説明

船外機の操舵装置

【課題】操舵角が大きい場合であっても、左右操舵時のステアリング荷重を均一にすることを課題とする。
【解決手段】船外機の右操舵時、左操舵時共に、ステアリングプレート27の接続孔37部は、円弧47の接線方向の力F1を受ける。左操舵時にステアリングロッド35がステアリングプレート27を押す力をT3とし、右操舵時にステアリングロッド35がステアリングプレート27を引く力をT4とする。β3=β4であるため、T3=T4となる。すなわち、左操舵時と右操舵時とで、ステアリング荷重が均等となる。また、T2<T4となるので、ステアリング荷重の向上を図ることができる。
【効果】第1の直線と第2の直線とのなす角度は等しくなるので、ステアリングロッドを押し引きする力の大きさは等しくなり、左右のステアリング荷重を均等化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングプレート及びステアリングロッドを備えている船外機の操舵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、船外機の操舵装置として、ステアリングプレートとステアリングロッドとを備えている操舵装置が知られている(例えば、特許文献1(図6)参照。)。
この特許文献1の技術を図面に基づいて以下に説明する。
図8に示すように、船外機の操舵装置200では、操舵ハンドルを左右に切ることでステアリングケーブル201が動かされる。すると、ステアリングケーブル201に連結されている連結部材202が矢印(1)のように左右に移動し、連結部材202の端部に接続されているステアリングロッド203は矢印(2)のように移動される。すると、ステアリングプレート204の先端がステアリングロッド203で押し引きされ、ステアリングプレート204はスイベル軸205を中心にして矢印(3)のように揺動される。結果、ステアリングプレート204の後端部206に接続されている船外機本体が操舵され、操舵手は船外機を操舵することができる。
【0003】
ところで、図9に示すように、ステアリングプレート204の中心線207上に、ステアリングロッド203の接続孔208が設けられている。接続孔208は、スイベル軸205の中心を基準とした半径Rの円弧209上の軌跡を移動する。
【0004】
連結部材202を中立位置から左右に同じ距離移動させ、ステアリングプレート204を左右に大きく振ったときの操舵角をα1と記し、ここでは、α1=50°とする。中心線207はスイベル軸205の中心を通るものとする。連結部材202とステアリングロッド203の連結部分を連結点210とし、ステアリングロッド203とステアリングプレート204の連結部分を連結点211とし、接続点210と接続点211を結んだ直線を直線212とする。
また、ステアリングプレート204を中立位置から左に振ったときの中心線207と直線212とのなす角度をβ1とし、右に振ったときの中心線207と直線212とのなす角度をβ2とする。
【0005】
ここで船外機を操舵すると、右操舵時、左操舵時共に、連結点211は、円弧209の接線方向の力F1を受ける。左操舵時にステアリングロッド203がステアリングプレート204を押す力をS1とし、右操舵時にステアリングロッド203がステアリングプレート204を引く力をS2とすると、β1<β2であるため、S1>S2となる。すなわち、右操舵時に比較して左操舵時のステアリング荷重が大きくなる。つまり、左操舵時と右操舵時のステアリング荷重の不均衡が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−319387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、操舵角が大きい場合であっても、左右操舵時のステアリング荷重を均一にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、船外機がスイベル軸を介して操舵可能に艇体に取付けられ、このような船外機の船外機本体からステアリングプレートが延ばされ、このステアリングプレートの先端がステアリングロッドで押し引きされることで、操舵が実施される船外機の操舵装置において、前記ステアリングプレートに、前記ステアリングロッドの先端を接続することができる接続孔(第2接続孔、以下同じ。)が設けられ、前記接続孔は、中立状態の前記ステアリングプレートが左右のどちらに同じ角度振れたときにも、前記スイベル軸の中心と前記接続孔を結んだ第1の直線と、前記ステアリングロッドのリンク孔と前記接続孔を結んだ第2の直線とのなす角度が等しくなるように、前記スイベル軸を通る前記ステアリングプレートの中心線から外れた位置に設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、ステアリングプレートの中立時において、第1の直線と中心線とのなす角度は、船外機の最大操舵角の設定値の大きさに応じて大きくなるように設定されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、ステアリングプレートは、接続孔よりもスイベル軸から遠い位置に且つ中心線上に、小操舵角用接続孔(第1接続孔、以下同じ。)を更に有することで、この小操舵角用接続孔と接続孔とを選択してステアリングロッドの先端を接続することが可能な構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、ステアリングプレートに、ステアリングロッドの先端を接続することができる接続孔が設けられ、接続孔は、ステアリングプレートの中心線から外れた位置に設けられている。中立状態のステアリングプレートが左右のどちらに同じ角度振れたときにも、スイベル軸の中心と接続孔を結んだ第1の直線と、ステアリングロッドのリンク孔と接続孔を結んだ第2の直線とのなす角度は等しくなるので、ステアリングロッドを押し引きする力の大きさは等しくなり、左右のステアリング荷重を均等化することができる。
【0012】
請求項2に係る発明では、ステアリングプレートの中立時において、第1の直線と中心線とのなす角度は、船外機の最大操舵角の設定値の大きさに応じて大きくなるように設定されているので、最大操舵角の設定値の変更に応じて左右のステアリング荷重の均等化を図ることができる。
【0013】
請求項3に係る発明では、ステアリングプレートは、接続孔よりもスイベル軸から遠い位置に且つ中心線上に、小操舵角用接続孔を更に有することで、この小操舵角用接続孔と接続孔とを選択してステアリングロッドの先端を接続することが可能な構成である。1個のステアリングプレートで2つの最大操舵角の設定に対応することができ、部品コストの低減と部品交換の作業工数の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】船外機の全体を示す側面図である。
【図2】本発明に係る要部の分解斜視図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】右操舵時の作用を説明する図である。
【図5】左操舵時の作用を説明する図である。
【図6】ステアリングロッドを接続孔に接続した状態での操舵荷重を説明する図である。
【図7】図3のステアリングロッドを小操舵角用接続孔に接続した状態を説明する図である。
【図8】従来の技術に係る操舵装置の作用を説明する図である。
【図9】従来の技術に係るステアリング荷重を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0016】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、船外機10は、図右側の矢印Frで示した方向を前方とし、図左側の矢印Rrで示した方向を後方とし、上部に船外機用エンジン11を備えている。なお、この船外機用エンジン11は、シリンダ、ピストンが横向きで、クランクシャフト、カムシャフトが縦向きの縦型エンジンである。
【0017】
船外機10は、船外機用エンジン11の上部を覆う上側エンジンカバー12と、このエンジンカバー12の下方に設けられている下側エンジンカバー13と、このエンジンカバー13の下方に設けられているエクステンションケース14と、このエクステンションケース14の下方に設けられているギヤケース15とから外観が構成される。
【0018】
船外機10の操舵装置20(詳細後述)は、下側エンジンカバー13の前方に設けられている。
下側エンジンカバー13の前側には、船体に船外機10を取付けるスターンブラケット16が設けられている。
【0019】
ギヤケース15の後方には、船外機用エンジン11の動力で回転して推進力を得るプロペラ17が回転自在に設けられている。一対のドグクラッチで切り換えることで、プロペラ17の正回転、逆回転を切り換え、前進又は後進の推進力を得る。
【0020】
上側エンジンカバー12は、下側エンジンカバー13前方の内側にフックを引っ掛けて後方の止め具18により取付けられている。
なお、船外機10は、後述するスイベル軸の軸線19を中心に、艇体に対して揺動する。
【0021】
次に本発明に係る船外機の操舵装置の構成を斜視図に基づいて説明する。
図2に示されるように、船外機10の操舵装置20は、艇体21に取付けられているスターンブラケット16と、このスターンブラケット16に設けられているチルティングシャフト22と、このチルティングシャフト22に回動自在に設けられているスイベルケース23と、このスイベルケース23の軸線(図1、符号19)上に回動自在に設けられ船外機本体24を保持するマウントフレーム25と、このマウントフレーム25の端部にボルト26を介して設けられているステアリングプレート27と、操舵ハンドルからチルティングシャフト22の貫通路28に導かれているステアリングワイヤー31と、このステアリングワイヤー31に接続され且つ貫通路28に摺動自在に設けられている接続ロッド32と、この接続ロッド32の端部のリンク孔33にナット34を介して回動自在に設けられているステアリングロッド35と、ステアリングプレート27に設けられている小操舵角用接続孔36及び接続孔37と、ステアリングロッド35を接続孔37に回動自在に接続するボルト41及びナット42と、からなる。
なお、ステアリングロッド35は、小操舵角用接続孔36に回転自在に接続されても差し支えない。また、接続ロッド32は、油圧シリンダを介してステアリングワイヤー31に接続されても差し支えない。
また、実施例では、接続孔37及び小操舵角用接続孔36が設けられたステアリングプレートについて説明したが、接続孔37のみが設けられているステアリングプレート27を使用しても差し支えない。
【0022】
次に本発明に係る操舵装置の要部を断面図に基づいて説明する。
図3に示されるように、マウントフレーム25は、ステアリングプレート27及び船外機本体24に接続されるマウント部43と、スイベルケース23に回動自在に設けられているスイベル軸44とからなる。スイベル軸44の中心を図1に示した軸線19が通る。
【0023】
ステアリングプレート27の中心線45は、スイベル軸44の中心を通る。小操舵角用接続孔36は、ステアリングプレート27の中心線45上に設けられている。
接続孔37は、小操舵角用接続孔36よりスイベル軸44に寄った位置で且つステアリングプレート27の中心線45から外れた位置に設けられている。また、接続孔37は、ステアリングプレート27が左右のどちらに振れてもステアリング荷重が均等になるように設けられている。
【0024】
ところで、図8に示されるように、船外機の操舵角の最大値は、変更される場合がある。従来技術において、操舵角の最大値は1つのみの設定であり、操舵角の最大値を設定変更するには、ステアリングプレート204及びステアリングロッド203をセットで取り替えなければならない。言い換えると、操舵角の設定値毎にステアリングプレート204及びステアリングロッド203のセットを別途準備する必要があり、部品コストや、部品交換の工数が掛かる。そのため、ステアリングプレート及びステアリングロッドのセットを別途必要とせずに、操舵角の設定を変更することができる船外機の操舵装置が求められている。
【0025】
この点、図3に示されるように、本発明においては、ステアリングプレート27は、接続孔36よりもスイベル軸44から遠い位置に且つ中心線上45に、小操舵角用接続孔36を更に有することで、この小操舵角用接続孔36と接続孔37とを選択してステアリングロッド35の先端を接続することが可能な構成である。これにより、1個のステアリングプレート27で2つの最大操舵角の設定に対応することができ、部品コストの低減と部品交換の作業工数の低減を図ることができる。
【0026】
スイベル軸44の中心から接続孔37の中心までの距離をR1とすると、接続孔37は、スイベル軸44の中心を中心点とする半径R1の円弧上の軌跡を移動する。ステアリングプレート27の先端がステアリングロッド35で押し引きされることで、操舵が実施される。また、ステアリングロッド35を接続孔37に接続すると、操舵角の最大値は50°となる。
【0027】
以上の述べた船外機の操舵装置の作用を次に述べる。
図4(a)に示されるように、ステアリングロッド35は、接続孔37に接続されている。操舵ハンドルを右に切ると、ステアリングロッド35は、矢印(4)に示すように移動する。ステアリングプレート27の先端が引っ張られ、ステアリングプレート27は、矢印(5)に示すように移動する。
【0028】
結果、(b)に示されるように、艇体は右に操舵される。
操舵ハンドルを左に切ると、ステアリングロッド35は、矢印(6)に示すように移動する。ステアリングプレート27の先端が押され、ステアリングプレート27は、矢印(7)に示すように移動する。
【0029】
図5に示されるように、艇体は左に操舵される。
艇体を直進させるには、再び操舵ハンドルを右に切り、ステアリングロッド35を、矢印(8)のように移動させる。ステアリングプレート27を、矢印(9)のように移動させ、ステアリングプレートの中心線45を直進方向の軸線46に一致させたところで、操舵ハンドルを止める。なお、ステアリングプレート27に接続孔37の1つのみが設けられている場合も同様である。
【0030】
次にステアリング荷重について説明する。
図6(a)の比較例に示すように、ステアリングプレート110の中心線45上に、小操舵角用接続孔111と、接続孔112とが設けられている。スイベル軸44の中心から接続孔112までの距離はR1とする。接続孔112は、スイベル軸44の中心を中心点とする半径R1の円弧113上の軌跡を移動する。
【0031】
接続ロッド32を中立位置から左右に同じ距離移動させ、ステアリングプレート110を中立位置から左右に振った操舵角をα1と記し、ここではα1=50°とする。スイベル軸44の中心と接続孔112の中心を結んだ直線を直線114とし、接続孔112の中心とリンク孔33の中心を結んだ直線を直線115とする。
また、ステアリングプレート110を中立位置から左に振ったときの直線114と直線115とのなす角度をβ1とし、右に振ったときの直線114と直線115とのなす角度をβ2とする。
【0032】
ここで船外機を操舵すると、船外機の右操舵時、左操舵時共に、ステアリングプレート110の接続孔112とステアリングロッド35の連結点116は、円弧113の接線方向の力F1を受ける。左操舵時にステアリングロッド35がステアリングプレート110を押す力をT1とし、右操舵時にステアリングロッド35がステアリングプレート110を引く力をT2とする。β1<β2であるため、T1>T2となる。すなわち、左操舵時と右操舵時では、ステアリング荷重が均等ではない。また、右操舵時に比較して左操舵時のステアリング荷重が増加する。
【0033】
次に(b)の実施例に示すように、ステアリングプレート27の接続孔37は、小操舵角用接続孔36よりスイベル軸44に寄った位置で且つステアリングプレート27の中心線45から外れた位置に設けられている。スイベル軸44の中心から接続孔37までの距離はR1とする。接続孔37は、スイベル軸44の中心を中心点とする半径R1の円弧47上の軌跡を移動する。
【0034】
接続ロッド32を中立位置から左右に同じ距離移動させ、ステアリングプレート27を中立位置から左右に振った操舵角をα1と記し、ここではα1=50°とする。スイベル軸44の中心と接続孔37の中心を結んだ直線を第1の直線51とし、接続孔37の中心とリンク孔33の中心を結んだ直線を第2の直線52とする。ステアリングプレート27を左に振ったときの第1の直線51と第2の直線52とのなす角度をβ3とし、右に振ったときの第1の直線51と第2の直線52とのなす角度をβ4とする。
【0035】
ここで船外機を操舵すると、船外機の右操舵時、左操舵時共に、ステアリングプレート27の接続孔37とステアリングロッド35の連結点53は、円弧47の接線方向の力F1を受ける。左操舵時にステアリングロッド35がステアリングプレート27を押す力をT3とし、右操舵時にステアリングロッド35がステアリングプレート27を引く力をT4とする。β3=β4であるため、T3=T4となる。すなわち、左操舵時と右操舵時とで、ステアリング荷重が均等となる。
また、T2<T4となるので、ステアリング荷重の向上を図ることができる。
このように、操舵角が大きい場合であっても、右操舵に比較して左操舵時のステアリング荷重が大きくなることを抑える。つまり、左右操舵時のステアリング荷重を均一にすることができる。
【0036】
なお、ステアリングプレート27の中立時において、第1の直線51とスイベル軸44を通る中心線45とのなす角度γ1は、船外機10の最大操舵角の設定値の大きさに応じて大きくなるように設定されている。これにより、最大操舵角の設定値の変更に応じて左右のステアリング荷重の均等化を図ることができる。
また、接続孔37のみが設けられているステアリングプレート27の場合であっても同様に、角度γ1は、船外機10の最大操舵角の設定値の大きさに応じて大きくなるように設定されており、最大操舵角の設定値の変更に応じて左右のステアリング荷重の均等化を図ることができる。
【0037】
次にステアリングロッド35を小操舵角用接続孔36に接続した要部を断面図に基づいて説明する。なお、図4と同様の部材で構成されている部分は、符号を流用して詳細な説明は省略する。
図7に示されるように、小操舵角用接続孔36は、ステアリングプレート27の中心線45上に設けられている。
【0038】
スイベル軸44の中心から小操舵角用接続孔36の中心までの距離をR2とすると、小操舵角用接続孔36は、スイベル軸44の中心を中心点とする半径R2の円弧上の軌跡を移動する。ステアリングプレート27の先端がステアリングロッド35で押し引きされることで、操舵が実施される。ステアリングロッド35を小操舵角用接続孔36に接続すると、操舵角の最大値は30°となる。
【0039】
なお、図3に示したようにステアリングロッド35を接続孔37に接続した半径R1より、小操舵角用接続孔に接続した半径R2の方が大きく設定されており、ステアリングプレート27を左右に30°振ったときの、円周方向の分力は左右ほぼ均等に設定されている。結果、左右の操舵での操舵荷重の差はほとんどない。
【0040】
尚、本発明に係る船外機の操舵装置は、実施の形態では操舵角の最大値が30°及び50°に適用したが、40°、45°及び55°にも適用可能であり、1個のステアリングプレートで複数の操舵角の最大値を設定するものであれば、ステアリングプレートに複数の接続孔を開けて他の操舵角の最大値を設定することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の船外機の操舵装置は、船外機に好適である。
【符号の説明】
【0042】
10…船外機、19…スイベル軸の軸線、20…操舵装置、21…艇体、24…船外機本体、27…ステアリングプレート、33…リンク孔、35…ステアリングロッド、36…小操舵角用接続孔、37…接続孔、44…スイベル軸、45…ステアリングプレートの中心線、47…円弧、51…スイベル軸の中心と接続孔の中心を結んだ第1の直線、52…接続孔の中心とリンク孔の中心を結んだ第2の直線、α1…操舵角、β3、β4…第1の直線51と第2の直線52とのなす角度、γ1…中心線45と第1の直線51とのなす角度、F1…円弧の接線方向に受ける力、T3…ステアリングロッドがステアリングプレートを押す力、T4…ステアリングロッドがステアリングプレートを引く力。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船外機がスイベル軸を介して操舵可能に艇体に取付けられ、このような船外機の船外機本体からステアリングプレートが延ばされ、このステアリングプレートの先端がステアリングロッドで押し引きされることで、操舵が実施される船外機の操舵装置において、
前記ステアリングプレートに、前記ステアリングロッドの先端を接続することができる接続孔が設けられ、
前記接続孔は、中立状態の前記ステアリングプレートが左右のどちらに同じ角度振れたときにも、前記スイベル軸の中心と前記接続孔を結んだ第1の直線と、前記ステアリングロッドのリンク孔と前記接続孔を結んだ第2の直線とのなす角度が等しくなるように、前記スイベル軸を通る前記ステアリングプレートの中心線から外れた位置に設けられていることを特徴とする船外機の操舵装置。
【請求項2】
前記ステアリングプレートの中立時において、前記第1の直線と前記中心線とのなす角度は、前記船外機の最大操舵角の設定値の大きさに応じて大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の船外機の操舵装置。
【請求項3】
前記ステアリングプレートは、前記接続孔よりも前記スイベル軸から遠い位置に且つ前記中心線上に、小操舵角用接続孔を更に有することで、この小操舵角用接続孔と前記接続孔とを選択して前記ステアリングロッドの先端を接続することが可能な構成であることを特徴とする請求項1記載の船外機の操舵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−269781(P2010−269781A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−244546(P2009−244546)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)