説明

草刈機

【課題】 草刈機の前面や側面への飛石等を防止すると共に、刈込み面の凹凸に対してもフレキシブル上下へ追従し、刈込み面を滑り易く、スムースで安全に作業ができる草刈機を提供する。
【解決手段】 前面に配置した回転式刈刃の前面に直接取り付けられた保護用の刈刃カバー10を有する草刈機において、前記刈刃カバー10の進行方向の前面に直接取り付けられる前面カバー13と、前記刈刃カバー10の両側面に取付部材を介して取り付けられる側面カバー14と、からなる飛石防止カバーが前記側面カバー14は、キャンバス入りのゴムラバー製の矩形に形成された側面部14aと、前記側面部14aより所定角度で内側に曲げられ先端が先細りに形成された前面部14bと、からなる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川敷や土手などに繁殖している雑草などを刈り込む刈込み面の隙間からの飛散する飛石等の防止する飛石防止カバーを備えた草刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、草刈機においては、エンジンを搭載し車輪等の走行装置を備えた機体の前下部に、このエンジンによって水平または進行方向に回転する回転刈刃を備え、この回転刈刃の周囲や上方をカバーで覆う安全対策を兼ねた飛石等の防止カバーが取り付けられている。この種の飛石等の防止カバーを備えた特許文献1または非特許文献1に示す。
【特許文献1】実公平5−18895号公報
【非特許文献1】コマツゼノア2005年カタログ ゼノアハンマナイフモアZHM1510/ZMH1710(5ページ)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の草刈機においては、回転刈刃の回転方向の関係で前方に取り付けたものが多く、特許文献1においては刈刃カバーの前縁に沿って石飛び防止板を下がり壁状に取り付けたものであるが、刈刃カバーと石飛び防止板の側面の隙間から飛石は防ぎきれないという問題があった。
【0004】
また、非特許文献1における草刈機においては、前面に飛散防止用チェーンを取り付けているが、草刈機が左右に揺れた場合には飛散防止用チェーンの間に隙間ができ、この隙間より石等が飛び出してしまうという問題があった。さらに、飛散防止用チェーンは、刈り込み面の凹凸に対してフレキシブルに上下への追従がなされないので、上下方向でも隙間が生じてしまい、石等が飛び出してしまうという問題があった。そして、飛散防止用チェーンは、切り株等の障害物があれば引っ掛かってしまい、作業の障害になることもあった。さらにまた、この草刈機も特許文献1と同様に前方のみを考慮したものであり、横方向の対策はなされていないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した従来の問題に鑑みなされたもので、草刈機の前面や側面への飛石等を防止すると共に、刈込み面の凹凸に対してもフレキシブル上下へ追従し、刈込み面を滑り易く、スムースで安全に作業ができる飛石等の防止カバーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、前面に配置した回転式刈刃の前面に直接取り付けられた保護用の刈刃カバーを有する草刈機において、前記刈刃カバーの進行方向の前面に直接取り付けられる前面カバーと、前記刈刃カバーの両側面に取付部材を介して取り付けられる側面カバーとからなる飛石防止カバーが備えている草刈機とするものである。
【0007】
また、本発明の前記課題は、草刈機の刈刃カバーの前面に配置する前面カバーと、前記刈刃カバーの両側面に取付部材を介して取り付けられた側面カバーと、から形成され、前記前面カバーは、矩形に形成されたキャンバス入りのゴムラバー製で、回転式刈刃の刈刃カバーの前面にボルトで締着されている飛石防止カバーを備えている草刈機の構成により達成することができる。
【0008】
また、本発明の前記課題は、前記草刈機の刈刃カバーの前面に直接取り付けられた前面カバーと、前記刈刃カバーの両側面に取付部材を介して取り付けられた側面カバーと、から形成され、前記側面カバーが、キャンバス入りのゴムラバー製の矩形に形成された側面部と、前記側面部より所定角度で内側に曲げられ先端が先細りに形成された前面部と、からなる飛石防止カバーを備えている草刈機の構成によって達成できる。
【0009】
本発明の前記課題は、前記草刈機の刈刃カバーの前面に直接取り付けられた前面カバーと、前記刈刃カバーの両側面に取付部材を介して取り付けられた側面カバーと、から形成され、前記前面カバーは、矩形に形成されたキャンバス入りのゴムラバー製で、前記草刈機の刈刃カバーの前面に直接ボルトで締着され、前記側面カバーは、キャンバス入りのゴムラバー製の矩形に形成された側面部と、前記側面部より所定角度で内側に曲げられた前面部とからなり、前記草刈機の刈刃カバーの側面にアングルを介して取り付けられている飛石防止カバーを備えている草刈機の構成によって達成できる。
【0010】
更に、本発明の前記課題は、前面に配置した回転式刈刃の前面に直接取り付けられた保護用の刈刃カバーを有する草刈機において、前記草刈機の刈刃カバーの前面に直接取り付けられた前面カバーと、前記刈刃カバーの両側面に取付部材を介して取り付けられた側面カバーと、から形成され、前記前面カバーは、矩形に形成されたキャンバス入りのゴムラバー製で、前記草刈機の刈刃カバーの前面にボルトで締着され、前記側面カバーは、キャンバス入りのゴムラバー製の矩形に形成された側面部と、前記側面部より所定角度で内側に曲げられた前面部とからなり、前記草刈機の刈刃カバーの側面にアングルを介して取り付けられ、前記所定角度は120度乃至150度である飛石防止カバーを備えている草刈機の構成によって達成できる。
【0011】
本発明の草刈機の飛石防止カバーとしては非特許文献1に示されるような除草機械は平坦な地面ばかりでなく、凹凸の多い地面を走行するため、飛石防止カバーの枠体としては走行作業中にあらゆる方向から圧力がかかり、雑草の密度は走行速度を増大したときに枠体に過大の圧力が加わるから、強度と柔軟性があり、厚みの薄い鋼材、例えば、L型鋼材が軽量であるから飛石防止カバーの枠体として好ましい。
【0012】
本発明の草刈機に装着される飛石防止カバーとして、作業中の摩擦に対する強度や柔軟性を考量すると通常のゴムラバーでは厚みを厚くしなければならず、キャンバス入りゴムラバーによれば強度、柔軟性及び耐久性に優れ、厚みを薄くすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上述のように、草刈機の飛石防止の刈刃カバーの前面に直接取り付けられた前面カバーと、前記刈刃カバーの両側面に取付部材を介して取り付けられた側面カバーとにより、あらゆる方向へ飛散する飛び石が防止できるので、作業者は勿論のこと周囲の第三者へも安全が図られるものである。
【0014】
また、草刈機の刈刃カバーに取り付けられた前面カバーと側面カバーは、弾力性のあるキャンバス入りのゴムラバー製なので、刈込み面の凹凸に対してもフレキシブルに上下に追従し、しかも刈込み面を滑り易く、スムースで安全に草刈り作業ができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る草刈機の最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る飛石防止カバーを装着した草刈機を示す一部破断の斜視図、図2は本発明の飛石防止カバーの前面カバーを示す正面図、図3は図2のX−X断面図、図4は本発明の草刈機の飛石防止カバーの側面カバーを示す正面図、図5は図4の側面カバーの平面図、図6は図4のY−Y断面図である。
【0016】
図1は、本発明に係る飛石防止カバーを装着した草刈機を示すもので、この草刈機は歩行タイプの草刈機であり、内部にエンジンを備えて走行を行う駆動部Kと、このエンジンで駆動される草刈アタッチメント部Aと、から構成されている。
【0017】
この草刈機の駆動部Kは、エンジン1の上部にはトップカバー2が取り付けられており、側面には側面カバー3が取り付けられている。また、エンジン1の下部には図示しないクラッチやトランスミッションを介してクローラタイプの走行装置4が装着されており、不整地や斜面等のあらゆる場所を走行できるようになっている。また、この草刈機は、歩行タイプのため、後部に操作用のハンドル5が取り付けられている。このハンドル5の下の車体後部には、図示しないスロットルレバーやクラッチレバー等の各種の操作レバー、メインスイッチや非常停止スイッチ等の各種の操作スイッチ、或いは燃料計やアンメータ等の各種の計器類が備えられている。
【0018】
また、前記駆動部Kのエンジン1により伝達装置6を介して駆動される草刈アタッチメント部Aは、駆動部Kとは着脱自在に取り付けられるものである。即ち、この駆動部Kは、様々なアタッチメントを取り付けることにより、様々な作業ができるようにしたものである。この草刈アタッチメント部Aは、刈刃カバー10の内部に横方向の回転軸11を備えており、この回転軸11に多数の回転刃12が取り付けられており、この回転刃12の回転により草が刈取られるものである。
【0019】
また、この刈刃カバー10の前面には飛石防止カバーの前面カバー13が取り付けられており、両側面には飛石防止カバーの側面カバー14が取り付けられている。この飛石防止カバーに使用するゴムラバーは下端部と刈込み面との間に隙間が生じないように、常に地面と接触しており、スムースに滑り易くなっている。そして、地面の突起物に当たっても損傷しないように、キャンバス等で補強したものを使用している。
【0020】
飛石防止カバーの前面カバー13は、図2に示すように、矩形に形成されたキャンバス入りのゴムラバー製であり、図3に示すように、押さえ金具13aを介してボルト13bとナット13cで刈刃カバー10に取り付けるものである。この際の垂直方向の高さは、草刈機本体のセット位置の最大値、最小値により余長を決定するものである。即ち、最も高い位置でセットした場合は、刈込み面との間に隙間がなくなるような垂直方向の長さとし、最も低い位置でセットした場合は、約100〜200mmの長さで前面カバー13の下端が内側に折り込んだ形状になるものである。
【0021】
また、側面カバー14は、図4または図5に示すように、略矩形に形成されたキャンバス入りのゴムラバー製であり、上端部をL型鋼に固定されている。この側面カバー14は、図5に示すように、先端側のL型鋼のアングルが側面側のL型鋼に対して120〜150度の角度で内側に曲げられており、それぞれ側面部14a、前面部14bを形成している。これは、最も飛石防止の効果があり、しかも、作業走行上側面カバー14が支障とならず、スムースに作業が行えるようにしたものである。
【0022】
この側面カバー14の取り付けは、図5に示すように、側面カバー14を取付板14cを介してボルト14dとナット14eでL型アングル15に固定する。そして、このL型アングル15を刈刃カバー10に溶接等で取り付けられている取付ブラケット1aにボルト16aとナット16bで締着するものである。この際の垂直方向の高さは、草刈機本体のセット位置の最大値、最小値により余長を決定するものである。即ち、最も高い位置でセットした場合は、刈込み面との間に隙間がなくなるような垂直方向の長さとし、最も低い位置でセットした場合は、約100〜200mmの長さで側面カバー14の下端が内側に折り込んだ形状になるものである。
【0023】
このように構成された飛石防止カバーを装着してあるから草刈作業中に地上に散乱するあらゆる方向への飛び石が防止できるので、作業者は勿論のこと周囲の第三者へも安全が図られるものである。また、刈込み面の凹凸に対してもフレキシブルに上下に追従し、しかも刈込み面を滑り易く、スムースで安全に草刈り作業ができるものである。
【0024】
さらに、飛石防止カバーは、補強材のキャンバス入りのゴムラバーを使用しているので、フレキシブル性を保有しながら強度も高く耐久性に優れたものとなり、経済的にも優れたものとなっている。しかも、この飛石防止カバーは、滑り性が良好なため、従来のチェーンを使用した飛石防止カバーで発生した、切り株等の障害物に引っ掛かって破損してしまうような、安全面にても不安定な状態が解消されるものである。
【0025】
尚、本発明の草刈機は、は上述した実施の形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲内において様々な態様が可能なことは勿論である。例えば、上述した実施の形態において、草刈り部アタッチメントは駆動部と着脱自在に構成された汎用タイプの草刈機にしたが、草刈り部と駆動部が一体に構成された専用タイプの草刈機にしてよいことは勿論である。また、歩行タイプの草刈機に限定されず、前面カバーと側面カバーが取り付け可能であれば、乗用タイプの草刈機に適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の飛石防止カバーを装着した草刈機を示す一部破断の斜視図である。
【図2】本発明の草刈機に装着する飛石防止カバーの前面カバーを示す正面図である。
【図3】図2のX−X断面図である。
【図4】本発明の草刈機の飛び石防止カバーの側面カバーを示す正面図である。
【図5】図4の側面カバーの平面図である。
【図6】図4のY−Y断面である。
【符号の説明】
【0027】
A アタッチメント部
K 駆動部
1 エンジン
2 トップカバー
3 サイドカバー
4 走行装置
5 ハンドル
6 伝達装置
10 刈刃カバー
10a 取付ブラケット
11 回転軸
12 回転刃
13 前面カバー
13a 押さえ金具
13b ボルト
13c ナット
14 側面カバー
14a 側面部
14b 前面部
14c 取付板
4d ボルト
14e ナット
15 L型アングル
16a ボルト
16b ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に配置した回転式刈刃の前面に直接取り付けられた保護用の刈刃カバーを有する草刈機において、
前記刈刃カバーの進行方向の前面に直接取り付けられる前面カバーと、
前記刈刃カバーの両側面に取付部材を介して取り付けられる側面カバーと、
からなる飛石防止カバーが備えていることを特徴とする草刈機。
【請求項2】
前面に配置した回転式刈刃の前面に直接取り付けられた保護用の刈刃カバーを有する草刈機において、
前記草刈機の刈刃カバーの前面に配置する前面カバーと、
前記刈刃カバーの両側面に取付部材を介して取り付けられた側面カバーと、から形成され、前記前面カバーは、矩形に形成されたキャンバス入りのゴムラバー製で、回転式刈刃の刈刃カバーの前面にボルトで締着されている飛石防止カバーを備えていることを特徴とする草刈機。
【請求項3】
前面に配置した回転式刈刃の前面に直接取り付けられた保護用の刈刃カバーを有する草刈機において、
前記草刈機の刈刃カバーの前面に直接取り付けられた前面カバーと、
前記刈刃カバーの両側面に取付部材を介して取り付けられた側面カバーと、
から形成され、前記側面カバーが、キャンバス入りのゴムラバー製の矩形に形成された側面部と、前記側面部より所定角度で内側に曲げられ先端が先細りに形成された前面部と、からなる飛石防止カバーを備えていることを特徴とする草刈機。
【請求項4】
前面に配置した回転式刈刃の前面に直接取り付けられた保護用の刈刃カバーを有する草刈機において、
前記草刈機の刈刃カバーの前面に直接取り付けられた前面カバーと、
前記刈刃カバーの両側面に取付部材を介して取り付けられた側面カバーと、
から形成され、前記前面カバーは、矩形に形成されたキャンバス入りのゴムラバー製で、前記草刈機の刈刃カバーの前面に直接ボルトで締着され、前記側面カバーは、キャンバス入りのゴムラバー製の矩形に形成された側面部と、前記側面部より所定角度で内側に曲げられた前面部とからなり、前記草刈機の刈刃カバーの側面にアングルを介して取り付けられている飛石防止カバーを備えていることを特徴とする草刈機。
【請求項5】
前面に配置した回転式刈刃の前面に直接取り付けられた保護用の刈刃カバーを有する草刈機において、
前記草刈機の刈刃カバーの前面に直接取り付けられた前面カバーと、
前記刈刃カバーの両側面に取付部材を介して取り付けられた側面カバーと、
から形成され、前記前面カバーは、矩形に形成されたキャンバス入りのゴムラバー製で、前記草刈機の刈刃カバーの前面にボルトで締着され、前記側面カバーは、キャンバス入りのゴムラバー製の矩形に形成された側面部と、前記側面部より所定角度で内側に曲げられた前面部とからなり、前記草刈機の刈刃カバーの側面にアングルを介して取り付けられ、前記所定角度は120度乃至150度である飛石防止カバーを備えていることを特徴とする草刈機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−320270(P2006−320270A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−147565(P2005−147565)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(591132704)スバル興業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】