説明

臭化リチウム水溶液中の銅分除去方法

【課題】処理操作が簡便で、水溶液中に添加成分等の他成分が残留せず、後処理が容易で除去効率が高くコストの安い吸収冷凍機に用いる臭化リチウム水溶液中の銅分の除去方法を提供する。
【解決手段】臭化リチウムを主成分とし銅分を含有する水溶液に過酸化水素水溶液を添加し、該水溶液中から過酸化水素水溶液の添加により生成された銅分を含む不溶性物質を除去することを特徴とする臭化リチウム水溶液中の銅分除去方法。前記過酸化水素水溶液は、臭気リチウム水溶液中の初期銅分濃度が240ppm以下のときは、含有する銅分に対して過酸化水素を0.5当量以上となる量で添加し、初期銅分濃度が240ppm以上のときは、含有する銅分に対して過酸化水素を1当量以上となる量で添加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臭化リチウム水溶液中の銅分除去方法に係り、特に吸収冷凍機の吸収溶液として用いる臭化リチウム水溶液に銅分が溶解した際の銅分除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収剤として臭化リチウム水溶液を用いて、冷熱や温熱を生成する吸収冷凍機等の熱生成装置は、一般に、主要構成材料が鋼材であり、熱交換器部分に銅あるいは銅合金が用いられている。その際、臭化リチウム水溶液(吸収液)により熱交換器部分が腐食して銅分が吸収液中に溶出し、さらに吸収液中の銅分が鋼鉄上に析出することにより、主要構成材料の鋼材の腐食を加速させていた。
そのため、従来、鋼材の腐食の進行を妨げるべく吸収液中から銅分を除去する次のような技術が知られていた。
【0003】
(a) 不溶性電極に電圧を印加して銅イオンを電解除去する銅イオン除去装置を吸収冷凍機に設け、あるいは吸収液中に酸化還元電位が銅よりも著しく低い金属(例えばアルミニウム)を設置して吸収液中の銅イオンを析出し除去する(特許文献1)。
(b) 活性炭やイオン交換樹脂の微小粒子中に、酸化剤である銅イオン、鉄イオン等を含む臭化リチウム水溶液を通過・接触させることにより、銅イオン、鉄イオンを置換析出・吸着することにより、吸収液中の銅イオン、鉄イオンを減少させて吸収冷凍機における機器材料の防食を図る(特許文献2〉。
(c) 再生すべき臭化リチウム水溶液中に、旋盤屑又はその同等物を浸漬して、銅を析出させて除去する(特許文献3)。
(d) 再生すべき臭化リチウム水溶液中に、水酸化リチウムを添加し、再生する銅分を含む沈殿を除去後、吸収液のアルカリ度を臭化水素で調整する(特許文献4)。
【0004】
これらの従来技術には、次のような問題点があった。
(a)では、電解作用を用いるためのエネルギー(電源)が必要となり、また、カソード電極電位を水素基準電極に対して0Vに制御する装置が必要となって、コストアップとなり、さらに、アルミニウム等の不要な金属イオンが溶出される。
(b)では、活性炭を使用する場合では、除去効率が低い(約50%)し、イオン交換樹脂を使用する方法では、除去効率は高いが、イオン交換樹脂のコスト、イオン交換樹脂を再生するためのコストが必要である。
(c)では、銅分除去率を上げるためには、液温を70℃程度まであげ、浸漬時間(3時間程度)が必要となり、また、銅イオンの代りに鉄イオンが溶出される。
(d)では、銅分除去後の吸収液について、アルカリ度の再調整が必要となる。
【特許文献1】特公平7−94932号公報
【特許文献2】特開平7−208825号公報
【特許文献3】特開2001−165521号公報
【特許文献4】特開2008−39343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、処理操作が簡便で、水溶液中に添加成分等の他成分が残留せず、後処理が容易で除去効率が高くコストの安い吸収冷凍機等の吸収液として用いる臭化リチウム水溶液中の銅分の除去方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、臭化リチウムを主成分とし銅分を含有する水溶液に過酸化水素水溶液を添加し、該水溶液中から過酸化水素水溶液の添加により生成された銅分を含む不溶性物質を除去することを特徴とする臭化リチウム水溶液中の銅分除去方法としたものである。
また、本発明では、吸収冷凍機又は吸収ヒートポンプから臭化リチウムを主成分とし銅分を含有する水溶液を抜き取り、該抜き取った水溶液に過酸化水素水溶液を添加し、該水溶液中から過酸化水素水溶液の添加により生成された銅分を含む不溶性物質を除去し、該不溶性物質を除去した後の臭化リチウムを主成分とする水溶液を前記吸収冷凍機又は吸収ヒートポンプに注入することを特徴とする臭化リチウム水溶液中の銅分除去方法としたものである。
【0007】
前記銅分除去方法において、過酸化水素水溶液は、臭気リチウム水溶液中の初期銅分濃度が240ppm以下のときは、含有する銅分に対して過酸化水素を0.5当量以上となる量で添加し、初期銅分濃度が240ppm以上のときは、含有する銅分に対して過酸化水素を1当量以上となる量で添加するのがよく、前記臭化リチウム水溶液の濃度は、51重量%以下がよく、また、前記過酸化水素水溶液は、銅分を含有する臭気リチウム水溶液を加温し、撹拌しながら添加するのがよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、臭化リチウム水溶液中の銅分の除去を、過酸化水素水溶液のみを添加して行うため、過酸化水素は該水溶液中で水と気体として放出される酸素に分解され、該水溶液中には、水以外の他成分は残留しない。
従って、処理操作が簡単で、後処理の必要もなく高効率で低コストで銅分が除去ができるので、吸収冷凍機の吸収液中の銅分の除去に好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明において、除去すべき銅分が含有された臭化リチウム水溶液は、吸収冷凍機及び吸収ヒートポンプ(以下「吸収冷凍機等」という。)の吸収液として用いられるものである。この吸収冷凍機等は、水を冷媒、臭化リチウム水溶液を吸収液として用いる。吸収冷凍機は、吸収液に吸収される冷媒が水蒸気になる際潜熱を被冷却流体から奪うことにより被冷却流体を冷却する。吸収ヒートポンプは、冷媒蒸気が吸収液に吸収される際に発生する吸収熱を被加熱流体に与えることにより被加熱流体を加熱する。なお、吸収液中の銅分は、典型的には臭化リチウム水溶液中に溶解している。
【0010】
まず、臭化リチウム水溶液中の銅分を除去する処理条件について説明する。
本発明は、臭化リチウム水溶液中の銅分の除去に過酸化水素(H)を用いる。過酸化水素の添加量は、臭気リチウム水溶液中の初期銅分濃度が、240ppm以下のときは、0.5当量以上、より好ましくは1当量以上がよく、初期銅分濃度が、240ppm以上のときは、1当量以上がよい。
過酸化水素は、濃度の高いものは人体に対して危険であり、取扱いに注意を要するため、市販されている濃度が2.5〜3.5w/v%のものが有効に使用できる。過酸化水素の添加は、加温化(例えば50〜80℃)、撹拌しながら行うのがよく、撹拌は、1分間以上、好ましくは10分間以上行うのがよい。
また、本発明を適用する臭化リチウム水溶液の濃度は、51重量%以下、特に好ましくは、49重量%以下のものがよく、53重量%以上のものでは除去効率が低下する。
【0011】
次に、図面を用いて本発明を説明する。
図1に、本発明の銅分除去方法に用いる装置の概略構成図を示す。図1において、1は処理槽、2、14は処理液抜き出し配管、3はポンプ、4、9は三方弁、5は循環配管、6、16はフィルターケース、7、17はフィルタ、8、10は銅分除去後の再生液配管、11は再生液貯槽、12は過酸化水素水溶液導入管、13は冷凍機からの臭化リチウム水溶液排出管である。
該装置を用いる銅分の除去処理について説明すると、吸収冷凍機からの臭化リチウム水溶液は、排出管13により抜き取られ、該水溶液内に金属酸化物等の異物が含まれる場合には、それを除去するためのフィルタ7を通り、処理槽1に導入される。該フィルタ7は、比較的目が粗いフィルタ(例えば、公称口径5μm:住友スリーエム(株)製の3Mリキッドフィルターバック100シリーズ型式125(商品名)、又は、公称口径2.5mm:同型式124)が用いられる。なお、抜き取られた水溶液中に異物が存在しない場合は、フィルタ7及びフィルタケース6を設けなくてもよい。
【0012】
処理槽1では、導入された臭化リチウム水溶液を50℃程度に投げ込みヒータ等で加熱し、ポンプ3を起動し、処理液を配管2から配管5へと流れるように三方弁4を切り替えて、処理液が配管5を通って処理槽1に戻るように循環させる。このように処理液を処理槽1から配管2、5を介して再び処理槽1に戻すように循環させながら撹拌する。撹拌しながら、所定量の過酸化水素水溶液を管12から導入する。撹拌は、1分間以上好ましくは10分間以上行う。撹拌を行うことにより、臭化リチウム水溶液と過酸化水素とが確実に反応して臭化リチウム水溶液中の銅分が青色の不溶性物質として析出される。
反応が終了して銅分の析出が完了すると、三方弁4を切り換えて処理液を配管14からフィルタ17へと導入する。フィルタ17では、析出した銅分を除去するために、比較的目が細かいフィルタ(例えば、公称口径1μm:住友スリーエム(株)製の3Mリキッドフィルターバック500シリーズ型式522(商品名)が用いられる。
銅分が除去された処理液は、配管8から三方弁9、配管10を通り貯槽11に導入される。
【0013】
次に、図2のフローチャートを用いて、本発明の臭化リチウム水溶液中の銅分除去方法の作業手順を説明する。最初に除去すべき銅分を含有するLiBr(臭化リチウム)水溶液中に添加する過酸化水素水溶液の添加量を決定するために、作業開始前にICP発光分析装置で銅分が分析可能な量のサンプル(100cc程度)を冷凍機内から採取する。その際、サンプルをICP発光分析装置のある場所へ運搬する時間、分析に要する時間を考慮し、作業開始前に、吸収溶液中の銅分濃度を測定する。
測定された銅分濃度から、過酸化水素水溶液添加量を計算する。吸収溶液中に含まれる銅分の所定量、好ましくは4倍当量の過酸化水素水溶液を添加量とする。
【0014】
LiBr水溶液中に添加する過酸化水素水溶液の添加量を決定したら、処理される銅分を含有するLiBr(臭化リチウム)水溶液を吸収冷凍機から抜き取り処理槽に入れる。
ただし、溶液中に鉄等の金属酸化物等の不溶性物質が含まれる場合は、目が粗いフィルタ(公称口径5μm:住友スリーエム(株)製の3Mリキッドフィルターバック100シリーズ型式125(商品名)、又は、公称口径2.5mm:同型式124)を用い、吸収冷凍機から溶液を処理槽に抽出する際に、予め除去しておいた方が良い。
なお、溶液濃度が53wt%以上である場合は、純水を足して、51wt%以下、好ましくは49wt%以下となるように調整する。
【0015】
処理槽に導入した水溶液は、図1で説明したように、ポンプ3を運転して処理溶液を循環させて撹拌しながら、あわせて、投げ込みヒータ等で溶液を加熱し、50℃程度に維持する。
このように、加熱、撹拌下のLiBr水溶液中に、過酸化水素水溶液を添加するが、その添加スピードは、ビーカ試験で実施した値から比例計算で算出する。
例えば、初期の添加スピードが、300mlで0.3ml/minの場合、300Lの処理液の場合は、0.3L/min程度のスピードで添加する。 溶液全体が茶褐色あるいは緑色に変色した場合は、同様の計算で、0.6L/min程度のスピードで添加する。
過酸化水素水溶液が添加された溶液を、5時間程度攪拌、加熱する。その間に、青色の不溶性物質が生じる。
不溶性物質の除去は、溶液をフィルタに通すことで行う。フィルタは、例えば、目が細かいフィルタ(公称口径1μm:住友スリーエム(株)製の3Mリキッドフィルターバック500シリーズ型式522(商品名))を用いるとよい。
【0016】
不溶性物質を除去後、過酸化水素水溶液の添加によりOが発生するため、溶液を貯槽に移し、さらに数時間放置する。
数時間放置した溶液を、吸収冷凍機機内へ注入する。
溶液中に溶存酸素が多い場合には、吸収冷凍機を構成する金属材料を腐食させる可能性があるため、溶液を機内注入後、吸収冷凍機内で溶液を循環させながら、機内の真空引きを行ったほうが良い。
さらに、冷凍機起動時には、低負荷での真空引きを実施したほうが良い。
過酸化水素水溶液の添加によって、冷凍機に必要な冷媒量よりも冷媒が増えた場合には、冷凍機運転中に適当量の冷媒を抽出する。
【0017】
以上の手順により、吸収冷凍機のLiBr水溶液中の銅分を除去して循環使用できる。なお、事前にLiBr水溶液中の銅分濃度が分析できない場合は、次のように処理する。
機内から例えば300mlの溶液を5サンプル採取する。
溶液中の銅分濃度を100、200、300、400、500mg/Lと仮定し、それぞれ、2.1、4.2、6.3、8.4、10.5mLの過酸化水素水を添加する。
確実な銅分除去を行うことが目的ではないため、1時間程度加熱・攪拌し、ろ過する。ろ液が最も透明なものを最適添加量として採用する。
ろ液が透明にならない場合には、上記の仮定濃度を変更し、同じ作業を繰りかえす。
【実施例】
【0018】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(A) サンプル溶液の作成
銅分を含む溶液のサンプル作成は、下記の要領で行った。
1) 48wt%のLiBr水溶液300mLをビーカに入れる。
2) 陽極として外経15.9mm、内経13.5mm、長さ50mmの銅管を陰
極として長さ50mm、幅30mm、厚さ1.5mmのステンレス板を電極間
距離約80mm離し設置する。
3) 直流電源装置を用い、両極間の電位差が1.5Vとなるように電流を印加す
る。
4) 所定時間電気分解を行い、銅分を含む溶液サンプルを作成する。電気分解時
間が長いと、銅分濃度が増加する。
【0019】
(B) ビーカレベルでの試験
1) 添加試薬
薬局等で市販されている、オキシドールを使用した。
過酸化水素の濃度は、2.5〜3.5w/v%含有している。
以下では過酸化水素の濃度を3.0w/v%として計算する。
2) 試薬添加量
溶液中に含まれる銅分の10〜0.25倍当量にあたる過酸化水素水溶液量
を添加した。
具体的には、4倍当量の場合、下記の通り計算した。
300ml溶液中の銅分量が100mg/Lである場合、銅の原子量63. 5から、0.47mmoLの銅分が存在する。
4倍当量の1.88mmoLの過酸化水素が必要であるから、3.0w/
v%の過酸化水素水溶液1mL中には30mg(0.88mmoL)の過酸化
水素が含まれ(過酸化水素の分子量34として)、よって、2.1mLの添加
が必要となる。
【0020】
3) 試薬添加方法
下記の要領で、過酸化水素水溶液を各サンプルの必要量添加した
(a) 各サンプルを300mLビーカに入れる。
(b) ビーカに攪拌子を入れ、マグネットスターラで攪拌する。
(c) ビーカをラバーヒータにて加熱し、溶液温度を約50℃に維持する。
(d) 過酸化水素水溶液の添加は、注射器により滴下する。
(e) 滴下スピードは、過酸化水素水溶液を添加した溶液界面の状況により下記
の2ケースに分類する。
・溶液界面の色が茶褐色に変色し、その後透明になる場合。
→茶褐色が見えなくなる添加スピード≒0.3ml/min程度
・その後、溶液全体が茶褐色あるいは緑色に変色した場合
→0.6ml/min程度
【0021】
4) 試験方法及び試験結果
(a) 最適添加量の確認
試験方法
溶液温度:50℃
溶液濃度:48wt%
撹拌時間:10分
結果を表1に示す。
【表1】

【0022】
(b) 温度依存症
試験方法
銅分濃度 :160ppm(240mg/L)
過酸化水素添加:4倍当量
撹拌時間 :10分
溶液濃度 :48wt%
結果を表2に示す。
【表2】

【0023】
(c) 濃度依存症
試験方法
銅分濃度 :160ppm(240mg/L)
過酸化水素添加:4倍当量
撹拌時間 :10分
溶液温度 :50℃
結果を表3に示す。
【表3】

【0024】
(d) 時間依存症
試験方法
銅分濃度 :160ppm(240mg/L)
過酸化水素添加:4倍当量
溶液温度 :50℃
結果を表4に示す。
【表4】

【0025】
5) 試験結果の分析
銅分添加量について
(a) 初期銅分濃度が240ppm以下のときは、H添加量0.5当
量以上が好ましい。
(b) 初期銅分濃度が240ppm以下のときは、H添加量1当量以
上が更に好ましい。
(c) 初期銅分濃度が240ppmより高いときは、H添加量1当量
以上が好ましい。
なお、初期銅分濃度340mg/L、H添加量10当量のとき
の値が高いのは誤差と考えられる。
【0026】
温度依存性について
(a) 50℃以上が好ましい。
なお、目視観察では、50℃のときは透明で、80℃のときは若干色
あり。
また、80℃より50℃が好ましい結果となった根拠は不明。
濃度依存性について
(a) 溶液濃度51wt%以下が好ましい。
(b) 溶液濃度49wt%以下が更に好ましい。
時間依存性について
(a) 1min以上攪拌することが好ましい。
(b) 10min以上攪拌することが更に好ましい。
なお、1minのときは、攪拌時間よりも、ろ過時間の方が長く、ろ過時
に拡散していたとも 考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の銅分除去方法に用いる装置の一例を示す概略構成図。
【図2】本発明の銅分除去方法の作業手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0028】
1:処理槽、2、14:処理液抜き出し配管、3:ポンプ、4、9:三方弁、5:循環配管、6、16:フィルターケース、7、17:フィルタ、8、10:銅分除去後の再生液配管、11:再生液貯槽、12:過酸化水素水溶液導入管、13:臭化リチウム水溶液排出管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
臭化リチウムを主成分とし銅分を含有する水溶液に過酸化水素水溶液を添加し、該水溶液中から過酸化水素水溶液の添加により生成された銅分を含む不溶性物質を除去することを特徴とする臭化リチウム水溶液中の銅分除去方法。
【請求項2】
吸収冷凍機又は吸収ヒートポンプから臭化リチウムを主成分とし銅分を含有する水溶液を抜き取り、該抜き取った水溶液に過酸化水素水溶液を添加し、該水溶液中から過酸化水素水溶液の添加により生成された銅分を含む不溶性物質を除去し、該不溶性物質を除去した後の臭化リチウムを主成分とする水溶液を前記吸収冷凍機又は吸収ヒートポンプに注入することを特徴とする臭化リチウム水溶液中の銅分除去方法。
【請求項3】
前記過酸化水素水溶液は、臭気リチウム水溶液中の初期銅分濃度が240ppm以下のときは、含有する銅分に対して過酸化水素を0.5当量以上となる量で添加し、初期銅分濃度が240ppm以上のときは、含有する銅分に対して過酸化水素を1当量以上となる量で添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の臭化リチウム水溶液中の銅分除去方法。
【請求項4】
前記臭化リチウム水溶液の濃度は、51重量%以下であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の臭化リチウム水溶液中の銅分除去方法。
【請求項5】
前記過酸化水素水溶液は、銅分を含有する臭化リチウム水溶液を加温し、撹拌しながら添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の臭化リチウム水溶液中の銅分除去方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−172796(P2010−172796A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16096(P2009−16096)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(503164502)荏原冷熱システム株式会社 (91)
【Fターム(参考)】