説明

自転車用電装システムの診断装置

【課題】、複数の電装品が接続される自転車用電装システムの診断装置において、診断対象の電装品を特定しやすくする
【解決手段】自転車用電装システムの診断装置30は、複数の電装品が接続される自転車用電装システム7の診断装置である。自転車用電装システムの診断装置30は、通信アダプタ40と、電装品識別部60を備える管理システム50とを備える。通信アダプタ40は、電装システム7に脱着可能である。電装品識別部60は、通信アダプタ40をいずれかの電装品に接続した状態で電装システム7と通信を行い、電装システム7の複数の電装品を識別可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断装置、特に、複数の電装品が接続される自転車用電装システムの診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
診断対象の自転車用電装品に診断装置を接続して、電装品の診断を行う技術が従来知られている(特許文献1参照)。従来の診断装置は、コネクタによって電装品に接続され、電装品と通信して診断を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7819032号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の診断装置では、診断対象となる電装品に配線を介してダイレクトに診断装置を接続しないと、診断を行えない。このため、多数の電装品がある場合、診断のために配線を繋ぎ変えたり、診断装置から各電装品にそれぞれ配線を接続したりする必要がある。
【0005】
本発明の課題は、複数の電装品が接続される自転車用電装システムの診断装置において、診断にかかる手間を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明1に係る自転車用電装システムの診断装置は、複数の電装品が接続される自転車用電装システムの診断装置である。自転車用電装システムの診断装置は、接続部と、電装品識別部と、を備える。接続部は、電装システムに脱着可能である。電装品識別部は、接続部をいずれかの電装品に接続した状態で電装システムと通信を行い、電装システムの複数の電装品を識別可能である。このように、診断装置が、接続されている複数の電装品を識別するので、診断装置を自転車用電装システムのいずれの電装品に接続しても、各電装品の診断を行うことができ、診断にかかる手間を軽減することができる。
【0007】
発明2に係る自転車用電装システムの診断装置は、発明1に記載の自転車用電装システムの診断装置において、接続部は、電装システムの複数の電装品のいずれか、または電装品の間に接続される。この場合には、電装品の間または電装品のいずれかに接続部を接続できるので、接続しやすい場所に接続部を接続できる。
【0008】
発明3に係る自転車用電装システムの診断装置は、発明1または2に記載の自転車用電装システムの診断装置において、電装品識別部で識別した電装品を表示する表示部をさらに備える。この場合、識別された電装品が表示されるので、ユーザは実際に診断装置が電装品を認識しているのか否かを把握することができる。
【0009】
発明4に係る自転車用電装システムの診断装置は、発明1から3のいずれかに記載の自転車用電装システムの診断装置において、電装品識別部で識別された電装品の故障の有無を診断する故障診断部をさらに備える。この場合には、故障した電装品を特定できる。
【0010】
発明5に係る自転車用電装システムの診断装置は、発明4に記載の自転車用電装システムの診断装置において、表示部は、故障があると故障診断部が診断した場合、故障した電装品を表示する。この場合には、ユーザは、故障した電装品を容易に把握することができる。
【0011】
発明6に係る自転車用電装システムの診断装置は、発明4に記載の自転車用電装システムの診断装置において、故障診断部は、電装品に含まれる電気部品の故障の有無を診断する。この場合には、故障した電装品に含まれる電気部品を特定できる。
【0012】
発明7に係る自転車用電装システムの診断装置は、発明6に記載の自転車用電装システムの診断装置において、表示部は、故障があると故障診断部が診断した場合、故障診断部が故障と診断した電気部品を表示する。この場合には、ユーザは、故障した電気部品を容易に認識することができる。
【0013】
発明8に係る自転車用電装システムの診断装置は、発明4から7のいずれかに記載の自転車用電装システムの診断装置において、表示部は、故障があると故障診断部が診断した場合、故障の原因を表示する。この場合には、故障した電気部品の故障原因が表示されるので、ユーザは、故障に対処しやすくなる。
【0014】
発明9に係る自転車用電装システムの診断装置は、発明4から8のいずれかに記載の自転車用電装システムの診断装置において、表示部は、故障があると故障診断部が診断した場合、故障に対応した修理方法を表示する。この場合には、故障した電気部品の故障に対応する修理方法が表示されるので、ユーザが部品の交換等を迅速に行え、故障にさらに容易に対処できる。
【0015】
発明10に係る自転車用電装システムの診断装置は、発明1から9のいずれかに記載の自転車用電装システムの診断装置において、電装システムの各電装品は、電力線通信を用いて接続される。接続部は、電力線通信線を用いて、電装システムに接続される。この場合には、接続部をいずれの電装品にも容易に接続できる。
【0016】
発明11に係る自転車用電装システムの診断装置は、発明10に記載の自転車用電装システムの診断装置において、電装システムの各電装品は、電力線通信の端子を有する。接続部は、電力線通信の端子に接続される。この場合には、電力線通信の端子に電力通信線をつなぐだけで、電力供給と信号の通信を行える。
【0017】
発明12に係る自転車用電装システムの診断装置は、発明1から11のいずれかに記載の自転車用電装システムの診断装置において、電装品は、通信ケーブルを含む。この場合には、通信ケーブルに読み取り可能な識別情報を設けることにより、通信ケーブルの不具合にも対応できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、診断装置が、接続されている複数の電装品を識別するので、診断装置を自転車用電装システムのいずれの電装品に接続しても、各電装品の診断を行うことができ、診断にかかる手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による自転車用電装システムの診断装置と、この診断装置に接続される電装システムとを示すブロック図。
【図2】自転車用電装システムのバス接続構造を示すブロック図。
【図3】診断装置の機能構成を示すブロック図。
【図4】診断ソフトウェアのフローチャート。
【図5】故障診断処理のフローチャート。
【図6】システム診断処理のフローチャート。
【図7】個別診断処理のフローチャート。
【図8】診断処理のメニュー画面の一例を示す図。
【図9】カスタマイズ処理のユニット接続待ち画面の一例を示す図。
【図10】カスタマイズ処理のシフトスイッチ機能設定画面の一例を示す図。
【図11】カスタマイズ処理のシフトスイッチ設定画面の一例を示す図。
【図12】故障診断処理のメニュー画面の一例を示す図。
【図13】システム診断処理の接続ユニット選択画面の一例を示す図。
【図14】システムおよび個別診断処理のユニット識別画面の一例を示す図。
【図15】システムおよび個別診断処理の故障診断画面(故障診断開始画面)の一例を示す図。
【図16】システムおよび個別診断処理の故障診断画面(スイッチ操作指示画面)の一例を示す図。
【図17】システムおよび個別診断処理の故障診断画面(スイッチ操作終了画面)の一例を示す図。
【図18】システムおよび個別診断処理の故障診断画面(電気部品正常画面)の一例を示す図。
【図19】システムおよび個別診断処理の故障診断画面(電気部品故障画面)の一例を示す図。
【図20】故障診断処理の故障診断画面(ユニット診断完了画面)の一例を示す図。
【図21】ファームウェアアップデート画面の一例を示す図。
【図22】ファームウェア書き込み画面の一例を示す図。
【図23】他の実施形態の診断処理のメニュー画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1において、本発明の第1実施形態による自転車用電装システムの診断装置30は、自転車用通信アダプタ(以下、通信アダプタという)40と、管理装置50とを含んで構成される。通信アダプタ40を介して管理システム50に接続される自転車用電装システム(以下、電装システムという)7は、電力線通信(Power Line Communication:以下、PLCと略す)規格により複数の電装品を接続可能なシステムである。通信アダプタ40は電装システムに脱着可能な接続部である。電装システム7は、PLC規格により接続される複数の電装品を含む。本実施形態の電装システム7では、電装品として例えば、電動駆動可能なリアディレーラ10rと、電動駆動可能なフロントディレーラ10fと、バッテリユニット12と、動作モード変更ユニット14と、第1変速操作部16rと、第2変速操作部16fと、を備える。各電装品には、固有の識別情報が付与されている。各電装品には、通信によって記憶された情報を読み出し可能なメモリが設けられ、このメモリに固有の識別情報が記憶されている。
【0021】
リアディレーラ10rは、リア変速モータ20rと、リア段数センサ21rと、リア制御部22rと、を有する。リア変速モータ20rは、リアディレーラ10rの図示しないチェーンガイドをシフトアップおよびシフトタウン方向に駆動する。リア段数センサ21rは、チェーンガイドを複数の変速位置に位置決めするために使用される。リア制御部22rは、たとえば第1変速操作部16rの後述するスイッチXおよびスイッチYの操作に応じてリア変速モータ20rを制御する。
【0022】
フロントディレーラ10fは、フロント変速モータ20fと、フロント段数センサ21fと、フロント制御部22fと、を有する。フロント変速モータ20fは、フロントディレーラ10fの図示しないチェーンガイドをシフトアップおよびシフトタウン方向に駆動する。フロント段数センサ21fは、チェーンガイドを複数の変速位置に位置決めするために使用される。フロント制御部22fは、たとえば第2変速操作部16fの後述するスイッチXおよびスイッチYの操作に応じてフロント変速モータ20fを変速制御する。
【0023】
バッテリユニット12は、例えばリチウムイオンバッテリ等のバッテリ12aを着脱自在に保持する。モード変更ユニット14は、フロントディレーラ10fおよびリアディレーラ10rの各変速段におけるチェーンガイドの位置を微調整するために、電装システム7の動作モードを選択するために設けられる。モード変更ユニット14は、モード変更スイッチ14aを有する。モード変更スイッチ14aを操作することによって、電装システム7を調整モードで動作させるかを選択することができる。調整モードでは、たとえば第1変速操作部16rの後述するスイッチXまたはスイッチYを操作することによって、リアディレーラ10rのチェーンガイドの位置をシフトアップ側またはシフトダウン側に微調整することができる。また、調整モードでは、第2変速操作部16fの後述するスイッチXおよびスイッチYの操作することによって、フロントディレーラ10fのチェーンガイドの位置をシフトアップ側またはシフトダウン側に微調整することができる。
【0024】
第1変速操作部16rは、リアディレーラ10rの変速操作に用いるスイッチXおよびスイッチYを有する。第2変速操作部16fは、フロントディレーラ10fの変速操作に用いるスイッチXおよびスイッチYを有する。第1変速操作部16rのスイッチXおよびスイッチYは、たとえばフロントブレーキを制動するためのブレーキレバー、またはブレーキレバーのブラケットに設けられる。第2変速操作部16fのスイッチXおよびスイッチYは、たとえばリアブレーキを制動するためのブレーキレバー、またはブレーキレバーのブラケットに設けられる。
【0025】
これらの各電装品は、電力通信線25により接続される。各電装品には、電力通信線25の両端に設けられるコネクタが接続可能な通信端子26が装着される。通信端子26は、例えば、2芯のメスコネクタである。通信端子26は、電装システム7の終端にある電装品(例えば、リアディレーラ10r)には、1つしか設けられないが、その他の電装品には2つ設けられる。なお、終端にある電装品に通信端子26を2つ設けてもよい。例えば、この実施形態では、終端にある第2変速操作部16fには、通信端子26が2つ設けられる。さらに電装品として、たとえば第1及び第2変速操作部とは異なる形態の変速スイッチ、たとえば後述するサテライトスイッチを取り付ける場合、第2変速操作部16fにある使用していない通信端子26に電力通信線25を用いて追加して接続することができる。
【0026】
なお、図1では、通信アダプタ40をモード変更ユニット14と第1変速操作部16rとの間に接続している。しかし、通信アダプタ40が取り外された状態の、通常の電装システム7では、モード変更ユニット14と第1変速操作部16rとが、電力通信線25により接続される。
【0027】
図2に示すように、各電装品は、シリアルバス構造に接続されている。すなわち、図2に示す、電装品の内部にもシリアルバスSBが設けられており、通信アダプタ40を装着した場合、通信アダプタ40と各電装品と電力通信線25とでシリアルバスSBが構成される。これにより、いずれの電装品を接続または離脱しても、電力通信線25で接続されていれば電装品は動作可能である。例えば、図1において、通信アダプタ40と、モード変更ユニット14と、を外しても、バッテリユニット12と、第1変速操作部16rと、を電力通信線25で接続することにより、電装システム7は動作する。また、たとえばフロントディレーラ10fが通常の変速ケーブルで動作する場合は、バッテリユニット12とリアディレーラ10rとを電力通信線25で接続すればよい。この場合にも、電装システム7は動作する。
【0028】
通信アダプタ40は、図1に示すように、管理システム50と、2本の通信線および2本の電力線を有するUSBケーブル29を介して接続可能である。通信アダプタ40は、電力線通信用の2つの第1通信端子27と、管理システム50と通信可能な第2通信端子28と、を有する。第1通信端子27は、電装品の通信端子26と同じ仕様である。第2通信端子28は、例えば、USBメスBコネクタで構成される。第1通信端子27を2つ設けることにより、電装システム7に通信アダプタ40を専用で接続するための通信端子を設けなくても、電装システム7の全ての電装品と通信可能に通信アダプタ40を接続可能である。例えば、図1では、モード変更ユニット14と第1変速操作部16rとの間に通信アダプタ40を接続したが、バッテリユニット12とフロントディレーラ10fの間等のいずれか2つの電装品の間に通信アダプタ40を接続可能である。
【0029】
管理システム50は、例えば、USB規格の入出力端子50a(例えば、USBメスAコネクタ)を有するパーソナルコンピュータ(Personal Computer:以下、PCという)で構成される。管理システム50は、キーボードおよびマウスなどの入力装置と、ディスプレイとを含む。管理システム50は、PC内に格納された診断ソフトウェアにより、各電装品の故障診断、各電装品の設定、各電装品のファームウェアの更新等の管理処理を実行可能である。
【0030】
図3に示すように、管理システム50は、ソフトウェアを実行することによって実現される機能構成として、電装品識別部60と、表示部62と、故障診断部64と、カスタマイズ部66とを有する。電装品識別部60は、通信アダプタ40をいずれかの電装品に接続した状態で電装システム7と通信を行い、電装システム7の複数の電装品を識別可能である。表示部62は、電装品識別部60で識別した電装品をディスプレイに表示する。故障診断部64は、電装品識別部60で識別された電装品の故障の有無を診断する。また本実施の形態では、故障診断部64は、さらに、電装品識別部60で識別された電装品に含まれる電気部品の故障の有無を診断する。
【0031】
表示部62は、故障があると故障診断部64が診断した場合、故障診断部64が故障と診断した電装品をディスプレイに表示する。また本実施の形態では、故障診断部64は、故障があると故障診断部64が診断した場合、さらに、故障診断部64が故障と診断した電気部品をディスプレイに表示する。電装品に含まれる電気部品は、たとえば、第1および第2変速操作部16r,16fのスイッチ、フロントおよびリアディレーラ10f,10rに含まれるモータおよび位置センサなどである。
【0032】
また表示部62は、故障があると故障診断部64が診断した場合、故障の原因をディスプレイに表示する。さらに表示部62は、故障があると故障診断部64が診断した場合、故障に対応する修理方法をディスプレイに表示する。カスタマイズ部66は、電装品のたとえば、スイッチ等の電気部品の各種のカスタマイズ設定を行うときに使用される。
【0033】
入力装置からの指示によってPCが診断ソフトウェアを実行すると、管理システム50として機能する。診断ソフトウェアの処理の流れを、図4、図5、図6および図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0034】
診断ソフトウェアを起動すると、図4のステップS1で管理システム50は、診断ソフトウェアのメニュー画面をディスプレイに表示する。メニュー画面の一例を図8に示す。
【0035】
図8では、画面上部にはメニューバーが表示される。画面右側に自転車全体の絵が表示され、自転車に搭載可能な電装品(以下、ユニットという)の絵が認識可能に表示される。ユニットは、たとえば自転車の他の部分と異なる色で表示され、薄い濃度で表示される。また、画面左側には、診断ソフトウェアが実行可能な選択項目が並べて表示される。ここでは、選択項目は上下方向に並べて表示されるが、左右方向、あるいはマトリクス状に並べて表示されてもよい。選択項目としては、たとえば、「カスタマイズ」、「故障診断」、「ファームウェアアップデート」および「初期ファームウェア書込み」の4つの項目である。操作者は、入力装置を用いて、4つの選択項目のいずれかにカーソルを合わせて項目を選択する。
【0036】
図4のステップS2では、管理システム50は、カスタマイズが選択されたか否かを判断する。ステップS2では、管理システム50は、故障診断が選択されたか否かを判断する。ステップS3では、管理システム50は、ファームウェアアップデートが選択されたか否かを判断する。ステップS4では、管理システム50は、初期ファームウェア書込みが選択されたか否かを判断する。ステップS5では、管理システム50は、メニューバーに含まれる項目等に対応するその他の処理が選択されたか否かを判断する。ステップS6では、管理システム50は、メニューバーの「ファイル」からプルダウンメニューで終了が選択されたか否かを判断する。終了が選択されると診断ソフトウェアを終了する。
【0037】
ステップS2でカスタマイズ処理が選択されたと判断すると、ステップS1からステップS7に移行する。ステップS7では管理システム50は、カスタマイズ処理を行う。カスタマイズ処理では、操作者の好みにあわせて、操作対象のユニットおよびその機能の設定を変更することができる。カスタマイズ処理に移行すると、図9に示すように、自転車の電装システム7のユニットへの接続待ち画面が表示される。操作者は、通信アダプタ40を介して管理システム50に電装システム7のユニットの接続を完了すると、ディスプレイに表示される「次へ」と記載されている項目にカーソルを合わせて、選択する。以下、項目にカーソルを合わせて選択することを、単に項目を選択するという。これにより、管理システム50に接続されたユニットおよびその属性が認識される。すなわち、管理システム50に接続されたユニットが識別される。
【0038】
管理システム50によるユニットの識別が終了すると、図10に示すように、画面右側に自転車全体の絵が表示され、また識別されたユニットが、識別されないユニットとは異なる形態で表示される。たとえば、識別されたユニットは、その形状の外周が太線で囲われて表示される。図10では、説明のため、第1変速操作部16rだけが識別された場合を示す。その他のユニットが識別されると、識別されたユニットは同様に、識別されないユニットとは異なる形態で表示される。
【0039】
また図10に示す画面では、「シフトスイッチ機能設定」および「ディレーラアジャスト設定」の項目が表示される。第1変速操作部16rが識別されると、スイッチ機能設定を選択できる。またフロントディレーラ20fまたはリアディレーラ10rが識別された場合は、ディレーラアジャスト設定も選択可能になる。
【0040】
「シフトスイッチ機能設定」の項目を選択すると、管理システム50によって識別された第1変速操作部16rおよび第2変速操作部16fのスイッチXおよびスイッチYの機能を自由に設定できる。ここでは、図11に示すように、第1変速操作部16rが識別されているので、この第1変速操作部16rのスイッチXおよびスイッチYに設定されている機能が表示される。操作者は、第1変速操作部16rのスイッチXおよびスイッチYに設定されている機能を自由に設定できる。スイッチXおよびスイッチYに対応する機能をプルダウンで選択可能に表示することによって、機能設定を容易に変更することができる。操作者はイッチXおよびスイッチYに対応する機能をプルダウンで選択した後、画面に表示される「設定」のボタンを選択することによって、管理システム50と各第1変速操作部16rとが通信を行って、各スイッチの機能が設定される。第1変速操作部16r及び第2変速操作部16fの各スイッチXおよびスイッチYは、それぞれフロントディレーラ10fのシフトアップ用、ダウンシフト用、リアディレーラ10rのシフトアップ用、ダウンシフト用、のいずれかのスイッチとして用いることができる。ここでは、たとえば、第1変速操作部16rのスイッチXはフロントディレーラ10fのシフトアップ用に設定され、第1変速操作部16rのスイッチYはフロントディレーラ10fのシフトアップ用に設定される。
【0041】
「ディレーラアジャスト設定」の項目を選択すると、管理システム50によって識別されたフロントまたはリアディレーラ10f,10rの各変速段の位置を微調整することができる。シフトダウン側およびシフトアップ側へのディレーラの位置の調整量は、たとえば入力装置によって数値を入力したり、プルダウンによって数値を選択したりして、この数値に関する情報を管理システム10がフロントまたはリアディレーラ10f,10rに送信する。
【0042】
「故障診断」の項目が選択されると、ステップS2からステップS8に移行する。ステップS8では、図5に示す故障診断処理に移行する。故障診断処理では、図5のステップS21で、管理システム50が図12に示す故障診断メニュー画面を表示する。故障診断メニュー画面では、「システム診断」と「個別診断」との項目を選択できる。
【0043】
システム診断は、電装システム7にどのユニットが接続されているのかを操作者が選択し、管理システム50が、実際に電装システム7の一部として接続されているユニットを識別する処理である。これにより、操作者によって選択されているが、管理システム50によって識別されないユニットは、故障している可能性があることがわかる。また、システム診断処理では識別されたユニットに対しては故障診断を行える。
【0044】
個別診断は、電装システム7にどのユニットが接続されているのかを操作者が選択する選択処理がなく、管理システム50によって識別された各ユニットの個別の故障を判断する処理である。ステップS22では「システム診断」の項目が選択されたか否かを判断する。ステップS23では、「個別診断」の項目が選択されたか否かを判断する。ステップS24では、メニューバーの「ファイル」の項目からプルダウンメニューで終了が選択されたか否かを判断する。終了が選択されると図4に示す処理にもどる。
【0045】
図12に示す故障診断メニュー画面で「システム診断」の項目が選択されると、ステップS22からステップS25に移行し、図6に示すシステム診断処理を実行する。システム診断処理では、図6のステップS31で、図13示す接続ユニット選択画面を表示する。接続ユニット選択画面では、電装システム7に接続可能なユニットが全て表示される。ここで、記号「SM−BT」はバッテリユニット12を示す。記号「ST−L」は第2変速操作部16fを示す。記号「ST−R」は第1変速操作部16rを示す。記号「DH−SW」は、接続ユニット選択画面には絵としては表示されているが、この実施形態では接続されていないサテライトスイッチを示す。サテライトスイッチは、第1変速操作部16rおよび第2変速操作部16fとは異なる位置でハンドルバーに装着可能な変速スイッチである。記号「FD」はフロントディレーラ10fを示す。記号「RD」はリアディレーラ10rを示す。
【0046】
図13に示すように、接続ユニット選択画面には、電装システム7に接続可能なユニットが一覧で表示される。接続ユニット選択画面では、たとえば「今からPCと接続するユニットを選択してください。」という説明文と、前の画面に戻るための項目「戻る」、処理を中止する「中止」、次の処理に遷移するための項目「次へ」とが表示されている。「戻る」および「中止」の項目は、他の画面でも表示されるが、どの画面においても「戻る」の項目を操作するとは遷移前の画面を表示し、「中止」の項目を選択すると、処理を中止する。
【0047】
また接続ユニット選択画面には、各ユニットに対応して、チェックボックスと、接続台数とが表示される。入力装置を操作して、チェックボックスにチェックマークを付けたり、外したりすることができる。また入力装置を操作して、各ユニットの接続台数をプルダウンによって選択することができる。操作者は図13に示す画面で、電装システム7で接続されているユニットにチェックマークを付ける。チェックボックスにチェックを付けると、接続台数の表示が1となり、接続台数が複数の場合には、操作者は接続台数を変更する。また全選択のチェックボックスにチェックマークを付けることによって、一括で全ての各チェックボックスにチェックマークを付けることができる。図13では、DH−SW以外の6つのユニットに対応するチェックボックスにチェックマークを付けた場合を示している。
【0048】
チェックボックスの少なくともいずれかにチェックマークが付けられると、「次へ」の項目が選択可能になる。操作者が「次へ」の項目を選択すると、ステップS32に移行し、管理システム50が各ユニットと通信して、ユニットの識別を行う。この識別処理では、管理システム50は、各ユニットが持つ固有の識別情報を読み出す。管理システム50は、各ユニットに対して識別情報を送るように指令を与える。各ユニットは管理システム50から指令を受け取ると、記憶している識別情報を出力する。管理システム50は、各ユニットから出力される識別情報を受信することによって、各ユニットを識別することができる。
【0049】
ステップS33では、管理システム50が、図14に示すユニット識別画面を表示する。ユニット識別画面では、たとえば「以下のユニットが認識されました。故障診断を行いたいユニットを選択してください。*接続しているにも関わらず、表示されないユニットは、そのユニットもしくは関連するエレクトリックワイヤが故障している可能性があります。」という説明文とともに、識別されたユニットの名前および絵を、自転車全体の絵とともに表示する。また管理システム50は、識別されたユニットの名前の一覧に、チェックボックスに対応させて表示させる。ここでは、前述したように、第2変速操作部16fだけが接続されておりその他のユニットは接続されていない場合を示している。このため、第2変速操作部16fだけが識別されるので、ユニット選択画面では、第1変速操作部16rの名前とともに、第1変速操作部16rの絵が他のユニットと異なる形態で表示される。
【0050】
ユニット識別画面を見るとこによって、操作者は、電装システム7に接続したにもかかわらず、識別されなかったユニットを特定できる。接続しているにも関わらず、表示されないユニットは、そのユニットもしくは関連するエレクトリックワイヤが故障している可能性があるので、ユーザはユニットの故障を発見することができる。
【0051】
図14に示すユニット識別画面では、第2変速操作部16fだけが識別されている場合を示しているが、他の複数のユニットが識別された場合には、そのユニットの名前が一覧で表示され、また識別されたユニットの絵を識別されていないユニットの絵とは異なる表示形態で、自転車全体の絵とともに表示される。
【0052】
ステップS34では、管理システム50が、ステップS31で選択されたユニットとステップS32識別されたユニットとを比較し両者が一致するか否かを判断する。一致しなかった場合は、ステップS35に移行する。ステップS35では、一致しなかったユニットの記号およびその絵を表示する。なおステップS35では、一致しなかったユニットの記号のみを表示してもよく、また一致したユニットの記号および選択したユニットの記号も合わせて表示してもよい。
【0053】
これにより、操作者が電装システム7に接続したにもかかわらず、識別されなかったユニットを容易に特定できる。上述の例では、6つのユニットを選択したが、実際には第1変速操作部16rだけしか電装システム7に接続していないため、残りの5つのユニットは識別されない。しかし、6つすべてのユニットを接続しかつ選択した状態で、6つのユニットのうち識別できないユニットがある場合には、識別されなかったユニットに何らかの問題があることがわかる。
【0054】
図14に示すユニット識別画面において、識別されたユニットのチェックボックスにチェックマークを入れると、「診断開始」の項目が選択可能になる。ステップS34で一致したと判断した後、またはステップS35が終了した後に、ステップS36に移行する。ステップS36では、操作者が「診断開始」の項目を選択したか否かが判断される。ステップS36で、管理システム50が、「診断開始」の項目を選択されたと判断すると、ステップS37に移る。
【0055】
ステップS37以降の処理は、識別されたユニットについて順番に行われる。1つのユニットに複数の診断を行う必要がある場合には、1つのユニットにおける複数の診断を行ってから次のユニットの診断を行う。1つのユニットに複数の診断を行う必要がある場合とは、たとえば1つのユニットに複数のスイッチが設けられている場合などである。診断の順番は、管理システム50がユニットを識別した順番であってもよく、予め定められていてもよい。ステップS37では、診断すべきユニットが有する電気部品が、操作者が操作するスイッチであるのか、スイッチ以外の電気部品なのかを判断する。スイッチの場合は、ステップS37からステップ38に移行する。
【0056】
ステップS38では、図15に示すような故障診断画面(故障診断開始画面)を表示する。ここでは、ST−Lを診断する場合について説明する。図15にでは、「ST−Lの診断を行います。故障診断を開始する場合は、開始を押してください。」という表示とともに、項目「開始」が表示される。また故障診断画面には、「スキップ」という項目が表示される。「スキップ」が選択されると、診断を行っている途中であっても、ユニットについての診断を終了することができ、複数のユニットの診断を行う場合には、次のユニットの診断を開始する。故障診断画面では、たとえば図15に示すように、診断対象のユニットが他のユニットと異なる形態で表示される。たとえば、濃淡または色を変化させて診断対象のユニットが表示される。また故障診断画面では、図15に示すように、診断対象のユニットが拡大されて表示されてもよい。また故障診断画面では、診断中のユニットのみが他のユニットと異なる形態で表示されてもよい。
【0057】
図15で「開始」の項目を選択すると、ステップS39に移行する。ステップS39では、図16に示す故障診断画面(スイッチ操作指示画面)を表示するとともに、タイマをスタートさせる。故障診断画面では、たとえば図16に示すように、診断対象の電気部品が他の電気部品と異なる形態で表示される。たとえば、濃淡または色を変化させて診断対象の電気部品が表示される。スイッチ操作指示画面には、たとえば「スイッチXを押し続けてください。」というスイッチを押す操作が必要であることを表す説明が表示され、タイマによって時間がカウントダウンされる。スイッチ操作指示画面には、カウントダウンされる時間も同時に表示される。タイマは、たとえば10秒にセットされる。管理システム50は、カウントダウンが終了するまでに、管理システム50が、スイッチが押されたか否かを判断して、ステップS40に移る。管理システム50は、スイッチが押されたと判断した段階で、タイマによるカウントを停止する。
【0058】
ステップS40では、図17に示す故障診断画面(スイッチ操作終了画面)を表示するとともに、タイマをスタートさせる。スイッチ操作終了画面には、たとえば「OKです。スイッチXから手を放してください。」というスイッチの操作を停止する必要があることを表す操作の説明が表示され、タイマによって時間がカウントダウンされる。スイッチ操作終了画面には、カウントダウンされる時間も同時に表示される。タイマは、たとえば10秒にセットされる。管理システム50は、カウントダウンが終了するまでに、管理システム50が、スイッチが押されていない状態になったか否かを判断する。管理システム50は、スイッチが押されていないと判断した段階で、タイマによるカウントを停止する。
【0059】
ステップS39およびステップS41の結果から、管理システム50が、スイッチに故障がないと判断した場合、ステップS43に移行する。ここでは、ステップS39で、管理システム50が、スイッチが押されたと判断し、ステップS40で、管理システム50が、スイッチが押されていないと判断したとき、ステップS42Aに移行する。ステップS43では、図18に示すようなスイッチが正常であることを示す故障診断画面(電気部品正常画面)を表示する。電気部品正常画面には、たとえば「スイッチXの確認が完了しました。故障は見つかりませんでした。」という故障診断が終了したこと、および故障がないことを表す説明文が表示される。
【0060】
ステップS39およびステップS41の結果から、管理システム50が、スイッチに故障があると判断した場合、ステップS42に移行する。ここでは、ステップS39で、管理システム50が、スイッチが押されていないと判断するか、または、ステップS40で、管理システム50が、スイッチが押されていると判断したとき、ステップS42に移行する。ステップS42では、図19に示すような、スイッチが故障していることを示す故障診断画面(電気部品故障画面)を表示する。電気部品故障画面には、たとえば「スイッチXの確認が完了しました。故障が見つかりました。」という故障診断が終了したこと、および故障があることを表す説明文が表示される。
【0061】
図18および図19に示す故障診断画面において、操作者が入力装置によって項目「次のスイッチ」を選択すると、ステップS44での判断が「YES」となり、ステップS37に戻る。一方、識別された全てのユニットの診断が終わると、ステップS44からステップS48に移行する。ステップS48では、管理システム50は、図20に示すような、全ての電装品の診断結果を表す故障診断画面(ユニット診断完了画面)を表示して、図5の処理に戻る。ユニット診断完了画面では、ユニット診断完了画面では診断が完了したこと、故障している電装品の有無、故障している電装品があればそのユニットを表す情報、故障している電気部品があればその電気部品の情報、場合故障の原因、および修理方法が表示される。図20のユニット診断完了画面では、たとえば「全ての診断が完了しました。故障しているユニットがありました。ファームウェアアップデートが可能な場合は、ファームウェアのアップデートを行った後、再度故障診断を実施してください。」と表示され、さらに、故障診断した各ユニットについて、診断結果を一覧で表示している。診断結果としては、故障の原因として「接点不良」が表示され、修理方法として「交換して下さい」が表示される。
【0062】
ステップS37で、診断すべきユニットが有する電気部品がスイッチ以外の場合、ステップS37からステップS45に移行する。ステップS45では、その電気部品に応じた動作を行わせる。たとえば、リアディレーラ10rの場合、管理システム50は、リアディレーラ10rが所定の変速段だけ動作させる指令を出力して、リア変速モータ20rを動作させる。ステップS46では、管理システム50は、位置センサからの信号に基づいて、所定の変速段だけ動作したか、および動作が予め定める時間内に行われたか否かを判断する。リアディレーラ10rが所定の変速段だけ動作し、かつその動作が予め定める時間内に行われた場合には、ステップS43に移行し、図18と同様な、リアディレーラ10rに故障がないことを示す電気部品正常画面を表示する。所定の変速段だけ動作しなかったり、その動作が予め定める時間内に終わらなかったりしたときは、動作不良と判断しステップS47に移行する。ステップS47では、図19と同様な、リアディレーラ10fに故障があることを示す電気部品故障画面を表示する。これらの処理が終わると、ステップS44に移行する。フロントディレーラ10fの診断は、リアディレーラ10rの診断と同様に行われる。
【0063】
図5のステップS23で個別診断処理と判断すると、ステップS26に移行し、図7に示す個別診断処理を実行する。個別診断処理は、システム診断処理に対して、図7に示すように、ステップS31、ステップS34、およびステップS35がない点が異なるのみで、他の処理は同様である。したがって、個別診断処理の説明は省略する。
【0064】
図4のステップS3でファームウェアアップデート処理が選択されると、ステップS9に移行する。ステップS9では、図21に示すようなファームウェアアップデート画面が表示される。ファームウェアアップデート画面では、アップデート可能なユニットを選択可能である。管理システム50は、識別したユニットから、ファームウェアのバージョンを読み出して表示するとともに、書き換え可能なファームウェアのバージョンを選択可能にディスプレイに表示する。ここでは、識別したユニットから、ファームウェアのバージョンを読み出している。操作者は、入力装置によってファームウェアを書き換える対象とするユニットと、そのファームウェアのバージョンを選択し、画面に表示される項目「アップデート」を選択することによって、ファームウェアのバージョンアップ、バージョンダウンを簡単に行うことができる。
【0065】
図4のステップS4で初期ファームウェア書き込み処理が選択されると、ステップS10に移行する。初期ファームウェアは、ユニットにファームウェアを強制的に書き込む処理である。このため初期ファームウェアの書き込み処理は、管理システム50に書き込み対象とする1つのユニットのみを接続して行われる。ステップS10では、図22に示すようなファームウェア書込画面が表示される。ファームウェア書き込み画面では、対象となるユニットに対応するファームウェアを管理装置に記憶されている複数のファイルから、たとえばプルダウンメニューにより選択可能としている。
【0066】
図4のステップS5でメニューバーにある終了以外の処理(たとえば、「ヘルプ」、「機能」等)が選択されると、ステップS11に移行し、選択されたその他の処理を行う。
【0067】
このような構成の自転車用電装システムの診断装置30では、通信アダプタ40を介して自転車用電装システム7のいずれかのユニットが接続されると、管理システム50において接続されている複数のユニットを識別するので、診断装置30を自転車用電装システム7のいずれのユニットに接続しても、各ユニットの診断を行うことができ、診断にかかる手間を軽減することができる。
【0068】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0069】
(a)前記実施形態では、通信アダプタ40と管理システム50と別体で設けたが、一体で設けてもよい。また管理システム50は、汎用のPCを用いているが、専用のコンピュータによって実現されてもよい。
【0070】
(b)前記実施形態では、診断完了画面で、故障の原因および修理方法を表示したが、これらについては表示しなくてもよい。故障の原因および修理方法を表示した方が、操作者が修理をしやすくなるし、故障の原因および修理方法を表示しない場合には、管理システム50の処理負荷を低減することができる。
【0071】
(c)前記実施形態では、ロードバイクに搭載される電装システムの診断装置を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえばモータにより人力の駆動を補助するアシスト自転車の電装システムの診断装置としても適用できる。図23には、モータにより人力の駆動を補助するアシスト自転車の電装システムの診断装置のメニュー画面の一例を示している。上記の実施の形態とは、基本的に自転車に搭載されている電装品が異なるのみであり、追加して、ユニットログの読み出しを行える点が前記実施形態と異なる。ユニットのログとは、たとえばモータの温度、モータを動作させる基板の温度、モータの電流、バッテリユニットの通信エラー、起動回数、スイッチの操作回数、ランプの点灯時間などである。
【符号の説明】
【0072】
7 電装システム
10f フロントディレーラ
10r リアディレーラ
12 バッテリユニット
12a バッテリ
14 モード変更ユニット
16r 第1変速操作部
16f 第2変速操作部
20f フロント変速モータ
20r リア変速モータ
21f フロント段数センサ
21r リア段数センサ
22f フロント制御部
22r リア制御部
30 診断装置
40 通信アダプタ
50 管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電装品が接続される自転車用電装システムの診断装置であって、
前記電装システムに脱着可能な接続部と、
前記接続部をいずれかの前記電装品に接続した状態で前記電装システムと通信を行い、前記電装システムの複数の前記電装品を識別可能な電装品識別部と、
を備える自転車用電装システムの診断装置。
【請求項2】
前記接続部は、前記電装システムの複数の前記電装品のいずれか、または前記電装品の間に接続される、請求項1に記載の自転車用電装システムの診断装置。
【請求項3】
前記電装品識別部で識別した電装品を表示する表示部をさらに備える、請求項1または2に記載の自転車用電装システムの診断装置。
【請求項4】
前記電装品識別部で識別された前記電装品の故障の有無を診断する故障診断部をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の自転車用電装システムの診断装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記電装品に故障があると前記故障診断部が診断した場合、故障した電装品を表示する、請求項4に記載の自転車用電装システムの診断装置。
【請求項6】
前記故障診断部は、前記電装品に含まれる電気部品の故障の有無を診断する、請求項4に記載の自転車用電装システムの診断装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記電装品に故障があると前記故障診断部が診断した場合、前記故障診断部が故障と診断した前記電気部品を表示する、請求項6に記載の自転車用電装システムの診断装置。
【請求項8】
前記表示部は、故障があると前記故障診断部が診断した場合、故障の原因を表示する、請求項4から7のいずれか1項に記載の自転車用電装システムの診断装置。
【請求項9】
前記表示部は、故障があると前記故障診断部が診断した場合、故障に対応した修理方法を表示する、請求項4から8のいずれか1項に記載の自転車用電装システムの診断装置。
【請求項10】
前記電装システムの各電装品は、電力線通信を用いて接続され、
前記接続部は、電力線通信線を用いて、前記電装システムに接続される、請求項1から9のいずれか1項に記載の自転車用電装システムの診断装置。
【請求項11】
前記電装システムの各電装品は、電力線通信の端子を有し、
前記接続部は、前記電力線通信の端子に接続される、請求項10に記載の自転車用電装システムの診断装置。
【請求項12】
前記電装品は、通信ケーブルを含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の自転車用電装システムの診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−32028(P2013−32028A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167757(P2011−167757)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)