説明

蓄熱材組成物

【課題】結晶化温度を下げることにより、過冷却を促進し、自動車の内燃機関やボイラーの廃熱を熱源として蓄熱した後に、保温温度を高温に設定しなくても不用意に結晶化(凝固)することなく利用することができる蓄熱材組成物を提供すること。
【解決手段】蓄熱材組成物に糖アルコール及びポリエーテル変性シリコーンを含有する。糖アルコールはエリスリトールであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱材組成物に関し、特に、結晶化温度が低く、過冷却が促進される蓄熱材組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
熱エネルギーを産業用や家庭用に用いる場合、熱エネルギーの発生量や発生時期に対して用いる量や時期が異なることが多く、発生した熱全てを有効に利用するために、一時的に熱エネルギーを貯蔵する媒体、いわゆる蓄熱材を用いることが提案されている。
【0003】
蓄熱材としては、大きく分けて、顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材がある。潜熱蓄熱材は、物質の融解等の相変化を利用したものであり、顕熱蓄熱材に比べて、蓄熱密度が高く、相変化温度が一定であるため、熱の取り出し温度が安定であるという利点があり、実用化されてきている。
【0004】
特に、糖アルコールは、融解潜熱量が大きいことから、少ない容量で効率的に熱を蓄えることができる物質として知られている。また、他の潜熱蓄熱材である無機水和塩や脂肪酸などの有機物に比べて、毒性がなく安全な物質で、耐腐食性も良好である。これらの理由から、糖アルコールの蓄熱材としての利用が期待されている。例えば、糖アルコールを用いた蓄熱材として、特許文献1には、ポリエチレングリコール、糖アルコール、及び糖類からなる蓄熱材組成物が記載されている。
【0005】
ところで、潜熱蓄熱材から蓄熱した熱を取り出すためには、蓄熱材を結晶化(凝固)させる必要があり、熱が必要なタイミングで蓄熱材が結晶化(凝固)するように蓄熱材の結晶化(凝固)のタイミングを制御する必要がある。そのため、熱放出が必要となるまでは、蓄熱材を保温することにより、蓄熱材を液体状態に保つようにしている。特に、自動車の内燃機関やボイラーの廃熱を熱源として蓄熱する際に、糖アルコールを蓄熱材として用いた場合では、熱放出時までの保温時に温度低下や衝撃付加などにより、不用意に糖アルコールが結晶化(凝固)してしまうことがあり、保温温度を高温に保つ必要があった。
【0006】
また、糖アルコールは、融解時には物質固有の温度(融点)で融解するものの、凝固時には、融点を下回っても凝固しない、いわゆる過冷却現象が起こることが知られており、凝固のタイミングを制御するためには、上記のような蓄熱材の保温温度の制御だけではなく、糖アルコールの過冷却現象を促進したり、抑制したりすることも有益であると考えられている。そこで、特許文献2には、過冷却現象を抑制する方法として、糖アルコールと2つ以上のカルボキシル基を有するカルボン酸類、2つ以上のアミド基を有するアミド類などの過冷却防止剤の一種又は複数を含有する蓄熱材組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−214158号公報
【特許文献2】特開2009−96826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の方法により、蓄熱材組成物の融点を下げることが可能となったが、ポリエチレングリコールは、耐熱安定性が低いため、自動車の内燃機関やボイラーなどの廃熱を蓄熱のための熱源として用いる場合、熱劣化するおそれがある。また、過冷却の制御については、何ら記載されていない。
【0009】
特許文献2では、過冷却を抑制するという過冷却の制御方法が開示されていると言えるが、過冷却の促進方法については何ら記載されておらず、逆に過冷却を抑制するため、衝撃などによる不用意な結晶化(凝固)が起きるおそれが高まり、熱放出が必要となるまでの保温温度を高温に設定しておかなければならないことは解決されない。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、過冷却を促進することにより、自動車の内燃機関やボイラーの廃熱を熱源とした蓄熱に糖アルコールを蓄熱材として用いた場合に、蓄熱後の保温温度を過剰に高温に設定しなくても、不用意に結晶化(凝固)することのない蓄熱材組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意検討した結果、糖アルコールにポリエーテル変性シリコーンを添加することで、過冷却を促進できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の蓄熱材組成物は、糖アルコール及びポリエーテル変性シリコーンを含有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の蓄熱材組成物に用いられる糖アルコールは従来知られている糖アルコールであればエリスリトール、キシリトール、アラビトール、ソルビトール、マンニトール、スレイトール、ガラクチトール、ペンタエリスリトールなど、如何なるものでもよいが、自動車やボイラーの廃熱を熱源とする場合には、熱源の温度が80℃〜200℃程度なので、融点が120℃付近のエリスリトールが最も好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の蓄熱材組成物によれば、糖アルコール単独よりも結晶化温度を低くでき、過冷却が促進されるため、自動車の内燃機関やボイラーの廃熱を熱源として蓄熱した場合に、蓄熱後の保温温度を過剰に高温に設定することなく、利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】糖アルコール(エリスリトール)が液体状態から固体状態に相変化する時の分子間の結合の状態を模式的に示した図である。
【図2】糖アルコール(エリスリトール)に界面活性剤を添加・混合した場合に液体状態から固体状態に相変化する時の分子の動きを模式的に示した図である。
【図3】本発明品を評価したときの実験装置を模式的に示した図である。
【図4】液体状態の糖アルコールを含有する蓄熱材を徐々に冷却したときの蓄熱材の温度変化の様子を模式的に示したグラフである。
【図5】ポリエーテル変性シリコーン(a)、ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤(b)について、それぞれ、未処理(A)、140℃で3時間熱処理(B)、100時間熱処理(C)、500時間熱処理(D)したそれぞれの界面活性剤のFT−IR分析によるスペクトルを示したグラフである。
【図6】ポリエーテル変性シリコーンとエリスリトールを含む蓄熱材組成物(実施例1)とエリスリトールのみを含む蓄熱材組成物(比較例4)の熱劣化抑制評価の結果を示すグラフである。
【図7】蓄熱材組成物の凝固時の応力緩和を評価する実験を説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。本発明の蓄熱材組成物は、糖アルコール及びポリエーテル変性シリコーンを含有する。糖アルコール及びポリエーテル変性シリコーンの他、その他の界面活性剤、糖類や無機塩類、無機塩水和物等を含んでいてもよい。糖アルコール及びポリエーテル変性シリコーンは両者が均一に混合されていれば、特に混合方法は限定されない。例えば、糖アルコールを融解温度以上、好ましくは、融解温度+5〜10℃に加熱して液体状態にした状態に、ポリエーテル変性シリコーンを加え、スターラーで十分に混合することにより、所望の蓄熱材組成物が得られる。
【0017】
本発明でいうポリエーテル変性シリコーンは、側鎖、片末端もしくは両末端、又は、側鎖及び末端(片末端もしくは両末端)にポリオキシアルキレン基を有するオルガノポリシロキサン化合物のことを指す。例えば、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体などが挙げられる。これらは、市販品を用いることができ、サンノプコ社製のSNウェット125、SNウェット126、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のSH3772、SH3773、SH3775、SH3749、信越化学工業社製のKF351、KF352、KF353、KF354、KF355、KF615、KF945、KF6011、KF6015、KF6020などを挙げることができる。これらは、耐熱性が高いため、熱源が高温になったとしても劣化するおそれがない。特に、これらのうち、糖アルコールと混合しても、糖アルコールの酸化劣化を引き起こすおそれがない製品pHが6〜8のものを適宜選択することが好ましい。ポリエーテル変性シリコーンの含有量は、特に限定されないが、蓄熱量の減少を制限するためには、蓄熱材組成物全体の20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましいと考えられる。
【0018】
糖アルコールが液体状態から固体状態に相変化する際には、図1のように、糖アルコール分子1の親水基11同士が水素結合によって引かれ合い、規則正しく配列することによって固体状態となる。ポリエーテル変性シリコーンは、親水基と疎水基を併せ持つ界面活性剤であるので、ポリエーテル変性シリコーンが含有されていると、図2のように、糖アルコール分子の親水基11に界面活性剤2の親水基21が結合し、結合面の外側の疎水基22は糖アルコールの親水基11と反発するため、糖アルコールの分子同士が結合することが妨げられることとなり、結晶化(凝固)が抑制され、結晶化温度の低下、つまり過冷却の促進が可能となる。
【0019】
また、蓄熱材組成物に含有されるポリエーテル変性シリコーンのうち、糖アルコールに結合しなかった残りは比重の影響で液体の糖アルコール表面で液膜を構成するので、液体状態の糖アルコールと外気との接触を防止し、糖アルコールの酸化劣化や熱劣化を抑制する効果も得られる。
【0020】
ところで、熱放出が必要となり、保温状態から冷却状態に変えた場合には、蓄熱材組成物は、最も温度の低い部分である、熱交換面に接着するような形式で凝固しようとする。しかし、ポリエーテル変性シリコーンを含有することにより、熱交換面から蓄熱材組成物が離れやすくなり、凝固収縮する際の発生応力を抑制できるため、相変化による劣化を抑制する効果も得られる。
【0021】
本発明に用いられる糖アルコールは、従来公知のもの、つまり、エリスリトール、キシリトール、アラビトール、ソルビトール、マンニトール、スレイトール、ガラクチトール、ペンタエリスリトールなどである。これらを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
なお、自動車の内燃機関やボイラー等の廃熱を熱源として蓄熱に利用する場合には、蓄熱材の融点は、80℃〜200℃であることが好ましい。中でも、安定性、安全性、低吸湿量、高潜熱量などを考慮すると、エリスリトールが最も好ましく用いられる。
【実施例】
【0023】
[実施例1]
エリスリトール90重量部を約130℃に加熱し、液体状態にした状態で、ポリエーテル変性シリコーンであるSNウェット126(サンノプコ社製)を10重量部加え、スターラーで十分に混合することにより、蓄熱材組成物を得た。
【0024】
[比較例1]
エリスリトール90重量部を約130℃に加熱し、液体状態にした状態で、ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤であるカラースペース188−A(サンノプコ社製)を10重量部加え、スターラーで十分に混合することにより、蓄熱材組成物を得た。
【0025】
[比較例2]
エリスリトール90重量部を約130℃に加熱し、液体状態にした状態で、ポリオキシアルキレン型の非イオン界面活性剤であるSNウェット980(サンノプコ社製)を10重量部加え、スターラーで十分に混合することにより、蓄熱材組成物を得た。
【0026】
[比較例3]
エリスリトール90重量部を約130℃に加熱し、液体状態にした状態で、ウレタン変性ポリエーテル型の非イオン界面活性剤であるSNクリーンアウト82(サンノプコ社製)を10重量部加え、スターラーで十分に混合することにより、蓄熱材組成物を得た。
【0027】
[比較例4]
エリスリトール100重量部を約130℃に加熱し、何も加えず、蓄熱材組成物とした。
【0028】
<実験例1>結晶化温度の評価
図3に示す実験装置を用いて結晶化温度の評価を行った。内径53mm×高さ73mmのステンレス(SUS304)製の円筒型容器3に実施例1および比較例1〜4で得られた蓄熱材組成物50gをそれぞれ、大気中で封入し、混合物の放熱面積比(混合物接触面積/容器内表面積)が0.51になるようにした。前記ステンレス容器3の底面部に温度測定機器としてK型熱電対4を貼り付け、それぞれの蓄熱材組成物を封入したステンレス容器をクランプ51で挟み、スタンド5に固定して、温調機能付恒温槽6内に設置した。140℃で3時間放置した後、約2.5℃/分の降温速度で冷却した。なお、クランプ51内面からの熱引きを抑制するために、クランプ51の容器接触部には、断熱材を使用した。
【0029】
液体状態になった糖アルコールを含有する蓄熱材を徐々に冷却した場合の蓄熱材の温度変化の様子を模式的にグラフで示したのが図4である。図4に示すように、液体状態となった糖アルコールを含有する蓄熱材は、冷却していくと周囲の温度の低下とともに蓄熱材の温度も下がっていくが、X℃を境に、結晶化(凝固)が進むことにより、温度が上昇する。つまり、Xの温度が、結晶化開始温度であるといえる。このようにして、実施例1、比較例1〜4についても、同様にK型熱電対により測定した温度から結晶化開始温度を求め、表1にまとめた。
【0030】
【表1】

【0031】
表1に示すように、実施例1のポリエーテル変性シリコーンとエリスリトールを含有する蓄熱材組成物は、エリスリトール単独の比較例4に比べて、結晶化開始温度が低下することが確認できる。実施例及び比較例1〜3の結果から、糖アルコール及び非イオン性の界面活性剤を含有する蓄熱材組成物は、過冷却を促進することができることが示された。
【0032】
<実験例2>混合する非イオン性界面活性剤の安定性評価
次に、安定性の観点から、非イオン界面活性剤の種類を評価した。実施例1および比較例1〜3の蓄熱材組成物で用いた界面活性剤の製品pHを測定して表2に示した。
【0033】
【表2】

【0034】
糖アルコールであるエリスリトールは中性の時に安定して機能することから、pH6〜8が好ましいと考えられる。それに対して、ウレタン変性ポリエーテル化合物型の非イオン性界面活性剤は、一般に、およそpH4.0〜pH6.0であると考えられ、ポリオキシアルキレン誘導体からなる非イオン性界面活性剤は、およそpH8.0〜pH10.0であると考えられるので、安定性の面で好ましくない。
【0035】
次に、pHの安定性評価で問題がないとされた、ポリエーテル変性シリコーン、比較例1のポリエチレングリコール型の非イオン界面活性剤について、耐熱安定性を調べた。実施例1で用いたSNウェット126(サンノプコ社製)、比較例1で用いたカラースペース188−A(サンノプコ社製)について、5gずつ大気中で封入したサンプルを未処理、140℃の恒温槽内で3時間放置、100時間放置、500時間放置をそれぞれ行い、FT−IR分析を行った。それぞれのFT−IRスペクトルを図5に示す。(a)がポリエーテル変性シリコーンであるSNウェット126(サンノプコ社製)の結果で、(b)がポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤であるカラースペース188−A(サンノプコ社製)の結果である。それぞれ、Aが未処理、Bが140℃で3時間放置したもの、Cが140℃で100時間放置したもの、Dが140℃で500時間放置したものの結果である。図5(b)では、Iで示すように、140℃で100時間放置したものおよび500時間放置したものにおいて、1725cm−1付近に未処理時にはないスペクトルが確認された。表3に示す高分子の劣化に起因する代表的なスペクトルから考えると、RCHOであると考えられ、熱処理によって、高分子の劣化が起きたと推定される。それに対して、図5(a)では、放置時間が進むにつれて、未処理時にはないスペクトルが確認されることはなく、未処理時から既に出ている1700cm−1付近のスペクトルは、1750cm−1付近であり、高分子の劣化に起因するスペクトルではないと推定される。つまり、ポリエーテル変性シリコーンは耐熱安定性が高いことが示された。
【0036】
【表3】

【0037】
この結果は、ポリエチレングリコール型の界面活性剤が、構造内にエステル結合とエーテル結合の2種類の結合を有するため、1種類の結合のみを有するポリエーテル変性シリコーンに比べて、熱劣化を受けやすいためである、と考えられる。
【0038】
以上より、糖アルコール及びポリエーテル変性シリコーンを含有する蓄熱材組成物は、結晶化温度が低く、過冷却が促進されると同時に、安定性及び耐熱性が確保されているため、エンジンやボイラーの廃熱などを熱源とした蓄熱に用いる蓄熱材組成物として利用可能であることが示された。
【0039】
<実験例3>蓄熱材組成物の熱劣化評価
実施例1の蓄熱材組成物と比較例4の蓄熱材組成物について、150℃の耐熱試験を行った。100時間経過後、200時間経過後、500時間経過後、1000時間経過後にそれぞれ取り出し、蓄熱材組成物の潜熱量を示差走査熱量計(Thermo plus DSC8230:リガク社製)にて、試料量3mg、昇温・降温速度10℃/分で測定した。結果を図6に示す。実施例1である、エリスリトールとポリエーテル変性シリコーンを混合した蓄熱材組成物では、耐熱試験時間が経過しても、潜熱量にほぼ変わりはない。それに対して、比較例4のエリスリトール単独の蓄熱材組成物では、耐熱試験時間の経過に伴って、潜熱量が下がってきている。よって、ポリエーテル変性シリコーンとエリスリトールを含有する蓄熱材組成物は、熱劣化を抑制できることが分かる。
【0040】
<実験例4>凝固時の応力緩和評価
3cm×3cm、平均粗さRa=0.42の銅板8上に、実施例1及び比較例4の蓄熱材組成物を液体状で滴下し、凝固させる。図7のように、凝固した蓄熱材組成物7に、シェアテスター(DAGE社製:4000PXY)によりロードセル5kg、テストスピード50μm/sで荷重をかけ、せん断応力を測定する。結果を表4に示す。比較例4に比べて、実施例1の蓄熱材組成物は、小さな荷重で銅板8から離れている。つまり、ポリエーテル変性シリコーンを含有することにより、蓄熱材組成物が凝固する場合には、熱交換面から蓄熱材組成物が離れやすくなり、凝固収縮する際の発生応力を緩和できることが分かる。つまり、ポリエーテル変性シリコーンを含有することにより、相変化による劣化を抑制する効果が得られることが示された。
【0041】
【表4】

【符号の説明】
【0042】
1…糖アルコール(エリスリトール)分子
11…糖アルコール(エリスリトール)分子の親水基
2…界面活性剤
21…界面活性剤の親水基
22…界面活性剤の疎水基
3…円筒形容器
4…K型熱電対
5…スタンド
51…クランプ
6…温調機能付恒温槽
7…蓄熱材組成物(凝固物)
8…銅板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖アルコール及びポリエーテル変性シリコーンを含有する蓄熱材組成物。
【請求項2】
前記糖アルコールがエリスリトールである請求項1に記載の蓄熱材組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−153206(P2011−153206A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15268(P2010−15268)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)