蒸発燃料パージ装置
【課題】過給機を備えるエンジンに蒸発燃料を供給するものにおいて、部品点数を低減して搭載性に優れる蒸発燃料パージ装置を提供する。
【解決手段】蒸発燃料パージ装置において、燃料流入流路121および燃料流出流路122を繋ぎ、蒸発燃料を流通させる主流路130と、主流路130を開閉するバルブ150と、主流路130のバルブ150よりも下流側から分岐された分岐流路160と、吸気流入流路171と吸気流出流路172との間に配設され、吸気の一部を流通させると共に、吸気の流れによって吸引機能を発揮する吸引部182に分岐流路160が接続されたエジェクタ180とを一体的に形成すると共に、燃料流入流路121、燃料流出流路122、吸気流入流路171、および吸気流出流路172のうち、少なくとも3つは、互いに平行となるように配置する。
【解決手段】蒸発燃料パージ装置において、燃料流入流路121および燃料流出流路122を繋ぎ、蒸発燃料を流通させる主流路130と、主流路130を開閉するバルブ150と、主流路130のバルブ150よりも下流側から分岐された分岐流路160と、吸気流入流路171と吸気流出流路172との間に配設され、吸気の一部を流通させると共に、吸気の流れによって吸引機能を発揮する吸引部182に分岐流路160が接続されたエジェクタ180とを一体的に形成すると共に、燃料流入流路121、燃料流出流路122、吸気流入流路171、および吸気流出流路172のうち、少なくとも3つは、互いに平行となるように配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過給機を備えるエンジンに蒸発燃料をパージする蒸発燃料パージ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の蒸発燃料パージ装置として、例えば特許文献1に示されるものが知られている。特許文献1の蒸発燃料パージ装置は、過給機を備えるエンジンに設けられている。過給機が作動していない場合であると、吸気マニホールド内はピストンの吸入作用によって負圧となり、メインパージ制御弁が開かれることで、燃料タンク内で蒸発してキャニスタ内に吸着された蒸発燃料が吸気マニホールド内に吸引されるようになっている。
【0003】
また、過給機が作動して吸気マニホールド内が正圧となる場合であると、過給機の下流側にて圧縮空気が蓄圧タンクに蓄えられ、この蓄圧タンクから圧縮空気がエジェクタに送られ、蒸発燃料はエジェクタの吸引作用によって吸引されて、吸気マニホールド内に供給されるようになっている。
【0004】
更に、過給機が作動して吸気マニホールド内が正圧となり、蓄圧タンクに圧縮空気が充分に蓄えられていない状態であると、過給圧によってサブパージ制御弁が開かれ、燃料タンク内の蒸発燃料は、過給機の上流側に吸引されるようになっている。
【0005】
このように、引用文献1の蒸発燃料パージ装置は、過給機を備えるエンジンに対して、過給機の作動に伴って吸気マニホールド内が正圧になっても、吸気マニホールド内、あるいは過給機の上流側への蒸発燃料の供給を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−38808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、引用文献1の蒸発燃料パージ装置においては、メインパージ制御弁、およびエジェクタが各種配管によって複雑に接続されており、部品点数が増加し、車両への搭載性の悪いものとなっていた。
【0008】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、過給機を備えるエンジンに蒸発燃料を供給するものにおいて、部品点数を低減して搭載性に優れる蒸発燃料パージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0010】
請求項1に記載の発明では、燃料タンク(60)内で発生する蒸発燃料を、過給機(40)を備えるエンジンにパージする蒸発燃料パージ装置において、
蒸発燃料を流入させる燃料流入流路(121)と、
蒸発燃料を流出させる燃料流出流路(122)と、
燃料流入流路(121)と燃料流出流路(122)とを繋ぎ、蒸発燃料を流通させる主流路(130)と、
主流路(130)の途中に配設されて、主流路(130)を開閉するバルブ(150)と、
主流路(130)のバルブ(150)よりも下流側から分岐された分岐流路(160)と、
過給機(40)の下流側の吸気の一部を流入させる吸気流入流路(171)と、
吸気の一部を過給機(40)の上流側に流出させる吸気流出流路(172)と、
吸気流入流路(171)と吸気流出流路(172)との間に配設され、吸気の一部を流通させると共に、吸気の流れによって吸引機能を発揮する吸引部(182)に分岐流路(160)が接続されたエジェクタ(180)とが一体的に形成されており、
燃料流入流路(121)、燃料流出流路(122)、吸気流入流路(171)、および吸気流出流路(172)のうち、少なくとも3つは、互いに平行となるように配置されたことを特徴としている。
【0011】
この発明においては、燃料流入流路(121)は、燃料タンク(60)側に接続され、燃料流出流路(122)は、エンジンの吸気マニホールド(10)側に接続される。また、吸気流入流路(171)は、過給機(40)の下流側と接続され、吸気流出流路(172)は、過給機(40)の上流側に接続される。
【0012】
過給機(40)が作動していない場合にバルブ(150)が開かれると、吸気マニホールド(10)内の負圧によって蒸気燃料は、燃料流入流路(121)、主流路(130)、バルブ(150)、主流路(130)、燃料流出流路(122)を流れ、吸気マニホールド(10)内に吸引される。
【0013】
また、過給機(40)が作動している場合であると、吸気マニホールド(40)内は正圧となって上記のような蒸発燃料の吸引が困難となるが、ここでは、エジェクタ(180)内を吸気が流通するようになっており、バルブ(150)が開かれると、エジェクタ(180)の吸引部(182)の吸引作用により、蒸気燃料は、燃料流入流路(121)、主流路(130)、バルブ(150)、分岐流路(160)を通り、吸引部(182)からエジェクタ(180)に吸引され、エジェクタ(180)内を流通する吸気と共に吸気流出流路(172)から過給機(40)の上流側に供給される。
【0014】
このように、過給機(40)を備えるエンジンであっても、蒸発燃料を吸気マニホールド(10)あるいは、過給機(40)の上流側に供給することができる。
【0015】
この蒸気燃料パージ装置(100)は、燃料流入流路(121)、燃料流出流路(122)、主流路(130)、バルブ(150)、分岐流路(160)、吸気流入流路(171)、吸気流出流路(172)、およびエジェクタ(180)が一体的に形成されているので、部品点数を低減して、コンパクトにすることができ、搭載性に優れるものとすることができる。
【0016】
更に、ここでは、燃料流入流路(121)、燃料流出流路(122)、吸気流入流路(171)、および吸気流出流路(172)のうち、少なくとも3つは、互いに平行となるように配置されているので、互いに平行に延びる方向に対して交差する方向の体格をできるだけ小さくして、コンパクト化することができる。そして、蒸発燃料パージ装置(100)をエンジン側と燃料タンク(60)側との間に接続する際に、接続方向をできるだけ統一することができ、接続時の作業性を向上させることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明では、燃料流入流路(121)、燃料流出流路(122)、吸気流入流路(171)、および吸気流出流路(172)は、全てが互いに平行となるように配置されたことを特徴としている。
【0018】
この発明によれば、燃料流入流路(121)、燃料流出流路(122)、吸気流入流路(171)、および吸気流出流路(172)は、全て互いに平行となるように配置されるようにしているので、互いに平行に延びる方向に対して交差する方向の体格を小さくして、コンパクト化することができる。そして、蒸発燃料パージ装置(100)をエンジン側と燃料タンク(60)側との間に接続する際に、接続方向を全て統一することができ、接続時の作業性を更に向上させることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、主流路(130)の、燃料流出流路(122)と分岐流路(160)の分岐点との間に、燃料流出流路(122)側から燃料流入流路(121)側への蒸発燃料の逆流を阻止する第1逆止弁(191)が設けられたことを特徴としている。
【0020】
この発明によれば、過給機(40)が作動した時に、吸気マニホールド(10)内が正圧となり、蒸発燃料が吸気マニホールド(10)側から燃料流出流路(122)、更にはバルブ(150)を介して燃料流入流路(121)側へ逆流しようとするが、第1逆止弁(191)によって、その逆流を阻止することができる。
【0021】
請求項4に記載の発明では、分岐流路(160)に、吸気流入流路(171)側から燃料流入流路(121)側への蒸発燃料の逆流を阻止する第2逆止弁(192)が設けられたことを特徴としている。
【0022】
この発明によれば、吸気流出流路(172)と過給機(40)の上流側との間で、万一流路が詰まるようなことがあると、過給機(40)によって加圧された吸気によって、蒸発燃料が過給機(40)の下流側から吸気流入流路(171)、吸引部(182)、更にはバルブ(150)を介して燃料流入流路(121)側へ逆流しようとするが、第2逆止弁(192)によって、その逆流を阻止することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明では、吸気流入流路(171)と、吸気流出流路(172)と、エジェクタ(180)との吸気が流れる方向の全体寸法は、燃料流入流路(121)と、燃料流出流路(122)と、主流路(130)との蒸発燃料が流れる方向の全体寸法よりも小さくなるように設定されたことを特徴としている。
【0024】
この発明によれば、従来のバルブのみを備えるパージバルブに対して、それよりも小型のエジェクタ(180)を装着した蒸発燃料パージ装置(100)とすることができるので、全体的に小型のものとすることができる。
【0025】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】エンジン吸気系、蒸発燃料パージ系、および蒸発燃料パージ装置を示す全体概略図である。
【図2】蒸発燃料パージ装置の外観を示す斜視図である。
【図3】蒸発燃料パージ装置の内部構造を示す立体断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0028】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる蒸発燃料パージ装置100について、図1〜図3を用いて説明する。図1はエンジン吸気系1、蒸発燃料パージ系2、および蒸発燃料パージ装置100を示す全体概略図、図2は蒸発燃料パージ装置100の外観を示す斜視図、図3は蒸発燃料パージ装置100の内部構造を示す立体断面図である。
【0029】
蒸発燃料パージ装置100は、燃料タンク60内で発生する蒸発燃料が、給油時等に大気中に放出されるのを防止するために、蒸発燃料をエンジンの吸気系1に導入(パージ)するものである。エンジンの吸気系1に導入された蒸発燃料は、図示しないインジェクタ等からエンジンに供給される燃焼用燃料と混合されて、エンジンのシリンダ内で燃焼されるようになっている。蒸発燃料パージ装置100は、エンジンの吸気系1と、蒸発燃料バージ系2とに接続されている。
【0030】
エンジンの吸気系1は、内燃機関であるエンジンの吸気マニホールド10に吸気管20が接続され、更に、吸気管20にフィルタ30、過給機40、インタークーラ50、スロットルバルブ11等が設けられて形成されている。
【0031】
フィルタ30は、吸気管20の最上流部に配設されており、吸気中の塵や埃等を捕捉するようになっている。過給機40は、吸気の充填効率を高めるための吸気用圧縮機であり、フィルタ30よりも下流側に配設されている。過給機40は、エンジンの排気エネルギーによってタービンが作動されて、タービンに連動するコンプレッサでフィルタ30を通過した吸気を加圧するようになっている。インタークーラ50は、冷却用の熱交換機であり、過給機40の下流側に配設されている。インタークーラ50は、過給機40によって加圧された吸気と例えば外気との間で熱交換し、吸気を冷却(空冷)するようになっている。スロットバルブ11は、吸気量調節弁であり、アクセルペダルと連動して吸気マニホールド10の入口部における開度を調節して、吸気マニホールド10内に流入される吸気量を調節するようになっている。吸気は、上記各機器30、40、50、11を通過して吸気マニホールド10内に流入し、インジェクタ等から噴射される燃焼用燃料と所定の空燃比となるように混合されて、シリンダ内で燃焼される。
【0032】
吸気管20における過給機40の下流側、即ち、過給機40とインタークーラ50との間となる部位は、蒸発燃料パージ装置100の吸気流入パイプ171と接続されている。また、吸気管20における過給機40の上流側、即ち、フィルタ30と過給機40との間となる部位は、蒸発燃料パージ装置100の吸気流出パイプ172と接続されている。
【0033】
蒸発燃料パージ系2は、燃料タンク60、およびキャニスタ70が、配管61、71、72にて吸気マニホールド10に接続されて形成されている。配管71と配管72との間に蒸発燃料パージ装置100が介在されている。
【0034】
燃料タンク60は、ガソリン等の燃料を貯留する容器である。燃料タンク60は、配管61によってキャニスタ70の流入部70aに接続されている。キャニスタ70は、内部に活性炭等の吸着材が封入された容器であり、燃料タンク60内で発生する蒸発燃料を、配管61を介して流入部70aから取り入れ、吸着材に一時的に吸着するようになっている。キャニスタ70には、外部の新鮮な空気を吸入するための吸入部70bが設けられており、吸入された新鮮な空気によって吸着材に吸着した蒸発燃料は、容易に離脱されるようになっている。キャニスタ70に吸入部70bが形成されることで、キャニスタ70内には大気圧が作用するようになっている。
【0035】
そして、キャニスタ70には、吸着材から離脱された蒸発燃料が流出される流出部70cが設けられている。流出部70cには配管71の一端側が接続され、他端側は蒸発燃料パージ装置100の燃料流入パイプ121に接続されている。そして、蒸発燃料パージ装置100の燃料流出パイプ122に配管72の一端側が接続され、他端側は吸気マニホールド10の流入部に接続されている。
【0036】
蒸発燃料パージ装置100は、本体部110から突出する燃料流入パイプ121、燃料流出パイプ122、吸気流入パイプ171、吸気流出パイプ172を備え、更に、本体部110の内部に、主流路130、フィルタ140、バルブ150、分岐流路160、エジェクタ180、第1逆止弁191、第2逆止弁192等が一体的に設けられて形成されている。
【0037】
燃料流入パイプ121は、キャニスタ70から流出される蒸発燃料を本体部110の内部(以下、詳細説明する主流路130、分岐流路160、エジェクタ180)に流入させる燃料流入流路であり、本体部110の一端側に設けられている。
【0038】
また、燃料流出パイプ122は、本体部110内の主流路130を流通した蒸発燃料を外部に流出させる燃料流出流路であり、本体部110の他端側に設けられている。燃料流出パイプ122の軸心方向は、燃料流入パイプ121の軸心方向と同一となっているが、両軸心位置はずれている。つまり、燃料流出パイプ122は、燃料流入パイプ121に対して平行と成るように配置されている。
【0039】
主流路130は、本体部110内にて燃料流入パイプ121と燃料流出パイプ122とを繋ぎ、蒸発燃料を流通させる流路として形成されている。主流路130は、燃料流入パイプ121の長手方向に沿って延びる第1流路131と、第1流路131に対して交差する方向に延びる第2流路132と、第2流路132から更に第1流路131と同方向となって燃料流出パイプ122に向けて延びる第3流路133とから形成されている。主流路130は、第1〜第3流路131〜133によって、クランク状に形成されている。
【0040】
フィルタ140は、蒸発燃料中の塵や埃等を捕捉するものであり、第2流路132の途中部位に配設されている。フィルタ140は、例えば微細な網目状を成すメッシュ部材から形成されている。
【0041】
バルブ150は、主流路130を開閉する開閉手段であり、主流路130の途中部位に配設されている。ここでは、バルブ150は、フィルタ140の下流側で、第2流路132から第3流路133に移り変わる領域に設けられている。バルブ150は、弁体151と電磁コイル152と図示しないスプリングとを備えた電磁弁が使用されている。バルブ150は、図示しない制御部によって、コネクタ153を介して電磁コイル152に通電されたときの電磁力と、スプリングの弾性力とのバランスによって、主流路130を開閉するようになっている。
【0042】
バルブ150は、通常は主流路130を閉じた状態を維持しており、制御部によって電磁コイル152に通電されると、電磁力がスプリングの弾性力に打ち勝って、主流路130を開いた状態にするようになっている。尚、制御部は、通電のオン時間とオフ時間とによって形成される1周期の時間に対するオン時間の比率、即ちデューティ比を調節して電磁コイル152に通電することで、主流路130を流通する蒸発燃料の流量を調節できるようになっている。
【0043】
分岐流路160は、主流路130のバルブ150よりも下流側、つまり第3流路133の途中部位から分岐する流路である。分岐流路160は、第3流路133に対して交差する方向に延びており、その下流側は、後述するエジェクタ180の吸引部182に接続されている。
【0044】
吸気流入パイプ171は、過給機40によって加圧された吸気の一部を本体部110の内部(以下、詳細説明するエジェクタ180)に流入させる吸気流入流路であり、本体部110の他端側に設けられている。
【0045】
また、吸気流出パイプ172は、本体部110内のエジェクタ180内を流通した吸気を外部に流出させる燃料流出流路であり、本体部110の他端側に設けられている。吸気流出パイプ172の軸心は、吸気流入パイプ171の軸心と一致している。吸気流入パイプ171、吸気流出パイプ172の軸心方向は、燃料流入パイプ121、燃料流出パイプ122の軸心方向と同一となっている。つまり、燃料流入パイプ121、燃料流出パイプ122、吸気流入パイプ171、および吸気流出パイプ172は、互いに平行と成るように配置されている。
【0046】
エジェクタ180は、加圧された吸気が内部を流通する際に形成される負圧によって、蒸発燃料を吸引する流体ポンプであり、ノズル部181、吸引部182、およびディフューザ部183を備えている。エジェクタ180は、吸気流入パイプ171と吸気流出パイプ172との間に配設されている。
【0047】
ノズル部181は、流入する吸気に対して絞り部を形成する流路であり、一端側が吸気流入パイプ171と接続されており、他端側(先端側)が吸気流出パイプ172に向けて延びている。ノズル部181の内径は、先端に向けて徐々に小さくなるように形成されている。ノズル部181は、絞り効果によって吸気流入パイプ171から流入された吸気の流速を高めるようになっている。よって、ノズル部181の先端側において、高速となって吸気が流出される領域は負圧となる。
【0048】
吸引部182は、ノズル部181に対して交差する方向に延びる流路であり、ノズル部181の先端側に接続されている。吸引部182は、分岐流路160と接続されており、ノズル部181の負圧によって、分岐流路160における蒸発燃料を吸引するようになっている。
【0049】
ディフューザ部183は、ノズル部181および吸引部182の下流側で内径を徐々に拡大して吸気流出パイプ172側に延びる流路であり、一端側がノズル部181、および吸引部182と接続されており、拡大された他端側が吸気流出パイプ172に接続されている。ディフューザ部183は、内部を流通する吸気および蒸発燃料の流速を低下させつつ、圧力を上昇させるようになっている。
【0050】
ノズル部181とディフューザ部183の軸心は、吸気流入パイプ171、および吸気流出パイプ172の軸心と一致している。つまり、ノズル部181、ディフューザ部183、吸気流入パイプ171、および吸気流出パイプ172の各軸心は、同一の軸心上に配置されている。
【0051】
尚、吸気流入パイプ171と、吸気流出パイプ172と、エジェクタ180とを組み合わせた部位の吸気が流れる方向の全体寸法については、燃料流入パイプ121と、燃料流出パイプ122と、主流路130とを組み合わせた部位の蒸発燃料が流れる方向(各パイプ121、122の軸線方向)の全体寸法よりも小さくなるように設定するのが好ましい。
【0052】
第1逆止弁191は、主流路130において、分岐流路160が分岐する分岐点と、燃料流出パイプ121との間(第3流路133)に配設された弁である。第1逆止弁191は、主流路130において、燃料流入パイプ121から燃料流出パイプ122への蒸発燃料の本来の流通を許容すると共に、燃料流出パイプ122から燃料流入パイプ121への蒸発燃料の逆流を阻止するようになっている。第1逆止弁191は、例えば茸状を成して、蒸発燃料の本来の流通に伴って流路を開き、蒸発燃料の逆流に伴って流路を閉じる弁体が使用されている。
【0053】
第2逆止弁191は、分岐流路160に配設された弁である。第2逆止弁192は、分岐流路160において、燃料流入パイプ121から吸気流出パイプ172への蒸発燃料の本来の流通を許容すると共に、吸気流入パイプ171から燃料流入パイプ121への蒸発燃料の逆流を阻止するようになっている。第2逆止弁192は、上記第1逆止弁191と同様に、例えば茸状を成して、蒸発燃料の本来の流通に伴って流路を開き、蒸発燃料の逆流に伴って流路を閉じる弁体が使用されている。
【0054】
次に、上記構成に基づく蒸発燃料パージ装置100の作動について説明する。蒸発燃料パージ装置100は、過給機40が作動されないときの「通常パージ」と、過給機40が作動されたときの「過給時バージ」とを行う。
【0055】
1.通常バージ
車両の走行時において、過給機40が作動していない場合に、図示しない制御部によってバルブ150が開かれると、ピストンの吸入作用によって発生する吸気マニホールド10内の負圧と、キャニスタ70にかかる大気圧との差によって、キャニスタ70内に吸着された蒸気燃料は、燃料流入パイプ121、主流路130(第1流路131、第2流路132)、バルブ150、主流路130(第3流路133)、第1逆止弁191、主流路130(第3流路133)、および燃料流出パイプ122を流れ、吸気マニホールド10内に吸引される。
【0056】
そして、吸気マニホールド10内に吸引された蒸発燃料は、インジェクタ等からエンジンに供給される本来の燃焼用燃料と混合されて、エンジンのシリンダ内で燃焼される。
【0057】
尚、エンジンのシリンダ内においては、燃焼用燃料と吸気との混合割合である空燃比が予め定めた所定の空燃比となるように制御される。制御部は、バルブ150の開閉時間をデューティ制御することで、蒸発燃料をパージしても、所定の空燃比が維持されるように、蒸発燃料のパージ量を調節するようになっている。
【0058】
2.過給時パージ
車両の走行時において、過給機40が作動している場合には、吸気マニホールド40内は加圧された吸気によって正圧となるので、上記のような蒸発燃料の吸引が困難となる。過給時パージにおいては、過給機40によって過給された吸気の一部が、吸気流入パイプ171からエジェクタ180内を流通して、吸気流出パイプ172から過給機40の上流側に戻る。
【0059】
このとき、制御部によってバルブ150が開かれると、エジェクタ180の吸引部182の吸引作用により、キャニスタ70内に吸着された蒸気燃料は、燃料流入パイプ121、主流路130(第1流路131、第2流路132)、バルブ150、主流路130(第3流路133)、分岐流路160を通り、吸引部182からエジェクタ180に吸引され、エジェクタ180内を流通する吸気と共に吸気流出パイプ172から過給機40の上流側に供給される。
【0060】
そして、過給機40の上流側に供給された蒸発燃料は、吸気管20を介して吸気マニホールド10内に至り、インジェクタ等からエンジンに供給される本来の燃焼用燃料と混合されて、エンジンのシリンダ内で燃焼される。
【0061】
この場合も、制御部は、バルブ150の開閉時間をデューティ制御することで、吸気管20に蒸発燃料をパージしても、所定の空燃比が維持されるように、蒸発燃料のパージ量を調節するようになっている。
【0062】
このように、本蒸発燃料パージ装置100においては、過給機40を備えるエンジンであっても、蒸発燃料を吸気マニホールド10あるいは、過給機40の上流側に供給することができる。
【0063】
蒸気燃料パージ装置100は、燃料流入パイプ121、燃料流出パイプ122、主流路130、バルブ150、分岐流路160、吸気流入パイプ171、吸気流出パイプ172、およびエジェクタ180が一体的に形成されているので、部品点数を低減して、コンパクトにすることができ、車両への搭載性に優れるものとすることができる。
【0064】
また、燃料流入パイプ121、燃料流出パイプ122、吸気流入パイプ171、および吸気流出パイプ172の全てが互いに平行となるように配置されているので、互いに平行に延びる方向に対して交差する方向の体格を小さくして、コンパクト化することができる。そして、蒸発燃料パージ装置100をエンジン側(エンジンの吸気系1)と燃料タンク60側(蒸発燃料パージ系2)に接続する際に、接続方向を全て統一することができ、接続時の作業性を向上させることができる。
【0065】
また、主流路130の燃料流出パイプ122と分岐流路160が分岐する分岐点との間に、第1逆止弁191を設けるようにしている。これにより、過給機40が作動した時に、吸気マニホールド10内が正圧となり、蒸発燃料が吸気マニホールド10側から燃料流出パイプ122、更にはバルブ150を介して燃料流入パイプ121(燃料タンク60)側へ逆流しようとする状況が発生しても、第1逆止弁191によって、その逆流を阻止することができる。
【0066】
また、分岐流路160には、第2逆止弁192を設けるようにしている。これにより、吸気流出パイプ172と過給機40の上流側との間で、万一流路が詰まるようなことがあった時に、過給機40によって加圧された吸気によって、蒸発燃料が過給機40の下流側から吸気流入パイプ171、吸引部182、更にはバルブ150を介して燃料流入パイプ121(燃料タンク60)側へ逆流しようとする状況が発生しても、第2逆止弁192によって、その逆流を阻止することができる。
【0067】
また、吸気流入パイプ171と、吸気流出パイプ172と、エジェクタ180とを組み合わせた部位の吸気が流れる方向の全体寸法を、燃料流入パイプ121と、燃料流出パイプ122と、主流路130とを組み合わせた部位の蒸発燃料が流れる方向(各パイプ121、122の軸線方向)の全体寸法よりも小さくなるように設定することが好ましいことを述べた。これにより、従来のバルブのみを備えるパージバルブに対して、それよりも小型のエジェクタ180を一体装着した蒸発燃料パージ装置100とすることができるので、全体的に小型のものとすることができる。
【0068】
(その他の実施形態)
上記第1実施形態では、燃料流入パイプ121、燃料流出パイプ122、吸気流入パイプ171、吸気流出パイプ172の軸線方向は、全て同一となるようにしたが、これに限定されるものではなく、異なる方向に設定されるものとしても良い。少なくとも3つのパイプの軸線方向が同一となるようにするのが好ましい。
【0069】
また、第2逆止弁192は、吸気流出パイプ172と過給機40の上流側との間で詰まりが発生することを想定して過給機40側からの逆流を阻止するものとして設けた。しかしながら、詰りの発生頻度を勘案して、発生頻度が充分に低ければ、第2逆止弁192を廃止しても良い。
【符号の説明】
【0070】
40 過給機
60 燃料タンク
100 蒸発燃料パージ装置
121 燃料流入パイプ(燃料流入流路)
122 燃料流出パイプ(燃料流出流路)
130 主流路
150 バルブ
160 分岐流路
171 吸気流入パイプ(吸気流入流路)
172 吸気流出パイプ(吸気流出パイプ)
180 エジェクタ
182 吸引部
191 第1逆止弁
192 第2逆井弁
【技術分野】
【0001】
本発明は、過給機を備えるエンジンに蒸発燃料をパージする蒸発燃料パージ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の蒸発燃料パージ装置として、例えば特許文献1に示されるものが知られている。特許文献1の蒸発燃料パージ装置は、過給機を備えるエンジンに設けられている。過給機が作動していない場合であると、吸気マニホールド内はピストンの吸入作用によって負圧となり、メインパージ制御弁が開かれることで、燃料タンク内で蒸発してキャニスタ内に吸着された蒸発燃料が吸気マニホールド内に吸引されるようになっている。
【0003】
また、過給機が作動して吸気マニホールド内が正圧となる場合であると、過給機の下流側にて圧縮空気が蓄圧タンクに蓄えられ、この蓄圧タンクから圧縮空気がエジェクタに送られ、蒸発燃料はエジェクタの吸引作用によって吸引されて、吸気マニホールド内に供給されるようになっている。
【0004】
更に、過給機が作動して吸気マニホールド内が正圧となり、蓄圧タンクに圧縮空気が充分に蓄えられていない状態であると、過給圧によってサブパージ制御弁が開かれ、燃料タンク内の蒸発燃料は、過給機の上流側に吸引されるようになっている。
【0005】
このように、引用文献1の蒸発燃料パージ装置は、過給機を備えるエンジンに対して、過給機の作動に伴って吸気マニホールド内が正圧になっても、吸気マニホールド内、あるいは過給機の上流側への蒸発燃料の供給を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−38808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、引用文献1の蒸発燃料パージ装置においては、メインパージ制御弁、およびエジェクタが各種配管によって複雑に接続されており、部品点数が増加し、車両への搭載性の悪いものとなっていた。
【0008】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、過給機を備えるエンジンに蒸発燃料を供給するものにおいて、部品点数を低減して搭載性に優れる蒸発燃料パージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0010】
請求項1に記載の発明では、燃料タンク(60)内で発生する蒸発燃料を、過給機(40)を備えるエンジンにパージする蒸発燃料パージ装置において、
蒸発燃料を流入させる燃料流入流路(121)と、
蒸発燃料を流出させる燃料流出流路(122)と、
燃料流入流路(121)と燃料流出流路(122)とを繋ぎ、蒸発燃料を流通させる主流路(130)と、
主流路(130)の途中に配設されて、主流路(130)を開閉するバルブ(150)と、
主流路(130)のバルブ(150)よりも下流側から分岐された分岐流路(160)と、
過給機(40)の下流側の吸気の一部を流入させる吸気流入流路(171)と、
吸気の一部を過給機(40)の上流側に流出させる吸気流出流路(172)と、
吸気流入流路(171)と吸気流出流路(172)との間に配設され、吸気の一部を流通させると共に、吸気の流れによって吸引機能を発揮する吸引部(182)に分岐流路(160)が接続されたエジェクタ(180)とが一体的に形成されており、
燃料流入流路(121)、燃料流出流路(122)、吸気流入流路(171)、および吸気流出流路(172)のうち、少なくとも3つは、互いに平行となるように配置されたことを特徴としている。
【0011】
この発明においては、燃料流入流路(121)は、燃料タンク(60)側に接続され、燃料流出流路(122)は、エンジンの吸気マニホールド(10)側に接続される。また、吸気流入流路(171)は、過給機(40)の下流側と接続され、吸気流出流路(172)は、過給機(40)の上流側に接続される。
【0012】
過給機(40)が作動していない場合にバルブ(150)が開かれると、吸気マニホールド(10)内の負圧によって蒸気燃料は、燃料流入流路(121)、主流路(130)、バルブ(150)、主流路(130)、燃料流出流路(122)を流れ、吸気マニホールド(10)内に吸引される。
【0013】
また、過給機(40)が作動している場合であると、吸気マニホールド(40)内は正圧となって上記のような蒸発燃料の吸引が困難となるが、ここでは、エジェクタ(180)内を吸気が流通するようになっており、バルブ(150)が開かれると、エジェクタ(180)の吸引部(182)の吸引作用により、蒸気燃料は、燃料流入流路(121)、主流路(130)、バルブ(150)、分岐流路(160)を通り、吸引部(182)からエジェクタ(180)に吸引され、エジェクタ(180)内を流通する吸気と共に吸気流出流路(172)から過給機(40)の上流側に供給される。
【0014】
このように、過給機(40)を備えるエンジンであっても、蒸発燃料を吸気マニホールド(10)あるいは、過給機(40)の上流側に供給することができる。
【0015】
この蒸気燃料パージ装置(100)は、燃料流入流路(121)、燃料流出流路(122)、主流路(130)、バルブ(150)、分岐流路(160)、吸気流入流路(171)、吸気流出流路(172)、およびエジェクタ(180)が一体的に形成されているので、部品点数を低減して、コンパクトにすることができ、搭載性に優れるものとすることができる。
【0016】
更に、ここでは、燃料流入流路(121)、燃料流出流路(122)、吸気流入流路(171)、および吸気流出流路(172)のうち、少なくとも3つは、互いに平行となるように配置されているので、互いに平行に延びる方向に対して交差する方向の体格をできるだけ小さくして、コンパクト化することができる。そして、蒸発燃料パージ装置(100)をエンジン側と燃料タンク(60)側との間に接続する際に、接続方向をできるだけ統一することができ、接続時の作業性を向上させることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明では、燃料流入流路(121)、燃料流出流路(122)、吸気流入流路(171)、および吸気流出流路(172)は、全てが互いに平行となるように配置されたことを特徴としている。
【0018】
この発明によれば、燃料流入流路(121)、燃料流出流路(122)、吸気流入流路(171)、および吸気流出流路(172)は、全て互いに平行となるように配置されるようにしているので、互いに平行に延びる方向に対して交差する方向の体格を小さくして、コンパクト化することができる。そして、蒸発燃料パージ装置(100)をエンジン側と燃料タンク(60)側との間に接続する際に、接続方向を全て統一することができ、接続時の作業性を更に向上させることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、主流路(130)の、燃料流出流路(122)と分岐流路(160)の分岐点との間に、燃料流出流路(122)側から燃料流入流路(121)側への蒸発燃料の逆流を阻止する第1逆止弁(191)が設けられたことを特徴としている。
【0020】
この発明によれば、過給機(40)が作動した時に、吸気マニホールド(10)内が正圧となり、蒸発燃料が吸気マニホールド(10)側から燃料流出流路(122)、更にはバルブ(150)を介して燃料流入流路(121)側へ逆流しようとするが、第1逆止弁(191)によって、その逆流を阻止することができる。
【0021】
請求項4に記載の発明では、分岐流路(160)に、吸気流入流路(171)側から燃料流入流路(121)側への蒸発燃料の逆流を阻止する第2逆止弁(192)が設けられたことを特徴としている。
【0022】
この発明によれば、吸気流出流路(172)と過給機(40)の上流側との間で、万一流路が詰まるようなことがあると、過給機(40)によって加圧された吸気によって、蒸発燃料が過給機(40)の下流側から吸気流入流路(171)、吸引部(182)、更にはバルブ(150)を介して燃料流入流路(121)側へ逆流しようとするが、第2逆止弁(192)によって、その逆流を阻止することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明では、吸気流入流路(171)と、吸気流出流路(172)と、エジェクタ(180)との吸気が流れる方向の全体寸法は、燃料流入流路(121)と、燃料流出流路(122)と、主流路(130)との蒸発燃料が流れる方向の全体寸法よりも小さくなるように設定されたことを特徴としている。
【0024】
この発明によれば、従来のバルブのみを備えるパージバルブに対して、それよりも小型のエジェクタ(180)を装着した蒸発燃料パージ装置(100)とすることができるので、全体的に小型のものとすることができる。
【0025】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】エンジン吸気系、蒸発燃料パージ系、および蒸発燃料パージ装置を示す全体概略図である。
【図2】蒸発燃料パージ装置の外観を示す斜視図である。
【図3】蒸発燃料パージ装置の内部構造を示す立体断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0028】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる蒸発燃料パージ装置100について、図1〜図3を用いて説明する。図1はエンジン吸気系1、蒸発燃料パージ系2、および蒸発燃料パージ装置100を示す全体概略図、図2は蒸発燃料パージ装置100の外観を示す斜視図、図3は蒸発燃料パージ装置100の内部構造を示す立体断面図である。
【0029】
蒸発燃料パージ装置100は、燃料タンク60内で発生する蒸発燃料が、給油時等に大気中に放出されるのを防止するために、蒸発燃料をエンジンの吸気系1に導入(パージ)するものである。エンジンの吸気系1に導入された蒸発燃料は、図示しないインジェクタ等からエンジンに供給される燃焼用燃料と混合されて、エンジンのシリンダ内で燃焼されるようになっている。蒸発燃料パージ装置100は、エンジンの吸気系1と、蒸発燃料バージ系2とに接続されている。
【0030】
エンジンの吸気系1は、内燃機関であるエンジンの吸気マニホールド10に吸気管20が接続され、更に、吸気管20にフィルタ30、過給機40、インタークーラ50、スロットルバルブ11等が設けられて形成されている。
【0031】
フィルタ30は、吸気管20の最上流部に配設されており、吸気中の塵や埃等を捕捉するようになっている。過給機40は、吸気の充填効率を高めるための吸気用圧縮機であり、フィルタ30よりも下流側に配設されている。過給機40は、エンジンの排気エネルギーによってタービンが作動されて、タービンに連動するコンプレッサでフィルタ30を通過した吸気を加圧するようになっている。インタークーラ50は、冷却用の熱交換機であり、過給機40の下流側に配設されている。インタークーラ50は、過給機40によって加圧された吸気と例えば外気との間で熱交換し、吸気を冷却(空冷)するようになっている。スロットバルブ11は、吸気量調節弁であり、アクセルペダルと連動して吸気マニホールド10の入口部における開度を調節して、吸気マニホールド10内に流入される吸気量を調節するようになっている。吸気は、上記各機器30、40、50、11を通過して吸気マニホールド10内に流入し、インジェクタ等から噴射される燃焼用燃料と所定の空燃比となるように混合されて、シリンダ内で燃焼される。
【0032】
吸気管20における過給機40の下流側、即ち、過給機40とインタークーラ50との間となる部位は、蒸発燃料パージ装置100の吸気流入パイプ171と接続されている。また、吸気管20における過給機40の上流側、即ち、フィルタ30と過給機40との間となる部位は、蒸発燃料パージ装置100の吸気流出パイプ172と接続されている。
【0033】
蒸発燃料パージ系2は、燃料タンク60、およびキャニスタ70が、配管61、71、72にて吸気マニホールド10に接続されて形成されている。配管71と配管72との間に蒸発燃料パージ装置100が介在されている。
【0034】
燃料タンク60は、ガソリン等の燃料を貯留する容器である。燃料タンク60は、配管61によってキャニスタ70の流入部70aに接続されている。キャニスタ70は、内部に活性炭等の吸着材が封入された容器であり、燃料タンク60内で発生する蒸発燃料を、配管61を介して流入部70aから取り入れ、吸着材に一時的に吸着するようになっている。キャニスタ70には、外部の新鮮な空気を吸入するための吸入部70bが設けられており、吸入された新鮮な空気によって吸着材に吸着した蒸発燃料は、容易に離脱されるようになっている。キャニスタ70に吸入部70bが形成されることで、キャニスタ70内には大気圧が作用するようになっている。
【0035】
そして、キャニスタ70には、吸着材から離脱された蒸発燃料が流出される流出部70cが設けられている。流出部70cには配管71の一端側が接続され、他端側は蒸発燃料パージ装置100の燃料流入パイプ121に接続されている。そして、蒸発燃料パージ装置100の燃料流出パイプ122に配管72の一端側が接続され、他端側は吸気マニホールド10の流入部に接続されている。
【0036】
蒸発燃料パージ装置100は、本体部110から突出する燃料流入パイプ121、燃料流出パイプ122、吸気流入パイプ171、吸気流出パイプ172を備え、更に、本体部110の内部に、主流路130、フィルタ140、バルブ150、分岐流路160、エジェクタ180、第1逆止弁191、第2逆止弁192等が一体的に設けられて形成されている。
【0037】
燃料流入パイプ121は、キャニスタ70から流出される蒸発燃料を本体部110の内部(以下、詳細説明する主流路130、分岐流路160、エジェクタ180)に流入させる燃料流入流路であり、本体部110の一端側に設けられている。
【0038】
また、燃料流出パイプ122は、本体部110内の主流路130を流通した蒸発燃料を外部に流出させる燃料流出流路であり、本体部110の他端側に設けられている。燃料流出パイプ122の軸心方向は、燃料流入パイプ121の軸心方向と同一となっているが、両軸心位置はずれている。つまり、燃料流出パイプ122は、燃料流入パイプ121に対して平行と成るように配置されている。
【0039】
主流路130は、本体部110内にて燃料流入パイプ121と燃料流出パイプ122とを繋ぎ、蒸発燃料を流通させる流路として形成されている。主流路130は、燃料流入パイプ121の長手方向に沿って延びる第1流路131と、第1流路131に対して交差する方向に延びる第2流路132と、第2流路132から更に第1流路131と同方向となって燃料流出パイプ122に向けて延びる第3流路133とから形成されている。主流路130は、第1〜第3流路131〜133によって、クランク状に形成されている。
【0040】
フィルタ140は、蒸発燃料中の塵や埃等を捕捉するものであり、第2流路132の途中部位に配設されている。フィルタ140は、例えば微細な網目状を成すメッシュ部材から形成されている。
【0041】
バルブ150は、主流路130を開閉する開閉手段であり、主流路130の途中部位に配設されている。ここでは、バルブ150は、フィルタ140の下流側で、第2流路132から第3流路133に移り変わる領域に設けられている。バルブ150は、弁体151と電磁コイル152と図示しないスプリングとを備えた電磁弁が使用されている。バルブ150は、図示しない制御部によって、コネクタ153を介して電磁コイル152に通電されたときの電磁力と、スプリングの弾性力とのバランスによって、主流路130を開閉するようになっている。
【0042】
バルブ150は、通常は主流路130を閉じた状態を維持しており、制御部によって電磁コイル152に通電されると、電磁力がスプリングの弾性力に打ち勝って、主流路130を開いた状態にするようになっている。尚、制御部は、通電のオン時間とオフ時間とによって形成される1周期の時間に対するオン時間の比率、即ちデューティ比を調節して電磁コイル152に通電することで、主流路130を流通する蒸発燃料の流量を調節できるようになっている。
【0043】
分岐流路160は、主流路130のバルブ150よりも下流側、つまり第3流路133の途中部位から分岐する流路である。分岐流路160は、第3流路133に対して交差する方向に延びており、その下流側は、後述するエジェクタ180の吸引部182に接続されている。
【0044】
吸気流入パイプ171は、過給機40によって加圧された吸気の一部を本体部110の内部(以下、詳細説明するエジェクタ180)に流入させる吸気流入流路であり、本体部110の他端側に設けられている。
【0045】
また、吸気流出パイプ172は、本体部110内のエジェクタ180内を流通した吸気を外部に流出させる燃料流出流路であり、本体部110の他端側に設けられている。吸気流出パイプ172の軸心は、吸気流入パイプ171の軸心と一致している。吸気流入パイプ171、吸気流出パイプ172の軸心方向は、燃料流入パイプ121、燃料流出パイプ122の軸心方向と同一となっている。つまり、燃料流入パイプ121、燃料流出パイプ122、吸気流入パイプ171、および吸気流出パイプ172は、互いに平行と成るように配置されている。
【0046】
エジェクタ180は、加圧された吸気が内部を流通する際に形成される負圧によって、蒸発燃料を吸引する流体ポンプであり、ノズル部181、吸引部182、およびディフューザ部183を備えている。エジェクタ180は、吸気流入パイプ171と吸気流出パイプ172との間に配設されている。
【0047】
ノズル部181は、流入する吸気に対して絞り部を形成する流路であり、一端側が吸気流入パイプ171と接続されており、他端側(先端側)が吸気流出パイプ172に向けて延びている。ノズル部181の内径は、先端に向けて徐々に小さくなるように形成されている。ノズル部181は、絞り効果によって吸気流入パイプ171から流入された吸気の流速を高めるようになっている。よって、ノズル部181の先端側において、高速となって吸気が流出される領域は負圧となる。
【0048】
吸引部182は、ノズル部181に対して交差する方向に延びる流路であり、ノズル部181の先端側に接続されている。吸引部182は、分岐流路160と接続されており、ノズル部181の負圧によって、分岐流路160における蒸発燃料を吸引するようになっている。
【0049】
ディフューザ部183は、ノズル部181および吸引部182の下流側で内径を徐々に拡大して吸気流出パイプ172側に延びる流路であり、一端側がノズル部181、および吸引部182と接続されており、拡大された他端側が吸気流出パイプ172に接続されている。ディフューザ部183は、内部を流通する吸気および蒸発燃料の流速を低下させつつ、圧力を上昇させるようになっている。
【0050】
ノズル部181とディフューザ部183の軸心は、吸気流入パイプ171、および吸気流出パイプ172の軸心と一致している。つまり、ノズル部181、ディフューザ部183、吸気流入パイプ171、および吸気流出パイプ172の各軸心は、同一の軸心上に配置されている。
【0051】
尚、吸気流入パイプ171と、吸気流出パイプ172と、エジェクタ180とを組み合わせた部位の吸気が流れる方向の全体寸法については、燃料流入パイプ121と、燃料流出パイプ122と、主流路130とを組み合わせた部位の蒸発燃料が流れる方向(各パイプ121、122の軸線方向)の全体寸法よりも小さくなるように設定するのが好ましい。
【0052】
第1逆止弁191は、主流路130において、分岐流路160が分岐する分岐点と、燃料流出パイプ121との間(第3流路133)に配設された弁である。第1逆止弁191は、主流路130において、燃料流入パイプ121から燃料流出パイプ122への蒸発燃料の本来の流通を許容すると共に、燃料流出パイプ122から燃料流入パイプ121への蒸発燃料の逆流を阻止するようになっている。第1逆止弁191は、例えば茸状を成して、蒸発燃料の本来の流通に伴って流路を開き、蒸発燃料の逆流に伴って流路を閉じる弁体が使用されている。
【0053】
第2逆止弁191は、分岐流路160に配設された弁である。第2逆止弁192は、分岐流路160において、燃料流入パイプ121から吸気流出パイプ172への蒸発燃料の本来の流通を許容すると共に、吸気流入パイプ171から燃料流入パイプ121への蒸発燃料の逆流を阻止するようになっている。第2逆止弁192は、上記第1逆止弁191と同様に、例えば茸状を成して、蒸発燃料の本来の流通に伴って流路を開き、蒸発燃料の逆流に伴って流路を閉じる弁体が使用されている。
【0054】
次に、上記構成に基づく蒸発燃料パージ装置100の作動について説明する。蒸発燃料パージ装置100は、過給機40が作動されないときの「通常パージ」と、過給機40が作動されたときの「過給時バージ」とを行う。
【0055】
1.通常バージ
車両の走行時において、過給機40が作動していない場合に、図示しない制御部によってバルブ150が開かれると、ピストンの吸入作用によって発生する吸気マニホールド10内の負圧と、キャニスタ70にかかる大気圧との差によって、キャニスタ70内に吸着された蒸気燃料は、燃料流入パイプ121、主流路130(第1流路131、第2流路132)、バルブ150、主流路130(第3流路133)、第1逆止弁191、主流路130(第3流路133)、および燃料流出パイプ122を流れ、吸気マニホールド10内に吸引される。
【0056】
そして、吸気マニホールド10内に吸引された蒸発燃料は、インジェクタ等からエンジンに供給される本来の燃焼用燃料と混合されて、エンジンのシリンダ内で燃焼される。
【0057】
尚、エンジンのシリンダ内においては、燃焼用燃料と吸気との混合割合である空燃比が予め定めた所定の空燃比となるように制御される。制御部は、バルブ150の開閉時間をデューティ制御することで、蒸発燃料をパージしても、所定の空燃比が維持されるように、蒸発燃料のパージ量を調節するようになっている。
【0058】
2.過給時パージ
車両の走行時において、過給機40が作動している場合には、吸気マニホールド40内は加圧された吸気によって正圧となるので、上記のような蒸発燃料の吸引が困難となる。過給時パージにおいては、過給機40によって過給された吸気の一部が、吸気流入パイプ171からエジェクタ180内を流通して、吸気流出パイプ172から過給機40の上流側に戻る。
【0059】
このとき、制御部によってバルブ150が開かれると、エジェクタ180の吸引部182の吸引作用により、キャニスタ70内に吸着された蒸気燃料は、燃料流入パイプ121、主流路130(第1流路131、第2流路132)、バルブ150、主流路130(第3流路133)、分岐流路160を通り、吸引部182からエジェクタ180に吸引され、エジェクタ180内を流通する吸気と共に吸気流出パイプ172から過給機40の上流側に供給される。
【0060】
そして、過給機40の上流側に供給された蒸発燃料は、吸気管20を介して吸気マニホールド10内に至り、インジェクタ等からエンジンに供給される本来の燃焼用燃料と混合されて、エンジンのシリンダ内で燃焼される。
【0061】
この場合も、制御部は、バルブ150の開閉時間をデューティ制御することで、吸気管20に蒸発燃料をパージしても、所定の空燃比が維持されるように、蒸発燃料のパージ量を調節するようになっている。
【0062】
このように、本蒸発燃料パージ装置100においては、過給機40を備えるエンジンであっても、蒸発燃料を吸気マニホールド10あるいは、過給機40の上流側に供給することができる。
【0063】
蒸気燃料パージ装置100は、燃料流入パイプ121、燃料流出パイプ122、主流路130、バルブ150、分岐流路160、吸気流入パイプ171、吸気流出パイプ172、およびエジェクタ180が一体的に形成されているので、部品点数を低減して、コンパクトにすることができ、車両への搭載性に優れるものとすることができる。
【0064】
また、燃料流入パイプ121、燃料流出パイプ122、吸気流入パイプ171、および吸気流出パイプ172の全てが互いに平行となるように配置されているので、互いに平行に延びる方向に対して交差する方向の体格を小さくして、コンパクト化することができる。そして、蒸発燃料パージ装置100をエンジン側(エンジンの吸気系1)と燃料タンク60側(蒸発燃料パージ系2)に接続する際に、接続方向を全て統一することができ、接続時の作業性を向上させることができる。
【0065】
また、主流路130の燃料流出パイプ122と分岐流路160が分岐する分岐点との間に、第1逆止弁191を設けるようにしている。これにより、過給機40が作動した時に、吸気マニホールド10内が正圧となり、蒸発燃料が吸気マニホールド10側から燃料流出パイプ122、更にはバルブ150を介して燃料流入パイプ121(燃料タンク60)側へ逆流しようとする状況が発生しても、第1逆止弁191によって、その逆流を阻止することができる。
【0066】
また、分岐流路160には、第2逆止弁192を設けるようにしている。これにより、吸気流出パイプ172と過給機40の上流側との間で、万一流路が詰まるようなことがあった時に、過給機40によって加圧された吸気によって、蒸発燃料が過給機40の下流側から吸気流入パイプ171、吸引部182、更にはバルブ150を介して燃料流入パイプ121(燃料タンク60)側へ逆流しようとする状況が発生しても、第2逆止弁192によって、その逆流を阻止することができる。
【0067】
また、吸気流入パイプ171と、吸気流出パイプ172と、エジェクタ180とを組み合わせた部位の吸気が流れる方向の全体寸法を、燃料流入パイプ121と、燃料流出パイプ122と、主流路130とを組み合わせた部位の蒸発燃料が流れる方向(各パイプ121、122の軸線方向)の全体寸法よりも小さくなるように設定することが好ましいことを述べた。これにより、従来のバルブのみを備えるパージバルブに対して、それよりも小型のエジェクタ180を一体装着した蒸発燃料パージ装置100とすることができるので、全体的に小型のものとすることができる。
【0068】
(その他の実施形態)
上記第1実施形態では、燃料流入パイプ121、燃料流出パイプ122、吸気流入パイプ171、吸気流出パイプ172の軸線方向は、全て同一となるようにしたが、これに限定されるものではなく、異なる方向に設定されるものとしても良い。少なくとも3つのパイプの軸線方向が同一となるようにするのが好ましい。
【0069】
また、第2逆止弁192は、吸気流出パイプ172と過給機40の上流側との間で詰まりが発生することを想定して過給機40側からの逆流を阻止するものとして設けた。しかしながら、詰りの発生頻度を勘案して、発生頻度が充分に低ければ、第2逆止弁192を廃止しても良い。
【符号の説明】
【0070】
40 過給機
60 燃料タンク
100 蒸発燃料パージ装置
121 燃料流入パイプ(燃料流入流路)
122 燃料流出パイプ(燃料流出流路)
130 主流路
150 バルブ
160 分岐流路
171 吸気流入パイプ(吸気流入流路)
172 吸気流出パイプ(吸気流出パイプ)
180 エジェクタ
182 吸引部
191 第1逆止弁
192 第2逆井弁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンク(60)内で発生する蒸発燃料を、過給機(40)を備えるエンジンにパージする蒸発燃料パージ装置において、
前記蒸発燃料を流入させる燃料流入流路(121)と、
前記蒸発燃料を流出させる燃料流出流路(122)と、
前記燃料流入流路(121)と前記燃料流出流路(122)とを繋ぎ、前記蒸発燃料を流通させる主流路(130)と、
前記主流路(130)の途中に配設されて、前記主流路(130)を開閉するバルブ(150)と、
前記主流路(130)の前記バルブ(150)よりも下流側から分岐された分岐流路(160)と、
前記過給機(40)の下流側の吸気の一部を流入させる吸気流入流路(171)と、
前記吸気の一部を前記過給機(40)の上流側に流出させる吸気流出流路(172)と、
前記吸気流入流路(171)と前記吸気流出流路(172)との間に配設され、前記吸気の一部を流通させると共に、前記吸気の流れによって吸引機能を発揮する吸引部(182)に前記分岐流路(160)が接続されたエジェクタ(180)とが一体的に形成されており、
前記燃料流入流路(121)、前記燃料流出流路(122)、前記吸気流入流路(171)、および前記吸気流出流路(172)のうち、少なくとも3つは、互いに平行となるように配置されたことを特徴とする蒸発燃料パージ装置。
【請求項2】
前記燃料流入流路(121)、前記燃料流出流路(122)、前記吸気流入流路(171)、および前記吸気流出流路(172)は、全てが互いに平行となるように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の蒸発燃料パージ装置。
【請求項3】
前記主流路(130)の、前記燃料流出流路(122)と前記分岐流路(160)の分岐点との間に、前記燃料流出流路(122)側から前記燃料流入流路(121)側への前記蒸発燃料の逆流を阻止する第1逆止弁(191)が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蒸発燃料パージ装置。
【請求項4】
前記分岐流路(160)に、前記吸気流入流路(171)側から前記燃料流入流路(121)側への前記蒸発燃料の逆流を阻止する第2逆止弁(192)が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の蒸発燃料パージ装置。
【請求項5】
前記吸気流入流路(171)と、前記吸気流出流路(172)と、前記エジェクタ(180)との前記吸気が流れる方向の全体寸法は、前記燃料流入流路(121)と、前記燃料流出流路(122)と、前記主流路(130)との前記蒸発燃料が流れる方向の全体寸法よりも小さくなるように設定されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の蒸発燃料パージ装置。
【請求項1】
燃料タンク(60)内で発生する蒸発燃料を、過給機(40)を備えるエンジンにパージする蒸発燃料パージ装置において、
前記蒸発燃料を流入させる燃料流入流路(121)と、
前記蒸発燃料を流出させる燃料流出流路(122)と、
前記燃料流入流路(121)と前記燃料流出流路(122)とを繋ぎ、前記蒸発燃料を流通させる主流路(130)と、
前記主流路(130)の途中に配設されて、前記主流路(130)を開閉するバルブ(150)と、
前記主流路(130)の前記バルブ(150)よりも下流側から分岐された分岐流路(160)と、
前記過給機(40)の下流側の吸気の一部を流入させる吸気流入流路(171)と、
前記吸気の一部を前記過給機(40)の上流側に流出させる吸気流出流路(172)と、
前記吸気流入流路(171)と前記吸気流出流路(172)との間に配設され、前記吸気の一部を流通させると共に、前記吸気の流れによって吸引機能を発揮する吸引部(182)に前記分岐流路(160)が接続されたエジェクタ(180)とが一体的に形成されており、
前記燃料流入流路(121)、前記燃料流出流路(122)、前記吸気流入流路(171)、および前記吸気流出流路(172)のうち、少なくとも3つは、互いに平行となるように配置されたことを特徴とする蒸発燃料パージ装置。
【請求項2】
前記燃料流入流路(121)、前記燃料流出流路(122)、前記吸気流入流路(171)、および前記吸気流出流路(172)は、全てが互いに平行となるように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の蒸発燃料パージ装置。
【請求項3】
前記主流路(130)の、前記燃料流出流路(122)と前記分岐流路(160)の分岐点との間に、前記燃料流出流路(122)側から前記燃料流入流路(121)側への前記蒸発燃料の逆流を阻止する第1逆止弁(191)が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蒸発燃料パージ装置。
【請求項4】
前記分岐流路(160)に、前記吸気流入流路(171)側から前記燃料流入流路(121)側への前記蒸発燃料の逆流を阻止する第2逆止弁(192)が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の蒸発燃料パージ装置。
【請求項5】
前記吸気流入流路(171)と、前記吸気流出流路(172)と、前記エジェクタ(180)との前記吸気が流れる方向の全体寸法は、前記燃料流入流路(121)と、前記燃料流出流路(122)と、前記主流路(130)との前記蒸発燃料が流れる方向の全体寸法よりも小さくなるように設定されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の蒸発燃料パージ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2013−15106(P2013−15106A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149485(P2011−149485)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(592056908)浜名湖電装株式会社 (59)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(592056908)浜名湖電装株式会社 (59)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]