説明

色見本貼り図面

【課題】ユーザーの希望する建物の外観あるいは内装の仕上がり感を実感できる色見本貼り図面を提供する。
【解決手段】色見本貼り図面において、新築あるいは改修により塗装予定の建物外観図面の塗装対象箇所に、塗装候補色に調整された塗装予定塗料により塗装着色された塗り見本カットを、塗装対象箇所と同形同大に作成し、貼り付けたものとする。また、塗装対象箇所を、建物の部位あるいは構成面により複数に分割し、塗り見本カットが、分割数に相当する複数の色により塗装着色されたものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザーの希望する建物の外観あるいは内装の仕上がり感を実際に使用される色見本により、実感できる色見本貼り図面に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の完成形を具体的に提示するものとして建築パースあるいは完成見本の画像イメージ、完成見本を図に表したものがあった。建築パースあるいは色見本貼り図面では、設計者が設計図に基づき大凡似ていると感じる色により彩色されたものであった。
【0003】
完成見本の画像イメージを提供するものとして、特開2000−227926号公報あるいは特開平11−338899号公報が例示される。
【0004】
特許文献1として紹介する特開2000−227926号公報では、(イ)施工者側が塗装対象物に係るカラーイメージの選択肢を用意の上、顧客に塗装対象物のイメージを選択させ、(ロ)次にイメージ項目別の配色設計情報をカラー画面上に表示し、(ハ)当該配色設計情報に基づく塗装対象物の対象領域へのカラー例をカラー画面上に表示し、選択させ、(ニ)対象領域への配色を選択させた後、(ホ)塗装対象物の配色例となるカラー画面上に表示させるのが項1の主たる特徴部分であった。また、項5では、配色設計情報を画像以外に色見本を用いることを選択肢に含むものであった。
【0005】
【特許文献1】特開2000−227926号公報(特許請求の範囲、発明の詳細な説明の段落0006〜同0007、表1〜表7、図6〜図16)
【0006】
特許文献2として示す、特開平11−338899号公報では、家屋の立体画像のイメージと建材表面の立体画像イメージを用意し、家屋の特定領域を指定して、選択された建材を適用した場合の画像データを計算し、画像表示することが大凡の特徴となる発明を開示している。
【0007】
【特許文献2】特開平11−338899号公報(特許請求の範囲、段落0008〜段落0010、)
【0008】
また、建物外観を画像ではなくシートの組合せにより構成した発明が特開昭62−258457号公報に開示されている。
【0009】
この特許文献3とする特開昭62−258457号公報には、カラーシミュレーション用パースの発明が開示されている。発明の特徴としては、(イ)カラー原版の輪郭をモノクロにて透明フィルムシートに複写したもの、(ロ)カラー原版において色のシミュレーションを行う部分を白色の塗料あるいはシートにより被覆しカラー複写したシート、(ハ)任意の色相を有し隠蔽性のある着色塗材あるいはシート、(ニ)マンセル値N=9以上の隠蔽性シートを積層させたものであった。
【0010】
この引用文献3における従来技術の説明では、旧来方法としてシミュレーション対象物の対象部分に消費者の好みと思われる各種色彩を塗付した紙をあてがう方法も例示されていた。
【0011】
【特許文献3】特開昭62−258457号公報(特許請求の範囲、公報第1頁の明細書第2頁〜公報第2頁の明細書第5頁、図面、図面の簡単な説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
解決しようとする課題の一つは、建物完成形の提示を画像イメージあるいはそのイメージを印刷したものにより提示した時には、画像に表示される色が現物として存在する色見本とは一致しないこと、更には、画像の表示色と印刷により表れる色とに相違が生じたりして、実際に塗装しようとする色を正確に表示することには、高度の技術力が必要であり、正確な色表示装置は専用のソフトウェアを必要とするものであつた。
【0013】
また、旧来法である各種色彩を塗付した紙をあてがう方法では、単純に色調だけを問題とするものであり、その表面光沢、粗度あるいは凹凸模様までは技術思想に含んでいなかった。
【0014】
特許文献3の手法では、シミュレートする部分の色替えを経済的に行うため、色を変える部分のみを透明にしたフィルムシート越しに候補とする色を見せるものであり、全てフィルムシートの表面光沢度に揃ったものとなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明では、以下の手段を採用することにより、上記課題を解決することとしている。
【0016】
まず、第1の発明では、新築あるいは改修により塗装予定の建物外観図面の塗装対象箇所に、塗装候補色に調整された塗装予定塗料により塗装着色された塗り見本カットを、塗装対象箇所と同形同大に作成し、貼り付けたことを発明の要旨としている。
【0017】
次に、第2の発明では、第1の発明において、塗装対象箇所を、建物の部位あるいは構成面により複数に分割し、塗り見本カットが、分割数に相当する複数の色により塗装着色されたものであることを要旨とするものである。
【0018】
更に、第3の発明では、第2の発明において、塗装候補色を選択するに当たり、建物外観の主空間イメージに対応する基調色、副調色、強調色を少なくとも1色以上配置したイメージ配色シートを用意し、複数に分割された大面積部分には基調色と同一色塗見本を配置し、小面積部分には強調色と同一色見本を配置したものであることを要旨としている。
【0019】
以下に、この発明を構成する要素について、個々に説明する。
始めに、建物外観図面とは、建物の正面図、側面図、立面図、斜視図、展開図、鳥瞰図あるいは透視図(パースと言うこともあり。)として示される建物の外観の一面ないし最大でも5つの面を一枚の平面に表したものである。
【0020】
塗装対象箇所とは、前記外観図面において塗装により仕上げる予定箇所のことである。これは、新築の場合も改修の場合も、塗装予定箇所のこととなる。
【0021】
塗装候補色とは、塗装を行う予定の建物に対して、設計者の立案あるいは施主の希望に基づき選択された色のことを言う。
【0022】
塗装予定塗料とは、設計者の立案あるいは施主の希望に基づき選択された塗料を言い、艶の有無あるいはその程度、表面に形成される凹凸模様、表面の粗度、外観からは不明であるがその塗膜性能の違いにより、選択されたものである。
【0023】
塗り見本は、基材と塗料層から構成される。基材には紙が利用され、その紙にはパルプ繊維以外にプラスチック繊維を含むものを含めた紙、プラスチックフィルムを裏面あるいは中間に積層させた紙を例示することができる。紙以外であっても、塗料に含まれる分散媒を吸収することが可能で、分散媒(例えば水)を吸収した後も、変形がないものであれば利用することができる。
【0024】
塗料層の形成は、基材に対してスプレー塗装、一定厚みで塗布できるアプリケーターによる塗装、ローラ塗装、こて塗りなどを採用することができる。この塗装方法は、塗装予定塗料を実際に壁面等に塗り付ける方法と同じにすることが好ましい。しかしながら、実際に塗装を行う方法を採用しない場合であっても、形成される塗膜の艶と質感はほぼ同一のものが形成される。
【0025】
見本カットの作成においては、塗り見本を作製後に同形同大に切断する方法と、前もって同形同大の塗り見本基材を作製した後に、塗料層の形成を行う方法の、どちらを採用しても良い。作製の容易さを比較したときには、塗料の塗装後にカットする方が容易である。
【0026】
一つの建物に対する塗装を立案するに当たり、建物の部位あるいは構成面により、複数に分割して塗装を計画することが、しばしば発生する。複数の種類からなる塗装を計画する場合には、同種の塗料において色調を変えたり、異種塗料の異色のものを利用したり、異種塗料を同色にして用いることも行われる。
【0027】
このような場合には、それぞれ計画の塗料を用いて作製した見本カットを、それぞれの計画部位、計画する構成面に貼り付けて色見本貼り図面を作製する。
【0028】
塗装候補色の選択に当たっては、建物外観をどのようなイメージの建物とするかを、そのイメージに対応する基調色、副調色、強調色の組合せを用意し、その中から色の組合せを選択できるようにしておくのが、効率的となる。建物外観イメージとは、建物の形状、色、表面の模様、表面の凹凸等により表現されるイメージであり、主空間イメージとも呼ばれる。
【0029】
主空間イメージとして採用されるイメージキーワードには、例えば、「ナチュラル」「モダン」「クラシック」「エレガンス」「和風」「ロマンチック」「プリティ」「カジュアル」「クリア」「クールカジュアル」「シック」「ダンディ」「ゴージャス」「ダイナミック」「ワイルド」「フォーマル」などがある。
【0030】
イメージキーワードは、それぞれが更にそのイメージを連想させる色調イメージを持っている。例えば、「ナチュラル」であれば、自然を感じ、穏やかな環境を感じさせ、親しみ、陽気、和やか、清潔、さわやかさを感じさせる色のことであり、それらは一定範囲にある色の群として例示することが可能である。
【0031】
また、イメージキーワードが「モダン」の場合は、無機質感や直線的で、堅さを感じさせ、シャープ、理知的、進歩的、人工的、はっきりさを感じさせる色を指すこととなる。
【0032】
同様にして、「クラシック」の場合は、格調、風格、重厚さ、豊かさを感じさせる空間イメージであり、ダンディで、大人のゆとりを感じさせ、落ち着いた色使いで重みがあり、欧米の伝統感をもたらす、深く落ち着いた色使いのイメージ色を指すこととなる。
【0033】
「エレガンス」の場合は、優しさ、柔らかさ、フェミニン、透明感のある、明るく淡い色調と優しいシルエットの空間イメージであり、ロマンチックで、可愛らしいイメージや、上品さを感じさせるイメージ色を指すこととなる。
【0034】
「和風」の場合は、古風、粋、風情、渋さ、のどかな、くつろいだ、趣のある、日本の伝統的な、落ち着いた空間イメージ色を指すこととなる。
【0035】
上記イメージキーワードに対応する基調色は、イメージキーワードが包含する種々のイメージを最大公約数的に共有する色の群から選択されたものである。最大公約数的と説明したのは、全てのイメージを共有する場合は希であり、その何割かを共有する場合の方が多いからである。
【0036】
例えば、「和風」と言うイメージキーワードを有する色には、若竹色、若草色、麹塵、唐茶、白茶、褐色、深川鼠、桜鼠、藤袴色、二藍が例示される。
【0037】
これら、イメージキーワードとそのイメージに対応する色を示すものとして、色を基準にしたときどのようなイメージを与えるかを説明する文献は多数存在し、例えば、小林重信を著者とし、(株)日本カラーデザイン研究所が編者となる「カラーイメージスケール改訂版」2001年11月15日、(株)講談社発行がある。この文献によれば、横軸に色の「WARM」と「COOL」を採用し、縦軸に「SOFT」と「HARD」配置したうえで、「配色イメージスケール」を開示している。
【0038】
このようにして、イメージキーワードに対応する基調色を設定すると、次に、この基調色に対応する副調色、強調色の組合せを示すことになる。例えば、イメージキーワードとして「ナチュラル」を選び、若竹色を基調色に選択した場合、若竹色の配色イメージスケール上の位置は、横軸である「WARM」から「COOL」を結ぶ評価軸では中程度、縦軸の「SOFT」と「HARD」を結ぶ評価軸では「SOFT」方向に中程度の位置となる。
【0039】
この若竹色は、明度、彩度の組合せをトーンとして表す、PCCSのトーンイメージのグループでは、ライトトーン(「l(エル)」と略記することもある。)の色とも言える。また、色相ではグリーン(「G」と略記することもある。)系の色でもある。
【0040】
建物の仕上げに用いられる色のうち、その大面積に利用される色は、先のトーンイメージでは、ライトトーン以外ではソフトトーン(「sf」と略記することもある。)、ペールトーン(「p」と略記することもある。)、ライトグレイッシュトーン(「ltg」と略記することもある。)、ホワイトトーン(「W」と略記することもある。)の範囲に入る色から選択されることが多い。
【0041】
それぞれのトーンの範囲を明確に定義するものがないが、概ねライトトーンでは、明度が8.0以上、彩度が7s〜8sに入るもの、ソフトトーンでは、明度が5.5以上8.0未満、彩度が7s〜8sに入るもの、ペールトーンでは、明度が8.5以上にあり、彩度が3s以上7s未満に入るもの、ライトグレイトーンでは、明度が5.5以上8.5未満に入るもの、彩度が3s以上7s未満に入るもの、ホワイトトーンでは明度8.5以上、彩度0s以上3s未満となるものを言う。
【0042】
これら以外のトーンには、ブライトトーン(b)、ストロングトーン(s)、ディープトーン(dp)、ビビッドトーン(v)、ダルトーン(d)、ダークトーン(dk)、グレイッシュトーン(g)、ダークグレイッシュトーン(dkg)、グレートーン(Gy)、ブラックトーン(Bk)がある。これらの色座標上の位置は、(財)日本色彩研究所が発表している日本色研配色体系 Practical Color Co-ordinate System(略称PCCS)に説明され、「配色事典」2006年12月10日、新紀元社発行の書籍、あるいは色彩検定用の参考書等により確認することができる。但し、PCCSが分類するトーンとは、分類範囲を異とするトーン分類も開示されている。
【0043】
色相について有彩色を10個に分類し、無彩色を1つのグループとしたとき、代表色を記号により表すことがある。例えば、赤はRedのR、橙はYellow RedのYR、黄はYellowのY、黄緑はGreen YellowのGY、緑はGreenのG、青緑はBlue GreenのBG、青はBlueのB、青紫はPurple BlueのPB、紫はPurpleのP、赤紫はRed PurpleのRP、無彩色はNeutralのNと表す。
【0044】
一般的には、基調色を基準にしたとき、副調色は同じトーンあるいは隣接のトーンにある色から、また、強調色には対象色となる色相差角度が8から10に入るものを選択するのが良い。
【0045】
例えば、先のライトトーンの色である「若竹色」を基調色とした場合に、副調色にG/p、強調色にBG/Gyの色、あるいは、副調色にG/p、強調色にY/pの色、副調色にGY/d、強調色にG/dpの色の組合せを採用することができる。
【0046】
また、基調色にRP/ltgとして表すことができる赤紫系の色であるライトグレイッシュトーンの「灰桜色」を選択したとき、副調色にYR/ltg、強調色にY/pの色、あるいは副調色にYR/Gy、強調色にR/lの色、あるいは副調色にP/p、強調色にN6の色の組合せを採用することができる。
【0047】
更に別の例として、基調色にPB/ltgとして表すことができる青紫系の色であるライトグレイッシュトーンの色である「浅藍ねずみ色」を選択したとき、副調色にN9の色、強調色にP/ltgの色、あるいは副調色にP/p、強調色にRP/ltgの色、あるいは副調色にG/p、強調色にN5の色の組合せを採用することができる。
【発明の効果】
【0048】
この出願の第1の発明によれば、塗装予定塗料により塗装着色された塗り見本カットを用いていることにより、仕上がりの外観として得られる完成見本が実際の仕上がりにより近いものとなり、色、艶、表面の粗さ、凹凸の模様において、実際の仕上がり感を予測させるに満足を与えるものとなる。但し、表面に凹凸模様を形成するものにあっては、その模様を縮小させたものではないので、その部分では仕上がりのシミュレーションとは異なるものである。
【0049】
この発明の色見本貼り図面は、大掛かりな装置あるいは記憶装置を備えたコンピュータも不要であり、簡単な方法によりシミュレーションとなる図面を提供することができる。
【0050】
この出願の第2の発明では、第1の発明の効果に加えて、一つの建物に複数の色相による仕上げ、あるいは、同一の色相にあっても異なる種類の塗料を用いたときの仕上げについても、その違いのあるものを容易に、且つ、その違いが利用するものに分かる形で提供することができる。
【0051】
この出願の第3の発明によれば、第2の発明の効果に加えて、色彩提案の前段階においても、一つのイメージキーワードに沿って、調和の取れたものとなり、建物全体に貼り付けたものも、全体のバランスに優れたものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
実施例1では、戸建て住宅の南面立面図を利用して、この発明の完成見本図を作製した。実施例1では、始めに図1に示す縮尺1/100の南面立面図に対して、色の組合せの選定を行った。実施例1では主空間イメージに和風を採用し、色の組合せでは、基調色は桑色白茶色(Y/ltg)、副調色はアイボリー色(Y/ltg)と鈍色(Y/Gy)、強調色はこげ茶色(R/dk)とトープブラウン色(RP/dkg)となるものである。
【0053】
なお、これらの色を具体的に示すものとして、菊水化学工業(株)製の商品名「1200 kabe color」があり、つや消し塗料を台紙上に塗り付けたものがある。前記提案色を、色番号として示すときには、桑色白茶色はKN026B、アイボリー色はKN050C、鈍色はKN061E、グレー色はKN032E、こげ茶色はKN094G、トープブラウン色はKN052Gとなる。
【0054】
これら6つの色を壁面には基調色、屋根には副調色の鈍色、窓枠には強調色のこげ茶色、破風に副調色のアイボリー色、玄関ドアには強調色のトープブラウン色を展開したものである。但し、屋根瓦、窓枠、玄関ドアは塗装対象とはならないので、設計図への色付け指示によるカラー印刷となった。
【0055】
また、壁面に対しては塗装予定塗料として商品名グラナダ、菊水化学工業(株)製の漆喰調仕上げ塗り材を、破風には商品名ビュークリーン、菊水化学工業(株)製のつや消しとなる合成樹脂エマルションペイントを計画した。
【0056】
図面に貼り付ける見本カットは、当該立面図を台紙裏面に反転コピーした紙に対し、塗装予定塗料をスプレー塗装により、それぞれの標準塗布量となる割合にて塗布し、乾燥後に裏面側から切断したものである。勿論、塗装予定塗料の色調は、前記色の組合せの選択を行った色である。
【0057】
立面図には見本カットの台紙ごと糊付けして一体化させた。
【0058】
この色見本貼り図面では、仕上がり外観が完成見本を予測させるものとなり、この見本を見るものにとって、完成したときを実感できるものとなった。
【0059】
実施例2では、実施例1と同じ戸建て住宅の南面立面図を利用して、この発明の完成見本図を作製した。実施例2では、色の組合せにおいて、副調色に丁字色(YR/ltg)を更に加えたものとした。丁字色を示すものとして、菊水化学工業(株)製の商品名「1200 kabe color」のKN032Eがある。
【0060】
実施例1と異なる色の展開として、副調色に丁字色をベランダ部分に利用するようにした。
【0061】
また、ベランダ部分に利用予定の塗料は、他の壁部分に塗装予定にしている菊水化学工業(株)製のグラナダを利用することにおいては実施例1と同じである。
【0062】
見本カットの作製及び立面図への貼り付けは、実施例1と同様の方法にて行った。但し、ベランダ部分に塗装予定のグラナダについては、塗装手段としてローラーによる塗装を行った。
【0063】
この色見本貼り図面では、壁部分の色違いは勿論のこと、塗装方法の違いによる仕上がり感の違いが目視、指触できるものとなり、仕上げ予定の塗料の選択に今まで以上の情報をユーザーに提供できるものとなった。
【0064】
この発明の実施に当たっては、以下に示す改変、改良を行うことが可能である。
【0065】
塗装予定塗料の塗装方法を、実際の建物への塗装方法と同じとすること。このような見本カット作製手段を採用することにより、より実際の仕上がり感に近いものを提供するものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】この発明の色見本貼り図面を作製するために用いた戸建て住宅の立面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新築あるいは改修により塗装予定の建物外観図面の塗装対象箇所に、塗装候補色に調整された塗装予定塗料により塗装着色された塗り見本カットを、塗装対象箇所と同形同大に作成し、貼り付けたことを特徴とする色見本貼り図面。
【請求項2】
塗装対象箇所を、建物の部位あるいは構成面により複数に分割し、塗り見本カットが、分割数に相当する複数の色により塗装着色されたものであることを特徴とする請求項1に記載の色見本貼り図面。
【請求項3】
塗装候補色を選択するに当たり、建物外観の主空間イメージに対応する基調色、副調色、強調色を少なくとも1色以上配置したイメージ配色シートを用意し、複数に分割された大面積部分には基調色と同一色塗見本を配置し、小面積部分には強調色と同一色見本を配置したものであることを特徴とする請求項2に記載の色見本貼り図面。

【図1】
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【公開番号】特開2009−265587(P2009−265587A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118541(P2008−118541)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000159032)菊水化学工業株式会社 (121)
【Fターム(参考)】