説明

草刈機用カッター

【課題】 草刈機用のカッターには金属製とナイロンコード製との二種類が普及しているところ、ナイロンコードの場合は、小石の多い土地にあっては安全性はあるが、切れ味に難点があること及びコードによってしばき切ることから飛散物が多量に発生して作業者の全身に小さい草粒が飛散したり、作業杆にからみつく欠点があったし、金属製のカッターのチップソーの場合は切れ味は良好であっても、作業者への飛散と作業杆へのからみつきの欠点を除去することができなかった。
【解決手段】 本発明は、主ナイロンコード3を周面部適所から適当長さ分を引き出す主コード盤1の上面部に補助ナイロンコード14を周囲適所に突設した補助コード盤12を設けて成る。また、主ナイロンコード盤の上面部に周囲適所に補助ナイロンコードを突設した補助コード盤を設けて成る。さらに、チップソーの上面部に周囲適所に補助ナイロンコードを突設した補助コード盤を設けて成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草刈機用カッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、草刈機用のカッターには金属製とナイロンコード製との二種類が普及しているところ、出願人は金属製カッターを長年実施してきたが、コスト及び加工面からナイロンコードカッターに関心をもち研究してきた。
【0003】
しかし、ナイロンコードの場合、小石の多い土地にあっては安全性はあるが、切れ味に難点があること及びコードによってしばき切ることから飛散物が多量に発生して作業者の全身に小さい草粒が飛散したり、作業杆にからみつく欠点があった。
【0004】
飛散防止のために作業者に着用させる防具は存するが、カッター自体に根本的な改良はなされていなかったし、作業杆へのからみつきを排除することができなかった。
【0005】
また、金属製カッターであるチップソーの場合は切れ味は良好であっても、作業者への飛散と作業杆へのからみつきの欠点を除去することができなかった。
【0006】
本発明に関係する技術的分野の参考文献としては、次のものが挙げられる。
【0007】
【特許文献1】特許第3435129号公報
【特許文献2】特開2000−83439号公報
【特許文献3】実開平3−48427号公報
【特許文献4】実開昭51−18220号公報
【特許文献5】実開昭62−187534号公報
【特許文献6】実公平2−5715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、従来から存する金属製およびナイロンコード製のカッターの前記欠点を除去し、作業効率の良好なカッターを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、主ナイロンコードを周面部適所から適当長さ分を引き出す主コード盤の上面部に補助ナイロンコードを周囲適所に突設した補助コード盤を設けて成る。
【0010】
また、主ナイロンコード盤の上面部に周囲適所に補助ナイロンコードを突設した補助コード盤を設けて成る。
【0011】
さらに、チップソーの上面部に周囲適所に補助ナイロンコードを突設した補助コード盤を設けて成る。
【0012】
また、チップソー本体の上面部に補助ナイロンコードを突設して成る。
【発明の効果】
【0013】
第1に、チップソーや主コードによって切断された刈草の風圧による飛散を、補助コードが上方から抑圧降下して阻止することができる。
【0014】
第2に、補助コードは回転時に、チップソーや本コードが切断飛散した刈草をさらに小さく切断することもできる。
【0015】
第3に、刈草が作業杆にからまろうとする現象を、補助コードによる切断と抑圧降下によって確実かつ未然に防止をすることができ、作業効率を向上させることができる。
【0016】
第4に、チップソーや切断力に変化は起らず、補助コードによる作用とともに常に良好な草刈作業を行うことができる。
【0017】
第5に、草刈機のエンジンにかかる負担が小さく、中速で作業することができるから、燃料の節約ができ、エンジンの寿命が長くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
チップソーや主コードによって刈取られた草類は周囲に高速に飛散しようとするが、その上方位置に配置している補助コードはチップソーや主コード盤と同軸で高速回転し、上方及び周囲に飛散する小さい切断草を、風圧でその飛散方向を自動的に抑止変更したり再切断することになる。
【0019】
したがって、切断草が作業者自身の方向へ飛散することは完全に阻止されるようになる。
【実施例1】
【0020】
1は主コード盤で、この盤の周面部適所には切欠部2,2を設け、同盤の内部に取付けた複数の主ナイロンコード3,3の一部を切欠部を介して適当長さ分引き出すことになる。
【0021】
前記切欠部2,2は、草刈作業を中止している時に主ナイロンコードを係留し固定しておくためのものである。したがって、作業時には主ナイロンコードを切欠部における係留から外してフリーの状態にする。
【0022】
4は前記主コード盤1の上面部に着脱し得るように螺着する同軸上の円盤体で、この円盤体の周面適所には複数の通孔5・・を設ける。
【0023】
6・・は前記円盤体4の通孔5・・に基端部を止着した適当長さの補助ナイロンコードで、この補助ナイロンコードは前記主コード盤1の周面部に外出する主ナイロンコード3,3部の上方位置にあり、その回転風圧によって刈取草の飛散角度を自動的に変更し抑止降下するようにする。
【0024】
前記主ナイロンコード3及び補助ナイロンコード6の断面形状は角形など任意の形状に成る。
【0025】
7は作業杆8の回転軸の連結口である。
【0026】
9・・は前記円盤体4の底面部から突設する突軸で、円盤体4を前記主コード盤1に螺着したときに、主コード盤に取付けた主ナイロンコード3,3が前記突軸9・・の内側に支持されて外出するようになる。
【実施例2】
【0027】
10は前記主コード盤1の上面部に設置する円盤体で、この円盤体の上面には後記補助ナイロンコード14・・を周面適所に突設した補助コード盤12を取付ける。
【実施例3】
【0028】
11は金属製のチップソーで、このチップソーの上面部には後記補助ナイロンコード14・・を周囲に突設した補助コード盤12を取付ける。
【0029】
12は周囲に設けた複数の立片13・・に補助ナイロンコード14・・を取付けた補助コード盤で、この補助コード盤は前記主コード盤1上に直接若しくは間接に又はチップソー11上の中心部に設置するものである。
【実施例4】
【0030】
図面には表現していないが、チップソー本体には多数の透孔を設けているから、任意の透孔を選んで補助ナイロンコードを止着するようにしてもよいし、切起片を設けてその通孔に補助ナイロンコードを止着するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】一例全体の組立て前の斜視図
【図2】一例全体の組立て後の斜視図
【図3】一例要部の底面図
【図4】他例要部の斜視図
【図5】他例の斜視図
【図6】他々例の斜視図
【符号の説明】
【0032】
1 主コード盤
2,2 切欠部
3,3 主ナイロンコード
4,10 円盤体
5・・ 通孔
6・・ 補助ナイロンコード
11 チップソー
12 補助コード盤
13・・・ 立片
14・・・ 補助ナイロンコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主ナイロンコードを周面部から引き出す主コード盤の上面部に補助ナイロンコードを周囲に突設した補助コード盤を設置して成ることを特徴とする草刈機用カッター
【請求項2】
主ナイロンコード盤の上面部に周囲に補助ナイロンコードを突設した補助コード盤を設置して成ることを特徴とする草刈機用カッター。
【請求項3】
チップソーの上面部に周囲に補助ナイロンコードを突設した補助コード盤を設置して成ることを特徴とする草刈機用カッター。
【請求項4】
チップソー本体の上面部に補助ナイロンコードを突設して成ることを特徴とする草刈機用カッター。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−111(P2006−111A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−144370(P2005−144370)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(592063951)皆川農器製造株式会社 (3)
【出願人】(596184753)
【Fターム(参考)】