説明

色柄付メッシュ生地、熱転写シート、及び転写方法

【課題】メッシュ生地が何色であっても鮮明な、所望の色柄を、付与でき、付与した色柄の耐洗濯性が良好であり、しかも、メッシュ生地の通気性を十分に確保できる、転写技術、及び、該転写技術によって得られた色柄付メッシュ生地、を提供する。
【解決手段】多数の透かし目11を有するメッシュ生地10の、表面に、色柄が付与されている、色柄付メッシュ生地1であって、表面の、透かし目11以外の部分に、熱転写層2が転写されており、その熱転写層2によって、色柄が表されており、熱転写層2は、下層の接着剤層と中層の隠蔽層と上層の着色層とからなる三層構造を、有しており、接着剤層は、メッシュ生地10に侵入してメッシュ生地10の厚さの範囲内に位置しており、隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地10の色を隠しており、且つ、厚さ方向の下部をメッシュ生地10に侵入させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッシュ生地の表面の透かし目以外の部分に、熱転写層を転写する技術、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通気性のあるメッシュ生地の表面に、色柄を付与することは、従来から、種々の方法により、試みられている。例えば、カラーコピー方法、箔押し転写方法、熱転写方法(例えば、特許文献1、2参照)などが、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−94872号
【特許文献2】特開2008−223196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カラーコピー方法では、付与した色柄においてメッシュ生地の色が透けて見えるために、色柄が不鮮明である、という不具合があった。例えば、色柄が赤色であり、メッシュ生地が黒色である場合には、色柄が黒色に見えていた。また、箔押し転写方法では、メッシュ生地に対する箔の接合力が弱いために、付与された色柄の耐洗濯性が劣る、という不具合があった。また、特許文献1の熱転写方法では、所望の色柄を構成している点模様を、接着剤によって、生地に接合しているため、当該点模様を、メッシュ生地の表面の透かし目以外の部分に、完全に一致させる必要があるが、完全一致は困難であるため、メッシュ生地に所望の色柄を付与できない恐れがあった。更に、特許文献2の熱転写方法では、複数の通気孔を有するマークを生地に接合することによって、生地の通気性を確保しようとしており、そのためには、当該通気孔を、メッシュ生地の表面の透かし目に、完全に一致させる必要があるが、完全一致は困難であるため、メッシュ生地の通気性を十分に確保できない恐れがあった。
【0005】
本発明は、メッシュ生地が何色であっても鮮明な、所望の色柄を、付与でき、付与した色柄の耐洗濯性が良好であり、しかも、メッシュ生地の通気性を十分に確保できる、転写技術、及び、該転写技術によって得られた色柄付メッシュ生地、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の色柄付メッシュ生地は、多数の透かし目を有するメッシュ生地の、表面に、色柄が付与されている、色柄付メッシュ生地であって、
表面の、透かし目以外の部分に、熱転写層が転写されており、その熱転写層によって、色柄が表されており、
熱転写層は、下層の接着剤層と中層の隠蔽層と上層の着色層とからなる三層構造を、有しており、
接着剤層は、メッシュ生地に侵入してメッシュ生地の厚さの範囲内に位置しており、
隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地の色を隠しており、且つ、厚さ方向の下部がメッシュ生地に侵入している、
ことを特徴としている。
【0007】
本発明の熱転写シートは、多数の透かし目を有するメッシュ生地の、表面の、透かし目以外の部分に、熱転写層を転写するための、熱転写シートであって、
剥離シート上に熱転写層が形成されており、
熱転写層は、剥離シート側から、着色層と隠蔽層と接着剤層とが積層された、三層構造を有しており、
接着剤層は、転写の際にメッシュ生地に侵入してメッシュ生地の厚さの範囲内に位置するように、形成されており、
隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地の色を隠すように構成されており、且つ、転写の際に厚さ方向の下部がメッシュ生地に侵入するように形成されている、
ことを特徴としている。
【0008】
本発明の転写方法は、多数の透かし目を有するメッシュ生地の、表面の、透かし目以外の部分に、熱転写層を転写して、その熱転写層によって表された色柄が、付与された、色柄付メッシュ生地を、得る、転写方法であって、
ベースシート上に、メッシュ生地を載置する、第1工程と、
メッシュ生地上に、熱転写層を有する熱転写シートを、載置する、第2工程と、
熱転写を実施して、色柄付メッシュ生地を得る、第3工程と、
を有しており、
第2工程において、熱転写シートは、剥離シート上に熱転写層が形成されたシートであり、熱転写層は、剥離シート側から、着色層と隠蔽層と接着剤層とが積層された、三層構造を有しており、隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地の色を隠すように構成されており、
第2工程においては、熱転写層を下面にした状態で、熱転写シートをメッシュ生地上に載置し、
第3工程においては、接着剤層を、メッシュ生地に侵入させてメッシュ生地の厚さの範囲内に位置させるとともに透かし目を通してベースシートに接着させ、且つ、隠蔽層の厚さ方向の下部をメッシュ生地に侵入させ、その後に、剥離シートを熱転写層から剥がし、また、ベースシートを、透かし目部分に位置し且つベースシートに接着している、熱転写層部分、と共に、メッシュ生地から剥がすようにした、
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の色柄付メッシュ生地によれば、次の効果を発揮できる。
(1)熱転写層による色柄が付与された部分においても、透かし目による通気性を維持できる。
(2)メッシュ生地の色に関係なく、着色層による色柄を鮮明に示すことができる。
(3)熱転写層による色柄が付与された部分の耐洗濯性を向上できる。
【0010】
本発明の熱転写シート及び転写方法によれば、上記効果を有する色柄付メッシュ生地を、簡単且つ確実に、得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の色柄付メッシュ生地の平面略図である。
【図2】図1のII−II断面矢視図である。
【図3】本発明の熱転写シートの断面略図である。
【図4】本発明の転写方法の一工程の断面略図である。
【図5】図4に続く工程の断面略図である。
【図6】図5に続く工程の断面略図である。
【図7】図6に続く工程の断面略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[色柄付メッシュ生地]
図1は、本発明の色柄付メッシュ生地の平面略図である。図2は、図1のII−II断面矢視図である。本発明の色柄付メッシュ生地1は、多数の透かし目11を有するメッシュ生地10の、表面に、色柄が付されたものである。この色柄は、メッシュ生地10の表面に転写された熱転写層2によって、表されている。
【0013】
このメッシュ生地10では、透かし目11は、等間隔に且つ千鳥状に配列されている。なお、透かし目11は、縦横に等間隔に並べて配列されてもよく、又は、任意に又はランダムに配列されてもよい。隣接する透かし目11の間は、生地部12である。そして、熱転写層2は、メッシュ生地10の表面の一部に、転写されている。ここでは、熱転写層2は、英文字の「E」及び「F」を四角形の領域20内に有する、という形態の色柄を、表している。なお、具体的には、例えば、メッシュ生地10はグレー色であり、領域20は白色であり、英文字の「E」は赤色であり、「F」は橙色である。
【0014】
熱転写層2は、メッシュ生地10の表面の、透かし目11以外の部分に、すなわち、生地部12のみに、転写されている。すなわち、透かし目11は、熱転写層2で塞がれていない。したがって、色柄付メッシュ生地1によれば、熱転写層2が転写されている部分においても、透かし目11による通気性を維持できる。
【0015】
熱転写層2は、図2に示されるように、下層の接着剤層21と中層の隠蔽層22と上層の着色層23とからなる三層構造を、有している。そして、接着剤層21は、メッシュ生地10に侵入してメッシュ生地10の厚さの範囲D内に位置しており、隠蔽層22は、厚さ方向(矢印Z方向)の下部221がメッシュ生地10に侵入している。したがって、色柄付メッシュ生地1によれば、生地部12に対して、熱転写層2を強固に接合でき、それ故、熱転写層2による色柄の耐洗濯性を向上できる。また、隠蔽層22は、着色層23側から見てメッシュ生地10の色を隠している。隠蔽層22は、具体的には、下層の銀色層と上層の白色層とからなる二層構造を、有している。隠蔽層22は、特に銀色層の働きによって、メッシュ生地10の色を隠している。したがって、色柄付メッシュ生地1によれば、メッシュ生地10の色に関係なく、着色層23による色を鮮明に示すことができる。なお、隠蔽層22は、白色層のみからなってもよい。
【0016】
着色層23は、常温反応型架橋剤を用いることによって硬化されているのが、好ましい。一方、隠蔽層22は、常温反応型架橋剤と加熱反応型架橋剤とを用いることによって硬化されているのが、好ましい。これによれば、着色層23は、隠蔽層22よりも大きな硬度を有しており、また、着色層23が大きな硬度を有しているので、熱転写層2は、摩擦力や衝撃力が加わっても、破損しにくい。なお、常温反応型架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤などを、使用できる。また、加熱反応型架橋剤としては、例えば、ブロックイソシアネート系架橋剤、エチレンイミン系架橋剤、メラミン系架橋剤などを、使用できる。
【0017】
上述のような色柄付メッシュ生地1は、次のような熱転写シート3を用いて製造する。
【0018】
[熱転写シート]
図3は、本発明の熱転写シート3の断面略図である。この熱転写シート3は、剥離シート31と熱転写層2とからなっている。熱転写層2は、剥離シート31上に形成されている。熱転写層2は、剥離シート31側から、着色層23と隠蔽層22と接着剤層21とが積層された、三層構造を、有している。
【0019】
(1)剥離シート31
剥離シート31は、下層の基層と上層の剥離層とからなる二層構造を、有している。
【0020】
(1-1)基層は、表面に剥離層を形成可能であり、且つ、熱転写時に、溶融、割れ、及び裂けが生じない、材料で、構成されている。基層は、具体的には、合成材料、半合成材料、又は天然材料からなる、フィルム又はシートである。
・合成材料としては、ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂;クリスパー(登録商標)、ユポ(登録商標)などの合成紙;を使用できる。
・半合成材料としては、セルロイド、樹脂含浸紙、コート紙などを、使用できる。
・天然材料としては、上質紙などのその他の紙を、使用できる。
【0021】
(1-2)剥離層は、従来から熱転写用の剥離層に利用されている各種の高分子樹脂材料を、単独で、又は、複数種を積層して、使用できる。その高分子樹脂材料としては、シリコン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂などを、使用できる。なお、剥離層は、基層に対する剥離層の接着性を調整したり、着色層の印刷性を調整したり、転写後の熱転写層2の表面状態を調整したりするために、各種の添加剤を含有するのが好ましい。添加剤としては、シリカ、レベリング剤、増粘剤などを、使用できる。
【0022】
(2)着色層23
着色層23は、各種の高分子樹脂材料に各種の顔料を添加して形成されており、更には、各種の添加剤を含有するのが好ましい。
【0023】
(2-1)高分子樹脂材料としては、従来から熱転写捺染用として使用されている樹脂材料を使用でき、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂などを、使用できる。
【0024】
(2-2)顔料としては、アゾ系顔料、多環式系顔料、レーキ顔料などの有機顔料;カーボンブラック、金属化合物、金属粉などの無機顔料;などを、使用できる。
【0025】
(2-3)添加剤としては、印刷性を向上させる目的で、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、遅乾剤などを、使用でき、また、堅牢性を向上させる目的で、架橋剤、体質顔料などを、使用できる。
【0026】
着色層23の厚さは、2〜10μmが好ましく、3〜6μmがより好ましい。2μmより薄い場合には、耐洗濯性が不十分である。10μmより厚い場合には、後述する転写方法において着色層23を引裂くのが困難である。
【0027】
(3)隠蔽層22
隠蔽層22は、各種の高分子樹脂材料及び添加剤に、各種の隠蔽材料を、添加して形成されている。
【0028】
(3-1)高分子樹脂材料及び添加剤としては、着色層23において使用できるものと同じものを、使用できる。
【0029】
(3-2)隠蔽材料としては、白色の無機顔料を好ましく使用でき、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリンクレーなどを、使用できる。更に、金属粉、カーボンブラックなどを、追加的に、使用できる。
【0030】
隠蔽層22の厚さは、2〜20μmが好ましい。2μmより薄い場合には、隠蔽性及び堅牢性が不十分である。20μmより厚い場合には、後述する転写方法において隠蔽層22を引裂くのが困難である。なお、メッシュ生地10の色に応じて、隠蔽に必要な隠蔽層22の厚さは異なっており、メッシュ生地10が白色の場合には2〜20μmが好ましく、淡色の場合には3〜20μmが好ましく、濃色の場合には4〜20μmが好ましい。
【0031】
本発明の隠蔽層22は、転写の際に厚さ方向の下部221がメッシュ生地10に侵入するように、形成されている。
【0032】
(4)接着剤層21
接着剤層21は、接着材料からなっている。接着材料としては、従来から熱転写捺染用の接着材料として利用されている熱可塑性接着材料を使用でき、例えば、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂などを、使用できる。更に、接着材料に、各種の高分子樹脂材料及び添加剤を、添加してもよい。高分子樹脂材料及び添加剤としては、隠蔽層22又は着色層23において使用できるものと同じものを、使用できる。
【0033】
接着剤層21の厚さは、20〜80μmが好ましい。20μmより薄い場合には、接着性が不十分である。80μmより厚い場合には、後述する転写方法において接着剤層21を引き裂くのが困難である。なお、30〜70μmが、より好ましい。
【0034】
本発明の接着剤層21は、転写の際にメッシュ生地10に侵入してメッシュ生地10の厚さの範囲D内に位置するように、形成されている。
【0035】
上記構成の熱転写シート3を用いることにより、後述するように、簡単且つ確実に、上述した色柄付メッシュ生地1を得ることができる。
【0036】
なお、本発明の熱転写シート3では、着色層23が、添加剤として、常温反応型架橋剤を含有し、隠蔽層22が、添加剤として、常温反応型架橋剤と加熱反応型架橋剤とを、含有するのが、好ましい。その理由は、後述する。
【0037】
また、着色層23が、高分子樹脂材料と顔料と有機溶剤とからなる溶剤インクによって、形成されているのが、好ましい。溶剤インクは、密着性が優れているので、低粘度であっても、薄く加工できる。すなわち、この場合には、薄い着色層23を形成でき、したがって、薄い色柄を実現できる。
【0038】
(製造方法)
熱転写シート3は、剥離シート31上に、各種の、印刷方法、塗布・積層方法によって、着色層23と隠蔽層22と接着剤層21とをこの順に形成することにより、製造できる。印刷方法としては、スクリーン印刷、平版印刷、凹版印刷などを、使用できる。塗布・積層方法としては、グラビアコーティング、ナイフコーティング、押し出し成形、噴霧塗布などを、使用できる。
【0039】
次に、上述の熱転写シート3を用いて上述の色柄付メッシュ生地1を得るための転写方法について、説明する。
【0040】
[転写方法]
本発明の転写方法は、次の工程を経る。
【0041】
(1)第1工程
図4に示されるように、ベースシート4上に、メッシュ生地10を載置する。ベースシート4としては、シート状の、綿ニット生地、テトロン/コットン・ニット生地、紙生地、不織布、ウレタン合成皮革生地などを、使用できる。これらは、単独で、又は、複数種を重ねて、用いてもよい。特に、後述する理由により、クッション性を有するニット生地を用いるのが好ましい。
【0042】
(2)第2工程
図4に示されるように、メッシュ生地10上に、熱転写層2を有する熱転写シート3を、載置する。熱転写シート3は、熱転写層2を下面にした状態で、メッシュ生地10上に載置する。
【0043】
(3)第3工程
図4〜図7に示されるように、熱転写を実施する。
【0044】
すなわち、まず、図4に示されるように重ねられた状態の、ベースシート4、メッシュ生地10、及び熱転写シート3を、上下から圧力を加えながら、加熱する。すなわち、熱プレスする。
【0045】
上記熱プレスによって、図5に示されるように、接着剤層21が、メッシュ生地10に侵入してメッシュ生地10の厚さの範囲D内に位置するとともに、隠蔽層22の下部221がメッシュ生地10に侵入する。したがって、接着剤層21及び隠蔽層22は、メッシュ生地10に強固に接合する。すなわち、熱転写層2は、メッシュ生地10に強固に接合する。
【0046】
また、上記熱プレスによって、図5に示されるように、接着剤層21が、透かし目11を通ってベースシート4に接着する。このとき、ベースシート4がニット生地である場合には、ベースシート4が、クッション性によって、透かし目11内に侵入するので、接着剤層21がベースシート4に接着しやすくなる。
【0047】
更に、上記熱プレスによって、隠蔽層22及び着色層23が硬化する。
【0048】
このとき、着色層23が、添加剤として、常温反応型架橋剤を含有し、隠蔽層22が、添加剤として、常温反応型架橋剤と加熱反応型架橋剤とを、含有している場合には、隠蔽層22が加熱反応型架橋剤を含有しているので、硬化前の隠蔽層22の強度が一時的に弱くなり、それ故、後述する熱転写層部分200が引き裂きやすくなる。そして、隠蔽層22及び着色層23が共に常温反応型架橋剤を含有しているので、熱転写層部分200を引き裂いた後の両層22、23の強度を増大できる。
【0049】
また、このとき、着色層23が、高分子樹脂材料と顔料と有機溶剤とからなる溶剤インクによって、形成されている場合には、溶剤インクが、水系インクに比して、少しだけ脆いので、着色層23すなわち熱転写層部分200が引き裂きやすくなる。
【0050】
次に、図6に示されるように、剥離シート31を熱転写層2から剥がす。なお、この後に、熱転写層2上に離型紙を置いて、再度、熱プレスし、その後、離型紙を熱転写層2から剥がしてもよい。
【0051】
そして、図7に示されるように、ベースシート4をメッシュ生地10から剥がす。このとき、ベースシート4には、透かし目11の部分に位置している熱転写層部分200が接着剤層21を介して接着している。このため、ベースシート4をメッシュ生地10から剥がす際に、熱転写層部分200が、図6に示される破線に沿って熱転写層2から引き裂かれ、図7に示されるように、透かし目11を通ってベースシート4と共にメッシュ生地10から抜き出される。これにより、熱転写層2は、メッシュ生地10の透かし目11以外の部分、すなわち、生地部12にのみ、残る。すなわち、熱転写層2は、メッシュ生地10の表面の、透かし目11以外の部分に、転写され、透かし目11は、熱転写層2で塞がれていない。こうして、図1に示される色柄付メッシュ生地1が得られる。
【0052】
上記転写方法によれば、次のような利点を有する色柄付メッシュ生地1を、得ることができる。すなわち、透かし目11の部分に位置している熱転写層部分200を確実に引き抜くので、熱転写層2を、メッシュ生地10の透かし目11以外の部分、すなわち、生地部12にのみ、形成できる。したがって、熱転写層2による色柄が付与された部分においても、透かし目11による通気性を維持できる。また、隠蔽層22を有する熱転写シート3を用いるので、メッシュ生地10の色に関係なく、着色層23による色柄を鮮明に示すことができる。更に、接着剤層21をメッシュ生地10の厚さの範囲D内に位置させるとともに、隠蔽層22の下部221をメッシュ生地10に侵入させるので、熱転写層2をメッシュ生地10に強固に接合でき、熱転写層2による色柄が付与された部分の耐洗濯性を向上できる。
【実施例】
【0053】
以下、本発明の実施例について説明する。なお、生地などの厚さの測定は、デジタル膜厚計(製品名「eXacto F」、Electro Physik社製)を用い、手動で、直径2mmの測定部において、厚さ205μmの基準フィルムを上に置いて、その上から測定することにより、行った。
【0054】
[実施例1]
本実施例の色柄付メッシュ生地1は、次のようにして製造した。
【0055】
(第1工程)
ベースシート4上に、メッシュ生地10を載置した。
・ベースシート4:厚さ650μmの製品名「テトロン/コットン・ニット生地」(クラレ社製)。
・メッシュ生地10:厚さ280μmの製品名「グレーメッシュ生地」。透かし目11は、直径1mmの円形を有しており、23.9個/cmの密度で、等間隔に且つ千鳥状に、配列されている。
【0056】
(第2工程)
メッシュ生地10上に、熱転写層2を有する熱転写シート3を載置した。なお、熱転写シート3は、熱転写層2を下面にした状態で、メッシュ生地10上に載置した。
・熱転写シート3:次のようにして製造した。表1は、熱転写シート3の各層の組成物を示している。表1においては、組成物の、製品名、販売会社、使用量、及び種類を、示している。
【0057】
【表1】

【0058】
(i)剥離シート31を形成した。すなわち、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる基層上に、アクリル樹脂からなる剥離層を形成し、これにより、厚さ78μmの剥離シート31を得た。
【0059】
(ii)剥離シート31上に、着色層23を形成した。すなわち、色柄の赤色となる部分に厚さ3μmの赤色層を、及び、色柄の橙色となる部分に厚さ3μmの橙色層を、及び、色柄の白色となる部分に厚さ3μmの白色層を、スクリーン加工によって形成し、厚さ3μmの着色層23を得た。なお、赤色層、橙色層、及び白色層は、それぞれ、表1に示される組成物からなる混合物である。
【0060】
(iii)着色層23上に、隠蔽層22を形成した。すなわち、着色層23の全面に、白色層をスクリーン加工によって形成し、更に、白色層の全面に、銀色層をスクリーン加工によって形成し、これにより、厚さ19μmの隠蔽層22を得た。なお、白色層及び銀色層は、それぞれ、表1に示される組成物からなる混合物である。
【0061】
(iv)隠蔽層22上に、スクリーン加工によって、厚さ33μmの接着剤層21を形成した。なお、接着剤層21は、表1に示される組成物からなる混合物である。
【0062】
こうして得られた熱転写シート3において、熱転写層2は、剥離シート31側から、着色層23と隠蔽層22と接着剤層21とが積層された、三層構造を有しており、接着剤層21は、転写の際にメッシュ生地10に侵入してメッシュ生地10の厚さの範囲D内に位置するように、形成されており、隠蔽層22は、着色層23側から見てメッシュ生地10の色を隠すように構成されており、且つ、転写の際に厚さ方向の下部221がメッシュ生地10に侵入するように形成されている。
【0063】
(第3工程)
熱転写を実施して、色柄付メッシュ生地1を得た。
【0064】
すなわち、まず、重ねられた状態の、ベースシート4、メッシュ生地10、及び転写シート3を、上下から圧力を加えながら、加熱した。すなわち、熱プレスした。その条件は、150℃、10秒間、3kg/cmとした。更に、転写シート3の剥離シート31を熱転写層2から剥いで、離型紙を熱転写層2上に置いて、再度、熱プレスした。その条件は、150℃、10秒間、3kg/cmとした。
【0065】
これにより、接着剤層21が、メッシュ生地10に侵入してメッシュ生地10の厚さの範囲D内に位置するとともに透かし目11を通ってベースシート4に接着した。また、隠蔽層22の下部221がメッシュ生地10に侵入した。
【0066】
次に、離型紙を熱転写層2から剥がした。
【0067】
そして、ベースシート4をメッシュ生地10から剥がした。これにより、透かし目11の部分に位置している熱転写層部分200が、透かし目11を通って、ベースシート4と共に、メッシュ生地10から抜き出され、熱転写層2は、メッシュ生地10の透かし目11以外の部分、すなわち、生地部12にのみ、残った。
【0068】
こうして、色柄付メッシュ生地1が得られた。
【0069】
[実施例2]
本実施例の色柄付メッシュ生地1は、実施例1に対して、次の点のみが異なっている。
【0070】
(第1工程)
・メッシュ生地10:厚さ460μmの製品名「アクエス(R)11ロイヤルブルー」(ユニチカファイバー社製)。透かし目11は、2.2×2mmの楕円形を有しており、10.3個/cmの密度で、等間隔に且つ千鳥状に、配列されている。
【0071】
(第3工程)
熱プレスの条件を、150℃、15秒間、2kg/cmとした。再度の熱プレスは、実施しなかった。
【0072】
[実施例3]
本実施例の色柄付メッシュ生地1は、実施例1に対して、次の点のみが異なっている。
【0073】
(第1工程)
・ベースシート4:厚さ290μmの製品名「スパンレース不織布ソンタラ(R)」(デュポン社製)に、表2に示される配合物からなる樹脂を含浸させたもの。
・メッシュ生地10:厚さ460μmの製品名「アクエス(R)11ロイヤルブルー」(ユニチカファイバー社製)。透かし目11は、2.2×2mmの楕円形を有しており、10.3個/cmの密度で、等間隔に且つ千鳥状に、配列されている。
【0074】
【表2】

【0075】
(第3工程)
熱プレスの条件を、150℃、15秒間、2kg/cmとした。再度の熱プレスは、実施しなかった。
【0076】
[実施例4]
本実施例の色柄付メッシュ生地1は、次のようにして製造した。
【0077】
(第1工程)
ベースシート4上に、メッシュ生地10を載置した。
・ベースシート4:厚さ290μmの製品名「スパンレース不織布ソンタラ(R)」(デュポン社製)に、表2に示される配合物からなる樹脂を含浸させたもの。
・メッシュ生地10:厚さ460μmの製品名「アクエス(R)11ロイヤルブルー」(ユニチカファイバー社製)。透かし目11は、2.2×2mmの楕円形を有しており、10.3個/cmの密度で、等間隔に且つ千鳥状に、配列されている。
【0078】
(第2工程)
メッシュ生地10上に、熱転写層2を有する熱転写シート3を載置した。なお、熱転写シート3は、熱転写層2を下面にした状態で、メッシュ生地10上に載置した。
・熱転写シート3:次のようにして製造した。表3は、熱転写シート3の各層の組成を示している。表3においては、組成物の、製品名、販売会社、使用量、及び種類を、示している。
【0079】
【表3】

【0080】
(i)剥離シート31を形成した。すなわち、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる基層上に、アクリル樹脂からなる剥離層を形成し、これにより、厚さ78μmの剥離シート31を得た。
【0081】
(ii)剥離シート31上に、着色層23を形成した。すなわち、色柄の黒色となる部分に厚さ3μmの黒色層を、及び、色柄の青色となる部分に厚さ3μmの青色層を、及び、色柄の白色となる部分に厚さ3μmの白色層を、スクリーン加工によって形成し、厚さ3μmの着色層23を得た。なお、黒色層、青色層、及び白色層は、それぞれ、表3に示される組成物からなる混合物である。
【0082】
(iii)着色層23上に、隠蔽層22を形成した。すなわち、着色層23の全面に、白色層をスクリーン加工によって形成し、これにより、厚さ8μmの隠蔽層22を得た。なお、隠蔽層22は、表3に示される組成物からなる混合物である。
【0083】
(iv)隠蔽層22上に、スクリーン加工によって、厚さ39μmの接着剤層21を形成した。なお、接着剤層21は、表3に示される組成物からなる混合物である。
【0084】
こうして得られた熱転写シート3において、熱転写層2は、剥離シート31側から、着色層23と隠蔽層22と接着剤層21とが積層された、三層構造を有しており、接着剤層21は、転写の際にメッシュ生地10に侵入してメッシュ生地10の厚さの範囲D内に位置するように、形成されており、隠蔽層22は、着色層23側から見てメッシュ生地10の色を隠すように構成されており、且つ、転写の際に厚さ方向の下部221がメッシュ生地10に侵入するように形成されている。
【0085】
(第3工程)
熱転写を実施して、色柄付メッシュ生地1を得た。
【0086】
すなわち、まず、重ねられた状態の、ベースシート4、メッシュ生地10、及び転写シート3を、上下から圧力を加えながら、加熱した。すなわち、熱プレスした。その条件は、150℃、15秒間、2kg/cmとした。
【0087】
これにより、接着剤層21が、メッシュ生地10に侵入してメッシュ生地10の厚さの範囲D内に位置するとともに透かし目11を通ってベースシート4に接着した。また、隠蔽層22の下部221がメッシュ生地10に侵入した。
【0088】
次に、剥離シート3を熱転写層2から剥がした。
【0089】
そして、ベースシート4をメッシュ生地10から剥がした。これにより、透かし目11の部分に位置している熱転写層部分200が、透かし目11を通って、ベースシート4と共に、メッシュ生地10から抜き出され、熱転写層2は、メッシュ生地10の透かし目11以外の部分、すなわち、生地部12にのみ、残った。
【0090】
こうして、色柄付メッシュ生地1が得られた。
【0091】
[実施例5〜7]
実施例5〜7の色柄付メッシュ生地1は、それぞれ、表4に示されるように、実施例1〜4に対して、部分的に異なる内容を有しているだけであり、全体的には同様にして、製造した。
【0092】
【表4】

【0093】
[別の実施例]
(1)メッシュ生地10としては、表5に示される(i)〜(xi)の生地を用いてもよい。
【0094】
【表5】

【0095】
(2)ベースシート4としては、表6に示される(i)、(ii)のシートを用いてもよい。
【0096】
【表6】

【0097】
[性能試験]
【0098】
[A]色柄の鮮明さ
本発明の色柄付メッシュ生地1の色柄が、メッシュ生地10の色に関係なく、鮮明であることを、従来技術と比較して、求めた。従来技術としては、カラーコピー方法を採用した。
【0099】
(A-1:試験方法)
(1)次のようにして、サンプルを得た。
(1-1)実施例1と同様にしてサンプル1を得た。但し、次の点のみ異なっている。
・メッシュ生地10として、製品名「アクエス(R)#S7500」(ユニチカファイバー社製)の白と黒とを用いた。白の場合をサンプル1Aとし、黒の場合をサンプル1Bとした。
・着色層23の色柄を、橙色及び白色のみとした。
【0100】
(1-2)実施例4と同様にしてサンプル2を得た。但し、次の点のみ異なっている。
・メッシュ生地10として、製品名「アクエス(R)#S7500」(ユニチカファイバー社製)の白と黒とを用いた。白の場合をサンプル2Aとし、黒の場合をサンプル2Bとした。
・着色層23の色柄を、青色及び白色のみとした。
【0101】
(1-3)サンプル1を得るのに用いた熱転写シート3を、カラーコピー機:製品名「DocuCentre-III C2205」(富士ゼロックス社製)を用いて、「セルコピー」(ダイセルファインケム社製)にカラーコピーして、サンプル3を得た。メッシュ生地10としては、サンプル1、2と同じ製品名「アクエス(R)#S7500」(ユニチカファイバー社製)の白と黒とを用いた。白の場合をサンプル3Aとし、黒の場合をサンプル3Bとした。
【0102】
(2)測色機を用いてサンプルの色差を測定した。具体的には、例えば、サンプル1Aにおける色柄の橙色とサンプル1Bにおける色柄の橙色との色差を求めた。他も同様である。すなわち、色柄の中の同じ色に関して、メッシュ生地が白い場合の色とメッシュ生地が黒い場合の色との差異を、求めた。当該差異が小さい場合には、メッシュ生地の色に関係なく、色柄が鮮明である、と言える。
【0103】
測色条件は、次のとおりである。測定の結果を表7に示す。
・測色機:製品名「i1」(X−Rite社製)
・測色ソフト:Measure Tool
・測色対象:L、a、b(2度、D65)
・方法:ユポ紙上に生地を置いて測定した。
【0104】
【表7】

【0105】
(A-2:評価)
実施例のサンプルは、比較例のサンプルに比して、色差ΔEがかなり小さい。したがって、実施例では、メッシュ生地10の色に関係なく、色柄が鮮明であることが、わかる。特に、実施例1のサンプル1では、色差ΔEが小さい。これは、隠蔽層22が銀色層を有しているからである、と考えられる。したがって、本発明の色柄付メッシュ生地1は、鮮明な色柄を示すことができる。
【0106】
[B]通気性
JIS−L−1018の試験方法に基づき、フラジール形試験機を用いて、本発明の色柄付メッシュ生地1の通気性を調べた。
【0107】
(1)実施例1で用いたメッシュ生地10の通気性と、実施例1の色柄付メッシュ生地1の色柄部分の通気性と、を求めた。その結果を、表8に示す。
【0108】
【表8】

【0109】
(2)実施例4で用いたメッシュ生地10の通気性と、実施例4の色柄付メッシュ生地1の色柄部分の通気性と、を求めた。その結果を、表9に示す。
【0110】
【表9】

【0111】
(評価)
色柄がメッシュ生地の透かし目を全て塞いでいるような、従来の色柄付メッシュ生地の場合には、上記試験方法によって得られる通気性の値は、1〜2となる。これに比して、実施例1、4の色柄付メッシュ生地1の色柄部分の通気性は、かなり高い値を示している。したがって、本発明の色柄付メッシュ生地1は、熱転写層2による色柄を有していても、高い通気性を示すことができる。
【0112】
[C]耐洗濯性
本発明の色柄付メッシュ生地1を、JIS−L−0217の103法によって洗濯し、吊干しして、外観判定した。
【0113】
具体的には、実施例5の色柄付メッシュ生地1を、上記方法によって5回繰り返して洗濯し、外観判定した。その結果、外観変化は認められず、変退色もブリードも5級であった。したがって、本発明の色柄付メッシュ生地1は、十分な耐洗濯性を有している。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明の色柄付メッシュ生地は、メッシュ生地が何色であっても鮮明な色柄を示すことができ、色柄の耐洗濯性が良好であり、しかも、メッシュ生地の通気性を十分に確保できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0115】
1 色柄付メッシュ生地 10 メッシュ生地 11 透かし目 2 熱転写層
21 接着剤層 22 隠蔽層 221 下部 23 着色層 3 熱転写シート
31 剥離シート 4 ベースシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の透かし目を有するメッシュ生地の、表面に、色柄が付与されている、色柄付メッシュ生地であって、
表面の、透かし目以外の部分に、熱転写層が転写されており、その熱転写層によって、色柄が表されており、
熱転写層は、下層の接着剤層と中層の隠蔽層と上層の着色層とからなる三層構造を、有しており、
接着剤層は、メッシュ生地に侵入してメッシュ生地の厚さの範囲内に位置しており、
隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地の色を隠しており、且つ、厚さ方向の下部がメッシュ生地に侵入している、
ことを特徴とする、色柄付メッシュ生地。
【請求項2】
着色層が、常温反応型架橋剤によって硬化されている、
請求項1記載の色柄付メッシュ生地。
【請求項3】
多数の透かし目を有するメッシュ生地の、表面の、透かし目以外の部分に、熱転写層を転写するための、熱転写シートであって、
剥離シート上に熱転写層が形成されており、
熱転写層は、剥離シート側から、着色層と隠蔽層と接着剤層とが積層された、三層構造を有しており、
接着剤層は、転写の際にメッシュ生地に侵入してメッシュ生地の厚さの範囲内に位置するように、形成されており、
隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地の色を隠すように構成されており、且つ、転写の際に厚さ方向の下部がメッシュ生地に侵入するように形成されている、
ことを特徴とする熱転写シート。
【請求項4】
着色層が、常温反応型架橋剤を含有しており、隠蔽層が、常温反応型架橋剤及び加熱反応型架橋剤を含有している、
請求項3記載の熱転写シート。
【請求項5】
着色層が、高分子樹脂材料と顔料と有機溶剤とからなる溶剤インクによって、形成されている、
請求項3記載の熱転写シート。
【請求項6】
多数の透かし目を有するメッシュ生地の、表面の、透かし目以外の部分に、熱転写層を転写して、その熱転写層によって表された色柄が、付与された、色柄付メッシュ生地を、得る、転写方法であって、
ベースシート上に、メッシュ生地を載置する、第1工程と、
メッシュ生地上に、熱転写層を有する熱転写シートを、載置する、第2工程と、
熱転写を実施して、色柄付メッシュ生地を得る、第3工程と、
を有しており、
第2工程において、熱転写シートは、剥離シート上に熱転写層が形成されたシートであり、熱転写層は、剥離シート側から、着色層と隠蔽層と接着剤層とが積層された、三層構造を有しており、隠蔽層は、着色層側から見てメッシュ生地の色を隠すように構成されており、
第2工程においては、熱転写層を下面にした状態で、熱転写シートをメッシュ生地上に載置し、
第3工程においては、接着剤層を、メッシュ生地に侵入させてメッシュ生地の厚さの範囲内に位置させるとともに透かし目を通してベースシートに接着させ、且つ、隠蔽層の厚さ方向の下部をメッシュ生地に侵入させ、その後に、剥離シートを熱転写層から剥がし、また、ベースシートを、透かし目部分に位置し且つベースシートに接着している、熱転写層部分、と共に、メッシュ生地から剥がすようにした、
ことを特徴とする、転写方法。
【請求項7】
第2工程において、熱転写シートの熱転写層の着色層が、常温反応型架橋剤を含有しており、隠蔽層が、常温反応型架橋剤及び加熱反応型架橋剤を含有している、
請求項6記載の転写方法。
【請求項8】
第2工程において、熱転写シートの熱転写層の着色層が、高分子樹脂材料と顔料と有機溶剤とからなる溶剤インクによって、形成されている、
請求項7記載の転写方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−42119(P2011−42119A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192245(P2009−192245)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【特許番号】特許第4611435号(P4611435)
【特許公報発行日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000175320)三英ケミカル株式会社 (5)
【Fターム(参考)】