説明

船舶推進装置のケーブル類取付構造

【課題】挿通孔へのケーブル類の挿入が容易に行えるとともに確実な水封が行える船舶推進装置のケーブル類取付構造を提供する。
【解決手段】ボトムカウル24にポート部31を一体に備える。外方で、ケーブル類Kを、ゴムグロメット32のすり割り32gを開いてゴムグロメット32の貫通孔に通すと共にポート部31の挿通孔に通し、挿通孔39にゴムグロメット32を圧縮嵌入して挿通孔39の水封を行う。ポート部31は、ボトムカウル24に一体成形してなる。ゴムグロメット32は、すり割り32gが開かないように押え板42で抱え込み共に挿通孔39に収容する。押え板42を取付ボルト43によりポート部31へ固定することにより、ゴムグロメット32が、挿通孔39内に固定され、かつ挿通孔でケーブル類Kの周りの隙間を埋めて水封を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エンジンカバーに設ける挿通孔を通して船体側から延びるケーブル類をエンジンカバー内に導き、ゴムグロメットでポート部の挿通孔の水封を行う船舶推進装置のケーブル類取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の船舶推進装置のケーブル類取付構造として、例えば特許文献1〜3に示す発明が提案されている。特許文献1には、エンジンカバーのアンダーカバーと取付けプレートとが分離され、この間にケーブル類が挿通されたゴムグロメットが挟持された構造が開示されている。特許文献2には、フロントパネルに形成されるポート部とサイドカバーに形成されるポート部を接続することにより単体の挿通ポートが形成されている。特許文献3には、ボトムカバーであるエンジンカバーが、左右の分割カバーと、ケーブル類を導入する筒状部を備えたケーブル類導入カバーとの3分割構造であり、エンジンカバーの内方においてシール部材のすり割りを開いてシール部材に設けた貫通孔にケーブル類が通され、シール部材が筒状部に形成したテーパ孔(挿通孔)に嵌入している構造が開示されている。
【特許文献1】特公平6−45437号公報、
【特許文献2】特許第3695165号(特開2000−62692号公報)
【特許文献3】特開2004−338464号公報、図3。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来の特許文献1と2に示される水封構造にあっては、ケーブル類を導入するポート部が分割されており、ポート部の分割面の隙間から水が侵入する惧れがあるので好ましくない。そこで、分割面の隙間の水封を行うことが考えられるが、エンジンカバーの分割部の連結構造が複雑化して製作コストが高く付くことになるので望ましくない。
【0004】
特許文献3の図3に示される水封構造は、ケーブル類を導入するポート部については分割されていないが、該ポート部を有する部分が、エンジンカバーのカバーエレメントから分離して構成されているので、カバー分割面から水が侵入する惧れがあるので好ましくない。
【0005】
そこで、この発明は、ケーブル類を導入する挿通孔について分割されておらず、かつ、挿通孔へのケーブル類の挿入が容易に行えると共に、確実な水封が行える船舶推進装置のケーブル類取付構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジンを覆うエンジンカバーの1つのカバーエレメントの船体寄り位置に挿通孔を備え、前記挿通孔に配置されたゴムグロメットの貫通孔に通してケーブル類が船体側から前記エンジンカバー内に挿通される構成である船舶推進装置のケーブル類取付構造において、前記挿通孔は全周を前記カバーエレメントに一体成形され、該挿通孔は挿入口と、該挿入口から前記エンジンカバー内へ延びる内筒壁を有し、さらに該内筒壁の所要位置に内筒壁全周にわたってシール用内周段部を形成し、前記ゴムグロメットを前記挿入口から挿入したときに、前記シール用内周段部に当接する当接シール部が前記ゴムグロメットに形成されている船舶推進装置のケーブル類取付構造としたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記ゴムグロメットのすり割りを開いて該ゴムグロメットの貫通孔に前記ケーブル類が挿通され、少なくとも前記すり割りの開口端部を含む前記ゴムグロメット外周部分を押え板によって覆うと共に、前記ゴムグロメットを前記押え板によって前記エンジンカバー内方向へ押圧固定することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記押え板は、二股に延びる一対の腕部を有し、該一対の腕部が前記ゴムグロメットの外面の前記貫通孔方向の中途部を抱え込み、前記ゴムグロメットは、前記すり割りの外端を前記押え板の一対の腕部間に位置して設けられ、かつ、前記中途部に前記押え板の一対の腕部が挿入される被抱き込み用溝を有していることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一に記載の前記ゴムグロメットは、挿入先端部が、前記挿通孔の中途に形成された段部端面に密着されて水封を行うと共に、外面中途に形成された1条又は複数条の突条シール部が、前記挿通孔の内面に密着して水封が行われる構成であることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一に記載の構成に加え、前記挿通孔の前記カバーエレメント内面側の開口周縁角部に、該開口周縁角部を覆う無端状のカバー部材が設けられた構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、ケーブル類を導入する挿通孔が分割されない構成であるので、エンジンを覆うエンジンカバーを構成するカバーエレメントの製造が容易になり、挿通孔に分割面がないからここのシールも不要になり、ゴムグロメットを挿通孔に外側から挿入して取り付けできるため、作業性が良好になり、シール用内周段部に当接シール部が当接押圧されるので、挿通孔をゴムグロメットにより確実に水封することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、すり割りを開いてゴムグロメットの貫通孔にケーブル類が挿通され、押え板によって覆ってゴムグロメットを挿通孔へ挿入して押圧固定するので、ゴムグロメットのすり割りが開かないように押え板で抱え込み、該押え板と共に、ゴムグロメットをすり割りにずれが生じないように挿通孔への挿入を容易に行える。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、押え板の一対の腕部でゴムグロメットの被抱き込み用溝を抱え込み挿通孔の奥方向へ押圧してゴムグロメットを固着できるので、ゴムグロメットのシール部を挿通孔のシール部に強く押し付けることができて、挿通孔をゴムグロメットにより確実に水封することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、ゴムグロメットによる水封を挿通孔の複数箇所に行うので、シール性が一層向上する。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、ポート部のカバーエレメント内面側の開口周縁角部を無端状のカバー部材で覆ったので、カバーエレメントの成型時に開口周縁角部に生じるバリに対してカバー部材がケーブル類を保護することができ、またポート部の挿通孔をカバーエレメントに対して大きく傾斜して設けることで生じる開口周縁角部のナイフエッジに当たるようにケーブル類が折り曲げられてもカバー部材で該ケーブル類をナイフエッジから保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
図1乃至図12は、発明の実施の形態1に係る船舶推進装置のケーブル類取付構造を示す。まず、構成を説明する。図1に示すように、船体20の船尾のトランサムボード20aに取付けプレート22aが固定され、この取付けプレート22aに、「船舶推進装置」としての船外機21がスイベルブラケット22bを介してチルトアップ可能に取り付けられ、この船外機21のボトムカウル24に関して、この実施の形態のケーブル類取付構造が装備される。
【0017】
船外機21は、トップカウル23と、ボトムカウル24と、アッパーケース25と、ロアケース26の分割体カバーを連結したカバーを備えている。トップカウル23とボトムカウル24は、エンジン27を覆うエンジンカバーを構成するカバーエレメントである。船外機21は、このエンジン27の回転出力により、プロペラ28を駆動する。
【0018】
船舶推進装置のケーブル類取付構造は、図1に示すように、エンジン27を覆うボトムカウル24に設けるポート部31の挿通孔を通して船体側から延びるケーブル類Kをエンジンカバー内に導き、ゴムグロメット32でポート部31の挿通孔の水封が行われる構成である。なお、ケーブル類Kは、図1、図6以外では示されていない。
【0019】
図2は、ボトムカウル24の平面図である。ボトムカウル24は、図において下側が船体寄りである。この実施の形態では、略卵形に成形されたボトムカウル24の船体寄りの右側に、ポート部31を一体に備えている。従って、ポート部31は分割構造ではないので、従来のような分割面から水が侵入する惧れはない。符号34は、アッパーケース25に連通する開口である。
【0020】
図3は、ボトムカウル24の平面図であって、ポート部31の挿入口に対して外方からゴムグロメット32が嵌入され、また内端に無端状のカバー部材33が被着された状態を示す。
【0021】
図4は、ボトムカウル24のポート部31の付近の拡大平面図を示す。カバー部材33は、図2に示すように、ボトムカウル24の底面部より立ち上がる取付用支柱35,36にボルト37,38で固定される。
【0022】
図5は、図4においてV−V矢視して時計回りに90°回転して示すポート部31の正面図である。
ポート部31の挿通孔39は、挿入口と、該挿入口から前記エンジンカバー内へ延びる内筒壁を有し、さらに該内筒壁の所要位置に内筒壁全周にわたって内周段部を有している。詳述すると、挿通孔39は、奥側の小孔部39aと、外側の大孔部39bと、小孔部39aと大孔部39bとの境界に形成された段差端面(シール用内周段部)39c等を備えている。小孔部39aは、下部中央に1本のケーブルを通す通路部39dを有しており、大孔部39bは、この通路部39dの両側に延びた段差端面39cの両側に台座40、40を備えている。台座40、40にねじ孔41,41が設けられている。
【0023】
図6は、ポート部31の挿通孔にケーブル類K(燃料ホースK1,ホースK2,配線K3,配線K4,ホースK5,配線(バッテリケーブル)K6)を挿通しゴムグロメット32で水封した状態を示す、ポート部31の正面図である。図7は、ゴムグロメット32の側面図を示す。図8は、ゴムグロメット32の中程を図7においてIIIV−IIIV矢視にて輪切りした断面図である。また図9は、ゴムグロメット32の中程を図7においてIX−IX矢視にて輪切りした断面図である。
【0024】
ゴムグロメット32は、図7において右端を図5に示す挿通孔39への挿入方向先端として嵌入する。ゴムグロメット32は、図8,図9に示すように、図6に示す燃料ホースK1,ホースK2,配線K3,配線K4,ホースK5,配線K6)を挿通させる貫通孔32a〜32fを有する。ゴムグロメット32には、底面よりすり割り32gが入れられている。このすり割り32gは、貫通孔32b、32c、32d、32fの順に連通している。ゴムグロメット32は、このすり割り32gより大きく開かれて貫通孔32b〜32fに図6に示すホースK2,配線K3,配線K4,ホースK5,配線K6を挿通させてそれらの周囲を水封する役目を果たす。ゴムグロメット32は、外端面に貫通孔32aを囲んで半筒状の突部33kを備えている。この突部33kは、貫通孔32aに挿通する燃料ホースK1のジョイント部分(金属部材)がゴムグロメット32の間近に配置されるので、該ジョイント部分と他のケーブル類との接触を避けるために設けられている。
【0025】
ゴムグロメット32は、図7において右端寄りの外面中程に被抱き込み用溝32hを有していて、該被抱き込み用溝32hに、図9に示す押え板42が嵌合している。押え板42は、二股に延びる一対の腕部42a、42aを有し、ゴムグロメット32の被抱き込み用溝32hに対して下方から嵌着され、該一対の腕部42a、42aが前記ゴムグロメット32の外面の前記貫通孔方向の中途部を抱え込んでいる。これにより、ゴムグロメット32は、すり割り32gが開かないように押え板42で抱え込まれる。
【0026】
ゴムグロメット32は、外部で図1、図6に示すケーブル類Kを挿通してから押え板42ですり割り32gが開かないように抱え込まれ、この状態で、図10、図11に示すように、ポート部31の挿通孔39の大孔部39bに嵌入される。押え板42には一対のボルト通し孔が設けられ、ボルト通し孔にボルト43が通されている。ゴムグロメット32は、ボルト43を台座40、40のねじ孔41,41に締め付けることにより、挿通孔39の大孔部39b内に固定され、挿入先端部(当接シール部)32iが、ポート部31の挿通孔39の中途に形成された段部端面39cに密着されて水封を行うと共に、外面中途に形成された一条又は複数条(図では一条のみを示す)の突条シール部32jが、ポート部31の挿通孔39の大孔部分39aに一周して密着して水封を行うように構成されている。
【0027】
上記構成により、押え板42を取付ボルト43によりポート部31の内部に設けられた台座40、40へエンジンカバー内方向へ押圧固定することにより、ゴムグロメット32が、少なくともすり割り32gの開口端部を含むゴムグロメット外周部分を押え板42によって覆われて該押え板42により挿通孔39内に固定され、かつ挿通孔のケーブル類Kの周りの隙間を埋めて水封を行う。なお、この実施の形態ではゴムグロメット32の挿入先端部32iを当接シール部としているが、ゴムグロメットの外周面の押え板42の位置よりも奥方向の中途に段部を設けてここを当接シール部とし、この当接シール部に対応して段部端面(シール用内周段部)39cを設けても良い。
【0028】
図4に示した、ポート部31に対応してボトムカウル24の内面に備えたカバー部材33の詳細な形状図を図12に示す。この実施の形態では、略卵形に成形されたボトムカウル24の船体寄りの右側の船体前後方向に対して急角度のボトムカウル壁面部分に、ポート部31を一体に備えている。このため、この船舶推進装置のケーブル類取付構造は、図3に示すように、ポート部31のボトムカウル24の内面側の開口周縁角部にナイフエッジができ、また、成型時にバリが生じるので、カバー部材33を被着している。
【0029】
カバー部材33は、ボトムカウル24の内面とポート31の挿通孔39にそれぞれオーバーラップする断面形状でかつ無端状である。
カバー部材33は、図12に示すように、無端部33aの上端部より両側に延長した一対の取付部33b、33cを備え、各取付部33b、33cに設けたボルト通し孔に取付ボルト37、38を通して該取付ボルト37、38をボトムカウル24より設けたカバー部材取付部にねじ込み固定されている。
【0030】
こうして、ポート部31のボトムカウル24の内面側の開口周縁角部をカバー部材33で覆ったので、ボトムカウル24の成型時に開口周縁角部に生じるバリに対してカバー部材33がケーブル類Kを保護することができ、またポート31の挿通孔39をボトムカウル24に対して大きく傾斜して設けることで生じる開口周縁角部のナイフエッジに当たるようにケーブル類Kが折り曲げられてもカバー部材33で該ケーブル類Kをナイフエッジから保護することができる。
【0031】
上記実施の形態によれば、ケーブル類Kを導入するポート部31が分割されない構成であるので、エンジン27を覆うエンジンカバーを構成するカバーエレメント(この実施の形態ではボトムカウル24)の製造が容易になり、ポート部31に分割面がないからここのシールも不要になる。そして、ゴムグロメット32を挿通孔39に外側から挿入して取り付けできるため、作業性が良好になり、シール用内周段部39cに当接シール部32iが当接押圧されるので、挿通孔39をゴムグロメット32により確実に水封することができる。
【0032】
また上記実施の形態によれば、すり割り32gを開いてゴムグロメット32の貫通孔にケーブル類Kが挿通され、押え板42によって覆ってゴムグロメット32を挿通孔39へ挿入して押圧固定するので、ゴムグロメット32のすり割り32gが開かないように押え板42で抱え込み、該押え板42と共に、ゴムグロメット32をすり割り32gにずれが生じないように挿通孔39への挿入を容易に行える。
【0033】
また、上記実施の形態によれば、押え板42の一対の腕部42a、42aでゴムグロメット32の被抱き込み用溝32hを抱え込み、ポート部31の挿通孔39の奥方向へ押圧してゴムグロメット32を固着できるので、ゴムグロメット32のシール部をポート部31の挿通孔39のシール部に強く押し付けることができてポート部31の挿通孔39をゴムグロメット32により確実に水封することができる。
【0034】
さらに、上記実施の形態によれば、ゴムグロメット32による水封をポート部31の挿通孔39の複数箇所に行うので、シール性が一層向上する。
【0035】
さらに、上記実施の形態によれば、ポート部31のボトムカウル24の内面側の開口周縁角部を無端状のカバー部材33で覆ったので、ボトムカウル24の成型時に開口周縁角部に生じるバリに対してカバー部材33がケーブル類Kを保護することができ、またポート部31の挿通孔39をボトムカウル24に対して大きく傾斜して設けることで生じる開口周縁角部のナイフエッジに当たるようにケーブル類Kが折り曲げられてもカバー部材33で該ケーブル類Kをナイフエッジから保護することができる。
【0036】
上記実施の形態では、「船舶推進装置」として船外機が用いられているが、これに限らず、船内外機等でも良いことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の実施の形態1に係る船舶推進装置の側面図である。
【図2】図1の船舶推進装置のエンジンカバーのカバーエレメントであるボトムカウルの平面図である。
【図3】ゴムグロメットとカバー部材を取り付けた図1のボトムカウルの平面図である。
【図4】図1のボトムカウルのポート部の付近の拡大平面図である。
【図5】図4においてV−V矢視して時計回りに90°回転して示すポート部の正面図である。
【図6】ケーブル類を挿通しゴムグロメットで水封した状態を示す、ポート部の挿通孔正面図である。
【図7】ゴムグロメットの側面図である。
【図8】図7におけるIIIV−IIIV矢視した断面図である。
【図9】図7におけるIX−IX矢視した断面図である。
【図10】ゴムグロメットに押え板を嵌合しポート部の挿通孔の大孔部に嵌入する前の状態を示す断面部である。
【図11】ゴムグロメットに押え板を嵌合しポート部の挿通孔の大孔部に嵌入した状態を示す断面部である。
【図12】(a)は、カバー部材の平面図、(b)は、図(a)のXIIb−XIIb矢視図、(c)は、図(a)のXIIc−XIIc矢視図である。
【符号の説明】
【0038】
21 船外機(船舶推進装置)
24 ボトムカウル(カバーエレメント)
31 ポート部
K ケーブル類
K1 燃料ホース
K2 ホース
K3 配線
K4 配線
K5 ホース
K6 配線(バッテリケーブル)
32 ゴムグロメット
32a〜32f 貫通孔
32g すり割り
32h 被抱き込み用溝
32i 挿入先端部(当接シール部)
32j 突条シール部
33 カバー部材
39 挿通孔
39a 小孔部
39b 大孔部
39c 段差端面(シール用内周段部)
42 押え板
42a 腕部
43 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンを覆うエンジンカバーの1つのカバーエレメントの船体寄り位置に挿通孔を備え、
前記挿通孔に配置されたゴムグロメットの貫通孔に通してケーブル類が船体側から前記エンジンカバー内に挿通される構成である船舶推進装置のケーブル類取付構造において、
前記挿通孔は全周を前記カバーエレメントに一体成形され、
該挿通孔は挿入口と、該挿入口から前記エンジンカバー内へ延びる内筒壁を有し、さらに該内筒壁の所要位置に内筒壁全周にわたってシール用内周段部を形成し、
前記ゴムグロメットを前記挿入口から挿入したときに、前記シール用内周段部に当接する当接シール部が前記ゴムグロメットに形成されていることを特徴とする船舶推進装置のケーブル類取付構造。
【請求項2】
前記ゴムグロメットのすり割りを開いて該ゴムグロメットの貫通孔に前記ケーブル類が挿通され、少なくとも前記すり割りの開口端部を含む前記ゴムグロメット外周部分を押え板によって覆うと共に、前記ゴムグロメットを前記押え板によって前記エンジンカバー内方向へ押圧固定することを特徴とする請求項1に記載の船舶推進装置のケーブル類取付構造。
【請求項3】
前記押え板は、二股に延びる一対の腕部を有し、該一対の腕部が前記ゴムグロメットの外面の前記貫通孔方向の中途部を抱え込み、
前記ゴムグロメットは、前記すり割りの外端を前記押え板の一対の腕部間に位置して設けられ、かつ、前記中途部に前記押え板の一対の腕部が挿入される被抱き込み用溝を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の船舶推進装置のケーブル類取付構造。
【請求項4】
前記ゴムグロメットは、挿入先端部が、前記挿通孔の中途に形成された段部端面に密着されて水封を行うと共に、外面中途に形成された1条又は複数条の突条シール部が、前記挿通孔の内面に密着して水封が行われる構成であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の船舶推進装置のケーブル類取付構造。
【請求項5】
前記挿通孔の前記カバーエレメント内面側の開口周縁角部に、該開口周縁角部を覆う無端状のカバー部材が設けられた構成であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の船舶推進装置のケーブル類取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−195167(P2008−195167A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31080(P2007−31080)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000176213)ヤマハマリン株式会社 (256)