説明

菊芋入り味噌

【課題】 糖尿病及び生活習慣病の改善・予防効果のある健康加工食品に関するものであり、菊芋のイヌリンと味噌の栄養成分である大豆サポニン、大豆ペプチド及びメラノイジンとの相乗効果で、より血糖値の上昇を抑制させることを目的とした調理の汎用性がある菊芋入り味噌である。
従来から菊芋を使用した糖尿病の改善及び予防効果を目的とした加工食品はあるが、菊芋の形状は、粉末・顆粒又は粒状にしたタイプが多く、生の菊芋を原料とした加工食品はない。
また、糖尿病の改善効果には、イヌリンが1日に約8g〜10gの摂取が必要とされているが、従来の加工食品には単体で1日の必要量を摂取することは出来ない。
【解決手段】 糖尿病にとって最も重要なのは血糖値のコントロールであることから、味噌の栄養成分である特にメラノイジン(活性酸素を除去し、強力な抗酸化作用がある)と菊芋との相乗効果が糖尿病の改善及び予防効果がよりあると考え、菊芋入り味噌単品で、毎日の朝・昼・夕の味噌汁及び菊芋入り味噌を調味料に使用した惣菜で1日に必要なイヌリンを美味しく無理なく摂取可能に解決をした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖尿病及び生活習慣病の改善・予防効果のある健康加工食品に関するものであり、菊芋のイヌリンと味噌の栄養成分である大豆サポニン、大豆ペプチド及びメラノイジン等の相乗効果で、より血糖値の上昇を抑制させることを目的とした調理汎用性がある健康味噌として開発したものである。
【背景技術】
【0002】
厚生労働省の糖尿病実態調査より、近年、糖尿病が強く疑われる人は約740万人で、糖尿病予備軍は約880万人、両者を合計すると約1,620万人で、成人の6人に1人は糖尿病か、その予備軍と言われ、それに伴う効果的で安全な健康食品の需要が高まっている。
【0003】
その一つとして、キク科ヒマワリ属の多年草である菊芋(学名:ヘリアンツスツベロスス)が近年注目されている。菊芋の主成分はデンプンではなく、体内でブドウ糖に分解されないイヌリンという多糖体で、血糖値の上昇を抑える作用が期待出来るものである。
【0004】
しかし、従来から菊芋を使用した糖尿病の改善及び予防効果を目的とした加工食品はあるが、菊芋の形状は、粉末・顆粒又は粒状にしたものが多く、生の菊芋を原料とした加工食品はない。また、糖尿病改善効果には、イヌリンが1日に約8g〜10g必要とされているが従来の加工食品には単品で1日の必要量を摂取することは出来ない。
【0005】
糖尿病にとって最も重要なのは血糖値のコントロールであることから、味噌の栄養成分である大豆サポニン、大豆ペプチド及び特にメラノイジン(活性酸素を除去し、強力な抗酸化作用がある)と菊芋との相乗効果が、糖尿病の改善及び予防効果がよりあると言える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、菊芋入り味噌単品で、1日に必要なイヌリンを美味しく無理なく摂取可能に解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、味噌の仕込み工程で大豆に併用して、生の菊芋のみじん切りを味噌出来上がり量に対して10%〜20%添加していることを特徴とする、菊芋入り味噌である。生の菊芋には、イヌリンが約13%〜20%含まれ、毎日の朝・昼・夕の味噌汁及び菊芋入り味噌を調味料に使用した惣菜を食べれば、イヌリンの必要量が摂取可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、糖尿病及び生活習慣病の改善・予防効果を前提に天然インシュリンと言われる生菊芋のイヌリンを味噌の仕込み段階で、メラノイジン(活性酸素を除去し、強力な抗酸化作用がある)を含む大豆に併用して添加した相乗効果で、血糖値の上昇を抑える作用が期待出来る調理汎用性のある菊芋入り味噌である。
【実施例1】
【0009】
菊芋10%添加の基本材料は、生大豆760g/水戻し後1670g(33.4%)、米麹1800g(36.0%)、生菊芋450g(9.0%)、塩450g(9.0%)種水630g(12.6%)で、出来上がりは、約5kgである。
【0010】
菊芋20%添加の基本材料は、生大豆605g/水戻し後1330g(26.6%)、米麹1800g(36.0%)、生菊芋900g(18.0%)、塩450g(9.0%)種水520g(10.4%)で、出来上がりは、約5kgである。
【0011】
請求項1の製造方法は、
▲1▼大豆を良く洗い、大豆の約2.5倍量の水に一晩浸漬する。
▲2▼生菊芋を洗浄〜皮剥き〜みじん切り〜蒸し〜冷却をする。
▲3▼米麹は塩と良く混ぜ合わせ、塩切り麹を作る。
▲4▼浸漬済み大豆を一度水切りし、たっぷりの水を加え大豆が指で潰れる位まで煮込む。
▲5▼大豆が煮あがったら笊にあけて、煮汁(種水)をとっておく。種水は後で使用する。
▲6▼煮あがった大豆を冷めないうちにスリコギ等で磨り潰す。
▲7▼磨り潰した大豆が、人肌程度の熱さになったら、▲3▼の塩切り麹と混ぜ合わす。
▲8▼次に▲2▼の菊芋を加えムラなく良く混ぜ合わせる。
▲9▼次に▲5▼の種水を加えて、ハンバーグ生地程度の柔らかさになるようにする。
▲10▼仕込み用桶等に団子状に丸めたものを隙間の出来ない様に隅々までしっかりと詰め込み、表面を平らにしてラップ等でおおう。
▲11▼蓋は上部の空間を出来るだけ少なくする。
▲12▼熟成〜完成。
【0012】
この実施例による菊芋入り味噌は、味噌の塩分は一般的には12%前後であるが、毎日摂取することを考え、塩分濃度9%を前提条件とし、1日に必要なイヌリンを美味しく無理なく摂取することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然のインシュリンを多く含む、生菊芋のみじん切りを味噌の仕込み工程で、大豆に併用して添加したことで、糖尿病及び生活習慣病の改善・予防効果のある健康加工食品にしたことが特徴の菊芋入り味噌の製造方法。