説明

薬剤払出し装置及び薬剤充填装置

薬剤のブリッジが発生せず、故障の少ない薬剤充填装置の開発を技術的課題とする。 薬剤充填装置は、多品種の錠剤群から特定の錠剤を選択し、バイアルに充填する機能を有する薬剤充填装置であり、保管棚2、薬剤供給部3、薬剤一時停止部5、薬剤搬送部6、薬剤充填部7、バイアル貯蔵部8及びバイアル移送部9によって構成されている。薬剤一時停止部5には薬剤払出し装置20が装着されている。薬剤払出し装置20の容器状部材31は、外容器部材35と、内容器部材36によって構成されている。そして当該薬剤払出し装置20内の錠剤をバイアルに充填する順番となると、所定の信号に応じて駆動部32のモータ62が回転し、内容器部材36を回転させる。すなわち内容器部材36の姿勢を変更して内容器部材36を反転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤やカプセル等の固形状薬剤をバイアルやボトル等の容器や小袋等の包装部材に充填する薬剤充填装置に関するものである。また本発明は、薬剤充填装置等に採用することが望ましい薬剤払出し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬局の主たる業務は、在庫する多種類の薬剤の中から医師の処方箋に基づく薬剤を選び出し、これを患者に提供することである。旧来、この作業は、薬剤師が処方箋を見ながら薬剤を取り出すといった手作業によって行われていた。
しかしながら手作業による薬剤の選別は、手間のかかる作業であり、自動化が望まれていた。特に大規模な病院等では、薬局が混み合い、診察終了から薬を受け取るまでに相当の時間がかかり、改善が望まれていた。
そこで本発明者らは先に薬剤の選別及び充填を自動的に行う装置を開発し、下記の特許出願を行った。
【特許文献1】特開2001−130504号
【特許文献2】特開2001−287702号
【特許文献3】特開2001−294305号
【特許文献4】特開2002−29501号
【特許文献5】特開2002−29511号
【0003】
前記した特許文献に記載した薬剤充填装置は、処方指示部と、薬剤供給部と、薬剤一時保持部と、薬剤搬送部と、薬剤充填部を備える。そして薬剤一時保持部に薬剤払出し装置が使用されている。
前記した薬剤充填装置では、薬剤供給部から所定個数の薬剤を排出し、これを一旦、薬剤払出し装置に溜め置く。そして薬剤払出し装置に溜め置かれた薬剤を順次薬剤搬送部に移し、薬剤搬送部によって薬剤充填部に移送し、当該薬剤をバイアル等に充填する。
より具体的に説明すると、処方指示部は、医師の処方箋の内容等を入力する部分である。また薬剤供給部は、複数の薬剤フィーダが設けられており、各フィーダに薬剤が内蔵された大型の薬剤貯蔵容器が装着されている。
【0004】
特許文献に記載した薬剤充填装置では、薬剤供給部の薬剤貯蔵容器にそれぞれ異なる種類の薬剤が貯蔵されている。そして処方箋の内容を処方指示部に入力すると、所定の薬剤貯蔵容器に対応した薬剤フィーダが動作し、薬剤貯蔵容器から所定個数の薬剤を排出する。
排出された薬剤は、共通通路を経由して一旦、薬剤払出し装置に溜め置かれる。
ここで薬剤払出し装置は、下端部にシャッターが設けられており、シャッターを閉じた状態でその内部に薬剤を溜め置くことができる。そしてシャッターを開き、薬剤を一気に次工程の薬剤搬送部に落とす。その後、前記した様に薬剤搬送部によって薬剤を薬剤充填部に移送し、薬剤の重量を確認した後、当該薬剤をバイアル等に充填する。
なおこのように薬剤を一時溜め置いてから薬剤搬送部によって移送する理由は、薬剤充填における各工程中、薬剤供給部から薬剤排出に要する時間が他の工程に比べて著しく長いので、薬剤の排出を複数平行して行い、所定量の薬剤が溜まったものから順次下流側の工程に送ることとしたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した薬剤充填装置では、薬剤払出し装置を有し、当該部分に薬剤を一時的に溜め置く。そして所定の信号によってシャッターを開き、薬剤を一気に落下させて次工程に送る。
上記した薬剤充填装置は、律速工程たる薬剤供給部からの薬剤排出を並列的に行うことができるので、全体的に無駄な時間が少なく、処方箋の内容の入力から薬剤充填に至るまでの所要時間が短い。そのため患者の待ち時間が少なくなるという効果がある。
【0006】
このように上記した薬剤充填装置は、誠に優れた性能を有するものであるが、本発明者らは、さらに性能を向上させるべく研究を重ね、あらゆる事態を想定して、起こりうる故障や事故を検証した。
その結果、薬剤の種類や形状が特異であったり、高湿度等の悪条件が重なった場合、薬剤払出し装置内で薬剤のブリッジが起きる懸念があることが判明した。
ここでブリッジとは、対抗する壁面等の間で複数の薬剤が直線的に繋がり、アーチ形状を形成する現象である。薬剤のブリッジが発生すると、薬剤の自重による垂直方向の力が、隣接する薬剤によって分散され、隣接する薬剤を介して対向する壁面等に負荷される。そのため薬剤のブリッジが生じると、この構成メンバーとなった薬剤は、垂直方向に安定した状態となり、落下しない。
上記した従来技術の薬剤充填装置では、薬剤フィーダから所定個数の薬剤を排出させ、これを一旦薬剤払出し装置に溜め置き、シャッターを開くことによって薬剤を一気に落下させて次工程に送るが、薬剤払出し装置内で薬剤がブリッジ現象を起こし、薬剤が詰まってしまう懸念がある。
【0007】
薬剤がブリッジを起こして詰まると、薬剤の排出量が減少するので最終工程の総重量確認の際に異常検知することができるが、復旧に時間を要し、長時間に渡って患者を待たせることとなる。
そこで本発明は、上記した懸念を払拭することを目的とし、薬剤のブリッジが発生しない様な薬剤払出し装置の開発を技術的課題とするものである。また併せて本発明は、薬剤のブリッジが発生せず、故障の少ない薬剤充填装置の開発を技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして上記した課題を解決するために提供される本発明は、固形状薬剤を排出する薬剤フィーダの下流側に配置され、薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に溜め置かれた薬剤を排出する薬剤払出し装置において、上部が開口し少なくとも下部が開閉する容器状部材を備え、容器状部材の内側の周壁の一部又は全部は可動壁であり、当該可動壁は、容器状部材の下部を開く際に動くことを特徴とする薬剤払出し装置である。
【0009】
本発明の薬剤払出し装置では、容器状部材の内側の周壁に可動壁を備え、可動壁は、容器状部材の下部を開く際に動く。そのため可動壁の移動によってブリッジが破壊される。すなわちブリッジ現象は、二つの壁の間に複数の錠剤等が挟まれ、錠剤等が落下できなくなる現象である。ここで本発明の薬剤払出し装置は、容器状部材の内側の周壁に可動壁を備えるから、可動壁に端を発するブリッジは、可動壁が動くことによって崩壊する。
可動壁が崩壊する際のメカニズムには、いろいろなケースが想定される。例えば薬剤払出し装置の中に薬剤が多数蓄積され、その中間部分においてブリッジが生じた場合であれば、可動壁の移動に連れてブリッジの基端部が移動するが、ブリッジの中間部分を構成する薬剤は停止した状態を維持しようとする。より具体的に説明すると、ブリッジの構成メンバーとなっている薬剤は、可動壁の移動に連れて移動しようとするが、ブリッジの構成メンバーとなっていないその他多数の薬剤は、現状の位置に留まろうとする。そのためブリッジの中間部分を構成する薬剤は移動を阻まれ、ブリッジの端部を構成する薬剤から離れ、ブリッジが破壊される。
【0010】
また上記した薬剤払い出し装置は、容器状部材の内側の平面断面に長寸側と短寸側があり、長寸側を構成する周壁の一方又は双方が可動壁であるものであってもよい。
【0011】
容器状部材の平明断面形状は、レイアウトの制約上、長方形や長孔状といった長寸側と短寸側が存在する場合が多い。そしてブリッジは、一般的に長寸側の壁同士に挟まれた間に発生する。すなわち壁同士の距離が長い場合は、ブリッジが安定しないから、ブリッジ現象は発生しにくく、壁同士の距離が短い場合にブリッジが多発する。したがって平面断面形状が、たとえば長方形であるならば、長辺同士の間にブリッジが生じる。そこで本発明は、長寸側を構成する周壁の一方又は双方に可動壁を配した。
【0012】
また上記した薬剤払い出し装置は、可動壁が回転するものであり、少なくとも一部に円弧形状部を有するものであってもよい。
【0013】
本発明は、可動壁をより大きく設計することを意図したものである。すなわち前記した様に、本発明は、可動壁を動かすことによってブリッジの基端部分を分断するものであるから、可動壁の面積はより大きいことが望ましい。本発明の薬剤払出し装置で採用する可動壁は、回転するものであるから、可動壁自体の移動はなく、可動壁はその場に留まった状態で動く。また本発明の薬剤払出し装置で採用する可動壁は、円弧形状部を有するものであるから、回転軌跡は小さい。そのため本発明によると可動壁をより大きく設計することが可能となり、ブリッジを破壊する作用が強い。
【0014】
上記した薬剤払い出し装置において、可動壁は、薬剤が溜まることが予想される部位に在ってもよい。
【0015】
かかる構成とした場合、可動壁は、薬剤が溜まることが予想される部位に在るから、ブリッジが発生した際の基端部分に可動壁が存在し、ブリッジを破壊する作用が強い。
【0016】
上記した薬剤払い出し装置において、容器状部材は、上部及び下部に開口を有する外容器部材と、一部が開口しこれに対向する部位が閉塞する内容器部材を有し、前記内容器部材は外容器部材の中に在り、内容器部材は外容器部材内において反転可能なものであってもよい。
【0017】
本発明の薬剤払出し装置は、外容器部材と、内容器部材を持ち、内容器部材は外容器部材内に設けられている。そして外容器部材は、上部と下部とが開口する。また内部に在る内容器部材は一部が開口し、これに対向する部位が閉塞する。
薬剤を溜め置く場合には内容器部材の開口を上部に向ける。その結果、薬剤フィーダから排出された薬剤は、外容器部材の上部の開口及び内容器部材の開口を経て内容器部材に入る。ここで内容器部材は、一部が開口するものの、開口に対向する部位が閉塞されているから、外容器部材の下部の開口は、内容器部材の閉塞部分によって塞がれている。そのため薬剤払出し装置の下部には開口は無く、フィーダから排出された薬剤は、内容器部材の中に溜まる。
本発明の薬剤払出し装置では、内部に溜まった薬剤を排出する際には、内容器部材を外容器部材内で反転させる。その結果、内容器部材の中に溜っていた薬剤は、内容器の開口からこぼれ落ち、さらに外容器部材の下部の開口から外部に排出される。
この時、内容器部材内にブリッジが発生していても、反転されることによって薬剤同士の押圧方向が変わり、ブリッジが崩壊する。また前記した発明と同様に、ブリッジの構成メンバーとなっている薬剤は、内容器部材の内壁の移動に連れて移動しようとするが、ブリッジの構成メンバーとなっていないその他多数の薬剤は、現状の位置に留まろうとする。そのためブリッジの中間部分を構成する薬剤は移動を阻まれ、ブリッジの端部を構成する薬剤から離れ、ブリッジが破壊される。
さらに本発明によると、内容器部材が正姿勢にあった時、内容器部材の底に位置していた薬剤が、内容器部材を反転した際にブリッジの上部側に位置することとなり、当該底に位置していた薬剤の重量によってブリッジが破壊される。
【0018】
上記した薬剤払い出し装置において、容器状部材は、上部及び下部に開口を有すると共に少なくとも一部に円弧形状の内壁を有する外容器部材と、前記外容器部材に内蔵された内容器部材を備え、前記内容器部材は前記外容器部材の円弧形状の内壁と略合致する外壁を有すると共に当該外壁の一部が欠落して開口を形成し、内容器部材は外容器部材内において回転可能であり、内容器部材が所定の回転位置にあるとき、内容器部材の外壁が外容器部材の下部の開口を閉塞し、内容器部材が他の所定の回転位置にあるとき、内容器部材の開口が外容器部材の開口と合致するものであってもよい。
【0019】
本発明の薬剤払出し装置についても、外容器部材と、内容器部材を持ち、内容器部材は外容器部材内にある。そして外容器部材は、上部と下部とが開口する。また内部に在る内容器部材は一部が開口しこれに対向する部位が閉塞する。さらに本発明で採用する外容器部材は少なくとも一部に円弧形状の内壁を持つ。一方、内容器部材は前記外容器部材の円弧状の内壁と略合致する外壁を備える。そして内容器部材は外壁の一部が欠落して開口を形成している。また内容器部材は外容器部材内において回転する。
薬剤を溜め置く場合には内容器部材の開口を上部に向ける。その結果、薬剤フィーダから排出された薬剤は、外容器部材の上部の開口及び内容器部材の開口を経て内容器部材に入りその内部に溜まる。
本発明の薬剤払出し装置では、内部に溜まった薬剤を排出する際には、内容器部材を外容器部材内で回転し、姿勢を反転させる。その結果、内容器部材の中に溜っていた薬剤は、内容器の開口からこぼれ、さらに外容器部材の下部の開口から外部に排出される。また本発明の薬剤払出し装置では、外容器部材は円弧形状の内壁を持ち、内容器部材はこの内壁と略合致する外壁を備える。そのため本発明の薬剤払出し装置では、内容器部材を外容器部材内で回転したときに両者の間に隙間が生じにくく、薬剤が嵌まり込むといった懸念は少ない。
本発明の薬剤払出し装置では、内部に溜まった薬剤を排出する際にブリッジが崩壊する。また内容器部材が正姿勢にあった時、内容器部材の底に位置していた薬剤が、内容器部材を反転した際にブリッジの上部側に位置することとなり、当該底に位置していた薬剤の重量によってブリッジが破壊される。
【0020】
また、上記した薬剤払い出し装置において、内容器部材は、略水平方向の軸を中心として回転し、薬剤の排出に際して内容器部材が1回転半以上回転することが望ましい。
【0021】
上記した薬剤払出し装置ように、内容器部材を外容器部材の中で反転或いは回転させる場合、内容器部材から溢れる程度に薬剤が溜まっていると内容器部材が反転或いは回転しても一回の排出工程では全ての薬剤を排出しきれない。そこで本発明では、最低2回、排出工程を繰り返すこととし、薬剤の滞留を防止した。
【0022】
また、上記した発明の実施形態として好適な発明は、固形状薬剤を排出する薬剤フィーダの下流側に配置され、薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に溜め置かれた薬剤を排出する薬剤払出し装置において、上部及び下部に開口を有する容器状部材と、前記容器状部材に内蔵された閉塞部材を備え、前記閉塞部材は略水平方向の軸を中心として360°に渡って回転し、閉塞部材が所定の回転位置にあるとき、閉塞部材が容器状部材の下部の開口を閉塞し、閉塞部材が他の所定の回転位置にあるとき、閉塞部材は容器状部材の開口から離れることを特徴とする薬剤払出し装置である。
【0023】
本発明の薬剤払出し装置では、上部と下部とが開口する容器状部材を備える。また本発明の薬剤払出し装置では、閉塞部材を備え、当該閉塞部材は、略水平方向の軸を中心として回転する。そして閉塞部材が所定の回転位置にあるとき、閉塞部材が容器状部材の下部の開口を閉塞する。
本発明の薬剤払出し装置では、薬剤を溜め置く場合には、閉塞部材を所定の回転位置において容器状部材の下部の開口を閉塞する。その結果、薬剤フィーダから排出された薬剤は、内部に溜まる。
本発明の薬剤払出し装置では、内部に溜まった薬剤を排出する際には、閉塞部材を回転し、容器状部材の開口を開く。ここで本発明の薬剤払出し装置では、閉塞部材は略水平方向の軸を中心として360°に渡って回転するので、たとえブリッジができていたとしても、ブリッジをかきおとしてしまう。
【0024】
また、上記した発明の実施形態として好適な他の発明は、固形状薬剤を排出する薬剤フィーダの下流側に配置され、薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に溜め置かれた薬剤を排出する薬剤払出し装置において、上部及び下部に開口を有すると共に少なくとも一部に円弧形状の内壁を有する容器状部材と、前記容器状部材に内蔵された閉塞部材を備え、前記閉塞部材は前記容器状部材の円弧状の内壁と略合致する外壁を有し、前記閉塞部材は容器状部材内において前記円弧状の内壁と摺動しつつ回転可能であり、閉塞部材が所定の回転位置にあるとき、閉塞部材が容器状部材の下部の開口を閉塞し、閉塞部材が他の所定の回転位置にあるとき、閉塞部材は容器状部材の開口から離れることを特徴とする薬剤払出し装置である。
【0025】
本発明の薬剤払出し装置についても上部と下部とが開口する容器状部材を備える。本発明で採用する容器状部材は少なくとも一部に円弧形状の内壁を持つ。一方、閉塞部材は容器状部材の円弧状の内壁と略合致する外壁を備える。
本発明の薬剤払出し装置では、薬剤を溜め置く場合には、閉塞部材を所定の回転位置において容器状部材の下部の開口を閉塞する。その結果、薬剤フィーダから排出された薬剤は、内部に溜まる。
内部に溜まった薬剤を排出する際には、閉塞部材を回転し、容器状部材の開口を開く。本発明の薬剤払出し装置では、容器状部材は円弧形状の内壁を持ち、閉塞部材はこの内壁と略合致する外壁を備える。そのため本発明の薬剤払出し装置では、閉塞部材を容器状部材内で回転したときに両者の間に隙間が生じにくく、薬剤が嵌まり込むといった懸念は少ない。またたとえブリッジができていたとしても、閉塞部材の回転によってブリッジをかきおとしてしまう。
【0026】
また、本発明は、固形状薬剤を排出する薬剤フィーダの下流側に配置され、薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に溜め置かれた薬剤を排出する薬剤払出し装置において、上部及び下部に開口を有する容器状部材と、前記容器状部材の下部の開口を開閉する閉塞部材と、かき落とし部材を有し、閉塞部材が容器状部材の下部の開口を開く際にかき落とし部材が容器状部材内を横切ることを特徴とする薬剤払出し装置である。
【0027】
本発明の薬剤払出し装置についても、上部と下部とが開口する容器状部材を備える。また本発明の薬剤払出し装置では、閉塞部材を備え、当該閉塞部材によって下部の開口を開閉する。すなわち本発明の薬剤払出し装置では、薬剤を溜め置く場合には、閉塞部材を所定の回転位置において容器状部材の下部の開口を閉塞する。
本発明の薬剤払出し装置では、内部に溜まった薬剤を排出する際に、閉塞部材を開くが、本発明の薬剤払出し装置ではこの時にかき落とし部材が容器状部材内を横切る。そのためたとえブリッジができていたとしても、かき落とし部材がブリッジの一部を分断し、ブリッジを破壊する。
なお容器状部材の平面断面に長寸側と短寸側がある場合には、かき落とし部材は、長寸側に沿って移動することが望ましい。
またかき落とし部材は、薬剤が溜まることが予想される部位を横切ることが望ましい。
【0028】
また前記した閉塞部材は直線移動するシャッターであり、かき落とし部材は閉塞部材と一体化されており、かき落とし部材は閉塞部材の移動とともに容器状部材内を横切ることが望ましい。
【0029】
本発明の薬剤払出し装置では、かき落とし部材が閉塞部材と一体化されている。そのためかき落とし部材は閉塞部材と連動し、閉塞部材の移動とともに容器状部材内を横切ってブリッジの一部を分断する。
【0030】
また、上記した薬剤払い出し装置は、閉塞部材は直線移動するシャッターであり、かき落とし部材が傾斜辺を有し閉塞部材と一体化されたものであり、閉塞部材の直線移動に伴って前記傾斜辺側を先頭にして容器状部材の内部を横切るものであってもよい。
【0031】
本発明の薬剤払い出し装置では、閉塞部材の動作と共にかき落とし部材が傾斜辺を先頭にして横切る。そのため、かき落とし部材は、ブリッジに当接すると薬剤を持ち上げるようにしてブリッジを破壊する。
【0032】
また本発明は、固形状薬剤を排出する薬剤フィーダの下流側に配置され、薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に溜め置かれた薬剤を排出する薬剤払出し装置において、上部及び下部に開口を有する容器状部材と、前記容器状部材の下部の開口を開閉する閉塞部材と、かき落とし部材を有し、閉塞部材が容器状部材の下部の開口を開く際にかき落とし部材が容器状部材の内壁の一部又は内壁の一部の近傍を撫ぜることを特徴とする薬剤払出し装置である。
【0033】
本発明の薬剤払出し装置についても、上部と下部とが開口する容器状部材を備える。また本発明の薬剤払出し装置についても、閉塞部材を備え、当該閉塞部材によって下部の開口を開閉する。すなわち本発明の薬剤払出し装置では、薬剤を溜め置く場合には、閉塞部材を所定の回転位置において容器状部材の下部の開口を閉塞する。
本発明の薬剤払出し装置では、内部に溜まった薬剤を排出する際には、閉塞部材を開くが、本発明の薬剤払出し装置ではこの時にかき落とし部材が容器状部材の内壁の一部又は内壁の一部の近傍を撫ぜる。そのためたとえブリッジができていたとしても、かき落とし部材がブリッジの一部を分断し、ブリッジをかきおとしてしまう。
容器状部材の平面断面に長寸側と短寸側がある場合には、横切り部材は、長寸側に沿って移動することが望ましい。
またかき落とし部材は、薬剤が溜まることが予想される部位を移動することが望ましい。
【0034】
また閉塞部材は直線移動するシャッターであり、かき落とし部材は閉塞部材と一体化されていることが推奨される。
【0035】
上記した薬剤払い出し装置において、容器状部材は上部及び下部に開口を有する外容器部材と、一部が開口しこれに対向する部位が閉塞する内容器部材を有し、前記内容器部材は外容器部材の中に在り、下部の開口を開閉する閉塞部材と、かき落とし部材を有し、当該かき落とし部材は、内容器部材の回転に伴って当該外容器部材の内面を撫でることを特徴とするものであってもよい。
【0036】
また、上記した薬剤払い出し装置において、かき落とし部材は、外形が非円形であり外容器部材の内面に沿って回動するものであってもよい。
【0037】
さらに、上記した薬剤払い出し装置において、容器状部材は、上部及び下部に開口を有する外容器部材と、一部が開口しこれに対向する部位が閉塞する内容器部材を有し、前記内容器部材は、外容器部材の中に在り、外容器部材に対して回転するものであり、下部の開口を開閉する閉塞部材と、かき落とし部材を有し、当該かき落とし部材は、アーム状であり、外容器部材の内面に沿って回動することを特徴とするものであってもよい。
【0038】
かかる構成によれば、容器状部材の内部に万一ブリッジが形成された場合であっても、かき落とし部材によってブリッジの一部を分断し、ブリッジが容器状部材の内部に残存するのを防止できる。
【0039】
上記した本発明の薬剤払い出し装置は、容器状部材を収容するケース部を有し、当該ケース部に対して出没可能な係合部と、押圧部が設けられ、前記係合部は常時突出していて押圧部を押圧した時にケース部内に没入する構成としてもよい。
【0040】
本発明の薬剤払出し装置は、薬剤充填装置等の一部として採用する場合に、薬剤充填装置等への付け外しを容易にするための構成を採用したものである。
【0041】
また、本発明は、固形状薬剤を排出する薬剤フィーダが複数配された薬剤供給部と、前記薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に溜め置かれた薬剤を排出する請求の範囲第1,10,17項のいずれかに記載の薬剤払出し装置と、前記薬剤払出し装置から排出された薬剤を所定の容器又は包装部材に充填する薬剤充填部を有する薬剤充填装置である。
【0042】
本発明は、上記した薬剤払出し装置を薬剤充填装置に適用したものである。
【0043】
また、本発明は、複数の薬剤フィーダが縦横行列状に配置され、一または二以上の薬剤フィーダ列に対応する複数の共通通路が形成され、各共通通路の下流側に請求の範囲第1,10,17項のいずれかに記載の薬剤払出し装置が配され、前記薬剤払出し装置から排出された薬剤を所定の容器又は包装部材に充填する薬剤充填部を有する薬剤充填装置である。
【0044】
本発明についても、上記した薬剤払出し装置を薬剤充填装置に適用したものである。本発明の薬剤充填装置では、複数の薬剤フィーダが縦横行列状に配置され、一または二以上の薬剤フィーダ列に対応する複数の共通通路が形成されている。そして各共通通路の下流側に薬剤払出し装置が配されている。
薬剤フィーダから排出された薬剤は、共通通路を落下し、既に落下している薬剤に衝撃を与えて押し詰める。そのため薬剤払出し装置内で薬剤がブリッジ状態となる懸念があるが、本発明が採用する薬剤払出し装置は、ブリッジを崩壊させたり破壊する機能を有するので、薬剤払出し装置内に溜められた薬剤は、一つ残らず次工程に送られる。
【0045】
また本発明は、本体部に複数の薬剤フィーダが縦横行列状に配置され、一または二以上の薬剤フィーダ列に対応する複数の共通通路が形成され、各共通通路の下流側に、前記薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に所定の開口を開いて溜め置かれた薬剤を排出する薬剤払出し装置が配され、前記薬剤払出し装置から排出された薬剤を所定の容器又は包装部材に充填する薬剤充填部を有する薬剤充填装置において、前記薬剤払出し装置は、ケース部を有し、当該ケース部内に薬剤を溜め置く容器と、容器の開口を開くための動力源が内蔵されてユニット化され、当該ケース部に対して出没可能な係合部と押圧部が設けられ、前記係合部は常時突出していて押圧部を押圧した時にケース部内に没入し、本体部には前記薬剤払出し装置のケース部が装着される仕切りがあり、当該仕切りに係合孔又は溝が設けられ、薬剤払出し装置の押圧部を押圧して係合部をケース部内に没入した状態で薬剤払出し装置を仕切り内に装着可能であり、係合部が仕切りに設けられた係合孔又は溝と係合することを特徴とする薬剤充填装置である。
【0046】
本発明の薬剤充填装置では、複数の薬剤フィーダが縦横行列状に配置され、一または二以上の薬剤フィーダ列に対応する複数の共通通路が形成されている。そして各共通通路の下流側に薬剤払出し装置が配されている。
ここで本発明で採用する薬剤払出し装置は、ケース部を備えており、このケース部内に薬剤を溜め置く容器と、容器の開口を開くための動力源が内蔵されてユニット化されている。またケース部に対して出没可能な係合部と押圧部が設けられている。この係合部は常時突出していて押圧部を押圧した時にケース部内に没入する。
そして本発明の薬剤充填装置では、本体部にはケース部が装着される仕切りがあり、この仕切りに係合孔又は溝が設けられている。
本発明の薬剤充填装置では、薬剤払出し装置を装着する際に、薬剤払出し装置の押圧部を押圧して係合部をケース部内に没入し、この状態で薬剤払出し装置を本体部の仕切りに挿入する。そして前記した押圧部の押圧を解除して係合部をケース部から突出させる。その結果、係合部が仕切りに設けられた係合孔又は溝と係合する。
【0047】
また、上記した薬剤充填装置は、ケース部の先端にケース側接続端子が設けられ、本体部の仕切り内に本体側接続端子があり、係合孔又は溝が長手方向に延びるものであり、係合部と仕切りに設けられた係合孔又は溝とが係合した状態でケース部をスライドさせることにより、ケース側接続端子と本体側接続端子とを接続可能な構成とすることも可能である。
【0048】
本発明の薬剤充填装置は、薬剤払出し装置を本体部に装着する際に電気的な接続も同時に行うことを意図したものである。
すなわち本発明では、ケース部の先端にはケース側接続端子が設けられ、本体部の仕切り内には本体側接続端子がある。本発明の薬剤充填装置では、仕切りに設けられた係合孔又は溝は長手方向に延びるので、係合部が仕切りに設けられた係合孔又は溝と係合した状態でケース部をスライドさせてケース側接続端子と本体側接続端子を接続することができる。
【発明の効果】
【0049】
本発明の薬剤払出し装置及び薬剤充填装置は、薬剤が詰まることがなく、故障が少ないという効果がある。そのため患者を待たせることがないという効果がある。また、本発明の薬剤充填装置は、薬剤払出し装置の付け外しが容易であり、メンテナンスを行いやすいという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下さらに発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態の薬剤充填装置の斜視図である。図2は、図1の薬剤充填装置の共通通路を示す斜視図である。図3は、図1の薬剤充填装置の薬剤供給部と薬剤払出し部と薬剤搬送部の位置関係を示す概略斜視図である。図4は、図3のA−A断面図である。
【0051】
図において、1は、本発明の実施形態の薬剤充填装置を示す。
本実施形態の薬剤充填装置1は、薬剤一時停止部5に特徴があるが、特徴的構成の説明に先立ち、装置全体の概略構成と機能について説明する。
本実施形態の薬剤充填装置1は、多品種の錠剤群から特定の錠剤を選択し、バイアルに充填する機能を有するものである。
本実施形態の薬剤充填装置1は、大きく分けて、保管棚2、薬剤供給部3、薬剤一時停止部5、薬剤搬送部6、薬剤充填部7、バイアル貯蔵部8及びバイアル移送部9によって構成されている。
保管棚2は、錠剤が充填されたバイアルを仮置きするものである。保管棚2には、タッチパネル10等の入力手段(処方指示部)があり、処方箋の内容や、患者の氏名、年齢等の情報を入力する。
【0052】
薬剤供給部3は、図2の様な共通通路部材11を多数並べて配し、この共通通路部材11に、薬剤フィーダ12を取り付けたものである。
すなわち一つの共通通路部材11は、図2の様に溝型をしており、複数の貫通孔15が設けられている。そして各貫通孔15にそれぞれ薬剤フィーダ12が取り付けられている(図2には、最も下部の薬剤フィーダ12のみを図示)。
【0053】
共通通路部材11は、図3、図4に示すように垂直壁部16の表裏両面に並べて配されている。
すなわち共通通路部材11は、図3、図4に示すように垂直壁部16の表面に凹側の開口側を向け、垂直姿勢にした状態で多数横方向に並べられている。そのため薬剤供給部3を正面側から見ると、薬剤フィーダ12が縦横行列状に並んで配置されている。また薬剤供給部3を裏面側から見ても同様であり、薬剤フィーダ12が縦横行列状に並んで配置されている。
共通通路部材11は、前記した様に溝状の部材であり、且つ垂直壁部16に垂直方向に配置されているから、共通通路部材11の内面と、垂直壁部16の表面によって垂直方向に延びる空隙が形成される。そしてこの空隙が共通通路18として機能する。
前記した様に共通通路部材11のそれぞれに薬剤フィーダ12が取り付けられているので、各薬剤フィーダ12の縦一列が、一つの共通通路18に属する。
各薬剤フィーダ12には、薬剤貯蔵容器14(図2 二点鎖線)が取り付けられ、各薬剤貯蔵容器には別種の錠剤が内蔵されている。
【0054】
薬剤供給部3の下部には、図3,4の様に複数の薬剤払出し装置20が設けられて、薬剤一時停止部5が構成されている。
薬剤払出し装置20の構造及び機能の詳細については、後記するが、基本的な機能は、薬剤を一時的に溜め置き、それを一気に排出するものである。
薬剤払出し装置20は、各共通通路11に対して一個づつ設けられている。
【0055】
薬剤一時停止部5の更に下部には薬剤搬送部6が設けられている。薬剤搬送部6は、本実施形態では、2基の移送装置21,22によって構成されており、一基の移送装置21は、薬剤充填装置1の正面側にあって垂直壁部16の正面側に並べられた薬剤払出し装置20群から排出される錠剤の移送を担当する。
また他方の移送装置21は、薬剤充填装置1の裏面側にあって垂直壁部16の裏面側に並べられた薬剤払出し装置20群から排出される錠剤の移送を担当する。
【0056】
各移送装置21,22は、いずれも移動ホッパ25(コンベアベッセルとも言う)を有し、当該移動ホッパ25がベルトやチェーン等に連結されて直線移動するものである。すなわち移送装置21,22は、移動ホッパ25が水平方向に移動するものであり、薬剤払出し装置20群から排出される錠剤を薬剤充填部7側に運ぶものである。
【0057】
バイアル貯蔵部8は、錠剤容器たるバイアルをストックしておく部分である。バイアル移送部9は、小型のコンベアであり、バイアル貯蔵部8からバイアルを取り出して薬剤充填部7に運ぶものである。
【0058】
次に本実施形態の薬剤充填装置1の基本動作について説明する。
本実施形態の薬剤充填装置1は、タッチパネル10への入力を端緒として動作する。本実施形態の薬剤充填装置1では、錠剤とバイアルが別々に薬剤充填部7に運ばれ、当該薬剤充填部7において錠剤がバイアルに充填される。
すなわちタッチパネルによって薬剤の種類が入力されると、当該薬剤が内蔵された薬剤貯蔵容器が取り付けられた薬剤フィーダ12が機能する。薬剤フィーダ12は公知であり、図示しない払出し装置、センサー及びカウンターを備え、薬剤貯蔵容器から錠剤を一つづつ取り出して共通通路18に排出する。また薬剤フィーダ12には前記した様にセンサー及びカウンターが取り付けられており、共通通路18に排出された錠剤の個数を数え、この個数が所定の個数となった所で停止する。
排出された錠剤は、一つづつ共通通路18を落下し、薬剤一時停止部5の薬剤払出し装置20内に溜まる。なお、薬剤フィーダ12からの薬剤の排出には相当の時間がかかるので、薬剤フィーダ12からの薬剤の排出は、並列的に行われる。仮に1番から30番まで共通通路があったと仮定すると、1番の共通通路に属する薬剤フィーダ12から薬剤の排出が行われるのと平行して、他の29個の共通通路に属するいずれかの薬剤フィーダ12から当該共通通路に錠剤が排出される。もちろん3以上の共通通路に対して同時に錠剤を供給してもよい。
【0059】
そして最初に薬剤の排出が終了した共通通路の薬剤払出し装置20の下部に、移送装置21,22のいずれかの移動ホッパ25が移動する。そして薬剤払出し装置20を動作させて薬剤払出し装置20に溜められた錠剤を一気に移送装置21,22の移動ホッパ25に排出する。そして前記した様に、移動ホッパ25を薬剤充填部7側に運ぶ。
またこれと平行して、バイアル貯蔵部8からバイアルを取り出して薬剤充填部7に運ばせる。
【0060】
薬剤充填部7では、移動ホッパ25によって移送された錠剤の重量を測定し、異常がなければ錠剤をバイアルに充填する。そして患者名や薬剤名をバイアルに印字し、一連の工程を終える。
【0061】
以上、簡単に薬剤充填装置1の装置全体の概略構成と機能について説明したが、本実施形態の薬剤充填装置1は、薬剤一時停止部5、特に当該部分の主装置たる薬剤払出し装置20に特徴があり、以下にこれらの構造および作用効果について詳細に説明する。
図5は、本発明の実施形態の薬剤払出し装置を後端側から見た斜視図である。図6は、本発明の実施形態の薬剤払出し装置を先端側から見た斜視図である。図7は、図5の薬剤払出し装置の平面図である。図8は、図7のA−A断面図である。図9は、図5の薬剤払出し装置の容器状部及び駆動部の斜視図である。図10は、図5の薬剤取り出し装置の中心部における平面断面図であり、錠剤がブリッジを起こした状態を示す。図11は、図5の薬剤払出し装置の容器状部の分解斜視図である。図12は、図5の薬剤払出し装置の内容器部材の斜視図である。
【0062】
本発明の特徴部分たる薬剤払出し装置20は、図5、図6の様にケース部30を持ち、この中に容器状部材31と、駆動部32が一体的に内蔵されてユニット化されたものである。またケース部30には薬剤払出し装置20を所定の位置に容易に取り付けるための工夫が凝らされている。
順次説明すると、ケース部30は、薄い鋼板を加工して作られたものである。すなわち薬剤払出し装置20は、直方体状のケース部30によって覆われている。薬剤払出し装置20の外観は、図5,6の通りであり、上面に容器状部材31の開口が露出している。また薬剤払出し装置20の後端部(図5手前側)には、係合機構92と摘まみ部93が設けられている。係合機構92は、後記する様にトグル機構を備えたものである。摘まみ部93は、ケース部30の底部分が後端側に突出したものである。
【0063】
また図6に示すように薬剤払出し装置20の前端部からは押圧部材72が突出している。押圧部材72の上部には、図8の様にコネクター94が露出している。薬剤払出し装置20の前端側の側面には、係合ピン75が露出している。押圧部材72、係合ピン75及びコネクター94の機能等については後記する。
【0064】
ケース部30の中には、容器状部材31と駆動部32が内蔵されている。図9は、容器状部材31と駆動部32を抜き出して示したものである。
【0065】
容器状部材31は、図11に示す様に外容器部材35と、内容器部材36によって構成されている。外容器部材35及び内容器部材36は、いずれも図11の様に、二分割して状態で成形され、嵌合構造によって一体化されたものである。すなわち外容器部材35は、外容器部材片35a,35bが一体化されて作られたものである。一方、内容器部材36は、内容器部材片36a,36bが一体化されたて作られたものである。
【0066】
外容器部材35は、前記した様に外容器部材片35a,35bが一体化されて作られたものであり、一体化した状態においては、図9に示すように上面側と下面側に開口部37,38を持つ容器である。外容器部材35の幅は略一定であるが、大面積側は特異な形状をしている(以下、大面積側を正面側と称する)。
すなわち外容器部材35は、外観上、上部導入部40と、内容器装着部41と、排出部42に分かれている。
上部導入部40は長方形状に大きく開口し、開口端にはフランジ43が設けられている。上部導入部40の開口部37近傍は、4面が垂直壁45a,b.c,dによって覆われている。
【0067】
内容器装着部41はドラム状であり、正面側から見ると円形をしている。内容器装着部41の内周面は円弧面48である。
円弧面48の直径は、図11の様に外容器部材35の全高にわたる。ただし、前記した様に、上部導入部40が大きく開口しているので、円弧面48は完全な円ではなく、上部側は約120°前後の範囲にわたって欠落している。
前記した上部導入部40と内容器装着部41とは、傾斜壁46によって繋がれている。傾斜壁46の傾斜角度は、錠剤やカプセルが滞ることなく転がり落ちる程度の傾斜角度であり、概ね45°から60°程度である。なお本実施形態では、傾斜壁46よりも下の部分に錠剤が溜まることを想定して設計している。
【0068】
また外容器部材35の下端部分には下面側の開口部38が設けられている。下面側の開口部38から更に下部は、錠剤やカプセルが引っ掛かることが無いようにスカート状に拡径している。
【0069】
内容器部材36は、図12の様に、ドラム状であり、円形の正面壁52及び裏面壁53と、曲面状の周壁55を持つ。なお本実施形態では、内容器部材36の各壁は、いずれも回転するので、以下、これらを可動正面壁52、可動裏面壁53及び可動周壁55と称する。内容器部材36の直径及び幅は、前記した外容器部材35の内容器装着部41の内側のそれに略等しい。
内容器部材36の可動周壁55は、一部が欠落していて開口部58が形成されている。可動周壁55の欠落部分の角度は、前記した外容器部材35の円弧面48の上部側の欠落部よりも大きい。具体的には、可動周壁55の欠落部分の角度は、外容器部材35の円弧面48の欠落部よりも10〜20°程度大きい。ただし可動周壁55の欠落部分を除く有効長さは、180°を越えている。
内容器部材36の開口は、上記した可動周壁55の開口部58だけであり、他の部分はいずれも閉じている。したがって内容器部材36の開口部58に対向する部位は閉塞しており、内容器部材36は、底に物が溜まる形状をしている。
【0070】
そして上記した内容器部材36は、外容器部材35の中に内蔵されている。より詳細には、内容器部材36は、外容器部材35の内容器装着部41に配されている。
内容器部材36が外容器部材35に内蔵された状態における平面断面図は、図10の通りである。すなわち前記した様に外容器部材35の幅Wは略一定であり、外容器部材35の内容器装着部41及び内容器部材36はドラム状であってその直径Dは幅Wよりも長い。したがって内容器部材36の中心部分の平面断面は、長方形であり、直径Dたる長寸側と幅Wたる短寸側がある。本実施形態では、外容器部材35の内面の長寸側には、可動正面壁52と可動裏面壁53がある。外容器部材35の内面の短寸側には、可動周壁55がある。
【0071】
また内容器部材36の中心には図12の様に回転軸60が設けられている。回転軸60は、水平方向にのびており、当該回転軸60は、外容器部材35の正面壁を貫通して外部に露出し、図9に示すように主歯車61に接続されている。したがって、外部に露出した主歯車61を回転することにより、内部に配された内容器部材36が水平方向の回転軸60を中心として回転する。言い換えると、可動正面壁52、可動裏面壁53及び可動周壁55が動く。
また外容器部材35の内容器装着部41は、円弧面48であり、内容器部材36の可動周壁55はこれと合致する曲面であるから、内容器部材36の回転に際しては、内容器部材36の可動周壁55が、外容器部材35の円弧面48を摺動することとなる。
内容器部材36の回転に際しては、可動正面壁52及び可動裏面壁53についても、外容器部材35の内壁を摺動する。
【0072】
容器状部材31の形状構造は、上記した通りであるが、容器状部材31に隣接して駆動部32が配されている。
図13は、駆動部32の主要部分を示す斜視図である。
駆動部32は、ギヤードモータ62に駆動歯車63が取り付けられたものである。駆動歯車63の歯数は、前記した主歯車61の歯数と同一である。
また本実施形態では、ギヤードモータ62と駆動歯車63の間には距離があり、その間に太筒部64が設けられている。太筒部64は、内容器部材36の回転姿勢を検出する回転検出部を構成するものであり、図8,13の様にその一部に磁石65が装着されている。また太筒部64の上下には、少し距離を離して舌状部材66,67が保持されており、当該舌状部材にホール素子68,69が取り付けられている(図8)。
【0073】
前記した様に、駆動歯車63の歯数は、主歯車61の歯数と同一であり、太筒部64は駆動歯車63と一体的に回転し、主歯車61は内容器部材36と一体的に回転するから、太筒部64の回転姿勢は、内容器部材36の回転姿勢と一致する。また本実施形態では、太筒部64に設けられた磁石65の一方は、内容器部材36の開口部58と同期的な位置に設けられている。したがって、ホール素子68,69が磁石の存在を検知した時、内容器部材36の開口は、上又は下方向に開口している。
【0074】
駆動部32の駆動歯車63に目を移すと、駆動歯車63は、中間歯車70を介して前記した内容器部材36の主歯車61と係合している。したがって駆動部32のモータ62を回転させると、駆動歯車63が回転し、中間歯車70を介して主歯車61が回転し、内部の内容器部材36が回転する。
【0075】
また薬剤払出し装置20の細部に目を移すと、図7の様にその先端部に係合ピン機構部71が設けられている。図14は、係合ピン機構部71の斜視図である。図15は、係合ピン機構部71及びその周囲にある仕切り85の平面図であり、(a)は係合ピン75がケース部30内に没入した状態を示し、(b)は係合ピン75がケース部30から突出した状態を示す。
係合ピン機構部71は、図14の様に、押圧部材72と二つの係合ピン75があり、これらがリンク機構によって結合されたものである。
【0076】
すなわち押圧部材72は、図6の様に薬剤払出し装置20の長手方向の先端部から突出するものであり、その本体部分は、ケース部30内にある。押圧部材72は、ケース部30の一部及び内部に設けられたガイド部材78によって二箇所が保持され、長手方向にのみ摺動する様にガイドされている。また押圧部材72は後端近傍にやや大径となったバネ押さえ部74が形成され、ガイド部材78とバネ押さえ部74の間にバネ80が装着されている。そして押圧部材72は、上記したバネ80によって常時突出方向に付勢されている。
【0077】
一方、二つの係合ピン75は、押圧部材72と直交する位置にあり、その先端は、ケース部30の側面から出没する。すなわち係合ピン75は、図15の様にケース部30の側面外壁77と、内部ガイド78によって二箇所が保持され、長手方向にのみ摺動する様にガイドされている。
そして押圧部材72と係合ピン75は、二つのリンク棒81,82によってリンクされている。すなわち押圧部材72と一方の係合ピン75は、一方のリンク棒81によって接続され、押圧部材72と他方の係合ピン75は、他方のリンク棒82によって接続されている。なおリンク棒81,82の両端は、いずれもピンによって回転可能に接続されている。
【0078】
したがって、押圧部材72を押し込むと、リンク棒81,82の一端が後方側に移動し、リンク棒81,82の他端側が引き寄せられる。ここで前記した様に係合ピン75は、ケース部30の側面外壁77と、内部ガイド78によって二箇所が保持され、長手方向にのみ摺動する様にガイドされているから、係合ピン75は、リンク棒81,82に引っ張られてケース内に没入する。
【0079】
またケース部30の先端には、コネクター94が突出している。コネクター94は、雄のコネクターであり、ケース部30に内蔵されたモータ62に給電するためのケース側接続端子である。
【0080】
またケース部30の後端部には、図5の様にトグル式の係合機構92が設けられている。トグル式の係合機構92は、レバー部97とフック部98を持ち、レバー部の先端を上方に向けるとフック部98が上方に移動し、レバー部97の先端を図5の様に下向きに位置させると、フック部98が下がる。またこのとき、公知のトグル機構の原理により、倍化された力でフック部98が押し下げられ、レバー部97を操作しない限りフック部98は上方向に移動しない。
【0081】
本実施形態の薬剤充填装置1では、薬剤払出し装置20を装着する部位が図3の様に仕切り85によって隣接する部位と仕切られている。
仕切り85の詳細は、図2の通りであり、薬剤払出し装置20の幅と略等しい幅に仕切られている。そして仕切り85の壁には、長手方向にのびる長孔86,87が設けられている。なお、図2に示す仕切り85は、垂直壁部16の両面に配されるべき薬剤払出し装置20の仕切り85を一つの溝形の部材によって構成したものであり、その内部の中央部には、図16に示すような奥壁90がある。そして奥壁90には、コネクター95が突出している。コネクター95は、雌のコネクターであり、ケース部30に内蔵されたモータ62に給電するための本体側接続端子である。コネクター95の位置は、薬剤払出し装置20を仕切り85に装着した際に薬剤払出し装置20のコネクター94が当接する位置である。
【0082】
本実施形態の薬剤充填装置1では、薬剤払出し装置20を次の様な手順で装着する。図16は、薬剤払出し装置20の装着手順を示す斜視図である。すなわち、薬剤払出し装置20を装着する際には、予め手で先端の押圧部材72をケース部側に押し込む。その結果、リンク棒81,82の一端が後方側に移動し、リンク棒81,82の他端側が引かれて係合ピン75がケース内に没入する。
この様に押圧部材72を押して係合ピン75を没入させた状態で薬剤払出し装置20を図2、図16に示す仕切り85内に挿入し、押圧部材72の押圧を解除する。その結果、仕切り85内において、係合ピン75が突出し、図15の様に係合ピン75が長孔86,87内に入る。すなわち係合ピン75が長孔86,87と係合し、薬剤払出し装置20の先端側は、長手方向に移動可能であるが、仕切り85とは離れない状態となる。
この状態から、薬剤払出し装置20を仕切り85に沿って前進させる。前記した様に係合ピン75が長孔86,87と係合し、薬剤払出し装置20の先端側は、長手方向に移動可能であるが、仕切り85とは離れない状態となるので、作業者は、単に薬剤払出し装置20の後端部を押し込むだけで、薬剤払出し装置20は長孔86,87に沿って前進する。
【0083】
そして薬剤払出し装置20の先端が奥壁90に達し、さらに薬剤払出し装置20を押し込むと、薬剤払出し装置20の先端から突出するコネクター94が奥壁90に設けられたコネクター95と嵌合する。すなわち本実施形態では、薬剤払出し装置20を押し込むことによって薬剤払出し装置20を電気的に本体側と接続することができる。
コネクター94,95の接続が完了すると、後端側の係合機構92を操作し、本体部の一部23(図5に二点鎖線で示す)にフック部98を係合させる。こうして薬剤払出し装置20は、薬剤充填装置1の本体側に取り付けられる。すなわち薬剤払出し装置20は、左右の仕切り85によって横方向の位置決めがなされ、奥壁90によって前後方向の位置決めがなされる。さらに係合ピン75が長孔に係合すると共に、係合機構92のフック部98が本体側の一部23と係合することにより、天地方向の位置決めがなされる。
【0084】
次に、本実施形態の薬剤払出し装置20の機能について説明する。図17は、本実施形態の薬剤払出し装置20の待機状態における外容器部材35と内容器部材36の位置関係を示す一部断面斜視図である。図18は、本実施形態の薬剤払出し装置20の薬剤排出状態における外容器部材35と内容器部材36の位置関係を示す一部断面斜視図である。図19は、本実施形態の薬剤払出し装置20の一連の動作を順次図示した断面図である。
【0085】
本実施形態の薬剤払出し装置20は、図5、図17の様に、内容器部材36の開口部58を上にした状態で待機している。
この様に内容器部材36の開口部58を上にした状態では、内容器部材36の開口部58は外容器部材35の上部の開口部37の方向に向き、外容器部材35の下部開口38は、内容器部材36の円弧状の壁面によって封鎖される。
そのため、上部の薬剤フィーダ12のいずれかが機能して共通通路から錠剤が落下したとき、錠剤のあるものは、外容器部材35の上部の開口部37から中に入り、さらに直接的に内容器部材36の中に入る。また錠剤のあるものは、容器状部材中に入って一旦外容器部材35の傾斜壁46に当たり、傾斜壁46を転がり落ちて内容器部材36の中に入る。ここで前記した様に、傾斜壁46の傾斜角度は、概ね45°から60°と急傾斜であり、錠剤が止まることはない。
【0086】
さらに前記した様に、内容器部材36の可動周壁55の欠落部分の角度は、外容器部材35の円弧面48の欠落部よりも10〜20°程度大きいから、内容器部材36の開口端は円弧面48の影に隠れる。また内容器部材36の可動周壁55の全長は、180°を越えているので、内容器部材36の開口端90は、双方とも下方向を向いている。したがって待機状態においては、錠剤が内容器部材36の開口端90に引っ掛かる余地がない。そのため上部の薬剤フィーダ12から排出された錠剤は、滞ることなく内容器部材36の中に入る。
【0087】
そして当該薬剤払出し装置20内の錠剤をバイアルに充填する順番となると、所定の信号に応じて駆動部のモータ62が回転し、内容器部材36を回転させる。すなわち内容器部材36の姿勢を変更して内容器部材36を反転させる。
具体的には、待機時に、内容器部材36の可動周壁55の欠落部分(開口部58)が上を向いていたのを、反転して下向きにする。ここで前記した様に、回転検出部の太筒部64の回転姿勢は、内容器部材36の回転姿勢と一致するから、実際上は、太筒部64に設けられた磁石56の位置をホール素子68,69で監視し、モータ62を回転させて内容器部材36の反転した状態の時にモータ62を停止させる。
そうすることにより、内容器部材36の開口部58が外容器部材35の下部開口38と一致し、内容器部材36は外部に開放状態となる。したがって内部に溜めおかれた錠剤は、一気に落下し、待ち受けた移送装置21,22の移動ホッパ25に収容される。
【0088】
また本実施形態では、外容器部材35の内容器装着部41の内面と内容器部材36の可動周壁55が合致し、内容器部材36の回転に際しては、内容器部材36の可動周壁55が、外容器部材35の円弧面48を摺動する状態であるから、実質的に両者の間に隙間はなく、錠剤が嵌まり込むといった懸念はない。内容器部材36の可動正面壁52及び可動裏面壁53についても同様であり、外容器部材35の内壁を摺動するので、実質的に両者の間に隙間はなく、錠剤が嵌まり込むといった懸念はない。
【0089】
なお本実施形態では、前記した様に駆動部32のモータ62が回転し、内容器部材36を回転させるが、内容器部材36を一回転半することによって、内容器部材36の開口部58を下向きにする。
この理由は、次の通りである。
すなわち図19(a)の姿勢で内容器部材36を待機させ、所定の信号によって図19(b)の様に内容器部材36を回転させるが、錠剤99が内容器部材36から溢れる程度まで溜まっている場合は、図19(b)の様に錠剤99の集団の中に周壁の開口端が割り込む状態となり、周壁の外側と、傾斜壁の間に錠剤99を残す場合が想定される。
すなわち図19(c)の様に、内容器部材36に完全に内蔵されていた錠剤99は、内容器部材36を反転することによって下部の開口から落下するが、内容器部材36に入り切らなかった錠剤99は、周壁の外側と、傾斜壁の間に取り残される。
そこで本実施形態は、この問題を解決するために、内容器部材36を一回転半させるものであり、図19(d)の様に、最初の一回転が実行されたときに取り残されていた錠剤99が、内容器部材36の中に入る。そして新たに入った錠剤99は、さらに内容器部材36を半回転して内容器部材36の開口を下向けた時に落下する。
【0090】
また内容器部材36内の錠剤99がブリッジ状態となっていても、内容器部材36を反転されることによって錠剤同士の押圧方向が変わり、ブリッジが崩壊する。さらに内容器部材36が正姿勢にあった時、内容器部材36の底に位置していた錠剤が、内容器部材36を反転した際にブリッジの上部側に位置することとなり、当該底に位置していた薬剤の重量によってブリッジが破壊される。また本実施形態では、ブリッジが発生する際に当接する壁面となる幅方向に対向する壁面、より具体的には、円形の可動正面壁52及び可動裏面壁53が回転移動する。そのためブリッジの基端部が分断されてブリッジが崩壊する。
【0091】
以下、このメカニズムを説明する。図20は、薬剤の移動状況と可動正面壁52と可動裏面壁53の動き及びブリッジの関係を示す概念図であり、(a)は共通通路18から錠剤の投入を終えた直後を示し、(b)は、内容器部材36の回転直後を示し、(c)は、内容器部材36を半回転した時の状態を示す。
前記した図10の様に、錠剤99のブリッジは、容器状部材31の幅を跨ぐ様に発生する。すなわち前記した様に、容器状部材31を平面視すると、直径Dたる長寸側と幅Wたる短寸側があるが、錠剤99のブリッジは、長寸側同士の間に跨がって発生する。より具体的には、図10の様に可動正面壁52と可動裏面壁53の間にブリッジが発生するとこととなる。
【0092】
これを正面側から観察すると、図20の様になる。
すなわち図20(a)では、中心よりもやや下の部位にブリッジ100が発生している。またハッチングの部位には錠剤が溜まっている。前記した様に本実施形態では、傾斜壁46よりも下の部分に錠剤が溜まることを想定して設計しているので、錠剤は、可動正面壁52と可動裏面壁53に囲まれた範囲に存在する。逆に言えば、本実施形態では、可動正面壁52は、薬剤が溜まることが予想される部位に在る。
【0093】
そして内容器部材36の回転を開始すると、図20(b)の様に、ブリッジ100の基端部分は、図面左上側に移動する。すなわちブリッジ100は、可動正面壁52と可動裏面壁53の間にできるので、可動正面壁52と可動裏面壁53が回転して動くと、ブリッジ100の基端部分も移動しようとする。しかしながら、図20(b)の様にブリッジ100の構成メンバーとなっていないハッチング部分の錠剤は、内容器部材36が回転しても、可動周壁55を転がり、元の位置に留まる。そのため不安定なブリッジの中間部分は、基端部分から離れ、ブリッジは破壊される。
【0094】
そのため本実施形態の薬剤払出し装置20内に入った錠剤は、一粒も滞ること無く、全量が次工程側に排出される。
【0095】
次に本発明の変形例について説明する。図21,22,23は、本発明の他の実施形態の薬剤払出し装置で採用する内容器部材の斜視図である。
前記した説明した実施形態では、内容器部材36は、円形の可動正面壁52及び可動裏面壁53と、曲面状であって180°以上の長さを持つ可動周壁55を備えたものを例として挙げた。しかしながら本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、例えば図21に示す内容器部材130の様に、可動周壁55の長さが180°未満のものであってもよい。また図22に示す内容器部材131の様にの様に可動正面壁52又は可動裏面壁53の一方かが欠落したものであってもよい。さらに図23に示す内容器部材132の様に可動周壁55の長さが180°未満であり且つ可動正面壁52又は可動裏面壁53の一方かが欠落したものであってもよい。
【0096】
また上記した実施形態では、内容器部材36は、錠剤を一時的に溜め置くための容器としての機能と、外容器部材35の下部の開口を閉塞する閉塞部材としての機能を兼ね備えている。そして上記した実施形態は、外容器部材35の中で内容器部材36を反転させ、錠剤同士の押圧方向を変えたり、内容器部材36の底に位置していた薬剤の重量によってブリッジを破壊することを意図したものである。しかしながら、ブリッジを防ぐ方策として、閉塞部材の動作によって、ブリッジの一部をかき落とし、ブリッジを破壊することも可能である。
【0097】
図24に示す内容器部材135は、ブリッジの一部をかき落とすことを主たる作用とするものである。図24は、本発明の他の実施形態の待機状態における外容器部材35と内容器部材36の一部断面斜視図である。図25は、本発明の他の実施形態の薬剤払出し装置で採用する内容器部材の斜視図である。
すなわち図24に示す容器状部材は、内容器部材36の周壁が短く、単に外容器部材35の下部の開口部38を閉塞する機能だけを持つ。そして正面壁及び裏面壁は、細いアーム状である。なお当該アーム状の部分105は、かき落とし部材105としての機能を果たす。
【0098】
本実施形態の薬剤払出し装置では、内容器部材36を回転させた時、かき落とし部材105(アーム状の正面壁及び裏面壁)が、容器状部材の内面を撫ぜる。そのため、内容器部材36を回転させた時、かき落とし部材105が、錠剤のブリッジの一部をかき取り、ブリッジを崩壊させる。また円弧状の周壁55は、大きな回転軌跡を描くので、ブリッジの中間部分をえぐる。そのためブリッジは破壊され、薬剤払出し装置内に入った錠剤は、一粒も滞ること無く、全量が次工程側に排出される。
図25に示す様に正面壁等にかわって単なる連結部材106によって閉塞部材107を動作させるものであってもよい。図25に示す実施形態では、連結部材106がかき落とし部材105としての機能を果たす。
【0099】
また図26に示すように可動正面壁108に開口110を設けても同様の作用効果が期待できる。すなわち図26は、本発明のさらに他の実施形態の薬剤払出し装置で採用する容器状部材の断面斜視図である。図27は、図26のA−A断面図である。
図26に示す薬剤払出し装置140では、可動正面壁108は外枠形状が円形であるが、可動周壁5側の約180°の領域に渡って半円形の開口110が設けられている。したがって、可動周壁5の端部に相当する部位の可動正面壁108は枠状の部分を残すだけであり、大部分が開口している。なお本実施形態では、開口110は可動正面壁108側にだけ設けられ、可動裏面壁115側には無いが、可動裏面壁115側に開口を設けてもよい。
【0100】
本実施形態では、可動周壁108の残部109、すなわち開口部58周辺の半円部分がかき落とし部材109として機能する。
本実施形態では、閉塞部材たる容器状部材112が容器状部材31の下部の開口を開く際に、かき落とし部材109が容器状部材31の内壁を撫ぜる。そのため、内容器部材36を回転させた時、かき落とし部材109が、錠剤のブリッジの一部をかき取り、ブリッジを崩壊させる。
以上説明した実施形態は、いずれもかき落とし部材109が、容器状部材31の内壁を撫ぜるものであるが、かき落とし部材109を容器状部材31の内壁から僅かに離し、かき落とし部材109が容器状部材の内壁の近傍を撫ぜる構成としてもよい。
【0101】
上記実施形態では、図11のように内容器部材36の可動正面壁52および可動裏面壁53から突出した回転軸60を外容器部材片35a,35bに設けられた開口35c,35dに挿通したものであったが、例えば図32のように回転軸60と開口35c,35dとの間に例えばABS樹脂をはじめとする樹脂やカーボングラファイト、ステンレス等で作製したブシュ付きのすべり軸受118やころがり軸受119を介在させた構成としてもよい。かかる構成によれば、内容器部材36を外容器部材35に対してスムーズに回動させることができる。
【0102】
以上説明した実施形態は、いずれも内容器部材(閉塞部材)が回転運動して容器状部材の下部の開口を開閉するものであるが、閉塞部材をスライド移動させる構造に対しても本発明を適用することができる。
次に、閉塞部材がスライド移動するシャッター構造に対して本発明を適用した場合の態様について説明する。なお先の実施形態と同様の部材については、同一の番号を付して重複した説明を省略する。
【0103】
図28は、本発明のさらに他の実施形態の薬剤払出し装置を後端側から見た斜視図である。図29は、図28に示す薬剤払出し装置を側面側から見た断面図である。図30は、図28のA−A断面図である。図31は、図28に示す薬剤払出し装置の容器状部材と閉塞部材を模式的に表した斜視図である。
【0104】
図28に示す薬剤払出し装置では、容器状部材116は、先の実施形態と同様に上下に開口150,151を有するが、先の実施形態ではドラム状の部分を有していたのに対し、本実施形態では、本体部分117が略直方体である。そして容器状部材116の上部の開口150周辺は、大きく拡径している。
また容器状部材116の本体部分117は、前記した様に略長方形であり、上部と底部を除く4面が壁によって覆われているが、そのうち、短辺を形成する前後壁121,124にスリット122,123が設けられている。スリット122,123は、前後壁121,124の片側であって互いに同一側に設けられており、垂直方向に延びていて下端側が開放されている。
【0105】
本実施形態では、閉塞部材120は、シャッターである。閉塞部材120は、容器状部材116とは独立しており、概ね板状の本体部分125にラック128とかき落とし部材126が設けられたものである。
本体部分125の大きさは、前記した容器状部材116の下部の開口151よりも相当に大きいものであり、その形状は、略長方形である。
【0106】
本体部分125は、鋼のうす板をそのまま使用して成形してもよいが、本実施形態では、落下した錠剤を傷つけないように、鋼板層140の上面にウレタン樹脂等によるクッション層141を設け、さらにその上面に低摩擦樹脂層142を設けている。
【0107】
ラック128は、本体部分125の上面であって、その端部にあり、長辺に沿って設けられている。ラック128は、本体部分125の全長の70%程度の長さである。
【0108】
そして本実施形態では、閉塞部材120の一部にかき落とし部材126が設けられている。かき落とし部材126は薄い壁状であり、前記した板状の本体部分125から垂直に立設している。
かき落とし部材126は、低い壁状の部位129と、台形形状部131が連続したものである。台形形状部131は、垂直台形形状であり、図29,31の様に上辺140と傾斜辺141と垂直辺142を持つ。
かき落とし部材126が設けられた位置は、本体部分125の一方の長辺に沿った位置である。またかき落とし部材126の全長は、前記した容器状部材116の本体部分117の全長に相当する。
かき落とし部材126の台形形状部131は、容器状部材116の本体部分117よりも短く、台形形状部131は、閉塞部材120の一方の短辺側に寄った位置に設けられている。
閉塞部材120を平面視した時、かき落とし部材126は直線的であって本体部分125の長辺と平行に延びる。
【0109】
本実施形態では、閉塞部材120は容器状部材116から独立しており、ケース部30の底部にスライド可能に装着されている。
すなわち図30に示すように、ケース部30内の底部近傍に、長辺に沿ってガイド部材143が設けられている。ガイド部材143は、長尺状であり、中央部にスリット144が設けられ、当該スリット144が長手方向に延びている。
そして閉塞部材120の本体部分125の両端がガイド部材143のスリット144に挿入され、閉塞部材120は、両脇の前記ガイド部材143によってスライド可能に支持されている。
【0110】
本実施形態の薬剤払出し装置では、容器状部材116の側面側に駆動部130が配されている。駆動部130は、先の実施形態と同様にギヤードモータ62に駆動歯車63が設けられたものである。そして駆動部130の駆動歯車63は、前記した閉塞部材120のラック128と嵌合している。そのため駆動部130のギヤードモータ62が回転すると、これと嵌合するラック128が直線運動し、閉塞部材120がスライドする。
【0111】
本実施形態の薬剤払出し装置では、閉塞部材120と容器状部材116は独立しており、容器状部材116は、閉塞部材120に載置されている。また閉塞部材120の下部であって、容器状部材116の下部の開口151に相当する部位には、接続ガイド146が設けられている。接続ガイド146は、錠剤がこぼれないように容器状部材11の下部の開口151と、後段の移動ホッパ(移送装置の構成部材)とを接続するものである。
【0112】
本実施形態の薬剤払出し装置では、閉塞部材120が最も前進した位置にある時、閉塞部材120の本体部分117が容器状部材116の下部の開口151と一致し、当該開口151を塞ぐ。このとき、閉塞部材120に設けられたかき落とし部材126の台形形状部131の大部分は、図29の様に、容器状部材116のスリット123内に入る。
そして駆動部130のギヤードモータ62が回転すると、前記した様にラック128が直線運動し、閉塞部材120がスライドし、容器状部材116の下部の開口151を序序に開く。そしてついには閉塞部材120は容器状部材116の下部の開口151を離れ、下部の開口151を完全に開放する。
【0113】
このように閉塞部材120がスライドする際、かき落とし部材126の台形形状部131が、容器状部材116の内壁近傍を撫ぜる。
すなわち閉塞部材120がスライドすると、かき落とし部材126の台形形状部131は、傾斜辺141側を先頭にして前進し、容器状部材116の内部を横切って他方側のスリットに至る。
そのためかき落とし部材125が、錠剤のブリッジの一部をかき取り、ブリッジを崩壊させる。また本実施形態では、かき落とし部材126は傾斜辺141を有し、傾斜辺141側を先頭に前進するから、ブリッジと当接した時に垂直方向の分力が生じ、錠剤等を持ち上げる様にしてブリッジを破壊する。そのため小さな力でブリッジを破壊することができ、且つ錠剤等を傷めることも少ない。
【0114】
本実施形態を採用しても、ブリッジは破壊され、薬剤払出し装置内に入った錠剤は、一粒も滞ること無く、全量が次工程側に排出される。
【図面の簡単な説明】
【0115】
[図1]本発明の実施形態の薬剤充填装置の斜視図である。
[図2]図1の薬剤充填装置の共通通路を示す斜視図である。
[図3]図1の薬剤充填装置の薬剤供給部と薬剤払出し部と薬剤搬送部の位置関係を示す概略斜視図である。
[図4]図3のA−A断面図である。
[図5]本発明の実施形態の薬剤払出し装置を後端側から見た斜視図である。
[図6]本発明の実施形態の薬剤払出し装置を先端側から見た斜視図である。
[図7]図5の薬剤払出し装置の平面図である。
[図8]図7のA−A断面図である。
[図9]図5の薬剤払出し装置の容器状部及び駆動部の斜視図である。
[図10]図5の薬剤取り出し装置の中心部における平面断面図であり、錠剤がブリッジを起こした状態を示す。
[図11]図5の薬剤払出し装置の容器状部の分解斜視図である。
[図12]図5の薬剤払出し装置の内容器部材の斜視図である。
[図13]駆動部の主要部分を示す斜視図である。
[図14]係合ピン機構部の斜視図である。
[図15]係合ピン機構部及びその周囲にある仕切りの平面図であり、(a)は係合ピンがケース部内に没入した状態を示し、(b)は係合ピンがケース部から突出した状態を示す。
[図16]薬剤払出し装置の装着手順を示す斜視図である。
[図17]本実施形態の薬剤払出し装置の待機状態における外容器部材と内容器部材の位置関係を示す一部断面斜視図である。
[図18]本実施形態の薬剤払出し装置の薬剤排出状態における外容器部材と内容器部材の位置関係を示す一部断面斜視図である。
[図19]本実施形態の薬剤払出し装置の一連の動作を順次図示した断面図である。
[図20]薬剤の移動状況と可動正面壁と可動裏面壁の動き及びブリッジの関係を示す概念図であり、(a)は共通通路から錠剤の投入を終えた直後を示し、(b)は、内容器部材の回転直後を示し、(c)は、内容器部材を半回転した時の状態を示す。
[図21]本発明の他の実施形態の薬剤払出し装置で採用する内容器部材の斜視図である。
[図22]本発明の他の実施形態の薬剤払出し装置で採用する内容器部材の斜視図である。
[図23]本発明の他の実施形態の薬剤払出し装置で採用する内容器部材の斜視図である。
[図24]本発明の他の実施形態の待機状態における外容器部材と内容器部材の一部断面斜視図である。
[図25]本発明の他の実施形態の薬剤払出し装置で採用する内容器部材の斜視図である。
[図26]本発明のさらに他の実施形態の薬剤払出し装置で採用する容器状部材の断面斜視図である。
[図27]図26のA−A断面図である。
[図28]本発明の実施形態の薬剤払出し装置を後端側から見た斜視図である。
[図29]図28に示す薬剤払出し装置を側面側から見た断面図である。
[図30]図28のA−A断面図である。
[図31]図28に示す薬剤払出し装置の容器状部材と閉塞部材を模式的に表した斜視図である。
[図32]本発明の薬剤払出し装置において採用される容器状部材の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0116】
1 薬剤充填装置
3 薬剤供給部
5 薬剤一時停止部
6 薬剤搬送部
7 薬剤充填部
12 薬剤フィーダ
18 共通通路
20 薬剤払出し装置
30 ケース部
31 容器状部材
32 駆動部
35 外容器部材
36 内容器部材
38 開口部
41 内容器装着部
46 傾斜壁
48 円弧面
52 可動正面壁
53 可動裏面壁
55 可動周壁
58 開口部
60 回転軸
62 モータ
71 係合ピン機構部
72 押圧部材
85 仕切り
92 係合機構
94 コネクター(ケース側接続端子)
95 コネクター(本体側接続端子)
130,131,132 内容器部材
105,106,126 かき落とし部材
107 120 閉塞部材
151 開口
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形状薬剤を排出する薬剤フィーダの下流側に配置され、薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に溜め置かれた薬剤を排出する薬剤払出し装置において、上部が開口し少なくとも下部が開閉する容器状部材を備え、容器状部材の内側の周壁の一部又は全部は可動壁であり、当該可動壁は、容器状部材の下部を開く際に動くことを特徴とする薬剤払出し装置。
【請求項2】
容器状部材の内側の平面断面には長寸側と短寸側があり、長寸側を構成する周壁の一方又は双方が可動壁であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項3】
可動壁は回転するものであり、少なくとも一部に円弧形状部を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項4】
可動壁は、薬剤が溜まることが予想される部位に在ることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項5】
容器状部材は、上部及び下部に開口を有する外容器部材と、一部が開口しこれに対向する部位が閉塞する内容器部材を有し、前記内容器部材は外容器部材の中に在り、内容器部材は外容器部材内において反転可能であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項6】
容器状部材は、上部及び下部に開口を有すると共に少なくとも一部に円弧形状の内壁を有する外容器部材と、前記外容器部材に内蔵された内容器部材を備え、前記内容器部材は前記外容器部材の円弧形状の内壁と略合致する外壁を有すると共に当該外壁の一部が欠落して開口を形成し、内容器部材は外容器部材内において回転可能であり、内容器部材が所定の回転位置にあるとき、内容器部材の外壁が外容器部材の下部の開口を閉塞し、内容器部材が他の所定の回転位置にあるとき、内容器部材の開口が外容器部材の開口と合致することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項7】
容器状部材は、上部及び下部に開口を有すると共に少なくとも一部に円弧形状の内壁を有する外容器部材と、前記外容器部材に内蔵された内容器部材を備え、前記内容器部材は前記外容器部材の円弧形状の内壁と略合致する外壁を有すると共に当該外壁の一部が欠落して開口を形成し、内容器部材は外容器部材内において回転可能であり、
薬剤の排出に際しては、内容器部材は1回転半以上回転することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項8】
容器状部材を収容するケース部を有し、当該ケース部に対して出没可能な係合部と、押圧部が設けられ、前記係合部は常時突出していて押圧部を押圧した時にケース部内に没入することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項9】
固形状薬剤を排出する薬剤フィーダが複数配された薬剤供給部と、前記薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に溜め置かれた薬剤を排出する請求の範囲第1項に記載の薬剤払出し装置と、前記薬剤払出し装置から排出された薬剤を所定の容器又は包装部材に充填する薬剤充填部を有する薬剤充填装置。
【請求項10】
複数の薬剤フィーダが縦横行列状に配置され、一または二以上の薬剤フィーダ列に対応する複数の共通通路が形成され、各共通通路の下流側に請求の範囲第1項に記載の薬剤払出し装置が配され、前記薬剤払出し装置から排出された薬剤を所定の容器又は包装部材に充填する薬剤充填部を有する薬剤充填装置。
【請求項11】
固形状薬剤を排出する薬剤フィーダの下流側に配置され、薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に溜め置かれた薬剤を排出する薬剤払出し装置において、上部及び下部に開口を有する容器状部材と、前記容器状部材の下部の開口を開閉する閉塞部材と、かき落とし部材を有し、閉塞部材が容器状部材の下部の開口を開く際にかき落とし部材が容器状部材の内壁の一部又は内壁の一部の近傍を撫ぜることを特徴とする薬剤払出し装置。
【請求項12】
容器状部材は、上部及び下部に開口を有する外容器部材と、一部が開口しこれに対向する部位が閉塞する内容器部材を有し、前記内容器部材は外容器部材の中に在り、下部の開口を開閉する閉塞部材と、かき落とし部材を有し、当該かき落とし部材は、内容器部材の回転に伴って当該外容器部材の内面を撫でることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項13】
かき落とし部材は、外形が非円形であり外容器部材の内面に沿って回動することを特徴とする請求の範囲第11項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項14】
容器状部材は、上部及び下部に開口を有する外容器部材と、一部が開口しこれに対向する部位が閉塞する内容器部材を有し、前記内容器部材は、外容器部材の中に在り、外容器部材に対して回転するものであり、下部の開口を開閉する閉塞部材と、かき落とし部材を有し、当該かき落とし部材は、アーム状であり、外容器部材の内面に沿って回動することを特徴とする請求の範囲第11項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項15】
閉塞部材は直線移動するシャッターであり、かき落とし部材は閉塞部材と一体化されていることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項16】
容器状部材を収容するケース部を有し、当該ケース部に対して出没可能な係合部と、押圧部が設けられ、前記係合部は常時突出していて押圧部を押圧した時にケース部内に没入することを特徴とする請求の範囲第11項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項17】
固形状薬剤を排出する薬剤フィーダが複数配された薬剤供給部と、前記薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に溜め置かれた薬剤を排出する請求の範囲第11項に記載の薬剤払出し装置と、前記薬剤払出し装置から排出された薬剤を所定の容器又は包装部材に充填する薬剤充填部を有する薬剤充填装置。
【請求項18】
複数の薬剤フィーダが縦横行列状に配置され、一または二以上の薬剤フィーダ列に対応する複数の共通通路が形成され、各共通通路の下流側に請求の範囲第11項に記載の薬剤払出し装置が配され、前記薬剤払出し装置から排出された薬剤を所定の容器又は包装部材に充填する薬剤充填部を有する薬剤充填装置。
【請求項19】
固形状薬剤を排出する薬剤フィーダの下流側に配置され、薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に溜め置かれた薬剤を排出する薬剤払出し装置において、上部及び下部に開口を有する容器状部材と、前記容器状部材の下部の開口を開閉する閉塞部材と、かき落とし部材を有し、閉塞部材が容器状部材の下部の開口を開く際にかき落とし部材が容器状部材内を横切ることを特徴とする薬剤払出し装置。
【請求項20】
閉塞部材は直線移動するシャッターであり、かき落とし部材は閉塞部材と一体化されていることを特徴とする請求の範囲第19項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項21】
閉塞部材は直線移動するシャッターであり、かき落とし部材は、傾斜辺を有し閉塞部材と一体化されたものであり、閉塞部材の直線移動に伴って前記傾斜辺側を先頭にして容器状部材の内部を横切ることを特徴とする請求の範囲第19項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項22】
容器状部材を収容するケース部を有し、当該ケース部に対して出没可能な係合部と、押圧部が設けられ、前記係合部は常時突出していて押圧部を押圧した時にケース部内に没入することを特徴とする請求の範囲第19項に記載の薬剤払出し装置。
【請求項23】
固形状薬剤を排出する薬剤フィーダが複数配された薬剤供給部と、前記薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に溜め置かれた薬剤を排出する請求の範囲第19項に記載の薬剤払出し装置と、前記薬剤払出し装置から排出された薬剤を所定の容器又は包装部材に充填する薬剤充填部を有する薬剤充填装置。
【請求項24】
本体部に複数の薬剤フィーダが縦横行列状に配置され、一または二以上の薬剤フィーダ列に対応する複数の共通通路が形成され、各共通通路の下流側に、前記薬剤フィーダから排出された薬剤を一旦溜め置くと共に所定の開口を開いて溜め置かれた薬剤を排出する薬剤払出し装置が配され、前記薬剤払出し装置から排出された薬剤を所定の容器又は包装部材に充填する薬剤充填部を有する薬剤充填装置において、前記薬剤払出し装置は、ケース部を有し、当該ケース部内に薬剤を溜め置く容器と、容器の開口を開くための動力源が内蔵されてユニット化され、当該ケース部に対して出没可能な係合部と押圧部が設けられ、前記係合部は常時突出していて押圧部を押圧した時にケース部内に没入し、本体部には前記薬剤払出し装置のケース部が装着される仕切りがあり、当該仕切りに係合孔又は溝が設けられ、薬剤払出し装置の押圧部を押圧して係合部をケース部内に没入した状態で薬剤払出し装置を仕切り内に装着可能であり、係合部が仕切りに設けられた係合孔又は溝と係合することを特徴とする薬剤充填装置。
【請求項25】
ケース部の先端にはケース側接続端子が設けられ、本体部の仕切り内には本体側接続端子があり、係合孔又は溝は長手方向に延び、係合部が仕切りに設けられた係合孔又は溝と係合した状態でケース部をスライドさせ、ケース側接続端子と本体側接続端子を接続可能であることを特徴とする請求の範囲第24項に記載の薬剤充填装置。

【国際公開番号】WO2005/011563
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【発行日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512448(P2005−512448)
【国際出願番号】PCT/JP2004/006450
【国際出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(592246705)株式会社湯山製作所 (202)
【Fターム(参考)】