蓄電システム
【課題】制御系を複雑にせず拡張性を損なわず非常時でも蓄電電力を有効活用できる蓄電システム。
【解決手段】蓄電ユニット1a,1bはバッテリパック15,16,17、配電系統3の交流ラインへ交流電流を出力し配電系統の交流ラインから取得した交流電流を直流電流に変換して出力するAC/DC変換器11a,11b、AC/DC変換器からの直流ライン5,6の直流電流を所定値の直流電流に変換してバッテリパックへ出力しバッテリパックからの直流電流を所定値の直流電流に変換してAC/DC変換器の直流ラインへ出力するDC/DC変換器12a,12b、AC/DC変換器及びDC/DC変換器を制御する統括制御装置20a,20bを備え、複数の蓄電ユニットから選択される2つの蓄電ユニット間に設けられ通常時に2つの蓄電ユニット内の直流ライン同士の接続を切り離し、非常時に2つの蓄電ユニット内の直流ライン同士を接続する蓄電ユニット間DC接続回路4を設ける。
【解決手段】蓄電ユニット1a,1bはバッテリパック15,16,17、配電系統3の交流ラインへ交流電流を出力し配電系統の交流ラインから取得した交流電流を直流電流に変換して出力するAC/DC変換器11a,11b、AC/DC変換器からの直流ライン5,6の直流電流を所定値の直流電流に変換してバッテリパックへ出力しバッテリパックからの直流電流を所定値の直流電流に変換してAC/DC変換器の直流ラインへ出力するDC/DC変換器12a,12b、AC/DC変換器及びDC/DC変換器を制御する統括制御装置20a,20bを備え、複数の蓄電ユニットから選択される2つの蓄電ユニット間に設けられ通常時に2つの蓄電ユニット内の直流ライン同士の接続を切り離し、非常時に2つの蓄電ユニット内の直流ライン同士を接続する蓄電ユニット間DC接続回路4を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、系統安定化や負荷変動抑制などを目的として需要家側に設置される蓄電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発電時に温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーを利用した発電設備を設置し、電力供給システムの低炭素化が検討されている。再生可能エネルギーを利用した発電は、電力供給量の制御が困難であり、安定した電力供給を実現することが困難である。 将来、このような再生可能エネルギーを利用した発電設備の設置数が拡大すると、短期的な電力需給バランスが崩れ、電力の周波数が適正値を逸脱する等のおそれがある。また、電力の安定供給が困難となり、電力の品質が悪化するおそれがある。
【0003】
そこで、再生可能エネルギーを利用した発電設備での余剰電力を蓄電する二次電池を配電系に設置するほか、需要家等に設置されている蓄電設備を活用して、蓄電や配電を行うことも検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−86927号公報
【特許文献2】特開平8−65895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような系統安定化や、負荷平準化・ピークカット・非常用電源などを目的として需要家側に設置される蓄電設備においては、バッテリパックとその充放電制御を行うDC/DC変換器及び系統連携AC/DC変換器との組(以後、蓄電ユニット、と呼ぶ)を複数個用意し、これらを系統ACラインに並列接続させた蓄電システムを構成することにより、需要家の規模に合わせた仕様の最適化が容易になる利点がある。
【0006】
しかし、例えば配電系統が停電し、バッテリパックの蓄電電力を用いてDCライン経由で非常用回路に電力供給を行いたい場合でも、非常用回路にDC接続されている特定の蓄電ユニットからしか非常用回路に電力を供給することができないという問題がある。
【0007】
これに対して、DCラインで全ての蓄電ユニットを常時接続する構成も考えられる。しかし、各蓄電ユニット間でDCラインの電圧を合わせる必要があり、システムの制御・通信が複雑になり、システム規模の拡張性を阻害することが懸念される。
【0008】
また、単一の蓄電ユニットとして構成した場合には、AC/DC変換器が一つになってしまうため、その変換器の仕様でシステム全体の出力容量が決まってしまうため、システムの拡張性に乏しい。また、DCラインが長く、電圧安定性に問題がある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、制御系を複雑にすることなく、かつ拡張性を損なうことなく、非常時においても蓄電電力を有効に活用できる蓄電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、実施形態に係る蓄電システムによれば、複数の蓄電ユニットを備えた蓄電システムであって、各々の蓄電ユニットは、複数のセルモジュールを収容するバッテリパックと、配電系統の交流ラインへ交流電流を出力し且つ前記配電系統の交流ラインから取得した交流電流を直流電流に変換して出力するAC/DC変換器と、前記AC/DC変換器から出力された直流ラインの直流電流を所定値の直流電流に変換して前記バッテリパックへ出力し且つ前記バッテリパックから出力された直流電流を所定値の直流電流に変換して前記AC/DC変換器の直流ラインへ出力するDC/DC変換器と、前記AC/DC変換器及び前記DC/DC変換器を制御する統括制御装置とを備え、前記複数の蓄電ユニットから選択される2つの蓄電ユニット間に設けられ、通常時には、前記2つの蓄電ユニット内の前記直流ライン同士の接続を切り離し、非常時には、前記2つの蓄電ユニット内の前記直流ライン同士を接続する蓄電ユニット間接続回路を設けたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る蓄電システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す第1の実施形態に係る蓄電システム内の各々の蓄電ユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す第1の実施形態に係る蓄電システムにおいて配電系統が停電した場合の動作を示す図である。
【図4】図1に示す第1の実施形態に係る蓄電システム内のA/D変換器が停電した場合の動作を示す図である。
【図5】図1に示す第1の実施形態に係る蓄電システムの複数の蓄電ユニットを複数のスイッチで接続する場合の構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る蓄電システムの構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示す第2の実施形態に係る蓄電システムにおいて配電系統が停電した場合の動作を示す図である。
【図8】図6に示す第2の実施形態に係る蓄電システムの複数の蓄電ユニットを複数のダイオードで接続する場合の構成を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る蓄電システムの構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示す第3の実施形態に係る蓄電システムにおいて配電系統が停電した場合の動作を示す図である。
【図11】図9に示す第3の実施形態に係る蓄電システム内のA/D変換器が停電した場合の動作を示す図である。
【図12】図9に示す第3の実施形態に係る蓄電システムの複数の蓄電ユニットを複数のサイリスタで接続する場合の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る蓄電システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る蓄電システムの構成を示すブロック図である。図2は、図1に示す第1の実施形態に係る蓄電システム内の各々の蓄電ユニットの構成を示すブロック図である。
【0014】
この蓄電システムは、建物内の電力系統である配電系統3に接続されるシステムであり、
配電系統3に接続される2つの蓄電ユニット1a,1bから構成されている。2つの蓄電ユニット1a,1bは、検出装置2、システム全体の統括制御を行なう統括制御装置20a,20b、AC/DC変換器11a,11b、DC/DC変換器12a,13a,12b,13b,14b、非常用回路13a、バッテリパック15a,15b,15c,15d,17bを備える。検出装置2は、例えば配電系統3の電流を検出する電流センサ、あるいは、EMS(Energy Management system)受信端末である。EMSとは、システムの外部に設けられるエネルギー管理システムである。
【0015】
統括制御装置20(20a,20b)は、管理部22、通信部21を有する。管理部22は、各バッテリパック15a〜17bの電池情報に基づいて各バッテリパック15a〜17bに対する充放電量を制御する負荷配分制御機能を有する。また、配電系統3の状態やシステム全体の稼働状況をモニタリングし、必要に応じてAC/DC変換器11(11a,11b)やDC/DC変換器12a,12b,13a,13b,14bに指令を行う。
【0016】
通信部21は、各バッテリパック15a〜17bの電池情報をAC/DC変換器11(11a,11b)やDC/DC変換器12a,12b,13a,13b,14bを介した通信によって取得したり、各変換器の稼働情報を受信したり、各変換器への制御指令情報の送信を行う。
【0017】
AC/DC変換器11(11a,11b)は、双方向インバータ111、制御部112、通信部113を有する。
双方向インバータ111は、パルス幅変調PWM(Pulse Width Modulation)制御可能なスイッチング素子を有し、配電系統3からの交流電力を直流電力に変換してDC/DC変換器12,13の直流ライン(DCライン)へ出力したり、DC/DC変換器12,13からのDCラインの直流電力を交流電力に変換して配電系統3に出力する。
制御部112は、統括制御装置20からの通信指令に基づいて双方向インバータ111の動作を制御する。通信部112は、DC/DC変換器12,13との間での情報の送受信を行なう。通信部113は、統括制御装置20との間での情報の送受信を行なう。
【0018】
DC/DC変換器12は、電圧昇降圧部121、制御部122、通信部123を有する。電圧昇降圧部121は、PWM制御可能なスイッチング素子を有し、AC/DC変換器11からの直流電力の電圧変換を行なってバッテリパック15a〜17bの二次電池に充電したり、この二次電池に蓄えられていた電力の電圧変換を行なってAC/DC変換器11に放電する。
制御部122は、統括制御装置20やAC/DC変換器11からの通信指令に基づいて電圧昇降圧部121を制御する。通信部123は、統括制御装置20、AC/DC変換器11、バッテリパック15a〜17bとの間での情報の送受信を行なう。
【0019】
バッテリパック15a〜17bは、複数のセルモジュールを収容する二次電池列、バッテリ管理装置BMU(Battery Management Unit)152を有し、このBMU152は、制御部153、通信部154、管理部155を有する。
二次電池列は、例えばリチウムイオン、NiMH、鉛などの二次電池を直並列に接続したものである。BMU152の制御部は、DC/DC変換器12,13からの通信指令に基づいて二次電池列を制御し、電池の充放電を行なう。通信部154は、DC/DC変換器12,13との間での情報の送受信を行なう。管理部155は、二次電池列の電圧、電流、温度、SOC(State Of Charge:充電状態)の値、内部抵抗、充放電積算電流などの電池情報を管理して、二次電池列の異常や充放電回数の残り寿命の検知を行なう。
【0020】
また、第1の実施形態では、DC/DC変換器12,13は、バッテリパック2つに対して1つずつ設けられる。具体的には、AC/DC変換器11と2つのバッテリパックの間にDC/DC変換器12,13が設けられる。もちろん、制御可能な範囲でDC/DC変換器12,13に接続されるバッテリパックの数を変更してもよい。
【0021】
さらに、AC/DC変換器11とDC/DC変換器12,13の間のDCラインには、別のDC/DC変換器とバッテリパックの組を接続することも可能である。また、非常時にバッテリからDCラインを通じて電力を供給できるように非常用回路14aを接続することもできる。このような非常用回路14aには、例えばビル内のエレベータや非常灯、データセンタなどの重要機器が繋がっているものとする。
【0022】
このようなシステムを構成することで、例えば太陽光発電による余剰電力があることを検出装置2で検出した際には、バッテリパック15a,15b,16a,16b,17bに充電を行い、逆に夏の昼間など電力使用量が多い際には、バッテリパック15a,15b,16a,16b,17bから放電を行うことで、電力系統の安定化や負荷変動の平準化が実現可能になる。
【0023】
また、蓄電システムを配置する需要家の規模に応じてバッテリパック15a,15b,16a,16b,17bの蓄電容量を変えることができ、複数システムに拡張性を持たせることが可能となる。
【0024】
さらに図1に示すように、複数の蓄電ユニット1a,1bをACラインで並列接続し統括制御装置20a,20bも通信線で接続して連携することで、システムの出力容量を変えることができ、やはりシステムの拡張性を持たせることが可能となる。
【0025】
次に、図1に示す蓄電ユニット間DC接続回路4を説明する。蓄電ユニット間DC接続回路4は、蓄電ユニット1aのDCライン5と蓄電ユニット1bのDCライン6の間に、スイッチ41、制御部42及び通信部43を有する。スイッチ41の一端はコネクタCN1を介して第1蓄電ユニット1a内のDCライン5に接続され、スイッチ41の他端はコネクタCN2を介して第2蓄電ユニット1b内のDCライン6に接続されている。
【0026】
通信部42は、統括制御装置20a,20bからの情報を受信する。制御部43は、統括制御装置20a,20bからの通信指令に基づいてスイッチ41の開閉を制御する。スイッチ41は、切片SWを有し、この切片SWにより制御部43からの制御指令に基づきDCラインの開閉を行う。蓄電ユニット1a,1bからDCライン5,6を外部に出力する際には、遮断器等の回路保護器を設けてもよい。
【0027】
通常の稼働時にはスイッチ41の切片SWを開とすることで、各蓄電ユニット1a,1b間のDCライン5,6は、電気的に接続されない状態となる。このように制御することで、AC/DC変換器11aとDC/DC変換器12a,13aの間のDCライン5は、蓄電ユニット1a内で閉じ、AC/DC変換器11bとDC/DC変換器12b,13bの間のDCライン6は、蓄電ユニット1b内で閉じるため、DCライン5,6の電圧制御等が行いやすいという利点がある。
【0028】
次に、配電系統3に停電が発生した場合のスイッチ41の開閉制御を説明する。図3に示すように配電系統3が停電した時には、まず蓄電ユニット1a,1b内の検出装置2は、配電系統3が停電したことを検出し、検出した情報を統括制御装置20a,20bに送信する。
【0029】
統括制御装置20a,20bは、検出した情報に基づき、蓄電ユニット間DC接続回路4内の通信部42にスイッチ41を閉じる制御指令を送信する。制御部43は、通信部42から指令を受け取り、スイッチ41を閉じる制御を行う。
【0030】
このようにスイッチ41を閉とすることで、各蓄電ユニット1a,1b間のDCライン5,6は、電気的に接続された状態となる。このように制御することで、蓄電ユニット1a,1b間の電力の融通が可能となる。このため、例えば図3において第1蓄電ユニット1a側に接続されている非常用回路14aに対して、第2蓄電ユニット1bのバッテリパック15b,16b,17bに蓄えられた電力を供給でき、非常時の蓄電電力の有効活用を図ることができる。
【0031】
ただし、各蓄電ユニット1a,1bのDC電圧を均等化制御する必要があるため、蓄電ユニット1a,1b間で統括制御装置20a,20bを介した通信を行い、DCライン5,6の安定化を図る制御を行うのが良い。
【0032】
また、第1の実施形態の蓄電システムは、AC/DC変換器11a,11bが故障した際も有効である。図4に示すように、例えば第2蓄電ユニット1bのAC/DC変換器11bが故障すると、第2蓄電ユニット1bの蓄電電力はACラインを介して別のユニットに電力を供給することができなくなる。このため、系統安定化制御を行う上で、蓄電池の容量が足りない恐れがあり、システム全体を停止しなければならないこともありうる。
【0033】
しかし、DCライン5,6のスイッチ41を閉じてDCライン5とDCライン6とを接続することで、第2蓄電ユニット1bから第1蓄電ユニット1aへDCライン5,6を介して電力を供給することで、継続して蓄電システムを稼働することができる。
【0034】
ただし、故障した第2蓄電ユニット1bの方向へ電力が供給されるのは好ましくないため、第2蓄電ユニット1b側のDC電圧を第1電ユニット1a側のDC電圧より少し高めに設定するように、統括制御装置20a,20bを介した通信制御を行うのが良い。
【0035】
また、第1の実施形態は、2つの蓄電ユニット1a,1b間のDCラインの接続のみでなく、図5に示すように複数の蓄電ユニット1a〜1d間のDCラインの接続にも拡張できる。図5に示す変形例では、蓄電ユニットの数をn個とすると、nC2の数だけスイッチ41を用意し、図5に示すように各DCライン間に配置すればよい。図5に示す例では、4C2の数、即ち6つのスイッチ41a〜41fを用意すれば良い。
【0036】
そして、6つのスイッチ41a〜41fを各DCラインに対してマトリックス状に配置することで、任意の2つの蓄電ユニットを選び出して接続させることができる。もちろん、スイッチを複数閉じて3つ以上の蓄電ユニットのDCラインを接続しても良い。各スイッチ41a〜41fの開閉については、各蓄電ユニットと情報を送受信する通信部42と、その指令を受け各スイッチに制御信号を送信する制御部43とで構成し、制御部43により一括で制御すればよい。
【0037】
このように第1の実施形態に係る蓄電システムによれば、通常稼働時は蓄電ユニット1a,1b間のDCライン5,6を電気的に切り離すことでDCライン5,6をユニット単位で管理・制御しつつ、非常時においてはスイッチ41により蓄電ユニット1a,1b間のDCライン5,6を電気的に接続して、複雑な制御を行うことなく蓄電ユニット1a,1b間の電力融通が可能となる。
【0038】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る蓄電システムの構成を示すブロック図である。図6に示す第2の実施形態の蓄電システムは、図1に示す第1の実施形態の蓄電システムの構成に対して、蓄電ユニット間DC接続回路4aの構成が異なる。蓄電ユニット間DC接続回路4aは、ダイオードD1のみからなる。
【0039】
ダイオードD1は、第2蓄電ユニット1bから第1蓄電ユニット1aの方向へのみ電流を流すように、アノードを第2蓄電ユニット1b側、カソードを第1蓄電ユニット1a側に接続している。
【0040】
ここで、通常の稼働時には第2蓄電ユニット1bのDC電圧V2よりも第1蓄電ユニット1aのDC電圧V1が高い状態を維持するように制御することで、各蓄電ユニット1a,1b間のDCライン5,6には電流が流れない状態とする。例えば、DCライン5,6の電圧許容範囲が±5%の場合、V1は+5%〜±0%の範囲とし、V2は±0%〜−5%との範囲とすればよい。
【0041】
これにより、ダイオードD1は逆バイアス状態となるため、AC/DC変換器11aとDC/DC変換器12a,13aの間のDCライン5は第1蓄電ユニット1a内で閉じ、AC/DC変換器11bとDC/DC変換器12b,13b,14bの間のDCライン6は第1蓄電ユニット1b内で閉じるため、DCライン5,6の電圧制御等が行いやすいという利点がある。
【0042】
次に、配電系統3に停電が発生した場合の動作を説明する。図7に示すように配電系統3が停電した時には、最初は、V1>V2の関係により第2蓄電ユニット1bから第1蓄電ユニット1aへは電流が流れない。このため、第1蓄電ユニット1aの非常用回路14aへは第1蓄電ユニット1aのバッテリパック15a,16aの蓄電電力が供給される。しかし、第1蓄電ユニット1aの蓄電容量が減ってくると、徐々に電圧V1が下がってくるが、V1<V2となるとダイオードD1が順方向となり、順方向電流が流れる。このため、今度は第2蓄電ユニット1bのバッテリパック15b,16b,17bから電力を非常用回路14aへ供給することができる。
【0043】
このように非常時に蓄電電力の有効活用を図ることができる。また、第1の実施形態の蓄電システムは、第1の実施形態の蓄電システムとは異なり、スイッチ41の開閉に必要となる面倒な制御・通信系を必要とせず、かつ蓄電ユニット1a,1b間のDCライン電圧調整を厳密に行う必要が無いという利点がある。ただし、第2の実施形態においては非常用回路14aが接続されている蓄電ユニットを決め、ダイオードD1の向きを予め設定しておく必要がある。
【0044】
また、蓄電ユニット1a,1b間の双方向の電力供給はできないため、第2の実施形態の蓄電システムは、第1の実施形態のようなAC/DC変換器11a,11bの故障への対策としては適さない。
【0045】
第2の実施形態の蓄電システムにおいても、図8に示すように複数の蓄電ユニット1a〜1d間のDCライン接続へ拡張できる。例えば第1蓄電ユニット1aと第2蓄電ユニット1bとにそれぞれ非常用回路14aが設置されていたとすると、第3蓄電ユニット1c及び第4蓄電ユニット1dから第1蓄電ユニット1a及び第2蓄電ユニット1bに電流が流れる方向になるように、ダイオードD1〜D4を設置すれば良い。
【0046】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る蓄電システムの構成を示すブロック図である。図9に示す第3の実施形態の蓄電システムは、図1に示す第1の実施形態の蓄電システムの構成に対して、蓄電ユニット間DC接続回路4bの構成が異なる。蓄電ユニット間DC接続回路4bは、逆方向並列接続された2つのサイリスタTh1,Th2と、通信部41と、制御部43とを有している。
【0047】
ここで、通常の稼働時にはサイリスタTh1,Th2のゲートG1,G2に制御部43から信号を印加しないようにすることで、各蓄電ユニット1a,1b間のDCライン5,6には電流が流れない状態とする。これにより、AC/DC変換器11aとDC/DC変換器12a,13aの間のDCライン5は第1蓄電ユニット1a内で閉じ、AC/DC変換器11bとDC/DC変換器12b,13b,14bの間のDCライン6は第2蓄電ユニット1b内で閉じるため、DCライン5,6の電圧制御等が行いやすいという利点がある。
【0048】
次に、配電系統3に停電が発生した場合の動作を説明する。図10に示すように配電系統3が停電したことを検出装置2が検出した際には、統括制御装置20a,20bの指令により、最初は非常用回路14aを有する第1蓄電ユニット1a側のDC電圧V1をV2より高くするように制御を行う。さらに、サイリスタTh1のゲートに制御部43からパルス状の信号を継続的に与えるが、このときは逆電圧のためサイリスタTh1は導通せず、第1蓄電ユニット1aの非常用回路14aへは、まず、第1蓄電ユニット1aの蓄電電力が供給される。
【0049】
しかし、第1蓄電ユニット1aの蓄電容量が減ってくると、徐々にV1の電圧が下がってくるため、V1<V2となったとき順電圧となり、ゲートへのパルス状信号によりサイリスタTh1がターンオンする。すると、第2蓄電ユニット1bから第1蓄電ユニット1aへ向けて電流が流れるため、今度は第2蓄電ユニット1bのバッテリパック15b,16b,17bから電力を供給することができる。
【0050】
このように非常時に蓄電電力の有効活用を図ることができる。また、V1とV2の電圧関係を利用して緩やかにDCライン5,6の接続を行うことができるため、第1の実施形態のような厳密なDCライン電圧の調整が不要である利点もある。もし、システムの都合上DCラインの接続を切断したい場合には、一時的にV1>V2と逆電圧が印加されるように、DC/DC変換器で電圧調整を行うことで、サイリスタTh1,Th2をターンオフすれば良い。
【0051】
さらに、第3の実施形態の構成は、第2の実施形態の構成とは異なり、AC/DC変換器11a,11bが故障した際にも有効である。図11に示すように第2蓄電ユニット1bのAC/DC変換器11bが故障すると、第2蓄電ユニット1bの蓄電電力はACラインを介して別のユニットに電力を供給することができなくなる。このため、系統安定化制御を行う上で蓄電池の容量が足りない恐れがあり、システム全体を停止しなければならない状況もありうる。
【0052】
しかし、DCラインのスイッチを閉じて接続することで、第2蓄電ユニット1bから第1蓄電ユニット1aへDCライン5,6を通じて電力を供給することで、継続してシステムを稼働することができる。具体的には配電系統停電の時と同様にV1とV2を制御した上でサイリスタTh1をターンオンさせれば良い。この時、サイリスタTh2はオフしたままなので、故障した第2蓄電ユニット1bの方向へ電力が供給されることはない。
【0053】
また、仮に、第2蓄電ユニット1aのAC/DC変換器11aが故障すると、第1蓄電ユニット1aの蓄電電力はACラインを介して別のユニットに電力を供給することができなくなる。このため、系統安定化制御を行う上で蓄電池の容量が足りない恐れがあり、システム全体を停止しなければならない状況もありうる。
【0054】
しかし、DCラインのサイリスタTh2をターンオンさせて接続することで、第1蓄電ユニット1aから第2蓄電ユニット1bへDCライン5,6を通じて電力を供給することで、継続してシステムを稼働することができる。この時、サイリスタTh1はオフしたままなので、故障した第1蓄電ユニット1aの方向へ電力が供給されることはない。
【0055】
第3の実施形態においても、図12に示すように複数の蓄電ユニット1a〜1d間のDC接続への拡張も可能である。このように各DCラインに対してマトリックス状にサイリスタを配置することで、任意の2つの蓄電ユニットを選び出し接続させることが可能となる。もちろん、サイリスタを複数閉じて3つ以上の蓄電ユニットのDCラインを接続しても良い。
【0056】
各サイリスタの開閉については各蓄電ユニット1a〜1dと情報を送受信する通信部42と、その指令を受け各スイッチに制御信号を送信する制御部43とにより構成し、制御部43により一括で制御すれば良い。
【0057】
第3の実施形態では、厳密なDC電圧調整が不要であることと、AC/DC変換器故障にも対応できる点で、第1の実施形態及び第2の実施形態よりも利点があるが、サイリスタのゲート制御回路を必要とするため、装置が大きくなったり、制御が若干複雑になる面もある。
【0058】
以上、第1の実施形態乃至第3の実施形態の蓄電システムを説明したが、それぞれメリットとデメリットがあるため、必要とされる非常時対策の内容や、制御性などを鑑み、必要に応じて選択すれば良い。
【0059】
このように、第1の実施形態乃至第3の実施形態の蓄電システムによれば、制御系を複雑にすることなく、かつ拡張性を損なうことなく、非常時においても蓄電電力を有効活用可能な蓄電システムを提供することができる。
【0060】
以上のように、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1a 第1蓄電ユニット
1b 第2蓄電ユニット
2 検出装置
3 配電系統
4 蓄電ユニット間DC接続回路
5,6 DCライン
11a,11b AC/DC変換器
12a,12b,13a,13b DC/DC変換器
14a 非常用回路
15a,15b,16a,16b,17b バッテリパック
22,155 管理部
41,41a〜41f スイッチ
21,42,113,123,154 通信部
43,112,122,153 制御部
D1〜D4 ダイオード
Th1〜Th12 サイリスタ
111 双方向インバータ
121 電圧昇降圧部
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、系統安定化や負荷変動抑制などを目的として需要家側に設置される蓄電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発電時に温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーを利用した発電設備を設置し、電力供給システムの低炭素化が検討されている。再生可能エネルギーを利用した発電は、電力供給量の制御が困難であり、安定した電力供給を実現することが困難である。 将来、このような再生可能エネルギーを利用した発電設備の設置数が拡大すると、短期的な電力需給バランスが崩れ、電力の周波数が適正値を逸脱する等のおそれがある。また、電力の安定供給が困難となり、電力の品質が悪化するおそれがある。
【0003】
そこで、再生可能エネルギーを利用した発電設備での余剰電力を蓄電する二次電池を配電系に設置するほか、需要家等に設置されている蓄電設備を活用して、蓄電や配電を行うことも検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−86927号公報
【特許文献2】特開平8−65895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような系統安定化や、負荷平準化・ピークカット・非常用電源などを目的として需要家側に設置される蓄電設備においては、バッテリパックとその充放電制御を行うDC/DC変換器及び系統連携AC/DC変換器との組(以後、蓄電ユニット、と呼ぶ)を複数個用意し、これらを系統ACラインに並列接続させた蓄電システムを構成することにより、需要家の規模に合わせた仕様の最適化が容易になる利点がある。
【0006】
しかし、例えば配電系統が停電し、バッテリパックの蓄電電力を用いてDCライン経由で非常用回路に電力供給を行いたい場合でも、非常用回路にDC接続されている特定の蓄電ユニットからしか非常用回路に電力を供給することができないという問題がある。
【0007】
これに対して、DCラインで全ての蓄電ユニットを常時接続する構成も考えられる。しかし、各蓄電ユニット間でDCラインの電圧を合わせる必要があり、システムの制御・通信が複雑になり、システム規模の拡張性を阻害することが懸念される。
【0008】
また、単一の蓄電ユニットとして構成した場合には、AC/DC変換器が一つになってしまうため、その変換器の仕様でシステム全体の出力容量が決まってしまうため、システムの拡張性に乏しい。また、DCラインが長く、電圧安定性に問題がある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、制御系を複雑にすることなく、かつ拡張性を損なうことなく、非常時においても蓄電電力を有効に活用できる蓄電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、実施形態に係る蓄電システムによれば、複数の蓄電ユニットを備えた蓄電システムであって、各々の蓄電ユニットは、複数のセルモジュールを収容するバッテリパックと、配電系統の交流ラインへ交流電流を出力し且つ前記配電系統の交流ラインから取得した交流電流を直流電流に変換して出力するAC/DC変換器と、前記AC/DC変換器から出力された直流ラインの直流電流を所定値の直流電流に変換して前記バッテリパックへ出力し且つ前記バッテリパックから出力された直流電流を所定値の直流電流に変換して前記AC/DC変換器の直流ラインへ出力するDC/DC変換器と、前記AC/DC変換器及び前記DC/DC変換器を制御する統括制御装置とを備え、前記複数の蓄電ユニットから選択される2つの蓄電ユニット間に設けられ、通常時には、前記2つの蓄電ユニット内の前記直流ライン同士の接続を切り離し、非常時には、前記2つの蓄電ユニット内の前記直流ライン同士を接続する蓄電ユニット間接続回路を設けたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る蓄電システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す第1の実施形態に係る蓄電システム内の各々の蓄電ユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す第1の実施形態に係る蓄電システムにおいて配電系統が停電した場合の動作を示す図である。
【図4】図1に示す第1の実施形態に係る蓄電システム内のA/D変換器が停電した場合の動作を示す図である。
【図5】図1に示す第1の実施形態に係る蓄電システムの複数の蓄電ユニットを複数のスイッチで接続する場合の構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る蓄電システムの構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示す第2の実施形態に係る蓄電システムにおいて配電系統が停電した場合の動作を示す図である。
【図8】図6に示す第2の実施形態に係る蓄電システムの複数の蓄電ユニットを複数のダイオードで接続する場合の構成を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る蓄電システムの構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示す第3の実施形態に係る蓄電システムにおいて配電系統が停電した場合の動作を示す図である。
【図11】図9に示す第3の実施形態に係る蓄電システム内のA/D変換器が停電した場合の動作を示す図である。
【図12】図9に示す第3の実施形態に係る蓄電システムの複数の蓄電ユニットを複数のサイリスタで接続する場合の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る蓄電システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る蓄電システムの構成を示すブロック図である。図2は、図1に示す第1の実施形態に係る蓄電システム内の各々の蓄電ユニットの構成を示すブロック図である。
【0014】
この蓄電システムは、建物内の電力系統である配電系統3に接続されるシステムであり、
配電系統3に接続される2つの蓄電ユニット1a,1bから構成されている。2つの蓄電ユニット1a,1bは、検出装置2、システム全体の統括制御を行なう統括制御装置20a,20b、AC/DC変換器11a,11b、DC/DC変換器12a,13a,12b,13b,14b、非常用回路13a、バッテリパック15a,15b,15c,15d,17bを備える。検出装置2は、例えば配電系統3の電流を検出する電流センサ、あるいは、EMS(Energy Management system)受信端末である。EMSとは、システムの外部に設けられるエネルギー管理システムである。
【0015】
統括制御装置20(20a,20b)は、管理部22、通信部21を有する。管理部22は、各バッテリパック15a〜17bの電池情報に基づいて各バッテリパック15a〜17bに対する充放電量を制御する負荷配分制御機能を有する。また、配電系統3の状態やシステム全体の稼働状況をモニタリングし、必要に応じてAC/DC変換器11(11a,11b)やDC/DC変換器12a,12b,13a,13b,14bに指令を行う。
【0016】
通信部21は、各バッテリパック15a〜17bの電池情報をAC/DC変換器11(11a,11b)やDC/DC変換器12a,12b,13a,13b,14bを介した通信によって取得したり、各変換器の稼働情報を受信したり、各変換器への制御指令情報の送信を行う。
【0017】
AC/DC変換器11(11a,11b)は、双方向インバータ111、制御部112、通信部113を有する。
双方向インバータ111は、パルス幅変調PWM(Pulse Width Modulation)制御可能なスイッチング素子を有し、配電系統3からの交流電力を直流電力に変換してDC/DC変換器12,13の直流ライン(DCライン)へ出力したり、DC/DC変換器12,13からのDCラインの直流電力を交流電力に変換して配電系統3に出力する。
制御部112は、統括制御装置20からの通信指令に基づいて双方向インバータ111の動作を制御する。通信部112は、DC/DC変換器12,13との間での情報の送受信を行なう。通信部113は、統括制御装置20との間での情報の送受信を行なう。
【0018】
DC/DC変換器12は、電圧昇降圧部121、制御部122、通信部123を有する。電圧昇降圧部121は、PWM制御可能なスイッチング素子を有し、AC/DC変換器11からの直流電力の電圧変換を行なってバッテリパック15a〜17bの二次電池に充電したり、この二次電池に蓄えられていた電力の電圧変換を行なってAC/DC変換器11に放電する。
制御部122は、統括制御装置20やAC/DC変換器11からの通信指令に基づいて電圧昇降圧部121を制御する。通信部123は、統括制御装置20、AC/DC変換器11、バッテリパック15a〜17bとの間での情報の送受信を行なう。
【0019】
バッテリパック15a〜17bは、複数のセルモジュールを収容する二次電池列、バッテリ管理装置BMU(Battery Management Unit)152を有し、このBMU152は、制御部153、通信部154、管理部155を有する。
二次電池列は、例えばリチウムイオン、NiMH、鉛などの二次電池を直並列に接続したものである。BMU152の制御部は、DC/DC変換器12,13からの通信指令に基づいて二次電池列を制御し、電池の充放電を行なう。通信部154は、DC/DC変換器12,13との間での情報の送受信を行なう。管理部155は、二次電池列の電圧、電流、温度、SOC(State Of Charge:充電状態)の値、内部抵抗、充放電積算電流などの電池情報を管理して、二次電池列の異常や充放電回数の残り寿命の検知を行なう。
【0020】
また、第1の実施形態では、DC/DC変換器12,13は、バッテリパック2つに対して1つずつ設けられる。具体的には、AC/DC変換器11と2つのバッテリパックの間にDC/DC変換器12,13が設けられる。もちろん、制御可能な範囲でDC/DC変換器12,13に接続されるバッテリパックの数を変更してもよい。
【0021】
さらに、AC/DC変換器11とDC/DC変換器12,13の間のDCラインには、別のDC/DC変換器とバッテリパックの組を接続することも可能である。また、非常時にバッテリからDCラインを通じて電力を供給できるように非常用回路14aを接続することもできる。このような非常用回路14aには、例えばビル内のエレベータや非常灯、データセンタなどの重要機器が繋がっているものとする。
【0022】
このようなシステムを構成することで、例えば太陽光発電による余剰電力があることを検出装置2で検出した際には、バッテリパック15a,15b,16a,16b,17bに充電を行い、逆に夏の昼間など電力使用量が多い際には、バッテリパック15a,15b,16a,16b,17bから放電を行うことで、電力系統の安定化や負荷変動の平準化が実現可能になる。
【0023】
また、蓄電システムを配置する需要家の規模に応じてバッテリパック15a,15b,16a,16b,17bの蓄電容量を変えることができ、複数システムに拡張性を持たせることが可能となる。
【0024】
さらに図1に示すように、複数の蓄電ユニット1a,1bをACラインで並列接続し統括制御装置20a,20bも通信線で接続して連携することで、システムの出力容量を変えることができ、やはりシステムの拡張性を持たせることが可能となる。
【0025】
次に、図1に示す蓄電ユニット間DC接続回路4を説明する。蓄電ユニット間DC接続回路4は、蓄電ユニット1aのDCライン5と蓄電ユニット1bのDCライン6の間に、スイッチ41、制御部42及び通信部43を有する。スイッチ41の一端はコネクタCN1を介して第1蓄電ユニット1a内のDCライン5に接続され、スイッチ41の他端はコネクタCN2を介して第2蓄電ユニット1b内のDCライン6に接続されている。
【0026】
通信部42は、統括制御装置20a,20bからの情報を受信する。制御部43は、統括制御装置20a,20bからの通信指令に基づいてスイッチ41の開閉を制御する。スイッチ41は、切片SWを有し、この切片SWにより制御部43からの制御指令に基づきDCラインの開閉を行う。蓄電ユニット1a,1bからDCライン5,6を外部に出力する際には、遮断器等の回路保護器を設けてもよい。
【0027】
通常の稼働時にはスイッチ41の切片SWを開とすることで、各蓄電ユニット1a,1b間のDCライン5,6は、電気的に接続されない状態となる。このように制御することで、AC/DC変換器11aとDC/DC変換器12a,13aの間のDCライン5は、蓄電ユニット1a内で閉じ、AC/DC変換器11bとDC/DC変換器12b,13bの間のDCライン6は、蓄電ユニット1b内で閉じるため、DCライン5,6の電圧制御等が行いやすいという利点がある。
【0028】
次に、配電系統3に停電が発生した場合のスイッチ41の開閉制御を説明する。図3に示すように配電系統3が停電した時には、まず蓄電ユニット1a,1b内の検出装置2は、配電系統3が停電したことを検出し、検出した情報を統括制御装置20a,20bに送信する。
【0029】
統括制御装置20a,20bは、検出した情報に基づき、蓄電ユニット間DC接続回路4内の通信部42にスイッチ41を閉じる制御指令を送信する。制御部43は、通信部42から指令を受け取り、スイッチ41を閉じる制御を行う。
【0030】
このようにスイッチ41を閉とすることで、各蓄電ユニット1a,1b間のDCライン5,6は、電気的に接続された状態となる。このように制御することで、蓄電ユニット1a,1b間の電力の融通が可能となる。このため、例えば図3において第1蓄電ユニット1a側に接続されている非常用回路14aに対して、第2蓄電ユニット1bのバッテリパック15b,16b,17bに蓄えられた電力を供給でき、非常時の蓄電電力の有効活用を図ることができる。
【0031】
ただし、各蓄電ユニット1a,1bのDC電圧を均等化制御する必要があるため、蓄電ユニット1a,1b間で統括制御装置20a,20bを介した通信を行い、DCライン5,6の安定化を図る制御を行うのが良い。
【0032】
また、第1の実施形態の蓄電システムは、AC/DC変換器11a,11bが故障した際も有効である。図4に示すように、例えば第2蓄電ユニット1bのAC/DC変換器11bが故障すると、第2蓄電ユニット1bの蓄電電力はACラインを介して別のユニットに電力を供給することができなくなる。このため、系統安定化制御を行う上で、蓄電池の容量が足りない恐れがあり、システム全体を停止しなければならないこともありうる。
【0033】
しかし、DCライン5,6のスイッチ41を閉じてDCライン5とDCライン6とを接続することで、第2蓄電ユニット1bから第1蓄電ユニット1aへDCライン5,6を介して電力を供給することで、継続して蓄電システムを稼働することができる。
【0034】
ただし、故障した第2蓄電ユニット1bの方向へ電力が供給されるのは好ましくないため、第2蓄電ユニット1b側のDC電圧を第1電ユニット1a側のDC電圧より少し高めに設定するように、統括制御装置20a,20bを介した通信制御を行うのが良い。
【0035】
また、第1の実施形態は、2つの蓄電ユニット1a,1b間のDCラインの接続のみでなく、図5に示すように複数の蓄電ユニット1a〜1d間のDCラインの接続にも拡張できる。図5に示す変形例では、蓄電ユニットの数をn個とすると、nC2の数だけスイッチ41を用意し、図5に示すように各DCライン間に配置すればよい。図5に示す例では、4C2の数、即ち6つのスイッチ41a〜41fを用意すれば良い。
【0036】
そして、6つのスイッチ41a〜41fを各DCラインに対してマトリックス状に配置することで、任意の2つの蓄電ユニットを選び出して接続させることができる。もちろん、スイッチを複数閉じて3つ以上の蓄電ユニットのDCラインを接続しても良い。各スイッチ41a〜41fの開閉については、各蓄電ユニットと情報を送受信する通信部42と、その指令を受け各スイッチに制御信号を送信する制御部43とで構成し、制御部43により一括で制御すればよい。
【0037】
このように第1の実施形態に係る蓄電システムによれば、通常稼働時は蓄電ユニット1a,1b間のDCライン5,6を電気的に切り離すことでDCライン5,6をユニット単位で管理・制御しつつ、非常時においてはスイッチ41により蓄電ユニット1a,1b間のDCライン5,6を電気的に接続して、複雑な制御を行うことなく蓄電ユニット1a,1b間の電力融通が可能となる。
【0038】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る蓄電システムの構成を示すブロック図である。図6に示す第2の実施形態の蓄電システムは、図1に示す第1の実施形態の蓄電システムの構成に対して、蓄電ユニット間DC接続回路4aの構成が異なる。蓄電ユニット間DC接続回路4aは、ダイオードD1のみからなる。
【0039】
ダイオードD1は、第2蓄電ユニット1bから第1蓄電ユニット1aの方向へのみ電流を流すように、アノードを第2蓄電ユニット1b側、カソードを第1蓄電ユニット1a側に接続している。
【0040】
ここで、通常の稼働時には第2蓄電ユニット1bのDC電圧V2よりも第1蓄電ユニット1aのDC電圧V1が高い状態を維持するように制御することで、各蓄電ユニット1a,1b間のDCライン5,6には電流が流れない状態とする。例えば、DCライン5,6の電圧許容範囲が±5%の場合、V1は+5%〜±0%の範囲とし、V2は±0%〜−5%との範囲とすればよい。
【0041】
これにより、ダイオードD1は逆バイアス状態となるため、AC/DC変換器11aとDC/DC変換器12a,13aの間のDCライン5は第1蓄電ユニット1a内で閉じ、AC/DC変換器11bとDC/DC変換器12b,13b,14bの間のDCライン6は第1蓄電ユニット1b内で閉じるため、DCライン5,6の電圧制御等が行いやすいという利点がある。
【0042】
次に、配電系統3に停電が発生した場合の動作を説明する。図7に示すように配電系統3が停電した時には、最初は、V1>V2の関係により第2蓄電ユニット1bから第1蓄電ユニット1aへは電流が流れない。このため、第1蓄電ユニット1aの非常用回路14aへは第1蓄電ユニット1aのバッテリパック15a,16aの蓄電電力が供給される。しかし、第1蓄電ユニット1aの蓄電容量が減ってくると、徐々に電圧V1が下がってくるが、V1<V2となるとダイオードD1が順方向となり、順方向電流が流れる。このため、今度は第2蓄電ユニット1bのバッテリパック15b,16b,17bから電力を非常用回路14aへ供給することができる。
【0043】
このように非常時に蓄電電力の有効活用を図ることができる。また、第1の実施形態の蓄電システムは、第1の実施形態の蓄電システムとは異なり、スイッチ41の開閉に必要となる面倒な制御・通信系を必要とせず、かつ蓄電ユニット1a,1b間のDCライン電圧調整を厳密に行う必要が無いという利点がある。ただし、第2の実施形態においては非常用回路14aが接続されている蓄電ユニットを決め、ダイオードD1の向きを予め設定しておく必要がある。
【0044】
また、蓄電ユニット1a,1b間の双方向の電力供給はできないため、第2の実施形態の蓄電システムは、第1の実施形態のようなAC/DC変換器11a,11bの故障への対策としては適さない。
【0045】
第2の実施形態の蓄電システムにおいても、図8に示すように複数の蓄電ユニット1a〜1d間のDCライン接続へ拡張できる。例えば第1蓄電ユニット1aと第2蓄電ユニット1bとにそれぞれ非常用回路14aが設置されていたとすると、第3蓄電ユニット1c及び第4蓄電ユニット1dから第1蓄電ユニット1a及び第2蓄電ユニット1bに電流が流れる方向になるように、ダイオードD1〜D4を設置すれば良い。
【0046】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る蓄電システムの構成を示すブロック図である。図9に示す第3の実施形態の蓄電システムは、図1に示す第1の実施形態の蓄電システムの構成に対して、蓄電ユニット間DC接続回路4bの構成が異なる。蓄電ユニット間DC接続回路4bは、逆方向並列接続された2つのサイリスタTh1,Th2と、通信部41と、制御部43とを有している。
【0047】
ここで、通常の稼働時にはサイリスタTh1,Th2のゲートG1,G2に制御部43から信号を印加しないようにすることで、各蓄電ユニット1a,1b間のDCライン5,6には電流が流れない状態とする。これにより、AC/DC変換器11aとDC/DC変換器12a,13aの間のDCライン5は第1蓄電ユニット1a内で閉じ、AC/DC変換器11bとDC/DC変換器12b,13b,14bの間のDCライン6は第2蓄電ユニット1b内で閉じるため、DCライン5,6の電圧制御等が行いやすいという利点がある。
【0048】
次に、配電系統3に停電が発生した場合の動作を説明する。図10に示すように配電系統3が停電したことを検出装置2が検出した際には、統括制御装置20a,20bの指令により、最初は非常用回路14aを有する第1蓄電ユニット1a側のDC電圧V1をV2より高くするように制御を行う。さらに、サイリスタTh1のゲートに制御部43からパルス状の信号を継続的に与えるが、このときは逆電圧のためサイリスタTh1は導通せず、第1蓄電ユニット1aの非常用回路14aへは、まず、第1蓄電ユニット1aの蓄電電力が供給される。
【0049】
しかし、第1蓄電ユニット1aの蓄電容量が減ってくると、徐々にV1の電圧が下がってくるため、V1<V2となったとき順電圧となり、ゲートへのパルス状信号によりサイリスタTh1がターンオンする。すると、第2蓄電ユニット1bから第1蓄電ユニット1aへ向けて電流が流れるため、今度は第2蓄電ユニット1bのバッテリパック15b,16b,17bから電力を供給することができる。
【0050】
このように非常時に蓄電電力の有効活用を図ることができる。また、V1とV2の電圧関係を利用して緩やかにDCライン5,6の接続を行うことができるため、第1の実施形態のような厳密なDCライン電圧の調整が不要である利点もある。もし、システムの都合上DCラインの接続を切断したい場合には、一時的にV1>V2と逆電圧が印加されるように、DC/DC変換器で電圧調整を行うことで、サイリスタTh1,Th2をターンオフすれば良い。
【0051】
さらに、第3の実施形態の構成は、第2の実施形態の構成とは異なり、AC/DC変換器11a,11bが故障した際にも有効である。図11に示すように第2蓄電ユニット1bのAC/DC変換器11bが故障すると、第2蓄電ユニット1bの蓄電電力はACラインを介して別のユニットに電力を供給することができなくなる。このため、系統安定化制御を行う上で蓄電池の容量が足りない恐れがあり、システム全体を停止しなければならない状況もありうる。
【0052】
しかし、DCラインのスイッチを閉じて接続することで、第2蓄電ユニット1bから第1蓄電ユニット1aへDCライン5,6を通じて電力を供給することで、継続してシステムを稼働することができる。具体的には配電系統停電の時と同様にV1とV2を制御した上でサイリスタTh1をターンオンさせれば良い。この時、サイリスタTh2はオフしたままなので、故障した第2蓄電ユニット1bの方向へ電力が供給されることはない。
【0053】
また、仮に、第2蓄電ユニット1aのAC/DC変換器11aが故障すると、第1蓄電ユニット1aの蓄電電力はACラインを介して別のユニットに電力を供給することができなくなる。このため、系統安定化制御を行う上で蓄電池の容量が足りない恐れがあり、システム全体を停止しなければならない状況もありうる。
【0054】
しかし、DCラインのサイリスタTh2をターンオンさせて接続することで、第1蓄電ユニット1aから第2蓄電ユニット1bへDCライン5,6を通じて電力を供給することで、継続してシステムを稼働することができる。この時、サイリスタTh1はオフしたままなので、故障した第1蓄電ユニット1aの方向へ電力が供給されることはない。
【0055】
第3の実施形態においても、図12に示すように複数の蓄電ユニット1a〜1d間のDC接続への拡張も可能である。このように各DCラインに対してマトリックス状にサイリスタを配置することで、任意の2つの蓄電ユニットを選び出し接続させることが可能となる。もちろん、サイリスタを複数閉じて3つ以上の蓄電ユニットのDCラインを接続しても良い。
【0056】
各サイリスタの開閉については各蓄電ユニット1a〜1dと情報を送受信する通信部42と、その指令を受け各スイッチに制御信号を送信する制御部43とにより構成し、制御部43により一括で制御すれば良い。
【0057】
第3の実施形態では、厳密なDC電圧調整が不要であることと、AC/DC変換器故障にも対応できる点で、第1の実施形態及び第2の実施形態よりも利点があるが、サイリスタのゲート制御回路を必要とするため、装置が大きくなったり、制御が若干複雑になる面もある。
【0058】
以上、第1の実施形態乃至第3の実施形態の蓄電システムを説明したが、それぞれメリットとデメリットがあるため、必要とされる非常時対策の内容や、制御性などを鑑み、必要に応じて選択すれば良い。
【0059】
このように、第1の実施形態乃至第3の実施形態の蓄電システムによれば、制御系を複雑にすることなく、かつ拡張性を損なうことなく、非常時においても蓄電電力を有効活用可能な蓄電システムを提供することができる。
【0060】
以上のように、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1a 第1蓄電ユニット
1b 第2蓄電ユニット
2 検出装置
3 配電系統
4 蓄電ユニット間DC接続回路
5,6 DCライン
11a,11b AC/DC変換器
12a,12b,13a,13b DC/DC変換器
14a 非常用回路
15a,15b,16a,16b,17b バッテリパック
22,155 管理部
41,41a〜41f スイッチ
21,42,113,123,154 通信部
43,112,122,153 制御部
D1〜D4 ダイオード
Th1〜Th12 サイリスタ
111 双方向インバータ
121 電圧昇降圧部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電ユニットを備えた蓄電システムであって、
各々の蓄電ユニットは、
複数のセルモジュールを収容するバッテリパックと、
配電系統の交流ラインへ交流電流を出力し且つ前記配電系統の交流ラインから取得した交流電流を直流電流に変換して出力するAC/DC変換器と、
前記AC/DC変換器から出力された直流ラインの直流電流を所定値の直流電流に変換して前記バッテリパックへ出力し且つ前記バッテリパックから出力された直流電流を所定値の直流電流に変換して前記AC/DC変換器の直流ラインへ出力するDC/DC変換器と、
前記AC/DC変換器及び前記DC/DC変換器を制御する統括制御装置とを備え、
前記複数の蓄電ユニットから選択される2つの蓄電ユニット間に設けられ、通常時には、前記2つの蓄電ユニット内の前記直流ライン同士の接続を切り離し、非常時には、前記2つの蓄電ユニット内の前記直流ライン同士を接続する蓄電ユニット間接続回路を設けたことを特徴とする蓄電システム。
【請求項2】
前記蓄電ユニット間接続回路は、前記統括制御装置から非常信号を受信する通信部と、スイッチと、前記通信部からの前記非常信号に基づき非常時に前記2つの蓄電ユニット内の前記直流ライン同士を接続するように前記スイッチを閉じる制御部とを有することを特徴とする請求項1記載の蓄電システム。
【請求項3】
前記スイッチは、各々の直流ラインに対してマトリックス状に配置されることを特徴とする請求項2記載の蓄電システム。
【請求項4】
前記蓄電ユニット間接続回路は、通常時に、前記2つの蓄電ユニット内の一方の蓄電ユニットの前記直流ラインの電位が他方の蓄電ユニットの前記直流ラインの電位よりも高く設定されている場合に、カソードが前記一方の蓄電ユニットの前記直流ラインに接続され、アノードが前記他方の蓄電ユニットの前記直流ラインに接続されたダイオードを有することを特徴とする請求項1記載の蓄電システム。
【請求項5】
前記ダイオードは、各々の直流ラインに対してマトリックス状に配置されることを特徴とする請求項4記載の蓄電システム。
【請求項6】
前記蓄電ユニット間接続回路は、前記統括制御装置から非常信号を受信する通信部と、逆方向並列接続された第1サイリスタ及び第2サイリスタと、前記通信部からの前記非常信号に基づき前記第1サイリスタと第2サイリスタのいずれかをターンオンさせる制御部とを有することを特徴とする請求項1記載の蓄電システム。
【請求項7】
前記第1サイリスタ及び前記第2サイリスタは、前記各々の直流ラインに対してマトリックス状に配置されることを特徴とする請求項6記載の蓄電システム。
【請求項1】
複数の蓄電ユニットを備えた蓄電システムであって、
各々の蓄電ユニットは、
複数のセルモジュールを収容するバッテリパックと、
配電系統の交流ラインへ交流電流を出力し且つ前記配電系統の交流ラインから取得した交流電流を直流電流に変換して出力するAC/DC変換器と、
前記AC/DC変換器から出力された直流ラインの直流電流を所定値の直流電流に変換して前記バッテリパックへ出力し且つ前記バッテリパックから出力された直流電流を所定値の直流電流に変換して前記AC/DC変換器の直流ラインへ出力するDC/DC変換器と、
前記AC/DC変換器及び前記DC/DC変換器を制御する統括制御装置とを備え、
前記複数の蓄電ユニットから選択される2つの蓄電ユニット間に設けられ、通常時には、前記2つの蓄電ユニット内の前記直流ライン同士の接続を切り離し、非常時には、前記2つの蓄電ユニット内の前記直流ライン同士を接続する蓄電ユニット間接続回路を設けたことを特徴とする蓄電システム。
【請求項2】
前記蓄電ユニット間接続回路は、前記統括制御装置から非常信号を受信する通信部と、スイッチと、前記通信部からの前記非常信号に基づき非常時に前記2つの蓄電ユニット内の前記直流ライン同士を接続するように前記スイッチを閉じる制御部とを有することを特徴とする請求項1記載の蓄電システム。
【請求項3】
前記スイッチは、各々の直流ラインに対してマトリックス状に配置されることを特徴とする請求項2記載の蓄電システム。
【請求項4】
前記蓄電ユニット間接続回路は、通常時に、前記2つの蓄電ユニット内の一方の蓄電ユニットの前記直流ラインの電位が他方の蓄電ユニットの前記直流ラインの電位よりも高く設定されている場合に、カソードが前記一方の蓄電ユニットの前記直流ラインに接続され、アノードが前記他方の蓄電ユニットの前記直流ラインに接続されたダイオードを有することを特徴とする請求項1記載の蓄電システム。
【請求項5】
前記ダイオードは、各々の直流ラインに対してマトリックス状に配置されることを特徴とする請求項4記載の蓄電システム。
【請求項6】
前記蓄電ユニット間接続回路は、前記統括制御装置から非常信号を受信する通信部と、逆方向並列接続された第1サイリスタ及び第2サイリスタと、前記通信部からの前記非常信号に基づき前記第1サイリスタと第2サイリスタのいずれかをターンオンさせる制御部とを有することを特徴とする請求項1記載の蓄電システム。
【請求項7】
前記第1サイリスタ及び前記第2サイリスタは、前記各々の直流ラインに対してマトリックス状に配置されることを特徴とする請求項6記載の蓄電システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−191737(P2012−191737A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52636(P2011−52636)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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