説明

自転車判別装置

【課題】 自転車の入出庫時に取扱いの邪魔にならず、比較的簡単な方法によって、所定の制限範囲外に後部カゴや後部チャイルドシート等を取り付けてある自転車の入場を排除して、駐輪装置の円滑な運営を行なえる自転車判別装置を提供する。
【解決手段】 自転車10の位置を規制する規制手段31を有する駐輪装置30に取り付け、サドル12の後端より後方で後部荷台13等の後輪上部の構造物の上端より上方、かつ予め定められた駐輪装置の制限高さHより下方の範囲に、物体の検出手段を設けたことを特徴とするもので、物体の検出手段を光電センサもしくは画像処理機能を有するカメラとした自転車判別装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車を駐輪装置に格納する場合等に、後部に取付けたカゴやチャイルドシート等の有無をセンサによって自動的に判別する自転車判別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自転車の後部に取り付けたカゴあるいは後部チャイルドシート等は、センサによる有効な自動判別手段がないため、近年普及している機械式駐輪装置において、格納する自転車の寸法、制限の確認は管理者や利用者自身に依存せざるを得なかった。そのため自転車の管理が不十分となるという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、自転車の入出庫時に取扱いの邪魔にならず、比較的簡単な方法によって、格納する自転車の所定の制限範囲外に後部カゴや後部チャイルドシート等を取り付けてある自転車の入場を排除して、駐輪装置の円滑な運営を行なえる自転車判別装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の要旨とするところは、自転車の位置を規制する規制手段を有する自転車判別装置であり、
サドルの後端より後方で後部荷台等の後輪上部の構造物の上端より上方、かつ予め定められた駐輪装置の制限高さより下方の範囲を検出する、物体の検出手段を設けたことを特徴とする。
【0005】
また本発明の要旨とするところは、上記自転車判別装置において、物体の検出手段を透過型もしくは反射型の光電センサとしたことを特徴とする。
【0006】
また本発明の要旨とするところは、上記自転車判別装置において、物体の検出手段を画像処理機能を有するカメラとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は上記の如き構成であるため、以下の効果を奏する。
自転車の位置を規制する規制手段に自転車をセットした状態で、サドルの後端より後方で後部荷台等の後輪上部の構造物の上端より上方、かつ予め定められた制限高さより下方の範囲を検出する物体の検出手段を設けることで、後部荷台上に後部カゴやチャイルドシート等の高さ制限を超える物体がある場合、それらの物体を正確かつ確実に検出することができる。
そのため、大きさの制限を超えた自転車の入場を有効に排除でき、また、自転車の入出庫時に取り扱いの邪魔にならず、駐輪装置の円滑な運営を行なえるのである。
【0008】
上記物体の検出手段を透過型もしくは反射型の光電センサとした場合は、カゴ等のメッシュ状の物体であっても、自転車を位置規制手段にセットした位置から前方に移動させながら、検出手段を一定時間連続的に作動させることで、正確、確実に物体を検出することができる。
また、検出手段に反射型の光電センサを利用すると、駐輪装置において利用者の動線上にセンサ等が存在しないため、自転車の入出庫作業の邪魔にならないというメリットがある。
【0009】
上記物体の検出手段を画像処理機能を有するカメラとした場合は、当該物体の形状等のより完全な情報を得ることができるため、自転車をセットした時点で瞬時に正確に物体の有無を検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の第1実施形態は、物体の検出手段を反射型の光電センサとした自転車判別装置である。以下、図に基づいて詳細に説明する。
図1は自転車判別装置の設置位置を示す側面図、図2は自転車判別装置の作動を説明する側面図、図3は自転車判別装置の作動を説明する平面図、図4は反射型センサの作動を説明する側面図、図5は反射型センサの作動を説明する背面図である。
【0011】
本実施形態の自転車判別装置の構成を図に基づいて説明する。
図1乃至図5において、符号10は自転車であり、駐輪装置30にセットされた状態を示している。この駐輪装置30は、自転車の前後方向位置を規制する規制手段31を有している。図は、駐輪装置30の入出庫ゲート部分を示したもので、図示しない搬送手段により、自動的に自転車をゲート内部に引き込み、格納位置に自転車を搬送する。
本実施形態で用いる物体の検出手段は反射型の光電センサ20であり、駐輪装置30の壁面に取り付けられている。
この光電センサ20は、当該自転車10を含め、一般的な自転車の最大寸法におけるサドル12の最後端より後方で、後部カゴやチャイルドシート等のアクセサリーや荷物を取り付けていない状態の後部荷台13あるいは子供用自転車におけるフラッシュ等の飾り物等のような後輪上部の構造物の最上端より上方、かつ予め定められた駐輪装置のサドルより後方に対する制限高さHより下方の範囲に設けられている。すなわち本実施形態では図1において、サドル12の後端に接する垂線L1と、後部荷台の上端に接する水平線L2と、駐輪装置の制限高さHの水平線L3に囲まれた範囲内に設置される。
【0012】
図中符号31は自転車10の前後位置を規制する規制手段であり、本実施形態では、駐輪装置30に備え付けた平板部材からなる前輪11のストッパーによって構成されている。また、前輪掴み装置32により前輪11がストッパー31に接触した時点で前輪11を固定し、自転車の転倒も防止している。また、図5に示す案内溝33により後輪の左右方向を規制すると共に溝33の下面が上記制限高さHの基準となる。
規制手段はこの実施形態に限らず、例えば、図示はしないが、自転車の後輪を位置決めする車止め等、前後方向と高さを規制する方法によって構成することができる。
【0013】
上記のように構成した本実施形態の作用を説明する。
自転車10を駐輪装置30に入庫する際には、ストッパー31等の位置規制手段で自転車位置を規制した後に自転車10は図2の矢印A方向に引き込まれていき、光電センサ20は光線21を後部カゴ15に投射し、その反射光22を受光する。
このとき光電センサ20は、サドル12の後端より後方で後部荷台13の上端より上方、かつ予め定められた駐輪装置の制限高さHより下方の範囲を検出するようにに設けられているため、その範囲に存在する物体、すなわち制限を超えている後部カゴ15を確実に検出して、駐輪装置30の規格に適合しない自転車の入庫を排除することができる。これによって駐輪装置30の管理を自動的に行なうことができる。
【0014】
また、検出すべき物体が、カゴ等のメッシュ状の物体であっても、自転車10を入庫する際の引き込み中に光電センサ20を一定時間連続的に作動させることで、メッシュ状の物体を正確、確実に物体を検出することができる。その際には図示しない他のセンサにより利用者はエリア外の安全な場所に退避しているので自転車10に取り付けられた物体以外の物を検知することがない。
なお、本実施形態では、自転車を引き込みながら物体を検出しているが、これに限らず、自転車が停止した状態で物体を検出することもできる。
【0015】
本発明の第2実施形態を、図6に基づいて説明する。
この実施形態は、検出手段を透過型の光電センサ40としたものである。この光電センサ40は、発光部41と受光部42からなる。そして上記第1実施形態と同様に、当該自転車10のサドル12の後端より後方で後部荷台13の上端より上方、かつ予め定められた駐輪装置の制限高さHより下方の範囲に設けられている。
【0016】
本実施形態の使用に際しては、自転車10を駐輪装置30に入庫すると、自転車10は発光部41と受光部42の間を通過するため、発光部41から投射された光線21を横切ることになり、後部カゴ15を検出することができるのである。
【0017】
本発明の第3実施形態を、図7に基づいて説明する。
この実施形態は、検出手段を画像処理機能を有するカメラ50としたものである。このカメラ50も上記第1及び第2実施形態の検出手段と同様の範囲にある物体を検出するように設置され使用されるため、物体の有効な検出作業が行なえる。
さらに本実施形態の場合は、後部カゴ15等のエリア内にある物体の存在を当該物体の形状等に限らず瞬時に認識することができるため、引込み動作と連動して検出する必要がなく、より正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】自転車判別装置の設置位置を示す側面図
【図2】自転車判別装置の作動を説明する側面図
【図3】自転車判別装置の作動を説明する平面図
【図4】反射型センサの作動を説明する側面図
【図5】反射型センサの作動を説明する背面図
【図6】透過型センサの作動を説明する平面図
【図7】カメラの作動を説明する平面図
【符号の説明】
【0019】
10 自転車
12 サドル
13 後部荷台
15 後部カゴ(物体)
20 光電センサ
30 駐輪装置
31 規制手段
32 前輪掴み装置
33 案内溝
40 光電センサ
50 カメラ
H 制限高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車の位置を規制する規制手段を有し、サドルの後端より後方で後部荷台等の後輪上部の構造物の上端より上方、かつ予め定められた制限高さより下方の範囲を検出する、物体の検出手段を設けたことを特徴とする自転車判別装置。
【請求項2】
上記自転車判別装置において、物体の検出手段を透過型もしくは反射型の光電センサとしたことを特徴とする請求項1記載の自転車判別装置。
【請求項3】
上記自転車判別装置において、物体の検出手段を画像処理機能を有するカメラとしたことを特徴とする請求項1記載の自転車判別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−207240(P2006−207240A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−20153(P2005−20153)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(000141521)株式会社技研製作所 (83)