茶葉摘採機及び茶葉の刈り取り方法
【課題】新芽の短い茶葉等を刈るのに適した茶葉摘採機の提供。
【解決手段】茶樹畝6を跨いで茶葉を摘採する刈刃体と、摘採された茶葉を吹き飛ばす送風手段4とを備えた茶葉摘採機Mであって、送風手段4は、送風機41と、送風を案内するダクト42とを有し、ダクト42は、中途より複数に分岐し、その先端は大気に開放した複数の分岐部43であり、分岐部43の先端は、刈刃体の上方に向かうと共に、茶葉摘採機Mの進行方向に対して、刈刃体の刃先より前に位置し、分岐部43の先端は、背面視、略弧状に配列され、分岐部43の先端にガイド体が装着され、ガイド体は分岐部43に挿入できる挿入穴を有した挿入壁と、この挿入壁に対して略直交する方向に設けられると共に、刈刃体の刃先の先端を超える位置まで張り出して、分岐部43の先端から送風される風の流れを刈刃体に向かうように案内する張出部とを備えている。
【解決手段】茶樹畝6を跨いで茶葉を摘採する刈刃体と、摘採された茶葉を吹き飛ばす送風手段4とを備えた茶葉摘採機Mであって、送風手段4は、送風機41と、送風を案内するダクト42とを有し、ダクト42は、中途より複数に分岐し、その先端は大気に開放した複数の分岐部43であり、分岐部43の先端は、刈刃体の上方に向かうと共に、茶葉摘採機Mの進行方向に対して、刈刃体の刃先より前に位置し、分岐部43の先端は、背面視、略弧状に配列され、分岐部43の先端にガイド体が装着され、ガイド体は分岐部43に挿入できる挿入穴を有した挿入壁と、この挿入壁に対して略直交する方向に設けられると共に、刈刃体の刃先の先端を超える位置まで張り出して、分岐部43の先端から送風される風の流れを刈刃体に向かうように案内する張出部とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、茶葉摘採機及び茶葉の刈り取り方法に係り、特に、刈りならし、新芽の短い茶葉等を刈るのに適した茶葉摘採機及び茶葉の刈り取り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、一番茶の前、二番茶の前、秋番茶の前、秋番茶の後等において、次の収穫時に備え、古い茶葉が入らないように刈り整える、所謂「刈りならし」と称される作業がある。
この「刈りならし作業」にあたっては、摘採装置で切断された切断枝葉は送風機からの風により収納部等へ搬送されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3841706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記送風機からの風は、摘採装置で切断される部位に向かっているため、大きい葉は、立ち上がったままであるが、小さい葉は送風機からの風に負けて寝てしまい切断できず残存し、次の収穫時に古い茶葉が混入する原因になるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点を除去するようにした茶葉摘採機及び茶葉の刈り取り方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の茶葉摘採機は、茶樹畝を跨いで茶葉を摘採する刈刃体と、この刈刃体により摘採された前掲茶葉を吹き飛ばす送風手段とを備えた茶葉摘採機であって、前記送風手段は、送風機と、この送風機からの送風を案内するダクトとを有し、前記ダクトは、中途より複数に分岐すると共に、分岐した先端は大気に開放した複数の分岐部であり、前記複数の分岐部の先端は、前記刈刃体の上方に向かうと共に、前記茶葉摘採機の進行方向に対して、前記刈刃体の刃先より前に位置し、前記複数の分岐部の先端は、背面視、略弧状に配列され、前記複数の分岐部の先端にガイド体が装着され、前記ガイド体は、前記複数の分岐部に挿入できる挿入穴を有した挿入壁と、この挿入壁に対して略直交する方向に設けられると共に、前記刈刃体の刃先の先端を超える位置まで張り出して、前記複数の分岐部の先端から送風される風の流れを前記刈刃体に向かうように案内するす張出部とを備えているものである。
【0007】
また、請求項2記載の茶葉摘採機は、請求項1記載の茶葉摘採機において、張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えているものである。
【0008】
また、請求項3記載の茶葉摘採機は、請求項1記載の茶葉摘採機において、張出部は、透明部材で形成され、前記張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えているものである。
【0009】
また、請求項4記載の茶葉摘採機は、請求項1〜3の何れか一記載の茶葉摘採機において、茶葉摘採機は、乗用茶葉摘採機、一人用茶葉摘採機、二人用茶葉摘採機、軌道式茶葉摘採機の内の何れか一つである。
【0010】
また、請求項5記載の茶葉の刈り取り方法は、茶樹畝を跨いで茶葉を摘採する刈刃体と、この刈刃体により摘採された前掲茶葉を吹き飛ばす送風手段とを備えた茶葉摘採機であって、前記送風手段は、送風機と、この送風機からの送風を案内するダクトとを有し、前記ダクトは、中途より複数に分岐すると共に、分岐した先端は大気に開放した複数の分岐部であり、前記複数の分岐部の先端は、前記刈刃体の上方に向かうと共に、前記茶葉摘採機の進行方向に対して、前記刈刃体の刃先より前に位置し、前記複数の分岐部の先端は、背面視、略弧状に配列され、前記複数の分岐部の先端にガイド体が装着され、前記ガイド体は、前記複数の分岐部に挿入できる挿入穴を有した挿入壁と、この挿入壁に対して略直交する方向に設けられると共に、前記刈刃体の刃先の先端を超える位置まで張り出して、前記複数の分岐部の先端から送風される風の流れを前記刈刃体に向かうように案内するす張出部とを備え、前記複数の分岐部の先端からの送風は、前記ガイド体の下方からの風を取り入れ、前記ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の立ち上がりを保ちつつ、立ち上がった前記小さい葉を前記刈刃体により刈り取るものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の茶葉摘採機によれば、複数の分岐部の先端にガイド体が装着されているため、複数の分岐部の先端からの送風に伴い、複数の分岐部の背後からの吸引を挿入壁により阻害させ、ガイド体の下方からの風を取り入れることにより、ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の立ち上がりを保ちつつ、立ち上がった前記小さい葉を刈刃体により刈り取ることができる。
その結果、例えば、残存する茶葉の切り残しを防いで、「刈りならし」の効果、つまり、次の(例えば、一番茶の前、二番茶の前、秋番茶の前、秋番茶の後)収穫時に、古い茶葉が入らないようにすることができ、また、短い(例えば、約6cm程度)新芽を摘む場合にも有効なものとなる。
【0012】
また、請求項2記載の茶葉摘採機によれば、前述の請求項1記載の発明の効果に加え、張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えているため、送風流れの速度を調整して、「ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の状態」に対応することができる。
【0013】
また、請求項3記載の茶葉摘採機によれば、前述の請求項1記載の発明の効果に加え、張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えているため、張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えているため、送風流れの速度を調整して、「ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の状態」に対応することができ、
その際、ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の状態を透明部材で形成された張出部を介して確認しながら調整を図ることができる。
【0014】
また、請求項5記載の茶葉の刈り取り方法によれば、複数の分岐部の先端にガイド体が装着されているため、複数の分岐部の先端からの送風に伴い、複数の分岐部の背後からの吸引を挿入壁により阻害させ、ガイド体の下方からの風を取り入れることにより、ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の立ち上がりを保ちつつ、立ち上がった前記小さい葉を刈刃体により刈り取ることができる。
その結果、例えば、残存する茶葉の切り残しを防いで、「刈りならし」の効果、つまり、次の(例えば、一番茶の前、二番茶の前、秋番茶の前、秋番茶の後)収穫時に、古い茶葉が入らないようにすることができ、また、短い(例えば、約6cm程度)新芽を摘む場合にも有効なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の一実施例の茶刈機の概略的正面図である。
【図2】図2は、図1の茶刈機に取り付けられる送風ガイドの概略的斜視図である。
【図3】図3は、図2の一対の送風ガイドの内の一方の送風ガイドの概略的平面図である。
【図4】図4は、図3の概略的正面図である。
【図5】図5は、図3の5−5線による概略的断面図である。
【図6】図6は、図1の送風分岐部へ図2の送風ガイドを取り付ける前の状態の概略的斜視図である。
【図7】図7は、図1の送風分岐部へ図6の送風ガイドを取り付けた状態の概略的断面図である。
【図8】図8は、図7の使用状態の概略的断面図である。
【図9】図9は、図8と異なる他の使用状態の概略的断面図である。
【図10】図10は、図2の送風ガイドと異なる他の実施例の送風ガイドの概略的斜視図である。
【図11】図11は、図10の送風ガイドの一部を分離した状態の概略的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施例の茶葉摘採機及び茶葉の刈り取り方法を図面を参照して説明する。
図1に示すMは茶葉摘採機で、茶葉摘採機Mは、例えば、乗用茶葉摘採機で、略門型形状のフレーム1、このフレーム1の両脚部に設けられた走行装置2、2、フレーム1の上方に設けられ、作業者の運転席3、送風手段4、エンジン5とを備え、茶樹畝6をまたぎながら走行し、茶葉を刈るものである。
【0017】
また、図7に示す7は、茶樹畝6を跨いで茶葉を摘採する刈刃体で、刈刃体7は、上刃と下刃とを相対的にスライドさせて茶葉を刈るようにしている。
この刈刃体7により刈られた茶葉は、送風手段4により吹き飛ばされるようになっている。
送風手段4は、図1に示すように、送風機41と、この送風機41からの送風を案内するダクト42とを有し、ダクト42は、中途より複数に分岐すると共に、分岐した先端は大気に開放した複数の分岐部43となっている。
また、複数の分岐部43の先端は、刈刃体7の上方に向かうと共に、茶葉摘採機Mの進行方向(図8及び図9参照)に対して、刈刃体7の刃先7aより前に位置している。
また、複数の分岐部43の先端は、背面視、略弧状に配列されている(なお、図1の背面側は、図示していないが、図1及び図8を参照することにより、複数の分岐部43の先端が、背面視、略弧状に配列されていることが理解できる。)。
【0018】
また、図2乃至図9に示す8は、複数の分岐部43の先端に装着されるガイド体である。ガイド体8は、取り付けやすいように、2分割され、複数の分岐部43に挿入できる挿入穴81aを有した挿入壁81と、この挿入壁81に対して略直交する方向に設けられると共に、刈刃体7の刃先7aの先端を超える位置まで張り出して、複数の分岐部43の先端から送風される風の流れを刈刃体7に向かうように案内するす張出部82とを備えている。
なお、張出部82は、透明部材で形成されていることが望ましく、例えば、アクリル樹脂で形成されている。
また、83は、複数の分岐部43に係止させるための部材で、部材83に取り付けられた固定部材9(例えば、インシロック、バンド等)を介してガイド体8を分岐部43に固定させるようにしている(図6及び図7参照)。
【0019】
従って、上述した茶葉摘採機Mによれば、複数の分岐部43の先端にガイド体8が装着されているため、複数の分岐部43の先端からの送風に伴い、複数の分岐部43の背後からの吸引を挿入壁81により阻害させ、ガイド体8の下方からの風(図8の矢印A)を取り入れることにより、ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の立ち上がりを保ちつつ、立ち上がった前記小さい葉を刈刃体7により刈り取ることができる。
その結果、例えば、残存する茶葉の切り残しを防いで、「刈りならし」の効果、つまり、次の(例えば、一番茶の前、二番茶の前、秋番茶の前、秋番茶の後)収穫時に、古い茶葉が入らないようにすることができる。
【0020】
そして、張出部82の端部の内、張出部82に案内される送風流れの先端の側の端部82aの高さ位置を調整する手段10を備えている。この高さ位置を調整する手段10は、例えば、固定部材10aを介して張出部82を茶葉摘採機Mの本体側部材M1に固定させるようにしている(図6及び図7参照)。
また、図8又は図9に示すように、高さ位置を調整する手段10(手段10は、例えば、インシロック、バンド等)により、送風流れの速度を調整することができ、「ガイド体8の下方に位置する茶樹の小さい葉の状態」に対応することができ、その際、ガイド体8の下方に位置する茶樹の小さい葉の状態を透明部材で形成された張出部82を介して確認しながら調整を図ることができる。
【0021】
なお、上述のガイド体8は、取り付けやすいように2分割にしたが、本願発明にあっては、これに限らず、2分割したガイド体8の張出部82を更に、82a、82bと分割しても良い。
また、上述の茶葉摘採機Mは、乗用茶葉摘採機であるが、本願発明にあっては、これに限らず、茶葉摘採機は、乗用茶葉摘採機、一人用茶葉摘採機、二人用茶葉摘採機、軌道式茶葉摘採機(レール用茶葉摘採機)にも同様に適用することができる。
更に、上述した茶葉摘採機Mは、「刈りならし」に効果がある旨説明したが、通常の茶摘、例えば、約6cm程度の短い新芽を摘む場合にも有効である。
【符号の説明】
【0022】
M 茶葉摘採機
4 送風手段
41 送風機
42 ダクト
43 複数の分岐部
7 刈刃体
7a 刃先
8 ガイド体
81a 挿入穴
81 挿入壁
82 張出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、茶葉摘採機及び茶葉の刈り取り方法に係り、特に、刈りならし、新芽の短い茶葉等を刈るのに適した茶葉摘採機及び茶葉の刈り取り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、一番茶の前、二番茶の前、秋番茶の前、秋番茶の後等において、次の収穫時に備え、古い茶葉が入らないように刈り整える、所謂「刈りならし」と称される作業がある。
この「刈りならし作業」にあたっては、摘採装置で切断された切断枝葉は送風機からの風により収納部等へ搬送されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3841706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記送風機からの風は、摘採装置で切断される部位に向かっているため、大きい葉は、立ち上がったままであるが、小さい葉は送風機からの風に負けて寝てしまい切断できず残存し、次の収穫時に古い茶葉が混入する原因になるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点を除去するようにした茶葉摘採機及び茶葉の刈り取り方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の茶葉摘採機は、茶樹畝を跨いで茶葉を摘採する刈刃体と、この刈刃体により摘採された前掲茶葉を吹き飛ばす送風手段とを備えた茶葉摘採機であって、前記送風手段は、送風機と、この送風機からの送風を案内するダクトとを有し、前記ダクトは、中途より複数に分岐すると共に、分岐した先端は大気に開放した複数の分岐部であり、前記複数の分岐部の先端は、前記刈刃体の上方に向かうと共に、前記茶葉摘採機の進行方向に対して、前記刈刃体の刃先より前に位置し、前記複数の分岐部の先端は、背面視、略弧状に配列され、前記複数の分岐部の先端にガイド体が装着され、前記ガイド体は、前記複数の分岐部に挿入できる挿入穴を有した挿入壁と、この挿入壁に対して略直交する方向に設けられると共に、前記刈刃体の刃先の先端を超える位置まで張り出して、前記複数の分岐部の先端から送風される風の流れを前記刈刃体に向かうように案内するす張出部とを備えているものである。
【0007】
また、請求項2記載の茶葉摘採機は、請求項1記載の茶葉摘採機において、張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えているものである。
【0008】
また、請求項3記載の茶葉摘採機は、請求項1記載の茶葉摘採機において、張出部は、透明部材で形成され、前記張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えているものである。
【0009】
また、請求項4記載の茶葉摘採機は、請求項1〜3の何れか一記載の茶葉摘採機において、茶葉摘採機は、乗用茶葉摘採機、一人用茶葉摘採機、二人用茶葉摘採機、軌道式茶葉摘採機の内の何れか一つである。
【0010】
また、請求項5記載の茶葉の刈り取り方法は、茶樹畝を跨いで茶葉を摘採する刈刃体と、この刈刃体により摘採された前掲茶葉を吹き飛ばす送風手段とを備えた茶葉摘採機であって、前記送風手段は、送風機と、この送風機からの送風を案内するダクトとを有し、前記ダクトは、中途より複数に分岐すると共に、分岐した先端は大気に開放した複数の分岐部であり、前記複数の分岐部の先端は、前記刈刃体の上方に向かうと共に、前記茶葉摘採機の進行方向に対して、前記刈刃体の刃先より前に位置し、前記複数の分岐部の先端は、背面視、略弧状に配列され、前記複数の分岐部の先端にガイド体が装着され、前記ガイド体は、前記複数の分岐部に挿入できる挿入穴を有した挿入壁と、この挿入壁に対して略直交する方向に設けられると共に、前記刈刃体の刃先の先端を超える位置まで張り出して、前記複数の分岐部の先端から送風される風の流れを前記刈刃体に向かうように案内するす張出部とを備え、前記複数の分岐部の先端からの送風は、前記ガイド体の下方からの風を取り入れ、前記ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の立ち上がりを保ちつつ、立ち上がった前記小さい葉を前記刈刃体により刈り取るものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の茶葉摘採機によれば、複数の分岐部の先端にガイド体が装着されているため、複数の分岐部の先端からの送風に伴い、複数の分岐部の背後からの吸引を挿入壁により阻害させ、ガイド体の下方からの風を取り入れることにより、ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の立ち上がりを保ちつつ、立ち上がった前記小さい葉を刈刃体により刈り取ることができる。
その結果、例えば、残存する茶葉の切り残しを防いで、「刈りならし」の効果、つまり、次の(例えば、一番茶の前、二番茶の前、秋番茶の前、秋番茶の後)収穫時に、古い茶葉が入らないようにすることができ、また、短い(例えば、約6cm程度)新芽を摘む場合にも有効なものとなる。
【0012】
また、請求項2記載の茶葉摘採機によれば、前述の請求項1記載の発明の効果に加え、張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えているため、送風流れの速度を調整して、「ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の状態」に対応することができる。
【0013】
また、請求項3記載の茶葉摘採機によれば、前述の請求項1記載の発明の効果に加え、張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えているため、張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えているため、送風流れの速度を調整して、「ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の状態」に対応することができ、
その際、ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の状態を透明部材で形成された張出部を介して確認しながら調整を図ることができる。
【0014】
また、請求項5記載の茶葉の刈り取り方法によれば、複数の分岐部の先端にガイド体が装着されているため、複数の分岐部の先端からの送風に伴い、複数の分岐部の背後からの吸引を挿入壁により阻害させ、ガイド体の下方からの風を取り入れることにより、ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の立ち上がりを保ちつつ、立ち上がった前記小さい葉を刈刃体により刈り取ることができる。
その結果、例えば、残存する茶葉の切り残しを防いで、「刈りならし」の効果、つまり、次の(例えば、一番茶の前、二番茶の前、秋番茶の前、秋番茶の後)収穫時に、古い茶葉が入らないようにすることができ、また、短い(例えば、約6cm程度)新芽を摘む場合にも有効なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の一実施例の茶刈機の概略的正面図である。
【図2】図2は、図1の茶刈機に取り付けられる送風ガイドの概略的斜視図である。
【図3】図3は、図2の一対の送風ガイドの内の一方の送風ガイドの概略的平面図である。
【図4】図4は、図3の概略的正面図である。
【図5】図5は、図3の5−5線による概略的断面図である。
【図6】図6は、図1の送風分岐部へ図2の送風ガイドを取り付ける前の状態の概略的斜視図である。
【図7】図7は、図1の送風分岐部へ図6の送風ガイドを取り付けた状態の概略的断面図である。
【図8】図8は、図7の使用状態の概略的断面図である。
【図9】図9は、図8と異なる他の使用状態の概略的断面図である。
【図10】図10は、図2の送風ガイドと異なる他の実施例の送風ガイドの概略的斜視図である。
【図11】図11は、図10の送風ガイドの一部を分離した状態の概略的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施例の茶葉摘採機及び茶葉の刈り取り方法を図面を参照して説明する。
図1に示すMは茶葉摘採機で、茶葉摘採機Mは、例えば、乗用茶葉摘採機で、略門型形状のフレーム1、このフレーム1の両脚部に設けられた走行装置2、2、フレーム1の上方に設けられ、作業者の運転席3、送風手段4、エンジン5とを備え、茶樹畝6をまたぎながら走行し、茶葉を刈るものである。
【0017】
また、図7に示す7は、茶樹畝6を跨いで茶葉を摘採する刈刃体で、刈刃体7は、上刃と下刃とを相対的にスライドさせて茶葉を刈るようにしている。
この刈刃体7により刈られた茶葉は、送風手段4により吹き飛ばされるようになっている。
送風手段4は、図1に示すように、送風機41と、この送風機41からの送風を案内するダクト42とを有し、ダクト42は、中途より複数に分岐すると共に、分岐した先端は大気に開放した複数の分岐部43となっている。
また、複数の分岐部43の先端は、刈刃体7の上方に向かうと共に、茶葉摘採機Mの進行方向(図8及び図9参照)に対して、刈刃体7の刃先7aより前に位置している。
また、複数の分岐部43の先端は、背面視、略弧状に配列されている(なお、図1の背面側は、図示していないが、図1及び図8を参照することにより、複数の分岐部43の先端が、背面視、略弧状に配列されていることが理解できる。)。
【0018】
また、図2乃至図9に示す8は、複数の分岐部43の先端に装着されるガイド体である。ガイド体8は、取り付けやすいように、2分割され、複数の分岐部43に挿入できる挿入穴81aを有した挿入壁81と、この挿入壁81に対して略直交する方向に設けられると共に、刈刃体7の刃先7aの先端を超える位置まで張り出して、複数の分岐部43の先端から送風される風の流れを刈刃体7に向かうように案内するす張出部82とを備えている。
なお、張出部82は、透明部材で形成されていることが望ましく、例えば、アクリル樹脂で形成されている。
また、83は、複数の分岐部43に係止させるための部材で、部材83に取り付けられた固定部材9(例えば、インシロック、バンド等)を介してガイド体8を分岐部43に固定させるようにしている(図6及び図7参照)。
【0019】
従って、上述した茶葉摘採機Mによれば、複数の分岐部43の先端にガイド体8が装着されているため、複数の分岐部43の先端からの送風に伴い、複数の分岐部43の背後からの吸引を挿入壁81により阻害させ、ガイド体8の下方からの風(図8の矢印A)を取り入れることにより、ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の立ち上がりを保ちつつ、立ち上がった前記小さい葉を刈刃体7により刈り取ることができる。
その結果、例えば、残存する茶葉の切り残しを防いで、「刈りならし」の効果、つまり、次の(例えば、一番茶の前、二番茶の前、秋番茶の前、秋番茶の後)収穫時に、古い茶葉が入らないようにすることができる。
【0020】
そして、張出部82の端部の内、張出部82に案内される送風流れの先端の側の端部82aの高さ位置を調整する手段10を備えている。この高さ位置を調整する手段10は、例えば、固定部材10aを介して張出部82を茶葉摘採機Mの本体側部材M1に固定させるようにしている(図6及び図7参照)。
また、図8又は図9に示すように、高さ位置を調整する手段10(手段10は、例えば、インシロック、バンド等)により、送風流れの速度を調整することができ、「ガイド体8の下方に位置する茶樹の小さい葉の状態」に対応することができ、その際、ガイド体8の下方に位置する茶樹の小さい葉の状態を透明部材で形成された張出部82を介して確認しながら調整を図ることができる。
【0021】
なお、上述のガイド体8は、取り付けやすいように2分割にしたが、本願発明にあっては、これに限らず、2分割したガイド体8の張出部82を更に、82a、82bと分割しても良い。
また、上述の茶葉摘採機Mは、乗用茶葉摘採機であるが、本願発明にあっては、これに限らず、茶葉摘採機は、乗用茶葉摘採機、一人用茶葉摘採機、二人用茶葉摘採機、軌道式茶葉摘採機(レール用茶葉摘採機)にも同様に適用することができる。
更に、上述した茶葉摘採機Mは、「刈りならし」に効果がある旨説明したが、通常の茶摘、例えば、約6cm程度の短い新芽を摘む場合にも有効である。
【符号の説明】
【0022】
M 茶葉摘採機
4 送風手段
41 送風機
42 ダクト
43 複数の分岐部
7 刈刃体
7a 刃先
8 ガイド体
81a 挿入穴
81 挿入壁
82 張出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶樹畝を跨いで茶葉を摘採する刈刃体と、この刈刃体により摘採された前掲茶葉を吹き飛ばす送風手段とを備えた茶葉摘採機であって、
前記送風手段は、送風機と、この送風機からの送風を案内するダクトとを有し、
前記ダクトは、中途より複数に分岐すると共に、分岐した先端は大気に開放した複数の分岐部であり、
前記複数の分岐部の先端は、前記刈刃体の上方に向かうと共に、前記茶葉摘採機の進行方向に対して、前記刈刃体の刃先より前に位置し、
前記複数の分岐部の先端は、背面視、略弧状に配列され、
前記複数の分岐部の先端にガイド体が装着され、
前記ガイド体は、前記複数の分岐部に挿入できる挿入穴を有した挿入壁と、この挿入壁に対して略直交する方向に設けられると共に、前記刈刃体の刃先の先端を超える位置まで張り出して、前記複数の分岐部の先端から送風される風の流れを前記刈刃体に向かうように案内するす張出部とを備えている
ことを特徴とする茶葉摘採機。
【請求項2】
張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の茶葉摘採機。
【請求項3】
張出部は、透明部材で形成され、前記張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の茶葉摘採機。
【請求項4】
茶葉摘採機は、乗用茶葉摘採機、一人用茶葉摘採機、二人用茶葉摘採機、軌道式茶葉摘採機の内の何れか一つである
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一記載の茶葉摘採機。
【請求項5】
茶樹畝を跨いで茶葉を摘採する刈刃体と、この刈刃体により摘採された前掲茶葉を吹き飛ばす送風手段とを備えた茶葉摘採機であって、
前記送風手段は、送風機と、この送風機からの送風を案内するダクトとを有し、
前記ダクトは、中途より複数に分岐すると共に、分岐した先端は大気に開放した複数の分岐部であり、
前記複数の分岐部の先端は、前記刈刃体の上方に向かうと共に、前記茶葉摘採機の進行方向に対して、前記刈刃体の刃先より前に位置し、
前記複数の分岐部の先端は、背面視、略弧状に配列され、
前記複数の分岐部の先端にガイド体が装着され、
前記ガイド体は、前記複数の分岐部に挿入できる挿入穴を有した挿入壁と、この挿入壁に対して略直交する方向に設けられると共に、前記刈刃体の刃先の先端を超える位置まで張り出して、前記複数の分岐部の先端から送風される風の流れを前記刈刃体に向かうように案内するす張出部とを備え、
前記複数の分岐部の先端からの送風は、前記ガイド体の下方からの風を取り入れ、前記ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の立ち上がりを保ちつつ、立ち上がった前記小さい葉を前記刈刃体により刈り取る
ことを特徴とする茶葉の刈り取り方法。
【請求項1】
茶樹畝を跨いで茶葉を摘採する刈刃体と、この刈刃体により摘採された前掲茶葉を吹き飛ばす送風手段とを備えた茶葉摘採機であって、
前記送風手段は、送風機と、この送風機からの送風を案内するダクトとを有し、
前記ダクトは、中途より複数に分岐すると共に、分岐した先端は大気に開放した複数の分岐部であり、
前記複数の分岐部の先端は、前記刈刃体の上方に向かうと共に、前記茶葉摘採機の進行方向に対して、前記刈刃体の刃先より前に位置し、
前記複数の分岐部の先端は、背面視、略弧状に配列され、
前記複数の分岐部の先端にガイド体が装着され、
前記ガイド体は、前記複数の分岐部に挿入できる挿入穴を有した挿入壁と、この挿入壁に対して略直交する方向に設けられると共に、前記刈刃体の刃先の先端を超える位置まで張り出して、前記複数の分岐部の先端から送風される風の流れを前記刈刃体に向かうように案内するす張出部とを備えている
ことを特徴とする茶葉摘採機。
【請求項2】
張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の茶葉摘採機。
【請求項3】
張出部は、透明部材で形成され、前記張出部の端部の内、前記張出部に案内される送風流れの先端の側の端部の高さ位置を調整する手段を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の茶葉摘採機。
【請求項4】
茶葉摘採機は、乗用茶葉摘採機、一人用茶葉摘採機、二人用茶葉摘採機、軌道式茶葉摘採機の内の何れか一つである
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一記載の茶葉摘採機。
【請求項5】
茶樹畝を跨いで茶葉を摘採する刈刃体と、この刈刃体により摘採された前掲茶葉を吹き飛ばす送風手段とを備えた茶葉摘採機であって、
前記送風手段は、送風機と、この送風機からの送風を案内するダクトとを有し、
前記ダクトは、中途より複数に分岐すると共に、分岐した先端は大気に開放した複数の分岐部であり、
前記複数の分岐部の先端は、前記刈刃体の上方に向かうと共に、前記茶葉摘採機の進行方向に対して、前記刈刃体の刃先より前に位置し、
前記複数の分岐部の先端は、背面視、略弧状に配列され、
前記複数の分岐部の先端にガイド体が装着され、
前記ガイド体は、前記複数の分岐部に挿入できる挿入穴を有した挿入壁と、この挿入壁に対して略直交する方向に設けられると共に、前記刈刃体の刃先の先端を超える位置まで張り出して、前記複数の分岐部の先端から送風される風の流れを前記刈刃体に向かうように案内するす張出部とを備え、
前記複数の分岐部の先端からの送風は、前記ガイド体の下方からの風を取り入れ、前記ガイド体の下方に位置する茶樹の小さい葉の立ち上がりを保ちつつ、立ち上がった前記小さい葉を前記刈刃体により刈り取る
ことを特徴とする茶葉の刈り取り方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−125300(P2011−125300A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288977(P2009−288977)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【特許番号】特許第4585033号(P4585033)
【特許公報発行日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(309041742)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【特許番号】特許第4585033号(P4585033)
【特許公報発行日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(309041742)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]