説明

芝生において雑草を抑制するためにフロラスラムを含む相乗作用性除草剤組成物

(a)フロラスラム、ならびに(b)ジチオピルおよびペンジメタリンからなる群より選択される少なくとも1つの発芽前一年草用除草剤を含む除草剤組成物は、芝生における選択された雑草の相乗的抑制をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年4月15日に出願された米国仮出願第61/169,454号による利益を主張するものである。本発明は、(a)フロラスラム、ならびに(b)ジチオピルおよびペンジメタリンからなる群より選択される少なくとも1つの発芽前一年草用除草剤を含む相乗作用性除草剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、より高い活性、より優れた選択性、より低い環境への悪影響、施用部位に対する植物毒性の欠如、より少ない製造コストおよび販売コスト、ならびに既に公知の除草剤に耐性を有する雑草に対してより高い効果を示す化合物に対する要望などの要因のために、標的とする雑草に対する優れた除草剤活性と標的としない植物に対する低毒性とを併せもつ化合物の探索が続いている。特に、芝生において広葉雑草を効率的に抑制することへの必要性が存在している。市販の除草剤、例えば、2,4−D、メコプロップ−P(MCPP-p)、クロピラリド、トリプロピル、およびメチルアルソン酸には重大な欠陥、例えば、効能を得るためには高い施用量が必要なこと、所望の環境プロファイルを満たさないこと、土壌内での移動性が高すぎたり低すぎたりすること、ならびに/または非標的植物および/もしくは芝草種に対して毒性があるなどの欠陥がある。
【0003】
場合によっては、除草剤活性成分は、個別に施用される場合よりも、併用された方がより有効であることが示されており、これを「相乗作用性」と呼ぶ。米国雑草学会(the Weed Science Society of America)の除草剤ハンドブック第8版、2002年、462頁に記載されているように、「『相乗作用』とは、2種類以上の因子を併用したときの効果が、別々に施用したときの各因子に対する反応に基づいて予測した効果よりも大きくなるような相互作用である」。本発明は、それぞれに除草効能があることが既に知られている一定の芝生用除草剤およびフロラスラムを、一緒に施用すると相乗効果が示されるという発見に基づくものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の相乗作用性組成物を形成する除草剤化合物は、それぞれ別個に、植物の成長に対する作用に関して当分野において公知のものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、除草剤として有効な量の(a)フロラスラム、ならびに(b)ジチオピルおよびペンジメタリンからなる群より選択される少なくとも1つの発芽前一年草用除草剤を含む相乗作用性除草剤混合物に関係する。本発明はまた、芝生において所望でない植生の成長を抑制する方法であって、除草剤として有効な量の除草剤混合物を、所望でない植生またはその存在場所に接触させるか、または、土壌または水に施用して、植生が発生または成長することを防止することを含む方法にも関係する。本発明はまた、発芽前雑草用除草剤の施用と同時にフロラスラムを発芽前に施用することによって、芝生において所望でない広葉植物の成長を抑制する方法にも関係する。また、本発明の相乗作用性混合物は、2,4−D、MCPP−p、ジカンバ、またはそれらの混合物などの、他の芝生用除草剤と併用されると、特定の雑草種を予想以上に大きく抑制することも実証している。
【0006】
相乗作用性混合物の化合物の種スペクトル、すなわち、各化合物が抑制する雑草種は、広範であって高度に補完的である。例えば、驚くべきことに、フロラスラムと、ジチオピルおよびペンジメタリンからなる群より選択される少なくとも1つの発芽前一年草用除草剤とを併用すると、各化合物それぞれの量よりも少ない量を芝生に施用しても、シロツメクサ(トリフォリウム・レペンス(Trifolium repens);TRFRE)、タンポポ(タラクサクム・オフィシナーレ(Taraxacum officinale);TAROF)、メヒシバ(ディジタリア種(Digitaria sp.);DIGSS)、およびヘラオオバコ(buckhorn plantain)(プランタゴ・ランケオラータ(Plantago lanceolata);PLALA)の抑制において相乗作用を示すことが見出されている。
【0007】
フロラスラムは、N−(2,6−ジフルオロフェニル)−8−フルオロ−5−メトキシ[l,2,4]トリアゾロ[l,5−c]ピリミジン−2−スルホンアミドの一般名である。その除草剤活性は、農薬マニュアル(the Pesticide Manual)、第14版、2006年に記載されている。フロラスラムは、穀類およびトウモロコシにおいて、広葉雑草およびアブラナ科植物を発芽後に抑制する。
【0008】
ジチオピルは、S,S’−ジメチル=2−(ジフルオロメチル)−4−(2−メチルプロピル)−6−(トリフルオロメチル)−3,5−ピリジンジカルボチオアートの一般名である。その除草剤活性は、農薬マニュアル(the Pesticide Manual)、第14版、2006年に記載されている。ジチオピルは、芝生における一年生雑草および一部の広葉雑草を発芽前および発芽直後に抑制するために使用されている。
【0009】
ペンジメタリンは、N−(l−エチルプロピル)−3,4−ジメチル−2,6−ジニトロベンゼンアミンの一般名である。その除草剤活性は、農薬マニュアル(the Pesticide Manual)、第14版、2006年に記載されている。ペンジメタリンは、大部分の一年生雑草、および数多くの一年生広葉雑草を抑制する。
【0010】
ジカンバは3,6−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸の一般名である。その除草剤活性は、農薬マニュアル(the Presticide Mannual)、第14版、2006年に記載されている。ジカンバは一年生および多年生の広葉雑草を抑制する。
【0011】
2,4−Dは(2,4−ジクロロフェノキシ)酢酸の一般名である。その除草剤活性は、農薬マニュアル(the Presticide Mannual)、第14版、2006年に記載されている。2,4−Dは、一年生および多年生の広葉雑草の発芽後抑制をもたらす。
【0012】
MCPP−pまたはメコプロップ−pは、(R)−2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)プロパン酸の一般名である。その除草剤活性は、農薬マニュアル(the Presticide Mannual)、第14版、2006年に記載されている。MCPP−pは広葉雑草の発芽後抑制をもたらす。
【0013】
発芽後用除草剤の施用は、一般的には、一年生イネ科雑草、例えば、メヒシバ(crabgrass)、オヒシバ(goosegrass)、およびフォックステイル(foxtail)を標的として、発芽前用除草剤を施用してから約6から8週間後の晩春にタンポポの満開時に合わせて行われる。驚くべきことに、フロラスラムは、発芽後の施用が推奨されているが、発芽前用除草剤を施用する時期に施用を行えば、主な広葉雑草、例えば、シロツメクサおよびタンポポなどを効果的に抑制する。さらに、発芽前一年草用除草剤、すなわちジチオピルまたはペンジメタリンと併用すれば、相乗作用を示して広葉雑草の抑制が改善される。
【0014】
除草剤という用語は、本明細書においては、植物を枯らすか、抑制するか、そうでなければその成長を有害に変更する活性成分を意味する。除草剤として有効な量、または植生を抑制する量とは、有害に変更する作用を引き起こし、自然な成長からの逸脱、枯死、制御、乾燥、遅滞などを含む活性成分の量のことである。植物および植生という用語には、発芽種子、出芽苗、栄養繁殖体から出芽する植物体、および根付いた植物が含まれる。
【0015】
除草剤活性は、相乗作用性混合物の化合物を任意の成長段階、または植え付けもしくは発芽の前に、植物に対して直接、または植物が存在する場所に施用すると、該化合物によって示される。観察される効果は、抑制すべき植物種、その植物の成長段階、希釈およびスプレー液滴サイズの散布パラメーター、固形成分の粒径、使用時の環境条件、使用される具体的な化合物、使用される具体的なアジュバントおよび担体、土質など、ならびに施用される薬品の量に応じて決まる。当分野において公知のように、これら、および他の因子を調整して、非選択的または選択的な除草作用を促進することができる。
【0016】
本発明の組成物において、除草作用が相乗的であるフロラスラムとジチオピルの重量比の範囲は1:10から1:170の間である。本発明の組成物において、除草作用が相乗的であるフロラスラムとペンジメタリンの重量比の範囲は1:75から1:1000の間である。
【0017】
相乗作用性組成物が施用される量は、抑制すべき特定のタイプの雑草、必要とされる抑制の程度、ならびに施用の時期および方法に応じて決まる。一般的に、本発明の組成物は、組成物中の活性成分の総量で1ヘクタール当たり150グラム(g/ha)から3400g/haの施用量で施用することができる。ジチオピルは140g/haから575g/haの量で施用されるとともに、フロラスラムは3g/haから20g/haの量で施用される。ペンジメタリンは1150g/haから3380g/haの量で施用されるとともに、フロラスラムは3g/haから20g/haの量で施用される。
【0018】
本発明の相乗作用性混合物の成分は、別々に施用することもでき、またはマルチパート除草剤システム(multipart herbicidal system)の一部として施用することもできる。
【0019】
本発明の相乗作用性混合物を1種類以上の除草剤と同時に施用して、多様な所望でない植生を抑制することができる。他の除草剤と同時に使用する場合、本組成物を他の単独又は複数の除草剤と調合するか、他の単独又は複数の除草剤とタンク混合するか、または他の単独又は複数の除草剤の施用に続けて施用することができる。相乗作用性混合物と同時に用いることができる除草剤の一部には、2,4−D、2,4−DP、2,4−DB、アセトクロール、アシフルロフェン(aciflurofen)、アクロニフェン、アラクロル、アミプロホス−メチル、アミノピラリド、アメトリン、アミノトリアゾール、チオシアン酸アンモニウム、アシュラム、アトラジン、アジムスルフロン、ベネフィン、ベンフルラリン、ベンフレサート、ベンスリド、ベンタゾン、ベスロジン、ビアラホス、ビフェノックス、ビスピリバックナトリウム、ブロマシル、ブロモキシニル、ブタフェナシル、ブタミホス、ブトラリン、カフェンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン−エチル、クレトジム、クロランスラム、クロロフタリム、クロルプロファム、クロルスルフロン、クロルフルレノール、クロルタールジメチル、クロルチアミド、シンメチリン、シノスルフロン、クロピラリド、クロマゾン、クミルロン、シアナジン、シクロスルファムロン、シクロキシジム、DCPA、ジカンバ、ジクロベニル、ジクロホップ、ジクロルプロップ−P、ジクロスラム、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジクワット、ジウロン、DSMA、エンドタール二ナトリウム、EPTC、ET−751、エトフメサート、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フラザスルフロン、フルセトスルフロン、フルメツラム、ホラムスルフロン、フルアジホップ、フルアジホップ−P−ブチル、フルセトスルフロン、フルフェナセット、フルミオキサジン、フルポキサム、フルピルスルフロン、フルロキシピル、グルホシネート、グルホシネート−アンモニウム、グリホサート、ハロキシホップ−メチル、ハロスルフロン、ヘキサジノン、イマザキン−アンモニウム、イマゼタピル、イマゾスルフロン、インダノファン、ヨードスルフロン、イオキシニル、イソプロツロン、ヨードスルフロン、イソキサベン、イソキサフルトール、イマザモクス、イマザピル、イマザキン、イマザピク、ケルブチラート(kerbutilate)、KIH−485、レナシル、MCPA、メコプロップ−P、MCPP、MSMA、メソスルフロン、メソトリオン、メチルダイムロン、メトラクロル、メトリブジン、メトスルフロン、メトスルフロンメチル、ナプロパミド、ニコスルフロン、ノルフルラゾン、オルソベンカルブ、オルソスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサジクロメフォン、オキシフルオルフェン、パラコート、ペブラート、ピコリナフェン、ピクロラム、ピノキサデン、プリミスルフロン、プロジアミン、プロスルフロン、プロフルアゾール、プロポキシカルバゾン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロジアミン、ピラゾン、ピラゾスルフロン−エチル、ピリブチカルブ、ピリチオバック、ピラフルフェン−エチル、ピリミスルファン、ピロックススラム、キノクラミン、キンクロラック、キザロホップ−エチル−D、リムスルフロン、セトキシジム、シデュロン、シマジン、スルフェントラゾン、スルホサート、スルホスルフロン、スルホメツロン、テブチウロン、テルバシル、テニルクロール、チアゾピル、チフェンスルフロン、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリクロピル、トリフルラリン、トリフロキシスルフロンナトリウム、トリトスルフロン、およびトリアジフラムなどがある。相乗作用性混合物と他の補完的除草剤とを、複合調合剤として、またはタンク混合液として同時に施用することが一般的には好ましい。このようにして施用する場合、特にフロラスラムと、ジチオピルまたはペンジメタリンとの相乗作用性混合物を、2,4−D、MCPP−p、ジカンバ、またはこれらの混合物と同時に使用する場合に、種および混合物に特異的な相乗的反応が観察されている。
【0020】
実際には、本発明の相乗作用性組成物は、除草剤として有効な量の除草剤成分を、少なくとも1つの農業上許容可能なアジュバントまたは担体とともに含む混合物として使用することが好ましい。適当なアジュバントまたは担体は、芝生に対し、特に芝生中の雑草を選択的に抑制するための組成物を施用する際に用いる濃度において有害であってはならず、除草剤成分または組成物の他の成分と化学反応するものであってはならない。このような混合物は、雑草またはその存在場所に直接施用するために設計することができ、または通常は施用前にさらなる担体もしくはアジュバントで希釈される濃縮物もしくは調合剤とすることもできる。これらは固体、例えば、粉末、顆粒、水分散性顆粒、水和剤、または液剤、例えば、乳剤、溶液、エマルジョン、もしくは懸濁液などであってもよい。
【0021】
本発明の除草剤混合液を調製するのに有用である適当な農業用アジュバントおよび担体は、当業者には周知である。
【0022】
使用可能な液体担体には、水、トルエン、キシレン、石油ナフサ、穀物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアルキルアミド、ジメチルスルホキシド、液体肥料などがある。水は、一般的には、濃縮物を希釈するために最適な担体である。
【0023】
適当な固体担体には、タルク、パイロフィライトクレイ、シリカ、アタパルガスクレイ(attapulgus clay)、カオリン粘土、珪藻土(kieselguhr)、チョーク、珪藻土(diatomaceous earth)、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイト粘土、フラー土(Fuller's earth)、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石粉、木粉、クルミ殻粉、リグニン、固形肥料などがある。
【0024】
通常、1種類以上の界面活性剤を本発明の組成物に組み入れることが望ましい。このような界面活性剤は、固体および液体の組成物、特に施用前に担体で希釈するように設計された組成物において有利に用いられる。界面活性剤は、性質上陰イオン性、陽イオン性または非イオン性のものでもよく、乳化剤、湿潤剤、懸濁剤として、または他の目的に用いることができる。製剤技術分野において従来から使用されており、本調合剤においても使用することができる界面活性剤は、とりわけ、「McCutcheon's Detergents and Emulsifiers Annual」、MC Publishing Corp.,Ridgewood,New Jersey,1998、および「Encyclopedia of Surfactants」、Vol.I-III,Chemical Publishing Co.,New York,1980-81に記載されている。一般的な界面活性剤には、アルキル硫酸塩、例えば、ラウリル硫酸ジエタノールアンモニウム;アルキルアリールスルホン酸塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム;アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物、例えば、ノニルフェノール−C18エトキシレート;アルコールアルキレンオキサイド付加物、例えば、トリデシルアルコール−C16エトキシレート;石けん、例えば、ステアリン酸ナトリウム;アルキルナフタレンスルホン酸塩、例えば、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム;スルホコハク酸塩のジアルキルエステル、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム;ソルビトールエステル、例えば、オレイン酸ソルビトール;第4級アミン、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム;脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えば、ステアリン酸ポリエチレングリコール;エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドのブロック共重合体;ならびにモノアルキルリン酸エステルおよびジアルキルリン酸エステル塩などがある。
【0025】
農業用組成物において広く使用されているその他のアジュバントには、相溶化剤、消泡剤、金属イオン封鎖剤、中和剤および緩衝剤、腐食防止剤、染料、付臭剤、展着剤、浸透補助剤、固着剤、分散剤、増粘剤、凝固点降下剤、抗微生物剤などがある。この組成物は、他の混合可能な成分、例えば、他の除草剤、植物成長抑制剤、抗真菌剤、殺虫剤などを含むことができ、液体肥料、または固体で微粒子の肥料用担体、例えば、硝酸アンモニウム、尿素など、栄養分を芝草に運搬するために使用されているものと一緒に調合することができる。
【0026】
本発明の相乗作用性組成物中の活性成分の濃度は、一般的は、0.001から98重量パーセントまでである。0.01から90重量パーセントまでの濃度がしばしば用いられる。濃縮物として用いるように設計された組成物においては、活性成分は、一般的に5から98重量パーセント、好ましくは10から90重量パーセントの濃度で存在している。このような組成物は、一般的には、施用前に不活性担体、例えば、水で希釈される。雑草または雑草の存在場所に通常施用される希釈組成物は、一般的に0.0001から1重量パーセントの活性成分を含み、好ましくは0.001から0.05重量パーセントを含む。
【0027】
本組成物は、従来型の地上散布機、散粒機、および当業者に公知の従来の手段によって、雑草またはそれらが存在する場所に施用することができる。
【0028】
下記の実施例は、本発明を説明するものである。
【実施例】
【0029】
標的である広葉雑草の自然集団を含む定着した芝草地において実地試験を行った。最低3回の反復を含み、各区画の広さが25から50平方フィートの範囲内である反復試験を、芝草と雑草がいまだ休眠中であるか、成長し始めたばかりの初春に開始した。2つの成分(フロラスラム、およびジチオピルまたはペンジメタリン)を含む試験が、試験地においてメヒシバ(ディジタリア種(Digitaria sp.)の一般的な発芽前時期と同時期になるようにした。3つの成分(フロラスラム、ジチオピルまたはペンジメタリン、トリメック(Trimec) (2,4−D+ジカンバ+MCPP−p)またはスコッツプラス2(Scotts Plus 2)(2,4−D+MCPP−p)を含む試験は、フロラスラム、およびジチオピルまたはペンジメタリン成分の施用より前の時期になるようにし、その後、一般的な発芽前施用の約6週後に起きるタンポポの満開期にトリメックまたはスコッツプラス2を施用した。一般的なハンドシェーカーまたはシェーカーテーブル法を用いて、顆粒状の処理剤を各区画に均一に散布した。40から60PSIで40から100GPAが散布されるよう調整されたCO2背負式噴霧器によって液体散布剤を散布した。散布は、通常、夜露が残っている早朝に行った。自然降雨および補助的灌水を利用して、試験期間を通して健康な芝生および雑草の活発な成長を維持した。雑草抑制の評価は、試験開始時および各評価間隔時に、各区画内における各雑草種の雑草被覆率を視覚的に評価して行い、以下の公式を用いて抑制率に変換した:
(1−(B/A))×100
A=試験開始時の雑草被覆率
B=散布後の特定の評価間隔時における雑草の割合
この方法を用いて、抑制範囲が0パーセントから100パーセントになるようにした。ここで、0は無抑制に相当し、100は完全枯死に相当する。各雑草種の被覆率を、処理の約2、4、および8週間後に作成した。
【0030】
以下の等式を用いて、2つの活性成分であるAおよびBを含む混合物の期待活性を計算した。
期待値=A+B−(A×B/100)
A=混合物において使用された濃度と同じ濃度の活性成分Aについて測定された効力
B=混合物において使用された濃度と同じ濃度の活性成分Bについて測定された効力
【0031】
次の等式を用いて、3つの活性成分AおよびBおよびCを含む混合物の期待活性を計算した。
期待値=A+B+C−((A×B)+(A×C)+(B×C)/100)+(A×B×C/10,000)
A=混合物において使用された濃度と同じ濃度の活性成分Aについて測定された効力
B=混合物において使用された濃度と同じ濃度の活性成分Bについて測定された効力
C=混合物において使用された濃度と同じ濃度の活性成分Cについて測定された効力
【0032】
評価された処理剤、用いられた散布量、評価された雑草種、および結果を以下の表1〜表13に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
【表4】

【0037】
【表5】

【0038】
【表6】

【0039】
【表7】

【0040】
【表8】

【0041】
【表9】

【0042】
【表10】

【0043】
【表11】

【0044】
【表12】

【0045】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
除草剤として有効な量の(a)フロラスラム、ならびに(b)ジチオピルおよびペンジメタリンからなる群より選択される少なくとも1つの発芽前一年草用除草剤を含む相乗作用性除草剤混合物。
【請求項2】
フロラスラムとジチオピルの重量比が1:10と1:170の間にある、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
フロラスラムとペンジメタリンの重量比が1:75と1:1000の間にある、請求項1に記載の混合物。
【請求項4】
フロラスラム、および前記発芽前一年草用除草剤の相乗作用性除草剤混合物が、2,4−D、MCPP−p、ジカンバ、またはこれらの混合物とともに使用される、請求項1に記載の混合物。
【請求項5】
除草剤として有効な量の請求項1に記載の前記除草剤混合物、および農業上許容可能なアジュバントまたは担体を含む除草剤組成物。
【請求項6】
芝生における所望でない植生を抑制する方法であって、除草剤として有効な量の請求項1に記載の前記除草剤混合物を、前記所望でない植生またはその存在場所に接触させ、または、土壌または水に施用し、前記所望でない植生が発生または成長することを防止することを含む方法。
【請求項7】
芝生における所望でない広葉植生を抑制するための請求項6に記載方法であって、発芽前用除草剤の施用と同時に行われるフロラスラムの発芽前施用で、前記広葉植生の存在場所に接触させ、または発芽前用除草剤の施用と同時に行われるフロラスラムの発芽前施用を前記土壌に適用し、前記所望でない広葉植生の発生または成長を防止することを含む方法。

【公表番号】特表2012−524095(P2012−524095A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506152(P2012−506152)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/031000
【国際公開番号】WO2010/120858
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】