説明

自転車のサドル昇降装置

【課題】既存の自転車に簡単に取り付けることができ、かつ強度に優れ、安定して作動するサドル昇降装置を提供する。
【解決手段】サドルを上昇方向へ付勢するばね部材1を設け、サドルの急激な昇降を抑制するショックアブソーバ2を備え、ハンドル側での操作に伴い、サドル昇降の許容・阻止を切り替える自転車のサドル昇降装置において、ショックアブソーバ2には、シリンダ3の内径面にピストンロッド4が摺接し、その内側に挿入した切替棒の操作に伴い、サドルの昇降の許容・阻止を切り替えるものを用い、そのピストンロッド4及びシリンダ3にそれぞればね部材1の上端部及び下端部を係止しておき、シリンダ3を車体フレームの立パイプに挿入固着し、サドルをピストンロッド4の上部に固定して、自転車に取り付けるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自転車のサドルを乗車中に昇降させ、走行中にはペダルを漕ぎやすく、停車時には足を着きやすくするための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自転車のサドルは、車体フレームの立パイプにスライド自在に挿入されたサドルポストの上端に取り付けられ、サドルポストを任意の位置でクランプにより立パイプに締め付けて、適宜の高さに設定される。
【0003】
ところで、サドルの高さは、走行中には高めに設定しておいたほうがペダルを漕ぎやすく、停車時には低くしたほうが地面に足を着きやすくて安全であるが、上記のような通常の高さ調整機構では、乗車中にサドルの高さを変更することはできない。
【0004】
このため、従来より、サドルを乗車中に昇降させる装置として、下記特許文献1,2に示されたように、サドルをばねで上昇方向へ付勢し、サドルの急激な昇降を抑制するショックアブソーバを備え、ハンドル側での操作に伴い、サドル昇降の許容・阻止を切り替えるものが多数提案されている。
【0005】
これらの装置では、停車直前にサドルの昇降を許容すると、運転者の体重によりサドルが下降し、発車に際し運転者が腰を浮かすと、ばねによりサドルが上昇し、走行中にサドルの昇降を阻止すると、サドルが所定高さに支持されるようになっている。
【0006】
また、下記特許文献3には、サドルの高さ調整を簡単に行えるようにしたサドル昇降装置として、車体フレームの立パイプにガススプリングの外筒を挿入固着し、外筒とシリンダに摺接するベースチューブの上端をサドルに連結して、シリンダ内のガス圧及び流路の開閉によりサドルを昇降させるものが記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−168650号公報
【特許文献2】特開平10−59238号公報
【特許文献3】特開2003−104257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、例えば、上記特許文献1に記載されたような昇降装置では、車体フレームの立パイプやサドルポスト等に主要部分を組み込むため、専用の車体フレーム等を製造する必要があり、コスト的に実現が難しい。
【0009】
また、特許文献2に記載の昇降装置では、既存の車体フレームやサドルポストを使用することは可能であるが、サドルがサドルポストの軸心からずれた位置で弧状に昇降することから、強度や作動のスムーズさに問題が生じる恐れがある。
【0010】
また、特許文献3に記載の昇降装置では、既存の自転車の車体フレームを利用でき、サドルが直線的に昇降するが、サドルに大きな偏荷重が作用したとき、ガススプリングがこじられて、スムーズに作動しないことがある。
【0011】
そこで、この発明は、既存の自転車に簡単に取り付けることができ、かつ強度に優れ、安定して作動するサドル昇降装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、この発明では、自転車のサドルを乗車中に昇降可能とするため、サドルを上昇方向へ付勢するばね部材を設け、サドルの急激な昇降を抑制するショックアブソーバを備え、ハンドル側での操作に伴い、サドル昇降の許容・阻止を切り替える自転車のサドル昇降装置において、ショックアブソーバには、シリンダの内径面にピストンロッドが摺接し、その内側に挿入した切替棒の操作に伴い、サドルの昇降の許容・阻止を切り替えるものを用い、そのピストンロッド及びシリンダにそれぞればね部材の上端部及び下端部を係止しておき、車体フレームの立パイプにシリンダを挿入固着し、サドルをピストンロッド上部に固定して、自転車に取り付けるようにしたのである。
【0013】
上記装置においては、ばね部材として圧縮コイル式のものを用い、このばね部材をピストンロッドの外周に嵌め、ばね部材の上端をピストンロッドの上部に取り付けた上受具で受け止め、下端をシリンダに取り付けた下受具で受け止めるようにするとよい。
【0014】
また、圧縮コイル式のばね部材に代えて、ねじりコイル式のばね部材を用い、その上端部をピストンロッドの上部に取り付けた上受具に連結し、下端部をシリンダに取り付けた下受具に連結してもよい。
【0015】
この場合、ねじりコイル式のばね部材を、中間に同軸のコイル部を有する上下のねじりコイルばねから構成して、両方のねじりコイルばねのコイル部を一体的に引締め、又は緩めることにより、ばね部材の付勢力を調整可能とすることができる。
【0016】
具体的には、ばね部材の中間で上下のねじりコイルばねをそれぞればね受具に連結し、摘みの回動に伴いばね受具を調整ボルトの軸方向に移動させて、ばね部材の付勢力を調整可能とすればよい。
【0017】
また、ばね部材の中間で上下のねじりコイルばねをそれぞれウォーム歯車に連結し、摘みの回動に伴いウォーム及びウォーム歯車を回転させて、ばね部材の付勢力を調整可能としてもよい。
【0018】
また、ばね部材の中間で上下のねじりコイルばねの端部をそれぞれ内側へ折り曲げ、これらの端部を、コイル部の内側に挿入した移動体の傾斜ガイド面に摺動可能にそれぞれ係止し、摘みの回動に伴い移動体をコイル部の軸方向に移動させて、ばね部材の付勢力を調整可能としてもよい。
【0019】
なお、上記各装置において、サドルの取り付けに際し、サドルフレームをピストンロッドの上部に取り付けた上受具で下方から支持して、上方から挟持具で挟み込んだ状態で、上受具と挟持具とを下方からボルトをねじ込んで締め付けるようにすると、既存のサドルをそのまま利用することができる。
【0020】
また、シリンダ上端後部に回転体を設け、ピストンロッドの外周の後部に縦方向のガイド溝を形成し、このガイド溝に回転体を係合させ、サドルの昇降に伴い、回転体がガイド溝の底部に接触回転するようにして、ピストンロッドがスムーズにスライドするようにしてもよい。
【0021】
また、この場合、回転体を調整ボルトの回転に伴いガイド溝の底部に押し付けるようにして、ピストンロッドのがたつきを防止するとよい。
【0022】
そのほか、ショックアブソーバとして、ピストンロッドの内外に油が流動して衝撃を吸収し、油の流路を開閉してサドルの昇降の許容・阻止を切り替えるものを用いてもよい。
【0023】
また、上記装置において、ショックアブソーバに、ピストンロッドの内部に連通するチューブを介してエアタンクを接続し、ピストンロッドの内外に油が流動する際、ピストンロッドとエアタンクとの間で空気が流動するようにしたものでは、ピストンロッド内の空気の圧縮比が減少するので、軽い荷重でショックアブソーバが機能する。
【0024】
また、ショックアブソーバとして、ピストンロッドの下部にシリンダの下端から突出する内筒を接続し、内筒とシリンダとの間に油が充填される空間を設け、この空間とピストンロッドの内部との間で油が流動するものを用いても、ピストンロッドの下方におけるシリンダの容積が減少するので、ピストンロッド内の空気の圧縮比が減少し、軽い荷重でショックアブソーバが機能する。
【0025】
さらに、ショックアブソーバとして、ピストンロッドの下部にシリンダの下端から突出する内筒を接続し、内筒に、シリンダ内径面との隙間をシールするピストンシールを挟んで上下2個の通油口を設け、ピストンシールの上方と下方でシリンダと内筒のなす空間を区画して、この空間に油を封入し、上下の通油口を繋ぐ流路の開閉に伴い、サドルの昇降の許容・阻止を切り替えるものを用いると、油が一定容積の閉鎖空間に封入されていることから、シリンダの内部の空気圧の変動によりピストンロッドの動きが不安定になることがなく、ピストンロッドが所定の位置で確実に停止する。
【0026】
一方、上記のような油圧式のショックアブソーバに代えて、ピストンロッドの下方に回動自在にスライド体を設け、このスライド体とシリンダの内径面とをスライドねじで螺合させ、ピストンロッドの上下スライドに伴い、スライド体が回転し、ピストンロッドのスライド移動の速度が減速されるねじ式のショックアブソーバを用いてもよい。
【0027】
このショックアブソーバでは、ピストンロッド及びスライド体を貫通する切替棒の下端部に係止体を固定し、係止体とスライド体との係脱に伴い、切替棒に対するスライド体の回転を阻止・許容し、切替棒の外周に嵌めたばねの一端を切替棒に、他端をピストンロッドに係止して、このばねの弾力的なねじれに伴い、スライド体の回転停止時の衝撃が緩和されるようにするとよい。
【発明の効果】
【0028】
このような自転車のサドル昇降装置では、サドルが車体フレームの立パイプの軸心に沿って直線的に安定して昇降するので、偏荷重による作動不良が防止され、耐久性が向上すると共に、既存の自転車に改造を施すことなく簡単に取り付けることができるので、コストが増大することもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
まず、この発明の第1実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。
【0030】
このサドル昇降装置は、通常の自転車に装着される汎用のものであり、図1及び図2に示すように、サドル50を車体フレームの立パイプ51の上方に昇降可能に支持する構成とされ、サドル50を上昇方向に付勢する圧縮コイル式のばね部材1と、サドル50の急激な昇降を抑制するショックアブソーバ2とを備えている。
【0031】
ショックアブソーバ2のシリンダ3は、既存の自転車のサドルポストに代えて、立パイプ51に挿入され、自転車の使用者がサドル50の上昇時にはペダルを漕ぎやすく、サドル50の下降時には地面に足を着きやすい高さに位置させて、クランプ52により立パイプ51に締め付けて固定される。
【0032】
ショックアブソーバ2には、シリンダ3の内径面に筒状のピストンロッド4が摺接し、このピストンロッド4の内外に油が流動して衝撃を吸収し、油の流路5を弁体6で開閉してサドル50の昇降の許容・阻止を切り替えるものが使用されている。弁体6は、ピストンロッド4の上端から突出した切替棒の操作軸7で操作される。
【0033】
ばね部材1は、ピストンロッド4の外周に嵌められ、その下端はシリンダ3の上端部に取り付けた下受具9の固定用ナット9aで受け止められている。ピストンロッド4の上部には、図2及び図3に示すように、上受具8とその延長部材8aとが一対のナット17で固定され、ばね部材1の上端は、下側のナット17で受け止められている。
【0034】
上受具8は、サドル50のサドルフレーム53を下方から支持し、サドルフレーム53の上方に挟持具18を被せ、サドルフレーム53を挟み込んだ状態で、上受具8を介し挟持具18のねじ穴に下方からボルト19をねじ込んで締め付けることにより、サドル50がピストンロッド4の上部に固定される。
【0035】
上受具8の延長部材8aには、図2に示すように、前部の起立壁21に切替板22が揺動可能に軸支され、切替板22は、揺動に伴い操作軸7を押圧するようになっている。切替板22の後端部には、ハンドル側のレバーへ接続される操作用のワイヤ23が延長部材8aを通して連結され、ワイヤ23には、ばねにより復元力が付与されている。
【0036】
シリンダ3の上端後部には、図2及び図4に示すように、下受具9にベアリング24が設けられ、ピストンロッド4の外周後部には、縦方向に延びるガイド溝25が形成されている。ベアリング24は、シリンダ3の切欠部を介してガイド溝25に係合し、ガイド溝25の底部に接触回転する。
【0037】
このベアリング24により、サドル50に大きな荷重が作用しても、ピストンロッド4はシリンダ3に対してスムーズにスライドし、また、シリンダ3とピストンロッド4との周方向の相対回転が防止される。そのほか、ベアリング24がガイド溝25の下端に当接して、サドル50の上昇が規制される。
【0038】
ベアリング24の支持軸26は、下受具9に形成された前後方向の長穴26aに挿通され、ピストンロッド4がシリンダ3の内径面後部に接触して摩擦が増大しないように、ベアリング24がピストンロッド4を適宜前方へ押圧する位置に調整し、ナット26bを締め付けて固定できるようになっている。
【0039】
一方、上記装置に使用したショックアブソーバ2においては、図5に示すように、シリンダ3の底部が底蓋29で閉じられ、シリンダ3に油が充填されている。シリンダ3に内挿されたピストンロッド4の下部外周には、シリンダ3の内径面との隙間をシールするピストンシール30が嵌められている。
【0040】
ピストンロッド4の空洞の下部に嵌められた下嵌材31には流路5が形成され、ピストンロッド4の空洞は、流路5を介してシリンダ3の下部空間に連通している。下嵌材31の内部には、流路5にかけて上方が狭くなるテーパ部32が設けられ、そのテーパ部32内には球状の弁体6が挿入されている。
【0041】
弁体6の上方には、ピストンロッド4の軸方向へ延びる切替棒33が挿入され、この切替棒33は、ピストンロッド4の空洞の上部に嵌められた上嵌材34をスライド自在に貫通して、その上端部分が操作軸7となっている。弁体6は、ばね35で上方へ押圧され、テーパ部32の小径側に接離して、流路5を開閉するようになっている。
【0042】
このようなショックアブソーバ2では、弁体6がテーパ部32の小径側に当接しているとき、流路5が完全に閉止されて、サドル50の昇降が阻止された状態となり、操作軸7の押圧により弁体6をばね35に抗して押し下げると、流路5が開放されて、サドル50の昇降が許容されるようになる。
【0043】
なお、弁体6は、球状のものに代えてテーパ部32の形状に対応したテーパ形のものとしてもよい。また、弁体6を押し下げて流路5を開閉する弁機構に代えて、開口部を有する弁体の回転に伴い、流路の穴との連通面積を変化させ、流路を開閉する回転式の弁機構を用いてもよい。
【0044】
次に、この発明の第2実施形態を図6乃至図15に基づいて説明する。
【0045】
このサドル昇降装置もまた、通常の自転車に装着される汎用のものであり、図6乃至図8に示すように、サドル50を車体フレームの立パイプ51の上方に昇降可能に支持する構成とされ、サドル50を上昇方向に付勢するばね部材1と、サドル50の急激な昇降を抑制するショックアブソーバ2とを備えている。
【0046】
ショックアブソーバ2のシリンダ3は、既存の自転車のサドルポストに代えて、立パイプ51に挿入され、自転車の使用者がサドル50の上昇時にはペダルを漕ぎやすく、サドル50の下降時には地面に足を着きやすい高さに位置させて、クランプ52により立パイプ51に締め付けて固定される。
【0047】
ショックアブソーバ2には、シリンダ3の内径面に筒状のピストンロッド4が摺接し、このピストンロッド4の内外に油が流動して衝撃を吸収し、油の流路5を弁体6で開閉してサドル50の昇降の許容・阻止を切り替えるものが使用されている。弁体6は、ピストンロッド4の上端から突出した切替棒の操作軸7で操作される。
【0048】
ショックアブソーバ2のピストンロッド4の上部には上受具8が、シリンダ3の上部には下受具9がそれぞれ取り付けられ、上受具8と下受具9の間には、前記ばね部材1が介在している。ばね部材1は、中間に位置するコイル部10の両端に長短の脚部を備えた上下一対のねじりコイルばね11,12から構成されている。
【0049】
ねじりコイルばね11,12の長い脚部のフックは、それぞれ上受具8及び下受具9に連結され、コイル部10には軸材13が挿通されている。軸材13には、摘み14と一体に回転する調整ボルト15が挿通され、ねじりコイルばね11,12の短い脚部のフックは、調整ボルト15に螺合するばね受具16の両端に連結されている。
【0050】
このようなばね部材1では、摘み14を回すと、調整ボルト15も回動し、これに螺合するばね受具16が調整ボルト15の軸方向に移動して、ねじりコイルばね11,12のコイル部10が一体的に引締められ、又は緩められるので、運転者の体重に応じて、ばね部材1の付勢力を容易に調整することができる。
【0051】
また、上受具8は、ピストンロッド4の上部にねじ込んだ一対のナット17により挟持され、上受具8とその上方に被せた挟持具18の両側下部の間にサドルフレーム53を挟み込んだ状態で、ボルト19及びナット20を締め付けることにより、サドル50がピストンロッド4の上部に固定される。
【0052】
上受具8には、前部に位置する起立壁21に切替板22が揺動可能に軸支され、切替板22は、揺動に伴い操作軸7を押圧するようになっている。切替板22の後端部には、ハンドル側のレバーへ接続される操作用のワイヤ23が上受具8を通して連結され、ワイヤ23には、ばねにより復元力が付与されている。
【0053】
また、シリンダ3の上端後部には、下受具9に支持されたベアリング24が設けられ、ピストンロッド4の外周後部には、縦方向に延びるガイド溝25が形成されている。ベアリング24は、シリンダ3の切欠部を介してガイド溝25に係合し、ガイド溝25の底部に接触回転する。
【0054】
このベアリング24により、サドル50に大きな荷重が作用しても、ピストンロッド4はシリンダ3に対してスムーズにスライドし、また、シリンダ3とピストンロッド4との周方向の相対回転が防止される。そのほか、ベアリング24がガイド溝25の下端に当接して、サドル50の上昇が規制される。
【0055】
なお、図9に示すように、ベアリング24の支持軸26は、下受具9に形成された前後方向の長穴26aに挿通され、ナット26bで固定されている。そして、下受具9の後部に螺合する調整ボルト27を適宜回転させると、その先端に設けられた押圧部材28が支持軸26を押圧し、ベアリング24がガイド溝25の底部に押し付けられるので、荷重に抗して、ベアリング24の位置を容易に調整できる。
【0056】
一方、上記装置に使用したショックアブソーバ2は、図5に示すものと同様の構成であり、図10に示すように、弁体6がテーパ部32の小径側に当接しているとき、流路5が完全に閉止されて、サドル50の昇降が阻止された状態となり、操作軸7の押圧により弁体6をばね35に抗して押し下げると、流路5が開放されて、サドル50の昇降が許容されるものである。
【0057】
ところで、ばね部材1の付勢力の調整機構として、図6及び図7に示す調整ボルト15を回転しないように固定しておき、この調整ボルト15に摘み14を螺合させ、摘み14を回すと、ばね受具16が摘み14と共に調整ボルト15の軸方向に移動して、ねじりコイルばね11,12のコイル部10が引締められ、又は緩められるようにしてもよい。
【0058】
そのほか、図11乃至図13に示すように、ばね部材1において、軸材13で支持された枠体36に逆方向のねじ歯を有する2本のウォーム37及びこれに噛合するウォーム歯車38を設け、ねじりコイルばね11,12をそれぞれウォーム歯車38に係止し、摘み14の内周にウォーム37の端部を噛合させ、摘み14の回動に伴いウォーム37及びウォーム歯車38を回転させて、ばね部材1の付勢力を調整可能としてもよい。
【0059】
また、図14及び図15に示すように、ばね部材1の中間でねじりコイルばね11,12の端部を内側へ折り曲げ、コイル部10の内側に保持筒39を挿入すると共に、保持筒39の内側に移動体40を挿入し、ねじりコイルばね11,12の折り曲げた端部を、保持筒39の切溝を介して、移動体40の傾斜ガイド面41に摺動可能にそれぞれ係止し、移動体40に螺合する調整ボルト42を備えた摘み14の回動に伴い、移動体40をコイル部10の軸方向に移動させて、ばね部材1の付勢力を調整可能としてもよい。
【0060】
ここで、移動体40の傾斜ガイド面41は、移動体40がコイル部10の軸方向に移動しても、ねじりコイルばね11,12の端部がほぼ直角に係合するように、内径面にねじ溝を有する円筒状の移動体40の周壁を、一端から軸線方向にかけて捻りつつ斜めに切断した形状としておくとよい。また、保持筒39の切溝は、ねじりコイルばね11,12の端部を保持筒39の一端側から挿入できるように、軸線方向に延びる部分に連通して、周方向の部分を形成しておくとよい。
【0061】
次に、この発明の第3実施形態を、図16及び図17に基づいて説明する。なお、ここでは、基本構成が近似する上記第2実施形態との共通部分の説明は省略し、相違部分についてのみ言及する。
【0062】
このサドル昇降装置は、ショックアブソーバ2に、ピストンロッド4の内部に連通するチューブ43を介してエアタンク44を接続し、エアタンク44を、上受具8の前方への延長部に取り付け、ピストンロッド4の内外に油が流動する際、ピストンロッド4とエアタンク44との間で空気が流動するようにしたものである。
【0063】
このショックアブソーバ2では、図17に示すように、Oリングを用いた弁体6が下嵌材31の下面に接離して流路5を開閉し、弁体6は、切替棒33の下端部にシール押え6a及びナット6bにより固定され、下嵌材31の上面とばね受35aの間に挟まれたばね35により、下嵌材31の下面に密着する方向に付勢されている。
【0064】
また、ピストンロッド4の下部において、Oリングを用いたピストンシール30が下嵌材31の外周に嵌められ、ピストンシール30は、ピストンロッド4と下嵌材31のフランジとの間に挟まれて保持されている。
【0065】
また、ピストンロッド4の上部において、Oリングを用いた上シール34aにより、切替棒33と上嵌材34の間がシールされ、上シール34aは、ピストンロッド4の内径面にねじ込んだシール押え34bと上嵌材34とで挟持されている。そして、チューブ43が上嵌材34及びシール押え34bを貫通している。
【0066】
このように、ショックアブソーバ2にチューブ43を介してエアタンク44を接続すると、ピストンロッド4内の空気の圧縮比が減少するので、軽い荷重でショックアブソーバ2が機能し、ピストンロッド4の上部を密閉して、油の散逸を防止することができる。
【0067】
なお、このサドル昇降装置では、図16に示すように、ばね部材1として1本のねじりコイルばねが使用され、付勢力調整機構は省略されている。また、シリンダ3の上部からピストンロッド4にかけて、ピストンロッド4のスライドに追随する蛇腹状のカバー45が装着され、ピストンロッド4が保護されるようになっている。
【0068】
次に、この発明の第4実施形態を、図18及び図19に基づいて説明する。なお、この実施形態においても、基本構成が近似する上記第2,3実施形態との共通部分の説明は省略し、相違部分についてのみ言及する。
【0069】
このサドル昇降装置は、ショックアブソーバ2として、ピストンロッド4の下部にシリンダ3の下端から突出する内筒46を接続し、内筒46とシリンダ3との間に油が充填される空間を設け、この空間とピストンロッド4の内部との間で油が流動するものを用いたものである。
【0070】
このショックアブソーバ2では、図19に示すように、シリンダ3の下部において、Oリングを用いた下シール29aにより、シリンダ3と内筒46の間がシールされ、下シール29aの上下には、角シール29b及びΩ形ワッシャ29cが嵌められて、下シール29aをシリンダ3の軸方向に位置決めしつつ、シール性を高めている。
【0071】
また、ピストンロッド4と内筒46の接続部付近において、Oリングを用いたピストンシール30が内筒46の外周に嵌められ、その下方に角シール30a及びΩ形ワッシャ30bが嵌められて、ピストンシール30を内筒46の軸方向に位置決めしつつ、シール性を高めている。
【0072】
また、ピストンシール30の下方において、内筒46には通油口46aが設けられ、内筒46の内部には、通油口46aの下方に中詰材46bが詰められて、内筒46に流入した油の下方への漏れを防止している。中詰材46bの上方には、弁体6を下嵌材31の下面に密着するように上方へ付勢するばね35が設けられている。
【0073】
このようなショックアブソーバ2を用いても、ピストンロッド4の下方におけるシリンダ3の容積が減少するので、ピストンロッド4内の空気の圧縮比が減少し、軽い荷重でショックアブソーバが機能する。なお、具体的には、圧縮時の空気圧が2気圧程度になるように設定すればよい。
【0074】
次に、この発明の第5実施形態を、図20乃至図23に基づいて説明する。なお、ここでも、上記各実施形態との共通部分の説明は省略し、特徴的部分についてのみ言及する。
【0075】
このサドル昇降装置では、ばね部材1として、コイル部10の巻数が多いねじりコイルばねが使用され、その上端部が上受具8の右側に、下端部が下受具9の左側にそれぞれ係止されている。なお、ばね部材1の上端部はフック状とされ、上受具8の切起部に形成した貫穴に引っ掛けられている。
【0076】
操作用のワイヤ23は、ハンドル側のレバーを僅かに引くだけで切替板22が所要角度揺動してショックアブソーバ2の切替棒上端に被せたキャップ7aを押圧できるように、ショックアブソーバ2の軸線より前方で切替板22に連結されている。
【0077】
シリンダ3の内周上部には、スリーブ3aが嵌められ、このスリーブ3aにより、ピストンロッド4は、抉られることなく、シリンダ3に対し、軸線方向にスムーズに摺動し、サドル50が昇降するようになっている。
【0078】
下受具9の後部には回止板24aが挟み込まれ、回止板24aは、下向きコ字状のばね受9bと共に支持軸26のボルト及びナット26bにより下受具9に固定されている。回止板24aの前側の凸部は、シリンダ3の貫穴を介してピストンロッド4の後部のガイド溝25に係合し、下受具9とシリンダ3及びピストンロッド4の相対回転を防止する。
【0079】
ばね部材1の下端部もまた支持軸26に係止され、ワッシャ26c,26dを挟んでナット26eにより固定されている。なお、ばね部材1として、所要の付勢力を得るため線径が異なるものを使用する場合には、コイル部の幅が異なるので、厚さの異なるワッシャ26cを用いて、隙間をなくすように調整すればよい。
【0080】
上記装置に使用したショックアブソーバ2は、図23に示すように、シリンダ3及び内筒46が上方部材と下方部材とを接続したものとされ、内筒46の接続部付近にピストンシール30を挟んで上下2個の通油口46aが設けられている。シリンダ3と内筒46のなす空間は、ピストンシール30の下方及び上方に位置する下シール29aと上シール34aとで区画されている。
【0081】
切替棒33の下部と内筒46の間には流路5が形成され、切替棒33の外周下部にはOリングから成る弁体6及び内シール33aが嵌められている。そして、弁体6が内筒46の上方部材の下端に接離して流路5が開閉され、この開閉に伴い、油がピストンシール30の上方又は下方へ流動する。
【0082】
また、切替棒35を上方へ付勢するばね35は、ピストンロッド4と切替棒33の間に挿入された長円筒状のばね受35aと、切替棒33のキャップ7aとの間に設けられ、ばね受35aの下端は内筒46の上端に受け止められている。
【0083】
このようなショックアブソーバ2では、油が一定容積の閉鎖空間に封入されていることから、シリンダ3の内部の空気圧の変動によりピストンロッド4の動きが不安定になることがなく、ピストンロッド4が所定の位置で確実に停止する。
【0084】
なお、上記のような油圧式のショックアブソーバ2に代えて、図24に示すように、ねじ式のショックアブソーバ2を使用してもよい。
【0085】
このショックアブソーバ2では、ピストンロッド4の下端に芯受ボルト4aがねじ込まれ、その外側にスライド体47がボールを介して回動自在に嵌められている。ピストンロッド4は、回止ねじ24bの先端部をガイド溝25に係合させて、シリンダ3に対し回り止めされている。
【0086】
スライド体47の外周及びシリンダ3の内周には、スライドねじ47a,3bがそれぞれ形成され、スライドねじ47a,3bは、リードが大きく、ねじ山の形状が角形になったものとされている。これらの螺合により、ピストンロッド4の上下スライドに伴い、スライド体47が回転し、ピストンロッド4のスライド移動の速度が減速される。
【0087】
ピストンロッド4及び芯受ボルト4aに挿通された切替棒33の下端部には、係止体48がナット33bにより取り付けられて回り止めされ、係止体48の上面には十字状に突出した山形の爪48aが形成されている。また、スライド体47の下面には、谷形の切込による爪受47bが形成されている。
【0088】
また、切替棒33は、その外周上部に嵌めたばね35により、ピストンロッド4に対して上方に付勢され、上端部にキャップ7aを被せた切替棒33が上下にスライドすると、爪48aと爪受47bとが係脱して、切替棒33に対するスライド体47の回転が阻止・許容される。
【0089】
上記ばね35は、上端部が切替棒33の穴に差し込んで係止され、下端部がピストンロッド4の溝に挿入されて係止されている。このため、爪48aと爪受47bとが係合しても、スライド体47の回転は即座には停止せず、ばね35の弾力的なねじれに伴い減速されつつ、穏かに停止する。
【0090】
このようなねじ式のショックアブソーバ2を用いたサドル昇降装置は、ピストンロッド4が下方へスライドしたとき、シリンダ3から下方へ突出する部分がないので、立パイプ51が短い子供用の自転車にも装着することができるほか、ばね35によりクッション性が付与されて、自転車の乗り心地も向上する。また、部品点数が少なく、構造が簡単なため、低コストで製造でき、油漏れ等の故障のおそれも減少する。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】第1実施形態に係る自転車のサドル昇降装置を示す斜視図
【図2】同上の要部切欠側面図
【図3】同上のサドル固定部を示す拡大縦断後面図
【図4】同上のベアリングの支持部を示す拡大横断平面図
【図5】同上のショックアブソーバを示す縦断側面図
【図6】第2実施形態に係る自転車のサドル昇降装置を示す斜視図
【図7】同上の一部切欠側面図
【図8】同上の一部切欠後面図
【図9】同上のベアリングの支持部を示す拡大横断平面図
【図10】同上のショックアブソーバを示す縦断側面図
【図11】同上のウォーム式調整機構を備えたばね部材を示す一部切欠側面図
【図12】同上の横断平面図
【図13】同上の縦断後面図
【図14】同上の摺動式調整機構を備えたばね部材を示す斜視図
【図15】同上の縦断前面図
【図16】第3実施形態に係る自転車のサドル昇降装置を示す一部切欠側面図
【図17】同上のショックアブソーバを示す縦断側面図
【図18】第4実施形態に係る自転車のサドル昇降装置を示す一部切欠側面図
【図19】同上のショックアブソーバを示す縦断側面図
【図20】第5実施形態に係る自転車のサドル昇降装置を示す斜視図
【図21】同上の要部切欠側面図
【図22】同上の下受具付近を示す後面図
【図23】同上のショックアブソーバを示す縦断側面図
【図24】同上のショックアブソーバの他例を示す縦断側面図
【符号の説明】
【0092】
1 ばね部材
2 ショックアブソーバ
3 シリンダ
3a スリーブ
3b スライドねじ
4 ピストンロッド
4a 芯受ボルト
5 流路
6 弁体
6a シール押え
6b ナット
7 操作軸
7a キャップ
8 上受具
8a 延長部材
9 下受具
9a ナット
9b ばね受
10 コイル部
11,12 ねじりコイルばね
13 軸材
14 摘み
15 調整ボルト
16 ばね受具
17 ナット
18 挟持具
19 ボルト
20 ナット
21 起立壁
22 切替板
23 ワイヤ
24 ベアリング
24a 回止板
24b 回止ボルト
25 ガイド溝
26 支持軸
26a 長穴
26b,26e ナット
26c,26d ワッシャ
27 調整ボルト
28 押圧部材
29 底蓋
29a 下シール
29b 角シール
29c Ω形ワッシャ
30 ピストンシール
30a 角シール
30b Ω形ワッシャ
31 下嵌材
32 テーパ部
33 切替棒
33a 内シール
33b ナット
34 上嵌材
34a 上シール
34b シール押え
35 ばね
35a ばね受
36 枠体
37 ウォーム
38 ウォーム歯車
39 保持筒
40 移動体
41 傾斜ガイド面
42 調整ボルト
43 チューブ
44 エアタンク
45 カバー
46 内筒
46a 通油口
46b 中詰材
47 スライド体
47a スライドねじ
47b 爪受
48 係止体
48a 爪
50 サドル
51 立パイプ
52 クランプ
53 サドルフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車のサドルを乗車中に昇降可能とするため、サドルを上昇方向へ付勢するばね部材を設け、サドルの急激な昇降を抑制するショックアブソーバを備え、ハンドル側での操作に伴い、サドル昇降の許容・阻止を切り替える自転車のサドル昇降装置において、ショックアブソーバには、シリンダの内径面にピストンロッドが摺接し、その内側に挿入した切替棒の操作に伴い、サドルの昇降の許容・阻止を切り替えるものを用い、そのピストンロッド及びシリンダにそれぞればね部材の上端部及び下端部を係止しておき、車体フレームの立パイプにシリンダを挿入固着し、サドルをピストンロッド上部に固定して、自転車に取り付けるようにしたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自転車のサドル昇降装置において、ばね部材として圧縮コイル式のものを用い、このばね部材をピストンロッドの外周に嵌め、ばね部材の上端をピストンロッドの上部に取り付けた上受具で受け止め、下端をシリンダに取り付けた下受具で受け止めるようにしたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項3】
請求項1に記載の自転車のサドル昇降装置において、ばね部材としてねじりコイル式のものを用い、その上端部をピストンロッドの上部に取り付けた上受具に連結し、下端部をシリンダに取り付けた下受具に連結したことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項4】
請求項3に記載の自転車のサドル昇降装置において、ばね部材を、中間に同軸のコイル部を有する上下のねじりコイルばねから構成して、両方のねじりコイルばねのコイル部を一体的に引締め、又は緩めることにより、ばね部材の付勢力を調整可能としたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項5】
請求項4に記載の自転車のサドル昇降装置において、ばね部材の中間で上下のねじりコイルばねをそれぞればね受具に連結し、摘みの回動に伴いばね受具を調整ボルトの軸方向に移動させて、ばね部材の付勢力を調整可能としたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項6】
請求項4に記載の自転車のサドル昇降装置において、ばね部材の中間で上下のねじりコイルばねをそれぞれウォーム歯車に連結し、摘みの回動に伴いウォーム及びウォーム歯車を回転させて、ばね部材の付勢力を調整可能としたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項7】
請求項4に記載の自転車のサドル昇降装置において、ばね部材の中間で上下のねじりコイルばねの端部をそれぞれ内側へ折り曲げ、これらの端部を、コイル部の内側に挿入した移動体の傾斜ガイド面に摺動可能にそれぞれ係止し、摘みの回動に伴い移動体をコイル部の軸方向に移動させて、ばね部材の付勢力を調整可能としたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の自転車のサドル昇降装置において、サドルの取り付けに際し、サドルフレームをピストンロッドの上部に取り付けた上受具で下方から支持して、上方から挟持具で挟み込んだ状態で、上受具と挟持具とを下方からボルトをねじ込んで締め付けるようにしたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の自転車のサドル昇降装置において、シリンダ上端後部に回転体を設け、ピストンロッドの外周の後部に縦方向のガイド溝を形成し、このガイド溝に回転体を係合させて、サドルの昇降に伴い、回転体がガイド溝の底部に接触回転するようにしたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項10】
請求項9に記載の自転車のサドル昇降装置において、回転体を調整ボルトの回転に伴いガイド溝の底部に押し付けるようにしたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の自転車のサドル昇降装置において、ショックアブソーバとして、ピストンロッドの内外に油が流動して衝撃を吸収し、油の流路を開閉してサドルの昇降の許容・阻止を切り替えるものを用いたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項12】
請求項11に記載の自転車のサドル昇降装置において、ショックアブソーバに、ピストンロッドの内部に連通するチューブを介してエアタンクを接続し、ピストンロッドの内外に油が流動する際、ピストンロッドとエアタンクとの間で空気が流動するようにしたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項13】
請求項11に記載の自転車のサドル昇降装置において、ショックアブソーバとして、ピストンロッドの下部にシリンダの下端から突出する内筒を接続し、内筒とシリンダとの間に油が充填される空間を設け、この空間とピストンロッドの内部との間で油が流動するものを用いたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項14】
請求項1乃至10のいずれかに記載の自転車のサドル昇降装置において、ショックアブソーバとして、ピストンロッドの下部にシリンダの下端から突出する内筒を接続し、内筒に、シリンダ内径面との隙間をシールするピストンシールを挟んで上下2個の通油口を設け、ピストンシールの上方と下方でシリンダと内筒のなす空間を区画して、この空間に油を封入し、上下の通油口を繋ぐ流路の開閉に伴い、サドルの昇降の許容・阻止を切り替えるものを用いたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項15】
請求項1乃至10のいずれかに記載の自転車のサドル昇降装置において、ショックアブソーバとして、ピストンロッドの下方に回動自在にスライド体を設け、このスライド体とシリンダの内径面とをスライドねじで螺合させ、ピストンロッドの上下スライドに伴い、スライド体が回転し、ピストンロッドのスライド移動の速度が減速されるものを用いたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。
【請求項16】
請求項15に記載の自転車のサドル昇降装置において、ピストンロッド及びスライド体を貫通する切替棒の下端部に係止体を固定し、係止体とスライド体との係脱に伴い、切替棒に対するスライド体の回転を阻止・許容し、切替棒の外周に嵌めたばねの一端を切替棒に、他端をピストンロッドに係止して、このばねの弾力的なねじれに伴い、スライド体の回転停止時の衝撃が緩和されるようにしたことを特徴とする自転車のサドル昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−193128(P2006−193128A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−14464(P2005−14464)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(304003837)有限会社藤原ホイル (12)
【Fターム(参考)】