説明

苗選別装置

【課題】 セルトレイを縦横に移動させずにCCDカメラを移動させ、培土の崩れによる幼苗の損傷を防止しつつ、高精度な苗選別を行う。
【解決手段】 苗選別時には、CCDカメラ29を、セルトレイ24の所定の4個のセル24aに臨むように移動させて、該所定の4個のセル24aをブロック単位としてセル24aに植立された苗22をCCDカメラ29により撮像する。このCCDカメラ29からの画像情報をパソコン32に取込み、該パソコン32によりセル24aに植立された苗22を画像認識して該苗の良否を判別する。不良苗が検出されると、CCDカメラ29と一体固定されたノズル36が、不良苗が植立されたセル上に移動してきて、該不良苗をバキュームにより培土と共に吸引除去する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苗選別装置に関し、特に、セルに植立された苗の画像情報から該苗の良否を判別し、該セルから不良苗を取り除く苗選別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今のガーデニングブームや都市の緑化等により、花壇苗や野菜苗の需要は急激に伸びているが、農業従事者の高齢化や低コスト化の背景にあって、苗生産作業の省力化・自動化が望まれている状況にある。
【0003】このような状況下で、花卉や野菜苗を生産するに当り、幼苗の段階で不良苗を選別除去することは、生産者にとって苗生産コストを低減するために必要不可欠となっている。例えば、花卉の場合、花の形態として一重咲きと八重咲きがあり、このうち、一重咲きのものは市場価値がなく、八重咲きのみが販売されている。しかし、ストックの種子には略々半数の一重咲きが混合しており、しかも種子の状態では選別できない。このため、生産者は発芽した子葉の特徴を捉えて苗選別を行っている。
【0004】そして、この選別作業を手で行おうとすると、多大の労力を要するので、苗の生育状況を画像処理して不良苗を自動的に選別除去しようとする試みが、例えば特開平7−75450号公報において提案されている。
【0005】この従来技術によれば、苗を収容したセルトレイを搬送し、この搬送方向と平行に仮植ポットを1個づつ搬送し、搬送途中にてセルトレイから個々の仮植ポットに苗を1株づつ仮植する際、この仮植前に苗を画像センサにて撮像し、画像処理して苗の生育状況を検出し、良苗のみ仮植するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この種、苗選別装置において、苗の葉の円形度、彩度、大きさ等に基づき精度良く苗の良否を評価しようとする場合には、画像処理するための画素数を相当必要とすることが知られている。しかし、前述した従来技術によると、セルトレイの1枚分、或いは半分をカメラによって一時に得るものでは、苗1株当りの画素数が不足して的確な評価を行うことができず、また、画素数の多いカメラを用意すると、装置が高価になるという課題が生じる。
【0007】本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、セルトレイを縦横に移動させずに苗撮像手段を移動させ、培土の崩れによる幼苗の損傷を防止しつつ、高画質な苗情報に基づき高精度な苗選別を可能とする苗判別装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明の請求項1記載の発明は、苗(22)が植立された多数のセル(24a)をマトリクス状に配置したセルトレイ(24)を有し、該セルトレイ(24)上の前記セル(24a)に植立された苗(22)の良否を判別し、不良苗を前記セル(24a)から取り除く苗選別装置(10)において、前記セルトレイ(24)の前記所定複数のセル(24a)に臨むように移動して、該所定複数のセル(24a)をブロック単位として前記セル(24a)に植立された苗を撮像する撮像手段(28)と、該撮像手段(28)からの画像情報に基づき、前記セル(24a)に植立された苗(22)を認識して該苗の良否を判別する画像処理手段(32)と、該画像処理手段(32)により判別された不良苗が植立されたセル上に移動自在で、前記各セル(24a)に臨ませた状態で前記不良苗を各セル毎に除去する苗除去手段(34)と、を備えている、ことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、前記撮像手段(28)は、案内レール(26a)を有するリニア駆動装置(26)に取付けられて、前記セルトレイ(24)の移動方向と略々直交する方向に往復移動して、前記複数のセル(24a)をブロック単位で撮像する、ことを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、前記撮像手段(28)は、前記苗(22)を認識可能な画像センサ(29)と、該苗(22)に投光可能な照明装置(30)と、を有する、ことを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、前記画像センサ(29)を移動方向の中央側に配置し、該画像センサ(29)の両側に前記照明装置(30)を夫々配置した、ことを特徴とする。
【0012】請求項5記載の発明は、前記撮像手段(28)と前記苗除去手段(34)とを、前記リニア駆動装置(26)に一体的に取付けた、ことを特徴とする。
【0013】請求項6記載の発明は、前記苗除去手段(34)は、長手方向を上下に向けた筒状部材(36)を有し、該筒状部材(36)の下端を前記各セル(24a)に臨ませた状態で前記不良苗をバキュームにより培土と共に吸引除去する手段である、ことを特徴とする。
【0014】[作用]前記構成により、本発明によれば、セルトレイ(24)の所定複数のセル(24a)に臨むように移動して、該所定複数のセル(24a)をブロック単位として前記セル(24a)に植立された苗(22)を撮像する撮像手段(28)と、該撮像手段(28)からの画像情報に基づき苗(22)の良否を判別する画像処理手段(32)とを備えているので、十分な画素数の基に高画質な苗画像を得て、精度良く苗の良否判別を行うことが可能となる。
【0015】また、撮像手段(28)と苗除去手段(34)とがセルに臨むように移動する構成であり、セルトレイ(24)自身が縦横に移動するものではないので、培土の崩れによる幼苗の損傷が防止される。
【0016】なお、上述した括弧内の符号は、図面を対照するためのものであって、本発明の構成を何ら限定するものではない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0018】図1は、本発明に係る苗選別装置の正面図であり、図2はその側面図である。苗選別装置10は、キャスター12又は支持台14により、移動自在又は固定自在に支持されたフレーム台16の上部に、搬送コンベア18が配置されていて、この搬送コンベア18を囲むように、フレーム台16の上部に門型フレーム20が立設されている。
【0019】前記搬送コンベア18は、前後に離間して配置されたスプロケット19,21間に巻回されたベルト23と、該ベルト23を駆動する搬送モータ25とを有し、該ベルト23は、図1の左右方向に間欠的に移動自在とされている。この搬送コンベア18には、苗22が植立された多数のセル24aがマトリクス状に配置されたセルトレイ24が載置される。
【0020】本実施の形態では、セルトレイ24の所定複数のセル24aに臨むように移動して、該所定複数のセル24aをブロック単位としてセル24aに植立された苗を撮像する撮像手段と、該撮像手段からの画像情報に基づき、セル24aに植立された苗を認識して該苗の良否を判別する画像処理手段とを備えている。
【0021】図1及び図2において、前記門型フレーム20の高さ方向の中途部には、搬送コンベア18の搬送方向と略々直交方向に延びる案内レール26aを有する単軸ロボット(リニア駆動装置)26が取付けられている。
【0022】また、この単軸ロボット26には、セルトレイ24の所定複数のセル24aに臨むように移動して、該所定複数のセル24aをブロック単位としてセル24aに植立された苗22を撮像する撮像手段28が取付けられている。この撮像手段28は、画像センサとしての苗22を認識可能なCCDカメラ(3CCDカラーカメラ)29と、該苗22に投光可能な照明ランプ(照明装置)30とを有していて、これらCCDカメラ29と照明ランプ30とは、前記案内レール26aに沿って移動自在に、単軸ロボット26に取付けられている。
【0023】そして、CCDカメラ29は、複数のセル24aをブロック単位で、本実施形態では、4個のセル24aをブロック単位として、CCDカメラ29がこれら4個のセル24aに臨むようにその上方に移動して、これら4個のセル24aに植立された苗22を撮像する。このように、4個のセル24aをブロック単位として苗22を撮像することにより、十分な画素数の基に高画質な苗画像を得ることが可能となる。前記CCDカメラ29は、案内レール26aに沿う移動方向の中央側に配置され、また、このCCDカメラ29の左右両側に、夫々前記照明ランプ30,30が取付けられている。
【0024】更に、フレーム台16の下部には、前記CCDカメラ29からの画像情報を取り込み、この画像情報に基づいて、セル24aに植立された苗22を認識して、該苗22の大きさや形状、及び彩度等の観点から苗22の良否を判別するパソコン(画像処理手段)32が設けられている。
【0025】前記単軸ロボット26には、パソコン32により判別された不良苗が植立されたセル24a上に移動自在で、各セル24aに臨ませた状態で前記不良苗を各セル24a毎に除去する苗除去手段34が取付けられている。
【0026】この苗除去手段34は、長手方向を上下に向けたノズル(筒状部材)36と、該ノズル36に接続されたホース37と、このホース37の中途部に配置された吸引バルブ38を介して、前記不良苗をバキュームにより培土と共に吸引除去する吸引装置40とを有している。前記ホース37は、門型フレーム20から搬送コンベア18の搬送方向に沿って略々水平に突設された左右の支持アーム20a上に乗せられた状態で支持されている。
【0027】また、前記単軸ロボット26には、案内レール26aに沿って摺動自在に移動レール31が配設されていて、この移動レール31と一体的に、苗除去ガイド27、及びランプガイド33が固定されている(図1R>1,図2参照)。そして、前記ノズル36は、苗除去ガイド27に取付けられたエアシリンダ42により昇降自在に支持されている。
【0028】図3(a)(b)に示すように、前記苗除去ガイド27には、エアシリンダ42が取付けられていて、該エアシリンダ42は、長手方向を上下に向け、かつ作動ロッド42bを上にした状態で取付けられている。また、該エアシリンダ42のシリンダ部分42aの左右下部には、対向する2枚の苗ガード44が一体的に垂下されている。
【0029】この苗ガード44は、正面視が細長の上下に傾斜した平行四辺形をなし、その左右対向幅は、平面視正方形をなす各セル24aの一辺の長さ(1ピッチ)と略々等しい間隔にて対向配置されている。この苗ガード44は、CCDカメラ29の移動に伴い、セル24aの上面に近接又は接するように移動して、移動方向と直交する方向の隣接する苗22の干渉、挟み込み等による損傷を防止すると共に、隣接苗22のバキュームによる吸込みを防止する役目をなす。
【0030】前記エアシリンダ42とノズル36とは、作動ロッド42bの上端部においてブラケット46により一体的に固定されている。このため、作動ロッド42bの伸縮作動に伴いノズル36も昇降作動し、その昇降量は本実施形態では約150mmである。
【0031】なお、苗22の種類として、例えば花卉の苗を選別の対象として用いた場合、生産者が目視で選別するのは、主に子葉の葉色、形状、大きさを指標としているため、これらの特徴を捉えることができるように、本実施の形態でもCCDカメラ29によって撮像し、かつパソコン32にて画像処理を行う。そして、画像処理は、まず背景である床土と苗とを色によって分離抽出し、子葉の面積、円形度、彩度を求めるようにしている。
【0032】図4(a)(b)〜図6は、撮像手段28及び苗除去手段34の配置構成を示す図である。
【0033】本実施形態では、CCDカメラ29とノズル36とは、移動レール31と苗除去ガイド27を介して、単軸ロボット26に一体的に取付けられている。このため、CCDカメラ29とノズル36とは一体で移動する。すなわち、苗検査時及び苗除去時に、CCDカメラ29とノズル36とがセルに臨むように移動する構成であり、セルトレイ24自身が縦横に移動する構成ではないので、例えば培土の崩れによる幼苗の損傷が防止される。なお、このCCDカメラ29とノズル36とを別構成として配置しても良い。
【0034】また、苗除去ガイド27には、取付金具48を介してCCDカメラ29が固定され、更に、ランプガイド33にはU字管50を介して照明ランプ30が固定されている。そして、図4(a)に示すように、ノズル36がセル24aの上方に臨んで待機した状態から、作動ロッド42bを縮小すると、図5に示すように、ノズル36が下降してきて、各セル24aの上面に近接又は接触した位置で停止する。
【0035】また、各部材の配置構成として、図6に示すように、撮像手段28と苗除去手段34とを、移動レール31に沿って順次、照明ランプ30、CCDカメラ29、ノズル36、照明ランプ30のように配置したため、これら全体としての重量バランスが保たれている。更に、同図において、ノズル36を平面視移動レール31に近接して配置し、CCDカメラ29及び照明ランプ30を、ノズル36から離して配置したことで、画像情報の入力時に該ノズル36が邪魔になることがない。なお、前記ノズル36とCCDカメラ29及び照明ランプ30とを、移動レール31に対して前後反対側に取付けることもできる。
【0036】図7及び図8は、苗選別(検査)時と苗除去時において、搬送コンベア18に載置されたセルトレイ24がX方向に移動制御されると共に、CCDカメラ29及びノズル36がY方向に移動制御される状態を示している。
【0037】同図7,図8において、セルトレイ24には、苗22が植立された多数のセル24aがマトリクス状に配置されていて、該セル24aは平面視正方形状をなしている。そして、セルトレイ24の各セル24aは、縦方向(X方向)に16個、横方向(Y方向)に8個収容されている。
【0038】次いで、本実施の形態の作用について説明する。
【0039】図9は、苗選別作業の動作フローチャートを示している。同図において、まず、準備段階では、搬送コンベア18上にセルトレイ24が載置(セット)され(S1)、次いで、画像処理による選別作業(検査)に移行するが、この場合、搬送コンベア18が縦移動(X方向への移動)され(S2)、セルトレイ24が検査先頭位置まで搬送される。続いて、単軸ロボット26が横移動(Y方向への移動)されて(S3)、CCDカメラ29による苗22の撮像が行われる。このときの苗22の画像情報が、パソコン32に送られて該パソコン32において画像処理され、苗22の良否が判別される。
【0040】次に、苗除去作業(吸引)においては、搬送コンベア18が前記と逆方向に縦移動(−X方向への移動)され(S4)、次いで単軸ロボット26が横移動(Y方向への移動)されて(S5)、ノズル36がエアシリンダ42により昇降制御されて(S6)、不良苗が吸引除去される(S7)。
【0041】本実施の形態では、苗の検査を行う場合、前述した図7に示すように、4セルをブロック単位として苗22を撮像するため、1個のセル24aの幅を1ピッチとすると、CCDカメラ29をY方向(往行程)に2ピッチづつ移動させて、4セル単位での画像情報をパソコン32に入力して、該4セル単位で苗22の良否判別を行う。
【0042】そして、CCDカメラ29がY方向の終端側に到達し、1番目(Y方向)の検査が終了したら、CCDカメラ29を同方向の延長上に移動させてセルトレイ24の側方に位置させ、この状態で、搬送コンベア18をX方向に移動させて、セルトレイ24を2ピッチだけコンベア搬送する。
【0043】次いで、CCDカメラ29を、前記と逆の−(マイナス)Y方向(復行程)に2ピッチづつ移動させ、前記と同様に4セル単位で苗を撮像して、その画像情報をパソコン32に入力し、苗の良否判別を行う。
【0044】以下、同様にして、搬送コンベア18のX方向への間欠移動と、CCDカメラ29のY(及び−Y)方向での往復移動を繰り返し、1つのセルトレイ24の検査を行った後に、不良苗マップを作成する。
【0045】次に、苗除去を行う場合、前述した図8に示すように、セルトレイ24の先頭列が苗除去用のノズル36位置になるまで、搬送コンベア18を、前記と逆の−(マイナス)X方向に移動させる。
【0046】続いて、図10に示すように、不良苗が植立されたセル24aに向けてノズル36をY方向に移動させる。このとき、ノズル36はセル24aに臨んだ位置で、かつその上方に待機した位置にあると共に、吸引バルブ38は開いている。この状態から、図11に示すように、ノズル36を不良苗のセル24aの上面に接近又は接触するように下降させ、この接近又は接触した状態で吸引バルブ38を閉じ、バキュームにより吸引を開始して、不良苗を培土と共に吸引する。
【0047】不良苗の除去終了後、図12に示すように、ノズル36を下降させた状態で、吸引バルブ38を開き、吸引を終了する。このとき、前記の不良苗が植立されたセル24aと同列に他の不良苗がある場合、更にノズル36をY方向に移動させて苗除去を行う。
【0048】そして、1列の苗除去作業が終了したら、ノズル36を同じ1列の延長上に移動させてセルトレイ24の側方に位置させ、この状態で、該セルトレイ24を次の不良苗列までコンベア搬送する。このとき、不良苗の無い列は飛ばし、次いでノズル36を前記と逆方向の−(マイナス)Y方向に移動させて苗除去作業を行い、以下、同様にして、ノズル36をY方向及び−(マイナス)Y方向に往復移動させて苗除去を繰り返す。
【0049】不良苗の除去作業が全て終わったら、ノズル36を同じ列の延長上に移動させてセルトレイ24の側方に位置させ、更に搬送コンベア18によりセルトレイ24をX方向に移動させて苗選別を終了する。
【0050】なお、本実施形態では、セルトレイ24の各セル24aの苗の検査を全て終了した後に、セルトレイ24の先頭列が苗除去用のノズル36位置になるまで、搬送コンベア18を逆方向に移動させて不良苗の除去を行う作業手順について説明したが、これに限らず、例えば検査を全て終了した後に、搬送コンベア18を逆方向(−X方向)に1ピッチづつ移動させて、不良苗を除去するような作業手順としても良い。
【0051】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、セルトレイの所定複数のセルに臨むように移動して、該所定複数のセルをブロック単位としてセルに植立された苗を撮像する撮像手段と、該撮像手段からの画像情報に基づき、セルに植立された苗を認識して該苗の良否を判別する画像処理手段と、該画像処理手段により判別された不良苗が植立されたセル上に移動自在で、各セルに臨ませた状態で不良苗を各セル毎に除去する苗除去手段とを備えていることにより、所定複数のセルの苗をブロック単位として撮像するので、十分な画素数の基に精度良く苗の良否を判別することができると共に、セルトレイを縦横に移動させることがないので、根がほとんど成長していない幼苗であっても、培土の崩れによる幼苗の損傷を防止しながら、苗選別作業を行うことができる。
【0052】請求項2記載の発明は、撮像手段は、案内レールを有するリニア駆動装置に取付けられて、セルトレイの移動方向と略々直交する方向に往復移動して、複数のセルをブロック単位で撮像するので、撮像手段の移動距離を最小限に抑えつつ、高画質の苗画像を取得することができる。
【0053】請求項3記載の発明は、撮像手段は、苗を認識可能な画像センサと、該苗に投光可能な照明装置とを有するので、最適な照明の基に鮮明な画像を得ることができ、判別精度を向上することができる。
【0054】請求項4記載の発明は、画像センサを移動方向の中央側に配置し、該画像センサの両側に照明装置を夫々配置したので、影ができにくいと共に、画像センサ等が移動しても照明条件を安定させることができる。
【0055】請求項5記載の発明は、撮像手段と苗除去手段とをリニア駆動装置に一体的に取付けたので、装置構造が簡単となり、また安価に製造することができる。
【0056】請求項6記載の発明は、苗除去手段は、長手方向を上下に向けた筒状部材を有し、該筒状部材の下端を各セルに臨ませた状態で不良苗をバキュームにより培土と共に吸引除去する手段であることにより、苗除去後の苗の補填を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る苗選別装置の正面図である。
【図2】同上の側面図である。
【図3】(a)はノズル部の取付け状態の正面図、(b)はその側面図である。
【図4】(a)はCCDカメラ及び照明ランプの上昇状態の正面図、(b)はその側面図である。
【図5】CCDカメラ及び照明ランプの下降状態の正面図である。
【図6】同上の平面図である。
【図7】セルトレイの平面図と、検査時のCCDカメラの移動ピッチを示した図である。
【図8】セルトレイの平面図と、苗除去時のCCDカメラの移動ピッチを示した図である。
【図9】本実施の形態の動作フローチャートを示す図である。
【図10】ノズルが上昇位置でセルに臨んだ状態を示す図である。
【図11】ノズルが下降位置でセルに臨み、苗を吸引除去する状態を示す図である。
【図12】ノズルが下降位置でセルに臨み、苗の吸引作業が終了した状態を示す図である
【符号の説明】
10 苗選別装置
18 搬送コンベア
20 門型フレーム
22 苗
24 セルトレイ
24a セル
26 単軸ロボット
26a 案内レール
28 撮像手段
29 CCDカメラ(画像センサ)
30 照明ランプ(照明装置)
32 パソコン(画像処理手段)
34 苗除去手段
36 ノズル(筒状部材)
38 吸引バルブ
42 エアシリンダ
42b 作動ロッド
44 苗ガード
46 ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗が植立された多数のセルをマトリクス状に配置したセルトレイを有し、該セルトレイ上の前記セルに植立された苗の良否を判別し、不良苗を前記セルから取り除く苗選別装置において、前記セルトレイの前記所定複数のセルに臨むように移動して、該所定複数のセルをブロック単位として前記セルに植立された苗を撮像する撮像手段と、該撮像手段からの画像情報に基づき、前記セルに植立された苗を認識して該苗の良否を判別する画像処理手段と、該画像処理手段により判別された不良苗が植立されたセル上に移動自在で、前記各セルに臨ませた状態で前記不良苗を各セル毎に除去する苗除去手段と、を備えている、ことを特徴とする苗選別装置。
【請求項2】 前記撮像手段は、案内レールを有するリニア駆動装置に取付けられて、前記セルトレイの移動方向と略々直交する方向に往復移動して、前記複数のセルをブロック単位で撮像する、ことを特徴とする請求項1記載の苗選別装置。
【請求項3】 前記撮像手段は、前記苗を認識可能な画像センサと、該苗に投光可能な照明装置と、を有する、ことを特徴とする請求項2記載の苗選別装置。
【請求項4】 前記画像センサを移動方向の中央側に配置し、該画像センサの両側に前記照明装置を夫々配置した、ことを特徴とする請求項3記載の苗選別装置。
【請求項5】 前記撮像手段と前記苗除去手段とを、前記リニア駆動装置に一体的に取付けた、ことを特徴とする請求項2記載の苗選別装置。
【請求項6】 前記苗除去手段は、長手方向を上下に向けた筒状部材を有し、該筒状部材の下端を前記各セルに臨ませた状態で前記不良苗をバキュームにより培土と共に吸引除去する手段である、ことを特徴とする請求項5記載の苗選別装置。

【図1】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2003−52251(P2003−52251A)
【公開日】平成15年2月25日(2003.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−248333(P2001−248333)
【出願日】平成13年8月17日(2001.8.17)
【出願人】(396020800)科学技術振興事業団 (35)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】