説明

蒸れ防止機能付き健康靴

【課題】換気のための吸送気手段を機能的に向上させ、実現性を高めた蒸れ防止機能付き健康靴の提供。
【解決手段】中底14、中物15、及び表底16からなる底部を有し、空気室1を中心に後方に吸気出口2、これにつながる吸込み口3aを含む吸気路3、前方に排気側となる通気路4を有し、空気室1からなる吸送気手段K及び吸送気手段Kの動きに追従して動作する弁体5を備えた逆流防止可能な流路開閉手段VS1を有し、歩行する際の吸送気手段Kの押圧、解放の繰り返し動作で吸気路3から外気を吸入し、足指7の付け根8及び足指の隙間を通過して吹き抜け易く空気抵抗の少ない上面開口溝部10を前記足の裏側に接する中底14の表面所定部位に設け、足挿入部となる靴開口部11から排気する構成とすると共に足の土踏まず12を除いた足裏部13に加わる適度の押圧力Pと解放の繰り返しが体の健康を補助する構成としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸れ防止機能付き健康靴に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蒸れを防止する靴の発明は数多く知られる。
【0003】
先行技術の例として、ほとんど交換する必要がない靴用悪臭防止装置として、中敷き本体と、中敷き本体の一部から空気を吸引し他の部分に排出するように中敷き本体内に設けられたポンプと、ポンプから排出口まで空気を移送するために中敷き本体内に形成された細孔を設けるという発明が開示されている(例えば特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−265107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の先行技術の例では、多くの従来例と同様に、換気をするためのポンプ作用が十分に機能されず、実用性の点で問題が解決されていないという課題がある。
【0005】
本発明は、上述の点に着目して成されたもので、換気のための吸送気手段を機能的に向上させ、実現性を高めた蒸れ防止機能付き健康靴を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
【0007】
(1)中底、中物、及び表底からなる底部を有する靴の製造工程において、加工し易い構造の蒸れ防止機能を有する健康靴であって、空気室を中心に後方に吸気出口、これにつながる吸込み口を含む吸気路、前方に排気側となる通気路を有し、空気室からなる吸送気手段及び該吸送気手段の動きに追従して動作する弁体を備えた逆流防止可能な流路開閉手段を有し、歩行する際の前記吸送気手段の押圧、解放の繰り返し動作で吸気路から外気を吸入し、足指の付け根及び足指の隙間を通過して吹き抜け易く空気抵抗の少ない上面開口溝部を前記足の裏側に接する中底の表面所定部位に設け、足挿入部となる靴開口部から排気する構成とすると共に足の土踏まずを除いた足裏部に加わる適度の押圧力と解放の繰り返しが体の健康を補助する構成とした蒸れ防止機能付き健康靴。
【0008】
(2)足指の付け根近傍から踵側に向かって広範囲の所定部位の前記中物に空気室を構成する足裏の土踏まずを除いた逆三角形を基本とする足型形状の凹部を形成すると共に該凹部に係合する断面円弧状に膨出成形したバネ板で天板部を形成し、該天板部を含めて中物を中底で覆って空気室を形成せしめ、前記流路開閉手段を構成する弁体は、空気室の天板部を形成するバネ板の端部に外気吸入時に収縮し易い強さであって且つ伸長方向に付勢してなるコイルバネを介して連結する円錐類似形状体、もしくは球状体から構成され、足を踏み込んだとき最初に空気室の内圧およびコイルバネの伸びようとする力との協働で前記弁体が作動して前記吸気出口を塞ぎ、吸気出口から吸引される外気を遮断すると共に逆流を防止し、次いで天板部が押し下げられて空気室が圧縮されつつ貯留した空気を靴先の方向に前記通気路を通って中底の上面に開口された複数の上面開口溝と、該上面開口溝に近接する足指の付け根の膨らんだ部分に吹き付けるように空気が流れ、該空気が指の付け根の指と指との間の隙間から上方へ流通するように構成し、空気室を形成する凹部及び空気流路となる凹部を除いて中底、中物、及び表底の各周縁部を接着して成る接着積層構造の底部とした前項(1)記載の蒸れ防止機能付き健康靴。
【0009】
(3)足指の付け根近傍から踵側に向かって広範囲の所定部位の前記中物に空気室を構成する足裏の土踏まずを除いた逆三角形を基本とする足型形状の凹部を形成すると共に該凹部に係合する断面円弧状に膨出成形したバネ板で天板部を形成し、該天板部を含めて中物を中底で覆って空気室を形成せしめ、前記流路開閉手段を構成する弁体は、空気室の天板部を形成するバネ板の端部から所定距離離隔して吸気出口に密着して設けた開閉可能なスイング式板状体から構成され、足を踏み込んだとき空気室内圧の押圧力により前記スイング式板状体から成る弁体が作動して前記吸気出口を塞ぎ、吸気出口から吸引される外気を遮断すると共に逆流を防止し、次いで天板部が押し下げられて空気室が圧縮されつつ貯留した空気を靴先の方向に前記通気路を通って中底の上面に開口された複数の上面開口溝と、該上面開口溝に近接する足指の付け根の膨らんだ部分に吹き付けるように空気が流れ、該空気が指の付け根の指と指との間の隙間から上方へ流通するように構成し、空気室を形成する凹部及び空気流路となる凹部を除いて中底、中物、及び表底の各周縁部を接着して成る接着積層構造の底部とした前項(1)記載の蒸れ防止機能付き健康靴。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、足指に当たる空気の通路を抵抗の少ない上面開口溝部とすると共に、空気室を十分に大きくとって、ポンプ機能を高め、且つ空気の流路開閉手段を確実に機能する構成とし、更に靴を製造し易い加工条件とした蒸れ防止機能付き健康靴を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る蒸れ防止機能付き健康靴の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、実施例1の要部構成を示す説明図、(a)は断面図、(b)は平面図、(c)は、足型と靴の比較説明図、図2は、要部構成概念説明図、図3は、実施例1の変形例を示す平面説明図、図4は、実施例2における流路開閉手段の要部構成を示す詳細図、図5は、実施例3における流路開閉手段の要部構成を示す詳細図、図6は、各構成要素の位置関係を示す断面図である。
【実施例1】
【0013】
実施例1は、図1(a)、(b)、(c)に示すように、中底14、中物15、及び表底16からなる底部を有する靴の製造工程において、加工し易い構造の蒸れ防止機能を有する健康靴であって、空気室1を中心に後方に弁座となる吸気出口2、これにつながる吸込み口3aを含む吸気路3、前方に排気側となる通気路4を有し、空気室1からなる吸送気手段K及び該吸送気手段Kの動きに追従して動作する弁体5を備えた逆流防止可能な流路開閉手段VS1を有し、歩行する際の前記吸送気手段Kの押圧、解放の繰り返し動作で吸気路3から外気を吸入し、足指7の付け根8及び足指の隙間8′を通過して吹き抜け易く空気抵抗の少ない上面開口溝部10を足の裏側が接触する中底の上面所定部位に設け、足挿入部となる靴開口部11から排気する構成とすると共に足の土踏まず12を除いた3つのアーチを有する足裏部13に加わる適度の押圧力Pと解放の繰り返しが体の健康を補助する構成としたことを特徴とする。
【0014】
足指7の付け根8近傍から踵側に向かって広範囲の所定部位の前記中物15に空気室1を構成する足裏の土踏まず12を除いた逆三角形を基本とする足型形状の凹部13′を形成すると共に該凹部13′に係合する断面円弧状に膨出成形したバネ板17で天板部を形成し、該天板部を含めて中物15を中底14で覆って空気室1を形成せしめ、前記流路開閉手段VS1を構成する弁体5は、空気室1の天板部を形成するバネ板17の端部に外気吸入時に収縮し易い強さであって且つ伸長方向に付勢してなるコイルバネ6を介して連結する円錐類似形状体から構成され、足を踏み込んだとき最初に空気室1の内圧およびコイルバネ6の伸びようとする力との協働で前記円錐類似形状体の弁体5が作動して前記吸気出口2を塞ぎ、吸気出口2から吸引される外気を遮断すると共に逆流を防止し、次いで天板部を形成するバネ板17が押し下げられて空気室1が圧縮されつつ貯留した空気を靴先Aの方向に前記通気路4を通って中底14の上面に開口された複数の上面開口溝部10、・・・10と、該上面開口溝部10に近接する足指7の付け根8の膨らんだ部分9に吹き付けるように空気が流れ、該空気が足指7の付け根8の指と指との間の隙間8′、・・・8′から上方へ流通するように構成し、空気室1を形成する凹部及び通気路4を含む空気流路となる凹部を除いて中底、中物、及び表底の各周縁部18を接着して成ることを特徴とする。
【0015】
尚、図1(a)、(b)及び図2に示すように、中底14の下側の中物15に設けられた溝形状の通気路4、・・・4は中底14の上面に開口された複数の上面開口溝部10、・・・10にそれぞれ係合連設し、空気室1からのフレッシュエアの流路となり、また通気路4、・・・4を覆うようにして中底14が設けられ、通気断面積が限定され、本実施例では、吸気路3の合計断面積に対し通気出口側の通気路4の合計断面積が小さくなるように設定してあるため、歩行の際に足を持ち上げて吸気路3を介して外気を吸入するとき、排気側の中底14の上面開口溝部10から外気が逆流することはない。また、足指7の付け根8の膨らんだ部分9が中底14を介して通気路4、・・・4を、図中(図1(b)、(c)参照)9pの範囲で親指の付け根から小指の付け根にわたって面状に上方から押圧するように構成してある。
【0016】
図1(b)は、靴の中の中底を最上部として上から眺めた図であり、上面開口溝部10が履く人の足型に合わせて足指の間に所定の長さの断面V溝(図6参照)が配されている。上面開口溝部10をV溝としたのは、V字彫刻刀で容易に加工ができるためであり、V溝にこだわるものではなく、容易に加工できる上面開口溝であれば良い。また、中物15に設けた通気路4も上面開口溝部10に連設するV溝で構成されている。従って上面開口溝部10と連設する通気路4とは段付き溝を呈する。
【0017】
図1(c)は、中底上面に足型を書き込んで各部の位置関係を示したものであり、足指7の付け根8の隙間8′の位置と図1(b)に示すV字状の上面開口溝部10が合致するように所定長さの長溝に加工した一例を表している。
【0018】
他の符号について、Aは靴の前側(先)、Bは靴の後側(踵側)である。
【0019】
吸気出口2となる弁座は、弁体5に対し密着性の良い軟質樹脂製若しくは軟質ゴム製とするのが望ましい。
【0020】
前記複数の上面開口溝部10は、断面が加工し易いV字形状の所定長さの長溝である。
【0021】
空気室1と上面開口溝部10とを連結する通気路4は中物に溝状の凹部を彫って加工し、上面は中底で覆うようにして暗渠のような状態の流路を形成する溝部からなり、該溝部周囲の中物と中底を接着して成る構造としてある。
【0022】
空気室1は天板部にのみバネ板17を設けて上から中底14をあてがうように重ね、天板を形成するバネ板17の周囲を前記バネ板17がスライドすることが可能となる範囲を持たせて、その範囲外の周囲を接着する構成としてある。
【0023】
バネ板17は、例えば金属性の板バネを用い、バネ板17のバネ力を使用者の身体に合わせて大きさや厚みを適宜選ぶことにより、健康グッズとしても機能する構成としてある。
【0024】
バネ板17は、男女、若年、壮年、老年などの年齢に合わせて大きさや、厚みを加減して最適な条件を設定可能である。
【0025】
使用する人に見合う大きさ、厚み、形状において、最適条件のバネ板17を選定することによって、付勢力に抗して押圧された後の解放時の反発力は、空気室1の容積の余裕と併せて吸気ろ3から十分外気の吸入を行うことが出来る。
【0026】
バネ板17が延びきる前に逆止弁となる弁体5がコイルバネ6を形成する弾性体を介して吸気出口2を塞ぎ、次ぎの段階で空気室1にたまった空気を強力に前方へ押し流すようになっている。このバネ板17の強さ加減が足の蒸れ防止と共に健康補助に役立つものである。
【0027】
尚、空気室1の天板部を構成するバネ板17は圧縮作用で押し下げられたとき、バネ板17の端部17aは矢印イに沿って伸び、コイルバネ6が収縮しながらこの伸びた分を吸収するように構成されている。
【0028】
空気流路は先に行くほど断面積が小さくなるように設け、空気の流れる速度が先にいくほど速くなるように構成するのが望ましい。
【0029】
前述したように空気室1、通気路4及び上面開口溝部10を含む空気流路は、溝を彫るという加工で製作できるので、本発明の蒸れ防止靴は安価にでき、更に健康に良い靴を提供できる。なお、空気流路は樹脂製またはゴム製のチューブを用いて形成しても良く、限定するものではない。
【0030】
吸送気手段Kを構成する空気室1の容積変化率を大きくとり、且つ空気室1の容積を出来るだけ大きくする。その為には天板部を形成するバネ板17を人体に合わせて湾曲して膨らませるように形成し、歩行時の押圧力Pが解放されたときにはバネ板17の復元力で自然に膨らむ状態に戻り、吸気路3を経て外気がスムーズに流入するように構成する。
【0031】
本発明に係る吸送気手段Kのポンプ性能を高めるためには、空気室1の天板部に復元力の強い、例えば合金鋼からなるバネ鋼製の板バネ、若しくは燐青銅製の板バネを挙げることが出来る。
【0032】
足の裏の3つのアーチ構造(1は踵から親指の付け根を通る足の内側の縦アーチ、2は踵から小指の付け根を通る足の外側の縦アーチ、3は親指の付け根と小指の付け根を通る足の横アーチ)を基準に使用する人の踏み込み力を測って、バネ板の大きさ、形状、及び厚みを調節しながら決定するのが望ましい。
【0033】
また、分かり易くするために、図2に要部構成概念説明図を示した。この状態は、足を挿入する前の使用していない状態の概念図である。
【0034】
図3は、図示するように、実施例1の変形例であり、バネ板17を曲線で描いた形状を、直線で描いた場合のバネ板の形状例であり、符号を17′とし、通気路を4′、上部開口溝部を10′とした。
【実施例2】
【0035】
図4に示すように、実施例2の実施例1と異なる部分は、流路開閉手段の構成であり、弁体22を球状体とし、例えば芯材として金属製のボールとし回りをゴムまたは樹脂製の被覆で仕上げ、弁座となる吸気出口21を弁体22の球面と係合する受け口の湾曲面とした場合であり、コイルバネ23は実施例1の場合と同様である。
【0036】
空気室1の天板部を形成するバネ板17の端部に外気吸入時に収縮し易い強さであって且つ伸長方向に付勢してなるコイルバネ23を介して連結する球状体となる弁体22から構成され、足を踏み込んだとき最初に空気室1の内圧およびコイルバネ23の伸びようとする力との協働で球状体の弁体22が作動して前記吸気出口21を塞ぎ、吸気出口21から吸引される外気を遮断すると共に逆流を防止し、次いで天板部を形成するバネ板17が押し下げられて空気室1が圧縮されつつ貯留した空気を靴先Aの方向に流通するように構成してある。
【0037】
尚、空気室1の天板部を構成するバネ板17は圧縮作用で押し下げられたとき、バネ板17の端部17aは矢印ロに沿って伸び、コイルバネ23が収縮しながらこの伸びた分を吸収するように構成されている。
【0038】
その他、実施例1と同様の部分については説明を省略するものとする。
【実施例3】
【0039】
図5に示すように、実施例3の実施例1及び2と異なるのは、流路開閉手段の構成であり、弁体25をスイング式板状体とし、空気室1の天板部を形成するバネ板17の端部17aから弁体25がスイングして開いたときに当たらない範囲で所定距離離隔して弁座を形成する吸気出口24に密着して設けた開閉可能なスイング式板状体から構成され、足を踏み込んだとき空気室内の圧力により前記スイング式板状体から成る弁体が矢印ハに沿って作動して前記吸気出口24を塞ぎ、吸気出口24から吸引される外気を遮断すると共に逆流を防止し、次いで天板部を形成するバネ板17が押し下げられて空気室1が圧縮されつつ貯留した空気を靴先Aの方向に流通するように構成してある。図5中の符号25aは、スイング式板状体を形成する弁体25のスイングの軸である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施例1の要部構成を示す説明図、(a)断面図、(b)平面図、(c)、足型と靴の比較説明図
【図2】要部構成概念説明図
【図3】実施例1の変形例を示す平面説明図
【図4】実施例2における流路開閉手段の要部構成を示す詳細図
【図5】実施例3における流路開閉手段の要部構成を示す詳細図
【図6】各構成要素の位置関係を示す断面図
【符号の説明】
【0041】
1 空気室
2、21、24 吸気出口
3 吸気路
4 通気路
5、22、25 弁体
6、23 コイルバネ
7 足指
8 足指の付け根
10 上面開口溝部
11 靴開口部
12 土踏まず
13 足裏部
14 中底
15 中物
16 表底
17 バネ板
K 吸送気手段
P 押圧力
VS1、VS2、VS3 流路開閉手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中底、中物、及び表底からなる底部を有する靴の製造工程において、加工し易い構造の蒸れ防止機能を有する健康靴であって、空気室を中心に後方に吸気出口、これにつながる吸込み口を含む吸気路、前方に排気側となる通気路を有し、空気室からなる吸送気手段及び該吸送気手段の動きに追従して動作する弁体を備えた逆流防止可能な流路開閉手段を有し、歩行する際の前記吸送気手段の押圧、解放の繰り返し動作で吸気路から外気を吸入し、足指の付け根及び足指の隙間を通過して吹き抜け易く空気抵抗の少ない上面開口溝部を前記足の裏側に接する中底の表面所定部位に設け、足挿入部となる靴開口部から排気する構成とすると共に足の土踏まずを除いた足裏部に加わる適度の押圧力と解放の繰り返しが体の健康を補助する構成としたことを特徴とする蒸れ防止機能付き健康靴。
【請求項2】
足指の付け根近傍から踵側に向かって広範囲の所定部位の前記中物に空気室を構成する足裏の土踏まずを除いた逆三角形を基本とする足型形状の凹部を形成すると共に該凹部に係合する断面円弧状に膨出成形したバネ板で天板部を形成し、該天板部を含めて中物を中底で覆って空気室を形成せしめ、前記流路開閉手段を構成する弁体は、空気室の天板部を形成するバネ板の端部に外気吸入時に収縮し易い強さであって且つ伸長方向に付勢してなるコイルバネを介して連結する円錐類似形状体、もしくは球状体から構成され、足を踏み込んだとき最初に空気室の内圧およびコイルバネの伸びようとする力との協働で前記弁体が作動して前記吸気出口を塞ぎ、吸気出口から吸引される外気を遮断すると共に逆流を防止し、次いで天板部が押し下げられて空気室が圧縮されつつ貯留した空気を靴先の方向に前記通気路を通って中底の上面に開口された複数の上面開口溝と、該上面開口溝に近接する足指の付け根の膨らんだ部分に吹き付けるように空気が流れ、該空気が指の付け根の指と指との間の隙間から上方へ流通するように構成し、空気室を形成する凹部及び空気流路となる凹部を除いて中底、中物、及び表底の各周縁部を接着して成る接着積層構造の底部としたことを特徴とする請求項1記載の蒸れ防止機能付き健康靴。
【請求項3】
足指の付け根近傍から踵側に向かって広範囲の所定部位の前記中物に空気室を構成する平面視足裏の土踏まずを除いた逆三角形を基本とする足型形状の凹部を形成すると共に該凹部に係合する断面円弧状に膨出成形したバネ板で天板部を形成し、該天板部を含めて中物を中底で覆って空気室を形成せしめ、前記流路開閉手段を構成する弁体は、空気室の天板部を形成するバネ板の端部から所定距離離隔して吸気出口に密着して設けた開閉可能なスイング式板状体から構成され、足を踏み込んだとき空気室内圧の押圧力により前記スイング式板状体から成る弁体が作動して前記吸気出口を塞ぎ、吸気出口から吸引される外気を遮断すると共に逆流を防止し、次いで天板部が押し下げられて空気室が圧縮されつつ貯留した空気を靴先の方向に前記通気路を通って中底の上面に開口された複数の上面開口溝と、該上面開口溝に近接する足指の付け根の膨らんだ部分に吹き付けるように空気が流れ、該空気が指の付け根の指と指との間の隙間から上方へ流通するように構成し、空気室を形成する凹部及び空気流路となる凹部を除いて中底、中物、及び表底の各周縁部を接着して成る接着積層構造の底部としたことを特徴とする請求項1記載の蒸れ防止機能付き健康靴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−330670(P2007−330670A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−168645(P2006−168645)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(506211012)
【Fターム(参考)】