説明

芝生無害顆粒状除草薬調合物

本発明は芝生に顕著な損傷を引き起こすことなく、芝生における雑草を制御するための方法、及び同様のことのための組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は芝生に顕著な損傷を引き起こすことなく、芝生における雑草を制御するための改善された顆粒調合物に関する。
【0002】
選択的除草薬は芝生において生育する雑草を防除するために使用される。しかしながら、HPPD阻害除草薬の如きある除草薬は芝生への損傷を引き起こしうる。通常の植物毒性効果は漂白、発育阻害及び芝生の質の低下を含む。除草薬が暖地型及び寒地型の芝生種に施用されるとき、植物毒性効果は特に重篤でありうる。
【0003】
本分野において周知であるように、多くの型の調合物がある。顆粒状調合物は広い領域にすばやく、そして容易に分散されうるため、それらは芝生への施用に特に便利である。さらに、除草薬の顆粒調合物は上記除草薬の芝生との葉での接触を減少させ、そしてそれゆえ芝生損傷を最小限にしうるので、それらは望ましい。
【0004】
芝生が小さな損傷のみを受ける場合、それは時間が経てば回復しうる。しかしながら、質の高い芝生が重要であるゴルフコース上の如きいくつかの状況においては、短期間の低レベルの植物毒性でさえも望ましくない場合がある。それゆえ、有効な雑草制御が許容されない値の芝生損傷を引き起こすことなく達成されうるように、選択的除草薬を施用するとき芝生が受ける損傷をさらに減少させるという要求が存在する。
【0005】
驚くべきことに、スメクタイト粘土の顆粒状調合物は芝生への除草薬植物毒性を減少させるために特に有用であることが発見されている。
【0006】
本発明にしたがって、除草薬を顆粒調合物として施用することを含む、芝生に顕著な損傷を引き起こすことなく芝生における雑草を制御するための方法が提供され、ここで上記顆粒調合物はスメクタイト粘土を含む。
【0007】
スメクタイトはモンモリロナイト、サポナイト、ノントライト、ヘクトライト及びヴァーミキュライトを含む天然粘土鉱物のファミリーである。スメクタイトは中心の八面体シートを挟む2の四面体シートから成るそれらの「2対1」構造のために膨張粘土として知られており、プレート形の微細な粒子の積重ねを形成する。対照的に、アタパルジャイト(パリゴルスカイトとしてもまた知られる)及びカオリナイト粘土はそれぞれ針様の及び層状のシート形を有する。
【0008】
モンモリロナイトは式(Na,Ca)0.33(Al,Mg)2(Si410)(OH)2・nH2Oを有する水和水酸化ナトリウムカルシウムアルミニウムマグネシウム珪酸塩である。イオン交換及び金属イオン結合は荷電面及びモンモリロナイトナトリウムプレートレットの端で可能である。
【0009】
スメクタイト粘土の水分含有量は変動する。水が吸収されるとき、上記微細粒子はそれらの元の体積の何倍かまで膨張する傾向があり、そしてそれゆえスメクタイト粘土はときどき干ばつ傾向の状況において土壌中の水を保持するための添加物として使用される。スメクタイト、モンモリロナイトナトリウムは油産業において掘穿泥水中で使用されるベントナイトと呼ばれる火山灰中の主要な構成成分である。
【0010】
どんなスメクタイト粘土も本発明にしたがって使用されうる。好適には、上記スメクタイトはモンモリロナイト、ヘクトナイト、サポナイト、ノントライト、ヴァーミキュライト、及びそれらの混合物から成る群から選択される。1つの態様において、上記スメクタイト粘土はモンモリロナイトである。
【0011】
用語「芝生」は、本明細書中で使用されるとき、イネ科植物属からのどんな芝生種をもいう。例えば、上記芝生種はカモジグサ属、ヌカボ属、アクソノプス属、スズメノチャヒキ属、ヤギュウシバ属、ギョウギシバ属、ムカデシバ属、ウシノケグサ属、ドクムギ属、スズメノヒエ属、チカラシバ属、アワガエリ属、イチゴツナギ属、ステノタフラム属又はシバ属に属しうる。芝生は1超の芝生種を含みうる。
【0012】
本発明は寒地型の芝生及び暖地型の芝生を含む、全ての芝生で実施されうる。
【0013】
寒地型の芝生は例えば:ケンタッキーブルーグラス(Poa pratensis L.)、ラフブルーグラス(Poa trivialis L.)、カナダブルーグラス(Poa compressa L.)及び一年生ブルーグラス(Poa annua L.)の如きブルーグラス(Poa L.);クリーピングベントグラス(Agrostis palustris Huds.)、コロニアルベントグラス(Agrostis tenius Sibth.)、ヴェルヴェットベントグラス(Agrostis canina L.)及び小糠草(Agrostis alba L.)の如きベントグラス(Agrostis L.);クリーピングレッドフェスキュー(Festuca rubra L.)、チューイングフェスキュー(Festuca rubra var. commutata Gaud.)、シープフェスキュー(Festuca ovina L.)、ハードフェスキュー(Festuca longifolia)、トールフェスキュー(Festuca arundinacea Schreb.)、メドウフェスキュー(Festuca elatior L.)の如きフェスキュー(ウシノケグサ)(Festuca L.);多年生ライグラス(Lolium perenne L.)、一年生(イタリア)ライグラス(Lolium multiflorum Lam.)の如きライグラス(Lolium L.);フェアウェイカモジグサ(Agropyron cristatum(L.)Gaertn.)、ヒメカモジグサ(Agropyron smithii Rydb.)の如きカモジグサ(Agropyron Gaertn.);スズメノチャヒキ(Bromus inermis Leyss.);及びオオアワガエリ(Phleum L.)を含む。
【0014】
暖地型の芝生は例えば、バミューダグラス(ギョウギシバ)(Cynodon種)、ノシバ(Zoysia Willd.)、セントアウグスティングラス(Stenotaphrum secundatum(Walt.)Kuntze)、センチピードグラス(Eremochloa ophiuroides(Munro.)Hack.)、カーペットグラス(姫岩垂草)(Axonopus Beauv.)、バヒアグラス(Paspalum notatum Flugge.)、キクユグラス(Pennisetum clandestinum Hochst. ex Chiov.)、バッファローグラス(Buchloe dactyloides(Nutt.)Engelm.)、センチピードグラス(Eremochloa種)及び海岸スズメノヒエ(Paspalum vaginatum swartz)を含む。
【0015】
1つの態様において、上記芝生は暖地型の芝生である。さらなる態様において、上記芝生は寒地型の芝生である。
【0016】
本発明は芝生作物(穀類、コメ、トウモロコシ、サトウキビ)、観賞植物及び条植え作物の如きどんな他の作物と共にも使用されうる。
【0017】
本発明は芝生において生育する雑草を制御するために有用などんな除草薬と共にも使用されうる。全ての市販の入手可能な除草薬の完全なリストはPesticide Manual(British Crop Protection Councilにより2006年に公開された、第14版)から入手可能である。好適な除草薬は一般的に広葉雑草及び/又は芝生雑草に対して活性を有する。ある状況において使用されるべき除草薬の選択は制御されるべき雑草、及び芝生種に因る。
【0018】
好適には、上記除草薬はスメクタイト粘土への結合を促進するように、疎水性である及び/又は正に荷電している。
【0019】
1つの態様において、上記除草薬はHPPD阻害除草薬である。HPPD阻害剤は酵素4‐ヒドロキシフェニル‐ピルビン酸塩ジオキシゲナーゼを阻害し、そしてそれゆえカトテノイド生合成を破壊することによりはたらく除草薬である。HPPD阻害剤の周知のクラスはトリケトン、イソキサゾール及びピラゾールを含む。
【0020】
好適には、上記HPPD阻害剤はメソトリオン、サルコトリオン、ベノクスフェナップ、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、ピラサルフォトール、ピラゾリナート、ピラゾキシフェン、ベンゾバイシクロン、ケトスピラドックス、テムボトリオン、テフリルトリオン、トプラメゾン、及び式Iの化合物
【0021】
【化1】

【0022】
又はそれらの混合物から成る群から選択される除草薬である。
【0023】
塩、キレート及びエステルの如き、上記化合物のどんな除草薬として活性な形態も本発明にしたがって使用されうる。
【0024】
より好適には、上記除草薬はメソトリオン、テムボトリオン、トプラメゾン、式Iの化合物
【0025】
【化2】

【0026】
及びそれらの混合物から成る群から選択される。
【0027】
1つの態様において、上記除草薬はメソトリオンである。他の態様において、上記除草薬は式Iの化合物である。
【0028】
本発明にしたがって、除草薬及びスメクタイト粘土を含む、芝生に顕著な損傷を引き起こすことなく、芝生において雑草を制御するために好適な顆粒状組成物もまた提供される。1つの態様において、上記スメクタイト粘土はモンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ノントライト、ヴァーミキュライト、及びそれらの混合物から成る群から選択される。好適には、上記スメクタイト粘土はモンモリロナイトである。
【0029】
さらなる態様において、上記除草薬はメソトリオン、テムボトリオン、トプラメゾン、式Iの化合物
【0030】
【化3】

【0031】
及びそれらの混合物から成る群から選択される1つの如き、HPPD阻害除草薬である。好適には、上記除草薬は式Iの化合物である。好適には、上記除草薬はメソトリオンである。
【0032】
好適には、上記スメクタイト粘土はモンモリロナイトであり、そして上記除草薬は式Iの化合物である。
【0033】
本発明は単子葉雑草及び双子葉雑草を含む、多くの作物学的に重要な雑草を制御するために使用されうる。
【0034】
例えば、本発明はAbutilon種、Ambrosia種、Amaranthus種、Chenopodium種、Cirsium種、Euphorbia種、Galium種、Glechoma種、Ipomoea種、Lamium種、Medicago種、Polygonum種、Sida種、Sinapis種、Solanum種、Stellaria種、Taraxacum種、Trifolium種、Veronica種、Viola種及びXanthium種の如き双子葉雑草を制御するために使用されうる。
【0035】
本発明はAgrostis種、Alopecurus種、Apera種、Avena種、Brachiaria種、Bromus種、Cynodon種、Digitaria種、Echinochloa種、Eleusine種、Eriochloa種、Juncus種、Kyllinga種、Leptochloa種、Lolium種、Muhlenbergia種、Ottochloa種、Panicum種、Paspalum種、Phalaris種、Poa種、Rottboellia種、Setaria種、Sorghum種の如き単子葉雑草、本質的に感受性及び抵抗性(例えば、ACCase及び/又はALS抵抗性)の生物型のどんなこれらの雑草、及びCommelina種、Monochoria種、Sagittaria種の如き広葉単子葉雑草及びCyperus種及びScirpus種の如きカヤツリグサを制御するためにもまた使用されうる。
【0036】
本発明の1つの態様において、上記雑草はクローバー(Trifolium種)又はセイヨウタンポポ(Taraxacum種)である。驚くべきことに、本発明における使用のためのスメクタイトを含む顆粒状除草薬調合物は雑草制御の効果を顕著に減少させることなく、芝生への除草薬植物毒性を減少させる。特に、本発明における使用のための式Iの化合物を含む顆粒状調合物はクローバーの制御効果を顕著に減少させることなく、芝生への除草薬植物毒性を減少させる。
【0037】
本発明の目的のために、用語「雑草」は普通の及び突然変異又はトランスジェニックアプローチの手段のいずれかにより遺伝子的に変化した、自生する作物の如き所望されない作物種を含む。例えば、ゴルフコース上の如き芝生作物を背景において、グリーン芝生にあるクリーピングベントグラスは、フェアウェイ又は異なる種類の芝生が耕作されているラフ区分において見られる場合、雑草であると考えられうる。
【0038】
本発明に係る顆粒調合物が施用される率は制御されるべき雑草の特定の型、芝生の種類、必要とされる制御の程度及び施用のタイミングに因る。一般的に、上記顆粒調合物は上記組成物中の活性成分の総量に基づいて、0.001キログラム活性成分/ヘクタール(kg ai/ha)〜約5.0kg ai/haの施用率で施用されうる。好適には、上記施用率は約0.01kg ai/ha〜約3.0kg ai/ha、より好適には約0.05kg ai/ha〜0.3kg ai/haである。
【0039】
本発明により提供される芝生の安全性における改善は高い率の除草薬が上記芝生に施用されるとき特に優れている。典型的に、メソトリオンの如きHPPD阻害除草薬は約140〜280g ai/haの率で芝生に施用されうる。特に優れた安全化はより高い率で達成されうる。高い率での改善された芝生の安全性は、例えば、上記製品が芝生ケアオペレーターによる施用において重複のために推奨される率の2倍で施用されるとき、十分な安全性の余地があることを確実にするために重要である。
【0040】
本発明における使用のための顆粒状調合物はスメクタイト粘土を含む。上記粘土は加工されていない状態で使用されうる又はそれは例えば揮発性成分を減少させるよう焼くことにより、その吸収特性又は摩擦に対するその抵抗性を高めるために処理されうる。
【0041】
天然スメクタイト粘土は典型的に1超の粘土型の混合物を含む。本発明における使用のためのスメクタイト粘土は例えばモンモリロナイト及びヘクトライトを含む、スメクタイトクラスからの1超の粘土型の混合物でありうる。好適には、本発明における使用のための顆粒調合物は少なくとも20重量%のスメクタイト粘土を含む。より好適には、本発明における使用のための顆粒調合物は少なくとも30重量%のスメクタイト粘土を含む。より好適には、本発明における使用のための顆粒調合物は少なくとも40重量%のスメクタイト粘土を含む。より好適には、本発明における使用のための顆粒調合物は少なくとも50重量%のスメクタイト粘土を含む。より好適には、本発明における使用のための顆粒調合物は少なくとも60重量%のスメクタイト粘土を含む。より好適には、本発明における使用のための顆粒調合物は少なくとも70重量%のスメクタイト粘土を含む。より好適には、本発明における使用のための顆粒調合物は少なくとも80重量%のスメクタイト粘土を含む。より好適には、本発明における使用のための顆粒調合物は少なくとも90重量%のスメクタイト粘土を含む。より好適には、本発明における使用のための顆粒調合物は少なくとも95重量%のスメクタイト粘土を含む。より好適には、本発明における使用のための顆粒調合物は本質的にスメクタイト粘土から成る。
【0042】
スメクタイト粘土に加えて、本発明における使用のための顆粒状調合物は農薬を吸収する又は農薬でコーティングされうる肥料、砂、石灰岩、漂布土、アタパルジャイト粘土、ベントナイト粘土、真珠岩、炭酸カルシウム、煉瓦、軽石、葉蝋石、カオリン、ドロマイト、石膏、木粉、挽いたトウモロコシの穂軸、挽いたピーナッツの殻、砂糖、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、マグネシウム、雲母、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、氷晶石、石膏、チョーク、ゼオライト、方解石、珪藻土、硫酸カルシウム及び他の有機又は無機物質の如き、他の担体を含みうる。好適には、本発明における使用のための顆粒状調合物は主にモンモリロナイト粘土を含む。1つの態様において、本発明における使用のための顆粒状調合物は本質的にモンモリロナイト粘土から成る。
【0043】
任意に、上記顆粒状調合物は尿素/ホルムアルデヒド肥料、尿素、(硫酸カリウム、硝酸カリウム、塩化カリウム、酸化カリウム、メタリン酸カリウムの如き)カリウム化合物、(硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウムの如き)アンモニウム化合物、(リン酸の如き)リン化合物、硫黄、同様の植物栄養素及び微量元素及びそれらの混合物又は組み合わせの如き肥料物質を含む。
【0044】
本発明における使用のための顆粒状調合物は押し出し成型物及び比較的きめの粗い粒子の両方を含む。上記農薬及び担体に加えて、一般的に、上記顆粒は表面活性剤(その用語は分散剤及び浸潤剤を含みうる)及び結合剤、安定化剤及び緩衝剤の如き補助剤を含みうる。上記顆粒成分は好ましくは顆粒調製中に又は長期貯蔵又は現場での使用に際して上記農薬活性物質を分解するべきでない。当業者はこれらの基準を満たす適切な顆粒成分を容易に選択しうる。
【0045】
上記農薬は上記顆粒全体に均一に分布され、上記顆粒が形成された後に上記顆粒基質上にスプレイ浸透され又は吸収され又は上記顆粒の表面上にコーティングされうる。上記農薬が事前に形成された顆粒基質上に浸透され又は吸収される場合、上記農薬は好適に溶媒中に溶解され、そして液体調合物として上記顆粒に施用される。
【0046】
結合剤は上記顆粒の成分を塊りにするために使用されうる。存在するとき、上記結合剤は典型的に上記顆粒状組成物の約20重量%(乾燥基礎)まで、より典型的には約2〜約20重量%の量で使用されうる。上記結合剤は、摩擦に抵抗し、そしてすぐに分解しないであろう顆粒状基質に上記成分を結合し、そしてそれゆえ実質的に取り扱い中の粒子サイズを維持する。好適な結合剤の例はビール粕濃縮溶解物、リグノスルフォン酸塩、炭酸ナトリウムリグニン、サトウキビ糖蜜、ビートシロップ、ビート糖蜜、脱糖ビート糖蜜、ホエイ、デンプン、サトウキビ糖蜜等を伴う大豆溶解物、加水分解コラーゲン、アミノ酸溶液、セルロース誘導体又はセルロース含有重合体結合剤を含む。例えば、ビール粕濃縮溶解物と同等の特性を有する他の水溶性結合剤もまた使用されうる。
【0047】
界面活性剤、分散剤、崩壊剤、浸潤剤等の如き追加の補助剤は上記顆粒の特性を改変することが所望される場合に添加されうる。
【0048】
本発明に係る顆粒状調合物は約0.01重量%〜約99重量%の除草薬を含みうる。好適には、上記顆粒調合物は約0.01重量%〜約10重量%の除草薬を含む。より好適には、上記顆粒調合物は約0.01重量%〜約1重量%の除草薬を含む。より好適には、上記顆粒調合物は約0.05重量%〜約0.5重量%の除草薬を含む。
【0049】
重芳香族ナフサ、灯油及び他の石油画分又は植物油の如き表面活性剤;及び/又はデキストリン、接着剤又は合成樹脂の如き展着剤を含む、追加の活性成分もまた上記調合物中に存在しうる。
【0050】
本発明に係る方法は処理間に数日又は数週間を有する、芝生の複数の処理にもまた拡張する。
【0051】
雑草を制御するための除草薬、及び芝生生育を高めるための肥料での芝生の同時処理はコスト及び時間の効率がよいので、これは望ましい。好適には、本発明において使用されるスメクタイト粘土を含む顆粒調合物は上記に示される肥料をさらに含む。あるいは、除草薬を含むスメクタイト粘土含有顆粒は共施用のために、肥料顆粒と配合されうる。
【0052】
本発明にしたがって、除草薬を含む第一の顆粒調合物、及び肥料を含む第二の顆粒調合物を施用することを含む、芝生に顕著な損傷を引き起こすことなく、芝生における雑草を制御するための方法もまた提供され、ここで上記第一の顆粒調合物はスメクタイト粘土を含む。
【0053】
本発明に係る方法は雑草又は芝生いずれかの出現前又は後に雑草を制御するために使用されうる。
【実施例】
【0054】
顆粒処理を以下の表にしたがって調製した。処理1〜14を炭酸プロピレン溶液中の式Iの化合物を事前に形成された顆粒の外部に施用することにより調製した。処理15及び16をデンプン、浸潤剤、吸収材料、炭酸プロピレン及び式Iの均一な混合物を作出し、そして上記混合物を押し出して顆粒を形成することにより調製した。
表1:処理
【0055】
【表1】

【0056】
実施例1:暖地型及び冷地型の芝生に対する植物毒性
上記顆粒調合物をフロリダのVeroビーチで生育している多年生ライグラス、トールフェスキュー、及びセントアウグスティングラスに施用した。漂白率及び発育阻害率についての評価を規則的な時点で行った。上記結果は以下の表中に示されている。芝生が処理後約2週間で回復し、そしてそれゆえ漂白における顕著な差はより後の時点では処理間で観察されなかったので、漂白率についての第一の評価のみが示されていることに留意せよ。発育阻害はいずれの処理についても観察されなかった。
表2:顆粒調合物の漂白率
【0057】
【表2】

【0058】
*Lolium perenne(LOLPE)、変種ブレンド
**Festuca arundinacea(FESAR)、Coronado品種
***Stenotaphrum secundatum(STPSE)、Floratam品種
#DAT=処理後日数
上記データは、モンモリロナイト粘土顆粒含有調合物での芝生の処理(処理10〜14)が試験された全ての芝生種について他の顆粒型より少ない漂白しかもたらさなかったことを示している。処理13及び14(agnique ME181又はサンスプレイ油を伴うモンモリロナイト粘土顆粒調合物)は特に優れた結果をもたらした。処理17は、上記顆粒調合物の半分の率で施用された同じ除草薬のスプレイ調合物がより多くの漂白を引き起こしたことを示している。
実施例2:セントアウグスティングラスに対する植物毒性及びクローバーの雑草制御
実施例1中で使用されている処理の選択を、以下の表中に示されているように、さらなる試験について同定した。この試験において、セントアウグスティングラスの漂白率、及びクローバー(Trifolium種)の制御率を評価した。明確にするために、実施例1試験において使用されている処理番号が維持されている。
表3:セントアウグスティングラス(v Floratam)におけるクローバー制御
【0059】
【表3】

【0060】
上記結果は、モンモリロナイト粘土顆粒調合物(処理10〜14)が、クローバー制御率におけるわずかな減少のみを伴って又は減少を伴わずに、DG Lite含有調合物(処理2)と同程度の又はより少ない漂白しか引き起こさなかったことを示している。
実施例3:セントアウグスティングラスに対する植物毒性及びダラーウィード(チドメグサ)の雑草制御
実施例1において使用されている処理の選択を、以下の表中に示されているように、さらなる試験について同定した。この試験において、セントアウグスティングラスの漂白率及びダラーウィード(チドメグサ)(Hydrocotyle種)の制御率を評価した。明確にするために、実施例1試験において使用されている処理番号が維持されている。
表4:セントアウグスティン(v Delmar)におけるダラーウィード(チドメグサ)の制御
【0061】
【表4】

【0062】
上記結果は、処理後14日で、モンモリロナイト粘土顆粒調合物(処理10〜14)が、ダラーウィード(チドメグサ)の制御率におけるわずかな減少のみを伴って、DG Lite含有調合物(処理2)より少ない漂白しか引き起こさなかったことを示している。
実施例4:bull paspalum、globe sedge及びアザミの雑草制御
実施例1中で使用されている処理の選択を、以下の表中に示されているように、さらなる試験について同定した。この試験において、bull paspalum(Paspalum boscianum)、globe sedge(Cyperus globulosus)及びアザミ(Cirsium種)の雑草制御を処理後12及び22日に評価した。明確にするために、実施例1試験において使用されている処理番号が維持されている。
表5:bull paspalum、globe sedge及びアザミの制御
【0063】
【表5】

【0064】
*Paspalum boscianum(PASBO)
**Cyperus globulosus(CYPGL)
***Cirsium種(CIRSS)
上記結果は、22DATで処理2(DG Lite含有顆粒)及び処理10〜14(モンモリロナイト粘土含有顆粒)の間で雑草制御における顕著な減少は観察されなかったことを示している。
実施例5:ファインフェスキューに対する顆粒調合物の植物毒性
実施例1中で使用されている処理の選択を、以下の表中に示されているように、さらなる試験について同定した。この試験において、チューイングフェスキュー(Festuca rubra var. commutata Gaud.)の漂白率を、それぞれ2つの異なる除草薬率で施用された4つの顆粒処理について評価した。明確にするために、実施例1試験において使用されている処理番号が維持されている。
表6:ファインフェスキューに対する顆粒調合物の植物毒性
【0065】
【表6】

【0066】
上記データは、両方の率及び両方の時点で、モンモリロナイト粘土顆粒がDG Lite顆粒よりファインフェスキューのより少ない漂白しかもたらさなかったことを示している。
実施例6:多年生ライグラスに対する顆粒調合物の植物毒性
実施例1中で使用されている処理の選択を、以下の表中に示されているように、さらなる試験について同定した。この試験において、多年生ライグラス(Lolium perenne)の漂白率を、それぞれ2つの異なる除草薬率で施用された4つの顆粒処理について評価した。明確にするために、実施例1試験において使用されている処理番号が維持されている。
表7:多年生ライグラスに対する顆粒調合物の植物毒性
【0067】
【表7】

【0068】
上記データは、より高い率での15DATで、モンモリロナイト粘土顆粒(処理10〜13)がDG Lite顆粒(処理2)より多年生ライグラスのより少ない漂白しかもたらさなかったことを示している。
実施例7:多年生ライグラスに対する植物毒性及びセイヨウタンポポの雑草制御
実施例1中で使用されている処理の選択を、以下の表中に示されているように、さらなる試験について同定した。Wisconsinで行われたこの試験において、多年生ライグラス(Lolium perenne)の漂白率及びセイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)の制御率を、それぞれ2つの異なる除草薬率で2回施用された4つの顆粒処理について評価した。明確にするために、実施例1試験において使用されている処理番号が維持されている。
表8:多年生ライグラスにおけるセイヨウタンポポの制御
【0069】
【表8】

【0070】
*DAT‐2=第二の処理後の日数
上記データは、13DAT‐2で、モンモリロナイト粘土顆粒(処理10〜13)がセイヨウタンポポ制御における減少をほとんど〜全く伴わずに、いずれかの率で施用されたDG Lite顆粒(処理2)より多年生ライグラスの少ない漂白しかもたらさなかったことを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顆粒調合物としての除草薬を施用することを含む、芝生に顕著な損傷を引き起こすことなく、芝生における雑草を制御するための方法であって、上記顆粒調合物がスメクタイト粘土を含む方法。
【請求項2】
上記スメクタイト粘土がモンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ノントライト、ヴァーミキュライト、及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記スメクタイト粘土がモンモリロナイトである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記芝生が寒地型の芝生である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上記除草薬がHPPD阻害除草薬である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
上記除草薬がメソトリオン、テンボトリオン、トプラメゾン、式Iの化合物
【化1】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記除草薬が式Iの化合物である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上記除草薬がメソトリオンである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
上記雑草がクローバー又はセイヨウタンポポである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
上記顆粒調合物が肥料をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
除草薬を含む第一の顆粒調合物、及び肥料を含む第二の顆粒調合物を施用することを含む、芝生に顕著な損傷を引き起こすことなく、芝生における雑草を制御する方法であって、上記第一の顆粒調合物はモンモリロナイト粘土を含む方法。
【請求項12】
除草薬及びスメクタイト粘土を含む、芝生に顕著な損傷を引き起こすことなく、芝生における雑草を制御するために好適な顆粒状組成物。
【請求項13】
上記スメクタイト粘土がモンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ノントライト、ヴァーミキュライト、及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項12に記載の顆粒状組成物。
【請求項14】
上記スメクタイト粘土がモンモリロナイトである、請求項13に記載の顆粒状組成物。
【請求項15】
上記除草薬がHPPD阻害除草薬である、請求項12に記載の顆粒状組成物。
【請求項16】
上記除草薬がメソトリオン、テンボトリオン、トプラメゾン、式Iの化合物
【化2】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項15に記載の顆粒状組成物。
【請求項17】
上記除草薬が式Iの化合物である、請求項16に記載の顆粒状組成物。
【請求項18】
上記除草薬がメソトリオンである、請求項16に記載の顆粒状組成物。

【公表番号】特表2012−508704(P2012−508704A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535916(P2011−535916)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008062
【国際公開番号】WO2010/054812
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】