説明

蓋開閉機構

【課題】蓋の開状態がより充分に維持される蓋開閉機構を提供する。
【解決手段】蓋開閉機構(200)において、外蓋(210)は、内蓋(230)を覆う扉部(212)と、湾曲することによって扉部(212)を開閉させるヒンジ部(211)とを有する。内蓋(230)は、突き出た部分である突起部(231)を有する。ヒンジ部(211)は、扉部(212)の閉状態においてヒンジ部(211)が外装内部に収納され、扉部(212)の開状態においてヒンジ部(211)が外装外部に引き出されるように、ヒンジ部(211)から扉部(212)への方向に移動可能に配置される。突起部(231)は、扉部(212)が閉状態から開状態へ変わるのに伴ってヒンジ部(211)が移動したときに、ヒンジ部(211)が突起部(231)に乗り上げて突起部(231)がヒンジ部(211)を外装の外側方向へ湾曲させるように、形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蓋開閉機構に関し、特に電子機器等に設けられた開き戸式の蓋開閉機構に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの電子機器(デジタルカメラなど)は、外部装置へ接続するための外部端子(映像出力端子やUSB(Universal Serial Bus)など)を備える。外部端子を保護するために、蓋(端子カバー)が電子機器の外面に設けられる。このような蓋の開閉機構として、例えば特許文献1に記載されたような構成が知られている。特許文献1のカバー機構は、蓋が開状態にされたときヒンジが引き出される構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−201251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載のような従来の蓋開閉機構では、使用者が指等で蓋の開状態を保持しなければ、蓋の開状態が充分に維持されない恐れがある。よって使用者が蓋の内部にアクセスする際の操作が煩雑であり、利便性が悪いという問題があった。例えば、使用者が蓋内部の外部端子にケーブルを接続するとき、使用者が一方の手で蓋の開状態を維持しながら、他方の手でケーブルを外部端子に接続しなければならない。このような操作は、使用者にとって大きな負担であった。
【0005】
本発明はこの問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、蓋の開状態がより充分に維持される蓋開閉機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するために本発明に係る蓋開閉機構は、開口部を有する外装と、開口部内に設けられた内蓋と、開口部を塞ぐ外蓋とを備える。外蓋は、内蓋を覆う扉部と、湾曲することによって扉部を開閉させるヒンジ部とを有する。内蓋は、内蓋の表面から突き出た部分である突起部を有する。ヒンジ部は、扉部の閉状態においてヒンジ部が外装内部に収納され、扉部の開状態においてヒンジ部が外装外部に引き出されるように、ヒンジ部から扉部への方向に移動可能に配置される。突起部は、扉部が閉状態から開状態へ変わるのに伴ってヒンジ部が移動したときに、ヒンジ部が突起部に乗り上げて突起部がヒンジ部を外装の外側方向へ湾曲させるように、形成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外蓋が開いた状態をより充分に維持することにより使用者の蓋内部へのアクセスがより容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態のデジタルカメラの外観図
【図2】本実施形態の蓋開閉機構の分解斜視図
【図3】本実施形態の内蓋の構成を示す図
【図4】本実施形態の蓋開閉機構の外観図
【図5A】本実施形態の外蓋が閉状態であるときの、デジタルカメラを右側から見た外観図
【図5B】本実施形態の外蓋が開状態であるときの、デジタルカメラを右側から見た外観図
【図6A】図5AにおけるA1−A2線で切断したときの、デジタルカメラの断面図
【図6B】図5BにおけるB1−B2線で切断したときの、デジタルカメラの断面図
【図7A】別の実施形態における、外蓋が閉状態であるときの、デジタルカメラの断面図
【図7B】別の実施形態における、外蓋が開状態であるときの、デジタルカメラの断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を参照しながら実施形態を説明する。なお、実施形態としてデジタルカメラを例示する。
【0010】
以下の説明では、本実施形態のデジタルカメラを基準として、デジタルカメラから被写体への方向を前方、その反対側を後方とする。レリーズ釦(後述)などが設置された面のある方向を上方、その反対側を下方とする。蓋開閉機構(後述)が設置された面のある方向を右方、その反対側を左方とする。また、デジタルカメラの外装の外面から内面への方向を「内側方向」、その反対方向を「外側方向」とする。
【0011】
<1.構成>
本実施形態のデジタルカメラの構成について説明する。図1に示すように、デジタルカメラ100は、その外装に、蓋開閉機構200と、液晶モニタ112と、操作釦114と、レリーズ釦111と、モードダイアル110と、内蔵フラッシュ113などを備える。外装は前ケース190および後ケース180で構成される。図1における蓋開閉機構200は外蓋が開いた状態である。本実施形態では、電源端子やHDMI端子のための蓋開閉機構200を説明するが、本実施形態の思想はこれに限定されない。例えば、電源バッテリのための蓋開閉機構200に対しても、本実施形態の思想を適用できる。
【0012】
以下、図2を参照して蓋開閉機構200の構成について説明する。蓋開閉機構200は、外蓋210と、内蓋230と、保持部材233と、前ケース190と、ネジ234とで構成される。
【0013】
外蓋210は弾性部材によって形成される。外蓋210は、扉部212およびヒンジ部211で構成される。外蓋210は、ヒンジ部211が湾曲することによって開閉される。
【0014】
ヒンジ部211は、扉部212の前端から前方に向けて、扉部212の右側表面の方向とほぼ同一方向に延長して形成される。つまり、上方から見たとき、扉部212とヒンジ部211がほぼ直線的になるように、外蓋210は形成される。
【0015】
ヒンジ部211に開口部213が設けられ、前ケース190にケース突起部191が設けられる。ヒンジ部211は前ケース190と保持部材233によって挟まれて保持される。ヒンジ部211が前ケース190および保持部材233に挟まれた状態において、ケース突起部191は開口部213を貫通する。ケース突起部191が開口部213を貫通することにより、ヒンジ部211は上下方向の移動を制限される。開口部213は、ヒンジ部211が前後方向に移動可能となるような大きさ、形状に形成される。よって、扉部212の開閉に伴って、ヒンジ部211は前後方向に移動できる。ヒンジ部211は、扉部212が閉じているとき、ヒンジ部211の可動範囲の中で最も前方に位置する。そしてヒンジ部211は、扉部212が開くのに従って後方に移動する。扉部212が前ケース190の外側表面に対してほぼ垂直になるように開くとき、ヒンジ部211は最も後方に移動する。ただしヒンジ部211が最も後方にあるときにヒンジ部211がさらに後ろ側に移動されるような力が加えられても、ケース突起部191がヒンジ部211の前方の枠に係合しているので(ケース突起部191が開口部213を貫通しているので)、外蓋210は外装から外れることはない。
【0016】
図3を参照して内蓋230の構成について説明する。内蓋230は、主面235を有する。主面235には、外部端子を外部と連通させるための開口部232a、232bが設けられる。また、内蓋230は突起部231を有する。図3に示すように、突起部231は、内蓋230上に、リブ状に形成される。突起部231は主面235の法線方向に突出するように形成される。また突起部231は、内蓋230および外蓋210が外装に取り付けられたとき、突起部231の上下方向の幅がヒンジ部211の上下方向の幅とほぼ同じになるように、形成される。
【0017】
図4は、外蓋210および内蓋230が外装に取り付けられたときの、蓋開閉機構200の外観を示す。扉部212が開くと、開口部232a、232bが露出される。開口部232a、232bが露出されることにより、デジタルカメラ100を外部の装置と接続させるためのケーブルなどを、外部端子に接続できる。外部端子が使用されないときは、扉部212が閉じられることにより外部端子への埃や水などの浸入を防止できる。
【0018】
このように、外蓋210は、ヒンジ部211が前ケース190および保持部材233によって挟まれることにより保持される。保持部材233はネジ234によって前ケース190に固定される。また、内蓋230は保持部材233に係合されて固定される。この構成のため、蓋開閉機構200は組み立てやすい。
【0019】
<1−1.本発明との対応関係>
蓋開閉機構200は、蓋開閉機構の一例である。デジタルカメラ100は、電子機器の一例である。弾性体によって構成される外蓋210は、外蓋の一例である。内蓋230は、内蓋の一例である。
【0020】
<2.動作>
以下、蓋開閉機構200の動作について説明する。蓋開閉機構200は、開状態および閉状態の2つの状態をとることが可能である。開状態は、扉部212が内蓋230に対して開いた位置にある状態である。閉状態は、扉部212が内蓋230に対して閉じた位置にある状態である。
【0021】
図5A、図5B、図6Aおよび図6Bを参照して蓋開閉機構200の動作について説明する。図5Aおよび図5Bは、デジタルカメラ100を右側から見た外観図である。図5Aおよび図6Aは、蓋開閉機構200の閉状態を示す。図5Bおよび図6Bは、蓋開閉機構200の開状態を示す。図6Aは、図5AにおけるA1−A2線で切断したときの、デジタルカメラ100の断面図である。図6Bは、図5BにおけるB1−B2線で切断したときの、デジタルカメラ100の断面図である。
【0022】
蓋開閉機構200が閉状態にあるとき、図6Aに示すように、扉部212、前ケース190および後ケース180の外側表面は、ほぼ段差がない。ヒンジ部211は、前ケース190と保持部材233との間に収納され、外部から見えない状態となる。このような構成を実現するために、ヒンジ部211には、扉部212との間に所定の大きさの段差部214が設けられる。またヒンジ部211は、蓋開閉機構200の閉状態において、扉部212の外側表面と平行となる。すなわちヒンジ部211は、扉部212の前端から、扉部212に対して一段内側に入った位置からデジタルカメラ100の前方に延長した状態になる。また、ヒンジ部211は、ヒンジ部211と扉部212との境界近傍(ヒンジ部211の根元部分)において一旦、外装の内側方向に湾曲してから外側方向に湾曲して扉部212の前端部へと繋がる。
【0023】
ここでヒンジ部211は、前ケース190および保持部材233の間を、D1で示される方向に移動可能である。突起部231は、ヒンジ部211の移動方向D1の延長線上に形成され、かつヒンジ部211の移動方向D1に直交する方向D2に沿って外装の外側方向に突出するように、内蓋230上に形成される。
【0024】
外蓋210が図6Aに示される位置にあるとき、ヒンジ部211は前ケース190および保持部材233によって、外装の内側方向および外側方向から挟まれる。扉部212は前ケース190および後ケース180によって前後方向から挟まれる。外蓋210はこのように前後左右から挟まれることによって保持される。外蓋210がこの位置に保持されることにより、扉部212は閉じた状態を維持する。
【0025】
ここで、扉部212が閉じた状態であるとき、ヒンジ部211は突起部231より前側に位置する。また、扉部212は、突起部231より前側にある段差部214によって、ヒンジ部211より一段外側(右側)に位置する。つまり、突起部231は外蓋210と内蓋230に囲まれた空間内に存在する。よって突起部231は、扉部212およびヒンジ部211を押圧しない。したがって、ヒンジ部211は突起部231によって曲げられない。
【0026】
蓋開閉機構200が閉状態から開状態に移行するときの動作について説明する。扉部212の後端が外装の外側方向に浮かせられてデジタルカメラ100の後方に引き出されると、図6Bが示すように、ヒンジ部211は方向D1に沿ってデジタルカメラ100の後方に移動する。ヒンジ部211が移動されると、ヒンジ部211と扉部212の境界近傍(ヒンジ部211の根元部分)にある段差部214が、突起部231に当接する。さらに扉部212が引き出されると、この段差部214は突起部231に乗り上げる。段差部214が突起部231に乗り上げたとき、段差部214よりも前側の部分は前ケース190および保持部材233によって、外装の内外方向の移動を制限されているので、段差部214の近傍部は、方向D2に沿って外装の外側(デジタルカメラ100の右側)へ曲げられる。これはヒンジ部211が弾性を有するからである。つまり、ヒンジ部211が引き出される方向D1の延長線上に、方向D1に直交する方向D2に沿って外装の外側方向に突出する突起部231が設けられていることにより、ヒンジ部211が引き出されるとヒンジ部211の一部(根元の段差部214)がリブ状の突起部231に乗り上げるので、ヒンジ部211の根元部分が湾曲する。図6Bに示すように、ヒンジ部211の根元部分が湾曲することにより、ヒンジ部211に繋がっている扉部212は外装の外側方向に移動するので、外蓋210が開いた状態が保持される。
【0027】
本実施形態では、ヒンジ部211の根元の段差部214が外装の内側方向に湾曲した形状であるため、段差部214が内側方向に湾曲していない形状に比べて、扉部212がより大きく開いた状態を維持できる。
【0028】
蓋開閉機構200が開状態から閉状態に移行するときの動作について説明する。扉部212が後ケース180に接するように押し込まれると、それに伴って、ヒンジ部211が前側に移動する。ヒンジ部211が前側に移動されると、ヒンジ部211の段差部214が突起部231と当接した状態から、ヒンジ部211が前ケース190と内蓋230とに挟まれた状態に戻る。これにより、外蓋210は再び、図6Aによって示される状態を維持する。
【0029】
以上のように、蓋開閉機構200は、ヒンジ部211が前ケース190に対し前後に移動することにより、扉部212が開閉動作をすることが可能である。具体的には、扉部212が開かれると、ヒンジ部211が後方へ移動する。ここで内蓋230には、ヒンジ部211の移動方向D1の延長線上、かつその延長線と直交する方向D2に沿って突き出る突起部231が設けられている。よって移動したヒンジ部211の一部が突起部231に乗り上げることにより、ヒンジ部211の湾曲状態が維持される。ヒンジ部211の湾曲状態が維持されることにより、扉部212が開いた状態が維持される。また外蓋210は、前ケース190のケース突起部191に係留されることにより、外装から外れることはない。
【0030】
<3.本実施形態のまとめ>
以上の通り、本実施形態の蓋開閉機構200は、開口部を有する外装と、開口部内に設けられた内蓋230と、開口部を塞ぐ外蓋210とを備える。外蓋210は、内蓋230を覆う扉部212と、湾曲することによって扉部212を開閉させるヒンジ部211とを有する。内蓋230は、内蓋230の表面から突き出た部分である突起部231を有する。ヒンジ部211は、扉部212の閉状態においてヒンジ部211が外装内部に収納され、扉部212の開状態においてヒンジ部211が外装外部に引き出されるように、ヒンジ部211から扉部212への方向に移動可能に配置される。突起部231は、扉部212が閉状態から開状態へ変わるのに伴ってヒンジ部211が移動したときに、ヒンジ部211が突起部231に乗り上げて突起部231がヒンジ部211を外装の外側方向へ湾曲させるように、形成される。
【0031】
本実施形態において、ヒンジ部211は、第1および第2湾曲部を含むことが可能である。図6Aに示すように、第1湾曲部は、扉部212が閉状態にあるとき、突起部231に隣接するよう形成される。図6Bに示すように、第2湾曲部は、扉部212が開状態にあるとき、突起部231に部分的に乗り上げるよう形成される。図6Aおよび図6Bに示すように、ヒンジ部211の終端部は、扉部212が開状態と閉状態との間を移行するとき、突起部231の突出する方向D2と直交する方向D1に移動できる。
【0032】
この構成によって、扉部212が開いた状態をより充分に維持するので、使用者の蓋内部へのアクセスがより容易になる。
【0033】
<4.他の実施形態>
前述の実施形態において、保持部材233と内蓋230とは別体に形成されるとした。しかし保持部材233と内蓋230とが一体に構成されてもよい。
【0034】
また前述の実施形態において、ヒンジ部211は、段差部214の付近(ヒンジ部211の根元)において、外装の内側方向に湾曲した形状であるとした。しかし、ヒンジ部211の根元に外装の内側方向への湾曲がなくてもよい。ヒンジ部211および扉部212の境界に、ヒンジ部211が扉部212より内側方向にあるように、段差が設けられてさえいればよい。扉部212が開けられることによりヒンジ部211が引き出され、引き出されたヒンジ部211が突起部231に乗り上げることでヒンジ部211が湾曲して、扉部212が開いた状態が維持される構成であればよい。ただし、ヒンジ部211の根元に内側方向への湾曲があれば、扉部212が開いた状態をより充分に維持できるという利点がある。
【0035】
また前述の実施形態において、ヒンジ部211の根元が外装の内側方向に湾曲しているとした。しかし、ヒンジ部211の根元が他の形状であってもよい。例えばヒンジ部211の根元に、外装の内側方向に突出するような凸部が設けられてもよい。
【0036】
また前述の実施形態において、扉部212が閉じた状態にあるとき、突起部231は、外蓋210およびヒンジ部211のいずれも押圧しておらず、そのためヒンジ部211は突起部231によって曲げられていないとした。しかし、扉部212が閉じた状態にあるときにも突起部231がヒンジ部211を押圧して、ヒンジ部211が曲げられていてもよい。その場合、扉部212が開いた状態になったときは、ヒンジ部211は、扉部212が閉じた状態にあるときよりも、より大きく曲げられることにより、扉部212が開いた状態が充分に維持されさえすればよい。
【0037】
また前述の実施形態において、扉部212およびヒンジ部211は共に弾性体からなるものとした。しかし、ヒンジ部211が弾性体で構成されていれば、扉部212は非弾性体で構成されていてもよい。
【0038】
また前述の実施形態において、扉部212の外側表面とヒンジ部211の移動方向D1とがほぼ平行であり、扉部212が後方に引き出されることにより扉部212がデジタルカメラ100の右側に開くとした。しかし、扉部212が引き出される方向や開閉方向は、これに限定されない。例えば図7Aおよび図7Bが示すように、蓋開閉機構200が外装の角にある場合にも、本実施形態の思想を適用できる。扉部212bが閉じた状態において、ヒンジ部211bが前ケース190bおよび保持部材233bに挟まれ、扉部212bが前ケース190bおよび後ケース180bに挟まれることにより、扉部212bは内蓋230bを覆うことを維持する。前述の実施形態において内蓋230および扉部212は外装の右面に設けられたが、図7Aおよび図7Bによって示される実施形態においては、内蓋230bおよび扉部212bは外装の後面に設けられる。ヒンジ部211bは、扉部212bの外側表面に対してほぼ垂直方向に延長されて設けられる。ヒンジ部211bは、方向D1に沿って移動可能である。また、突起部231bは、ヒンジ部211bの移動方向D1の延長線上に形成され、かつヒンジ部211の移動方向D1に直交する方向D2に沿って、デジタルカメラ100の右側に突出するように、形成される。扉部212bが方向D1に沿って後方に引き出されると、ヒンジ部211bは突起部231bに乗り上げて右方向に曲がる。ヒンジ部211bが右方向に曲がることにより、扉部212bが後方に開いた状態が維持される。以上のように、ヒンジ部211bが扉部212bに対して垂直方向に設けられた構成においても、扉部212bの開閉状態それぞれが維持される。なお、図7Aおよび図7Bによって示される実施形態において、内蓋230bと保持部材233bは一体に構成されている。
【0039】
また、前述の実施形態において蓋開閉機構はデジタルカメラの外装に備えられるとした。しかし本実施形態の蓋開閉機構は、デジタルカメラ以外の電子機器に適用してもよい。本実施形態の蓋開閉機構は、例えば、携帯電話や携帯端末などの電子機器に適用することができる。
【0040】
また、前述の実施形態において、前ケースと内蓋とが別体に形成されるとした。しかし前ケースと内蓋とが一体に形成されてもよい。
【0041】
また、前述の実施形態において、内蓋の突起部は、突起部の幅が外蓋のヒンジ部の幅と同じになるように、リブ状に形成されるとした。しかし、ヒンジ部の形状に従って突起部の形状を適宜決めてよい。少なくともヒンジ部が内蓋に当接する部分だけ、突起部が突出していればよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
前述の実施形態の思想は、開き戸式の蓋を備えた電子機器などに利用できる。
【符号の説明】
【0043】
100:デジタルカメラ
110:モードダイアル
111:レリーズ釦
112:液晶モニタ
113:内蔵フラッシュ
114:操作釦
180:後ケース
190:前ケース
191:ケース突起部
200:蓋開閉機構
210:外蓋
211:ヒンジ部
212:扉部
213:開口部
230:内蓋
231:突起部
232a、232b:開口部
233:保持部材
234:ネジ
235:主面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する外装と、
前記開口部内に設けられた内蓋と、
前記開口部を塞ぐ外蓋と
を備え、
前記外蓋は、
前記内蓋を覆う扉部と、
湾曲することによって前記扉部を開閉させるヒンジ部と
を有し、
前記内蓋は、前記内蓋の表面から突き出た部分である突起部を有し、
前記ヒンジ部は、前記扉部の閉状態において前記ヒンジ部が前記外装内部に収納され、前記扉部の開状態において前記ヒンジ部が前記外装外部に引き出されるように、前記ヒンジ部から前記扉部への方向に移動可能に配置され、
前記突起部は、前記扉部が閉状態から開状態へ変わるのに伴って前記ヒンジ部が移動したときに、前記ヒンジ部が前記突起部に乗り上げて前記突起部が前記ヒンジ部を前記外装の外側方向へ湾曲させるように、形成される、
蓋開閉機構。
【請求項2】
前記突起部は、前記ヒンジ部の移動可能な方向の延長線上に設けられることを特徴とする、
請求項1記載の蓋開閉機構。
【請求項3】
前記突起部は、前記ヒンジ部の移動可能な方向と直交する方向、かつ前記外装の外側方向に突き出るように形成されることを特徴とする、
請求項2記載の蓋開閉機構。
【請求項4】
前記外装と前記内蓋が別体に形成されることを特徴とする
請求項1記載の蓋開閉機構。
【請求項5】
前記外装と前記内蓋が一体に形成されることを特徴とする
請求項1記載の蓋開閉機構。
【請求項6】
前記ヒンジ部が弾性部材で形成されることを特徴とする
請求項1記載の蓋開閉機構。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれか記載の蓋開閉機構を備える電子機器。
【請求項8】
蓋開閉機構を備える電子装置であって、
前記蓋開閉機構は、
開口部を有する外装と、
前記開口部内に設けられた内蓋と、
前記開口部を塞ぐ外蓋と
を備え、
前記外蓋は、
前記内蓋を覆う扉部と、
湾曲することによって前記扉部を開閉させるヒンジ部と
を有し、
前記内蓋は、前記内蓋の表面から突き出た部分である突起部を有し、
前記ヒンジ部は、第1および第2湾曲部を有し、
前記第1湾曲部は、前記扉部が閉状態にあるとき、前記突起部に隣接するよう形成され、
前記第2湾曲部は、前記扉部が開状態にあるとき、前記突起部に部分的に乗り上げるよう形成され、
前記ヒンジ部の終端部は、前記扉部が開状態と閉状態との間を移行するとき、前記突起部の突き出る方向と直交する方向に移動可能である、
電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2013−41268(P2013−41268A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156395(P2012−156395)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】