説明

蓄圧式発電設備および蓄圧式発電設備における高気密ゲート

【課題】設備が大掛かりとなり、コストが高価となる。
【解決手段】この発明の蓄圧式発電設備1は、高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2と、高圧空気通路管3と、タービン4と、雨水通路管5と、雨水受6と、流入ゲート7と、高気密ゲート8と、第1雨水流出管9と、第2雨水流出管10と、流出ゲート11と、を備えるものである。この結果、この発明の蓄圧式発電設備1は、設備を小型化することができ、コストを安価にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、夜間の余剰電力を利用して空気を蓄圧し、蓄圧した空気を利用して昼間発電する蓄圧式発電設備に関するものである。また、この発明は、前記の蓄圧式発電設備に適した高気密ゲートに関するものである。なお、この明細書、別紙の特許請求の範囲における「管」とは、高圧空気や雨水を通す通路を形成する部材であって、管部材そのものをはじめとして、タンクや建物などの構造物の一部からなるもの、雨水道や下水道などを含む。
【背景技術】
【0002】
蓄圧式発電設備は、従来からある(たとえば、特許文献1)。前記の従来の蓄圧式発電設備は、地下河川・雨水貯留施設等を上池とし、連絡水路で上池からの水を立て坑内の送水管へ導き、立て坑の下部の下池の貯水槽に貯蔵し、深夜電力・太陽光発電・風力発電等で製造した圧縮空気を送気管により下池の貯水槽に送気し、その空気容量と同量の水を貯水槽から送水管を通じて上池の地下河川・雨水貯留施設等に押し上げて気圧を保持し、電量が必要な時に下池の貯水槽に貯蔵した圧縮空気を地上のガスタービンに送気し燃焼し発電するものである。
【0003】
かかる蓄圧式発電設備は、上池としての地下河川・雨水貯留施設等のほかに、下池としての貯水槽を必要とするので、設備が大掛かりとなり、コストが高価となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−21262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、設備が大掛かりとなり、コストが高価となるという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、地下に設けられている高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンクと、高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンクに高圧空気通路管を介して接続されていて、夜間の余剰電力を利用して高圧空気を高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留し、高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留した高圧空気を利用して昼間発電するタービンと、高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンクに雨水通路管を介して接続されている地上の雨水受と、雨水通路管の前記雨水受側に開閉可能に設けられている流入ゲートと、雨水通路管の高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク側に開閉可能に設けられている高気密ゲートと、雨水通路管の雨水受と流入ゲートとの間に接続されていて、通常の降雨時の雨水を河川や海に流出させる第1雨水流出管と、雨水通路管の高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンクと流入ゲートとの間に接続されていて、洪水時の雨水を河川や海に流出させる第2雨水流出管と、第2雨水流出管の途中に開閉可能に設けられている流出ゲートと、を備え、流入ゲートが、通常時には、閉状態であって、通常時の雨水を雨水受から雨水通路管および第1雨水流出管を経て河川や海に流出させ、洪水時には、開状態であって、洪水時の雨水を雨水受から雨水通路管を経て高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク側に流入させ、高気密ゲートが、通常時には、閉状態であって、高圧空気を高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留させ、洪水時には、開状態であって、洪水時の雨水を雨水受から雨水通路管および開状態の流入ゲートを経て高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留させ、流出ゲートが、洪水時には、閉状態であって、洪水時の雨水を雨水受から雨水通路管および開状態の流入ゲートを経て高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留させ、洪水終了時には、開状態であって、高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留した洪水時の雨水を雨水通路管および第2雨水流出管を経て河川や海に流出させる、ことを特徴とする。
【0007】
この発明(請求項2にかかる発明)は、前記の請求項1に記載の蓄圧式発電設備において、高気密ゲートが、雨水通路管に設けられている座部と、座部にスライド可能に設けられていて、雨水通路管を開閉する扉体と、扉体を開閉スライドさせるアクチュエータと、座部および扉体の高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク側を水密に保つ水密部と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明(請求項1にかかる発明)の蓄圧式発電設備は、前記の課題を解決するための手段により、通常においては、夜間の余剰電力を利用して高圧空気を高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留し、高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留した高圧空気を利用して昼間発電するものであり、また、洪水時においては、洪水時の雨水を高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留して洪水からの被害を未然に防ぐものである。このように、この発明(請求項1にかかる発明)の蓄圧式発電設備は、洪水時以外には使用されていない地下雨水貯留施設や地下洪水時遊水施設などを、高圧空気を貯留するタンクとして利用して発電するものである。このために、この発明(請求項1にかかる発明)の蓄圧式発電設備は、地下雨水貯留施設や地下洪水時遊水施設など(上池)のみを必要とするので、上池としての地下河川・雨水貯留施設等のほかに下池としての貯水槽を必要とする前記の従来の蓄圧式発電設備と比較して、設備を小型化することができ、コストを安価にすることができる。
【0009】
この発明(請求項2にかかる発明)の蓄圧式発電設備における高気密ゲートは、水密部により、座部および扉体の高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク側を水密に保つことができるので、座部および扉体の高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク側を気密に保つ構造と比較して、高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留されている高圧空気が高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中から雨水通路管側に漏れるのを確実に防止することができる。この結果、この発明(請求項2にかかる発明)の蓄圧式発電設備における高気密ゲートは、洪水防止施設の地下雨水貯留施設や地下洪水時遊水施設などを発電に確実にかつ有効に利用することができる。特に、この発明(請求項2にかかる発明)の蓄圧式発電設備における高気密ゲートは、前記の請求項1に記載の蓄圧式発電設備において、最適である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、この発明にかかる蓄圧式発電設備および蓄圧式発電設備における高気密ゲートの実施例を示す通常時の概略説明図である。
【図2】図2は、図1におけるII部の拡大概略説明図である。
【図3】図3は、洪水時の状態を示す概略説明図である。
【図4】図4は、図3におけるIV部の拡大概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明にかかる蓄圧式発電設備および蓄圧式発電設備における高気密ゲートの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0012】
「構造の説明」
図1、図3中における符号「1」は、この実施例にかかる蓄圧式発電設備である。前記蓄圧式発電設備1は、高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2と、高圧空気通路管3と、タービン4と、雨水通路管5と、雨水受6と、流入ゲート7と、高気密ゲート8と、第1雨水流出管9と、第2雨水流出管10と、流出ゲート11と、を備えるものである。
【0013】
前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2は、地下に設けられている新設もしくは既設の地下雨水貯留施設や地下洪水時遊水施設などである。前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2は、高圧空気たとえば約10〜50気圧の高圧空気および雨水を貯留できる強度を有している構造物である。
【0014】
前記タービン4は、地上に配置されている。前記タービン4には、電動・発電機(図示せず)が設けられている。前記タービン4は、前記高圧空気通路管3を介して前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2に接続されている。前記タービン4は、夜間の余剰電力を利用して前記電動機により駆動されて空気を高圧にし、その高圧空気12を前記高圧空気通路管3を介して前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留する(図1中の破線矢印を参照)。また、前記タービン4は、前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留した高圧空気12を前記高圧空気通路管3を介して取り出して(図1中の一点鎖線矢印を参照)利用して回転されて前記発電機を駆動させて昼間発電する。
【0015】
前記雨水受6は、地上に設けられているたとえば側溝である。前記雨水受6は、前記雨水通路管5を介して前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2に接続されている。前記雨水受6は、雨水13(図1、図3中の実線矢印を参照)を受けるものである。
【0016】
前記流入ゲート7は、前記雨水通路管5の前記雨水受6側に開閉可能に設けられている。前記流入ゲート7は、遠隔操作により開閉される。前記流入ゲート7としては、バルブであっても良い。
【0017】
前記高気密ゲート8は、前記雨水通路管5の前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2側に開閉可能に設けられている。前記高気密ゲート8は、遠隔操作により開閉される。前記高気密ゲート8としては、バルブであっても良い。
【0018】
前記第1雨水流出管9は、前記雨水通路管5の前記雨水受6と前記流入ゲート7との間に接続されている。前記第1雨水流出管9は、通常の降雨時の雨水13を河川や海14に流出させる。なお、図1、図3においては、河川のみ図示してある。
【0019】
前記第2雨水流出管10は、前記雨水通路管5の前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2と前記流入ゲート7との間に接続されている。前記第2雨水流出管10は、洪水時の雨水13を河川や海14に流出させるものである。
【0020】
前記流出ゲート11は、前記第2雨水流出管10の途中に開閉可能に設けられている。前記流出ゲート11は、遠隔操作により開閉される。前記流出ゲート11としては、バルブであっても良い。
【0021】
前記流入ゲート7は、通常時には、閉状態であって、通常時の雨水13を前記雨水受6から前記雨水通路管5および前記第1雨水流出管9を経て河川や海14に流出させる。前記流入ゲート7は、洪水時には、開状態であって、洪水時の雨水13を前記雨水受6から前記雨水通路管5を経て前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2側に流入させる。
【0022】
前記高気密ゲート8は、通常時には、閉状態であって、高圧空気12を前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留させる。前記高気密ゲート8は、洪水時には、開状態であって、洪水時の雨水13を前記雨水受6から前記雨水通路管5および開状態の前記流入ゲート7を経て前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留させる。
【0023】
前記流出ゲート11は、洪水時には、閉状態であって、洪水時の雨水13を前記雨水受6から前記雨水通路管5および開状態の前記流入ゲート7を経て前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留させる。前記流出ゲート11は、洪水終了時には、開状態であって、前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留した洪水時の雨水13を前記雨水通路管5および前記第2雨水流出管10を経て河川や海14に流出させる。
【0024】
図1、図3において、符号「15」は、地面を示す。同じく、符号「16」は、地上に建設された建物(ビル)を示す。同じく、符号「17」は、地上に植えられた植物(木)を示す。
【0025】
前記高気密ゲート8は、図2、図4に示すように、座部18と、扉体(弁体)19と、アクチュエータ20と、水密部21と、を備えるものである。
【0026】
前記座部18は、前記雨水通路管5に設けられている。すなわち、前記座部18は、雨水通路を形成する前記雨水通路管5の縁部に設けられている。前記座部18は、平面をなしている。前記座部18が設けられている前記雨水通路管5の一部は、前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2と一体になっている。
【0027】
前記扉体19は、前記座部18にスライド可能に設けられている。前記扉体19は、前記雨水通路管5を開閉するものである。前記扉体19の全周囲には、水密ゴム22が設けられている。前記水密ゴム22は、前記座部18と前記扉体19との間を水密に維持するものである。
【0028】
前記アクチュエータ20は、この例では、油圧シリンダである。前記アクチュエータ20のシリンダ部は、前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2に固定されている。前記アクチュエータ20のロッドは、前記扉体19に固定されている。前記アクチュエータ20は、前記扉体19を開閉スライドさせるものである。
【0029】
前記水密部21は、前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2および前記雨水通路管5に、水密室23を形成すると共に、給水管24を給水ゲート(給水バルブ)25を介して設ける。前記給水ゲート25を開いて水26を前記給水管24を経て前記水密室23中に供給する(図2中の実線矢印を参照)。これにより、前記水密部21は、水26により、前記座部18および前記扉体19の前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2側を水密に保つものである。
【0030】
「作用の説明」
この実施例にかかる蓄圧式発電設備1および蓄圧式発電設備1における高気密ゲート8は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0031】
通常時においては、図1、図2に示すように、流入ゲート7と高気密ゲート8を閉じる。高気密ゲート8は、アクチュエータ20のロッドを伸ばして扉体19を座部18までスライドさせて雨水通路管5を閉じ、かつ、給水ゲート25を開いて水26を給水管24を経て水密室23中に供給して、水密部21の座部18および扉体19の高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2側を水26により水密に保つ。なお、流出ゲート11は、閉じていても良いし、開けておいても良い。
【0032】
この通常時においては、夜間、余剰電力を利用して電動機によりタービン4を駆動させて空気を高圧にして、その高圧空気12を高圧空気通路管3を介して高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留する(図1中の破線矢印を参照)。また、昼間、高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留した高圧空気12を高圧空気通路管3を介して取り出して(図1中の一点鎖線矢印を参照)利用して、タービン4を回転させて発電機を駆動させて発電する。
【0033】
また、通常の雨が降ると、その雨水13は、雨水受6で受けられて、雨水通路管(流入ゲート7よりも上流側(雨水受6側)の雨水通路管)5、第1雨水流出管9を経て河川や海14に流出される。
【0034】
大雨が降って、洪水時においては、図3、図4に示すように、流入ゲート7と高気密ゲート8を開き、流出ゲート11を閉じる。高気密ゲート8は、給水ゲート25を閉じ、かつ、アクチュエータ20のロッドを縮めて扉体19を座部18からスライドさせて雨水通路管5を開く。これにより、洪水時の雨水13は、雨水受6で受けられて、雨水通路管5および開状態の流入ゲート7を経て高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留される。なお、高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中が雨水13により満杯となれば、流出ゲート11を開いて、雨水13を開状態の流出ゲート11および第2雨水流出管10を経て河川や海14に流出させる。
【0035】
洪水が終了した時においては、流出ゲート11を開いて、高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留した雨水13を開状態の流出ゲート11および第2雨水流出管10を経て河川や海14に流出させる。なお、この時、河川や海14に流出させる雨水13の量は、河川や海14の水位に基づいて調整される。
【0036】
「効果の説明」
この実施例にかかる蓄圧式発電設備1および蓄圧式発電設備1における高気密ゲート8は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0037】
この実施例にかかる蓄圧式発電設備1は、通常においては、夜間の余剰電力を利用して高圧空気12を高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留し、高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留した高圧空気12を利用して昼間発電するものであり、また、洪水時においては、洪水時の雨水13を高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留して洪水からの被害を未然に防ぐものである。このように、この実施例にかかる蓄圧式発電設備1は、洪水時以外には使用されていない地下雨水貯留施設や地下洪水時遊水施設などを、高圧空気12を貯留するタンクとして利用して発電するものである。このために、この実施例にかかる蓄圧式発電設備1は、地下雨水貯留施設や地下洪水時遊水施設など(上池)のみを必要とするので、上池としての地下河川・雨水貯留施設等のほかに下池としての貯水槽を必要とする前記の従来の蓄圧式発電設備と比較して、設備を小型化することができ、コストを安価にすることができる。
【0038】
この実施例にかかる蓄圧式発電設備1における高気密ゲート8は、水密部21により、座部18および扉体19の高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2側を水密に保つことができるので、座部18および扉体19の高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2側を気密に保つ構造と比較して、高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中に貯留されている高圧空気12が高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク2中から雨水通路管5側に漏れるのを確実に防止することができる。この結果、この実施例にかかる蓄圧式発電設備1における高気密ゲート8は、洪水防止施設の地下雨水貯留施設や地下洪水時遊水施設などを発電に確実にかつ有効に利用することができる。特に、この実施例にかかる蓄圧式発電設備1における高気密ゲート8は、前記の実施例にかかる蓄圧式発電設備1において、最適である。
【符号の説明】
【0039】
1 蓄圧式発電設備
2 高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク
3 高圧空気通路管
4 タービン
5 雨水通路管
6 雨水受
7 流入ゲート
8 高気密ゲート
9 第1雨水流出管
10 第2雨水流出管
11 流出ゲート
12 高圧空気
13 雨水
14 河川や海
15 地面
16 建物(ビル)
17 植物(木)
18 座部
19 扉体
20 アクチュエータ
21 水密部
22 水密ゴム
23 水密室
24 給水管
25 給水ゲート
26 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
夜間の余剰電力を利用して空気を蓄圧し、蓄圧した空気を利用して昼間発電する蓄圧式発電設備において、
地下に設けられている高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンクと、
前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンクに高圧空気通路管を介して接続されていて、夜間の余剰電力を利用して高圧空気を前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留し、前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留した高圧空気を利用して昼間発電するタービンと、
前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンクに雨水通路管を介して接続されている地上の雨水受と、
前記雨水通路管の前記雨水受側に開閉可能に設けられている流入ゲートと、
前記雨水通路管の前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク側に開閉可能に設けられている高気密ゲートと、
前記雨水通路管の前記雨水受と前記流入ゲートとの間に接続されていて、通常の降雨時の雨水を河川や海に流出させる第1雨水流出管と、
前記雨水通路管の前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンクと前記流入ゲートとの間に接続されていて、洪水時の雨水を河川や海に流出させる第2雨水流出管と、
前記第2雨水流出管の途中に開閉可能に設けられている流出ゲートと、
を備え、
前記流入ゲートは、通常時には、閉状態であって、通常時の雨水を前記雨水受から前記雨水通路管および前記第1雨水流出管を経て河川や海に流出させ、洪水時には、開状態であって、洪水時の雨水を前記雨水受から前記雨水通路管を経て前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク側に流入させ、
前記高気密ゲートは、通常時には、閉状態であって、高圧空気を前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留させ、洪水時には、開状態であって、洪水時の雨水を前記雨水受から前記雨水通路管および開状態の前記流入ゲートを経て前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留させ、
前記流出ゲートは、洪水時には、閉状態であって、洪水時の雨水を前記雨水受から前記雨水通路管および開状態の前記流入ゲートを経て前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留させ、洪水終了時には、開状態であって、前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク中に貯留した洪水時の雨水を前記雨水通路管および前記第2雨水流出管を経て河川や海に流出させる、
ことを特徴とする蓄圧式発電設備。
【請求項2】
前記の請求項1に記載の蓄圧式発電設備において、
前記高気密ゲートは、
前記雨水通路管に設けられている座部と、
前記座部にスライド可能に設けられていて、前記雨水通路管を開閉する扉体と、
前記扉体を開閉スライドさせるアクチュエータと、
前記座部および前記扉体の前記高圧空気貯留タンク兼洪水時遊水タンク側を水密に保つ水密部と、
を備える、ことを特徴とする蓄圧式発電設備における高気密ゲート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−149560(P2012−149560A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8126(P2011−8126)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(506122246)三菱重工鉄構エンジニアリング株式会社 (111)