という)によって架空電線を検査するといったことが行われている。こうした自走式検査装置を利用した検査は、例えば、人が実際に架空電線に乗って検査を行うよりも、より簡便で且つ安全なものと言える。
実際、架空電線が1本から成る単導体の検査が可能な自走式検査装置が実用化に至っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、架空電線は、電線が1本から成る単導体方式の他にも、平行に走る数本の架空電線を使った多導体方式が採用されている。多導体方式の場合、架空電線同士が接触しないように架空電線間にスペースを確保するためのスペーサといった架線用付属品が取り付けられており、自走式検査装置を用いて架空電線の検査を行う場合には、こうした架線用付属品は自動式検査装置が架空電線上を走行する際の障害となる。この架線用付属品類の通過の困難さから、現状では、単導体方式に対応した自走式検査装置は開発されているものの、多導体方式が検査可能な装置は実用化に至っていない。さらに、電力供給の面からは、これまでの検査装置が送電を停止(停電)しての検査であったのに対し、停電しない(活線)での検査が可能な装置開発が望まれている。
【0004】
そこで、本発明の目的は、架空電線上に障害となる物があったとしても、その障害物を安定感をもって通過することができ、かつ、多導体方式の架空電線を活線で検査できる自走式架空電線検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、1番目の発明では、架空電線上を走行しつつ該架空電線を検査する自走式架空電線検査装置において、架空電線上を駆動輪が回転走行することによって架空電線上を走行する2つの走行装置と、該走行装置にぶら下げられ且つ当該自走式架空電線検査装置の重心を移動させることができる重心移動装置とを具備し、該重心移動装置が当該自走式架空電線検査装置の走行方向に対して垂直な水平軸線周りで一方の走行装置に対して回転可能であって且つ鉛直軸線周りでも該一方の走行装置に対して回転可能であるように該一方の走行装置に接続されていると共に、当該自走式架空電線検査装置の走行方向に対して垂直な水平軸線周りで他方の走行装置に対して回転可能であって且つ鉛直軸線周りでも該他方の走行装置に対して回転可能であるように該他方の走行装置に接続されている。
【0006】
2番目の発明では、1番目の発明において、上記走行装置と上記重心移動装置とを連結するボディをさらに具備し、上記重心移動装置は、上記ボディに対して水平面上で回転可能に取り付けられるアームを有すると共に、上記走行装置の走行と上記重心移動装置の重心移動とをコントロールする制御ユニットをバランサとして有し、上記ボディが上記水平軸線周りで各走行装置に対して回転可能であって且つ上記鉛直軸線周りでも各走行装置に対して回転可能であるように各走行装置に接続されており、上記アームが水平面上で上記ボディに対して回転せしめられることによって、当該自走式架空電線検査装置の重心が移動せしめられる。
【0007】
以下、3番目から8番目の発明は、第2実施形態に関するものである。
上記課題を解決するために、3番目の発明では、架空電線上を走行しつつ該架空電線を検査する自走式架空電線検査装置において、ボディと、該ボディに回転可能に取り付けられる1つのメインリンク部材と、該メインリンク部材に回転可能に取り付けられる2つのサブリンク部材と、各サブリンク部材に回転可能に取り付けられる2つのプーリとを具備し、上記2つのサブリンク部材が上記メインリンク部材の上記ボディに対する回転軸線の両側に取り付けられており、各サブリンク部材に対応する上記2つのプーリが対応するサブリンク部材の上記メインリンク部材に対する回転軸線の両側に取り付けられており、各プーリが1本の架空電線上に配置可能なように上記サブリンク部材が上記メインリンク部材に取り付けられ且つ上記プーリが対応するサブリンク部材に取り付けられており、各プーリが1本の架空電線上に配置されたときに上記ボディが上記メインリンク部材にぶら下がって各プーリを介して架空電線に支持されるように該ボディが上記メインリンク部材に取り付けられている。
【0008】
4番目の発明では、3番目の発明において、上記メインリンク部材の上記ボディに対する回転軸線が該メインリンク部材の略長手方向中央に位置する。
5番目の発明では、3または4番目の発明において、上記サブリンク部材の上記メインリンク部材に対する回転軸線が該サブリンク部材の略長手方向中央に位置する。
6番目の発明では、3〜5番目の発明のいずれか1つにおいて、上記サブリンク部材の上記メインリンク部材に対する回転軸線が上記メインリンク部材の上記ボディに対する回転軸線から略等距離に位置する。
【0009】
7番目の発明では、3〜6番目の発明のいずれか1つにおいて、上記プーリが対応するサブリンク部材の上記メインリンク部材に対する回転軸線から略等距離に位置する。
8番目の発明では、3〜7番目の発明のいずれか1つにおいて、上記プーリが架空電線上に乗せられたときに該架空電線に関して上記プーリとは反対側に位置するサブプーリが各サブリンク部材に取り付けられ、該サブプーリが架空電線に押しつけられるように付勢手段によって付勢されている。
9番目の発明では、1〜8番目の発明のいずれか1つにおいて、架空電線まで延び且つ該架空電線上に乗るパイプまたはケーブル上を走らせて該架空電線まで移送されて該架空電線に移される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、架空電線上に走行の障害となる物があったとしても、その障害物を安定感をもって通過することができ、かつ、多導体方式の架空電線を活線で検査できる自走式架空電線検査装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態の自走式架空電線検査装置(以下「自走式検査装置」という)1を示している。自走式検査装置は、ボディ2と、制御ユニット3と、2つの走行システム4F、4Rとを具備する。自走式検査装置1の適切な箇所には、架空電線を検査するための各種センサが取り付けられる。各種センサとしては、架空電線内部の腐食などを検出する過電流方式、電磁気方式、打診方式、形状測定方式、または、超音波方式のセンサや、架空電線表層の腐食や断線を検出する画像撮影方式のセンサ(例えば、超小型CCDカメラを利用したもの)がある。また、自走式検査装置1に、架空電線上の腐食生成物を採取するためにサンドペーパやスコッチブライトを用いたスクレーパ方式の手段を取り付けてもよい。
【0012】
また、制御ユニット3には、センサから得られるデータを記憶し保存しておく装置、センサから得られるデータを分析する装置、センサから得られるデータやこれらデータを分析した結果を所定の場所へ送信する装置、これらセンサや装置を駆動する電力を供給するバッテリなどが搭載されている。
【0013】
制御ユニット3は、2つのアーム5,6と2つのシャフト7,8とを介してボディ2に接続されている。詳細には、制御ユニット3は、第1アーム5の一方の端部の下壁面に該第1アーム5に対して回転不能に取り付けられる。そして、第1アーム5の他方の端部の上壁面には、該第1アーム5に対して回転可能に第1シャフト7が取り付けられる。さらに、第1シャフト7は、第2アーム6の一方の端部の下壁面に該第2アーム6に対して回転不能に取り付けられる。そして、第2アーム6の他方の端部の上壁面には、該第2アーム6に対して回転可能に第2シャフト8が取り付けられる。さらに、第2シャフト8は、ボディ2の中央の下壁面に回転不能に取り付けられる。
【0014】
また、第1アーム5に関して第1シャフト7の反対側には、第1シャフト7に噛合する第1ギア9が配置されている。この第1ギア9は、第1アーム5の上壁面に取り付けられた電気モータ(以下「第1モータ」という)10によって、ベルト11を介して回転可能となっている。この第1ギア9が第1モータ10によって回転せしめられると、図1に矢印A1で示したように、第1アーム5が第1シャフト7を軸として鉛直軸線V1周りで第2アーム6に対して回転する。第2アーム6に対する第1アーム5の回転方向は、第1モータ10の回転方向によって変わる。
【0015】
さらに、第2アーム6に関してボディ2の反対側には、第2シャフト8に噛合する第2ギア12が配置されている。この第2ギア12は、第2アーム6の上壁面に取り付けられた電気モータ(以下「第2モータ」という)13によって、ベルト14を介して回転可能となっている。この第2ギア12が第2モータ13によって回転せしめられると、図1に矢印A2で示したように、第2アーム6が第2シャフト8を軸として鉛直軸線V2周りでボディ2に対して回転する。ボディ2に対する第2アーム6の回転方向は、第2モータ13の回転方向によって変わる。
【0016】
また、一方の走行システム(以下「前方走行システム」という)4Fは、1つのギアボックス15と、該ギアボックス15に取り付けられた2つのプーリシステム16,17とを有する。各プーリシステム16,17は、2つのプーリ18,19と、1つの連結ロッド20とからなる。各プーリシステム16,17の2つのプーリ18,19は、連結ロッド20に対して回転不能に該連結ロッド20に互いに平行に取り付けられる。また、各プーリシステム18,19の連結ロッド20は、ギアボックス15に回転可能に取り付けられ、2つの連結ロッド20は互いに平行に延在している。これら連結ロッド20は、ギアボックス15に設けられた電気モータ21に連結されたおり、この電気モータ21によって回転可能となっている。電気モータ21によって連結ロッド20が回転せしめられると、プーリ18,19が回転せしめられることになる。
【0017】
また、他方の走行システム(以下「後方走行システム」という)4Rも、前方走行システム4Fと同じ構造である。
【0018】
また、前方走行システム4Fのギアボックス15は、連結シャフト(以下「前方連結シャフト」という)22を介してボディ2の一方の端部の上壁面に接続されている。そして、この前方走行システム4Fのギアボックス15は、図1に矢印A3で示されているように、前方連結シャフト22の軸線V3に対して垂直な水平軸線H1周りで該前方連結シャフト22に対して回転自在に前方連結シャフト22にジョイント23によって取り付けられている。
【0019】
一方、後方走行システム4Rのギアボックス15は、連結シャフト(以下「後方連結シャフト」という)24を介してボディ2の他方の端部の上壁面に接続されている。そして、この後方走行システム4Rのギアボックス15は、図1に矢印A4で示されているように、後方連結シャフト24の軸線V4に対して垂直な水平軸線H2周りで該後方連結シャフト24に対して回転自在に後方連結シャフト24にジョイント23によって取り付けられている。
【0020】
さらに、ボディ2に関して前方連結シャフト22の反対側には、前方連結シャフト22に噛合するギア(以下「前方ギア」という)25が配置されている。この前方ギア25は、ボディ2の上壁面に取り付けられた電気モータ(以下「前方モータ」という)26によって、ベルト27を介して回転可能となっている。この前方ギア25が前方モータ26によって回転せしめられると、図1に矢印A5で示したように、ボディ2が前方連結シャフト22を軸として鉛直軸線V3周りで前方走行システム4Fに対して回転する。前方走行システム4Fに対するボディ2の回転方向は、前方モータ26の回転方向によって変わる。
【0021】
一方、ボディ2に関して後方連結シャフト24の反対側には、後方連結シャフト24に噛合するギア(以下「後方ギア」という)28が配置されている。この後方ギア28は、ボディ2の上壁面に取り付けられた電気モータ(以下「後方モータ」という)29によって、ベルト30を介して回転可能となっている。この後方ギア28が後方モータ29によって回転せしめられると、図1に矢印A6で示したように、ボディ2が後方連結シャフト24を軸として鉛直軸線V4周りで後方走行システム4Rに対して回転する。後方走行システム4Rに対するボディ2の回転方向は、後方モータ29の回転方向によって変わる。
【0022】
次に、図2〜図17を参照して、第1実施形態の自走式検査装置の動作について説明する。第1実施形態の自走式検査装置1は、例えば、図2に示されているような4本で1組となっている架空電線31を検査するのに利用される。架空電線31は、一部を除き、鉄塔間に張られたものであり、これら架空電線31には、これら架空電線31同士が接触しないように、架線用付属品のひとつであるスペーサ32が取り付けられている。架空電線31は、例えば、送電線など地上から相当に高いところに架設されたものである。
【0023】
さて、第1実施形態の自走式検査装置1を架空電線31上に配置するためには、1本の移送ケーブル33が利用される。なぜなら、架空電線31は、数万〜数10万ボルトの高圧電線であり、例えば、作業者が自走式検査装置を手に持って架空電線31上へ装置を設置することができないためである。移送ケーブル33は絶縁材料で作られており、その一端が1本の架空電線31上に配置され、その他端が、例えば、鉄塔に取り付けられる。自走式検査装置1は、始めに、図2に示されているように、各走行システム4F、4Rのギアボックス15側のプーリ18(以下これを「内側プーリ」といい、ギアボックス15から離れた側のプーリ19を「外側プーリ」という)を支点としてバランスを保ってケーブル33にぶら下がる形で配置される。そして、前方モータ26および後方モータ29を駆動することによって内側プーリ18を回転し、架空電線31に向かって移送ケーブル33上を走行していく。
【0024】
次いで、自走式検査装置1は、前方走行システム4Fが架空電線31近傍に達したとき、図3に示されているように、前方走行システム4Fが移送ケーブル33から離れて上方に持ち上がり且つ後方走行システム4Rの内側プーリ18を支点としてバランスを保って移送ケーブル33にぶら下がるように、第2モータ13を駆動して第2アーム6をボディ2に対して回転させたり、第1モータ10を駆動して第1アーム5を第2アーム6に対して回転させたりすることによって、移送ケーブル33に対する自走式検査装置1の姿勢を図2から図3のように変化させる。
【0025】
次いで、自走式検査装置1は、この状態のまま、図3に示されているように、後方走行システム4Rの内側プーリ18によってケーブル33上をさらに架空電線31に向かって走行し、移送ケーブル33と架空電線31との連結部分Jを避けながら前方走行システム4Fを架空電線31上方まで移動させる。
【0026】
次いで、自走式検査装置1は、前方走行システム4Fが架空電線31上方に達したとき、図4に示されているように、前方走行システム4Fの内側プーリ18が1本の架空電線31に整列すると共に前方走行システム4Fの外側プーリ19が別の1本の架空電線31に整列するように、前方モータ26によって前方走行システム4Fをボディ2に対して鉛直軸線V3周りで回転させ、前方走行システム4Fの向きを変える。次いで、前方走行システム4Fの内側プーリ18および外側プーリ19が対応の架空電線31上に乗るように、第2モータ13を適宜駆動して第2アーム6をボディ2に対して鉛直軸線V2周りで回転させると共に第1モータ10を適宜駆動して第1アーム5を第2モータ13に対して鉛直軸線V1周りで回転させる。
【0027】
次いで、自走式検査装置1は、前方走行システム4Fを架空電線31上に乗せた状態で、図5に示されているように、後方走行システム4Rが移送ケーブル33から離れて上方に持ち上がり且つ前方走行システム4Fの各プーリを支点としてバランスを保って移送ケーブル33から離れるように、第1モータ10および第2モータ13を駆動する。
【0028】
次いで、自走式検査装置1は、この状態のまま、図6に示されているように、前方走行システム4Fの各プーリ18,19によって架空電線31上を走行して、移送ケーブル33と架空電線31との連結部分Jを避けながら後方走行システム4Rを架空電線31上方にまで移動させる。
【0029】
次いで、自走式検査装置1は、図7に示されているように、後方走行システム4Rの内側プーリ18および外側プーリ19が対応する架空電線31に整列するように、後方モータ29によって後方走行システム4Rをボディ2に対して鉛直軸線V4周りで回転させ、後方走行システム4Rの向きを変える。次いで、図8に示されているように、後方走行システム4Rの内側プーリ18および外側プーリ19が対応の架空電線31上に乗るように、第1モータ10および第2モータ13を適宜駆動する。
【0030】
斯くして、図8に示されている状態となれば、自走式検査装置1は、前方走行システム4Fおよび後方走行システム4Rによって架空電線31上を走行することができる。つまり、人が入れる作業エリアの鉄塔から高圧に課電された架空伝染への自走式検査装置の送り出しが終了し、活線での検査が可能となる。
【0031】
ところで、図9に示されているように、プーリ18,19が乗っている架空電線31上に障害物34が配置されていることがある。架空送電線の場合は、懸垂鉄塔での懸垂支持部に相当する。この場合には、自走式検査装置1は、以下のようにして障害物34を避けて架空電線31上を走行する。
【0032】
まず、自走式検査装置1は、前方走行システム4Fが障害物34近傍に達したとき、図10に示されているように、前方走行システム4Fの各プーリが架空電線31から離れて上方に持ち上がり且つ後方走行システム4Rを支点としてバランスを保って架空電線31にぶら下がるように、第1モータ10および第2モータ13を適宜駆動する。そして、後方モータ29を駆動してボディ2を後方走行システム4Rに対して鉛直軸線V4周りで回転させることによって、図11に示されているように、前方走行システム4Fを架空電線31上方から横へずらす。このときも、自走式検査装置1は、後方走行システム4Rを支点としてバランスを保って架空電線31にぶら下がるように、第1モータ10および第2モータ13を適宜駆動する。そして、この状態のまま、後方走行システム4Rによって架空電線31上を走行し、図12に示されているように、障害物34を避けるようにして前方走行システム4Fを前方へ移動させる。
【0033】
そして、自走式検査装置1は、前方走行システム4Fが障害物34を越えたところで、先ほどとは逆の手順で、前方走行システム4Fを架空電線31上に乗せる。すなわち、後方モータ29を先ほどとは逆方向に駆動してボディ2を後方走行システム4Rに対して鉛直軸線V4周りで回転させることによって、前方走行システム4Fを架空電線31上方へと移動させる。そして、第1モータ10および第2モータ13を先ほどとは逆方向に適宜駆動して、前方走行システム4Fの各プーリ18,19を対応する架空電線31上に乗せる。これにより、図13に示されている状態が達成される。
【0034】
次いで、自走式検査装置1は、図14に示されているように、後方走行システム4Rの各プーリが架空電線31から離れて上方に持ち上がり且つ前方走行システム4Fを支点としてバランスを保って架空電線31にぶら下がるように、第1モータ10および第2モータ13を適宜駆動する。そして、前方モータ26を駆動してボディ2を前方走行システム4Fに対して鉛直軸線V3周りで回転させることによって、図15に示されているように、後方走行システム4Rを架空電線31上方から横へずらす。このときも、自走式検査装置1は、前方走行システム4Fを支点としてバランスを保って架空電線31にぶら下がるように、第1モータ10および第2モータ13を適宜駆動する。そして、この状態のまま、前方走行システム4Fによって架空電線31上を走行し、図16に示されているように、障害物34を避けるようにして後方走行システム4Rを前方へ移動させる。
【0035】
そして、自走式検査装置1は、後方走行システム4Rが障害物34を越えたところで、先ほどとは逆の手順で、後方走行システム4Rを架空電線31上に乗せる。すなわち、前方モータ26を先ほどとは逆方向に駆動してボディ2を前方走行システム4Fに対して鉛直軸線V3周りで回転させることによって、後方走行システム4Rを架空電線31上方へと移動させる。そして、第1モータ10および第2モータ13を先ほどとは逆方向に適宜駆動して、後方走行システム4Rの各プーリを対応する架空電線31上に乗せる。これにより、図17に示されている状態が達成される。
【0036】
このように、第1実施形態の自走式検査装置1は、検査対象である架空電線31上に障害物34があったとしても、これを避けて架空電線31上を走行することができる。障害物34は、懸垂鉄塔の懸垂支持部に相当することから、ここを通過可能であることは、自走式検査装置が鉄塔数基にわたって、連続で走行することを可能とする。そして、このように、架空電線31上を走行している間に、各種センサによって架空電線31が検査される。
【0037】
次に、図18〜図23を参照して、第2実施形態の自走式検査装置について説明する。第2実施形態の自走式検査装置41は、第1実施形態のものと同様の制御ユニット42を具備する。制御ユニット42は、接続ロッド43を介してメインリンク部材44に接続されている。メインリンク部材44は、細長くて薄い板状の部材であり、その長手方向の略中央に回転軸45を有し、回転軸45の軸線AM周りで接続ロッド43(したがって、制御ユニット42)に対して回転可能に接続ロッド43に接続されている。
【0038】
メインリンク部材44には、該メインリンク部材44に関して接続ロッド43の反対側に、それぞれ対応する回転軸46を介して2つのサブリンク部材47が接続されている。これらサブリンク部材47は、メインリンク部材44の回転軸線AMの両側に接続されている。また、各サブリンク部材47は、細長くて薄い板状の部材であり、その長手方向の略中央に対応する回転軸46が接続されており、回転軸46の軸線AS周りでメインリンク部材44に対して回転可能に該メインリンク部材44に接続されている。なお、図示した例では、回転軸線AMから各回転軸線ASまでの距離は互いに等しい(あるいは、略等しい)。また、メインリンク部材44を含む鉛直平面と各サブリンク部材47を含む鉛直平面とは互いに並行である。また、2つのサブリンク部材47は同一の鉛直平面上にある。
【0039】
各サブリンク部材47には、該サブリンク部材47に関してメインリンク部材44の反対側に、2つのプーリ49が取り付けられている。これらプーリ49は、サブリンク部材47の回転軸線ASの両側に取り付けられている。各プーリ49には、電気モータ50が接続されており、各プーリ49は対応する電気モータ50によって他のプーリ49から独立して駆動可能となっている。なお、図示した例では、回転軸線ASから各プーリ49の回転軸線までの距離は互いに等しい(あるいは、略等しい)。また、4つのプーリ49は、これらが1本の架空電線31に同時に乗ることができるように、同一の鉛直平面上にある。
【0040】
また、図19を参照すると判るように、プーリ49は、その周面に略V字の溝(以下「V溝」という)51を有しており、自走式検査装置41が架空電線31上に配置されたときには、このプーリ49のV溝51内に架空電線31がある。プーリ49のV溝51の深さは、架空電線31の直径よりも大きいことはもちろんであるが、後述するように、プーリ49は架空電線31上の障害物を安定感をもって乗り越えなければならないことから、プーリ49のV溝51の深さは、架空電線31から鉛直方向への障害物の高さを考慮して決定され、少なくとも、架空電線31の直径よりも相当に大きくされる。また、プーリ49のV溝51の広がり巾も、架空電線31の直径よりも大きいことはもちろんであるが、障害物の水平方向の巾を考慮して決定され、少なくとも、架空電線31の直径よりも相当に大きく、好ましくは、障害物の水平方向の巾程度の大きさである。
【0041】
また、本発明の自走式検査装置41の各構成要素の構成やこれら構成要素間の位置関係は、自走式検査装置41が架空電線31上に乗せられたとき(すなわち、自走式検査装置41の制御ユニット42がプーリ49、サブリンク部材47、メインリンク部材44、および、接続ロッド43を介して架空電線31にぶら下げられたとき)に、制御ユニット42がバランスをとって架空電線31から落ちないよう(特に、プーリ49の回転軸線が水平を保った状態で制御ユニット42がプーリ49の鉛直方向下方にあるよう)になっている。
【0042】
図20(A)〜(E)は、本発明の自走式検査装置41が架空電線31上を走行しているところを順に示したものである。図中、メインリンク部材44、サブリンク部材47、および、接続ロッド43は簡略化して描かれている。図20(A)は、架空電線31上の障害物52(例えば、図18のスペーサ32)の手前に自走式検査装置41があるところを示しており、自走式検査装置41は、電気モータ50によって駆動されるプーリ49によって矢印Mの方向へ架空電線31上を走行している。自走式検査装置41が図20(A)に示されている状態から矢印Mの方向へさらに進むと、一番先頭に位置するプーリ49が障害物52に達し、図20(B)に示されるように、このプーリ49が障害物52に乗り上げる。このとき、自走式検査装置41はバランスがとられるので架空電線31から落ちることはない。そして、順に、図20(C)、図20(D)、図20(E)に示すように、4つのプーリ49全てが障害物52を乗り越えてゆく。
【0043】
第2実施形態の自走式検査装置41によれば、プーリ49が障害物52を乗り越えるときには、そのプーリ49が架空電線31から離れることになるが、その他のプーリ49が架空電線31上にあってサブリンク部材47が架空電線31との整列状態を保っていることから、架空電線31から離れたプーリ49が架空電線31から水平方向にずれることはない(あるいは、大きくずれることはない)ので、架空電線31から離れたプーリ49は、障害物52を乗り越えた後、確実に架空電線31上に乗ることになる。
【0044】
なお、図21に示したように、自走式検査装置41が架空電線31にぶら下げられたときに、架空電線31の下側に位置するプーリ53を各サブリンク部材47の中央部分に取り付けてもよい。このプーリ53は、スプリング等の付勢手段によって架空電線31に向かって(すなわち、架空電線31に押しつけられるように)付勢されている。また、このプーリ53は、架空電線31上の障害物52に達したときに障害物52の形状に合わせてサブリンク部材47に対して移動可能にサブリンク部材47に取り付けられる。これによれば、より安定して、自走式検査装置41を架空電線31上で走行させることができる。
【0045】
ここで、本発明の自走式検査装置41を架空電線31上に乗せる方法について、図22および図23を参照して説明する。本発明の自走式検査装置41は、図23に示されている装置(以下「移送装置」という)を図22に示されているように鉄塔Tと検査対象の架空電線31との間に設置し、この移送装置を利用して架空電線31上に乗せられる。図23に示されているように、移送装置は、非導電性の移送パイプ63、該移送パイプ63の先端に取り付けられる逆U字断面を有する非伝導性のプレート(以下「逆U字プレート」という)64と、移送パイプ63の後端に取り付けられる支持装置65とを具備する。逆U字プレート64は、架空電線31を上から覆うように架空電線31上に乗って移送パイプ63を架空電線31に支持する。また、支持装置65は、図22に示されているように鉄塔Tに取り付けられ、移送パイプ63を鉛直軸線V5および水平軸線H3周りで回動可能に支持するジョイントを有する。
【0046】
さらに、逆U字プレート64と支持装置65との間において、移送パイプ63には、C字形状をした非導電性のパイプ(以下「C字パイプ」という)66の一端が取り付けられている。C字パイプ66は、移送パイプ63に対して水平軸線H4周りで回動可能である。また、C字パイプ66の他端は、非導電性の案内ワイヤ67を介して鉄塔Tに接続されている。この案内ワイヤ67は、逆U字プレート64を検査対象の架空電線31上に配置するときに、該逆U字プレート64を検査対象の架空電線31まで案内するためのものである。
【0047】
斯くして、移送パイプ63を鉄塔Tから検査対象の架空電線31まで延在させ、この移送パイプ63上を本発明の自走式検査装置41を走行させることにより、該自走式検査装置41を架空電線31上に乗せることができる。
【0048】
なお、第1実施形態において移送ケーブル33の代わりに移送パイプ63を利用してもよいし、また、第2実施形態において移送パイプ63の代わりに第1実施形態の移送ケーブル33を利用してもよい。
【0049】
また、上述した実施形態において、自走式検査装置がプーリを介して移送ケーブル(あるいは、移送パイプ)上、または、架空電線上に乗っているときに、風などの影響で自走式検査装置が揺れ、プーリが移送ケーブル(あるいは、移送パイプ)、または、架空電線から持ち上がって外れてしまうことを抑制する手段(以下「持上がり抑制手段」という)を設けてもよい。図24〜図26は、こうした持上がり抑制手段を第1実施形態の自走式検査装置に設けた場合を示している。
【0050】
図24に示されている例における持上がり抑制手段は、図24(A)に示されている鉛直下方へ延在した状態と図24(B)に示されている水平方向へ延在した状態との間で枢動可能な棒状のストッパ70である。図24に示されている例では、ストッパ70は、ギアボックス15に枢動可能に取り付けられている。
【0051】
そして、ストッパ70は、架空電線31(または、移送ケーブル33)に対する自走式検査装置の移動の邪魔となるときには、図24(A)に示されている状態とされる。一方、ストッパ70は、架空電線31(または、移送ケーブル33)に対する自走式検査装置の移動の邪魔とならない限り、図24(B)に示されている状態とされる。図24(B)に示されている状態では、ストッパ70は、対応するプーリ18の反対側で架空電線31の下側から該架空電線31に極めて近接しているので、これによれば、プーリ18(および、プーリ19)が架空電線31から外れてしまうほど持ち上がってしまうことが抑制される。
【0052】
なお、図24に示されている例では、ストッパ70は、棒状のものであるが、例えば、図25に示されているように、略水平方向に延在する状態となったときにプーリ18の側方から架空電線31の下側を通ってプーリ18のもう一方の側方まで延びるようなものでもよい。
【0053】
図26および図27に示されている例における持上がり抑制手段は、図26に示されているように略鉛直下方へ延在した状態と図27に示されている略水平方向に延在した状態との間で枢動可能なストッパ71である。図26および図27に示されている例では、ストッパ71は、架空電線31を検査するためのセンサ72を取り付けるための支柱73に取り付けられている。支柱73は、前方走行システム4Fと後方走行システム4Rとの間においてボディ2に取り付けられている。
【0054】
そして、ストッパ71は、架空電線31(または、移送ケーブル33)に対する自走式検査装置の移動の邪魔となるときには、図26に示されている状態とされる。一方、ストッパ71は、架空電線31(または、移送ケーブル33)に対する自走式検査装置の移動の邪魔とならない限り、図27に示されている状態とされる。図27に示されている状態では、ストッパ71は、前方走行システム4Fと後方走行システム4Rとの間において、架空電線31の下側から該架空電線31に極めて近接しているので、これによれば、プーリ18およびプーリ19が架空電線31から外れてしまうほど持ち上がってしまうことが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1実施形態の自走式検査装置の斜視図である。
【図2】第1実施形態の自走式検査装置による架空電線の検査の第1段階を示した図であり、(A)は上方から見た図であり、(B)は正面から見た図である。
【図3】図2に示した段階の次の段階を示した図であり、(A)は側方から見た図であり、(B)は正面から見た図である。
【図4】図3に示した段階の次の段階を示した図であり、(A)上方から見た図であり、(B)は正面から見た図である。
【図5】図4に示した段階の次の段階を示した図であり、(A)上方から見た図であり、(B)は正面から見た図である。
【図6】図5に示した段階の次の段階を示した図であり、(A)上方から見た図であり、(B)は正面から見た図である。
【図7】図6に示した段階の次の段階を正面から見たところを示した図である。
【図8】図7に示した段階の次の段階を示した図であり、(A)上方から見た図であり、(B)は正面から見た図である。
【図9】第1実施形態の障害物通過手順を示した図で、側方から見たものである。
【図10】図9に示した段階の次の段階を側方から見たところを示した図である。
【図11】図10に示した段階の次の段階を上方から見たところを示した図である。
【図12】図11に示した段階の次の段階を側方から見たところを示した図である。
【図13】図12に示した段階の次の段階を側方から見たところを示した図である。
【図14】図13に示した段階の次の段階を側方から見たところを示した図である。
【図15】図14に示した段階の次の段階を上方から見たところを示した図である。
【図16】図15に示した段階の次の段階を側方から見たところを示した図である。
【図17】図16に示した段階の次の段階を側方から見たところを示した図である。
【図18】架空電線上を走る本発明の第2実施形態の自走式架空電線検査装置の斜視図である。
【図19】架空電線上を走る本発明の第2実施形態の自走式架空電線検査装置の正面図である。
【図20】本発明の第2実施形態の自走式架空電線検査装置が架空電線上を走行しているところを順に示した図である。
【図21】本発明の第2実施形態の採用可能な自走式架空電線検査装置の1つを示す図である。
【図22】本発明の自走式架空電線検査装置を架空電線上に乗せるための装置を示す図である。
【図23】本発明の自走式架空電線検査装置を架空電線上に乗せるための装置を詳細に示す図である。
【図24】プーリが架空電線または移送ケーブルから外れるほど持ち上がることを抑制するためのストッパを備えた自走式検査装置の一例を示した図であり、(A)はストッパが鉛直下方へ延在した状態を示し、(B)はストッパが水平方向へ延在した状態を示している。
【図25】プーリが架空電線または移送ケーブルから外れるほど持ち上がることを抑制するためのストッパを備えた自走式検査装置の別の一例を示した図であり、ここでは、ストッパが水平方向へ延在した状態が示されている。
【図26】プーリが架空電線または移送ケーブルから外れるほど持ち上がることを抑制するためのストッパを備えた自走式検査装置の別の一例を示した図であり、ここでは、ストッパが略鉛直下方へ延在した状態が示されている。
【図27】図26に示した自走式検査装置を示した図であり、ここでは、ストッパが略水平方向へ延在した状態が示されている。
【符号の説明】
【0056】
1,41 自走式架空電線検査装置
2 ボディ
3,42 制御ユニット
4F,4R 走行システム
5,6,21,26,29 アーム
10,13 電気モータ
18,19 プーリ
31 架空電線
32 スペーサ
33 移送ケーブル
34,52 障害物
43 接続ロッド
44 メインリンク部材
47 サブリンク部材
49 プーリ
63 移送パイプ
64 逆U字プレート
65 支持装置
66 C字パイプ
67 案内ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架空電線上を走行しつつ該架空電線を検査する自走式架空電線検査装置において、架空電線上を駆動輪が回転走行することによって架空電線上を走行する2つの走行装置と、該走行装置にぶら下げられ且つ当該自走式架空電線検査装置の重心を移動させることができる重心移動装置とを具備し、該重心移動装置が当該自走式架空電線検査装置の走行方向に対して垂直な水平軸線周りで一方の走行装置に対して回転可能であって且つ鉛直軸線周りでも該一方の走行装置に対して回転可能であるように該一方の走行装置に接続されていると共に、当該自走式架空電線検査装置の走行方向に対して垂直な水平軸線周りで他方の走行装置に対して回転可能であって且つ鉛直軸線周りでも該他方の走行装置に対して回転可能であるように該他方の走行装置に接続されていることを特徴とする自走式架空電線検査装置。
【請求項2】
上記走行装置と上記重心移動装置とを連結するボディをさらに具備し、上記重心移動装置は、上記ボディに対して水平面上で回転可能に取り付けられるアームを有すると共に、上記走行装置の走行と上記重心移動装置の重心移動とをコントロールする制御ユニットをバランサとして有し、上記ボディが上記水平軸線周りで各走行装置に対して回転可能であって且つ上記鉛直軸線周りでも各走行装置に対して回転可能であるように各走行装置に接続されており、上記アームが水平面上で上記ボディに対して回転せしめられることによって、当該自走式架空電線検査装置の重心が移動せしめられることを特徴とする請求項1に記載の自走式架空電線検査装置。
【請求項3】
架空電線上を走行しつつ該架空電線を検査する自走式架空電線検査装置において、ボディと、該ボディに回転可能に取り付けられる1つのメインリンク部材と、該メインリンク部材に回転可能に取り付けられる2つのサブリンク部材と、各サブリンク部材に回転可能に取り付けられる2つのプーリとを具備し、上記2つのサブリンク部材が上記メインリンク部材の上記ボディに対する回転軸線の両側に取り付けられており、各サブリンク部材に対応する上記2つのプーリが対応するサブリンク部材の上記メインリンク部材に対する回転軸線の両側に取り付けられており、各プーリが1本の架空電線上に配置可能なように上記サブリンク部材が上記メインリンク部材に取り付けられ且つ該プーリが対応するサブリンク部材に取り付けられており、各プーリが1本の架空電線上に配置されたときに上記ボディが上記メインリンク部材にぶら下がって各プーリを介して架空電線に支持されるように該ボディが上記メインリンク部材に取り付けられていることを特徴とする自走式架空電線検査装置。
【請求項4】
上記メインリンク部材の上記ボディに対する回転軸線が該メインリンク部材の略長手方向中央に位置することを特徴とする請求項3に記載の自走式架空電線検査装置。
【請求項5】
上記サブリンク部材の上記メインリンク部材に対する回転軸線が該サブリンク部材の略長手方向中央に位置することを特徴とする請求項3または4に記載の自走式架空電線検査装置。
【請求項6】
上記サブリンク部材の上記メインリンク部材に対する回転軸線が上記メインリンク部材の上記ボディに対する回転軸線から略等距離に位置することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の自走式架空電線検査装置。
【請求項7】
上記プーリが対応するサブリンク部材の上記メインリンク部材に対する回転軸線から略等距離に位置することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載の自走式架空電線検査装置。
【請求項8】
上記プーリが架空電線上に乗せられたときに該架空電線に関して上記プーリとは反対側に位置するサブプーリが各サブリンク部材に取り付けられ、該サブプーリが架空電線に押しつけられるように付勢手段によって付勢されていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1つに記載の自走式架空電線検査装置。
【請求項9】
架空電線まで延び且つ該架空電線上に乗るパイプまたはケーブル上を走らせて該架空電線まで移送されて該架空電線に移されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の自走式架空電線検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2006−254567(P2006−254567A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−65601(P2005−65601)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(505087230)株式会社ハイボット (6)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(501304803)株式会社ジェイ・パワーシステムズ (89)