草刈機やエッジトリマー等に用いられる切断ヘッド
切断ワイヤ(300)を通す通路(112)と、前記通路内に前記ワイヤを固定することに適した可動ワイヤ固定要素(400)と、を備えた草刈機やエッジトリマーに用いられる切断ヘッドである。本発明によれば、前記通路は、前記ヘッドの中心軸からオフセットされ、前記ヘッドの周縁における両端部において開口し、可動固定要素は一方向に固定する要素であって、これにより、第1の端部開口から前記通路内にワイヤの束を容易に挿入することができるとともに、第2の端部開口から前記通路内のワイヤの束を容易に引き抜くことができる。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、概ね、草刈機やエッジトリマーのような植物をカットする装置の分野に関する。
【0002】
このタイプの装置においては、1以上の切断ワイヤ(紐状体であって金属以外をも含む、string)は、摩耗するにつれて貯蔵部から徐々に繰り出され、あるいは、摩耗した際に取り替えられる個々の束(strand)の形式をとっている。この1以上のワイヤは、取り付けられる回転切断ヘッドに対して堅固に固定されていなければならない。
【0003】
この点について、ワイヤを固定するためのいくつかの技術が知られている。
【0004】
これらの技術の一つは、カムタイプの可動固定要素に基づいている。カムタイプの可動固定要素は、スプリング、および/または、ヘッドの回転中に生じワイヤを押圧するように負荷される円心力によって動作させられる。支持する対向面が固定要素の対向する側に設けられ、要素と支持面との間でワイヤを部分的に捕捉するようになっている。US−A−4301642、US−A−4335510、およびEP−A−0824854はこれらの技術の例を示している。
【0005】
固定効果を向上させるため、ワイヤの材料(通常、ポリアミド)により良く固定することができる一連の歯を固定要素に設けることも知られている。
【0006】
これらの対策にもかかわらず、ヘッドにおけるワイヤの保持が十分有効に達成されていないことが頻繁に生ずる。このよう場合においては、とりわけ切断ワイヤが障害物、すなわち固いあるいはよく茂った植物に接触した際、ワイヤに加えられる引っ張り力によって、ワイヤが固定装置に対して移動し、(ワイヤの束(strands of string)の場合には)ヘッドから引っ張り出されてしまうこともある。極端な場合においては、非常に力強い作用下で(とりわけ、多くの部分のワイヤをともなった草刈機の場合)、カムが回転して、固定カムが圧縮または締め付けに対するワイヤの摩擦によりもたらされていた強力な部分を完全に通り過ぎ、最終的に固定効果が失われてしまうことさえも起こり得る。
【0007】
本発明は、この技術状況の限界を打ち破るとともに、改良され、また同時に、ワイヤの束を容易に取り付けおよび取り外すことができるワイヤ固定を提案することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、ヘッドの中央の取り付け領域を干渉することがない、ヘッドの周縁領域に簡単に配置され得る固定機構をもたらすことである。
【0009】
本発明のさらなる他の目的は、必要とされる保持力の機能として、カムによって得られ得るよりも極めて長いワイヤの長さに渡って、ワイヤと共同して固定し合う関係にある固定要素をもたらすことを可能にすることである。
【0010】
この目的を達成するために、本発明は、草刈機、エッジトリマーまたは同様のものに用いられる切断ヘッドを提案した。この切断ヘッドは、切断ワイヤを通す通路と、通路内にワイヤを固定することに適した可動ワイヤ固定要素と、を備え、通路は、ヘッドの中心軸からオフセットされ、ヘッドの周縁における両端部において開口し、可動固定要素は一方向に固定する要素であって、これにより、第1の端部開口を介し通路内へワイヤの束を容易に挿入することができるとともに、第2の端部開口を介し通路からワイヤの束を容易に引き抜くことができることによって特徴付けられる。
【0011】
好ましいが限定的でない切断ヘッドの形態は以下のようなものである。
【0012】
可動固定要素は通路とヘッドの周縁との間に配置されている。
【0013】
ヘッドが、固定要素を収容する空洞(キャビティ)であって、ワイヤ通路によって一方の側を区画されるとともに、ワイヤ通路の方向に対して斜めに向けられた面によって反対側を区画される空洞(キャビティ)を備えている。その一方で、固定要素が、切断ワイヤと固定され得る作用面と、作用面に対して斜めに向けられ、空洞の斜めに向けられた面に対して摺動することに適した支持面(当接面)と、の両方を有している。
【0014】
固定要素の作用面は、略一つの平面内に配置されている。
【0015】
固定要素は押圧部材によって動作させられる。
【0016】
押圧部材は圧縮バネを有している。
【0017】
圧縮バネは、斜めに向けられた面がワイヤ通路から最も離れる領域に配置された空洞の一つの面と、固定要素の対向する部分と、の間で作用する。
【0018】
固定要素は、切断ワイヤと係合する側の一方の端部領域に、ワイヤを案内する切取部分を有している。
【0019】
固定要素は、ワイヤを把持する構成を作用面に有している。
【0020】
把持する構成は歯を有している。
【0021】
把持する構成は固定要素の作用面の略全面に設けられている。
【0022】
固定要素は、切断ワイヤを少なくとも部分的に受けることに適した長い溝(スロット)を作用面に有している。
【0023】
切断ワイヤは凹凸部分を有し、固定要素はワイヤの突出部(稜線上)へ作用することに適している。
【0024】
固定要素は、ヘッドの半径方向を略横断する方向に沿って移動することに適している。
【0025】
また、本発明は、上述してきたような切断ヘッドと、ヘッドを回転駆動することに適した動力部(モータ、motor)と、を備えたことによって特徴付けられる、草刈機やエッジトリマーに用いられる植物切断装置を提案する。
【0026】
本発明の他の形態、目的、有益な点は、限定的でない例として与えられるとともに添付図面を参照した、本発明の好ましい実施の形態に関する以下の詳細な説明からより明白に示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
主要なこととして、図面において、同一または同様の要素又は部分は、可能であれば、同じ参照番号により同定されている。
【0028】
図1乃至図3には、参照番号100として包括的に示される本発明による草刈機やエッジトリマー等に用いる切断ヘッドが示されており、切断ヘッドは、本質的に完全に慣習的な方法で固定装置と共同する対応するプレートだけでなく、固定装置202(ワッシャー、ナット、回転機構)のために設けられる駆動シャフト200の末端に取り付けるのに適している。
【0029】
ここで、切断ヘッドは、駆動シャフト200の回転軸と同軸を有する二つのディスク形状部(ディスク形状部品)110a、110bをかぶせて組み立てることにより得られ、切断ヘッドは、二つのディスク形状部の正面をお互いに合わせて、後述するようにワイヤの束を通してこれらの束を保持するように配置される。
【0030】
図1にはシャフト200を組み立てる前の切断ヘッド100が示されており、図2と図3は各々、部分的な切取図と正面図により、シャフト上に取り付けられた切断ヘッドを示している。
【0031】
図4において、ディスク形状部110(図1乃至図3における部分110aと110bの一つ)は、切断ヘッドの完成品を構成している。駆動シャフト200を通すことのできる中心穴1100が設けられている。
【0032】
この部分110は、一連の45°のベベル(斜面部、bevel)111、111’(外方ベベル)、111”(中心ベベル)を有し、内部では突出した部分の境界を決め、外部では凹んでいる部分の境界を決める。本実施の形態におけるベベルの全体的な外形は、円形であり、この外形から一定の距離の位置に固定されているディスクの外形に従っている。
【0033】
特に、二つのベベル111、111”は直線状にお互い隣接して延在しており、切断ワイヤ束通路の第一領域112の境界になっている。この通路は第一開口部113と第二開口部115において外部に対して開口し、切断ワイヤの束を放出している。領域112が沿って延在する軸Aは、ディスク形状部の中心CからDで示される一定の距離だけ離れて配置されている。
【0034】
開口部113において、ベベルの湾曲半径(曲率半径)は小さくなっており、ワイヤの束が配置された場合には、ワイヤの束を簡単に導く。
【0035】
ワイヤ放出口115において、ベベル111”は 湾曲した支持部120の形を定め、好ましくは傾斜を変えることなく一方でワイヤ通過部112と連結するとともに、他方で3つのベベルに連結して形成される円状の周辺部に連結している。湾曲した支持部120は、切断時、特に切断ヘッドの回転中に切断を妨げて壊れる原因となる障害物と接触する(切断ヘッドの回転方向は、矢印Fで示されている)場合に、ワイヤの束を支持している。本発明の一つの態様として、ワイヤ通路112が部分110の中心C、すなわち切断ヘッドの回転軸から横方向にオフセットしているので、湾曲した支持部120は、中心Cから幾何学的に延在したワイヤ通路を有する先行技術における湾曲半径よりも遥かにおおきな湾曲半径を有することができるのは重要である。
【0036】
特に先行技術においては、切断ヘッドの中心部は必然的にシャフトにより占有されているので、一方で切断ワイヤの束の固定部を設け、他方で湾曲した支持表面を設けるための軸方向の空間をほとんど得ることができなかった。
【0037】
これに対して、本発明の部材により、湾曲半径R遥かに大きくすることができ、湾曲半径Rを距離Dと(少なくとも部分的には)同等、又はかなり大きくすることができる。
【0038】
湾曲した支持部は、(異なる半径の円形部分を有する円、楕円、放射線等といった)あらゆる湾曲した幾何学形状であってもよい。特に、一つ又はそれ以上の一定の湾曲した半径及び/又は連続的に変化する湾曲した半径であってもよい。
【0039】
湾曲した支持部の湾曲はあまり突出していないので、ワイヤ素材にはあまり力がかからないため、ワイヤの束の疲労と同様に動きはかなり減り、このことは、切断するための(歯等の)部材及び/又は回転する際のノイズを減らす(凹部や突出部等の)部材及び/又は例えば消耗を防止するための(充填したポリアミド等の)異なる材料部を備える現在の切断ワイヤにとってはとても重要なことである。
【0040】
ディスク形状部110は、ワイヤの束の通路部112の断面において、後述するワイヤを固定するシューをうける空洞114も有している。ここでは、この空洞はワイヤ通過部に対し開口するとともに、逆側の側面においてワイヤ通路112の軸Aに対して一定の角度で配向している垂直で斜めになっていない面と、軸Aから最も離れた面116の末端に隣接した位置に、後に詳述するようにシュー圧力バネ(圧縮バネ)をくさびで留める一方のふさがった凹み117とを有している。
【0041】
また図4に示されるように、穴118は、同様に設計された一又はその他のディスク形状部110を組み立てるネジ又はスタッドを通すのに適している。
【0042】
最終的に図4には、上述した部材に対して180°回転させた対称を有し、第二のワイヤの束のためのいくつかの第二の通路、支持部、固定装置を有する部分110が示されており、これらの部材は、「プライム」符号のついた同じ参照符号により同定される。
【0043】
図5には、図4に示された部材を有する第一のディスク形状部110aと、鏡面対象の対応する部材を有する第二のディスク形状部110bとを、組立てられたときにこれらの全ての部材がもう一方の部分110aに含まれる対応した部材の上部に設けられるよう組立てることにより完成する切断ヘッドがより詳しく示されている。
【0044】
このような組立体は、一定の菱形をしたワイヤ束通路を形成する。略四角形であって、ヘッド内に形成される通路の横断面よりのわずかに小さな横断面の切断ワイヤの束を使用することにより、これらの通路は、各ワイヤの束の隆起部が切断効率を改善して切断するための誘導部を構成するように束を保持する。
【0045】
しかしながら、そのようなヘッドは、ワイヤ通路内でトラップされずに係合するならば、どのような横断面の切断ワイヤの束に使用されてもよい。
【0046】
図4に記載される構成を基にして、図5には、垂直方向に同じ高さに配置されるとともに、正確な半径方向から斜め方向であって正反対の方向へとヘッドからでている二つのワイヤを有する切断ヘッドが示されている。
【0047】
図6は、第三のヘッドの中間部を有する別のディスク形状部110cの正面図である。
【0048】
この部分110cは図4に示されたような二セットの部材を有し、各々は対面し、好ましくは90°オフセットしている。これらの部材セットの一方は部分110aと同様の部材を形成し、これらの部材セットの他方は部分110bと同様の部材を形成する。結果として、中間部110cに合わせるために、部分110aと110bの部材はお互いに90°オフセットしている。
【0049】
このように、完成された切断ヘッドは、正反対に対置した放出口を設けた二つのワイヤの束を有する上層と、正反対に対置した放出口を設け、二つのワイヤの束を有するとともに、第一の上層とは90°オフセットしている下層とを有する。
【0050】
この切断ヘッドは図7に正面図が示されている。この図には113acと113cdで示される二つの開口が示されており、90°オフセットするとともに、二つの高さに配置している。ワイヤを放出する開口はこの図には示されていない。
【0051】
二つの高さにワイヤを配置することにより、ワイヤ高さのプレーン間の距離を選ぶ場合、切断プラント材料を有益に切断することができる。特に、図7において、二つのワイヤ高さの各プレーン間Pab、Pbcの距離H2が(ほぼ通路の高さに対応する)ワイヤの高さH1の1.8倍以上であり、好ましくは同じ高さH1の5倍以下であれば、特に十分に切断することができる。たとえば、幅4mmの四角形の横断面を有するワイヤを用いた場合、対角線はほぼ5.6mmであり、切断プレーン間の高さ方向のオフセットは約10mmより大きくなる。
【0052】
このような構成において、上述したようにワイヤ放出口の互いの角度がオフセットしている場合には、好ましく切断することができる。上述したように放出口が円周方向に規則的に間隔を置いて配置されることが好ましい。
【0053】
しかしながら、(上層の部材と下層の部材の間の角度のオフセットが90°でない場合に特におこる)ワイヤ放出口が不規則な間隔を置いて配置されている場合であっても、満足のいく結果を得ることができる。
【0054】
図8は図7における切断ヘッドを上方から見た概略図を示している。この切断ヘッドには、3つのワイヤの束300が挿入されており、ワイヤの束300はワイヤ放出口115から放出するとともに、開口部113近傍で止められている。この図には、ワイヤの束を受けるための湾曲した支持表面120も示されている。ヘッドの回転方向は矢印Fで示されている。
【0055】
さらに、前述されているように、部分110c型の二つ又はそれ以上の中間部と、二つの末端部110a、110を使用することにより、ヘッドは、あらゆる高さになることができる。
【0056】
例えば、上部と下部の部材が互いに60°オフセットしている中間部を使用し、上方部分と下方部分110a、110bの間に二つの中間部をもうけることにより、円周方向に規則的に配置したワイヤ放出口を有する3層の切断ヘッドを得ることができる。
【0057】
図8Aには、縦方向によって示された、個々のワイヤの束300に用いられるヘッドによって形成された湾曲した支持表面120の斜視図が示されている。
【0058】
湾曲した支持表面は、二つの隣接するディスク形状部110a、110bの湾曲した支持部120a、120b(図5に示されている型)により形成され、湾曲した支持表面は、各々の部分の45°のベベル111”に順次形成されている。
【0059】
そのため、湾曲した支持表面は、90°の角度を有するV字の断面を有し、この断面は通路の放出口におけるワイヤ300の横断面に調和している。このように、支持表面は、あらゆる場合、特に、ワイヤが植物からの抵抗をうけ、支持表面120上に支持されている場合に、切断するのに最適な方向にワイヤを保持するために使用されている。
【0060】
通常、湾曲した支持表面の断面はワイヤの横断面の型に合わせて適用される。この点に関して、円形の横断面を有するワイヤを用いる場合であっても、凹んだ円形断面を有する湾曲した支持部にワイヤを配置することができる。このことにより、ワイヤが前記部分に配置された場合には、切断面においてワイヤの軌道を安定させることにより、ワイヤにかかる疲労を小さくすることができるとともに、切断効率をよくすることができる。特に、このことにより、切断方向(使用時における垂直方向)に対して垂直方向にかかる無駄な動的エネルギーを解消することができる。
【0061】
図9及び図10には、一対のディスク形状部(一の切断レベル(切断高さ)を持つ装置の基本構造における部分110aと110b)内に取り付けられているワイヤ固定機構が示されている。この機構は、本体内に配置されたシュー400を有している。シュー400は、一方のディスク形状部110a(図4参照)内に形成された空洞(キャビティ)114と、他方のディスク形状部110b内に形成された対応するとともに並列する空洞(キャビティ)とによって形成されるハウジング内に配置されている。
【0062】
このシュー400は、ワイヤ通路112の軸Aを横断するように延びる複数の歯404を有するとともに、前記通路112内に係止される切断ワイヤ300に噛み込む(切断ワイヤ300に食い込む、切断ワイヤ300を固定する)ことを意図された第一の面と、上述した第一の面に対して斜めに延びるとともに、二つのディスク形状部の表面116によって形成されるハウジングの後面(背面)に当接する(配置される)ことを意図された反対側の面と、を有している。
【0063】
圧力バネ(圧縮バネ)500は、二つのディスク形状部の一方が塞がっている凹み(凹部)117により共通して形成されるバネシート(バネ取付部、バネ用座面)と、シューの最大高さを有する領域に位置し、シューの圧力部に形成される凹み(凹部)408と、の間で作用(作動)する。
【0064】
逆側(前方側)において、シューは、より前方に位置する歯404から頂部に向いて斜めに延びる傾斜部分406を有する。
【0065】
予め好ましい長さに切断された切断ワイヤ束300は、図9に示す矢印F’の方向に沿って、放出口115からワイヤ通路112内へ係合させられる。したがって、バネ500の(緩やかな)力に抗してシューを後退させ、これにより、ハウジングの後面(背面)116、116に対してスライド(摺動)し、ワイヤの束を通すのに必要な量だけシューを上昇させることができる。図9に示されるように、図9におけるワイヤの束の左方末端が開口部113に達するまで、ワイヤの束が押されることが好ましい。このようにして、操作者は、ワイヤが固定シューを超えて十分に係合されていることを確認することができる。前方傾斜部分406によってワイヤの束が導かれる(案内される)ことにより、ワイヤの束を正確にシュー400の歯側を通すことができる。
【0066】
典型的には、装置が動作している場合に植物に対する摩擦や衝撃によって、矢印F’の反対方向にワイヤの束に引力がかかるとすぐに、一方向のロックとして機能するシュー400は、歯404を介して把持(つかむ、グリップ)することにより、増加する引力よりもかなり大きな保持力をワイヤの束300にかけることができ、これは、シューの面402と共同してくさびの作用をもたらすハウジングの傾斜面116、116によるものである。
【0067】
スライドするシューを有する固定機構の特に有益な点は、かみ合うカムなどを有する既知の機構と比較して特に、一方では、シューハウジング114、114の後面116、116によって極めて堅固に支持されるシューによりワイヤの束にかかる保持力をかなり強くすることができるとともに、他方では、ワイヤ300の長さによって、歯404がワイヤと共同して作動する範囲を、既知のカム機構よりも遙かに大きくすることができる。
【0068】
他の有益な点は、(i)ワイヤの束は開口部115を通って通路に容易に挿入されるとともに、反対側の開口部113を通って通路から容易に取り除くことができ、これらの開口部113、115の両者がヘッドの周縁に配置されていること、並びに、(ii)固定機構が通路とヘッドの周縁との間に配置され得ること、すなわち、切断装置上にヘッドを取り付けるための部材(シャフトとナットを設けるための凹み)が設けられるヘッドの中心部が、干渉されないことである。
【0069】
図9及び図10に示される実施の形態において、図10に示されるように、ワイヤの束を保持する歯404はワイヤを横断する方向(横切る方向)に直線状に延びている。
【0070】
他の有益な点によると、ワイヤ束固定要素(スライドするシュー、回転するカム又は他のグリップ要素のいずれであっても)は、ワイヤをより良く保持するような形状をしている。
【0071】
このように、図9及び図10において歯404とワイヤとの共同作用は、シューに対向して配置されるワイヤの突起部(稜線上)の位置でのみ行われている。一方、図11及び図12に示されるように、歯はワイヤの形状に適合する(対応した)輪郭を有するようにしてもよい。これらの図面には、凹部403を設けられた輪郭を形成するよう、互いに対して90°をなすように配置された二つの連続する歯404a、404bが示されている。結果として、各連続する歯は、四角形の横断面を有する場合におけるワイヤの全体表面や全体表面の十分な部分と共同して作用するので、ワイヤを保持するためにシューとワイヤとが共同して作用する範囲は、かなり大きくなる。
【0072】
より一般的には、ワイヤの横断面の形状に関係なく、ワイヤをより良く受けるために、あらゆる凹部の形状をシュー400の歯の平らな部分に設けるようにしてもよい。
【0073】
図13に示す例において、シュー400の歯の領域は、中心に設けられた湾曲した凹部と、この凹部の両側に設けられた凸形状の2つの連続する歯404a、404bと、を有する輪郭を有している。この場合、歯とワイヤとの間における二列の接触面により把持力が主に増加する。
【0074】
図11、図12及び図13に示される固定するためのシューにより、記載されたような菱形として設けられた四角形の横断面のワイヤだけでなく、他の多くの横断面をしたワイヤ、特に円形の横断面をしたワイヤに対するワイヤを保持する効率が改善された。
【0075】
図14はその部分について、円形の横断面を有する切断ワイヤにともなって、ワイヤを受けるのに適した凸部を有し、ワイヤの湾曲半径(曲率半径)と歯の断面の湾曲半径(曲率変形)とが好ましくは互いに等しくなっている歯の列が使用されている場合を示している。
【0076】
ワイヤに接触する凹部輪郭の領域を有するワイヤの固定要素を、シューだけでなくカム等の他の要素にも使用することができることが理解される。
【0077】
そこで、図15及び図16には、切断ワイヤ300の固定部が示されている。この例において、固定部は、弧状の横断面を有し、回転軸401上に取り付けられたカム400の助力を受け、圧力バネ500により動作する。歯404は、軸401により形成される回転軸に対して偏心した弧状の部分に配置されている。
【0078】
この実施の形態において、カムは、互いの延長線上に沿って略直線状に延びる2列の歯404a、404bを有しており(図16参照)、これらの列は、中心溝403により分離されていることが示されている。このような歯の形状により、種々の形状を有するワイヤに対し、ワイヤをさらに良く留めることができる。
【0079】
当然のことだが、本発明は記載されて示された実施の形態に限定されず、当業者は多くの変形例や修正例を提供することができる。
【0080】
さらに、上述された新しい切断ヘッドの異なる態様は、頻繁に、互いに独立して実行され、また異なる方法で組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明による切断ヘッドの一実施の形態の側面図。
【図2】本発明による切断ヘッドの一実施の形態の側面図。
【図3】本発明による切断ヘッドの一実施の形態の側面図。
【図4】本発明による切断ヘッドの一部を構成するディスク形状部の概略平面図。
【図5】切断ヘッドから組み立てられる二つのディスク形状部の断面図。
【図6】他の二つの部分を用いて本発明による別の切断ヘッドを形成することのできるディスク形状中間部の概略断面図。
【図7】組み立てられた状態にある別の切断ヘッドの断面図。
【図8】4つの切断ワイヤの束を有する図7に示された切断ヘッドの概略平面図。
【図8A】一つの束に用いられる切断ヘッドにより決められる湾曲した支持部の斜視図。
【図9】ワイヤの束の固定装置に適した図4に示されるディスク形状部の詳細図。
【図10】図9におけるX−X線に沿った横断面図。
【図11】ワイヤの固定装置の実施の形態の第一の変形例を示す横断面図。
【図12】図11における固定装置に属する固定部材の斜視図。
【図13】ワイヤの固定装置の実施の形態の第二の変形例を示す横断面図。
【図14】ワイヤの固定装置の第三の変形例を示す横断面図。
【図15】ワイヤの固定装置の第四の変形例を示す平面図。
【図16】図15におけるXVI−XVI線に沿った断面図。
【発明の概要】
【0001】
本発明は、概ね、草刈機やエッジトリマーのような植物をカットする装置の分野に関する。
【0002】
このタイプの装置においては、1以上の切断ワイヤ(紐状体であって金属以外をも含む、string)は、摩耗するにつれて貯蔵部から徐々に繰り出され、あるいは、摩耗した際に取り替えられる個々の束(strand)の形式をとっている。この1以上のワイヤは、取り付けられる回転切断ヘッドに対して堅固に固定されていなければならない。
【0003】
この点について、ワイヤを固定するためのいくつかの技術が知られている。
【0004】
これらの技術の一つは、カムタイプの可動固定要素に基づいている。カムタイプの可動固定要素は、スプリング、および/または、ヘッドの回転中に生じワイヤを押圧するように負荷される円心力によって動作させられる。支持する対向面が固定要素の対向する側に設けられ、要素と支持面との間でワイヤを部分的に捕捉するようになっている。US−A−4301642、US−A−4335510、およびEP−A−0824854はこれらの技術の例を示している。
【0005】
固定効果を向上させるため、ワイヤの材料(通常、ポリアミド)により良く固定することができる一連の歯を固定要素に設けることも知られている。
【0006】
これらの対策にもかかわらず、ヘッドにおけるワイヤの保持が十分有効に達成されていないことが頻繁に生ずる。このよう場合においては、とりわけ切断ワイヤが障害物、すなわち固いあるいはよく茂った植物に接触した際、ワイヤに加えられる引っ張り力によって、ワイヤが固定装置に対して移動し、(ワイヤの束(strands of string)の場合には)ヘッドから引っ張り出されてしまうこともある。極端な場合においては、非常に力強い作用下で(とりわけ、多くの部分のワイヤをともなった草刈機の場合)、カムが回転して、固定カムが圧縮または締め付けに対するワイヤの摩擦によりもたらされていた強力な部分を完全に通り過ぎ、最終的に固定効果が失われてしまうことさえも起こり得る。
【0007】
本発明は、この技術状況の限界を打ち破るとともに、改良され、また同時に、ワイヤの束を容易に取り付けおよび取り外すことができるワイヤ固定を提案することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、ヘッドの中央の取り付け領域を干渉することがない、ヘッドの周縁領域に簡単に配置され得る固定機構をもたらすことである。
【0009】
本発明のさらなる他の目的は、必要とされる保持力の機能として、カムによって得られ得るよりも極めて長いワイヤの長さに渡って、ワイヤと共同して固定し合う関係にある固定要素をもたらすことを可能にすることである。
【0010】
この目的を達成するために、本発明は、草刈機、エッジトリマーまたは同様のものに用いられる切断ヘッドを提案した。この切断ヘッドは、切断ワイヤを通す通路と、通路内にワイヤを固定することに適した可動ワイヤ固定要素と、を備え、通路は、ヘッドの中心軸からオフセットされ、ヘッドの周縁における両端部において開口し、可動固定要素は一方向に固定する要素であって、これにより、第1の端部開口を介し通路内へワイヤの束を容易に挿入することができるとともに、第2の端部開口を介し通路からワイヤの束を容易に引き抜くことができることによって特徴付けられる。
【0011】
好ましいが限定的でない切断ヘッドの形態は以下のようなものである。
【0012】
可動固定要素は通路とヘッドの周縁との間に配置されている。
【0013】
ヘッドが、固定要素を収容する空洞(キャビティ)であって、ワイヤ通路によって一方の側を区画されるとともに、ワイヤ通路の方向に対して斜めに向けられた面によって反対側を区画される空洞(キャビティ)を備えている。その一方で、固定要素が、切断ワイヤと固定され得る作用面と、作用面に対して斜めに向けられ、空洞の斜めに向けられた面に対して摺動することに適した支持面(当接面)と、の両方を有している。
【0014】
固定要素の作用面は、略一つの平面内に配置されている。
【0015】
固定要素は押圧部材によって動作させられる。
【0016】
押圧部材は圧縮バネを有している。
【0017】
圧縮バネは、斜めに向けられた面がワイヤ通路から最も離れる領域に配置された空洞の一つの面と、固定要素の対向する部分と、の間で作用する。
【0018】
固定要素は、切断ワイヤと係合する側の一方の端部領域に、ワイヤを案内する切取部分を有している。
【0019】
固定要素は、ワイヤを把持する構成を作用面に有している。
【0020】
把持する構成は歯を有している。
【0021】
把持する構成は固定要素の作用面の略全面に設けられている。
【0022】
固定要素は、切断ワイヤを少なくとも部分的に受けることに適した長い溝(スロット)を作用面に有している。
【0023】
切断ワイヤは凹凸部分を有し、固定要素はワイヤの突出部(稜線上)へ作用することに適している。
【0024】
固定要素は、ヘッドの半径方向を略横断する方向に沿って移動することに適している。
【0025】
また、本発明は、上述してきたような切断ヘッドと、ヘッドを回転駆動することに適した動力部(モータ、motor)と、を備えたことによって特徴付けられる、草刈機やエッジトリマーに用いられる植物切断装置を提案する。
【0026】
本発明の他の形態、目的、有益な点は、限定的でない例として与えられるとともに添付図面を参照した、本発明の好ましい実施の形態に関する以下の詳細な説明からより明白に示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
主要なこととして、図面において、同一または同様の要素又は部分は、可能であれば、同じ参照番号により同定されている。
【0028】
図1乃至図3には、参照番号100として包括的に示される本発明による草刈機やエッジトリマー等に用いる切断ヘッドが示されており、切断ヘッドは、本質的に完全に慣習的な方法で固定装置と共同する対応するプレートだけでなく、固定装置202(ワッシャー、ナット、回転機構)のために設けられる駆動シャフト200の末端に取り付けるのに適している。
【0029】
ここで、切断ヘッドは、駆動シャフト200の回転軸と同軸を有する二つのディスク形状部(ディスク形状部品)110a、110bをかぶせて組み立てることにより得られ、切断ヘッドは、二つのディスク形状部の正面をお互いに合わせて、後述するようにワイヤの束を通してこれらの束を保持するように配置される。
【0030】
図1にはシャフト200を組み立てる前の切断ヘッド100が示されており、図2と図3は各々、部分的な切取図と正面図により、シャフト上に取り付けられた切断ヘッドを示している。
【0031】
図4において、ディスク形状部110(図1乃至図3における部分110aと110bの一つ)は、切断ヘッドの完成品を構成している。駆動シャフト200を通すことのできる中心穴1100が設けられている。
【0032】
この部分110は、一連の45°のベベル(斜面部、bevel)111、111’(外方ベベル)、111”(中心ベベル)を有し、内部では突出した部分の境界を決め、外部では凹んでいる部分の境界を決める。本実施の形態におけるベベルの全体的な外形は、円形であり、この外形から一定の距離の位置に固定されているディスクの外形に従っている。
【0033】
特に、二つのベベル111、111”は直線状にお互い隣接して延在しており、切断ワイヤ束通路の第一領域112の境界になっている。この通路は第一開口部113と第二開口部115において外部に対して開口し、切断ワイヤの束を放出している。領域112が沿って延在する軸Aは、ディスク形状部の中心CからDで示される一定の距離だけ離れて配置されている。
【0034】
開口部113において、ベベルの湾曲半径(曲率半径)は小さくなっており、ワイヤの束が配置された場合には、ワイヤの束を簡単に導く。
【0035】
ワイヤ放出口115において、ベベル111”は 湾曲した支持部120の形を定め、好ましくは傾斜を変えることなく一方でワイヤ通過部112と連結するとともに、他方で3つのベベルに連結して形成される円状の周辺部に連結している。湾曲した支持部120は、切断時、特に切断ヘッドの回転中に切断を妨げて壊れる原因となる障害物と接触する(切断ヘッドの回転方向は、矢印Fで示されている)場合に、ワイヤの束を支持している。本発明の一つの態様として、ワイヤ通路112が部分110の中心C、すなわち切断ヘッドの回転軸から横方向にオフセットしているので、湾曲した支持部120は、中心Cから幾何学的に延在したワイヤ通路を有する先行技術における湾曲半径よりも遥かにおおきな湾曲半径を有することができるのは重要である。
【0036】
特に先行技術においては、切断ヘッドの中心部は必然的にシャフトにより占有されているので、一方で切断ワイヤの束の固定部を設け、他方で湾曲した支持表面を設けるための軸方向の空間をほとんど得ることができなかった。
【0037】
これに対して、本発明の部材により、湾曲半径R遥かに大きくすることができ、湾曲半径Rを距離Dと(少なくとも部分的には)同等、又はかなり大きくすることができる。
【0038】
湾曲した支持部は、(異なる半径の円形部分を有する円、楕円、放射線等といった)あらゆる湾曲した幾何学形状であってもよい。特に、一つ又はそれ以上の一定の湾曲した半径及び/又は連続的に変化する湾曲した半径であってもよい。
【0039】
湾曲した支持部の湾曲はあまり突出していないので、ワイヤ素材にはあまり力がかからないため、ワイヤの束の疲労と同様に動きはかなり減り、このことは、切断するための(歯等の)部材及び/又は回転する際のノイズを減らす(凹部や突出部等の)部材及び/又は例えば消耗を防止するための(充填したポリアミド等の)異なる材料部を備える現在の切断ワイヤにとってはとても重要なことである。
【0040】
ディスク形状部110は、ワイヤの束の通路部112の断面において、後述するワイヤを固定するシューをうける空洞114も有している。ここでは、この空洞はワイヤ通過部に対し開口するとともに、逆側の側面においてワイヤ通路112の軸Aに対して一定の角度で配向している垂直で斜めになっていない面と、軸Aから最も離れた面116の末端に隣接した位置に、後に詳述するようにシュー圧力バネ(圧縮バネ)をくさびで留める一方のふさがった凹み117とを有している。
【0041】
また図4に示されるように、穴118は、同様に設計された一又はその他のディスク形状部110を組み立てるネジ又はスタッドを通すのに適している。
【0042】
最終的に図4には、上述した部材に対して180°回転させた対称を有し、第二のワイヤの束のためのいくつかの第二の通路、支持部、固定装置を有する部分110が示されており、これらの部材は、「プライム」符号のついた同じ参照符号により同定される。
【0043】
図5には、図4に示された部材を有する第一のディスク形状部110aと、鏡面対象の対応する部材を有する第二のディスク形状部110bとを、組立てられたときにこれらの全ての部材がもう一方の部分110aに含まれる対応した部材の上部に設けられるよう組立てることにより完成する切断ヘッドがより詳しく示されている。
【0044】
このような組立体は、一定の菱形をしたワイヤ束通路を形成する。略四角形であって、ヘッド内に形成される通路の横断面よりのわずかに小さな横断面の切断ワイヤの束を使用することにより、これらの通路は、各ワイヤの束の隆起部が切断効率を改善して切断するための誘導部を構成するように束を保持する。
【0045】
しかしながら、そのようなヘッドは、ワイヤ通路内でトラップされずに係合するならば、どのような横断面の切断ワイヤの束に使用されてもよい。
【0046】
図4に記載される構成を基にして、図5には、垂直方向に同じ高さに配置されるとともに、正確な半径方向から斜め方向であって正反対の方向へとヘッドからでている二つのワイヤを有する切断ヘッドが示されている。
【0047】
図6は、第三のヘッドの中間部を有する別のディスク形状部110cの正面図である。
【0048】
この部分110cは図4に示されたような二セットの部材を有し、各々は対面し、好ましくは90°オフセットしている。これらの部材セットの一方は部分110aと同様の部材を形成し、これらの部材セットの他方は部分110bと同様の部材を形成する。結果として、中間部110cに合わせるために、部分110aと110bの部材はお互いに90°オフセットしている。
【0049】
このように、完成された切断ヘッドは、正反対に対置した放出口を設けた二つのワイヤの束を有する上層と、正反対に対置した放出口を設け、二つのワイヤの束を有するとともに、第一の上層とは90°オフセットしている下層とを有する。
【0050】
この切断ヘッドは図7に正面図が示されている。この図には113acと113cdで示される二つの開口が示されており、90°オフセットするとともに、二つの高さに配置している。ワイヤを放出する開口はこの図には示されていない。
【0051】
二つの高さにワイヤを配置することにより、ワイヤ高さのプレーン間の距離を選ぶ場合、切断プラント材料を有益に切断することができる。特に、図7において、二つのワイヤ高さの各プレーン間Pab、Pbcの距離H2が(ほぼ通路の高さに対応する)ワイヤの高さH1の1.8倍以上であり、好ましくは同じ高さH1の5倍以下であれば、特に十分に切断することができる。たとえば、幅4mmの四角形の横断面を有するワイヤを用いた場合、対角線はほぼ5.6mmであり、切断プレーン間の高さ方向のオフセットは約10mmより大きくなる。
【0052】
このような構成において、上述したようにワイヤ放出口の互いの角度がオフセットしている場合には、好ましく切断することができる。上述したように放出口が円周方向に規則的に間隔を置いて配置されることが好ましい。
【0053】
しかしながら、(上層の部材と下層の部材の間の角度のオフセットが90°でない場合に特におこる)ワイヤ放出口が不規則な間隔を置いて配置されている場合であっても、満足のいく結果を得ることができる。
【0054】
図8は図7における切断ヘッドを上方から見た概略図を示している。この切断ヘッドには、3つのワイヤの束300が挿入されており、ワイヤの束300はワイヤ放出口115から放出するとともに、開口部113近傍で止められている。この図には、ワイヤの束を受けるための湾曲した支持表面120も示されている。ヘッドの回転方向は矢印Fで示されている。
【0055】
さらに、前述されているように、部分110c型の二つ又はそれ以上の中間部と、二つの末端部110a、110を使用することにより、ヘッドは、あらゆる高さになることができる。
【0056】
例えば、上部と下部の部材が互いに60°オフセットしている中間部を使用し、上方部分と下方部分110a、110bの間に二つの中間部をもうけることにより、円周方向に規則的に配置したワイヤ放出口を有する3層の切断ヘッドを得ることができる。
【0057】
図8Aには、縦方向によって示された、個々のワイヤの束300に用いられるヘッドによって形成された湾曲した支持表面120の斜視図が示されている。
【0058】
湾曲した支持表面は、二つの隣接するディスク形状部110a、110bの湾曲した支持部120a、120b(図5に示されている型)により形成され、湾曲した支持表面は、各々の部分の45°のベベル111”に順次形成されている。
【0059】
そのため、湾曲した支持表面は、90°の角度を有するV字の断面を有し、この断面は通路の放出口におけるワイヤ300の横断面に調和している。このように、支持表面は、あらゆる場合、特に、ワイヤが植物からの抵抗をうけ、支持表面120上に支持されている場合に、切断するのに最適な方向にワイヤを保持するために使用されている。
【0060】
通常、湾曲した支持表面の断面はワイヤの横断面の型に合わせて適用される。この点に関して、円形の横断面を有するワイヤを用いる場合であっても、凹んだ円形断面を有する湾曲した支持部にワイヤを配置することができる。このことにより、ワイヤが前記部分に配置された場合には、切断面においてワイヤの軌道を安定させることにより、ワイヤにかかる疲労を小さくすることができるとともに、切断効率をよくすることができる。特に、このことにより、切断方向(使用時における垂直方向)に対して垂直方向にかかる無駄な動的エネルギーを解消することができる。
【0061】
図9及び図10には、一対のディスク形状部(一の切断レベル(切断高さ)を持つ装置の基本構造における部分110aと110b)内に取り付けられているワイヤ固定機構が示されている。この機構は、本体内に配置されたシュー400を有している。シュー400は、一方のディスク形状部110a(図4参照)内に形成された空洞(キャビティ)114と、他方のディスク形状部110b内に形成された対応するとともに並列する空洞(キャビティ)とによって形成されるハウジング内に配置されている。
【0062】
このシュー400は、ワイヤ通路112の軸Aを横断するように延びる複数の歯404を有するとともに、前記通路112内に係止される切断ワイヤ300に噛み込む(切断ワイヤ300に食い込む、切断ワイヤ300を固定する)ことを意図された第一の面と、上述した第一の面に対して斜めに延びるとともに、二つのディスク形状部の表面116によって形成されるハウジングの後面(背面)に当接する(配置される)ことを意図された反対側の面と、を有している。
【0063】
圧力バネ(圧縮バネ)500は、二つのディスク形状部の一方が塞がっている凹み(凹部)117により共通して形成されるバネシート(バネ取付部、バネ用座面)と、シューの最大高さを有する領域に位置し、シューの圧力部に形成される凹み(凹部)408と、の間で作用(作動)する。
【0064】
逆側(前方側)において、シューは、より前方に位置する歯404から頂部に向いて斜めに延びる傾斜部分406を有する。
【0065】
予め好ましい長さに切断された切断ワイヤ束300は、図9に示す矢印F’の方向に沿って、放出口115からワイヤ通路112内へ係合させられる。したがって、バネ500の(緩やかな)力に抗してシューを後退させ、これにより、ハウジングの後面(背面)116、116に対してスライド(摺動)し、ワイヤの束を通すのに必要な量だけシューを上昇させることができる。図9に示されるように、図9におけるワイヤの束の左方末端が開口部113に達するまで、ワイヤの束が押されることが好ましい。このようにして、操作者は、ワイヤが固定シューを超えて十分に係合されていることを確認することができる。前方傾斜部分406によってワイヤの束が導かれる(案内される)ことにより、ワイヤの束を正確にシュー400の歯側を通すことができる。
【0066】
典型的には、装置が動作している場合に植物に対する摩擦や衝撃によって、矢印F’の反対方向にワイヤの束に引力がかかるとすぐに、一方向のロックとして機能するシュー400は、歯404を介して把持(つかむ、グリップ)することにより、増加する引力よりもかなり大きな保持力をワイヤの束300にかけることができ、これは、シューの面402と共同してくさびの作用をもたらすハウジングの傾斜面116、116によるものである。
【0067】
スライドするシューを有する固定機構の特に有益な点は、かみ合うカムなどを有する既知の機構と比較して特に、一方では、シューハウジング114、114の後面116、116によって極めて堅固に支持されるシューによりワイヤの束にかかる保持力をかなり強くすることができるとともに、他方では、ワイヤ300の長さによって、歯404がワイヤと共同して作動する範囲を、既知のカム機構よりも遙かに大きくすることができる。
【0068】
他の有益な点は、(i)ワイヤの束は開口部115を通って通路に容易に挿入されるとともに、反対側の開口部113を通って通路から容易に取り除くことができ、これらの開口部113、115の両者がヘッドの周縁に配置されていること、並びに、(ii)固定機構が通路とヘッドの周縁との間に配置され得ること、すなわち、切断装置上にヘッドを取り付けるための部材(シャフトとナットを設けるための凹み)が設けられるヘッドの中心部が、干渉されないことである。
【0069】
図9及び図10に示される実施の形態において、図10に示されるように、ワイヤの束を保持する歯404はワイヤを横断する方向(横切る方向)に直線状に延びている。
【0070】
他の有益な点によると、ワイヤ束固定要素(スライドするシュー、回転するカム又は他のグリップ要素のいずれであっても)は、ワイヤをより良く保持するような形状をしている。
【0071】
このように、図9及び図10において歯404とワイヤとの共同作用は、シューに対向して配置されるワイヤの突起部(稜線上)の位置でのみ行われている。一方、図11及び図12に示されるように、歯はワイヤの形状に適合する(対応した)輪郭を有するようにしてもよい。これらの図面には、凹部403を設けられた輪郭を形成するよう、互いに対して90°をなすように配置された二つの連続する歯404a、404bが示されている。結果として、各連続する歯は、四角形の横断面を有する場合におけるワイヤの全体表面や全体表面の十分な部分と共同して作用するので、ワイヤを保持するためにシューとワイヤとが共同して作用する範囲は、かなり大きくなる。
【0072】
より一般的には、ワイヤの横断面の形状に関係なく、ワイヤをより良く受けるために、あらゆる凹部の形状をシュー400の歯の平らな部分に設けるようにしてもよい。
【0073】
図13に示す例において、シュー400の歯の領域は、中心に設けられた湾曲した凹部と、この凹部の両側に設けられた凸形状の2つの連続する歯404a、404bと、を有する輪郭を有している。この場合、歯とワイヤとの間における二列の接触面により把持力が主に増加する。
【0074】
図11、図12及び図13に示される固定するためのシューにより、記載されたような菱形として設けられた四角形の横断面のワイヤだけでなく、他の多くの横断面をしたワイヤ、特に円形の横断面をしたワイヤに対するワイヤを保持する効率が改善された。
【0075】
図14はその部分について、円形の横断面を有する切断ワイヤにともなって、ワイヤを受けるのに適した凸部を有し、ワイヤの湾曲半径(曲率半径)と歯の断面の湾曲半径(曲率変形)とが好ましくは互いに等しくなっている歯の列が使用されている場合を示している。
【0076】
ワイヤに接触する凹部輪郭の領域を有するワイヤの固定要素を、シューだけでなくカム等の他の要素にも使用することができることが理解される。
【0077】
そこで、図15及び図16には、切断ワイヤ300の固定部が示されている。この例において、固定部は、弧状の横断面を有し、回転軸401上に取り付けられたカム400の助力を受け、圧力バネ500により動作する。歯404は、軸401により形成される回転軸に対して偏心した弧状の部分に配置されている。
【0078】
この実施の形態において、カムは、互いの延長線上に沿って略直線状に延びる2列の歯404a、404bを有しており(図16参照)、これらの列は、中心溝403により分離されていることが示されている。このような歯の形状により、種々の形状を有するワイヤに対し、ワイヤをさらに良く留めることができる。
【0079】
当然のことだが、本発明は記載されて示された実施の形態に限定されず、当業者は多くの変形例や修正例を提供することができる。
【0080】
さらに、上述された新しい切断ヘッドの異なる態様は、頻繁に、互いに独立して実行され、また異なる方法で組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明による切断ヘッドの一実施の形態の側面図。
【図2】本発明による切断ヘッドの一実施の形態の側面図。
【図3】本発明による切断ヘッドの一実施の形態の側面図。
【図4】本発明による切断ヘッドの一部を構成するディスク形状部の概略平面図。
【図5】切断ヘッドから組み立てられる二つのディスク形状部の断面図。
【図6】他の二つの部分を用いて本発明による別の切断ヘッドを形成することのできるディスク形状中間部の概略断面図。
【図7】組み立てられた状態にある別の切断ヘッドの断面図。
【図8】4つの切断ワイヤの束を有する図7に示された切断ヘッドの概略平面図。
【図8A】一つの束に用いられる切断ヘッドにより決められる湾曲した支持部の斜視図。
【図9】ワイヤの束の固定装置に適した図4に示されるディスク形状部の詳細図。
【図10】図9におけるX−X線に沿った横断面図。
【図11】ワイヤの固定装置の実施の形態の第一の変形例を示す横断面図。
【図12】図11における固定装置に属する固定部材の斜視図。
【図13】ワイヤの固定装置の実施の形態の第二の変形例を示す横断面図。
【図14】ワイヤの固定装置の第三の変形例を示す横断面図。
【図15】ワイヤの固定装置の第四の変形例を示す平面図。
【図16】図15におけるXVI−XVI線に沿った断面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
草刈機やエッジトリマーに用いられる切断ヘッドにおいて、
切断ワイヤ(300)用の通路(112)と、
前記通路内に前記ワイヤを固定することに適した可動ワイヤ固定要素(400)と、を備え、
前記通路は、前記ヘッドの中心軸からオフセットされ、前記ヘッドの周縁における両端部において開口し、
可動固定要素は一方向に固定する要素であって、これにより、第1の端部開口を介して前記通路内へワイヤの束を容易に挿入することができるとともに、第2の端部開口を介して前記通路からワイヤの束を容易に引き抜くことができることを特徴とする切断ヘッド。
【請求項2】
前記可動固定要素は前記通路と前記ヘッドの周縁との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の切断ヘッド。
【請求項3】
固定要素は、前記ワイヤ通路の方向に対して斜めに移動するよう押圧されるシューであって、移動して前記ワイヤ通路に接近するよう動作させられるシューを有することを特徴とする請求項1または2に記載の切断ヘッド。
【請求項4】
前記固定要素を収容する空洞(114)であって、前記ワイヤ通路(112)によって一方の側を区画されるとともに、前記ワイヤ通路の方向に対して斜めに向けられた面(116)によって反対側を区画される空洞(114)を備え、
前記固定要素が、切断ワイヤと固定され得る作用面(404)と、前記作用面に対して斜めに向けられ、前記空洞の前記斜めに向けられた面(116)に対して摺動する支持面(402)と、の両方を有することを特徴とする請求項3に記載の切断ヘッド。
【請求項5】
前記固定要素の前記作用面(404)は、略一つの平面内に配置されることを特徴とする請求項4に記載の切断ヘッド。
【請求項6】
前記固定要素(400)は押圧部材(500)によって動作させられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の切断ヘッド。
【請求項7】
前記押圧部材(500)は圧縮バネを有することを特徴とする請求項6に記載の切断ヘッド。
【請求項8】
前記圧縮バネ(500)は、前記斜めに向けられた面が前記ワイヤ通路から最も離れる領域に位置する空洞の一つの面(117)と、固定要素の対向する部分と、の間で作用することを特徴とする請求項5乃至7を組み合わせてなる切断ヘッド。
【請求項9】
前記固定要素(400)は、切断ワイヤと係合する側の一方の端部領域に、ワイヤを案内する切取部分(406)を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の切断ヘッド。
【請求項10】
前記固定要素は、前記ワイヤを把持する構成(404)を作用面に有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の切断ヘッド。
【請求項11】
前記把持する構成は歯(404)を有することを特徴とする請求項10に記載の切断ヘッド。
【請求項12】
前記把持する構成(404)は前記固定要素の前記作用面の略全面に設けられていることを特徴とする請求項10および11のいずれかと、請求項4および5のいずれかと、を組み合わせてなる切断ヘッド。
【請求項13】
前記固定要素(400)は、前記切断ワイヤを少なくとも部分的に受ける長い溝(403)を作用面に有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の切断ヘッド。
【請求項14】
前記切断ワイヤ(300)は凹凸部分を有し、前記固定要素(400)は前記ワイヤの突出部へ作用することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の切断ヘッド。
【請求項15】
前記固定要素(400)は、前記ヘッドの半径方向を略横断する方向に沿って移動することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の切断ヘッド。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか一項に記載の切断ヘッド(100)と、前記ヘッドを回転駆動することに適した動力部と、を備えたことを特徴とする草刈機やエッジトリマーに用いられる植物切断装置。
【請求項1】
草刈機やエッジトリマーに用いられる切断ヘッドにおいて、
切断ワイヤ(300)用の通路(112)と、
前記通路内に前記ワイヤを固定することに適した可動ワイヤ固定要素(400)と、を備え、
前記通路は、前記ヘッドの中心軸からオフセットされ、前記ヘッドの周縁における両端部において開口し、
可動固定要素は一方向に固定する要素であって、これにより、第1の端部開口を介して前記通路内へワイヤの束を容易に挿入することができるとともに、第2の端部開口を介して前記通路からワイヤの束を容易に引き抜くことができることを特徴とする切断ヘッド。
【請求項2】
前記可動固定要素は前記通路と前記ヘッドの周縁との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の切断ヘッド。
【請求項3】
固定要素は、前記ワイヤ通路の方向に対して斜めに移動するよう押圧されるシューであって、移動して前記ワイヤ通路に接近するよう動作させられるシューを有することを特徴とする請求項1または2に記載の切断ヘッド。
【請求項4】
前記固定要素を収容する空洞(114)であって、前記ワイヤ通路(112)によって一方の側を区画されるとともに、前記ワイヤ通路の方向に対して斜めに向けられた面(116)によって反対側を区画される空洞(114)を備え、
前記固定要素が、切断ワイヤと固定され得る作用面(404)と、前記作用面に対して斜めに向けられ、前記空洞の前記斜めに向けられた面(116)に対して摺動する支持面(402)と、の両方を有することを特徴とする請求項3に記載の切断ヘッド。
【請求項5】
前記固定要素の前記作用面(404)は、略一つの平面内に配置されることを特徴とする請求項4に記載の切断ヘッド。
【請求項6】
前記固定要素(400)は押圧部材(500)によって動作させられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の切断ヘッド。
【請求項7】
前記押圧部材(500)は圧縮バネを有することを特徴とする請求項6に記載の切断ヘッド。
【請求項8】
前記圧縮バネ(500)は、前記斜めに向けられた面が前記ワイヤ通路から最も離れる領域に位置する空洞の一つの面(117)と、固定要素の対向する部分と、の間で作用することを特徴とする請求項5乃至7を組み合わせてなる切断ヘッド。
【請求項9】
前記固定要素(400)は、切断ワイヤと係合する側の一方の端部領域に、ワイヤを案内する切取部分(406)を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の切断ヘッド。
【請求項10】
前記固定要素は、前記ワイヤを把持する構成(404)を作用面に有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の切断ヘッド。
【請求項11】
前記把持する構成は歯(404)を有することを特徴とする請求項10に記載の切断ヘッド。
【請求項12】
前記把持する構成(404)は前記固定要素の前記作用面の略全面に設けられていることを特徴とする請求項10および11のいずれかと、請求項4および5のいずれかと、を組み合わせてなる切断ヘッド。
【請求項13】
前記固定要素(400)は、前記切断ワイヤを少なくとも部分的に受ける長い溝(403)を作用面に有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の切断ヘッド。
【請求項14】
前記切断ワイヤ(300)は凹凸部分を有し、前記固定要素(400)は前記ワイヤの突出部へ作用することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の切断ヘッド。
【請求項15】
前記固定要素(400)は、前記ヘッドの半径方向を略横断する方向に沿って移動することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の切断ヘッド。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか一項に記載の切断ヘッド(100)と、前記ヘッドを回転駆動することに適した動力部と、を備えたことを特徴とする草刈機やエッジトリマーに用いられる植物切断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2006−515757(P2006−515757A)
【公表日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500339(P2006−500339)
【出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000855
【国際公開番号】WO2004/064489
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(504084306)スピード、フランス (7)
【氏名又は名称原語表記】SPEED FRANCE
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000855
【国際公開番号】WO2004/064489
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(504084306)スピード、フランス (7)
【氏名又は名称原語表記】SPEED FRANCE
【Fターム(参考)】
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