説明

薄型自動清掃装置

【課題】ファンモジュールを収容するための収容室がごみ収集箱の底面に設けられている薄い自動清掃装置を提供する。
【解決手段】薄型自動清掃装置10が、本体11と、ファンモジュール30と、ごみ収集箱20とを備えている。本体11が、ファンモジュール30を収容するための配置室16を備えている。ごみ収集箱20の構造的形状が、配置室16内に収容されるよう、配置室16の構造的形状に実質的につり合っている。下側ケーシングに、ファンモジュール30を収容すべくごみ収集箱20の底面から内部へと向かう収容穴が設けられている。ごみ収集箱20が、ファンモジュール30と入れ子の構造を形成することで、装置の厚さが削減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は清掃装置に関し、さらに詳しくは、自動的に床を真空掃除するための薄型自動清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動清掃装置は、人工知能ロボットの技術を応用した電気製品で、賢く床を真空掃除するという機能を有している。この電気製品の販売価格が低下するにつれて、この装置を使用する人々がますます増加している。
【0003】
最近の自動清掃装置の開発傾向は、より薄い装置を生み出すことにある。
しかしながら、各々の機能モジュールが特定の空間を占めるため、装置全体を薄くする方法は一定の制限を受ける。
さらには、従来、真空による掃除機能を持続するため、ファンを交換する保守が必要である。しかしながら交換部分の1つであるファンが複雑な構造であるため、保守の際のファンの交換を困難にしている。
さらに、ファンは動作時に高速で回転するため、子供がひとたび装置のカバーを誤って取り外したならば、回転しているファンに誤って触れて怪我をする可能性がある。したがって、家庭における自動清掃装置の安全性につても考慮しなければならない。
【0004】
本発明は上述した欠点を克服し、清掃装置の機能性を高め、清掃装置を家庭電化製品の要件に合致させるため成されたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主たる目的は、ファンモジュールを収容するための収容室がごみ収集箱の底面に設けられている薄い自動清掃装置を提供することにある。ごみ収集箱が、ファンモジュールと入れ子の構造を呈する。その結果、装置の厚さを効果的に減らすことができて装置サイズを小さくできる。
【0006】
本発明の別の目的は、ファンモジュールを底蓋の内面に配置して、ファンモジュールの保守を簡単にする薄い自動清掃装置を提供することにある。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、移動モジュールおよびファンモジュールの動作前に上蓋が適切に閉じられているか否かを検出するための密閉検知モジュールを備える薄型自動清掃装置を提供することにある。これにより、装置の安全性確保を実現できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を達成するために、本発明は、本体と、ファンモジュールと、ごみ収集箱とを備えている薄型自動清掃装置を開示する。本体が、ファンモジュールが収容される配置室を備えている。ごみ収集箱の構造的形状が、配置室内に収容されるよう、配置室の構造的形状に実質的につり合っている。ごみ収集箱は、互いに係合させられる上側ケーシングおよび下側ケーシングを備えている。下側ケーシングの底面が、ファンモジュールを収容すべく側壁を有する収容穴をもたらすように、ごみ収集箱の内部に向かって突き出している。収容穴の上部に、ファンモジュールに正確に面する空気吸い出し口が設けられている。
【0009】
一つの実施形態において、本体は上蓋および底蓋をさらに備えている。上蓋が配置室の上へと配置され、底蓋が配置室の底部に配置され、ファンモジュールが、底蓋に配置されている。
【0010】
一つの実施形態において、薄型自動清掃装置は、制御処理モジュールと、移動モジュールと、電源スイッチと、密閉検知モジュールとをさらに備えている。移動モジュール、電源スイッチ、および密閉検知モジュールが、制御処理モジュールへと結合されている。電源スイッチが、外からの操作によって装置をオン状態とオフ状態との間で選択的に切り換える。電源スイッチがオン状態へと切り換えられたときに、移動モジュールおよびファンモジュールを作動させるための作動信号が、制御処理モジュールへと送信される。密閉検知モジュールが、上蓋が配置室の上へと封じられているか否かを検出して、制御処理モジュールへと第1の検知信号を送信する。制御処理モジュールが、前記第1の検知信号に従って移動モジュールおよびファンモジュールを作動させるか否かを決定する。
【0011】
以上の要約ならびに以下の詳細な説明および図面が、本発明の方法および効果を説明するために使用される。他の目的および利点が、以下の説明および図面に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る薄型自動清掃装置を示す図である。
【図2】本発明に係る薄型自動清掃装置を別の視点から示す図である。
【図3】本発明に係る薄型自動清掃装置の分解図である。
【図4】図3のごみ収集箱の別の視点からの斜視図である。
【図5】ごみ収集箱の分解図である。
【図6】本発明に係る薄型自動清掃装置の別の分解図である。
【図7】本発明に係る薄型自動清掃装置の作動システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、ファンモジュールを収容するための収容穴をごみ収集箱に設けたことを特徴とする薄型の自動清掃装置を提供する。ごみ収集箱が、装置の厚さが減らされるように、ファンモジュールと入れ子構造を形成する。
【0014】
図1〜6を参照すると、図1および図2が本発明に係る薄型自動清掃装置を示し、図3がその分解図を示し、図4が図3におけるごみ収集箱の別の視点からの斜視図を示し、図5がごみ収集箱の分解図を示し、図6が薄型自動清掃装置の別の分解図を示している。
【0015】
図示のとおり、薄型自動清掃装置10は、薄い円盤の形状を有している本体11と、前部バリア12と、ごみ収集箱20と、ファンモジュール30と、移動モジュール40と、2つの回転サイドブラシ50aおよび50bと、電池モジュール55とを備えている。
前部バリア12は、装置の移動経路上の障害物を検出し、装置の移動の態様を同期制御するために、本体11の前縁に設けられている。
ごみ収集箱20は、ごみ及びくずを集めるために、本体11内に収容される。
移動モジュール40は、前輪41ならびに2つの駆動輪42aおよび42bを、本体11の底面112へと外部に露出させて備えている。
制御処理モジュールが、本体11の移動を駆動するための機能の態様を制御する。
回転サイドブラシ50aおよび50bが、床の掃除を補助するために、本体11の底面112に配置されている。
電池モジュール55が、装置へと電力を供給するために本体11内に備えられる。
【0016】
本体11は、上蓋13と、底蓋14と、配置室16と、電池室18とを備えている。
配置室16が、ごみ収集箱20およびファンモジュール30を収容するために使用される。
電池室18は、電池モジュール55を収容するために使用される。
上蓋13は、配置室16および電池室18の上面を覆うとともに、本体11の上面111を封じるために設けられている。
底蓋14は、本体11の底面112を封じるために配置室16の下面に設けられている。
ごみ吸い込み口15は、本体11の底面112に設けられた細長いすき間である。
ごみ吸い込み口15は、配置室16から本体11を貫通している。
排気口170は、配置室16の壁に位置する細長いすき間である。
複数の排気口17a、17b、および17cが、排気通路を形成すべく排気口170に連絡するように本体11の周縁に設けられている。
【0017】
ごみ収集箱20は、上側ケーシング21と、下側ケーシング23と、仕切り22とを備えている。
仕切り22は、下側ケーシング23上に設けられ、ブラケット221およびフィルタ網222で構成されている。
上側ケーシング21および下側ケーシング23が、ごみ収集箱20に閉じた空間を形成するために互いに係合させられる。
ごみ収集箱20の構造は、ごみ収集箱20を配置室16に収容できるよう、配置室16の構造におおむね一致している。
下側ケーシング23の下面は、側壁を有する円柱状の収容穴231を形成するように内部に向かってはみ出している。
収容穴231の構造は、ファンモジュール30を収容するように設けられている。
その結果、ごみ収集箱20が、薄い自動清掃装置の厚さを減らすために、ファンモジュールと入れ子構造を形成する。
【0018】
ごみ収集箱20の詳細を以下に説明する。
円形の空気吸い出し口232は、下側ケーシング23の収容穴231の上部に位置するスロットであり、ファンモジュール30と正確に向かい合う。
仕切り22が、下側ケーシング23の外周に載置される。
おおむね半円形の溝であるごみ収集タンク230が、下側ケーシング23に形成されている。
細長い形状のごみ収集口233が、ごみ収集タンク230の底部に形成されている。
ごみ収集口233が、本体11の底面112の吸い込み口15に向かって面している。
排気口232が、ファンモジュール30が動作しているときに、ごみ収集箱20を真空にするために、ごみ収集箱20内の空気を排気する。
ごみおよびくずが、ごみ吸い込み口15を通ってごみ収集タンク230へと吸い込まれる。
ファンモジュール30によってごみ収集箱20から排気される空気の流れは、ごみを濾し取るべく仕切り22を通過して流れ、排気口170、17a、17b、および17cによって形成される排気通路から本体11の外へと排気される。
【0019】
補助凹み162が、配置室16に隣接して本体11に配置されている。
補助凹み162の存在により、ユーザが清掃のためにごみ収集箱20を容易に取り出すことができる。
ごみ収集箱20は、2つの柱235aおよび235bとバリア板234とをさらに備えている。バリア板234が、柱235aおよび235bによって位置決めされ、ごみ収集口233に面している。
バリア板234が空気の流れによって持ち上がることで、ほこりおよびくずが、ごみ収集タンク230へと進入してもよい。
ファンモジュール30が閉じられているとき、バリア板234は、ほこりおよびくずが床へと落下することがないよう、ごみ収集口233を覆っている。
【0020】
本発明の別の特徴は、ファンモジュール30が底蓋14に配置される点にある。
底蓋14は、2本のねじ141aおよび141bによって本体11へとねじ留めされる。保守または交換のためにファンモジュール30を取り出すために、ねじ141aおよび141bを外すだけでよい。装置の保守がきわめて容易になる。
【0021】
本発明の他の特徴は、安全性が考慮されている点にある。
図7を参照すると、本発明の薄い自動清掃装置の作動制御システムのシステムアーキテクチャの概略図が示されている。
図示のとおり、作動制御システム60は、制御処理モジュール61と、電源スイッチ62と、密閉検知モジュール63とを備えている。
電源スイッチ62が、外からの操作によってオン状態とオフ状態との間で選択的に切り換えられる。電源スイッチ62がオン状態へと切り換えられたとき、作動信号が、移動モジュール40、ファンモジュール30、などを作動させるべく制御処理モジュール61へと送信される。
密閉検知モジュール63が、上蓋13が配置室16の上部を封じられているか否かを検出し、制御処理モジュール61へと第1の検知信号を送信する。
制御処理モジュール61が、この第1の検知信号に従って、移動モジュール40、ファンモジュール、および他の機能モジュールを動作させるか否かを判断する。
上蓋13が封じられていると検出された場合に限り、制御処理モジュール61は、種々のモジュールを動作させる。
制御処理モジュール61は、上蓋13が封じられていない場合には、作業者が動作中の部品に接触して負傷することがないよう、いかなるモジュールも作動させない。
【0022】
この実施例においては、2つのバックル部161aおよび161bが、配置室16の上縁に配置されている。
2つの固定具131aおよび131bが、上蓋13に配置されている。固定具がバックル部161aおよび161bに係合することで、上蓋13が本体11に配置される。
一つの実施形態においては、密閉検知モジュール63を、バックル部161aおよび161b内に設けることができ、マイクロスイッチなどの接触センサ素子や、光遮断装置および光反射器などの非接触センサ素子を、固定部131aおよび131bがバックル部161aおよび161bに係合しているか否かを検出するために使用してもよい。
【0023】
最後に、明細書および図面が、本発明の技術的特徴を強調して示していることを、明確にしておかなければならない。本発明に関係しない他の周知の細部は、省略されている。
【0024】
要約すると、薄型自動清掃装置のごみ収集箱およびファンモジュールが、本発明においては、装置の厚さを効果的に減らすために、入れ子の構造として構成されている。ファンモジュールが、ファンモジュールの取り外しおよび保守を簡単にするために、底蓋に配置されている。さらに、本発明の密閉検知モジュールが、装置の作動を制御するために、上蓋が封じられているか否かを検出し、すなわち安全性が考慮されている。明らかであるが、この自動清掃装置は、家庭の需要により適している。
【0025】
上述の詳細な説明および図面は、本発明のいくつかの好ましい実施形態を説明しているにすぎず、本発明を限定するものではない。本発明の本当の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められなければならない。当業者にとって明らかな変更および改良は、いずれも特許請求の範囲の技術的範囲に包含されるべきものである。
【符号の説明】
【0026】
10 薄型自動清掃装置
11 本体
12 前部バリア
20 ごみ収集箱
30 ファンモジュール
40 移動モジュール
50a,50b 回転サイドブラシ
55 電池モジュール
13 上蓋
14 底蓋
16 配置室
18 電池室
111 上面
112 底面
15 ごみ吸い込み口
170 排気口
17a,17b,17c 排気口
21 上側ケーシング
23 下側ケーシング
22 仕切り
221 ブラケット
222 フィルタ網
231 収容穴
232 空気吸い出し口
162 補助凹み
235a,235b 柱
230 ごみ収集タンク
233 ごみ収集口
141a,141b ねじ
60 作動制御システム
61 制御処理システム
62 電源スイッチ
63 密閉検知モジュール
161a,161b バックル部
131a,131b 固定具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配置室を備える本体と、
前記配置室内に設けられたファンモジュールと、
前記配置室内に収容されるよう、前記配置室の構造的形状に実質的につり合う構造的形状を有しているごみ収集箱とを備えており、
前記ごみ収集箱が、互いに係合させられる上側ケーシングおよび下側ケーシングを備えており、
該下側ケーシングに、前記ファンモジュールを収容するべく底面から前記ごみ収集箱の内部に向かってはみ出している側壁を有する収容穴が設けられており、
該収容穴の上部に、前記ファンモジュールに面する空気吸い出し口が設けられている薄型自動清掃装置。
【請求項2】
ごみ吸い込み口が、前記本体の底面から前記配置室へと延びており、ごみ収集口が、前記本体の前記ごみ吸い込み口に対応する位置で、前記ごみ収集箱の前記下側ケーシングに設けられており、前記配置室の外周に設けられた空気吸い出し口が、前記本体を貫いて延びている請求項1に記載の薄型自動清掃装置。
【請求項3】
前記ごみ収集箱が、ブラケットとフィルタ網とで構成された仕切りをさらに備えており、該仕切りが、前記空気吸い出し口にもたれるように前記下側ケーシングに設けられている請求項2に記載の薄型自動清掃装置。
【請求項4】
前記本体が、前記配置室の上側に設けられた上蓋と、前記配置室の下側に設けられた底蓋とをさらに備えており、前記ファンモジュールが、前記底蓋に設けられている請求項1に記載の薄型自動清掃装置。
【請求項5】
制御処理モジュールと、移動モジュールと、電源スイッチとをさらに備えており、前記ファンモジュール、前記移動モジュール、および前記電源スイッチが、前記制御処理モジュールへと接続され、前記電源スイッチが、外からの操作によって当該装置をオン状態とオフ状態との間で選択的に切り換え、前記電源スイッチがオン状態へと切り換えられたときに、前記移動モジュールおよび前記ファンモジュールを作動させるための作動信号が、前記制御処理モジュールへと送信される請求項4に記載の薄型自動清掃装置。
【請求項6】
前記制御処理モジュールへと接続された密閉検知モジュールをさらに備えており、該密閉検知モジュールが、前記上蓋が前記配置室の上部が封じられているか否かを検出して、前記制御処理モジュールへと第1の検知信号を送信するために使用され、前記制御処理モジュールが前記第1の検知信号に従って前記移動モジュールおよび前記ファンモジュールを作動させるか否かを決定する請求項5に記載の薄型自動清掃装置。
【請求項7】
バックル部が、前記配置室の上縁に設けられ、固定具が、前記上蓋を前記配置室の上部へと配置すべく前記バックル部と係合するように前記上蓋に設けられ、前記密閉検知モジュールが、前記上蓋の前記固定具が前記バックル部に係合しているか否かを検出するように前記バックル部に配置されている請求項6に記載の薄型自動清掃装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−161205(P2011−161205A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155096(P2010−155096)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(504132364)
【Fターム(参考)】