説明

色変換方法

【課題】CRTを入力系とし、カラープリンタを出力系とした場合、入力系と出力系では色再現範囲が異なり、出力系の色再現範囲は入力系の色再現範囲よりも狭くなっている。このような状況において、入力系の再現色を出力系で再現する場合、入力系の再現色を出力系の色再現範囲内に写像する必要があるが、従来、色の連続性が保証されなかったり、処理時間が短縮できない問題がある。
【解決手段】入力色のa値Iに対して、入力色と同色相で出力系で最大彩度となる色のa値OMaxを検出し、出力系の白、黒、及びOMaxのCIE L値を含む明度(L)−彩度(S)平面を算出し、入力色をこの平面に写像する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は色変換方法に関し、特にカラーマッチング対象デバイスの再現色を再現デバイス色再現領域内の色に写像した後、色再現を行う色変換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラーマッチング対象デバイス(以降、入力系と称す)として、RGB3入力色による加法混色によるCRTを、再現デバイス(以降、出力系と称す)として、一般に、Cyan、Magenta、Yellowの3色インク、あるいは前記3色にBlackを加えた4色インクによる減法混色による電子写真方式、インクジェット方式などのカラープリンタを、それぞれ例にとって以下に説明する。
【0003】
一般に、入力系と出力系では色再現範囲が異なり、部分的には逆転があるものの全体的には、出力系の色再現範囲は入力系の色再現範囲よりも狭くなっている。このような状況において、入力系の再現色を出力系で再現する場合、入力系の再現色を出力系の色再現範囲内に写像する必要がある。この写像処理は、ガムットマッピング(Gamut Mapping)処理と呼ばれる。
【0004】
これまでにも、ガムットマッピング処理については、様々な方法が提案されているが、近年になって、入力系の再現色を出力系色再現範囲内に写像する際、入力系と出力系の色再現範囲形状について、その相互関係を考慮し、色相毎に写像アルゴリズムを変更する方法が提案された。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−98298号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、入力系と出力系の色再現範囲形状について、その相互関係を考慮して写像アルゴリズムを変更する場合、写像アルゴリズムが変更される色相を境目にして色の連続性が保証されない可能性がある。また、常に入力系と出力系色再現範囲の形状の相互関係を判別しなければならないため、リアルタイム性が要求されるカラーマネージメントシステムに実装する場合、その処理時間が問題となる。
【0007】
本発明の目的は、このような課題を解決すべく、入出力の両色再現領域形状の判別時間を短縮してリアルタイム処理を可能とし、色相変化によってガムットマッピング処理が不連続になる可能性を完全に排除することができる色変換方式を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の色変換方法は、入力系再現色を、出力系色再現領域内に写像する色変換方法において、
前記入力系再現色と同色相で、かつ出力系において最大彩度となる第1の色を検出する第1工程と、出力系における白色と定義した色と黒色と定義した色、及び前記第1工程で検出した前記第1の色を含む平面を算出する第2工程と、前記入力系再現色を、前記第2工程により算出した平面に写像する第3工程とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項2の色変換方法は、入力系再現色を、出力系色再現領域内に写像する色変換方法において、
前記入力系再現色の色相に応じた彩度・明度断面における出力系色域境界線を形成する第1工程と、前記入力系再現色に対応する出力系基準無彩色を決定する第2工程と、前記入力系再現色に対応する出力系基準色域境界色を決定する第3工程と、前記第2工程で決定した前記出力系基準無彩色と前記第3工程で決定した前記出力系基準色域境界色を結ぶ線上に前記入力系再現色を写像する第4工程とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項3の色変換方法は、請求項2記載の色変換方法において、前記第3工程が、
前記入力系再現色の色相に応じた彩度・明度断面における入力系色域境界線を形成する第1ステップと、入力系の白色明度と黒色明度間に対する入力系再現色明度の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の白色と黒色間に前記出力系基準色域境界色を決定する第2ステップとを有することを特徴とする。
【0011】
請求項4の色変換方法は、請求項2記載の色変換方法において、前記第3工程が、
前記入力系再現色の色相に応じた彩度・明度断面における入力系色域境界線を形成する第1ステップと、該第1ステップで形成した入力系色域境界において、最大彩度相当となる入力系最大彩度基準色を、前記入力系色域境界線上に設定する第2ステップと、該第2ステップで設定した前記入力系最大彩度基準色に対応する出力系最大彩度基準色を、出力系色域境界線上の任意の位置に設定する第3ステップと、前記入力系再現色と前記入力系最大彩度基準色の明度を比較し、前記入力系再現色明度が前記入力系最大彩度基準色明度よりも大きい場合は、入力系白色明度と入力系最大彩度基準色明度間に対する入力系再現色明度の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の白色と出力系最大彩度基準色間に出力系基準色域境界色を決定し、前記入力系再現色明度が前記入力系最大彩度基準色明度よりも小さい場合は、入力系黒色明度と入力系最大彩度基準色明度間に対する入力系再現色明度の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の黒色と前記出力系最大彩度基準色間に前記出力系基準色域境界色を決定する第4ステップとを有することを特徴とする。
【0012】
請求項5の色変換方法は、請求項2に記載の色変換方法において、前記第3工程が、
前記入力系再現色の色相に応じた彩度・明度断面における入力系色域境界線を形成する第1ステップと、前記入力系再現色と同明度で、かつ前記入力系色域境界線上に存在する第1色を検出する第2ステップと、前記入力系色域境界線における白色と黒色間の第1の距離を算出する第3ステップと、前記入力系色域境界線における白色と前記第1色間の第2の距離を算出する第4ステップと、前記第1の距離に対する前記第2の距離の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の白色と黒色間に前記出力系基準色域境界色を決定する第5ステップとを有することを特徴とする。
【0013】
請求項6の色変換方法は、請求項2に記載の色変換方法において、前記第3工程が、
前記入力系再現色の色相に応じた彩度・明度断面における入力系色域境界線を形成する第1ステップと、前記入力系再現色と同程度で、かつ前記入力系色域境界線上に存在する第1色を検出する第2ステップと、前記入力系色域境界線における白色と黒色間の第1の距離を算出する第3ステップと、前記入力系色域境界線における黒色と前記第1色間の第2の距離を算出する第4ステップと、前記第1の距離に対する前記第2の距離の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の白色と黒色間に前記出力系基準色域境界色を決定する第5ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
請求項7の色変換方法は、請求項2記載の色変換方法において、前記第3工程が、
前記入力系再現色の色相に応じた彩度・明度断面における入力系色域境界線を形成する第1ステップと、該第1ステップで形成した入力系色域境界において、最大彩度相当となる入力系最大彩度基準色を、前記入力系色域境界線上に設定する第2ステップと、該第2ステップで設定した前記入力系最大彩度基準色に対応する出力系最大彩度基準色を、出力系色域境界線上の任意の位置に設定する第3ステップと、前記入力系再現色と同明度で、かつ前記入力系色域境界線上に存在する第1色を検出する第4ステップと、前記入力系再現色と前記入力系最大彩度基準色の明度を比較し、前記入力系再現色明度が前記入力系最大彩度基準色明度よりも大きい場合は、前記入力系色域境界線における白色と前記入力系最大彩度基準色間の第1の距離を算出する第5ステップと、前記入力系色域境界線における白色と前記第1色間の第2の距離を算出する第6ステップと、前記第1の距離に対する前記第2の距離の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の白色と前記出力系最大彩度基準色間に前記出力系基準色域境界色を決定する第7ステップと、前記入力系再現色明度が前記入力系最大彩度基準色明度よりも小さい場合は、前記入力系色域境界線における黒色と前記入力系最大彩度基準色間の第3の距離を算出する第8ステップと、前記入力系色域境界線における黒色と前記第1色間の第4の距離を算出する第9ステップと、前記第3の距離に対する前記第4の距離の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の黒色と前記出力系最大彩度基準色間に前記出力系基準色域境界色を決定する第10ステップとを有することを特徴とする。
【0015】
請求項8の色変換処理方法は、入力系再現色を、出力系色再現領域内に写像する色変換方法において、
前記入力系再現色の彩度を圧縮するとき、線形比例圧縮を行った場合の彩度を算出する第1工程と、クリッピング圧縮を行った場合の彩度を算出する第2工程と、前記第1工程で算出された彩度と前記第2工程で算出された彩度に対して、指定された係数を用いた比例計算を行うことにより、最終的な彩度を決定する第3工程とを有することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1、図2は、本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態1の構成を示すブロック図であり、図1は入力系の回路構成を、また図2は出力系の回路構成をそれぞれ示している。
【0017】
入力色空間写像パラメータ格納部11には、RGB値をCIE(Commission Internationalede l’Eclairage:国際照明委員会) XYZ値に変換するのに必要な、ガンマ係数とマトリクス係数が格納されている。
【0018】
入力色空間写像部12は、RGB値からCIE XYZ値へ、更にCIE XYZ値からCIE L値への写像を行う。ガムットマッピング処理に用いる色空間は、標準色空間であればどのような空間でも構わないが、本実施の形態においては、CIE L空間を用いて説明する。
【0019】
入力系色再現領域構成データ作成部13は、入力系のWhite、Black、及びRed、Yellow、Green、Cyan、Blue、Magentaにおける最大彩度となる色のCIE L値を算出する。入力系色再現領域構成データ格納部14には、入力系色再現領域構成データ作成部13で算出されたCIE L値が格納される。
【0020】
ここで、入力系のWhite(白色)は、入力系が再現可能で最も明度が高い色と定義し、Black(黒色)は、入力系が再現可能で最も明度が低い色と定義する。
【0021】
入力系色域境界データ作成部15は、入力色の色相に対応する彩度・明度断面における入力系色域境界線を構成する色について、そのCIE L値を算出する。入力系色域境界データ格納部16には、入力系色域境界データ作成部15で算出されたCIE L値が格納される。
【0022】
基準無彩色係数算出部17は、出力系において、入力色に対応する基準無彩色のCIE L値を算出するために必要な係数を算出する。基準色域境界色係数算出部18は、出力系において、入力色に対応する基準色域境界色のCIE L値を算出するために必要な係数を算出する。彩度算出部19は、入力色の彩度を算出する。
【0023】
出力系色再現領域構成データ格納部31には、出力系のWhite、Black、及びRed、Yellow、Green、Cyan、Blue、Magentaにおける最大彩度となる色のCIE L値が格納されている。
【0024】
ここで、出力系のWhite(白色)は、入力系が再現可能で最も明度が高い色と定義し、Black(黒色)は、入力系が再現可能で最も明度が低い色と定義する。
【0025】
出力系色域境界データ作成部32は、入力色の色相に対応する彩度・明度断面における出力系色域境界線を構成する色について、そのCIE L値を算出する。出力系色域境界データ格納部33には、出力系色域境界データ作成部32で算出されたCIE L値が格納される。出力系基準無彩色算出部34は、出力系色域境界データと基準無彩色係数を用いて、出力系における基準無彩色のCIE L値を算出する。
【0026】
出力系基準色域境界色算出部35は、出力系色域境界データと基準色域境界色係数を用いて、出力系における基準色域境界色のCIE L値を算出する。出力色算出部36は、出力系における基準無彩色と基準色域境界色、及び入力色の彩度を用いて最終的に出力する色のCIE L値を算出する。
【0027】
以上の構成において、本実施の形態による色変換回路の動作について、図1〜図6を参照しながら説明する。
【0028】
入力色空間写像パラメータ格納部11には、RGB値をCIE XYZ値に変換するために必要な以下のパラメータが格納されている。
R信号用ガンマ係数 γ
G信号用ガンマ係数 γ
B信号用ガンマ係数 γ
RGB→XYZ変換マトリクス
【0029】
【数1】



入力色空間写像部12は、外部I/Fから入力色のRGB値(I[R,G,B])、及び入力色空間写像パラメータ格納部11から、γ、γ、γ、X、Y、Z、X、Y、Z、X、Y、Zを入力し、まず、以下の式により入力色のRGB値をCIE XYZ値(I[X,Y,Z])、に変換する。
【0030】
【数2】



同様に入力系のWhiteについても、CIE XYZ値を算出する。
White: IW[RIW,GIW,BIW]→IW[XIW,YIW,ZIW
次に、以下の式により入力色のCIE XYZ値をCIE L値(I[L,a,b])に変換する。
=116(Y/YIW1/3+16
=500((X/XIW1/3−(Y/YIW1/3
=200((Y/YIW1/3−(Z/ZIW1/3
入力系色再現領域構成データ作成部13は、入力系のWhite(IW[RIW,GIW,BIW])、Black(IK[RIK,GIK,BIK])、及びRed(IR[RIR,GIR,BIR])、Yellow(IY[RIY,GIY,BIY])、Green(IG[RIG,GIG,BIG])、Cyan(IC[RIC,GIC,BIC])、Blue(IB[RIB,GIB,BIB])、Magenta(IM[RIM,GIM,BIM])のRGB値を、順次入力色空間写像部12に入力し、CIE L値(IW[LIW,aIW,bIW]、IK[LIK,aIK,bIK]、IR[LIR,aIR,bIR]、IY[LIY,aIY,bIY]、IG[LIG,aIG,bIG]、IC[LIC,aIC,bIC]、IB[LIB,aIB,bIB]、IM[LIM,aIM,bIM]に変換し、入力系色再現領域構成データ格納部14に格納する。
【0031】
入力系色域境界データ作成部15は、入力系色再現領域構成データ格納部14から、IR、IY、IG、IC、IB、IMのCIE L値を順次入力し、入力色と同色相で、且つ、入力系の最大彩度となる色(IMax)のCIE L値を算出する。
【0032】
図3は、CIE L空間のa平面の図であり、Iは入力色のa値を示し、IR、IY、IG、IC、IB、及びIMは、夫々入力系のRed、Yellow、Green、Cyan、Blue、Magentaのa値を示し、そしてIMaxは入力色と同色相で、且つ、入力系で最大彩度となる色のa値を示す。
【0033】
具体的には、まず同図に示すように、a平面上において入力色を挟み込む二つの色、即ち本実施の形態ではIRとIYとを検出し、この二つの色を結ぶ直線と、原点と入力色を結ぶ直線の交点IMax[aIMax,bIMax]を算出する。この交点は、公知の二元一次連立方程式を解くことにより算出される。
【0034】
次に、a平面上における距離IR⇔IYと距離IR⇔IMaxとの比率、及びIR、IYのL値を用いて、以下の式によりIMaxのL値を算出する。
【0035】
IMax=(IR⇔IMax/IR⇔IY)(LIY−LIR)+LIR
ここで算出したIMaxのCIE L値とIW、IKのCIE L値で構成される平面を、入力色の色相に対応する彩度・明度断面における入力系色域境界データとして、各CIE L値を入力系色域境界データ格納部16(図1)に格納する。
【0036】
図4は、入力系色域境界データによる入力系色域境界線を示し、CIE L空間の明度(L)−彩度(S)平面の図であり、Iは入力色のCIEL値を示し、IW、IKは夫々、入力系のWhite、BlackのCIE L値を示し、IMaxは入力色と同色相で、且つ、入力系で最大彩度となる色のCIE L値を示す。
【0037】
基準無彩色係数算出部17は、入力色空間写像部12から入力色のL値(I[L])、及び入力系色域境界データ格納部16からIW、IKのL値(IW[LIW]、IK[LIK])を入力し、以下の式により、出力系において、入力色に対応する基準無彩色のCIE L値を算出するために必要な係数(t)を算出する。
=(L−LIK)/(LIW−LIK
基準色域境界色係数算出部18は、入力色空間写像部12から入力色のL値(I[LI])、及び入力系色域境界データ格納部16からIW、IKのL値(IW[LIW]、IK[LIK])を入力し、以下の式により、出力系において、入力色に対応する基準色域境界色のCIE L値を算出するために必要な係数(t)を算出する。
=(L−LIK)/(LIW−LIK
彩度算出部19は、入力色の彩度(S)を、以下の式により算出する。
=sqrt(a+b
出力系色再現領域構成データ格納部31には、予め、出力系のWhite(OW[LOW,aOW,bOW])、Black(OK[LOK,aOK,bOK])、及びRed(OR[LOR,aOR,bOR])、Yellow(OY[LOY,aOY,bOY])、Green(OG[LOG,aOG,bOG])、Cyan(OC[LOC,aOC,bOC])、Blue(OB[LOB,aOB,bOB])、Magenta(OM[LOM,aOM,bOM])のCIE L値が格納されている。
【0038】
出力系色域境界データ作成部32は、入力色空間写像部12から、入力色のCIE L値を、また、出力系色再現領域構成データ格納部31から、OR、OY、OG、OC、OB、OMのCIE L値を順次入力し、入力色と同色相で、且つ、出力系の最大彩度となる色(OMax)のCIE L値を算出する。
【0039】
図5は、CIE L空間のa平面の図であり、Iは入力色のa値を示し、OR、OY、OG、OC、OB、及びOMは、夫々出力系のRed、Yellow、Green、Cyan、Blue、Magentaのa値を示し、そしてOMaxは入力色と同色相で、且つ、出力系で最大彩度となる色のa値を示す。
【0040】
具体的には、まず同図に示すように、a平面上において入力色を挟み込む二つの色、即ち本実施の形態ではORとOYとを検出し、この二つの色を結ぶ直線と、原点と入力色を結ぶ直線の交点OMax[aOMax,bOMax]を算出する。この交点は、公知の二元一次連立方程式を解くことにより算出される。
【0041】
次に、a平面上における距離OR⇔OYと距離OR⇔OMaxとの比率、及びOR、OYのL値を用いて、以下の式によりOMaxのL値を算出する。
【0042】
OMax=(OR⇔OMax/OR⇔OY)(LOY−LOR)+LOR
ここで算出したOMaxのCIE L値とOW、OKのCIE L値で構成される平面を、入力色の色相に対応する彩度・明度断面における出力系色域境界データとして、出力系色域境界データ格納部33(図2)に格納する。
【0043】
出力系色域境界データによる出力系色域境界線を図6に示す。図6は、CIEL空間の明度(L)−彩度(S)平面の図であり、OW、OKは夫々、出力系のWhite、BlackのCIE L値を示し、OMaxは入力色と同色相で、且つ、出力系で最大彩度となる色のCIE L値を示す。
【0044】
出力系基準無彩色算出部34は、出力系色域境界データ格納部33から、出力系のWhite、BlackのCIE L値(OW[LOW,aOW,bOW]、OK[LOK,aOK,bOK])を、また、基準無彩色係数算出部17から、出力系における基準無彩色を算出するための係数(t)を入力し、以下の式により、出力系基準無彩色(OGr[LOGr,aOGr,bOGr))のCIE L値を算出する。
【0045】
OGr=(LOW−LOK)t+LOK
OGr=(aOW−aOK)t+aOK
OGr=(bOW−bOK)t+bOK
出力系基準色域境界色算出部35は、出力系色域境界データ格納部33から、出力系のWhite、Black、及び最大彩度色のCIE L値(OW[LOW,a,bOW]、OK[LOK,aOK,bOK]、OMax[LOMax,aOMax,bOMax])を、また、基準色域境界色係数算出部18から、出力系における基準色域境界色を算出するための係数(t)をそれぞれ入力し、出力系基準色域境界色(OGm[LOGm,aOGm,bOGm])のCIE L値を算出する。
【0046】
具体的には、まず、出力系基準色域境界色のLを算出する。
【0047】
OGm=(LOW−LOK)t+LOK
次に、以下の条件に従いaOGm,bOGmを算出する。
【0048】
OGm>LOMaxの場合、
OGm=((LOGm-LOMax)/(LOW-LOMax))(aOW-aOMax)+aOMax
OGm=((LOGm-LOMax)/(LOW-LOMax))(bOW-bOMax)+bOMax
OGm<=LOMax の場合、
OGm=((LOGm-LOK)/(LOMax-LOK))(aOMax-aOK)+aOK
OGm=((LOGm-LOK)/(LOMax-LOK))(bOMax-bOK)+bOK
出力色算出部36は、出力系基準無彩色算出部34からOGrのCIE L値を、出力基準色域境界色算出部35からOGmのCIE L値を、そして彩度算出部19から入力色の彩度(S)をそれぞれ入力し、以下の手順により、出力色のCIE L値(O[L,a,b])を算出する。
【0049】
まず、出力系における彩度上限値(SOM)を以下の式により算出する。
OM=sqrt((LOGm-LOGr)2+(aOGm-aOGr)2+(bOGm-bOGr)2
次に、クリッピング彩度圧縮による出力色の彩度(S)を決定する。
【0050】
>SOMの場合、
=SOM
<=SOMの場合、
=S
最後に、出力色のCIE L値(O[L,a,b])を次式により算出する。
【0051】
=(LOGm-LOGr)(S/SOM)+LOGr
=(aOGm-aOGr)(S/SOM)+aOGr
=(bOGm-bOGr)(S/SOM)+bOGr
これにより、ガムットマッピング処理が完了する。
以上のように、実施の形態1の色変換回路によれば、カラーマッチング対象デバイスの色再現領域及び再現デバイスの色再現領域形状の違いに拘わらず基準色の算出を行うため、前記両デバイス色再現領域形状の判別時間を削減することができる。
【0052】
また、全ての色相において基準色を決定する方式が同一なため、色相変化によってガムットマッピング処理が不連続になる可能性を完全に排除することができる。更に、再現色の相対的な明度を維持するため、自然画像の再現に効果を発揮する。
【0053】
実施の形態2.
図7、図8は、本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態2の構成を示すブロック図であり、図7は入力系の回路構成を、また図8は出力系の回路構成をそれぞれ示している。
【0054】
図7、図8に示す実施の形態2の色変換回路は、前記した図1、図2に示す実施の形態1の色変換回路に対して、入力系の色変換回路における基準色域境界色係数算出部40の動作が異なり、出力系の色変換回路において、色相別出力系彩度圧縮係数格納部42、及び出力系彩度圧縮係数算出部43が追加され、更に出力系色域境界データ作成部41、出力色算出部44の動作が異なる。
【0055】
従って図7,8に示す実施の形態2の色変換回路が、前記した図1、図2に示す実施の形態1の色変換回路に対して同一或いはそれに相当する部分には同符号を付けてそれらの共通する部分の説明を省略し、異なる点を重点的に以下に説明する。
【0056】
基準色域境界色係数算出部40は、出力系において、入力色に対応する基準色域境界色のCIE L値を算出するために必要な係数(t)と、入力色と同色相、同明度で最大となる色の彩度(S’)を算出する。
【0057】
色相別出力系彩度圧縮係数格納部42には、予め、出力系色再現領域構成データに対応する彩度圧縮係数が格納されており、出力系彩度圧縮係数算出部43は、入力色の色相に対応する彩度圧縮係数を算出する。出力色算出部44は、出力系における基準無彩色OGrと基準色域境界色OGm、入力色の彩度(S)、入力色と同色相・同明度で最大彩度となる色の彩度(S')、及び出力系彩度圧縮係数(tS)を用いて最終的に出力する色のCIE L値を算出する。
【0058】
以上の構成において、本実施の形態による色変換回路の動作を、図7〜図11を参照しながら説明する。
【0059】
図9は、入力系色域境界データによる入力系色域境界線を示し、CIE L空間の明度(L)−彩度(S)平面の図であり、Iは入力色のCIEL値を示し、IW、IKは夫々、入力系のWhite、BlackのCIE L値を示し、IMaxは入力色と同色相で、且つ、入力系で最大彩度となる色のCIE L値を示し、I’は入力色と同色相、同明度で最大彩度となる色のCIE L値を示す。
【0060】
基準色域境界色係数算出部40は、入力色空間写像部12から入力色のL値(I[L])、及び入力系色域境界データ格納部16から、IW、IK、IMaxの各CIE L値(IW[LIW,aIW,bIW]、IK[LIK,aIK,bIK]、IMax[LIMax,aIMax,bIMax])をそれぞれ入力し、まず、出力系において、入力色に対応する基準色域境界色のCIE L値を算出するために必要な係数(t)を算出する。
具体的には、以下の式により算出する。
=(L−LIK)/(LIW−LIK
次に、入力色と同色相、同明度で最大彩度となる色(I’[L’,a’,b’])の彩度(S’)を算出する。
【0061】
彩度の算出は、以下の手順により行われる。
まず、I’のCIE L値を算出する。
>LIMaxの場合、
’=L
'=((L-LIMax)/(LIW-LIMax))(aIW-aIMax)+aIMax
'=((L-LIMax)/(LIW-LIMax))(bIW-bIMax)+bIMax
<=LIMaxの場合、
’=L
'=((L-LIK)/(LIMax-LIK))(aIMax-aIK)+aIK
'=((L-LIK)/(LIMax-LIK))(bIMax-bIK)+bIK
次に、I'のa値から、I'の彩度(S’)を算出する。
'=sqrt(a'+b'
出力系色域境界データ作成部41は、入力色空間写像部12から、入力色のCIE L値を、また、出力系色再現領域構成データ格納部31から、OR、OY、OG、OC、OB、OMのCIE L値を順次入力し、入力色と同色相で、且つ、出力系の最大彩度となる色(OMax)のCIE L値を算出する。また、入力色と入力色を挟み込む二つの色の色相角に関する比率係数(t)と、入力色を挟み込む二つの色のインデックス係数(index)を出力する。
【0062】
図10は、CIE L空間のa平面の図であり、Iは入力色のa値を示し、OR、OY、OG、OC、OB、及びOMは、夫々出力系のRed、Yellow、Green、Cyan、Blue、Magentaのa値を示し、そしてOMaxは入力色と同色相で、且つ、出力系で最大彩度となる色のa値を示す。また、HOY、H、HORは夫々OY、I、ORの色相角を示す。
【0063】
具体的には、まず同図に示すように、a平面上において入力色を挟み込む二つの色、即ち本実施の形態ではORとOYとを検出し、この二つの色を結ぶ直線と、原点と入力色を結ぶ直線の交点OMax[aOMax,bOMax]を算出する。この交点は、公知の二元一次連立方程式を解くことにより算出される。
【0064】
次に、出力系色域境界データ作成部41は、色相角に関する比率係数(t)を以下の式により算出し、
=(H−HOR)/(HOY−HOR
算出した比率係数(t)と入力色を挟み込む二つの色のインデックス係数(index)を出力する。
【0065】
出力系彩度圧縮係数算出部43は、まず、出力系色域境界データ作成部41からこれらの比率係数(t)とインデックス係数を入力し、次に、indexに対応する二つの彩度圧縮係数を色相別出力系彩度圧縮係数格納部43から入力する。本実施の形態においては、RedとYellowに対応する彩度圧縮係数(tS,tS)を入力することになる。彩度圧縮係数は0.0〜1.0の実数であり、0.0は完全なクリッピング彩度圧縮を、1.0は完全な比例彩度圧縮を意味するものである。入力した上記パラメータを用いて、以下の式により、出力系彩度圧縮係数(tS)を算出する。
【0066】
tS=(tS-tS)t+tS
出力色算出部44は、出力系基準無彩色算出部34からOGrのCIE L値を、出力基準色域境界色算出部35からOGmのCIE L値を、彩度算出部19から入力色の彩度を、基準色域境界色係数算出部40から入力色と同色相、同明度で最大彩度となる色の彩度(S')を、そして出力系彩度圧縮係数算出部43から出力系彩度圧縮係数(tS)を入力し、以下の演算手順により、出力色のCIE L値(O[L,a,b])を算出する。
【0067】
尚、図11は、出力系色域境界データによる出力系色域境界線を示し、CIEL空間の明度(L)−彩度(S)平面の図である。同図を参照しながら出力色算出部44の演算手順を以下に説明する。
【0068】
まず、出力系における彩度上限値(SOM)を以下の式により算出する。
OM=sqrt((LOGm-LOGr)2+(aOGm-aOGr)2+(bOGm-bOGr)2
次に、クリッピング彩度圧縮による出力色の彩度(SO1)を決定する。
【0069】
>SOMの場合、
O1=SOM
<=SOMの場合、
O1=S
次に、比例彩度圧縮による出力色の彩度(SO2)を算出する。
【0070】
O2=SOM(S/S')
次に、出力系彩度圧縮係数tSを用いて、最終的な出力色の彩度(S)を決定する。
【0071】
=tS・SO2+(1.0−tS)SO1
そして最後に、出力色のCIE L値(O[L,a,b])を次式により算出する。
【0072】
=(LOGm-LOGr)(S/SOM)+LOGr
=(aOGm-aOGr)(S/SOM)+aOGr
=(bOGm-bOGr)(S/SOM)+bOGr
これにより、ガムットマッピング処理が完了する。
【0073】
以上のように、実施の形態2の色変換回路によれば、彩度の圧縮について、比例圧縮からクリッピング圧縮までを一つのパラメータ設定により連続的に変化させる方式を、単純な線形比例演算で実現するため、汎用性の高い彩度圧縮処理を短時間で行うことを可能にしている。
【0074】
実施の形態3.
図12、図13は、本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態3の構成を示すブロック図であり、図12は入力系の回路構成を、また図13は出力系の回路構成をそれぞれ示している。
【0075】
図12、図13に示す本実施の形態3の色変換回路は、前記した図1、図2に示す実施の形態1の色変換回路、或いは前記した図7、図8に示す実施の形態2の色変換回路に対して、入力系の色変換回路における基準色域境界色係数算出部51の動作が異なり、出力系の色変換回路において、色相別出力系基準最大彩度係数格納部52、出力系基準最大彩度色係数算出部53、及び出力系基準最大彩度色算出部55が追加され、更に出力系色域境界データ格納部54、出力系基準色域境界色算出部56の動作が異なる。
【0076】
従って図12、図13に示す実施の形態3の色変換回路が、実施の形態1又は実施の形態2の色変換回路に対して同一或いはそれに相当する部分には同符号を付けてそれらの共通する部分の説明を省略し、異なる点を重点的に以下に説明する。
【0077】
基準色域境界色係数算出部51は、出力系において、入力色に対応する基準色域境界色のCIE L値を算出するために必要な係数(t)を算出し、入力色の明度が、入力色と同色相で、且つ最大彩度となる色の明度より大きいか否かを示すフラグ(flag)を出力する。
【0078】
色相別出力系基準最大彩度色係数格納部52には、予め、出力系色再現領域構成データに対応する基準最大彩度色係数が格納されている。出力系基準最大彩度色係数算出部53は、入力色の色相に対応する基準最大彩度色係数(tL)を算出する。
【0079】
出力系基準最大彩度色算出部55は、出力系色域境界線上において最大彩度と定義する出力系基準最大彩度色OMax'のCIE L値を算出する。出力系基準色域境界色算出部56は、出力系色域境界データと出力系基準最大彩度色OMax'、基準色域境界色係数(t)、及び入力色明度の大小(入力系最大彩度色明度との比較)に関するフラグ(flag)を用いて、出力系における基準色域境界色OGmのCIE L値を算出する。
【0080】
以上の構成において、本実施の形態による色変換回路の動作を、図12〜図14を参照しながら説明する。
【0081】
基準色域境界色係数算出部51は、入力色空間写像部12から入力色のL値(I[L])、及び入力系色域境界データ格納部16からIW、IK、IMaxのL値(IW[LIW]、IK[LIK]、IMax[LMax])をそれぞれ入力し、出力系において、入力色に対応する基準色域境界色のCIE L値を算出するために必要な係数(t)の算出、及び入力色のL値がIMaxのL値より大きいか否かを示すフラグ(flag)の設定を行なう。
【0082】
具体的には以下の式により算出、及び設定を行なう(図9参照)。
>LIMaxの場合、
=(L−LIMax)/(LIW−LIMax
flag=0
<=LIMaxの場合、
=(L−LIK)/(LIMax−LIK
flag=1
図14は、出力系色域境界データによる出力系色域境界線を示し、CIE L空間の明度(L)・彩度(S)平面の図である。同図を参照しながら出力系回路の動作を以下に説明する。
【0083】
出力系基準最大彩度色係数算出部53は、まず、出力系色境界データ作成部41から色相角に関する比率係数(t)と入力色を挟み込む二つの色のインデックス係数(index)を入力し、次に、indexに応答する二つの基準最大彩度色係数を色相別出力系基準最大彩度色係数格納部52から入力する。本実施の形態では、RedとYellowに対応する基準最大彩度色係数(tL,tL)を入力することになる。
【0084】
基準最大彩度色係数は、−1.0〜0.0〜1.0の実数であり、−1.0は、OMaxからOKへのベクトルについて100%の位置に基準最大彩度色を設定することを意味し、1.0は、OMaxからOWへのベクトルについて100%の位置に基準最大彩度色を設定することを意味する。
【0085】
そして、出力系基準最大彩度色係数算出部53は、入力した上記パラメータを用いて、以下の式により出力系基準最大彩度色係数tLを算出する。
【0086】
tL=(tL-tL)t+tL
出力系基準最大彩度色算出部55は、出力系色域境界データ格納部54から、出力系のWhite、Black、OMaxのCIE L値(OW[LOW,aOW,bOW]、OK[LOK,aOK,bOK]、OMax[LOMax,aOMax,bOMax])を、また、出力系基準最大彩度色係数算出部53から、出力系における基準最大彩度色を算出するための係数(tL)を入力し、以下の式により、出力系基準最大彩度色(OMax'[LOMax',aOMax',bOMax'])のCIE L値を算出する。
【0087】
tL>0.0の場合
OMax'=(LOW−LOMax)tL+LOMax
OMax'=(aOW−aOMax)tL+aOMax
OMax'=(bOW−bOMax)tL+bOMax
tL<=0.0の場合
tL=−tL
OMax'=(LOK−LOMax)tL+LOMax
OMax'=(aOK−aOMax)tL+aOMax
OMax'=(bOK−bOMax)tL+bOMax
出力系基準無彩色算出部34は、出力系色域境界データ格納部54から、出力系のWhite、BlackのCIE L値(OW[LOW,aOW,bOW]、OK[LOK,aOK,bOK])を、また、基準無彩色係数算出部17から、出力系における基準無彩色を算出するための係数(t)を入力し、以下の式により、出力系基準無彩色(OGr[LOGr,aOGr,bOGr])のCIE L値を算出する。
【0088】
OGr=(LOW−LOK)t+LOK
OGr=(aOW−aOK)t+aOK
OGr=(bOW−bOK)t+bOK
出力系基準色域境界色算出部56は、出力系色域境界データ格納部54から、出力系のWhite、Black、最大彩度色の各CIE L値(OW[LOW,aOW,bOW]、OK[LOK,aOK,bOK]、OMax[LOMax,aOMax,bOMax])を、また、出力系基準最大彩度色算出部55から、出力系における基準最大彩度色のCIE L値(OMax'[LOMax',aOMax',bOMax'])をそれぞれ入力する。
【0089】
出力系基準色域境界色算出部56は、更に基準色域境界色係数算出部51から、出力系における基準色域境界色を算出するための係数(t)と、入力色の明度が、入力色と同色相で、且つ、最大彩度となる色の明度より大きいか否かを示すフラグ(flag)を入力し、出力系基準色域境界色(OGm[LOGm,aOGm,bOGm])のCIE L値を算出する。
【0090】
具体的には、以下の条件に従い、出力系基準色域境界色のCIE L値を算出する。
【0091】
まず、出力系基準色域境界色のL値を算出する。
flag=0(入力色の明度が、入力色と同色相で最大彩度となる色の明度より大きい)の場合、
OGm=(LOW−LOMax')t+LOMax'
flag=1(入力色の明度が、入力色と同色相で最大彩度となる色の明度より小さい)の場合、
OGm=(LOMax'−LOK)t+LOK
次に、出力系基準色域境界色のa値を算出する。
【0092】
OGm>LOMaxの場合、
OGm=(aOW-aOMax)((LOGm-LOMax)/(LOW-LOMax))+aOMax
OGm=(bOW-bOMax)((LOGm-LOMax)/(LOW-LOMax))+bOMax
OGm<=LOMaxの場合、
OGm=((LOGm-LOK)/(LOMax-LOK))(aOMax-aOK)+aOK
OGm=((LOGm-LOK)/(LOMax-LOK))(bOMax-bOK)+bOK
出力色算出部36は、出力系基準無彩色算出部34からOGrのCIE L値を、出力基準色域境界色算出部56からOGmのCIE L値を、更に彩度算出部19から入力色の彩度(S)をそれぞれ入力し、以下の手順により、出力色のCIE L値(O[L,a,b])を算出する。
【0093】
まず、出力系における彩度上限値(SOM)を以下の式により算出する。
【0094】
OM=sqrt((LOGm-LOGr)2+(aOGm-aOGr)2+(bOGm-bOGr)2
次に、クリッピング彩度圧縮による出力色の彩度(S)を算出する。
【0095】
>SOMの場合、
=SOM
<=SOMの場合、
=S
最後に、出力色のCIE L値(O[L,a,b])を次式により算出する。
【0096】
=(LOGm-LOGr)(S/SOM)+LOGr
=(aOGm-aOGr)(S/SOM)+aOGr
=(bOGm-bOGr)(S/SOM)+bOGr
これにより、ガムットマッピング処理が完了する。
【0097】
以上のように、実施の形態3の色変換回路によれば、カラーマッチング対象デバイスの色再現領域及び再現デバイスの色再現領域形状の違いに拘わらず基準色の算出を行うため、前記両デバイス色再現領域形状の判別時間を削減することができる。
【0098】
また、全ての色相において、基準色を決定する方式が同一なため、色相変化によってガムットマッピング処理が不連続になる可能性を完全に排除することができる。また、再現色の相対的な明度を考慮して処理を行うため、自然画像の再現に効果を発揮する。
【0099】
更に、パラメータ設定により基準色域境界色を決定するため、より細かくガムットマッピング処理を調整することができる。
【0100】
実施の形態4.
図15、図16は、本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態4の構成を示すブロック図であり、図15は入力系の回路構成を、また図16は出力系の回路構成をそれぞれ示している。
【0101】
図15、図16に示す本実施の形態4の色変換回路が、前記した図1、図2に示す実施の形態1の色変換回路に対して異なるのは、入力系の色変換回路における基準色域境界色係数算出部61の動作、及び出力系の色変換回路における出力系基準色域境界色算出部62の動作である。
【0102】
従って図15、図16に示す実施の形態4の色変換回路が、実施の形態1の色変換回路に対して同一或いはそれに相当する部分には同符号を付けてそれらの共通する部分の説明を省略し、異なる点を重点的に以下に説明する。
【0103】
基準色域境界色係数算出部61は、入力色空間写像部12から入力色のL値(I[LI])、及び入力系色域境界データ格納部16からIW、IK、IMaxのCIE L値(IW[LIW,aIW,bIW]、IK[LIK,aIK,bIK]、IMax[LIMax,aIMax,bIMax])をそれぞれ入力し、出力系において、入力色に対応する基準色域境界色のCIE L値を算出するために必要な係数を以下の手順で算出する。
【0104】
尚、図17は、入力系色域境界データによる入力系色域境界線を示し、CIEL空間の明度(L)−彩度(S)平面の図であり、Iは入力色のCIE L値を示し、IW、IKは夫々、入力系のWhite、BlackのCIE L値を示し、IMaxは入力色と同色相で、且つ、入力系で最大彩度となる色のCIE L値を示し、I’は入力色と同色相、同明度で最大彩度となる色のCIE L値を示す。
【0105】
まず、入力色と同色相、同明度で最大彩度となる色(I’[L’,a’,b’])のCIE L値を算出する。
【0106】
>LIMaxの場合、
’=L
'=((L-LIMax)/(LIW-LIMax))(aIW-aIMax)+aIMax
'=((L-LIMax)/(LIW-LIMax))(bIW-bIMax)+bIMax
<=LIMaxの場合、
'=L
'=((L-LIK)/(LIMax-LIK))(aIMax-aIK)+aIK
'=((L-LIK)/(LIMax-LIK))(bIMax-bIK)+bIK
次に、IK、IMax、IWにより形成される線上において、IK〜IMax〜IW区間距離に対するIK〜I'区間距離の比率を算出し、これをtとする。
【0107】
距離IK⇔IMax …dist1
距離IMax⇔IW …dist2
とした場合、tは、以下の式により算出される。
【0108】
'>LIMaxの場合、
距離IMax⇔I' …dist3 とすると、
=(dist1+dist3)/(dist1+dist2)
'<=LIMaxの場合、
距離IK⇔I' …dist3とすると、
=dist3/(dist1+dist2)
一方、図18は、出力系色域境界データによる出力系色域境界線を示し、CIE L空間の明度(L)−彩度(S)平面の図である。同図を参照しながら出力系回路の動作を以下に説明する。
【0109】
出力系基準色域境界色算出部62は、出力系色域境界データ格納部33から、出力系のWhite、Black、及び最大彩度色のCIE L値(OW[LOW,a,bOW]、OK[LOK,aOK,bOK]、OMax[LOMax,aOMax,bOMax])を、また、基準色域境界色係数算出部61から、出力系における基準色域境界色を算出するための係数(t)を入力し、出力系基準色域境界色(OGm[LOG,aOGm,bOGm])のCIE L値を算出する。
【0110】
具体的には、以下の手順により、出力系基準色域境界色のCIE L値を算出する。
【0111】
まず、
距離OK⇔OMax …dist1
距離OMax⇔OW …dist2
とした場合、基準色域境界色算出係数(t)の適用により、算出される距離(dist3)は、
dist3=(dist1+dist2)t
となる。
【0112】
次に、以下の条件に従って、OGmのCIE L値を算出する。
【0113】
dist3>dist1の場合、
OGm=((dist3-dist1)/dist2)(LOW-LOMax)+LOMax
OGm=((dist3-dist1)/dist2)(aOW-aOMax)+aOMax
OGm=((dist3-dist1)/dist2)(bOW-bOMax)+bOMax
dist3<=dist1の場合、
OGm=(dist3/dist1)(LOMax-LOK)+LOK
OGm=(dist3/dist1)(aOMax-aOK)+aOK
OGm=(dist3/dist1)(bOMax-bOK)+bOK
出力色算出部36は、出力系基準無彩色算出部34からOGrのCIE L値を、出力基準色域境界色算出部62からOGmのCIE L値を、そして彩度算出部19から入力色の彩度(S)をそれぞれ入力し、以下の手順により、出力色のCIE L値(O[L,a,b])を算出する。
【0114】
まず、出力系における彩度上限値(SOM)を以下の式により算出する。
【0115】
OM=sqrt((LOGm-LOGr)2+(aOGm-aOGr)2+(bOGm-bOGr)2
次に、クリッピング彩度圧縮による出力色の彩度(S)を決定する。
【0116】
>SOMの場合、
=SOM
<=SOMの場合、
=S
最後に、出力色のCIE L値(O[L,a,b])を次式により算出する。
【0117】
=(LOGm-LOGr)(S/SOM)+LOGr
=(aOGm-aOGr)(S/SOM)+aOGr
=(bOGm-bOGr)(S/SOM)+bOGr
これにより、ガムットマッピング処理が完了する。
【0118】
以上のように、実施の形態4の色変換回路によれば、実施の形態と同様の効果が得られる他、色域境界線上において相対的な色差を維持するため、グラフなど色分けを主目的とした画像の再現に効果を発揮する。
【0119】
実施の形態5.
図19、図20は、本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態5の構成を示すブロック図であり、図19は入力系の回路構成を、また図20は出力系の回路構成をそれぞれ示している。
【0120】
図19、図20に示す本実施の形態5の色変換回路が、前記した図12、図13に示す実施の形態3の色変換回路に対して異なる点は、入力系の色変換回路における基準色域境界色係数算出部65の動作と、出力系の色変換回路における出力系基準色域境界色算出部66の動作である。
【0121】
従って図19、図20に示す実施の形態5の色変換回路が、実施の形態3の色変換回路に対して同一或いはそれに相当する部分には同符号を付けてそれらの共通する部分の説明を省略し、異なる点を重点的に以下に説明する。
【0122】
基準色域境界色係数算出部65は、出力系において、入力色に対応する基準色域境界色のCIE L値を算出するために必要な係数(t)を算出し、入力色の明度が、入力色と同色相で、且つ最大彩度となる色の明度より大きいか否かを示すフラグ(flag)を出力する。
【0123】
出力系基準色域境界色算出部66は、出力系色域境界データと出力系基準最大彩度色OMax'、基準色域境界色係数(t)、入力色明度の大小(入力系最大彩度色明度との比較)に関するフラグ(flag)、及び基準最大彩度色係数(tL)を用いて、出力系における基準色域境界色OGmのCIE L値を算出する。
【0124】
出力色算出部36は、出力系における基準無彩色OGr、基準色域境界色OGm、及び入力色の彩度(S)を用いて最終的に出力する色のCIE L値を算出する。
【0125】
以上の構成において、本実施の形態による色変換回路の動作を、図19〜図22を参照しながら説明する。
【0126】
図21は、入力系色域境界データによる入力系色域境界線を示し、CIE L空間の明度(L)−彩度(S)平面の図であり、Iは入力色のCIE L値を示し、IW、IKは夫々、入力系のWhite、BlackのCIE L値を示し、IMaxは入力色と同色相で、且つ、入力系で最大彩度となる色のCIE L値を示し、I’は入力色と同色相、同明度で最大彩度となる色のCIE L値を示す。
【0127】
基準色域境界色係数算出部65は、入力色空間写像部12から入力色のL値(I[L])、及び入力系色域境界データ格納部16からIW、IK、IMaxのCIE L値(IW[LIW,aIW,bIW]、IK[LIK,aIK,bIK]、IMax[LIMax,aIMax,bIMax])をそれぞれ入力し、出力系において、入力色に対応する基準色域境界色のCIE L値を算出するために必要な係数(t)の算出、及び入力色のL値がIMaxのL値より大きいか否かを示すフラグ(flag)の設定を以下の手順で行う。
【0128】
まず、入力色と同色相、同明度で最大彩度となる色(I’[L’,a’,b’])のCIE L値を算出すると同時に、入力色のL値がIMaxのL値より大きいか否かを示すフラグ(flag)の設定を行う。
【0129】
>LIMaxの場合、
’=L
'=((L-LIMax)/(LIW-LIMax))(aIW-aIMax)+aIMax
'=((L-LIMax)/(LIW-LIMax))(bIW-bIMax)+bIMax
flag=0
<=LIMaxの場合、
'=L
'=((L-LIK)/(LIMax-LIK))(aIMax-aIK)+aIK
'=((L-LIK)/(LIMax-LIK))(bIMax-bIK)+bIK
flag=1
次に、IK、IMax、IWにより形成される線上において、IK〜IMax区間距離に対するIK〜I'区間距離の比率、或いはIW〜IMax区間距離に対するIW〜I'区間距離の比率を算出し、これをtとする。
【0130】
距離IK⇔IMax …dist1
距離IW⇔IMax …dist2
とした場合、tは、以下の式により算出される。
【0131】
'>LIMaxの場合、
距離IW⇔I' …dist3 とすると、
=dist3/dist1
'<=LIMaxの場合、
距離IK⇔I' …dist3とすると、
=dist3/dist2
となる。
【0132】
出力系基準色域境界色算出部66は、出力系色域境界データ格納部54から、出力系のWhite、Black、最大彩度色のCIE L値(OW[LOW,aOW,bOW]、OK[LOK,aOK,bOK]、OMax[LOMax,aOMax,bMax])を、出力系基準最大彩度色係数算出部53から、出力系基準最大彩度色係数(tL)を、また、出力系最大彩度色算出部55から、出力系における基準最大彩度色のCIE L値(OMax'[LOMax',aOMax',bOMax'])を入力する。
【0133】
更に、基準色域境界色係数算出部65から、出力系における基準色域境界色を算出するための係数(t)と、入力色の明度が、入力色と同色相で、且つ、最大彩度となる色の明度より大きいか否かを示すフラグ(flag)を入力し、出力系基準色域境界色(OGm[LOGm,aOGm,bOGm])のCIE L値を算出する。
【0134】
尚、図22は、出力系色域境界データによる出力系色域境界線を示し、CIEL空間の明度(L)−彩度(S)平面の図である。同図を参照しながら、出力系の動作を更に説明する。
【0135】
基準色域境界色係数算出部65は、具体的には、以下の条件に従い、出力系基準色域境界色のCIE L値を算出する。
【0136】
まず、tL>0.0(OMaxを基準として、OWよりにOMax'が設定されている)の場合、以下の方法によりOGmのCIE L値を算出する。
【0137】
距離OK⇔OMax …dist1
距離OW⇔OMax …dist2
距離OW⇔OMax' …dist3
とし、基準色域境界色算出係数(t)の適用により、算出される距離(dist4)は、
flag=0(入力色の明度が、入力色と同色相で最大彩度となる色の明度より大きい)の場合、
dist4=dist3・t
flag=1(入力色の明度が、入力色と同色相で最大彩度となる色の明度より小さい)の場合、
dist4=(dist1+(dist2-dist3))t
となる。
【0138】
また、以下の条件に従って、OGmのCIE L値を算出する。
【0139】
flag=0(入力色の明度が、入力色と同色相で最大彩度となる色の明度より大きい)の場合、
OGm=(LOMax'-LOW)(dist4/dist3)+LW
OGm=(aOMax'-LOW)(dist4/dist3)+aW
OGm=(bOMax'-LOW)(dist4/dist3)+bW
flag=1(入力色の明度が、入力色と同色相で最大彩度となる色の明度より小さい)の場合、
dist4>dist1の場合、
OGm=(LOMax'-LOMax)((dist4-dist1)/(dist2-dist3))+LOMax
OGm=(aOMax'-aOMax)((dist4-dist1)/(dist2-dist3))+aOMax
OGm=(bOMax'-bOMax)((dist4-dist1)/(dist2-dist3))+bOMax
dist4<=dist1の場合、
OGm=(LOMax-LOK)(dist4/dist1)+LK
OGm=(aOMax-aOK)(dist4/dist1)+aK
OGm=(bOMax-bOK)(dist4/dist1)+bK
次に、tL<=0.0(OMaxを基準として、OKよりにOMax'が設定されている)の場合、以下の方法によりOGmのCIE L値を算出する。
【0140】
距離OK⇔OMax …dist1
距離OW⇔OMax …dist2
距離OK⇔OMax' …dist3
とし、基準色域境界色算出係数(t)の適用により、算出される距離(dist4)は、
flag=O(入力色の明度が、入力色と同色相で最大彩度となる色の明度より大きい)の場合、
dist4=(dist2+(dist1-dist3))t
flag=1(入力色の明度が、入力色と同色相で最大彩度となる色の明度より小さい)の場合、
dist4=dist3・t
となり、以下の条件に従って、OGmのCIE L値を算出する。
【0141】
flag=1(入力色の明度が、入力色と同色相で最大彩度となる色の明度より小さい)の場合、
OGm=(LOMax'-LOK)(dist4/dist1)+LK
OGm=(aOMax'-aOK)(dist4/dist1)+aK
OGm=(bOMax'-bOK)(dist4/dist1)+bK
flag=0(入力色の明度が、入力色と同色相で最大彩度となる色の明度より大きい)の場合、
dist4>dist2の場合、
OGm=(LOMax'-LOMax)((dist4-dist2)/(dist1-dist3))+LOMax
OGm=(aOMax'-aOMax)((dist4-dist2)/(dist1-dist3))+aOMax
OGm=(bOMax'-bOMax)((dist4-dist2)/(dist1-dist3))+bOMax
dist4<=dist2の場合、
OGm=(LOMax-LOW)(dist4/dist2)+LOW
OGm=(aOMax-aOW)(dist4/dist2)+aOW
OGm=(bOMax-bOW)(dist4/dist2)+bOW
出力色算出部36は、出力系基準無彩色算出部34からOGrのCIE L値を、出力基準色域境界色算出部66からOGmのCIE L値を、そして彩度算出部19から入力色の彩度(S)を入力し、以下の手順により、出力色のCIE L値(O[L,a,b])を算出する。
【0142】
まず、出力系における彩度上限値(SOM)を以下の式により算出する。
【0143】
OW=sqrt((LOGm-LOGr)2+(aOGm-aOGr)2+(bOGm-bOGr)2) 次に、クリッピング彩度圧縮による出力色の彩度(S)を算出する。
【0144】
>SOMの場合、
=SOM
<=SOMの場合、
=S
最後に、出力色のCIE L値(O[L,a,b])を次式により算出する。
【0145】
=(LOGm−LOGr)(S/SOM)+LOGr
=(aOGm−aOGr)(S/SOM)+aOGr
=(bOGm−bOGr)(S/SOM)+bOGr
これにより、ガムットマッピング処理が完了する。
以上のように、実施の形態5の色変換回路によれば、実施の形態と同様の効果が得られる他、色域境界線上において相対的な色差を考慮して処理を行うため、グラフなど色分けを主目的とした画像の再現に効果を発揮する。
【0146】
また、パラメータ設定により基準色域境界色を決定するため、より細かくガムットマッピング処理を調整することができる。
【0147】
尚、前記した各実施の形態では、ガムットマッピング処理に用いる色空間として、CIE L空間を使用したが、これに限定されるものではなく、標準色空間であればどのような空間でも構わないなど、種々の態様を取り得るものである。
【0148】
【発明の効果】
本発明によれば、カラーマッチング対象デバイスの色再現領域及び再現デバイスの色再現領域形状の違いに拘わらず基準色の算出を行うため、前記両デバイス色再現領域形状の判別時間を削減することができる。また、全ての色相において基準色を決定する方式を同一とすることにより、色相変化によってガムットマッピング処理が不連続になる可能性を完全に排除することができる。
【0149】
また、彩度の圧縮について、比例圧縮からクリッピング圧縮までを一つのパラメータ設定により連続的に変化させる方式を、単純な線形比例演算で実現するため、汎用性の高い彩度圧縮処理を短時間で行うことが可能となる。
【0150】
また、再現色の相対的な明度を考慮して処理を行うことによって、自然画像の再現に効果を発揮することができる。更に、パラメータ設定により基準色域境界色を決定することにより、より細かくガムットマッピング処理を調整することができる。
【0151】
また、色域境界線上において相対的な色差を維持することができるため、グラフなど色分けを主目的とした画像の再現に効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態1の構成を示すブロック図であり、入力系の回路構成を示す。
【図2】本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態1の構成を示すブロック図であり、出力系の回路構成を示す。
【図3】実施の形態1における入力系のCIE L空間のa平面の図である。
【図4】実施の形態1における入力系色域境界線を示すCIE L空間の明度(L)−彩度(S)平面の図である。
【図5】実施の形態1における出力系のCIE L空間のa平面の図である。
【図6】実施の形態1における出力系色域境界線を示すCIE L空間の明度(L)−彩度(S)平面の図である。
【図7】本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態2の構成を示すブロック図であり、入力系の回路構成を示す。
【図8】本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態2の構成を示すブロック図であり、出力系の回路構成を示す。
【図9】実施の形態2における入力系色域境界線を示すCIE L空間の明度(L)−彩度(S)平面の図である。
【図10】実施の形態2における出力系のCIE L空間のa平面の図である。
【図11】実施の形態1における出力系色域境界線を示すCIE L空間の明度(L)−彩度(S)平面の図である。
【図12】本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態3の構成を示すブロック図であり、入力系の回路構成を示す。
【図13】本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態3の構成を示すブロック図であり、出力系の回路構成を示す。
【図14】実施の形態3における出力系色域境界線を示すCIE L空間の明度(L)−彩度(S)平面の図である。
【図15】本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態4の構成を示すブロック図であり、入力系の回路構成を示す。
【図16】本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態4の構成を示すブロック図であり、出力系の回路構成を示す。
【図17】実施の形態4における入力系色域境界線を示すCIE L空間の明度(L)−彩度(S)平面の図である。
【図18】実施の形態4における出力系色域境界線を示すCIE L空間の明度(L)−彩度(S)平面の図である。
【図19】本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態5の構成を示すブロック図であり、入力系の回路構成を示す。
【図20】本発明の色変換方法を実施する色変換回路の実施の形態5の構成を示すブロック図であり、出力系の回路構成を示す。
【図21】実施の形態5における入力系色域境界線を示すCIE L空間の明度(L)−彩度(S)平面の図である。
【図22】実施の形態5における出力系色域境界線を示すCIE L空間の明度(L)−彩度(S)平面の図である。
【符号の説明】
11 入力色空間写像パラメータ格納部、 12 入力色空間写像部、 13入力系色再現領域構成データ作成部、 14 入力系色再現領域構成データ格納部、 15 入力系色域境界データ作成部、 16 入力系色域境界データ格納部、 17 基準無彩色係数算出部、 18 基準色域境界色係数算出部、 19 彩度算出部、 31 出力系色再現領域構成データ格納部、 32 出力系色域境界データ作成部、 33 出力系色域境界データ格納部、 34 出力系基準無彩色算出部、 35 出力系基準色域境界色算出部、 36 出力色算出部、 40 基準色域境界色係数算出部、 41 出力系色域境界データ作成部、 42 色相別出力系彩度圧縮係数格納部、 43 出力系彩度圧縮係数算出部、 44 色相別出力系彩度圧縮係数格納部、 51 基準色域境界色係数算出部、 52 色相別出力系基準最大彩度係数格納部、 53 出力系基準最大彩度色係数算出部、 54 出力系色域境界データ格納部、 55 出力系基準最大彩度色算出部、 56 出力系基準色域境界色算出部、 61 基準色域境界色係数算出部、 62 出力系基準色域境界色算出部、 65 基準色域境界色係数算出部、 66 出力系基準色域境界色算出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力系再現色を、出力系色再現領域内に写像する色変換方法において、
前記入力系再現色と同色相で、かつ出力系において最大彩度となる第1の色を検出する第1工程と、
出力系における白色と定義した色と黒色と定義した色、及び前記第1工程で検出した前記第1の色を含む平面を算出する第2工程と、
前記入力系再現色を、前記第2工程により算出した平面に写像する第3工程と
を有することを特徴とする色変換方法。
【請求項2】
入力系再現色を、出力系色再現領域内に写像する色変換方法において、
前記入力系再現色の色相に応じた彩度・明度断面における出力系色域境界線を形成する第1工程と、
前記入力系再現色に対応する出力系基準無彩色を決定する第2工程と、
前記入力系再現色に対応する出力系基準色域境界色を決定する第3工程と、
前記第2工程で決定した前記出力系基準無彩色と前記第3工程で決定した前記出力系基準色域境界色を結ぶ線上に前記入力系再現色を写像する第4工程と
を有することを特徴とする色変換方法。
【請求項3】
前記第3工程が、
前記入力系再現色の色相に応じた彩度・明度断面における入力系色域境界線を形成する第1ステップと、
入力系の白色明度と黒色明度間に対する入力系再現色明度の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の白色と黒色間に前記出力系基準色域境界色を決定する第2ステップと
を有することを特徴とする請求項2記載の色変換方法。
【請求項4】
前記第3工程が、
前記入力系再現色の色相に応じた彩度・明度断面における入力系色域境界線を形成する第1ステップと、
該第1ステップで形成した入力系色域境界において、最大彩度相当となる入力系最大彩度基準色を、前記入力系色域境界線上に設定する第2ステップと、
該第2ステップで設定した前記入力系最大彩度基準色に対応する出力系最大彩度基準色を、出力系色域境界線上の任意の位置に設定する第3ステップと、
前記入力系再現色と前記入力系最大彩度基準色の明度を比較し、前記入力系再現色明度が前記入力系最大彩度基準色明度よりも大きい場合は、入力系白色明度と入力系最大彩度基準色明度間に対する入力系再現色明度の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の白色と出力系最大彩度基準色間に出力系基準色域境界色を決定し、前記入力系再現色明度が前記入力系最大彩度基準色明度よりも小さい場合は、入力系黒色明度と入力系最大彩度基準色明度間に対する入力系再現色明度の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の黒色と前記出力系最大彩度基準色間に前記出力系基準色域境界色を決定する第4ステップと
を有することを特徴とする請求項2記載の色変換方法。
【請求項5】
前記第3工程が、
前記入力系再現色の色相に応じた彩度・明度断面における入力系色域境界線を形成する第1ステップと、
前記入力系再現色と同明度で、かつ前記入力系色域境界線上に存在する第1色を検出する第2ステップと、
前記入力系色域境界線における白色と黒色間の第1の距離を算出する第3ステップと、
前記入力系色域境界線における白色と前記第1色間の第2の距離を算出する第4ステップと、
前記第1の距離に対する前記第2の距離の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の白色と黒色間に前記出力系基準色域境界色を決定する第5ステップと
を有することを特徴とする請求項2に記載の色変換方法。
【請求項6】
前記第3工程が、
前記入力系再現色の色相に応じた彩度・明度断面における入力系色域境界線を形成する第1ステップと、
前記入力系再現色と同程度で、かつ前記入力系色域境界線上に存在する第1色を検出する第2ステップと、
前記入力系色域境界線における白色と黒色間の第1の距離を算出する第3ステップと、
前記入力系色域境界線における黒色と前記第1色間の第2の距離を算出する第4ステップと、
前記第1の距離に対する前記第2の距離の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の白色と黒色間に前記出力系基準色域境界色を決定する第5ステップと
を有することを特徴とする請求項2に記載の色変換方法。
【請求項7】
前記第3工程が、
前記入力系再現色の色相に応じた彩度・明度断面における入力系色域境界線を形成する第1ステップと、
該第1ステップで形成した入力系色域境界において、最大彩度相当となる入力系最大彩度基準色を、前記入力系色域境界線上に設定する第2ステップと、
該第2ステップで設定した前記入力系最大彩度基準色に対応する出力系最大彩度基準色を、出力系色域境界線上の任意の位置に設定する第3ステップと、
前記入力系再現色と同明度で、かつ前記入力系色域境界線上に存在する第1色を検出する第4ステップと、
前記入力系再現色と前記入力系最大彩度基準色の明度を比較し、前記入力系再現色明度が前記入力系最大彩度基準色明度よりも大きい場合は、前記入力系色域境界線における白色と前記入力系最大彩度基準色間の第1の距離を算出する第5ステップと、
前記入力系色域境界線における白色と前記第1色間の第2の距離を算出する第6ステップと、
前記第1の距離に対する前記第2の距離の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の白色と前記出力系最大彩度基準色間に前記出力系基準色域境界色を決定する第7ステップと、
前記入力系再現色明度が前記入力系最大彩度基準色明度よりも小さい場合は、前記入力系色域境界線における黒色と前記入力系最大彩度基準色間の第3の距離を算出する第8ステップと、
前記入力系色域境界線における黒色と前記第1色間の第4の距離を算出する第9ステップと、
前記第3の距離に対する前記第4の距離の比率から算出した係数を用いて、前記出力系色域境界線上の黒色と前記出力系最大彩度基準色間に前記出力系基準色域境界色を決定する第10ステップと
を有することを特徴とする請求項2記載の色変換方法。
【請求項8】
入力系再現色を、出力系色再現領域内に写像する色変換方法において、
前記入力系再現色の彩度を圧縮するとき、
線形比例圧縮を行った場合の彩度を算出する第1工程と、
クリッピング圧縮を行った場合の彩度を算出する第2工程と、
前記第1工程で算出された彩度と前記第2工程で算出された彩度に対して、指定された係数を用いた比例計算を行うことにより、最終的な彩度を決定する第3工程とを有することを特徴とする色変換処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2004−194149(P2004−194149A)
【公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−361779(P2002−361779)
【出願日】平成14年12月13日(2002.12.13)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】