説明

草抜き機

【課題】大きな異物の混入による破損を防止することができる草抜き機を提供する。
【解決手段】
本発明の草抜き機1は、前方に移動しながら地面に生えている草を引き抜く草抜き機であって、移動方向に対して直角方向かつ水平方向に設けられた回転軸41を中心に前方回転する第1のローラ4と、第1のローラ4の後方に並設され後方回転する第2のローラ5と、第1のローラ4を駆動させる第1の電動モータ43と、第2のローラ5を駆動させる第2の電動モータ47と、少なくとも第1の電動モータ43又は第2の電動モータ47のいずれかの過負荷状態を検知する過負荷検知手段と、第1の電動モータ43と第2の電動モータ47と過負荷検知手段とに接続された制御手段61とを備える。制御手段61は、過負荷検知手段により過負荷状態を検知したときに、第1の電動モータ43及び第2の電動モータ47の回転を所定時間反転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草抜き機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図13に示されるような複数のローラを備える草抜き機が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
草抜き機101は、基体102と、駆動ローラ103と、駆動ローラ103に対向して配置されている第1の搬送ローラ104と、第1の搬送ローラ104の後方に配置されている複数の第2の搬送ローラ105と、駆動ローラ103に接触して設けられ、第1の搬送ローラ104と複数の第2の搬送ローラ105とに掛装されたベルト106と、ベルト106の外周面に接して設けられベルト106の張りを調節するテンションローラ107と、第2の搬送ローラ105の後方かつ下方に配置されている集草箱108とを備える。
【0004】
基体102は、前端に発電機109を備え、基体102の下部に回転可能に支持されている前輪110aと後輪110bとを備え、後方にハンドル111を備える。基体102の上部はカバー112により覆われている。
【0005】
基体102の下方には、駆動ローラ103と第1の搬送ローラ104とが懸架装置113を介してそれぞれ懸架されている。懸架装置113は、駆動ローラ103と第1の搬送ローラ104との高さを調節することができる構成を備えるとともに、懸架装置113の途中に設けられているカム板114とカム板114のカム溝115に摺動可能なピン116とにより、駆動ローラ103がベルト106に沿って斜め下方へ移動できるように支持している。駆動ローラ103の上方には、抜き取った草をベルト106側に案内するためのガイド部材117が設けられている。
【0006】
発電機109は、駆動ローラ103の前方に設けられた電動機118に接続している。電動機118はチェーン・スプロケット機構119により駆動ローラ31に連結され、発電機109の動力により駆動ローラ103は回動される。
【0007】
当該草抜き機101による芝生から突出している草の草抜き作業は、次のように行われる。まず、作業者が発電機109を始動させると、電動機118が駆動されて駆動ローラ103を回動させる。この駆動ローラの回転により、駆動ローラ103に接触しているベルト106を回動させる。
【0008】
次に、作業者がハンドル111を把握し、草抜き機101を前方に走行させる。地面に生えている草は、草抜き機101の走行に伴い駆動ローラ103と第1の搬送ローラ104との間に臨むと、駆動ローラ103とベルト106により上方に案内される。次に、案内された草は、駆動ローラ103とベルト106との接触部で挟持され、上方に引っ張られることにより、地面から引き抜かれる。そして、引き抜かれた草は、ガイド部材117に接触してベルト106側に案内され、ベルト106上に載せられ、ベルト106の回転により後方に搬送され、集草箱108内に収容される。
【0009】
しかしながら、草抜き機101は、草抜き機101は、駆動ローラ103の回転によりベルト106が回動されるように駆動ローラ103とベルト106とが常に接触するように設けられているので、前記間隔を超える大きな石、ゴミ等の異物の混入によって草抜き機101が破損することがあるという不都合がある。例えば、前記間隔に異物が滞留することにより、駆動ローラ103の外周面とベルト106との表面とが傷ついたり、駆動ローラ103の回転速度が低下し電動機118に過負荷がかかったりすることがある。
【特許文献1】特開平4−11803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる不都合を解消して、大きな異物の混入による破損を防止することができる草抜き機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するために、本発明の草抜き機は、前方に移動しながら地面に生えている草を引き抜く草抜き機であって、移動方向に対して直角方向かつ水平方向に設けられた回転軸を中心に前方回転する第1のローラと、該第1のローラの後方に並設され後方回転する第2のローラと、前記第1のローラを駆動させる第1の電動モータと、前記第2のローラを駆動させる第2の電動モータと、少なくとも前記第1の電動モータ又は前記第2の電動モータのいずれかの電動モータの過負荷状態を検知する過負荷検知手段と、前記第1の電動モータと前記第2の電動モータと前記過負荷検知手段とに接続された制御手段とを備え、前記第2のローラは、外周面と前記第1のローラの外周面とにより草を挟持可能な間隔を有する位置に設けられ、前記制御手段は、前記過負荷検知手段により過負荷状態を検知したときに、前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの回転を所定時間反転させることを特徴とする。
【0012】
本発明の草抜き機において、地面に生えている草は、前記草抜き機が前方に移動することにより前記第1のローラと前記第2のローラとの間に位置すると、前記第1のローラの前方回転と前記第2のローラの後方回転とに伴って前記第1のローラの外周面と前記第2のローラの外周面とにより挟持されるとともに、上方に変位させられ、地面から引き抜かれる。
【0013】
ところで、前記草を挟持可能な間隔よりも大きな石、ゴミ等の異物が地面に落ちている場合には、異物が前記第1のローラと前記第2のローラとの間に位置すると、前記第1のローラの前方回転と前記第2のローラの後方回転とに伴って前記第1のローラの外周面と前記第2のローラの外周面とにより挟持され、前記第1のローラの外周面と前記第2のローラの外周面との間隔に滞留する。前記異物の滞留により前記第1のローラ及び前記第2のローラの回転速度が低下し、又は回転が停止し、第1の電動モータ及び第2の電動モータが過負荷状態となる。次に、前記過負荷検知手段は、前記少なくとも前記第1の電動モータ又は前記第2の電動モータのいずれかの電動モータの過負荷状態を検知すると、該第1の電動モータ及び該第2の電動モータの回転を所定時間反転させる。前記電動モータの反転により、前記第1のローラの外周面と前記第2のローラの外周面との間隔に滞留している異物は前記第1のローラと前記第2のローラとの間に位置する地面に落下させられる。
【0014】
したがって、本発明の草抜き機によれば、前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの回転が所定時間反転することにより、前記第1のローラ及び前記第2のローラの回転が反転され、前記間隔に滞留している異物が地面に落下させられるので、前記第1のローラの外周面と前記第2のローラの外周面との間隔を超える大きな異物の混入による破損を防止することができる。
【0015】
なお、前方回転とは各ローラを軸方向から見たときに上端部が前方に向かって回転する場合の回転方向をいい、後方回転とはその逆回転をいう。
【0016】
また、本発明の草抜き機において、前記制御手段は、前記少なくとも前記第1の電動モータ又は前記第2の電動モータのいずれかに流れる電流を計測し、得られた電流が所定値を超える場合に、前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの回転を所定時間反転させることが望ましい。本発明によれば、前記電流の計測は簡単な回路構成で実現可能であるため、前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの回転数を計測したり、該第1の電動モータ及び該第2の電動モータに加わる負荷を実際に測定したりする必要がないので、簡易な構成の草抜き機を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の草抜き機の一構成例を示す説明的側面図であり、図2は図1に示す本実施形態の草抜き機を示す説明的平面図であり、図3は図1に示す本実施形態の草抜き機を示す説明的正面図である。また、図4は図1に示す本実施形態の草抜き機の支持体を示す説明的正面図であり、図5は図1に示す本実施形態の草抜き機の制御装置のシステム構成を示すブロック図であり、図6は図1に示す本実施形態の草抜き機の制御装置の制御フローを示すフローチャートであり、図7〜12は図1に示す本実施形態の草抜き機による草抜き動作を示す説明図である。なお、図2では、構造の理解を容易にするために、後述の第1のローラ等を実際の位置よりも図中の矢印の方向にずらして記載している。
【0018】
草抜き機1は、前方に移動しながら地面に生えている草を引き抜く草抜き機であって、図1に示すように、地面近傍に位置する基体2と、基体2の前方位置に後述の支持体3を介して回動自在に軸支された第1のローラ4と、第1のローラ4よりも下方かつ後方位置に支持体3を介して基体2に回動自在に軸支された第2のローラ5と、第2のローラ5の後方で基体2に回転自在に軸支され、地上を回転する一対の車輪6と、基体2の後方に揺動自在に軸支された集草箱7と、基体2から斜め後方に立ち上がるように取り付けられたハンドル8とを備えている。前方とは、図中の矢印で示される方向をいう。
【0019】
基体2は、図2及び図3に示すように、一対の側板21と、この側板21同士を連結する天板22とから構成され、金属板を角U字状に折り曲げ加工することにより形成され、これを逆U字状に位置決めし、その内部に第1のローラ4、第2のローラ5、及び集草箱7等を収容している。
【0020】
支持体3は、図4に示すように、略I字形の第1の支持板31と略逆L字形の第2の支持板32とで構成され、基体2の側板21にそれぞれ一対ずつ取り付けられている。第1の支持板31は、上部を貫通する回動軸33を介して側板21の内側に回動自在に軸支され、下部を貫通する第1の回転軸41を介して第1のローラ4を回転自在に軸支している。また、回動軸33が側板21に設けられ二段に形成された角孔34を貫通していることにより、第1の支持板31は上下方向に位置を変更することができる。一方、第2の支持板32は、前部を貫通する回動軸33を介して側板21の外側に軸支され、後部を貫通するボルト35を介して側板21に固定され、下部を貫通する第2の回転軸42を介して第2のローラ5を回転自在に軸支している。
【0021】
右方の側板21に取り付けられた支持体3は、図4(a)に示すように、さらに間隔調節ネジ36とローラ挟持用引張コイルバネ37とを備える。間隔調節ネジ36は、頭部が第1の支持板31の後端部に当接しているとともに先端部が第2の支持板32の前端部に螺合されている。この間隔調節ネジ36の第2の支持板32からの突出長さを調節することにより、第1の支持板31が回動され、第1の回転軸41と第2の回転軸42との距離、すなわち第1のローラ4と第2のローラ5との間隔が調節可能となっている。また、ローラ挟持用引張コイルバネ37は、第1の支持板31の前端部に設けられた第1の掛止ボルト38と第2の支持板32の後端部に設けられた第2の掛止ボルト39とに掛止され、第1の支持板31を第2の支持板32に近づける方向に付勢している。一方、左方の側板21に取り付けられた支持体3は、図4(b)に示すように、間隔調節ネジ36とローラ挟持用引張コイルバネ37とを備えていない。
【0022】
第1のローラ4は、直径が約28mmの円柱状であって、外周面の最下部が地面に接触しない位置に設けられている。第1のローラ4は、直結された第1の電動モータ43によって駆動され、移動方向に対して直角方向かつ水平方向に設けられた第1の回転軸41を中心に約100min−1(100rpm)で回転する。
【0023】
第1のローラ4の外周面は所定の厚さを有するゴム材で形成されており、その摩擦により、第1のローラ4の外周面に接触する草を第1のローラ4の前方から下方を通って後方へ案内可能である。また、本実施形態では、第1のローラ4の軸方向端部に一対のフランジ部44が設けられ、草が第1の回転軸41に噛み込まれることを防いでいる。
【0024】
第2のローラ5は、直径が約40mmの円柱状であって、外周面に軸方向に延設された複数の突起板45を有している。第2のローラ5は、第1のローラ4の後方に並設され、突起板45aが第1のローラ4の外周面に最近接した際に、突起板45aの先端部と第1のローラ4の外周面とにより草を挟持可能な間隔Cを有する位置に設けられている(図8参照)。第2のローラ5は、ベルトドライブ機構46により連結された第2の電動モータ47によって駆動され、第1の回転軸41に並設された第2の回転軸42を中心に回転する。また、第2のローラ5の回転に伴い、複数の突起板45の先端部は、外径50mmの回転軌道において約120min−1で回転する。
【0025】
突起板45は、草抜き機1が地上に設置され突起板45が鉛直下方向にあるときに、車輪6よりも下方に突出する。すなわち、突起板45は、第2のローラ5が回転するときに第2のローラ5の下方の地面を薄く削るような位置に配置されている。
【0026】
また、複数の突起板45は、本実施形態では第2のローラ5の外周上に等間隔に5本取り付けられている。これにより、一の突起板45bが第1のローラ4の外周面に対して近接位置にあるときに、一の突起板45bより回転方向後方にある他の突起板45cが第1のローラ4と第2のローラ5との間に位置する地面72を削る位置に来るように配置されている(図7(c)参照)。
【0027】
集草箱7は、前面及び上面が開放されて開口部51となっていて、その底面に土、砂、石等の土類が貫通可能な貫通孔52を備える直方体の箱である。集草箱7は、第2のローラ5の後方に配置され、前端縁に第2のローラ5の突起板45に当接する当接部53を備える。また、集草箱7は、前後方向の中心よりも前方位置で回動軸54を介して側板21に回動自在に取り付けられているともに、図示しない側板21の内側に設けられたストッパに当接することにより、その底面が水平となるように位置決めされている。この集草箱7には、一端が集草箱7の側面に掛止され他端が側板21に掛止され、揺動する集草箱7を下方に付勢する制振用引張コイルバネ55が取り付けられている。
【0028】
ハンドル7は、スチール製のパイプにより形成され、平均的な身長の人の腰の高さにちょうど位置する高さを有している。また、その中間部には、制御装置61とバッテリ62とが取り付けられている。制御装置61が内蔵されているケーシング63には「正」「逆」「OFF」の切り替えが可能な電源スイッチ64が設けられており、バッテリ62から供給される電気によって第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とを駆動させる。制御装置61は、電源スイッチ64が「正」に位置するとき、第1の電動モータ43を前方回転させるとともに第2の電動モータ47を後方回転させ、これにより第1のローラ4を前方回転させるとともに第2のローラ5を後方回転させる。なお、前方回転とは各モータ及び各ローラを軸方向から見たときに上端部が前方に向かって回転する場合の回転方向をいい、後方回転とはその逆回転をいう。
【0029】
また、電源スイッチ64が「逆」に位置するとき、制御装置61は、第1の電動モータ43を後方回転させるとともに第2の電動モータ47を前方回転させ、これにより第1のローラ4を後方回転させるとともに第2のローラ5を前方回転させる。さらに、電源スイッチ64が「OFF」に位置するとき、制御装置61は、バッテリ62からの電気の供給を停止し第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とを停止させることにより、第1のローラ4と第2のローラ5との回転を停止させる。
【0030】
制御装置61は、図5示のシステム構成を備える。電源スイッチ64は、正転指令を発するモータ正転スイッチ65と逆転指令を発するモータ逆転スイッチ66とを備え、バッテリ62と電源回路67とに接続している。正転指令とは、第1の電動モータ43を前方回転させるとともに第2の電動モータ47を後方回転させる(これを「正転」という)ための指令であり、これにより、第1のローラ4は前方回転するとともに第2のローラ5は後方回転する。一方、逆転指令とは、第1の電動モータ43を後方回転させるともに第2の電動モータ47を前方回転させる(これを「逆転」という)ための指令であり、これにより、第1のローラ4は後方回転するとともに第2のローラ5は前方回転する。
【0031】
電源回路67は、モータ回転方向切替え回路68とモータドライバ69と判定回路70とに接続し、それぞれにバッテリ62からの電気を供給する。
【0032】
モータ回転方向切替え回路68は、前述の正転指令、逆転指令、後述の反転指令のいずれかの指令を受けて、モータドライバに対して回転方向指令を発する。
【0033】
モータドライバ69は、駆動電流をDCモータ71に供給しDCモータ71を駆動させるともに、駆動電流の電流量及び電流方向を制御する。ここで、DCモータ71とは、図1示の第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とをいう。また、モータドライバ69とDCモータ71との間に流れる駆動電流の電流量は、電流センサ72により測定される。
【0034】
判定回路70は、電流センサ72により測定された駆動電流の電流量が規定値を超えた場合に、モータ回転方向切替え回路68に対して反転指令を発する。反転指令とは、第1の電動モータ43と第2の電動モータ47との回転を反転させるための指令である。例えば第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とが正転しているとき、反転指令により、第1の電動モータ43と電動モータとは逆転する。
【0035】
さて、制御装置61の制御フローは、図6示のとおりである。
【0036】
まず、電源スイッチ64が「正」又は「逆」の位置に合わせられたとき、制御装置61は過負荷タイマを0に合わせる(ステップ(以下「ST」と表記する)1)。
【0037】
次に、制御装置61は“過負荷タイマ>0”であるかをチェックする(ST2)。“YES”の場合には、過負荷タイマの値が1減る、すなわち過負荷タイマが1秒経過するまで待ち(ST3)、後述のST14に進む。“NO”の場合には、“モータ正転スイッチがON”であるかをチェックし(ST4)、“モータ逆転スイッチがON”であるかをチェックする(ST5(ST5a,ST5b))。
【0038】
ST4,ST5において、“モータ正転スイッチがONかつモータ逆転スイッチがON”の場合は、制御装置61は、モータ正転スイッチとモータ逆転スイッチとのいずれか又は両方が故障しているとみなし、第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とを停止させる(ST6)。ST6により第1のローラ4と第2のローラ5とが停止する。また、“モータ正転スイッチがONかつモータ逆転スイッチがONでない”の場合は、制御装置61は正転指令をモータ回転方向切替え回路68に発する。モータ回転方向切替え回路68は、回転方向指令をモータドライバ69に発して、第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とを正転させる(ST7)。ST7により、第1のローラ4が前方回転し、第2のローラ5は後方回転する。
【0039】
また、“モータ正転スイッチがONではなくかつモータ逆転スイッチがON”の場合は、制御装置61は逆転指令をモータ回転方向切替え回路68に発する。モータ回転方向切替え回路68は、回転方向指令をモータドライバ69に発して、第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とを逆転させる(ST8)。ST8により、第1のローラ4が後方回転し、第2のローラ5は前方回転する。さらに、“モータ正転スイッチがONではなくかつモータ逆転スイッチがONでない”の場合は、制御装置61は、正転スイッチと逆転スイッチとのいずれか又は両方が故障しているとみなし、第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とを停止させる(ST9)。ST9により第1のローラ4と第2のローラ5とが停止する。
【0040】
次に、ST6及びST9の場合には、制御装置61は制御処理を終了する。また、ST7及びST8の場合には、制御装置61は、電流センサ72にモータドライバ69とDCモータ71との間に流れる駆動電流の電流量を計測させる(ST10)。
【0041】
次に、制御装置61は、判定回路70に計測された駆動電流の電流量について“駆動電流>規定値”であるかを判定させる(ST11)。“YES”の場合は、制御装置61は過負荷タイマをセットし(ST12)、判定回路70がモータ回転方向切替え回路68に反転指令を発する。モータ回転方向切替え回路68は、回転方向指令をモータドライバ69に発して、第1の電動モータ43と第2の電動モータ47との回転方向を反転させる、すなわち、正転している場合には逆転させ、逆転している場合には正転させ(ST13)、ST14に進む。また、“NO”の場合には、そのままST14へ進む。
【0042】
次に、制御装置61は“電源スイッチ=OFF”であるかをチェックする(ST14)。“YES”の場合、すなわち電源スイッチ64がOFFの位置に合わせられている場合には、制御処理を終了する。また、“NO”の場合、すなわち電源スイッチ64がOFF以外の位置に合わせられている場合には、ST2に戻る。
【0043】
以上の制御フローにおいて、第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とが正転している際に判定回路70が駆動電流の電流量が規定値を超えたと判定した場合(ST11で“YES”の場合)の流れについて説明する。
【0044】
駆動電流の電流量が規定値(例えば1.5A)を超えたとき、制御装置61は過負荷タイマを例えば5秒にセットし(ST12)、第1の電動モータ43と第2の電動モータ47との回転方向を反転し逆転させる(ST13)。ST14で“NO”の場合には再びST2に進む。
【0045】
次に、ST2で過負荷タイマ>0であるので、制御装置61は過負荷タイマが1減る、すなわち過負荷タイマが4秒になるまで待ち(ST3)、再びST14に進む。そして、ST14,ST2,ST3を過負荷タイマの値が0になるまで繰り返し、この間、第1の電動モータ43と第2の電動モータ47を逆転させ続ける。制御装置61は、過負荷タイマが0になるとST2で“NO”となり、ST4に進み、ST4で“YES”であればST5aに進み、ST5aで“NO”であればST7に進む。制御装置61は、ST7で第1の電動モータ43と第2の電動モータ47との回転方向を切り替えて正転させる。以上によって、第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とが正転している際に判定回路70が駆動電流の電流量が規定値を超えたと判定した場合には、第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とは5秒間逆転し、その後再び正転に戻る。
【0046】
次に、本実施形態の草抜き機1による草抜き作業について説明する。まず、作業者がハンドル8を把持して電源スイッチ64を「正」の位置に合わせると、制御装置61が過負荷タイマを0に合わせる(ST1)。制御装置61は、“過負荷タイマ>0”であるかをチェック(ST2)し、ST2で“NO”であれば“モータ正転スイッチがON”であるかをチェックする(ST4)。制御装置61は、“ST4で“YES”であれば“モータ逆転スイッチがON”であるかをチェックし(ST5a)、ST5aで“NO”であれば正転指令を発して、第1の電動モータ43を前方回転させるとともに第2の電動モータ47を後方回転させる(正転させる)ことにより、第1のローラ4を前方回転させるとともに、第2のローラを後方回転させる(ST7)。
【0047】
次に、制御装置61は、電流センサ72により、モータドライバ69とDCモータ71との間に流れる駆動電流の電流量を計測する(ST10)。制御装置61は、判定回路70により、計測された駆動電流の電流量について“駆動電流>規定値”であるかを判定し(ST11)、ST11で“NO”であれば、“電源スイッチ=OFF”であるかをチェックする(ST14)。制御装置61は、ST14で“NO”であればST2に戻って、以上のステップを繰り返し、第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とを正転させ続ける。これにより、第1のローラ4が前方回転し第2のローラが後方回転した状態となる。
【0048】
次に、この状態で作業者がハンドル7を把持して草抜き機1を前方に押しながら前進すると、図7(a)示のように草抜き機1が前方に移動する。
【0049】
次に、草抜き機1が前方に移動すると、地面に生えている草71が第1のローラ4の外周面に接触する。草71は、図7(b)示のように、第1のローラ4の外周面の摩擦と第1のローラ4の前方回転とにより、第1のローラ4の前方から下方を通って後方へ誘導される。
【0050】
次に、草抜き機1がさらに前方に移動すると、後方へ誘導された草71が第1のローラ4と第2のローラ5との間に来る。草71は、図7(c)示のように、第1のローラ4の前方回転と第2のローラ5の後方回転とに伴って、第1のローラ4の外周面に対して近接位置にある突起板45bの先端部と第1のローラ4の外周面との間に挟持されるとともに、上方に引き上げられる。このとき、草71は、第1のローラの外周面の摩擦により確実に挟持される。また、第2のローラ5の後方回転に伴って、第1のローラ4の外周面に対して近接位置にある突起板45bより回転方向後方にある突起板45cが、第1のローラ4と第2のローラ5との間に位置する草71の根元周辺の地面72に突き刺さった状態となる。
【0051】
次に、挟持されている草71は、第1のローラ4の前方回転と第2のローラ5の後方回転とに伴って、他の突起板45cにより根元周辺の地面72が掘り返されることにより、図7(d)示のように、根が地面から分離される。
【0052】
ここで、第1のローラ4の直径をD1、その回転数をN1、第2のローラ5の突起板45の先端部の回転軌道の直径をD2、その回転数をN2とすると、本実施形態では、D1×N1<D2×N2となるように構成されている。すなわち、第1のローラ4の外周面における周速V1(=π×D1×N1)よりも第2のローラ5の突起板45の先端部における周速2(=π×D2×D2)の方が速くなるように構成されている。したがって、挟持されている草71は、第1のローラ4の前方回転と第2のローラ5の後方回転とに伴って、図8示のように、第1のローラ4の外周面と該外周面に対して最近接位置にある突起板45aの先端部との間隔Cを通過し上方に引き上げられるともに後方に運ばれ、根を含む草71全体が地面から引き抜かれる。
【0053】
次に、引き抜かれた草71は、図9示のように、第2のローラ5の後方回転に伴って第2のローラ5の前方から上方を通って後方へ運ばれ、集草箱7内に収容される。
【0054】
このとき、第2のローラ5の後方回転に伴って突起板45が当接部53に当接すると、図9示のように、集草箱7は回動軸54を中心として後部が上方に持ち上げられる。また、図10示のように、第2のローラ5の後方回転に伴って突起板45の当接部53への当接が外れると、集草箱7は制振用引張コイルバネ55により下方に付勢され、後部が上方に持ち上げられる前の姿勢に復帰する。
【0055】
このように、第2のローラ5の後方回転に伴って突起板45が当接部53に当接したり前記当接が外れたりすることにより、集草箱7は後部が上方に持ち上げられたり持ち上げられる前の姿勢に復帰したりして揺動させられる。集草箱7の揺動により、集草箱7内に収容された草71は、根に付着している土、砂、石等の土類が根から分離されるとともに、分離された土類が貫通孔52から下方に篩い落とされる。そして、根に付着していた土類が取り除かれた草71のみが集草箱7内に残る。
【0056】
以上の作動によって、本実施形態の草抜き機1は、根を含む草71全体を確実に引き抜くことができるとともに、引き抜かれた草の根に付着している土類を取り除くことができる。また、本実施形態の草抜き機1は、第1のローラ4の外周面における周速V1よりも第2のローラ5の突起板45の先端部における周速V2の方が速くなるように構成されていることにより、引き抜かれた草71を後方へ運び集草箱7内に収容することができるので、従来の草抜き機101のように、駆動ローラ103と、第1の搬送ローラ104と、複数の第2の搬送ローラ105と、テンションローラ107と、ベルト106というような構成を必要としないので、引き抜かれた草を集める構成を小型化することができる。
【0057】
ところで、地面に生えている草は、その種類によって草の高さや茎の太さ等が異なり、また、密集度合も様々である。そこで、草抜き機1を使用する際には、地面に生えている草の状態に応じて、草が最初に接触する第1のローラ4の外周面の高さと、草が挟持される、第1のローラ4の外周面と該外周面に対して最近接位置にある突起板45aの先端部との間隔Cとを予め調節しておくことが望ましい。
【0058】
まず、第1のローラ4の外周面の高さは、次のようにして調節される。作業者は、第1の支持板31の上部を貫通する回動軸33について側板21の角孔34を貫通する位置を調節する。これにより、第1の支持板31の位置が上下方向に調節され、結果として、第1の支持板31の下部を貫通する第1の回転軸41を中心に回転する第1のローラ4の高さ、すなわち第1のローラ4の外周面の高さが調節される。
【0059】
したがって、本実施形態の草抜き機1は、地面に生えている草の状態に応じて、第1のローラ4の外周面の高さを予め調節することができるので、草は倒れたり折損したりすることなく、第1のローラ4の外周面に接触し、第1のローラ4の後方回転に伴い後方に誘導されて、第1のローラ4の外周面と突起板45とにより挟持される。したがって、本実施形態の草抜き機1は、草の種類、高さによらず、地面に生えている草を引き抜くことができる。
【0060】
一方、前記間隔Cは次のようにして調節される。作業者は、図4(a)示の右方の側板21に取り付けられた支持体3の間隔調節ネジ36について第2の支持板32からの突出長さを調節する。間隔調節ネジ36の頭部が第1の支持板31の後端部に当接することにより、第1の支持板31が回動し、第1の支持板31と第2の支持板32との距離が調節される。これにより、第1の回転軸41と第2の回転軸42との距離が調節され、結果として、第1のローラ4の外周面と該外周面に対して最近接位置にある突起板45aの先端部との間隔Cが調節される。
【0061】
したがって、本実施形態の草抜き機1は、地面に生えている草の状態に応じて、第1のローラ4の外周面の高さと、第1のローラ4の外周面と該外周面に対して最近接位置にある突起板45aの先端部との間隔Cとを予め調節することができる。これにより、草は第1のローラ4の外周面と突起板45aとの間に挟持されるとともに、前記間隔Cを通過することができる。したがって、本実施形態の草抜き機1は、草の種類、茎の太さ、密集度合等によらず、地面に生えている草を引き抜くことができる。
【0062】
また、本実施形態の草抜き機1は、予め調節された前記間隔Cを超えるような茎の太さ、密集度合を有する草が地面に生えている場合でも、間隔Cを一時的に拡張することにより、草を引き抜くことができる。間隔Cは次のようにして一時的に拡張される。
【0063】
まず、草抜き機1が前方に移動することにより、第1のローラ4の外周面と該外周面に対して最近接位置にある突起板45aの先端部との間隔Cを超えるような茎の太さ、密集度合を有する草71が第1のローラ4の外周面に接触する。草71は、図11(a)示のように、第1のローラ4の外周面の摩擦と第1のローラ4の前方回転とにより、第1のローラ4の前方から下方を通って後方へ誘導される。
【0064】
次に、草抜き機1がさらに前方に移動すると、後方へ誘導された草71が第1のローラ4と第2のローラ5との間にくる。草71は、図11(b)示のように、第1のローラ4の前方回転と第2のローラ5の後方回転とに伴って、第1のローラ4の外周面に対して近接位置にある突起板45bの先端部と第1のローラ4の外周面との間に挟持されるとともに、上方に引き上げられる。また、草71が間隔Cを超えていることにより、第1のローラ4の外周面と第2のローラ5の突起板45bの先端部とに間隔Cを広げる方向に力が加えられる。これにより、第1のローラ4が第1の支持板31を介して回動軸33を支点として前方に回動することにより、間隔Cはローラ挟持用引張コイルバネ37の付勢力に抗して草71を挟持可能な間隔Cに拡張される。そして、草71は、第1のローラ4の外周面と第2のローラの突起板45bの先端部との間に挟持される。
【0065】
次に、挟持されている草71は、図11(c)示のように、第1のローラ4の外周面と該外周面に対して最近接位置にある突起板45aの先端部との間隔Cを通過し上方に引き上げられる。また、挟持されている草71は、突起板45aより回転方向後方にある突起板45cにより根元周辺の地面72が削られることにより、根が地面から分離される。これにより、根を含む草71全体が地面から引き抜かれる。
【0066】
次に、引き抜かれた草71は、図11(d)示のように、第2のローラ5の後方回転に伴って第2のローラ5の前方から上方を通って後方へ運ばれる。また、草71が後方に運ばれたことにより、第1のローラ4の外周面と突起板45の先端部との間に草71がなくなると、間隔Cはローラ挟持用引張コイルバネ37と間隔調節ネジ36とにより拡張前の間隔Cに復帰させられる。
【0067】
以上の作動によって、本実施形態の草抜き機1は、予め調節された第1のローラ4の外周面と該外周面に対して最近接位置にある突起板45aの先端部との間隔Cを超えるような茎の太さ、密集度合を有する草71が地面に生えている場合には、該間隔Cを該草71を挟持可能な間隔Cに拡張させるので、作業者の手を煩わせることなく、草71を引き抜くことができる。また、本実施形態の草抜き機1は、草71を引き抜いた後に該間隔Cを予め調節された間隔Cに復帰させるので、作業者の手を煩わせることなく、間隔Cに挟持されるような通常の草71を引き抜くことできる。
【0068】
ところで、地面は、草が生えているだけでなく、大きな石やゴミ等の異物が落ちていることもある。異物が、第1のローラ4の外周面と該外周面に対して最近接位置にある突起板45aの先端部との間隔Cを限界まで拡張させた間隔(以下「拡張限界間隔」という)Cmaxを超えない大きさである場合には、上述のように草抜き機1は該異物を集草箱7内に回収することができる。しかし、異物が拡張限界間隔Cmaxを超える大きさである場合には、間隔Cが拡張限界間隔Cmaxに拡張された状態であっても、該異物は第1ローラ4の外周面と突起板45との間を通過できずに滞留することとなる。そして、この異物の滞留により、第1のローラ4の外周面と突起板45とが傷ついたり、第1のローラ4の回転と第2のローラ5との回転とが停止することにより第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とが過負荷状態になったりして、草抜き機1が破損することにもなりかねない。本実施形態の草抜き機1は、次のようにして大きな異物の混入による破損を防止することができる。
【0069】
まず、草抜き機1が前方に移動することにより、拡張限界間隔Cよりも大きな石73が第1のローラ4と第2のローラ5との間で第1のローラ4の外周面に接触すると、図12(a)示のように、石73により間隔Cを広げる方向に力が加えられ、間隔Cはローラ挟持用引張コイルバネ37の付勢力に抗して拡張限界間隔Cmaxまで拡張される。この拡張限界間隔Cmaxは、ローラ挟持用引張コイルバネ37のバネ係数や支持体3の構造等により決定される。そして、石73は、第1のローラ4の外周面に対して近接位置にある突起板45bの先端部と第1のローラ4の外周面との間に挟持され、第1のローラ4の前方回転と第2のローラ5の後方回転とに伴って上方に引き上げられる。しかし、石73は第1のローラ4の外周面と突起板45bの先端部との間を通過することができないために第1のローラ4の外周面と突起板45bとの先端部との間で石73が滞留する。前記滞留により第1のローラ4及び前記第2のローラ5の回転速度が低下し、又は回転が停止し、第1の電動モータ43及び第2の電動モータ47が過負荷状態となる。
【0070】
次に、制御装置61が電流センサ72により計測された駆動電流が規定値(例えば1.5A)を超えていることを検知する(ST11で“YES”の場合)と、制御装置61は過負荷タイマを例えば5秒にセットし、反転指令を発して、この5秒間第1の電動モータ43と第2の電動モータ47との回転方向を反転させる、すなわち第1の電動モータ43を後方回転させるとともに第2の電動モータ47を前方回転させる。これにより、図12(b)示のように、第1のローラ4が前方回転し第2のローラ5が後方回転し、これらの回転に伴って前記滞留している石73は下方に引き下げられ、第1のローラ4の外周面と突起板45bとの挟持が外れて地面に落下する。
【0071】
次に、第1のローラ4の外周面と突起板45bの先端部との間に石73がなくなると、図12(c)示のように、拡張限界間隔Cmaxはローラ挟持用引張コイルバネ37の付勢力と間隔調節ネジ36とにより拡張前の間隔Cに復帰させられる。
【0072】
次に、過負荷タイマが0になると、すなわち5秒が経過すると、制御装置61は第1の電動モータ43と第2の電動モータ47とを正転させ(ST2)、これにより、図12(d)示のように、再び第1のローラ4が前方回転するとともに第2のローラ5が後方回転する。
【0073】
以上によって、本実施形態の草抜き機1は、拡張限界間隔Cmaxよりも大きな石、ゴミ等の異物73が第1のローラ4の外周面と突起板45bの先端部との間に滞留した場合にも、第1の電動モータ4及び第2の電動モータ47の回転が所定時間反転し続けることにより、第1のローラ4及び第2のローラ5の回転が反転され、前記間隔に滞留している異物73が地面に落下させられるので、拡張限界間隔Cmaxを超える大きな異物73の混入による破損を防止することができる。
【0074】
また、本実施形態の草抜き機1は、DCモータ71に流れる駆動電流を計測し、得られた駆動電流が所定値を超える場合に過負荷状態と判断させる制御装置61としたので、前記電流の計測は簡単な回路構成で実現可能であるため、簡易な構成の草抜き機を実現することができる。
【0075】
本実施形態の草抜き機1は、以上のように構成されているので、作業者がハンドル8を腰の位置で把持して草抜き機1を操作することにより、楽な姿勢で草抜き作業をすることができるので、草抜き作業の負担を軽減することができる。また、草抜き機1は小型な構成であるので、持ち運びに便利であり、家の庭等の草抜き作業に好適である。また、動力源が電動モータ43,47であるので、低騒音であり、早朝の草抜き作業に好適である。さらに、草抜き機1はバッテリ62を備えるので、電源を得にくい公園の広場等の草抜き作業に好適である。
【0076】
なお、本実施形態の草抜き機1において、第1のローラ4は外周面がゴム材で形成されたものとしたが、外周面が金属製で表面に凹凸が設けられたものでもよい。また、第2のローラ5の突起板45を5枚としたが、第2のローラ5の大きさ等によって任意の枚数に変更することが可能である。また、第1のローラ4及び第2のローラ5の回転数を可変としてもよい。さらに、制御装置61は、電流センサ72によりモータドライバ69とDCモータ71との間に流れる駆動電流の電流量を計測するようにしたが、図示しない回転計等を設けてDCモータ71の回転数を計測するものであってもよい。また、制御装置61は、第1の電動モータ43及び第2の電動モータ47の回転方向を反転させ過負荷タイマが0になった後に再び元の回転方向で回転させるようにしたが、回転を停止させるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本実施形態の草抜き機の一構成例を示す説明的側面図。
【図2】図1に示す本実施形態の草抜き機を示す説明的平面図。
【図3】図1に示す本実施形態の草抜き機を示す説明的正面図。
【図4】図1に示す本実施形態の草抜き機の支持体を示す説明的正面図。
【図5】図1に示す本実施形態の草抜き機の制御装置のシステム構成を示すブロック図。
【図6】図1に示す本実施形態の草抜き機の制御装置の制御フローを示すフローチャート。
【図7】図1に示す本実施形態の草抜き機による草抜き動作を示す説明図。
【図8】図1に示す本実施形態の草抜き機による草抜き動作を示す説明図。
【図9】図1に示す本実施形態の草抜き機による草抜き動作を示す説明図。
【図10】図1に示す本実施形態の草抜き機による草抜き動作を示す説明図。
【図11】図1に示す本実施形態の草抜き機による草抜き動作を示す説明図。
【図12】図1に示す本実施形態の草抜き機による草抜き動作を示す説明図。
【図13】従来技術の草抜き機を示す説明図。
【符号の説明】
【0078】
1…草抜き機、 3…間隔調節部、 4…第1のローラ、 5…第2のローラ、 7…集草箱、 37…一時拡張手段、 37…付勢手段、 41…第1のローラの回転軸、43…第1の電動モータ、 45…突起板、 45a…第1のローラの外周面に対して最近接位置にある突起板、45b…第1のローラの外周面に対して近接位置にある突起板、45c…第1のローラの外周面に対して近接位置にある突起板より回転方向後方にある突起板、 47…第2の電動モータ、 49…過負荷検知手段、 52…貫通孔、 53…当接部、 55…復帰手段、61…制御手段、 70…過負荷検知手段、 71…草、 72…第1のローラと第2のローラとの間に位置する地面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に移動しながら地面に生えている草を引き抜く草抜き機であって、
移動方向に対して直角方向かつ水平方向に設けられた回転軸を中心に前方回転する第1のローラと、該第1のローラの後方に並設され後方回転する第2のローラと、前記第1のローラを駆動させる第1の電動モータと、前記第2のローラを駆動させる第2の電動モータと、少なくとも前記第1の電動モータ又は前記第2の電動モータのいずれかの電動モータの過負荷状態を検知する過負荷検知手段と、前記第1の電動モータと前記第2の電動モータと前記過負荷検知手段とに接続された制御手段とを備え、
前記第2のローラは、外周面と前記第1のローラの外周面とにより草を挟持可能な間隔を有する位置に設けられ、
前記制御手段は、前記過負荷検知手段により過負荷状態を検知したときに、前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの回転を所定時間反転させることを特徴とする草抜き機。
【請求項2】
請求項1記載の草抜き機において、
前記過負荷検知手段は、前記少なくとも前記第1の電動モータ又は前記第2の電動モータのいずれかの電動モータに流れる電流を計測し、得られた電流が所定値を超える場合に過負荷状態と判断することを特徴とする草抜き機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−35724(P2008−35724A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210576(P2006−210576)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】