説明

臭素化ニトロアルカノ−ル組成物及びそれらの殺生物剤としての使用

トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン及び式I(式中、R1、R2及びR3は本明細書中で定義した通りである。)の臭素化ニトロアルカノール化合物を含む殺生物剤組成物を提供する。これらの組成物は、水性又は含水系における微生物の防除に有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年6月11日に出願された米国仮特許出願第61/186,168号からの優先権の利益を請求する。この特許出願全体を、参照によって本明細書中に組み入れる。
【0002】
発明の分野
本発明は、殺生物剤組成物並びに水性及び含水系(aqueous and water-containing)における微生物の防除(control)へのそれらの使用方法に関する。これらの組成物はトリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン及び臭素化ニトロアルカノ−ル化合物を含む。
【背景技術】
【0003】
含水系の微生物汚染からの保護は、多くの工業プロセス、特に石油又は天然ガス生産操業の成功に重要である。石油・ガス操業において、好気性及び嫌気性細菌の両者による微生物汚染は、貯蔵タンクの酸性化(主に嫌気性硫酸塩還元細菌(SRB)による)、設備及びパイプラインの金属表面の微生物腐蝕(MIC)並びにポリマ−添加剤の分解などの深刻な問題を引き起こすおそれがある。
【0004】
微生物汚染は、石油・ガス操業の間中にあらゆる場所で、例えば注入水、生成水、掘削孔(downhole)、抗井近傍領域(near wellbore area)、脱気塔、輸送パイプライン、池水及び収容タンク水などの水攻(waterflooding)及び水圧破砕(hydraulic fracturing)用の源水、石油及びガス貯蔵タンク並びに掘削泥水、仕上げ又は改修(workover)流体、水圧試験用流体(hydrotest fluid)、刺激流体、パッカー流体(packer fluid)及び破砕流体などの機能水系流体で起こり得る。
【0005】
殺生物剤は、石油及びガス操業においてよく見られるものを含む、水性系中の微生物を駆除し且つその生長を防除するのに一般的に使用されている。しかし、全ての殺生物剤が、広範囲の微生物及び/又は温度に対して効果的であるとは限らず、他の化学処理用添加剤とは適合しない殺生物剤もある。また、充分に長い期間にわたって微生物の防除を行えない殺生物剤もある。石油及びガス用途において、H2S及び高温の存在は、殺生物剤処理に対して重要で独特な課題を提起する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
嫌気性SRBの防除が重要な意味を持つことが多い、掘削井処理を含む石油及びガス用途のための熱安定性、即効性及び持続効果のある殺生物剤を提供できれば、当業界において飛躍的な進歩となるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一面において、本発明は殺生物剤組成物を提供する。これらの組成物は、水性又は含水系における微生物生長の防除に有用であり、石油及び天然ガス業界への適用に特に適している。本発明の組成物はトリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン及び式I:
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、R1、R2及びR3は本明細書中で定義する通りである。)
の臭素化ニトロアルカノ−ル化合物を含む。
【0010】
第2の面において、本発明は、水性又は含水系における微生物の防除方法を提供する。この方法は本明細書中に記載される殺生物剤組成物の有効量で前記系を処理することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
前述のように、本発明は、殺生物剤組成物及びそれらの微生物の防除への使用方法を提供する。これらの組成物は、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン及び臭素化ニトロアルカノ−ル化合物を含む。意外なことに、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタンと臭素化ニトロアルカノ−ル化合物との組合せが、水性又は含水媒体中における微生物の防除に使用される場合に、相乗作用を引き起こすことを見出した。即ち、組合された物質は、単独で使用される場合に特定使用濃度でのそれらの個々の性能に基づいて予想されるであろう殺生物性よりも改良された殺生物性を生じる。観察された相乗効果は許容殺生物性に達するように使用される材料の減量を可能にする。
【0012】
本発明の組成物は、相乗作用を示すほか、嫌気性微生物の防除に特に効果的である。更に、これらの組成物は、低温及び高温のいずれにおいても機能でき、硫化物を含む系のような、還元剤を含む系においても効力を維持できる。これらの属性の結果として、組成物は、変動する温度範囲において嫌気性微生物を含む微生物を防除でき且つ硫化物などの還元剤が存在する場合にも効果的であり続ける殺生物剤が必要とされる、石油・天然ガス業界での使用によく適している。
【0013】
本明細書の解釈上、「微生物」の意味として、細菌、真菌、藻類及びウイルスが挙げられるが、これらに限定するものではない。用語「防除する(control)」及び「防除(controlling)」は、それらの意味の範囲内において、微生物の生長又は増殖を抑制すること、微生物を死滅させること、駆除及び/又は微生物の再生長に対する保護を含む(これらに限定するものではないが)ように広範に解釈すべきである。
【0014】
本発明の組成物はトリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン及び式I:
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、R1は水素、C1〜C12アルキル若しくはフェニル−C1〜C12−アルキルであり;R3は水素であるか、又はR1及びR3が、それらが結合している炭素と一緒になって、C5〜C7シクロアルキル環を形成し;R2は水素、メチル、エチル、ヒドロキシメチル若しくは臭素である。)
の臭素化ニトロアルカノ−ル化合物を含む。
【0017】
式Iに係る好ましい臭素化ニトロアルカノ−ル化合物としては、R1が水素又はC2〜C11アルキルである化合物が挙げられる。更に好ましいのは、R1がメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル又はn−ヘキシルである化合物である。R1及びR3が、それらが結合している炭素と一緒になって、シクロヘキシル環を形成している化合物も好ましい。
【0018】
式Iに係る好ましい臭素化ニトロアルカノ−ル化合物としては、R3がHである化合物が更に挙げられる。
【0019】
式Iに係る更に好ましい臭素化ニトロアルカノ−ル化合物は、R2がヒドロキシメチルである化合物である。
【0020】
式Iに係る好ましい化合物としては、1−ブロモ−1−ニトロブタン−2−オ−ル;2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオ−ル;1−ブロモ−1−ニトロペンタン−2−オ−ル;2−ブロモ−2−ニトロブタン−1,3−ジオ−ル;1−ブロモ−1−ニトロプロパン−2−オ−ル;1,1−ジブロモ−3−メチル−1−ニトロブタン−2−オ−ル;1−ブロモ−1−ニトロヘプタン−2−オ−ル;1−ブロモ−1−ニトロオクタン−2−オ−ル;3−ブロモ−3−ニトロブタン−2−オ−ル;1−(ブロモニトロメチル)シクロヘキサノ−ル;1,1−ジブロモ−1−ニトロプロパン−2−オ−ル;1−ブロモ−1−ニトロトリデカン−2−オ−ル;2−ブロモ−2−ニトロエタノ−ル;1−ブロモ−1−ニトロヘキサン−2−オ−ル;2−ブロモ−2−ニトロペンタン−3−オ−ル;2−ブロモ−2−ニトロブタン−1−オ−ル;1,1−ジブロモ−1−ニトロブタン−2−オ−ル;又はそれらの2種若しくはそれ以上の混合物が挙げられる。特に好ましいのは、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオ−ルである。
【0021】
式Iの臭素化ニトロアルカノ−ル化合物は市販されており、且つ/又は当業者によって周知の技術(例えば米国特許3,558,788号(参照によって本明細書中に組み入れる))を用いて容易に製造されることができる。トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタンは市販されている。
【0022】
本発明の組成物中のトリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタンの臭素化ニトロアルカノ−ル化合物に対する重量比は、好ましくは50:1〜1:50、より好ましくは10:1〜1:15、より好ましくは5:1〜1:7である。更なる態様において、この重量比は4:1〜1:4である。別の更なる態様において、この重量比は2.8:1〜1:1である。
【0023】
本発明の組成物は石油及び天然ガス用途において存在するような水性又は含水系の微生物の防除に有用である。このような系の例としては、注入水及び生成水、池水及び収容タンク水などの水攻(waterflooding)及び水圧破砕(hydraulic fracturing)用の源水、掘削泥水、仕上げ若しくは改修流体、水圧試験用流体、刺激流体、パッカー(packer)流体及び破砕(fracturing)流体などの機能流体、石油及びガス井、分離、貯蔵及び輸送系、石油及びガスパイプライン、石油及びガス容器又は燃料が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0024】
本発明の組成物はまた、他の工業用含水系、例えば冷却塔(cooling tower)、熱交換器、ボイラ−システム、紙パルプ製造、他の工業プロセス水、バラスト水、廃水処理システム、逆浸透水処理、金属加工油剤(metalworking fluid)、製革、ペイント及びコーティング、水性エマルジョン、ラテックス、接着剤、インキ、顔料分散体、パ−ソナルケア及び家庭用品、鉱物スラリ−、コ−キング及び接着材(caulks and adhesives)、テ−プ目地材(tape joint compound)、消毒剤、クリ−ナ−、繊維用流体(textile fluid)、又はこれらと共に使用される系において、微生物を防除するのに使用できる。
【0025】
本発明の組成物は、広い温度範囲にわたって機能できる。従って、一部の態様において、本発明の組成物は40℃又はそれ以上の水性又は含水系において使用する。更なる態様において、水性又は含水系の温度は60℃若しくはそれ以上又は80℃若しくはそれ以上である。
【0026】
本発明の組成物はまた硫化物イオン源などの還元剤が水性又は含水系に存在する場合にも効果的である。
【0027】
本発明の組成物は、硫化物イオン源などの還元剤が水性又は含水系に存在し且つ水性又は含水系の温度が高い場合にも効果的である。好ましくは、この態様における水性又は含水系の温度は40℃若しくはそれ以上又は60℃若しくはそれ以上又は80℃若しくはそれ以上である。
【0028】
一部の態様において、本発明の組成物によって防除される微生物は嫌気性、例えばSRBであり、水性系は硫化物などの還元剤を含む。この態様においては、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタンの臭素化ニトロアルカノ−ル化合物に対する重量比は、好ましくは約4:1〜1:4である。
【0029】
当業者ならば、過度の実験を行うことなく、任意の個々の用途に使用すべき組成物の濃度を容易に決定できる。一例として、好適な活性物質濃度(トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン及び臭素化ニトロアルカノ−ル化合物の両者の合計)は、殺生物剤を含む水性又は含水系の総重量に基づき、典型的には1〜2500ppm、好ましくは5〜1000ppmである。石油及びガス用途のための一部の態様において、組成物の活性物質濃度は、上面処理の場合には約10〜約300重量ppm、好ましくは約30〜100重量ppmであり、掘削孔処理の場合には約30〜約500重量ppm、好ましくは約50〜約250重量ppmである。
【0030】
本発明の組成物の成分は、水性若しくは含水系に別個に添加することもできるし、又は添加前にプレブレンドすることもできる。当業者ならば、適切な添加方法を容易に決定できる。組成物は系中で、界面活性剤、イオン性/非イオン性ポリマ−並びにスケ−ル及び腐蝕抑制剤、酸素スカベンジャー、並びに/又は追加殺生物剤(これらに限定するものではないが)などの他の添加剤と併用できる。
【0031】
本明細書中で使用する用語「アルキル」は、指示された数の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖炭化水素を意味する。アルキルの代表例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル及びn−ペンチルが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0032】
本明細書中で使用する用語「シクロアルキル」は炭素数5〜7の飽和及び部分不飽和環状炭化水素基を含む。シクロヘキシルが、好ましいシクロアルキル基である。
【実施例】
【0033】
以下の実施例は、本発明の一例にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。特に断らない限り、ここで使用する比、百分率、部などは、重量基準である。
【0034】
以下の実施例中で報告する相乗指数(synergy index)は、下記式:
相乗指数=Ca/CA+Cb/CB
(式中、Caは、組合せ使用の場合の、一定レベルの又は完全な細菌の死滅に必要な殺生物剤Aの濃度であり;
CAは、単独使用の場合の、一定レベルの又は完全な細菌の死滅に必要な殺生物剤Aの濃度であり;
Cbは、組合せ使用の場合の、一定レベルの又は完全な細菌の死滅に必要な殺生物剤Bの濃度であり;そして
CBは、単独使用の場合の、一定レベルの又は完全な細菌の死滅に必要な殺生物剤Bの濃度である)
を用いて算出される。
【0035】
相乗指数(SI)1は相加(additivity)を示し、1未満の相乗指数は相乗(synergy)を示し、そして1より大きい相乗指数は拮抗(antagonism)を示す。
【0036】
殺生物効力の評価には、当業者に知られている種々の方法を使用できる。以下の実施例において、殺生物剤処理サンプルのアリコ−トを、所定の時点で取り出し、一定レベルの又は完全な細菌死滅に必要な殺生物剤濃度を、連続希釈法を含む、培養に基づく方法によって決定する。一部の実施例において、この方法は、国際公開WO2009/039004号(参照によって本明細書中に組み入れる)に記載されている方法に基づくか、又はその方法から適応させる(例えば高温テスト又は硫化物の存在)。
【0037】
実施例1
硫酸塩還元細菌(SRB)に対するトリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン/2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオ−ル組成物の相乗作用
嫌気性チャンバ−(Bactron IV)内で、脱気滅菌塩溶液(水1L中、NaCl 3.1183g、NaHCO3 1.3082mg、KCl 47.70mg、CaCl2 72.00mg、MgSO4 54.49mg、Na2SO4 172.28mg、Na2CO3 43.92mg)を、油田から単離された嫌気性SRBコンソ−シアム(consortium)で106〜107CFU/mLの最終細菌濃度で汚染させる。次に、この汚染水のアリコ−トを、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオ−ル(BNPD)、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン(TA)又は本発明のTA/BNPD組合せによって、種々の活性物質濃度レベルで処理する。混合物を40℃において24時間インキュベ−ト後に、アリコ−ト中の細菌を死滅させる、最小試験殺生物剤濃度(MBC)によって、殺生物効力を決定する。表Iは、種々の濃度における殺生物剤の単独及び組合せの効果並びに相乗指数を要約する。
【0038】
【表1】

【0039】
実施例2
高温及び高硫化物濃度条件の場合の、SRBに対するトリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン/2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオ−ル組成物の相乗作用
嫌気性チャンバ−(Bactron IV)内で、殺生物剤溶液を、脱気滅菌塩溶液(水1L中、NaCl 3.1183g、NaHCO3 1.3082mg、KCl 47.70mg、CaCl2 72.00mg、MgSO4 54.49mg、Na2SO4 172.28mg、Na2CO3 43.92mg)中で調製し、次いで、104〜105CFU/mLの油田SRBコンソ−シアム及び10ppmの硫化物イオンを投与する。次に、混合物を嫌気性条件下で80℃において7日間インキュベ−トする。インキュベ−ションの間に、104〜105CFU/mLの油田SRBコンソ−シアム及び10ppmの硫化物を溶液に毎日投与する。2時間インキュベ−ト後に、油田SRBコンソ−シアムに対する殺生物効力を、40℃において2時間、評価する。7日間インキュベ−ト後に、再び殺生物効力を24時間評価する。殺生物効果は、2時間及び7日間の熱及びSRB−硫化物曝露の、3log10又はそれ以上の細菌減少に必要な最低試験殺生物剤投与濃度によって決定する。次に、相乗指数を算出する。表IIは、種々の濃度における殺生物剤の単独及び組合せの効果並びに相乗指数を要約する。
【0040】
【表2】

【0041】
本発明を、その好ましい態様に従って前述したが、本発明は、その精神及び範囲内において変更可能である。したがって、本出願は、本明細書中に開示された一般原則を用いる本発明のあらゆる変形、使用又は改変を網羅するものとする。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野における既知の又は慣例的な実施の範囲内に入り且つ添付した「特許請求の範囲」の範囲内に入る、この開示からの逸脱も網羅するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン及び
式I:
【化1】

(式中、R1は水素、C1〜C12アルキル若しくはフェニル−C1〜C12−アルキルであり;R3は水素であるか、又はR1及びR3が、それらが結合している炭素と一緒になって、C5〜C7シクロアルキル環を形成し;R2は水素、メチル、エチル、ヒドロキシメチル若しくは臭素である。)
の臭素化ニトロアルカノ−ル化合物を含んでなる組成物。
【請求項2】
1が水素又はC2〜C11アルキルである請求項1に係る組成物。
【請求項3】
3がHである請求項1〜2に係る組成物。
【請求項4】
2がヒドロキシメチルである請求項1〜3に係る組成物。
【請求項5】
式Iの前記臭素化ニトロアルカノ−ル化合物が1−ブロモ−1−ニトロブタン−2−オ−ル;2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオ−ル;1−ブロモ−1−ニトロペンタン−2−オ−ル;2−ブロモ−2−ニトロブタン−1,3−ジオ−ル;1−ブロモ−1−ニトロプロパン−2−オ−ル;1,1−ジブロモ−3−メチル−1−ニトロブタン−2−オ−ル; 1−ブロモ−1−ニトロヘプタン−2−オ−ル;1−ブロモ−1−ニトロオクタン−2−オ−ル;3−ブロモ−3−ニトロブタン−2−オ−ル;1−(ブロモニトロメチル)シクロヘキサノ−ル;1,1−ジブロモ−1−ニトロプロパン−2−オ−ル;1−ブロモ−1−ニトロトリデカン−2−オ−ル;2−ブロモ−2−ニトロエタノ−ル;1−ブロモ−1−ニトロヘキサン−2−オ−ル;2−ブロモ−2−ニトロペンタン−3−オ−ル;2−ブロモ−2−ニトロブタン−1−オ−ル;1,1−ジブロモ−1−ニトロブタン−2−オ−ル;又はそれらの2種若しくはそれ以上の混合物である請求項1に係る組成物。
【請求項6】
式Iの臭素化ニトロアルカノ−ル化合物が2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオ−ルである請求項1〜5に係る組成物。
【請求項7】
トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタンの、式Iの臭素化ニトロアルカノ−ル化合物に対する重量比が約50:1〜約1:50である請求項1〜6に係る組成物。
【請求項8】
1種又はそれ以上の、界面活性剤、イオン性/非イオン性ポリマ−並びにスケ−ル及び腐蝕抑制剤、酸素スカベンジャー又は追加の殺生物剤を更に含む請求項1〜7に係る組成物。
【請求項9】
請求項1〜9のいずれか1項に係る組成物の有効量で系を処理することを含んでなる、水性又は含水系における微生物を防除する方法。
【請求項10】
前記水性又は含水系を、石油又はガス生産に使用するか又は存在させる請求項9に係る方法。
【請求項11】
前記石油又はガス生産が注入及び生成水、水攻及び水圧破砕用の源水、池水、収容タンク水、機能流体、掘削泥水、仕上げ及び改修流体、水圧試験用流体、刺激流体、パッカ−流体、破砕流体、石油・ガス井、分離、貯蔵及び輸送系、石油及びガスパイプライン、石油及びガス容器又は燃料を含む請求項10に係る方法。
【請求項12】
前記水性又は含水系が冷却塔、熱交換器、ボイラ−システム、パルプ及び紙製造、他の工業プロセス水、バラスト水、廃水処理システム、逆浸透水処理、金属加工流体、製革、ペイント及びコーティング、水性エマルジョン、ラテックス、接着剤、インキ、顔料分散体、パ−ソナルケア及び家庭用品、鉱物スラリ−、コ−キング及び接着材、テ−プ目地材、消毒剤、クリ−ナ−、繊維用流体又はこれらと共に使用される系である請求項9に係る方法。
【請求項13】
前記微生物が嫌気性細菌である請求項9〜12に係る方法。
【請求項14】
前記水性又は含水系が40℃又はそれ以上の温度である請求項9〜13に係る方法。
【請求項15】
前記水性又は含水系が還元剤を含む請求項9〜14に係る方法。

【公表番号】特表2012−529524(P2012−529524A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515084(P2012−515084)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/037862
【国際公開番号】WO2010/144511
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】