蓄電池の蓋、蓄電池の筐体および蓄電池ならびに蓄電池の蓋の製造方法
【課題】軽量化しつつ電槽にしっかりと接合可能な蓄電池の蓋ならびにそれを備えた蓄電池の筐体および蓄電池を提供する。
【解決手段】蓄電池100の蓋1は、天板部14と、天板部14の一方面側に突き出すように形成され、少なくとも一部に中空部20を有するリブ部15とを備え、中空部20がリブ部15の天板部14側に設けられている。
【解決手段】蓄電池100の蓋1は、天板部14と、天板部14の一方面側に突き出すように形成され、少なくとも一部に中空部20を有するリブ部15とを備え、中空部20がリブ部15の天板部14側に設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池の蓋、蓄電池の筐体および蓄電池ならびに蓄電池の蓋の製造方法に関し、特に、リブ部を有する蓄電池の蓋、それを備えた蓄電池の筐体および蓄電池ならびに蓄電池の蓋の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、リブ部を有する蓄電池の蓋を備えた蓄電池が提案されている。たとえば、特開2006−331795号公報(特許文献1)には、内壁および隔壁(リブ部)が形成された蓄電池の蓋が記載されている。そして、この内壁および隔壁(リブ部)が電槽本体と溶着されることが記載されている。また、特開2005−339969号公報(特許文献2)には、上蓋が通常の金型を使用して射出成型により製造されることが記載されている。そして、この上蓋が電池電槽に熱溶着されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−331795号公報
【特許文献2】特開2005−339969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特開2006−331795号公報では、内壁および隔壁(リブ部)は中実に形成されている。また、上記の特開2005−339969号でも通常の射出成型により製造されるため上蓋は中実に形成されている。これらの公報では、蓄電池の蓋が中実に形成されているため蓄電池の蓋が重くなるという問題がある。
【0005】
また、蓄電池の蓋を電槽にしっかりと接合するために電槽と接合される蓋のリブ部には厚みが必要となる。そのため、蓄電池の蓋がさらに重くなる。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、軽量化しつつ電槽にしっかりと接合可能な蓄電池の蓋ならびにそれを備えた蓄電池の筐体および蓄電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の蓄電池の蓋は、天板部と、天板部の一方面側に突き出すように形成され、少なくとも一部に中空部を有するリブ部とを備え、中空部がリブ部の天板部側に設けられている。
【0008】
本発明の蓄電池の蓋によれば、少なくとも一部に中空部を有するリブ部を備えているため、蓋を軽量化することができる。また中空部がリブ部の天板部側に設けられているため、リブ部を電槽に接合するための接合しろを確保することができる。そのため、リブ部を電槽にしっかりと接合することができる。
【0009】
上記の蓄電池の蓋において好ましくは、蓋は蓄電池の電槽に接合されるものであり、リブ部は電槽と蓋との接合用のリブであり、中空部の周りに配置された先端部および側面部を含み、先端部の厚みは側面部の厚みより大きくなるよう構成されている。先端部の厚みが側面部の厚みより大きくなるよう構成されているため、蓋を接合するための接合しろを確実に確保することができる。
【0010】
上記の蓄電池の蓋において好ましくは、中空部は、リブ部の長手方向の一端から他端まで連続的に形成されている。そのため、更に蓋を軽量化することができる。その上、リブ部の長手方向に沿う蓋のそりをリブ部の長手方向の全長にわたって抑制することができる。
【0011】
中空部が蓋の長手方向に形成されている場合、蓋の長手方向に設けられたリブ部の長手方向の一端から他端まで中空部が連続的に形成されている。これにより、蓋の長手方向のそりを蓋の長手方向に設けられたリブ部の長手方向の全長にわたって抑制することができる。中空部が蓋の短手方向に形成されている場合、蓋の短手方向に設けられたリブ部の長手方向の一端から他端まで中空部が連続的に形成されている。これにより、蓋の短手方向のそりを蓋の短手方向に設けられたリブ部の長手方向の全長にわたって抑制することができる。
【0012】
中空部が蓋の長手方向および短手方向の両方に形成されている場合、蓋の長手方向および短手方向の両方に設けられたリブ部の長手方向の一端から他端まで中空部が連続的に形成されている。これにより、蓋の長手方向および短手方向のそりを蓋の長手方向および短手方向の両方に設けられたリブ部の全長にわたって抑制することができる。そのため、蓋の全体にわたってそりを抑制することができる。
【0013】
上記の蓄電池の蓋において好ましくは、リブ部の近傍に形成された端子部を含み、端子部とリブ部との間に、天板部の厚みが薄くなる薄肉部を有している。これにより、薄肉部によってリブ部から端子部に中空部が延びることを防止することができる。このため、端子部に中空部が形成されることを防止することができる。したがって、中空部によって端子部の強度が低下することを防止することができる。よって、中空部のために端子部が変形または破損することを防止することができる。
【0014】
本発明の蓄電池の筐体は、電槽と、電槽にリブ部を接合可能な上記のいずれかの蓄電池の蓋とを備えている。本発明の蓄電池の筐体によれば、上記のいずれかの蓄電池の蓋を備えているため、軽量化しつつ電槽にしっかりと接合可能な蓄電池の蓋を備えた蓄電池の筐体を提供することができる。
【0015】
本発明の蓄電池は、電槽と、電槽にリブ部が接合されている上記のいずれかの蓄電池の蓋とを備えている。本発明の蓄電池によれば、上記のいずれかの蓄電池の蓋を備えているため、軽量化しつつ電槽にしっかりと接合可能な蓄電池の蓋を備えた蓄電池を提供することができる。
【0016】
本発明の蓄電池の蓋の製造方法は、金型内のキャビティに樹脂とガスとを注入する蓄電池の蓋の製造方法であって、キャビティはリブ部を有する蓋の形状に対応する形状を有しており、キャビティ内に樹脂を注入する工程と、樹脂の注入開始後、リブ部の少なくとも一部に中空部を形成するようにキャビティ内にガスを注入する工程と、キャビティ内に注入された樹脂を硬化させる工程とを備えている。
【0017】
本発明の蓄電池の蓋の製造方法によれば、樹脂の注入開始後、リブ部の少なくとも一部に中空部を形成するようにキャビティ内にガスを注入する工程によってリブ部の少なくとも一部に中空部を形成することができる。そのため、蓋を軽量化することができる。
【0018】
また中空部を形成することにより中空部が形成された部分の蓋の厚みを小さくすることができる。そのため、蓋のひけやそりの原因となる蓋の厚肉部をなくすことができる。これにより、中空部が形成された部分の蓋の樹脂の収縮力を小さくすることができる。したがって、蓋のひけおよびそりを抑制することができる。
【0019】
また、本発明の蓄電池の蓋の製造方法では、樹脂の注入開始後、リブ部の少なくとも一部に中空部を形成するようにキャビティ内にガスを注入する工程を備えている。このため、保圧工程と冷却工程とのトータル時間が短くなる。そのため、ガスを注入しない場合と比較して、ガスを注入する本発明の蓄電池の蓋の製造方法は、蓋の製造時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、軽量化しつつ電槽にしっかりと接合可能な蓄電池の蓋ならびにそれを備えた蓄電池の筐体および蓄電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態における蓄電池の概略斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う概略断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う概略断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態における蓄電池の蓋の概略斜視図である。
【図5】図4に示す蓄電池の蓋の裏面側を示す概略斜視図である。
【図6】図4に示す蓄電池の蓋の表面側を示す概略上面図である。
【図7】図4に示す蓄電池の蓋の裏面側を示す概略下面図である。
【図8】図4に示す蓄電池の蓋の概略側面図である。
【図9】図6のIX−IX線に沿う概略断面図である。
【図10】図9で示す断面に沿う概略斜視図である。
【図11】図10のP1部を示す概略正面図である。
【図12】図10のP2部を示す概略正面図である。
【図13】本発明の一実施の形態における蓄電池の中空部の配置を示す概略下面図である。
【図14】図13のP3部を示す概略斜視図である。
【図15】比較例の蓄電池の蓋の裏面側を示す概略斜視図である。
【図16】本発明の一実施の形態における蓄電池の蓋の製造方法を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施の形態における蓄電池の蓋の製造方法を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。
最初に本発明の一実施の形態の蓄電池の構成について説明する。
【0023】
図1を参照して、蓄電池100は、筐体10と、図示しない極群などの一般的な蓄電池の各種要素とを有している。筐体10は、蓋1と、電槽2と、端子3と、液口栓4とを主に有している。
【0024】
図2および図3を参照して、蓋1の表面には、端子3が突き出すように取り付けられている。また、蓋1の表面に液口栓4が螺着されている。蓋1は電槽2の開口に対応した矩形の平面形状を有しており、たとえば合成樹脂で構成されている。蓋1は、リブ部15を有している。リブ部15は電槽2と蓋1との接合用のリブである。リブ部15は少なくとも一部に中空部20を有している。蓋1は、ガスアシスト成形により形成することができる。
【0025】
電槽2は、たとえば、直方体形状の容器であり、合成樹脂で構成されている。電槽2は、外壁5と、隔壁7とを有している。外壁5と隔壁7とで取り囲まれた空間内に図示しない極群などの一般的な蓄電池の各種要素が収容されている。電槽2は蓋1と溶着されている。リブ部15は外壁5および隔壁7と溶着部6を介して溶着されている。
【0026】
図4および図5を参照して、蓋1は、天板部14とリブ部15とを備える。図4に示すように、蓋1の表面側には、液口栓4が螺着されるように液口11が形成されている。突起部12は蓋1の表面側に突き出すように形成されている。突起部12に端子3が固定されている。
【0027】
図5に示すように、蓋1の裏面側には、リブ部15が設けられている。端子部16が天板部14から突き出すように構成されている。リブ部15は天板部14の裏面側(一方面側)から突き出すように形成されている。一部のリブ部15は蓋1の外縁に沿って連続的に形成されている。また一部のリブ部15は各液口11の間を通り、かつ蓋1の外縁に形成されたリブ部15を接続するように連続的に形成されている。
【0028】
図6を参照して、蓋1の表面の長手方向の中央部で、かつ短手方向において液口11に対して端子3と反対側にガスアシスト成形のゲート部13が設けられている。
【0029】
図7を参照して、リブ部15の近傍に端子部16が形成されている。端子部16とリブ部15との間に、天板部14の厚みが薄くなる薄肉部18が設けられている。より具体的には、端子部16と、端子部16を挟んで配置されたリブ部15との間に薄肉部18が構成されている。薄肉部18の長さは端子部16の直径より大きくなるようリブ部15に沿って構成されている。
【0030】
蓋1の天板部14の長手方向の中央部で、かつ短手方向において液口11に対して端子部16と反対側にガスアシスト成形のガス注入部17が設けられている。ガスを導入するために、ガス注入部17からリブ部15まで天板部14から突き出すようにガス導入部17aが形成されている。
【0031】
図6および図7を参照して、液口11は蓋1を貫通して形成されている。液口11は、たとえば6個形成されており、蓋1の長手方向に互いに等間隔に配置されている。両端の液口11の近傍にはそれぞれ端子部16が形成されている。端子部16は、液口11から蓋1の短手方向の一方側に移動した位置に配置されている。
【0032】
図8を参照して、蓋1の表面の突起部12以外の部分は平らに形成されている。蓋1の最外周には、外周部19が設けられている。
【0033】
次に図9および図10を用いて蓋の断面構造について説明する。
図9および図10を参照して、リブ部15は、中空部20の周りに配置された先端部21と側面部22とを有している。中空部20はリブ部15の天板部14側に設けられている。そのため、先端部21の厚みを確保することができる。先端部21の厚みは、たとえば、1.5mm以上6mm以下に形成することができる。先端部21の厚みは、さらに好ましくは2mm以上4mm以下に形成することができる。
【0034】
中空部20は、断面視において、たとえば先端部21側に頂点が位置し、天板部14側に底辺が位置する略三角形状を有している。なお、中空部20は三角形状に限定されず、先端部21側の幅が天板部14側の幅より狭くなるよう形成された台形形状を有していてもよい。
【0035】
このような形状により、リブ部15が電槽2に溶着される際にリブ部15を押さえる力に対して強度を向上することができる。また、中空部20の天板部14側の幅が大きいため、蓋1の表面と中空部20との厚みが小さい部分を大きくすることができる。このため、蓋1のひけおよびそりを抑制することができる。
【0036】
天板部14とリブ部15の側面とに連続的にテーパ(Cカット)23が形成されている。ガスアシスト成形では厚みが大きい部分に中空部20が形成されるため、Cカットを形成することにより中空部20の形成の自由度を向上することができる。
【0037】
図11および図12を参照して、先端部21の厚みは側面部22の厚みより大きくなるよう構成されている。これにより、蓋1を溶着するための溶着しろを確実に確保することができる。図11に示すリブ部15は、リブ部15の根元に肉付けされた形状を有している。図12に示すリブ部15は、リブ部15の根元に肉付けされた形状を有していない。
【0038】
図11で示される側面部22の方が図12で示される側面部22より厚みが大きいため、図11で示されるリブ部15の方が電槽2に溶着される際の強度を高くすることができる。
【0039】
図13を参照して、図中一点鎖線は中空部20が形成されている領域を示している。図中下端および中央のリブ部15では、中空部20はリブ部15の長手方向の一端から他端まで連続的に形成されている。
【0040】
図中下端のリブ部15では、蓋1の長手方向に設けられたリブ部15の長手方向の一端から他端まで中空部20が連続的に形成されている。このため、図中下端のリブ部15に形成された中空部20によって、蓋1の長手方向のそりが図中下端のリブ部15の長手方向の全長にわたって抑制される。
【0041】
また、図中中央のリブ部15では、蓋1の短手方向に設けられたリブ部15の長手方向の一端から他端まで中空部20が連続的に形成されている。このため、図中中央のリブ部15に形成された中空部20によって、蓋1の短手方向のそりが図中中央のリブ部15の長手方向の全長にわたって抑制される。
【0042】
さらに、図中下端および中央のリブ部15によって、蓋1の長手方向および短手方向のそりが図中下端および中央のリブ部15の全長にわたって抑制される。そのため、蓋1の全体にわたってそりが抑制される。
【0043】
なお、中空部20はリブ部15の全ての領域において形成されていなくてもよい。蓋1のそりを抑制するため中空部20はリブ部15の7割以上の領域で形成されていることが好ましい。
【0044】
図13および図14を参照して、薄肉部18の厚みは、薄肉部18の周囲の天板部14の厚みより小さくなるよう構成されている。薄肉部18は天板部14の厚みが薄いため、薄肉部18に中空部20が形成されることが防止される。これにより、リブ部15から端子部16に中空部20が延びることが防止される。
【0045】
つまり、図15に示すように薄肉部18が形成されていない比較例の蓋1では、リブ部15から端子部16に中空部20が延びることによって端子部16に中空部20が形成されている。着脱などの際に端子3にはトルクが作用するため、端子部16に中空部20が形成されていると端子部16が変形または破損するおそれがある。
【0046】
次に本発明の一実施の形態の蓄電池の蓋の製造方法について説明する。
図16および図17を参照して、蓄電池100の蓋1は金型31内のキャビティ33に樹脂36とガスとを注入するガスアシスト成形によって製造することができる。金型31にはキャビティ33が形成されている。キャビティ33はリブ部15を有する蓋1の形状に対応する形状を有している。
【0047】
金型31にはキャビティ33と導通するようにランナー32bが形成されており、ランナー32bと導通するようにスプルーaが形成されている。スプルー32aにはシリンダ34が樹脂36を注入可能に接続されている。金型31は、たとえばホットランナー式のバルブゲート仕様で構成されている。金型31は、固定側が蓋1の表面側に配置され、可動側が蓋1の裏面側に配置されている。
【0048】
キャビティ33に対してシリンダ34と反対側において、キャビティ33にガスノズル37が接続されている。ガスノズル37はキャビティ33内にガスを注入可能に構成されている。ガスノズル37には図示しないガスボンベまたはガス発生装置、ガス計量圧縮装置および圧力制御装置が接続されている。
【0049】
端子3(図1)が金型31の固定側にインサートされる。続いて、適正な型締め圧力により金型31が閉じられて保持される。シリンダ34内の適正に溶融計量された樹脂36が金型31内に射出注入される。充填時間は、たとえば2〜4秒に設定される。樹脂36は、たとえばポリプロピレンであり、溶融温度以上に加熱される。
【0050】
より具体的には、溶融温度移動に加熱された樹脂36はスクリュー35によりシリンダ34からスプルー32aに射出される。続いて樹脂36はスプルー32aからランナー32bに送られる。ランナー32bに送られた樹脂36は、キャビティ33に樹脂36が流入する入口部分であるゲート32cからキャビティ33内に注入される(樹脂注入工程S1)。なお、ゲート32cは蓋1の表面側に1箇所設けられている。
【0051】
続いて、適切なタイミングで高圧ガスが金型31の可動側から金型31内に注入される。ガスは蓋1の裏面側の1箇所から注入される。ガスはたとえば窒素ガスが使用される。より具体的には、キャビティ33内への樹脂36の注入開始後、キャビティ33内にガスノズル37からガスが注入される。ガスはリブ部15の少なくとも一部に中空部20を形成するようにキャビティ33内に注入される(ガス注入工程S2)。ガスの圧力は、たとえば5Mpa〜10Mpaに設定される。
【0052】
ガス注入工程S2によってリブ部15の少なくとも一部に中空部20が形成されるため、蓋1が軽量化される。また、中空部20が形成された部分の蓋1の厚みが小さくなるため、蓋1のひけやそりの原因となる蓋1の厚肉部をなくすことができる。これにより、中空部20が形成された部分の蓋1の樹脂36の収縮力が小さくなるため、蓋1のひけおよびそりが抑制される。
【0053】
また、キャビティ33に樹脂36とガスとを注入するため、キャビティ33内での樹脂36を保圧する工程(保圧工程)と樹脂36を冷却する工程(冷却工程)とのトータル時間が短くなる。そのため、ガスを注入しない場合と比較して蓋1の製造時間が短縮される。
【0054】
また、樹脂36の注入開始後にガスを注入するため、樹脂36とガスとを同時に注入開始する場合と比較して、樹脂36に穴が開くことを抑制することができる。
【0055】
続いて、ガスは樹脂36の冷却時間以下のたとえば数秒〜数十秒間保持される。その後圧力が開放される。樹脂36が冷却されることにより、キャビティ33内に注入された樹脂36が硬化される(樹脂硬化工程S3)。樹脂36が硬化された後、金型31が開かれて、蓋1が金型31から取り出される。
【0056】
キャビティ33内に注入されるガスの圧力は樹脂36の圧力よりも小さくすることができる。そのため、ガスを注入しない場合と比較して、小さい圧力で蓋1が成形される。このため、蓋1の樹脂36の残存応力が小さくなるため、樹脂36の残存応力による蓋1のそりを抑制することができる。
【0057】
次に本発明の一実施の形態の作用効果について説明する。
本発明の一実施の形態の蓄電池100の蓋1によれば、少なくとも一部に中空部20を有するリブ部15を備えているため、蓋1を軽量化することができる。また中空部20がリブ部15の天板部14側に設けられているため、リブ部15を電槽2に溶着するための溶着しろを確保することができる。そのため、リブ部15を電槽2にしっかりと溶着することができる。
【0058】
また、中空部20が形成されることにより蓋1が軽量化されるため、蓋1の材料費などのコストを軽減させることができる。よって、生産性を向上させることができる。
【0059】
また、リブ部15の先端部21の厚みは側面部22の厚みより大きくなるよう構成されているため、蓋1を溶着するための溶着しろを確実に確保することができる。
【0060】
また、中空部20は、リブ部15の長手方向の一端から他端まで連続的に形成されているため、更に蓋1を軽量化することができる。その上、リブ部15の長手方向に沿う蓋1のそりをリブ部15の長手方向の全長にわたって抑制することができる。
【0061】
中空部20は、蓋1の長手方向および短手方向の少なくともいずれかにリブ部15の長手方向の一端から他端まで連続的に形成されていればよい。中空部20が蓋1の長手方向に形成されている場合、蓋1の長手方向に設けられたリブ部15の長手方向の一端から他端まで中空部20が連続的に形成されている。
【0062】
これにより、蓋1の長手方向のそりを蓋1の長手方向に設けられたリブ部15の長手方向の全長にわたって抑制することができる。中空部20が蓋1の短手方向に形成されている場合、蓋1の短手方向に設けられたリブ部15の長手方向の一端から他端まで中空部20が連続的に形成されている。これにより、蓋1の短手方向のそりを蓋1の短手方向に設けられたリブ部15の長手方向の全長にわたって抑制することができる。
【0063】
中空部20が蓋1の長手方向および短手方向の両方に形成されている場合、蓋1の長手方向および短手方向の両方に設けられたリブ部15の長手方向の一端から他端まで中空部20が連続的に形成されている。これにより、蓋1の長手方向および短手方向のそりを蓋1の長手方向および短手方向の両方に設けられたリブ部15の全長にわたって抑制することができる。そのため、蓋1の全体にわたってそりを抑制することができる。
【0064】
また、端子部16とリブ部15との間に、天板部14の厚みが薄くなる薄肉部18を有しているため、薄肉部18によってリブ部15から端子部16に中空部20が延びることを防止することができる。このため、端子部16に中空部20が形成されることを防止することができる。したがって、中空部20によって端子部16の強度が低下することを防止することができる。よって、中空部20のために端子部16が変形または破損することを防止することができる。
【0065】
本発明の一実施の形態の蓄電池100の筐体10によれば、電槽2と、電槽2にリブ部15を接合可能な上記のいずれかの蓄電池100の蓋1とを備えている。上記のいずれかの蓄電池100の蓋1を備えているため、軽量化しつつ電槽2にしっかりと溶着可能な蓄電池100の蓋1を備えた蓄電池100の筐体10を提供することができる。
【0066】
本発明の一実施の形態の蓄電池100によれば、電槽2と、電槽2にリブ部15が接合されている上記のいずれかの蓄電池100の蓋1とを備えている。上記のいずれかの蓄電池100の蓋1を備えているため、軽量化しつつ電槽2にしっかりと溶着可能な蓄電池100の蓋1を備えた蓄電池100を提供することができる。
【0067】
本発明の一実施の形態の蓄電池100の蓋1の製造方法によれば、キャビティ33はリブ部15を有する蓋1の形状に対応する形状を有しており、キャビティ33内に樹脂を注入する工程(樹脂注入工程S1)と、樹脂36が注入された後、リブ部15の少なくとも一部に中空部20を形成するようにキャビティ33内にガスを注入する工程(ガス注入工程S2)と、キャビティ33内に注入された樹脂36を硬化させる工程(樹脂硬化工程S3)とを備えている。このため、ガス注入工程S2によってリブ部15の少なくとも一部に中空部20を形成することができる。そのため、蓋1を軽量化することができる。
【0068】
また、中空部20を形成することにより中空部20が形成された部分の蓋1の厚みを小さくすることができる。そのため、蓋1のひけやそりの原因となる蓋1の厚肉部をなくすことができる。これにより、中空部20が形成された部分の蓋1の樹脂36の収縮力を小さくすることができる。したがって、蓋1のひけおよびそりを抑制することができる。
【0069】
また、本発明の一実施の形態の蓄電池の蓋の製造方法では、樹脂36の注入開始後、リブ部15の少なくとも一部に中空部20を形成するようにキャビティ33内にガスを注入する工程を備えている。このため、保圧工程と冷却工程とのトータル時間が短くなる。そのため、ガスを注入しない場合と比較して、ガスを注入する本発明の一実施の形態の蓄電池100の蓋1の製造方法は、蓋1の製造時間を短縮することができる。
【実施例】
【0070】
以下、実施例について説明する。
図11および図12に示すリブ部の各英文字で示される部分の寸法を変更した実施例を複数準備した。各実施例の圧縮強度を測定した。測定は圧縮速度10mm/分で行った。測定結果を表1に示す。
【0071】
図11、図12および表1の各英文字は、平板部の厚みA、中空部の底面と蓋の表面との距離B、先端部の厚みC、側壁の一方側の厚みD、側壁の他方側の厚みD’、中空部の底面の長さE、中空部の頂点から底面までの距離(中空部の高さ)H、試験片の幅(図11および図12の紙面に垂直な方向における幅)Wを示す。
【0072】
実施例1〜実施例3は、図11に示す根元に肉付けされた形状を有するリブ部である。実施例4〜実施例6は、図12に示す根元に肉付けされた形状を有していないリブ部である。
【0073】
【表1】
【0074】
実施例1〜実施例3では、屈曲(降伏)点は446N〜808Nとなり、変位量は0.6mmとなった。実施例4〜実施例6では、屈曲(降伏)点は202N〜324Nとなり、変位量は0.4〜0.5mmとなった。これより、実施例1〜6では、中空部が形成されていても十分な圧縮強度を有していることがわかった。そのため、実施例1〜6では、溶着時にリブ部を電槽に押さえつけてもリブ部が屈曲しないことがわかった。したがって、、リブ部を電槽にしっかりと溶着することができることがわかった。
【0075】
また、図11に示す根元に肉付けされた形状を有するリブ部の方が、図12に示す根元に肉付けされた形状を有していないリブ部より屈曲(降伏)点が高いことがわかった。これにより、図11に示す根元に肉付けされた形状を有するリブ部の方が、図12に示す根元に肉付けされた形状を有していないリブ部より圧縮強度が高いことがわかった。
【0076】
また、図11に示す根元に肉付けされた形状を有するリブ部では、屈曲(降伏)点について、実施例1は808Nとなり、実施例2は446Nとなり、実施例3は493Nとなった。
【0077】
実施例1は、実施例2または3より側壁の一方側の厚みD、側壁の他方側の厚みD’が大きい。したがって、側壁の一方側の厚みD、側壁の他方側の厚みD’が大きいため、実施例1は、実施例2または3より圧縮強度が高くなることがわかった。
【0078】
なお、上記ではリブ部を電槽に溶着する場合を例として説明したが、リブ部を電槽に接着剤によって接合してもよい。リブ部を電槽に接着剤によって接合する場合、リブ部および電槽には互いに嵌合するように凹凸が形成されていてもよい。
【0079】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、リブ部を有する蓄電池の蓋ならびにそれを備えた蓄電池の筐体および蓄電地に特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0081】
1 蓋、2 電槽、3 端子、4 液口栓、5 外壁、6 溶着部、7 隔壁、10 筐体、11 液口、12 突起部、13 ゲート部、14 天板部、15 リブ部、16 端子部、17 ガス注入部、17a ガス導入部、18 薄肉部、19 外周部、20 中空部、21 先端部、22 側面部、31 金型、32a スプルー、32b ランナー、32c ゲート、33 キャビティ、34 シリンダ、35 スクリュー、36 樹脂、37 ガスノズル、100 蓄電池、S1 樹脂注入工程、S2 ガス注入工程、S3 樹脂硬化工程。
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池の蓋、蓄電池の筐体および蓄電池ならびに蓄電池の蓋の製造方法に関し、特に、リブ部を有する蓄電池の蓋、それを備えた蓄電池の筐体および蓄電池ならびに蓄電池の蓋の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、リブ部を有する蓄電池の蓋を備えた蓄電池が提案されている。たとえば、特開2006−331795号公報(特許文献1)には、内壁および隔壁(リブ部)が形成された蓄電池の蓋が記載されている。そして、この内壁および隔壁(リブ部)が電槽本体と溶着されることが記載されている。また、特開2005−339969号公報(特許文献2)には、上蓋が通常の金型を使用して射出成型により製造されることが記載されている。そして、この上蓋が電池電槽に熱溶着されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−331795号公報
【特許文献2】特開2005−339969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特開2006−331795号公報では、内壁および隔壁(リブ部)は中実に形成されている。また、上記の特開2005−339969号でも通常の射出成型により製造されるため上蓋は中実に形成されている。これらの公報では、蓄電池の蓋が中実に形成されているため蓄電池の蓋が重くなるという問題がある。
【0005】
また、蓄電池の蓋を電槽にしっかりと接合するために電槽と接合される蓋のリブ部には厚みが必要となる。そのため、蓄電池の蓋がさらに重くなる。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、軽量化しつつ電槽にしっかりと接合可能な蓄電池の蓋ならびにそれを備えた蓄電池の筐体および蓄電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の蓄電池の蓋は、天板部と、天板部の一方面側に突き出すように形成され、少なくとも一部に中空部を有するリブ部とを備え、中空部がリブ部の天板部側に設けられている。
【0008】
本発明の蓄電池の蓋によれば、少なくとも一部に中空部を有するリブ部を備えているため、蓋を軽量化することができる。また中空部がリブ部の天板部側に設けられているため、リブ部を電槽に接合するための接合しろを確保することができる。そのため、リブ部を電槽にしっかりと接合することができる。
【0009】
上記の蓄電池の蓋において好ましくは、蓋は蓄電池の電槽に接合されるものであり、リブ部は電槽と蓋との接合用のリブであり、中空部の周りに配置された先端部および側面部を含み、先端部の厚みは側面部の厚みより大きくなるよう構成されている。先端部の厚みが側面部の厚みより大きくなるよう構成されているため、蓋を接合するための接合しろを確実に確保することができる。
【0010】
上記の蓄電池の蓋において好ましくは、中空部は、リブ部の長手方向の一端から他端まで連続的に形成されている。そのため、更に蓋を軽量化することができる。その上、リブ部の長手方向に沿う蓋のそりをリブ部の長手方向の全長にわたって抑制することができる。
【0011】
中空部が蓋の長手方向に形成されている場合、蓋の長手方向に設けられたリブ部の長手方向の一端から他端まで中空部が連続的に形成されている。これにより、蓋の長手方向のそりを蓋の長手方向に設けられたリブ部の長手方向の全長にわたって抑制することができる。中空部が蓋の短手方向に形成されている場合、蓋の短手方向に設けられたリブ部の長手方向の一端から他端まで中空部が連続的に形成されている。これにより、蓋の短手方向のそりを蓋の短手方向に設けられたリブ部の長手方向の全長にわたって抑制することができる。
【0012】
中空部が蓋の長手方向および短手方向の両方に形成されている場合、蓋の長手方向および短手方向の両方に設けられたリブ部の長手方向の一端から他端まで中空部が連続的に形成されている。これにより、蓋の長手方向および短手方向のそりを蓋の長手方向および短手方向の両方に設けられたリブ部の全長にわたって抑制することができる。そのため、蓋の全体にわたってそりを抑制することができる。
【0013】
上記の蓄電池の蓋において好ましくは、リブ部の近傍に形成された端子部を含み、端子部とリブ部との間に、天板部の厚みが薄くなる薄肉部を有している。これにより、薄肉部によってリブ部から端子部に中空部が延びることを防止することができる。このため、端子部に中空部が形成されることを防止することができる。したがって、中空部によって端子部の強度が低下することを防止することができる。よって、中空部のために端子部が変形または破損することを防止することができる。
【0014】
本発明の蓄電池の筐体は、電槽と、電槽にリブ部を接合可能な上記のいずれかの蓄電池の蓋とを備えている。本発明の蓄電池の筐体によれば、上記のいずれかの蓄電池の蓋を備えているため、軽量化しつつ電槽にしっかりと接合可能な蓄電池の蓋を備えた蓄電池の筐体を提供することができる。
【0015】
本発明の蓄電池は、電槽と、電槽にリブ部が接合されている上記のいずれかの蓄電池の蓋とを備えている。本発明の蓄電池によれば、上記のいずれかの蓄電池の蓋を備えているため、軽量化しつつ電槽にしっかりと接合可能な蓄電池の蓋を備えた蓄電池を提供することができる。
【0016】
本発明の蓄電池の蓋の製造方法は、金型内のキャビティに樹脂とガスとを注入する蓄電池の蓋の製造方法であって、キャビティはリブ部を有する蓋の形状に対応する形状を有しており、キャビティ内に樹脂を注入する工程と、樹脂の注入開始後、リブ部の少なくとも一部に中空部を形成するようにキャビティ内にガスを注入する工程と、キャビティ内に注入された樹脂を硬化させる工程とを備えている。
【0017】
本発明の蓄電池の蓋の製造方法によれば、樹脂の注入開始後、リブ部の少なくとも一部に中空部を形成するようにキャビティ内にガスを注入する工程によってリブ部の少なくとも一部に中空部を形成することができる。そのため、蓋を軽量化することができる。
【0018】
また中空部を形成することにより中空部が形成された部分の蓋の厚みを小さくすることができる。そのため、蓋のひけやそりの原因となる蓋の厚肉部をなくすことができる。これにより、中空部が形成された部分の蓋の樹脂の収縮力を小さくすることができる。したがって、蓋のひけおよびそりを抑制することができる。
【0019】
また、本発明の蓄電池の蓋の製造方法では、樹脂の注入開始後、リブ部の少なくとも一部に中空部を形成するようにキャビティ内にガスを注入する工程を備えている。このため、保圧工程と冷却工程とのトータル時間が短くなる。そのため、ガスを注入しない場合と比較して、ガスを注入する本発明の蓄電池の蓋の製造方法は、蓋の製造時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、軽量化しつつ電槽にしっかりと接合可能な蓄電池の蓋ならびにそれを備えた蓄電池の筐体および蓄電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態における蓄電池の概略斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う概略断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う概略断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態における蓄電池の蓋の概略斜視図である。
【図5】図4に示す蓄電池の蓋の裏面側を示す概略斜視図である。
【図6】図4に示す蓄電池の蓋の表面側を示す概略上面図である。
【図7】図4に示す蓄電池の蓋の裏面側を示す概略下面図である。
【図8】図4に示す蓄電池の蓋の概略側面図である。
【図9】図6のIX−IX線に沿う概略断面図である。
【図10】図9で示す断面に沿う概略斜視図である。
【図11】図10のP1部を示す概略正面図である。
【図12】図10のP2部を示す概略正面図である。
【図13】本発明の一実施の形態における蓄電池の中空部の配置を示す概略下面図である。
【図14】図13のP3部を示す概略斜視図である。
【図15】比較例の蓄電池の蓋の裏面側を示す概略斜視図である。
【図16】本発明の一実施の形態における蓄電池の蓋の製造方法を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施の形態における蓄電池の蓋の製造方法を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。
最初に本発明の一実施の形態の蓄電池の構成について説明する。
【0023】
図1を参照して、蓄電池100は、筐体10と、図示しない極群などの一般的な蓄電池の各種要素とを有している。筐体10は、蓋1と、電槽2と、端子3と、液口栓4とを主に有している。
【0024】
図2および図3を参照して、蓋1の表面には、端子3が突き出すように取り付けられている。また、蓋1の表面に液口栓4が螺着されている。蓋1は電槽2の開口に対応した矩形の平面形状を有しており、たとえば合成樹脂で構成されている。蓋1は、リブ部15を有している。リブ部15は電槽2と蓋1との接合用のリブである。リブ部15は少なくとも一部に中空部20を有している。蓋1は、ガスアシスト成形により形成することができる。
【0025】
電槽2は、たとえば、直方体形状の容器であり、合成樹脂で構成されている。電槽2は、外壁5と、隔壁7とを有している。外壁5と隔壁7とで取り囲まれた空間内に図示しない極群などの一般的な蓄電池の各種要素が収容されている。電槽2は蓋1と溶着されている。リブ部15は外壁5および隔壁7と溶着部6を介して溶着されている。
【0026】
図4および図5を参照して、蓋1は、天板部14とリブ部15とを備える。図4に示すように、蓋1の表面側には、液口栓4が螺着されるように液口11が形成されている。突起部12は蓋1の表面側に突き出すように形成されている。突起部12に端子3が固定されている。
【0027】
図5に示すように、蓋1の裏面側には、リブ部15が設けられている。端子部16が天板部14から突き出すように構成されている。リブ部15は天板部14の裏面側(一方面側)から突き出すように形成されている。一部のリブ部15は蓋1の外縁に沿って連続的に形成されている。また一部のリブ部15は各液口11の間を通り、かつ蓋1の外縁に形成されたリブ部15を接続するように連続的に形成されている。
【0028】
図6を参照して、蓋1の表面の長手方向の中央部で、かつ短手方向において液口11に対して端子3と反対側にガスアシスト成形のゲート部13が設けられている。
【0029】
図7を参照して、リブ部15の近傍に端子部16が形成されている。端子部16とリブ部15との間に、天板部14の厚みが薄くなる薄肉部18が設けられている。より具体的には、端子部16と、端子部16を挟んで配置されたリブ部15との間に薄肉部18が構成されている。薄肉部18の長さは端子部16の直径より大きくなるようリブ部15に沿って構成されている。
【0030】
蓋1の天板部14の長手方向の中央部で、かつ短手方向において液口11に対して端子部16と反対側にガスアシスト成形のガス注入部17が設けられている。ガスを導入するために、ガス注入部17からリブ部15まで天板部14から突き出すようにガス導入部17aが形成されている。
【0031】
図6および図7を参照して、液口11は蓋1を貫通して形成されている。液口11は、たとえば6個形成されており、蓋1の長手方向に互いに等間隔に配置されている。両端の液口11の近傍にはそれぞれ端子部16が形成されている。端子部16は、液口11から蓋1の短手方向の一方側に移動した位置に配置されている。
【0032】
図8を参照して、蓋1の表面の突起部12以外の部分は平らに形成されている。蓋1の最外周には、外周部19が設けられている。
【0033】
次に図9および図10を用いて蓋の断面構造について説明する。
図9および図10を参照して、リブ部15は、中空部20の周りに配置された先端部21と側面部22とを有している。中空部20はリブ部15の天板部14側に設けられている。そのため、先端部21の厚みを確保することができる。先端部21の厚みは、たとえば、1.5mm以上6mm以下に形成することができる。先端部21の厚みは、さらに好ましくは2mm以上4mm以下に形成することができる。
【0034】
中空部20は、断面視において、たとえば先端部21側に頂点が位置し、天板部14側に底辺が位置する略三角形状を有している。なお、中空部20は三角形状に限定されず、先端部21側の幅が天板部14側の幅より狭くなるよう形成された台形形状を有していてもよい。
【0035】
このような形状により、リブ部15が電槽2に溶着される際にリブ部15を押さえる力に対して強度を向上することができる。また、中空部20の天板部14側の幅が大きいため、蓋1の表面と中空部20との厚みが小さい部分を大きくすることができる。このため、蓋1のひけおよびそりを抑制することができる。
【0036】
天板部14とリブ部15の側面とに連続的にテーパ(Cカット)23が形成されている。ガスアシスト成形では厚みが大きい部分に中空部20が形成されるため、Cカットを形成することにより中空部20の形成の自由度を向上することができる。
【0037】
図11および図12を参照して、先端部21の厚みは側面部22の厚みより大きくなるよう構成されている。これにより、蓋1を溶着するための溶着しろを確実に確保することができる。図11に示すリブ部15は、リブ部15の根元に肉付けされた形状を有している。図12に示すリブ部15は、リブ部15の根元に肉付けされた形状を有していない。
【0038】
図11で示される側面部22の方が図12で示される側面部22より厚みが大きいため、図11で示されるリブ部15の方が電槽2に溶着される際の強度を高くすることができる。
【0039】
図13を参照して、図中一点鎖線は中空部20が形成されている領域を示している。図中下端および中央のリブ部15では、中空部20はリブ部15の長手方向の一端から他端まで連続的に形成されている。
【0040】
図中下端のリブ部15では、蓋1の長手方向に設けられたリブ部15の長手方向の一端から他端まで中空部20が連続的に形成されている。このため、図中下端のリブ部15に形成された中空部20によって、蓋1の長手方向のそりが図中下端のリブ部15の長手方向の全長にわたって抑制される。
【0041】
また、図中中央のリブ部15では、蓋1の短手方向に設けられたリブ部15の長手方向の一端から他端まで中空部20が連続的に形成されている。このため、図中中央のリブ部15に形成された中空部20によって、蓋1の短手方向のそりが図中中央のリブ部15の長手方向の全長にわたって抑制される。
【0042】
さらに、図中下端および中央のリブ部15によって、蓋1の長手方向および短手方向のそりが図中下端および中央のリブ部15の全長にわたって抑制される。そのため、蓋1の全体にわたってそりが抑制される。
【0043】
なお、中空部20はリブ部15の全ての領域において形成されていなくてもよい。蓋1のそりを抑制するため中空部20はリブ部15の7割以上の領域で形成されていることが好ましい。
【0044】
図13および図14を参照して、薄肉部18の厚みは、薄肉部18の周囲の天板部14の厚みより小さくなるよう構成されている。薄肉部18は天板部14の厚みが薄いため、薄肉部18に中空部20が形成されることが防止される。これにより、リブ部15から端子部16に中空部20が延びることが防止される。
【0045】
つまり、図15に示すように薄肉部18が形成されていない比較例の蓋1では、リブ部15から端子部16に中空部20が延びることによって端子部16に中空部20が形成されている。着脱などの際に端子3にはトルクが作用するため、端子部16に中空部20が形成されていると端子部16が変形または破損するおそれがある。
【0046】
次に本発明の一実施の形態の蓄電池の蓋の製造方法について説明する。
図16および図17を参照して、蓄電池100の蓋1は金型31内のキャビティ33に樹脂36とガスとを注入するガスアシスト成形によって製造することができる。金型31にはキャビティ33が形成されている。キャビティ33はリブ部15を有する蓋1の形状に対応する形状を有している。
【0047】
金型31にはキャビティ33と導通するようにランナー32bが形成されており、ランナー32bと導通するようにスプルーaが形成されている。スプルー32aにはシリンダ34が樹脂36を注入可能に接続されている。金型31は、たとえばホットランナー式のバルブゲート仕様で構成されている。金型31は、固定側が蓋1の表面側に配置され、可動側が蓋1の裏面側に配置されている。
【0048】
キャビティ33に対してシリンダ34と反対側において、キャビティ33にガスノズル37が接続されている。ガスノズル37はキャビティ33内にガスを注入可能に構成されている。ガスノズル37には図示しないガスボンベまたはガス発生装置、ガス計量圧縮装置および圧力制御装置が接続されている。
【0049】
端子3(図1)が金型31の固定側にインサートされる。続いて、適正な型締め圧力により金型31が閉じられて保持される。シリンダ34内の適正に溶融計量された樹脂36が金型31内に射出注入される。充填時間は、たとえば2〜4秒に設定される。樹脂36は、たとえばポリプロピレンであり、溶融温度以上に加熱される。
【0050】
より具体的には、溶融温度移動に加熱された樹脂36はスクリュー35によりシリンダ34からスプルー32aに射出される。続いて樹脂36はスプルー32aからランナー32bに送られる。ランナー32bに送られた樹脂36は、キャビティ33に樹脂36が流入する入口部分であるゲート32cからキャビティ33内に注入される(樹脂注入工程S1)。なお、ゲート32cは蓋1の表面側に1箇所設けられている。
【0051】
続いて、適切なタイミングで高圧ガスが金型31の可動側から金型31内に注入される。ガスは蓋1の裏面側の1箇所から注入される。ガスはたとえば窒素ガスが使用される。より具体的には、キャビティ33内への樹脂36の注入開始後、キャビティ33内にガスノズル37からガスが注入される。ガスはリブ部15の少なくとも一部に中空部20を形成するようにキャビティ33内に注入される(ガス注入工程S2)。ガスの圧力は、たとえば5Mpa〜10Mpaに設定される。
【0052】
ガス注入工程S2によってリブ部15の少なくとも一部に中空部20が形成されるため、蓋1が軽量化される。また、中空部20が形成された部分の蓋1の厚みが小さくなるため、蓋1のひけやそりの原因となる蓋1の厚肉部をなくすことができる。これにより、中空部20が形成された部分の蓋1の樹脂36の収縮力が小さくなるため、蓋1のひけおよびそりが抑制される。
【0053】
また、キャビティ33に樹脂36とガスとを注入するため、キャビティ33内での樹脂36を保圧する工程(保圧工程)と樹脂36を冷却する工程(冷却工程)とのトータル時間が短くなる。そのため、ガスを注入しない場合と比較して蓋1の製造時間が短縮される。
【0054】
また、樹脂36の注入開始後にガスを注入するため、樹脂36とガスとを同時に注入開始する場合と比較して、樹脂36に穴が開くことを抑制することができる。
【0055】
続いて、ガスは樹脂36の冷却時間以下のたとえば数秒〜数十秒間保持される。その後圧力が開放される。樹脂36が冷却されることにより、キャビティ33内に注入された樹脂36が硬化される(樹脂硬化工程S3)。樹脂36が硬化された後、金型31が開かれて、蓋1が金型31から取り出される。
【0056】
キャビティ33内に注入されるガスの圧力は樹脂36の圧力よりも小さくすることができる。そのため、ガスを注入しない場合と比較して、小さい圧力で蓋1が成形される。このため、蓋1の樹脂36の残存応力が小さくなるため、樹脂36の残存応力による蓋1のそりを抑制することができる。
【0057】
次に本発明の一実施の形態の作用効果について説明する。
本発明の一実施の形態の蓄電池100の蓋1によれば、少なくとも一部に中空部20を有するリブ部15を備えているため、蓋1を軽量化することができる。また中空部20がリブ部15の天板部14側に設けられているため、リブ部15を電槽2に溶着するための溶着しろを確保することができる。そのため、リブ部15を電槽2にしっかりと溶着することができる。
【0058】
また、中空部20が形成されることにより蓋1が軽量化されるため、蓋1の材料費などのコストを軽減させることができる。よって、生産性を向上させることができる。
【0059】
また、リブ部15の先端部21の厚みは側面部22の厚みより大きくなるよう構成されているため、蓋1を溶着するための溶着しろを確実に確保することができる。
【0060】
また、中空部20は、リブ部15の長手方向の一端から他端まで連続的に形成されているため、更に蓋1を軽量化することができる。その上、リブ部15の長手方向に沿う蓋1のそりをリブ部15の長手方向の全長にわたって抑制することができる。
【0061】
中空部20は、蓋1の長手方向および短手方向の少なくともいずれかにリブ部15の長手方向の一端から他端まで連続的に形成されていればよい。中空部20が蓋1の長手方向に形成されている場合、蓋1の長手方向に設けられたリブ部15の長手方向の一端から他端まで中空部20が連続的に形成されている。
【0062】
これにより、蓋1の長手方向のそりを蓋1の長手方向に設けられたリブ部15の長手方向の全長にわたって抑制することができる。中空部20が蓋1の短手方向に形成されている場合、蓋1の短手方向に設けられたリブ部15の長手方向の一端から他端まで中空部20が連続的に形成されている。これにより、蓋1の短手方向のそりを蓋1の短手方向に設けられたリブ部15の長手方向の全長にわたって抑制することができる。
【0063】
中空部20が蓋1の長手方向および短手方向の両方に形成されている場合、蓋1の長手方向および短手方向の両方に設けられたリブ部15の長手方向の一端から他端まで中空部20が連続的に形成されている。これにより、蓋1の長手方向および短手方向のそりを蓋1の長手方向および短手方向の両方に設けられたリブ部15の全長にわたって抑制することができる。そのため、蓋1の全体にわたってそりを抑制することができる。
【0064】
また、端子部16とリブ部15との間に、天板部14の厚みが薄くなる薄肉部18を有しているため、薄肉部18によってリブ部15から端子部16に中空部20が延びることを防止することができる。このため、端子部16に中空部20が形成されることを防止することができる。したがって、中空部20によって端子部16の強度が低下することを防止することができる。よって、中空部20のために端子部16が変形または破損することを防止することができる。
【0065】
本発明の一実施の形態の蓄電池100の筐体10によれば、電槽2と、電槽2にリブ部15を接合可能な上記のいずれかの蓄電池100の蓋1とを備えている。上記のいずれかの蓄電池100の蓋1を備えているため、軽量化しつつ電槽2にしっかりと溶着可能な蓄電池100の蓋1を備えた蓄電池100の筐体10を提供することができる。
【0066】
本発明の一実施の形態の蓄電池100によれば、電槽2と、電槽2にリブ部15が接合されている上記のいずれかの蓄電池100の蓋1とを備えている。上記のいずれかの蓄電池100の蓋1を備えているため、軽量化しつつ電槽2にしっかりと溶着可能な蓄電池100の蓋1を備えた蓄電池100を提供することができる。
【0067】
本発明の一実施の形態の蓄電池100の蓋1の製造方法によれば、キャビティ33はリブ部15を有する蓋1の形状に対応する形状を有しており、キャビティ33内に樹脂を注入する工程(樹脂注入工程S1)と、樹脂36が注入された後、リブ部15の少なくとも一部に中空部20を形成するようにキャビティ33内にガスを注入する工程(ガス注入工程S2)と、キャビティ33内に注入された樹脂36を硬化させる工程(樹脂硬化工程S3)とを備えている。このため、ガス注入工程S2によってリブ部15の少なくとも一部に中空部20を形成することができる。そのため、蓋1を軽量化することができる。
【0068】
また、中空部20を形成することにより中空部20が形成された部分の蓋1の厚みを小さくすることができる。そのため、蓋1のひけやそりの原因となる蓋1の厚肉部をなくすことができる。これにより、中空部20が形成された部分の蓋1の樹脂36の収縮力を小さくすることができる。したがって、蓋1のひけおよびそりを抑制することができる。
【0069】
また、本発明の一実施の形態の蓄電池の蓋の製造方法では、樹脂36の注入開始後、リブ部15の少なくとも一部に中空部20を形成するようにキャビティ33内にガスを注入する工程を備えている。このため、保圧工程と冷却工程とのトータル時間が短くなる。そのため、ガスを注入しない場合と比較して、ガスを注入する本発明の一実施の形態の蓄電池100の蓋1の製造方法は、蓋1の製造時間を短縮することができる。
【実施例】
【0070】
以下、実施例について説明する。
図11および図12に示すリブ部の各英文字で示される部分の寸法を変更した実施例を複数準備した。各実施例の圧縮強度を測定した。測定は圧縮速度10mm/分で行った。測定結果を表1に示す。
【0071】
図11、図12および表1の各英文字は、平板部の厚みA、中空部の底面と蓋の表面との距離B、先端部の厚みC、側壁の一方側の厚みD、側壁の他方側の厚みD’、中空部の底面の長さE、中空部の頂点から底面までの距離(中空部の高さ)H、試験片の幅(図11および図12の紙面に垂直な方向における幅)Wを示す。
【0072】
実施例1〜実施例3は、図11に示す根元に肉付けされた形状を有するリブ部である。実施例4〜実施例6は、図12に示す根元に肉付けされた形状を有していないリブ部である。
【0073】
【表1】
【0074】
実施例1〜実施例3では、屈曲(降伏)点は446N〜808Nとなり、変位量は0.6mmとなった。実施例4〜実施例6では、屈曲(降伏)点は202N〜324Nとなり、変位量は0.4〜0.5mmとなった。これより、実施例1〜6では、中空部が形成されていても十分な圧縮強度を有していることがわかった。そのため、実施例1〜6では、溶着時にリブ部を電槽に押さえつけてもリブ部が屈曲しないことがわかった。したがって、、リブ部を電槽にしっかりと溶着することができることがわかった。
【0075】
また、図11に示す根元に肉付けされた形状を有するリブ部の方が、図12に示す根元に肉付けされた形状を有していないリブ部より屈曲(降伏)点が高いことがわかった。これにより、図11に示す根元に肉付けされた形状を有するリブ部の方が、図12に示す根元に肉付けされた形状を有していないリブ部より圧縮強度が高いことがわかった。
【0076】
また、図11に示す根元に肉付けされた形状を有するリブ部では、屈曲(降伏)点について、実施例1は808Nとなり、実施例2は446Nとなり、実施例3は493Nとなった。
【0077】
実施例1は、実施例2または3より側壁の一方側の厚みD、側壁の他方側の厚みD’が大きい。したがって、側壁の一方側の厚みD、側壁の他方側の厚みD’が大きいため、実施例1は、実施例2または3より圧縮強度が高くなることがわかった。
【0078】
なお、上記ではリブ部を電槽に溶着する場合を例として説明したが、リブ部を電槽に接着剤によって接合してもよい。リブ部を電槽に接着剤によって接合する場合、リブ部および電槽には互いに嵌合するように凹凸が形成されていてもよい。
【0079】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、リブ部を有する蓄電池の蓋ならびにそれを備えた蓄電池の筐体および蓄電地に特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0081】
1 蓋、2 電槽、3 端子、4 液口栓、5 外壁、6 溶着部、7 隔壁、10 筐体、11 液口、12 突起部、13 ゲート部、14 天板部、15 リブ部、16 端子部、17 ガス注入部、17a ガス導入部、18 薄肉部、19 外周部、20 中空部、21 先端部、22 側面部、31 金型、32a スプルー、32b ランナー、32c ゲート、33 キャビティ、34 シリンダ、35 スクリュー、36 樹脂、37 ガスノズル、100 蓄電池、S1 樹脂注入工程、S2 ガス注入工程、S3 樹脂硬化工程。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板部と、
前記天板部の一方面側に突き出すように形成され、少なくとも一部に中空部を有するリブ部とを備え、
前記中空部が前記リブ部の前記天板部側に設けられている、蓄電池の蓋。
【請求項2】
前記蓋は蓄電池の電槽に接合されるものであり、
前記リブ部は前記電槽と前記蓋との接合用のリブであり、前記中空部の周りに配置された先端部および側面部を含み、
前記先端部の厚みは前記側面部の厚みより大きくなるよう構成されている、請求項1に記載の蓄電池の蓋。
【請求項3】
前記中空部は、前記リブ部の長手方向の一端から他端まで連続的に形成されている、請求項1または2に記載の蓄電池の蓋。
【請求項4】
前記リブ部の近傍に形成された端子部を含み、
前記端子部と前記リブ部との間に、前記天板部の厚みが薄くなる薄肉部を有している、請求項1〜3のいずれかに記載の蓄電池の蓋。
【請求項5】
電槽と、
前記電槽に前記リブ部を接合可能な請求項1〜4のいずれかに記載の蓄電池の蓋とを備えた、蓄電池の筐体。
【請求項6】
電槽と、
前記電槽に前記リブ部が接合されている請求項1〜4のいずれかに記載の蓄電池の蓋とを備えた、蓄電池。
【請求項7】
金型内のキャビティに樹脂とガスとを注入する蓄電池の蓋の製造方法であって、
前記キャビティはリブ部を有する前記蓋の形状に対応する形状を有しており、
前記キャビティ内に前記樹脂を注入する工程と、
前記樹脂の注入開始後、前記リブ部の少なくとも一部に中空部を形成するように前記キャビティ内に前記ガスを注入する工程と、
前記キャビティ内に注入された前記樹脂を硬化させる工程とを備えた、蓄電池の蓋の製造方法。
【請求項1】
天板部と、
前記天板部の一方面側に突き出すように形成され、少なくとも一部に中空部を有するリブ部とを備え、
前記中空部が前記リブ部の前記天板部側に設けられている、蓄電池の蓋。
【請求項2】
前記蓋は蓄電池の電槽に接合されるものであり、
前記リブ部は前記電槽と前記蓋との接合用のリブであり、前記中空部の周りに配置された先端部および側面部を含み、
前記先端部の厚みは前記側面部の厚みより大きくなるよう構成されている、請求項1に記載の蓄電池の蓋。
【請求項3】
前記中空部は、前記リブ部の長手方向の一端から他端まで連続的に形成されている、請求項1または2に記載の蓄電池の蓋。
【請求項4】
前記リブ部の近傍に形成された端子部を含み、
前記端子部と前記リブ部との間に、前記天板部の厚みが薄くなる薄肉部を有している、請求項1〜3のいずれかに記載の蓄電池の蓋。
【請求項5】
電槽と、
前記電槽に前記リブ部を接合可能な請求項1〜4のいずれかに記載の蓄電池の蓋とを備えた、蓄電池の筐体。
【請求項6】
電槽と、
前記電槽に前記リブ部が接合されている請求項1〜4のいずれかに記載の蓄電池の蓋とを備えた、蓄電池。
【請求項7】
金型内のキャビティに樹脂とガスとを注入する蓄電池の蓋の製造方法であって、
前記キャビティはリブ部を有する前記蓋の形状に対応する形状を有しており、
前記キャビティ内に前記樹脂を注入する工程と、
前記樹脂の注入開始後、前記リブ部の少なくとも一部に中空部を形成するように前記キャビティ内に前記ガスを注入する工程と、
前記キャビティ内に注入された前記樹脂を硬化させる工程とを備えた、蓄電池の蓋の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−210577(P2011−210577A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77760(P2010−77760)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000161312)宮川化成工業株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000161312)宮川化成工業株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
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