薬液供給装置
【課題】流水が薬液容器内に流れ込むのを防止することができる薬液供給装置を提供する。
【解決手段】本発明は、便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であって、薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、排出口に接続され、薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、薬液排出機構から排出された薬液を、便器内を流れる流水と接触可能に支持する支持部材と、薬液容器、薬剤排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、薬液排出機構は、薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、延長路と連通し、薬液を前記支持部材側へ排出する流出孔と、を備えている。
【解決手段】本発明は、便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であって、薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、排出口に接続され、薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、薬液排出機構から排出された薬液を、便器内を流れる流水と接触可能に支持する支持部材と、薬液容器、薬剤排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、薬液排出機構は、薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、延長路と連通し、薬液を前記支持部材側へ排出する流出孔と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器のリムに取り付けられ、便器を洗浄する薬液を供給したり、或いは、水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置され、当該手洗い部に供給される水とともに貯水タンク内に薬液を供給する薬液供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
便器を洗浄したり、芳香効果を得るための薬液供給装置は、取付対象となる便器のタイプによって種々のものが提案されている。例えば、貯水タンクを有するタイプに対しては、タンク上部の手洗い部に配置される薬液供給装置が提案されており、この装置は、手洗い部に供給される水とともに、貯水タンク内に薬液を供給するように構成されている。
【0003】
一方、タンク上部に手洗い部がないものや、貯水タンク自体を設けないタイプの便器も販売されており、これに対しては、便器のリムに直接取り付ける薬液供給装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載の薬液供給装置は、便器のリムに吊り掛けられるように薬液容器を設け、その下方に薬液を受けるプレートを取り付けている。そして、薬液容器から排出孔を介してプレート上に供給される薬液を、流水によってさらうことで、便器の内壁面に薬液を供給している。これによって、便器が洗浄されるとともに、薬液に含まれる芳香剤により、芳香効果も得ることができる。
【特許文献1】特表2003−517124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記薬液供給装置は、薬液容器から排出された薬液が排出孔を介して直接プレート上へ流れ落ちるように構成されている。そのため、プレート上へ流れ込んだ流水の勢いが強い場合には、プレート上の薬液をさらうのみならず、排出孔に流入することがある。こうして排出孔に流入した流水は、薬液容器内へ流れ込むおそれがあり、これによって容器内の薬液が薄まるという問題が生じる。その結果、洗浄剤または芳香剤としての薬液の効果が低下するおそれがある。
【0005】
このような問題は、便器のリムに取り付けられるタイプのみならず、貯水タンク上部の手洗い部に配置されるタイプの薬液供給装置においても起こりうる問題である。すなわち、このタイプの装置では、手洗い部に供給される水が装置内に流入し、この流水が装置内の薬液をさらって外部へと流れ出た後、貯水タンク内へ供給される。したがって、装置内に入る流水が薬液容器内へと流れ込むおそれがあるため、上述したような問題が起こり得る。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、流水が薬液容器内に流れ込むのを防止することができる薬液供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、水洗トイレにおける便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であって、上記問題を解決するためになされたものであり、薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、前記薬液排出機構から排出された薬液を、便器内を流れる流水と接触可能に支持する支持部材と、前記薬液容器、薬剤排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、前記薬液排出機構は、薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、この案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、前記延長路と連通し、薬液を前記支持部材側へ排出する流出孔と、を備えている。
【0008】
第2の本発明は、水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置され、当該手洗い部に供給される水とともに前記貯水タンク内に薬液を供給する薬液供給装置であって、上記問題を解決するためになされたものであり、薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、前記薬液容器を支持し、前記手洗い部上に配置される支持体と、前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、前記薬液排出機構から排出された薬液を前記支持体の下方へ案内する案内部材と、を備え、前記薬液排出機構は、薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、前記案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、前記延長路と連通し、薬液を前記支持体側へ排出する流出孔と、を備えている。
【0009】
また、第3の本発明は、水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置され、当該手洗い部に供給される水とともに前記貯水タンク内に薬液を供給する薬液供給装置であって、上記問題を解決するためになされたものであり、 薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、前記薬液排出機構から排出された薬液を案内する案内部材と、を備え、前記薬液排出機構は、薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、前記案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、前記延長路と連通し、薬液を排出する流出孔と、を備えている。
【0010】
上記第1から第3の発明によれば、薬液容器から流出孔に至る薬液の経路に、下方へ延びる案内路及び略水平に延びる延長路を設けている。そのため、フラッシュ時に、薬液供給装置内に入り、流出孔に流れ込んだ流水は、水平に延びる延長路を通過し、さらに上方に延びる案内路を経なければ、薬液容器には到達しない。したがって、装置内に入った流水における薬液容器へ至る上向きの経路の中に、水平に延びる経路を配置しているので、水が進入しにくくなり、その結果、薬液容器内への流水の進入を確実に防止することができる。
【0011】
上述した延長路は、種々の構成にすることができる。例えば、1つの延長路で構成してもよいし、2つ以上の延長路を設け、流出孔で合流させることもできる。2以上の延長路を設ける場合には、例えば、案内路を挟む両側へ円弧状に延ばし、それぞれの中心角が60度以上となるように構成することができ、90度以上にするとさらに好ましい。こうすることで、案内路から流出孔へ至る経路を長くまた複雑にすることができ、水の進入をさらに確実に防止することができる。また、案内路は下方へ延びるように構成されるが、必ずしも鉛直方向に延びていなくてもよく、斜め方向に下方に延びていてもよい。また、延長路に関しても、必ずしも正確な水平方向に延びていなくてもよく、案内路への水の進入を防止する役割を果たせる限度において、水平方向から多少ずれていてもよい。
【0012】
ところで、延長路については、次の点を検討することが好ましい。例えば、延長路の断面積が一定であるとして、容積が小さすぎると、延長路を逆流する流水の浸入を防止できないおそれがある。一方、容積が大きすぎると、本発明の薬液排出機構では、案内路を通過する薬液は下向きに流れるため、自重の作用で薬液は延長路を流されるが、例えば、薬液の粘度が極端に大きい場合などに、延長路を薬液が通って、流出孔へ流れるのが遅くなり過ぎたり、流れなくなったりするおそれがある。
【0013】
また、例えば、延長路の容積が一定であるとして、断面積が大きすぎると、延長路を逆流する流水の浸入を防止できないおそれがある。一方、断面積が小さ過ぎると、本機構では、案内路を通過する薬液は下向きに流れるため、自重の作用で薬液は延長路を流されるが、例えば、薬液の粘度が極端に大きい場合などに、延長路を薬液が通って、流出孔へ流れるのが遅くなり過ぎたり、流れなくなったりするおそれがある。
【0014】
以上のような観点から、各延長路の容積は、0.05〜0.3mm3であることが好ましく、0.07〜0.15mm3であることがさらに好ましい。また、各延長路の断面積は、0.02〜0.1mm2であることが好ましく、0.03〜0.05mm2であることがさらに好ましい。そして、延長路の容積と断面積がともに上記範囲内であることが特に好ましい。
【0015】
また、上記第1から第3の発明においては、流出孔の周囲を囲む壁部材を設けることができる。このような壁部材を設けると、壁部材で囲まれた領域に空気の壁を形成することができ、これによって流水が流出孔に流入するのを防止することができる。このような壁部材は、例えば、流出孔の周囲から下方や斜め下方に延びるように構成することができる。また、流出孔の下方にある部材、例えば、液体を受ける支持部材から上方に向けて壁部材を形成し、これによって流出孔の周囲を囲んでもよい。或いは、流出孔の周囲から下方に延ばした壁部材と、下方から上方へ延びる壁部材とを連結することで、流出孔の周囲を囲むこともできる。
【0016】
特に、第1の発明においては、薬液排出機構に、流出孔の周囲を囲み、支持部材側へ突出する壁部材を設けることもできる。
【0017】
上記第3の発明においては、案内部材を種々の構成にすることができる。例えば、案内部材を薬液排出機構の下方へ向けて突出させ、手洗い部の排出口に挿入するようにしたり、或いは、側方、斜め下方などへ延ばすこともできる。こうすることで、薬液排出機構から排出された薬液を広い範囲に拡げることができ、フラッシュ時により流水に接触させやすくすることができる。このように、案内部材は、流水に接触しやすい位置に延ばすことが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る薬液供給装置によれば、流水が薬液容器内に流れ込むのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る薬液供給装置の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る薬液供給装置の斜視図、図2は図1の断面図、図3は図2のA−A線における図1の断面図、図4は図1の平面図、図5は図1の分解斜視図である。
【0020】
この薬液供給装置は、便器のリムに吊り掛けて使用されるものであり、図1〜図5に示すように、薬液が収容された薬液容器1と、これを下方から支持する装置本体2と、装置をリムに吊り掛けるための吊掛部材3とを有している。また、装置本体2の内部には、薬液容器1から流れ出た薬液を装置本体2の底面へと供給する薬液排出機構4が配置されている。以下、上述した各部材をさらに詳細に説明する。
【0021】
図5に示すように、薬液容器1は、透明のドーム状に形成され、下面に排出口11を有している。そして、この排出口11には、キャップ13が取り付けられている。このキャップ13は、環状の本体部131と、その中央の穴を塞ぐ薄膜部132とで構成されており、使用に際しては、薄膜部132を破断させて薬液を排出させる。
【0022】
図4及び図5に示すように、装置本体2は、底面を構成する支持プレート(支持部材)21と、その周囲を囲む壁体22とを有している。支持プレート21は、平面視略矩形状の基部211と、その一辺に揺動自在に連結された可動部212とで構成されており、可動部212が設けられている辺以外の3辺に、上述した壁体22がコ字状に設けられている。したがって、装置本体2は、一辺の壁が切り欠かれて開放するカップ状に形成されており、この開放部分23から基部211の一部及び可動部212が突出するように構成されている。そして、後述するように、この開放部分23から装置本体2内に流水が流れ込むようになっている。
【0023】
また、基部211の中央には、上方へ延びる支柱24が取り付けられており、この支柱24と後述するカバー部材411との間の空間に、吊掛部材3が上下動可能に取り付けられている。吊掛部材3は、弾性変形可能に2箇所で折り曲げられた帯状に形成されており、初期状態では、図1のように折り畳まれている。また、吊掛部材3は、上下動可能に構成されているため、装置とリムとが干渉しないように、リムに対する薬液容器1及び装置本体2の高さを調整することができる。
【0024】
次に、支持プレート21についてさらに詳細に説明する。図2に示すように、本実施形態の支持プレート21においては、基部211と可動部212とが樹脂などで一体的に形成されており、基部211が可動部212側に向かって約6度で下方に傾斜している。これにより、後述するように、排出された薬液がリム側へ流れやすいようにしている。基部211の傾斜角度αは、これ以外に設定することも可能であり、例えば、0〜45度にすることができ、3〜30度であることが好ましい。
【0025】
そして、支持プレート21の裏面には、基部211と可動部212との境界線に沿って溝213が形成されている。したがって、この溝213によって基部211と可動部212との境界が薄膜状になるため、可動部212が基部211に対して揺動可能となっている。また、溝213は支持プレート21の裏面に形成されているため、可動部212を下方に傾斜させようとすると、溝213において対向する側壁面同士が当接し、これによって下方への傾斜が規制される(図2(a))。一方、上方への傾斜も可能であり、力を付与すれば、可動部212を上方へ揺動させることができる。但し、上方への傾斜も次のように規制されている。図1及び図2に示すように、基部211の両側には、略矩形状の側板214が取り付けられており、この側板214において、可動部212側を向く垂直に延びる端面が、可動部212と当接可能となっている。すなわち、可動部212を、傾斜角βが90度以上に傾斜させようとすると、側板214の端面と可動部212とが接触し、可動部212がそれ以上傾斜しないようになっている(図2(b))。なお、初期状態では、可動部212は基部211に対して、約30°の傾斜角度βで上方に傾斜しており、この状態から境界部分の弾性変形によって、基部211に対し約0〜90°程度の範囲で傾斜が可能となっている。以上のように構成された装置本体2には、基部211の周縁、壁体22に複数の流水孔25が形成されており、開放部分23から流入した流水がこれら流水孔25を介して、装置本体2から排出されるようになっている(図1及び図5参照)。
【0026】
続いて、薬液排出機構4について説明する。図2〜図5に示すように、薬液排出機構4は、薬液容器1と支持プレート21との間に配置されており、上側に配置される上部材41と、下側に配置される下部材42とで構成されている。上部材41は、平面視楕円型の筒状に形成されており、下方が開放している。一方、下部材42は、平面視楕円状の板状部421と、その周囲に上下方向に延びるように形成された低い壁部材423とで構成されており、上部材41の下部開口を塞ぐように配置される。そして、上部材41と下部材42とが組み合わされることで、両者の間には、薬液を保持する緩衝空間43が形成される。以下、上部材41及び下部材42についてさらに詳細に説明する。
【0027】
図2及び図5に示すように、上部材41の側面には、上方に延びるレール状のカバー部材411が取り付けられており、このカバー部材411は、上述した通り、支柱24に当接し、吊掛部材3を収容する空間を形成する。また、上部材41の上面中央部には、先端が斜めに切りかかれて鋭利な円筒状の連通管412が設けられるとともに、上面の端部には合計4つの空気流通孔413が形成されている。連通管412は、上述した薬液容器1のキャップ13に突き刺され、薄膜部132を破断させる役割を果たす。また、連通管412の周縁には、環状の溝417が形成されており、この溝417にキャップ13の本体部131が嵌るようになっている。一方、図2に示すように、連通管412の内部底面には、下部材42側へ延びる円筒状の固定管414と、その近傍に配置された複数の薬液連通孔415とが形成されている。そして、これら薬液連通孔415と、上述した空気流通孔413とは、緩衝空間43と連通している。
【0028】
続いて、下部材42について図6及び図7も合わせて説明する。図6は下部材の下面からの見た斜視図(a)、平面図(b)、正面図(c)、及び底面図(d)、図7は下部材の一部斜視図(a)及びそのB−B線断面図(b)ある。まず、図5に示すように、下部材42の中央には、上部材41の固定管414に嵌合する円筒状の案内管424と、その周囲を囲むように設けられた円形の固定壁425とが設けられている。そして、案内管424と固定壁425との間の隙間には、上述した固定管414が嵌るようになっている。案内管424の上部開口は、斜めに切り取られた形状となっており、その開口の低い側から案内管424の外周面に沿って上下方向に延びる案内溝426が形成されている。ここで、図6及び図7に示すように、案内管424は固定管414の内部に嵌っているため、固定管414の内壁面と、案内溝426とで薬液の通路(案内路)が形成される。また、案内管424と固定壁425との隙間の底面と、固定管414の下端部との隙間にも薬液が通過する空間、つまり延長路427が形成される。より詳細に説明すると、上記隙間の底面においては、案内溝426の両側の各約90度が薬液の延長路427を構成するとともに、案内溝426とは反対側には、約180度に亘る半円形の流出孔428が形成されている。そして、延長路427を通過した薬液が流出孔428から支持プレート21側へ流れ出るようになっている。なお、各延長路427の容積は、0.05〜0.3mm3であることが好ましく、0.07〜0.15mm3であることがさらに好ましい。また、延長路427の断面積は、0.02〜0.1mm2であることが好ましく、0.03〜0.05mm2であることがさらに好ましい。
【0029】
図6に示すように、下部材42における壁部材423の下端の両端には、一対の脚部429が取り付けられており、この脚部429によって下部材42の下面と、支持プレート21との間に空間が形成される。この空間が後述するように、薬液及び流水の通路となる。また、下部材42の下面には、上述した流出孔428の両端を結ぶ突片431と、この突片431の両端から延びる一対の突条部432とが形成されている。そして、各突条部432は、互いに離間するように、可動部212側へ斜め方向に延びるとともに、図6(c)に示すように、先端にいくにしたがって、下部材42下面からの突出高さが大きくなっている。すなわち、図2に示すように、各突条部432は、先端にいくにしたがって、支持プレート21との隙間が小さくなっていき、最も先端では、支持プレート21と接触している。
【0030】
次に、上記のように構成された薬液供給装置の使用方法について図8も参照しつつ説明する。図8は薬液供給装置の取り付け状態を示す側面図である。まず、薬液容器1を上部材41上に配置する。これにより、薬液容器1のキャップ13に連通管412が突き刺さり、薬液容器1が固定される。続いて、この装置を便器のリムに取り付ける際には、吊掛部材3を、支柱24から引き出して高さを調整しつつ、図1の状態からコ字状に押し広げる。そして、図8(a)に示すように、リムRを挟むように配置する。このとき、可動部212は、便器の内壁面に当接するのであるが、基部211に対して揺動可能となっているため、基部211と便器内壁面Sとの距離に応じて、傾斜する。すなわち、図8(a)に示すように基部211と便器内壁面Sとの距離が小さい場合、可動部212は、便器内壁面Sに押しつけられながら、大きく傾斜し、便器内壁面Sとの隙間を埋める。一方、距離が大きい場合には、図8(b)に示すように、傾斜角βは小さくなるが、いずれの場合でも、基部211と便器内壁面Sとの隙間は埋められる。その結果、基部211に流れ出た薬液を効率よくさらって、便器へ流すことができるため、便器の形状にかかわらず、優れた洗浄効果を得ることができる。
【0031】
続いて、薬液の流れについて説明する。連通管412によりキャップ13の薄膜部132が破断されると、薬液は、薬液容器1から薬液排出機構4へと流れ出て、一部は連通管412及び薬液連通孔415を介して緩衝空間43内に流れ込む。一方、残りの薬液は、図6及び図7に示すように、案内溝426を通過して下方へ流れた後、延長路427及び流出孔428を介して下部材42の下面側に流れ出る。そして、この薬液は、突片431及び突条部432を伝って、可動部212側へ移動し、支持プレート21と突条部432との接触部分において、支持プレート21上へ移る。支持プレート21の基部211は、やや下方に傾斜しているので、薬液は下方へ流れ、可動部212との境界部分に蓄積される。このとき、薬液に含まれる芳香剤が揮散し、芳香効果が得られる。
【0032】
ここで、上述した緩衝空間43の機能について説明する。この緩衝空間43は、温度変化によって薬液容器1内に圧力変化が生じた場合の緩衝作用をなす。例えば、温度が上昇して薬液容器1が暖められた場合には、容器1内の空気が膨張し容器1内部は正圧になる。この場合、薬液容器1内の薬液は押し出されて排出されるが、この薬液は案内溝426のほか、薬液連通孔415を介して緩衝空間43内にも流れ込むため、薬液が案内溝426から過剰に流出されるのが防止される。一方、流水によって冷やされるなどして薬液容器1の温度が低下し、薬液容器1内の空気が収縮して負圧になると、薬液は、空気流通孔413を介して空気の圧力が作用している緩衝空間43から薬液連通孔415を介して薬液容器1内に吸い込まれる。その結果、装置本体側に流入してきた水の薬液容器への吸い上げや薬液の排出が制限されるのを防止することができる。このように、緩衝空間43は、温度変化によって薬液容器1内に圧力変化が生じた場合であっても、ほとんどの薬液が薬液容器1と緩衝空間43との間で流通するため、容器1内の薬液が過剰に流出したり、或いは流出が制限されるのを防止することができる。
【0033】
上記のように装置が設置された後、便器内に水が流されると、流された水は、図8に示すように、リムRの内側から便器内壁面Sを伝い、可動部212によって基部211側へ案内される(矢印X)。そして、基部211と可動部212との境界部分に貯まった薬液をさらいつつ、流水孔25から外部へ流れ出したり、或いは、装置内で壁体22などにぶつかりながら跳ね返り、開放部分23から装置の外部へ流れ出す。こうして、薬液は流水とともに、便器内壁面Sに供給され、便器の清浄が行われる。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、装置内に流入した流水が、薬液容器1内に流入するのを以下のように防止している。すなわち、本実施形態に係る装置では、薬液は、案内溝426及び延長路427を介して支持プレート21上に流れ出る。特に、延長路427は水平に延びているため、突片431及び突条部432を介して上方に流れた水は、一旦水平に延びる延長路427を通過した後、さらに垂直に延びる案内溝426を通過しなければ、薬液容器1には到達しない。したがって、この装置では、支持プレート21から薬液容器1に至る垂直方向の経路の中に水平に延びる経路を配置しているので、水の進入を防止することができる。
【0035】
また、下部材42の下方に延びる壁部材423は、流出孔428の周囲を囲むような空間を形成しており、この空間によって流出孔428を覆う空気の壁が形成される。したがって、この空間によっても、流出孔428へ流水が進入するのを防止することができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る薬液供給装置の第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。図9は、水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置される本実施形態の薬液供給装置の正面図(a)及び側面図(b)であり、図10は薬液供給装置の分解図である。上述した第1実施形態が便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であるのに対し、本実施形態の装置は、水洗トイレの貯水タンク上に配置されるタイプの装置である。
【0037】
図9及び図10に示すように、この薬液供給装置は、貯水タンクの手洗い部Zに設置されるものであり、手洗い部Zの排出口Hを塞ぐように配置される。その際、排出口Hには、装置の下面から延びる2本の長脚250が挿入される。そして、この装置は、芳香洗浄剤等の薬液を収容する薬液容器100と、この薬液容器100を支持するカップ状の装置本体(支持体)200と、を備えている。装置本体200の内部には、薬液容器100から流れ出た薬液を装置本体200の底面へと供給する薬液排出機構が配置されており、この薬液供給機構は、図10に示すようなカバー部材300と、装置本体200内部に形成された後述する下部材2000とで構成されている。また、装置本体200の下面には、薬液排出機構から流れ出た薬液を装置の下方へ案内する板状の案内部材500が設けられている。以下、各部材について詳細に説明する。
【0038】
図11は 薬液容器100の縦断正面図である。同図に示すように、薬液容器100は、ドーム型に形成され、薬液が収納される1対の薬液収納部110を備えている。両薬液収納部110は、隣接して配置され、その下端には、薬液を排出するための排出口120がそれぞれ形成されている。また、各薬液収納部110は、一部又は全体が透明又は半透明の材料で構成され、外部から芳香洗浄剤などの薬液の残量が確認できるようになっている。排出口120は、製造後の流通及び保管時には図外のキャップで閉じられ、使用時に開封される。
【0039】
図12はカバー部材の平面図(a)及び正面断面図(b)である。同図に示すように、カバー部材300は、1対の円筒状部分310が板状の結合部320で結合されて平面視瓢箪形をなしている。各円筒状部分310は、その周縁に沿う側面を構成する内側壁330と、上面を構成する上壁340とを備えており、下部は開放されている。そして、上壁340には、薬液容器100から薬液が通過する筒状の供給部400が貫通している。円筒状部分310の上壁340は、供給部400の周囲を囲む下段壁3410と、1対の円筒状部分310の外側において下段壁3410より高い位置にあり、平面視三日月状をなす上段壁3420とで構成されている。そして、上段壁3420には、カバー部材300の内部と連通する空気流通孔3430が複数個(この例で は4個)設けられている。このカバー部材300は、後述する装置本体200の下部材2000と組み合わされることで、両者の間には、薬液を保持する緩衝空間600が形成される。
【0040】
供給部400は、下段壁3410を貫いて上下に延びる連通管410を有しており、この連通管410の上端は開放するとともに、斜めに切り取られた鋭利な形状をしている。この鋭利な部分4110が薬液容器1のキャップを破断するように、排出口120に挿入される。一方、連通管410の内部底面4130には、下部材2000側へ延びる円筒状の固定管4120と、その近傍に配置された複数の薬液連通孔4140とが形成されている。そして、これら薬液連通孔4140と、上述した空気流通孔3430とは、緩衝空間600と連通している。
【0041】
図13は、装置本体の平面図(a)及び正面断面図(b)であり、図14は、装置本体とカバー部材とを分解して示す斜視図(a)、及びこれらを合体した状態で示す正面断面図(b)であり、図15は薬液排出機構の一部斜視図(a)及びそのB−B線断面図(b)ある。
【0042】
図13に示すように、装置本体200は、板状の基部210と、その周縁を囲むように形成された壁体220とを備えている。基部210上には、カバー部材300と連結される下部材2000が設けられている。この下部材2000は、カバー部材300の内側壁330外面に嵌合する瓢箪形の外側壁230を備えている。そして、外側壁230にカバー部材300を嵌め込むことにより、1対の円筒状部分310と基部210との間に上述した緩衝空間600が形成される(図14(b)参照)。なお、下部材2000は上記のように装置本体200と一体的に設けてもよいし、別個に形成して装置本体200に接着、ねじ止め等により結合して設けるようにしてもよい。なお、壁体220には、装置内部へ流入した水を外部へ排出するための流水孔240が複数形成されている。
【0043】
下部材2000についてさらに詳細に説明すると、図13に示すように、外側壁230の内側には、カバー部材300の固定管4120に嵌合する円筒状の案内柱420と、その周囲を囲むように設けられた円形の固定壁430とが、2箇所に設けられている。そして、案内柱420の外周面には、上下方向に延びる案内溝4210が形成されている。ここで、図15に示すように、案内柱420は固定管4120の内部に嵌っているため、固定管4120の内壁面と、案内溝4210とで薬液の通路(案内路)が形成される。また、案内柱420と固定壁430との隙間の底面と、固定管4120の下端部との間にも薬液が通過する空間、つまり延長路4270が形成される。より詳細に説明すると、この隙間の底面においては、案内溝4210の両側の各約90度が薬液の延長路4270を構成するとともに、案内溝4210とは反対側には、約180度に亘る半円形の流出孔4280が形成されている。そして、延長路4270を通過した薬液が流出孔4280から後述する案内部材500側へ流れ出るようになっている。
【0044】
案内部材500は、1対の流出孔4280に跨る幅を有した板状に形成されており、上端部が各流出孔4280の下端の開口縁部に当接し、下方へ延びている。案内部材500の表裏面の面状部分には、流出孔4280から導出される薬液を広げるために、上下方向に延びる多数の細溝510が形成されている(図9(a)参照)。
【0045】
また、装置本体200の底面には、案内部材500表裏面から間隔をおいて位置する2本の長脚250と、これら長脚250の周囲に配置された4本の短脚260とが下方へ延びるように設けられている。これらの脚250、260のうち、長脚250は、上述したように、手洗い部の排水口Hに挿入可能となっており、各短脚260は長脚250が排水口Hに挿入された状態で、装置本体200を手洗い部Z上にほぼ水平に支持する。また、案内部材500と長脚250との間には、装置本体200底面から遮蔽部材270が下方へ延びている。長脚250に対し案内部材500、遮蔽部材270は、これらの順に長さが短くなっており、長脚250は装置本体200を排水口に位置決めし、案内部材500は排水口Hに流下する水に接し、遮蔽部材270は流下する水が流出孔4280に達しないように、各々の長さが決められている。
【0046】
上記のように構成された薬液供給装置は、次のように使用される。まず、カバー部材300の内側壁330の外側に、装置本体体200の外側壁230を嵌合して緩衝空間600を形成した後、カバー部材300から上方へ延びる連通管410に薬液容器100の排出口120を嵌入することにより組み立てられる。
【0047】
続いて、薬液の流れについて説明する。薬液容器100から薬液排出機構へと流れ出た薬液のうち、一部は連通管410及び薬液連通孔4140を介して緩衝空間600内に流れ込む。一方、残りの薬液は、図15に示すように、案内溝4210を通過して下方へ流れた後、延長路4270及び流出孔4280を介して案内部材500に流れ出て、ここで保持される。そして、案内部材500上の薬液は、フラッシュ時に供給される流水に洗い流されて貯水タンクの中に流れ込む。なお、緩衝空間600の役割については、第1実施形態と同様であるので、省略する。
【0048】
以上のように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、薬液は、案内溝4210及び延長路4270を介して案内部材500上に流れ出るため、流水は、一旦水平に延びる延長路4270を通過した後、さらに垂直に延びる案内溝4210を通過しなければ、薬液容器100には到達しない。したがって、薬液容器内に水が進入するのを防止することができる。
【0049】
また、案内部材500は、下端部が手洗い部の排水口Hに挿入されるので、排出された薬液は、案内部材500に沿って排水口H内に案内される。手洗い部の排水口Hには、手洗い部の形態に関わらず、放水タップからの流水が流れ込むため、案内部材500上の薬液は流水によって確実に洗い流される。したがって、本実施形態に係る薬液供給装置は、例えば放水タップの位置、手洗い部の形態に依存することなく、種々のトイレで使用することができる。また、案内部材500上の薬液は、流水に洗い流されることにより、直接排水口Hに流入するため、例えば薬液に色素などの成分が含まれている場合であっても、この色素によって手洗い部が汚されるのを防止することができる。
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、案内部材を支持体の下方へ突出させ、直接排水構内へ案内しているが、手洗い部上に流れ出すように構成することもできる。以下、本発明の第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。図16は第3実施形態に係る薬液供給装置の正面図(a)及び側面図(b)、図17は図16の分解図、図18は案内部材の平面図(a)及び正面図(b)である。
【0050】
図16に示すように、この薬液供給装置は、芳香洗浄剤等の薬液を収納する薬液容器700と、この薬液容器700を支持し、手洗い部Z上に配置される支持体701とを備えている。支持体は、カップ状に形成され、その内部には、薬液容器700から排出された薬液を排出する薬液排出機構702と、薬液排出機構702を経た薬液を支持体701の外部へ案内する板状の案内部材703とが配置されている。支持体701の下面には、下方へ突出し、手洗い部Zの排水口Hに挿入される複数の脚部720が設けられている。また、支持体701の側面には、後述するように、案内部材703が突出する開口704のほか、水を流入させるための複数の開口705が形成されている。
【0051】
図17に示すように、薬液容器700はドーム状に形成され、下端部に薬液を排出する排出口706が形成されている。また、薬液排出機構702は、正面視U字型の箱状に形成された本体部707と、その上部に配置された連通管708とを備えている。連通管708は、先端が斜めに切り欠かれており、薬液容器の排出口706に差し込まれる。そして、この連通管708を介して薬液容器700内の薬液が本体部707の内部に流入する。本体部707の内部には、図15に示すものと同等の排出構造が配置されており、これを経た薬液が本体部707の下面に設けられた板状の案内部材703に排出される。なお、排出構造については、図15を参照して説明する。また、本体部707には、図14に示すものと同様の緩衝空間600が設けられており、第1実施形態と同様の役割を果たす。
【0052】
図18に示すように、案内部材703は、矩形状の基部709と、この基部709の両側縁(同図の上下辺)から下方へ傾斜する一対の案内板710とを備えている。基部709は、排出構造の流出孔4280と対向する近接した位置に配置されており、流出孔4280から流れ出した薬液を受けるものである。そして、基部709において流出孔4280が近接する部分及びその近傍には薬液が流通可能な複数の溝711が幅方向(同図の左右方向)に形成されており、これらの溝711のうち、中央に配置されたものが案内溝712を構成している。この案内溝712は基部709を横切って両案内板710の端部まで延びており、薬液を基部709から案内板710側へ導くようになっている。また、図16(b)に示すように、各案内板710の端部は、支持体701の底面から側面に亘って形成された開口704から突出している。
【0053】
上記のように構成された薬液供給装置は、次のように動作する。まず、薬液容器700から薬液が流出し、薬液供給機構を介して案内部材703上に流れ出す。案内部材703上では、一部が基部709上に保持されるとともに、案内溝712を伝って案内板710上に流れ出し、この上で保持される。そして、フラッシュ時に水が供給されると、この水が支持体701の開口704から突出した案内板710上の薬液に接触し、これを洗い流す。また、流水の一部は支持体701の開口705から内部に流れ込み、案内部材703の基部709上にある薬液も洗い流す。こうして薬液は、流水とともに、手洗い部Z上に流れ出し、排水口Hから貯水タンクの中に流れ込む。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、薬液は、図15に示す案内溝4210及び延長路4270を介して案内部材703上に流れ出るため、流水は、一旦水平に延びる延長路4270を通過した後、さらに垂直に延びる案内溝4210を通過しなければ、薬液容器700には到達しない。したがって、薬液容器700内に水が進入するのを防止することができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0056】
例えば、案内溝426,4210の位置は特には限定されず、連通管424、案内柱420の外周面のいずれの位置に形成されていてもよい。また、延長路427,4270は、上記実施形態のように、円弧を描くように形成されているが、下方に向かう案内溝426,4210から略水平方向に延びていればその形状と特には限定されず、直線状であってもよい。また、その数も1つまたは3つ以上設けることもできる。さらに、上記実施形態では、2つの延長路427,4270が1つの流出孔428,4280で合流するように形成されているが、複数の流出孔を設けてもよい。また、案内溝426,4210についても、複数設けることもでき、また上記各実施形態では、溝を利用して案内路を形成しているが、管部材を用いてもよい。
【0057】
また、第2実施形態においては、一対の案内溝4210が形成されるように、供給部400を2つ形成しているが、1つだけ設けてもよい。また、案内部材500のような形態に限定されるものではなく、薬液を保持できるのであれば、その形態は、平板状以外でもよく、また案内部材500を垂直でなく、水平またはその他の角度で配置することもできる。
【0058】
また、第3実施形態に示したように、案内部材703の構成は、特には限定されず、斜め下方のほか、側方に延ばすこともできる。また、案内部材703は、板状だけではなく、薬液を受けることができる形状であれば、特には限定されず、棒状、ブロック状など種々の形態にすることができる。また、支持体701も必ずしも必要ではなく、何らかの構成で薬液容器700、薬液排出機構702、及び案内部材703を支持できれば、形状は特には限定されない。この点は、第1及び第2実施形態についても同様である。
【0059】
また、薬液容器、薬液排出機構の構成は、上述したような、案内路、延長路、及び流出孔が形成されていればよく、その他の構成は、特には限定されない。また、第1実施形態の支持プレート21は、必ずしもプレート状に形成していなくてもよく、薬液を受ける面が形成されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る薬液供給装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】図2のA−A線における図1の断面図である。
【図4】図1の平面図である。
【図5】図1の分解斜視図である。
【図6】下部材の斜視図、平面図、正面図及び底面図である。
【図7】下部材の一部斜視図、及びそのB−B線断面図である。
【図8】図1の薬液供給装置の使用状態を示す側面図である。
【図9】水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置される第2実施形態の薬液供給装置の正面図(a)及び側面図(b)である。
【図10】図9の薬液供給装置の分解図である。
【図11】図9の薬液容器100の縦断正面図である。
【図12】図10に示すカバー部材の平面図(a)及び正面断面図(b)である。
【図13】図9の装置本体の平面図(a)及び正面断面図(b)である。
【図14】装置本体とカバー部材とを分解して示す斜視図(a)、及びこれらを合体した状態で示す正面断面図(b)である。
【図15】薬液排出機構の一部斜視図(a)及びそのB−B線断面図(b)ある。
【図16】第3実施形態に係る薬液供給装置の正面図(a)及び側面図(b)である。
【図17】図16の分解図である。
【図18】案内部材の平面図(a)及び正面図(b)である。
【符号の説明】
【0061】
1、100 薬液容器
21 支持プレート
3 吊掛部材
4 薬液排出機構
426、4210 案内溝(案内路)
427、4270 延長路
428、4280 流出孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器のリムに取り付けられ、便器を洗浄する薬液を供給したり、或いは、水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置され、当該手洗い部に供給される水とともに貯水タンク内に薬液を供給する薬液供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
便器を洗浄したり、芳香効果を得るための薬液供給装置は、取付対象となる便器のタイプによって種々のものが提案されている。例えば、貯水タンクを有するタイプに対しては、タンク上部の手洗い部に配置される薬液供給装置が提案されており、この装置は、手洗い部に供給される水とともに、貯水タンク内に薬液を供給するように構成されている。
【0003】
一方、タンク上部に手洗い部がないものや、貯水タンク自体を設けないタイプの便器も販売されており、これに対しては、便器のリムに直接取り付ける薬液供給装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載の薬液供給装置は、便器のリムに吊り掛けられるように薬液容器を設け、その下方に薬液を受けるプレートを取り付けている。そして、薬液容器から排出孔を介してプレート上に供給される薬液を、流水によってさらうことで、便器の内壁面に薬液を供給している。これによって、便器が洗浄されるとともに、薬液に含まれる芳香剤により、芳香効果も得ることができる。
【特許文献1】特表2003−517124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記薬液供給装置は、薬液容器から排出された薬液が排出孔を介して直接プレート上へ流れ落ちるように構成されている。そのため、プレート上へ流れ込んだ流水の勢いが強い場合には、プレート上の薬液をさらうのみならず、排出孔に流入することがある。こうして排出孔に流入した流水は、薬液容器内へ流れ込むおそれがあり、これによって容器内の薬液が薄まるという問題が生じる。その結果、洗浄剤または芳香剤としての薬液の効果が低下するおそれがある。
【0005】
このような問題は、便器のリムに取り付けられるタイプのみならず、貯水タンク上部の手洗い部に配置されるタイプの薬液供給装置においても起こりうる問題である。すなわち、このタイプの装置では、手洗い部に供給される水が装置内に流入し、この流水が装置内の薬液をさらって外部へと流れ出た後、貯水タンク内へ供給される。したがって、装置内に入る流水が薬液容器内へと流れ込むおそれがあるため、上述したような問題が起こり得る。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、流水が薬液容器内に流れ込むのを防止することができる薬液供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、水洗トイレにおける便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であって、上記問題を解決するためになされたものであり、薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、前記薬液排出機構から排出された薬液を、便器内を流れる流水と接触可能に支持する支持部材と、前記薬液容器、薬剤排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、前記薬液排出機構は、薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、この案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、前記延長路と連通し、薬液を前記支持部材側へ排出する流出孔と、を備えている。
【0008】
第2の本発明は、水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置され、当該手洗い部に供給される水とともに前記貯水タンク内に薬液を供給する薬液供給装置であって、上記問題を解決するためになされたものであり、薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、前記薬液容器を支持し、前記手洗い部上に配置される支持体と、前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、前記薬液排出機構から排出された薬液を前記支持体の下方へ案内する案内部材と、を備え、前記薬液排出機構は、薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、前記案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、前記延長路と連通し、薬液を前記支持体側へ排出する流出孔と、を備えている。
【0009】
また、第3の本発明は、水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置され、当該手洗い部に供給される水とともに前記貯水タンク内に薬液を供給する薬液供給装置であって、上記問題を解決するためになされたものであり、 薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、前記薬液排出機構から排出された薬液を案内する案内部材と、を備え、前記薬液排出機構は、薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、前記案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、前記延長路と連通し、薬液を排出する流出孔と、を備えている。
【0010】
上記第1から第3の発明によれば、薬液容器から流出孔に至る薬液の経路に、下方へ延びる案内路及び略水平に延びる延長路を設けている。そのため、フラッシュ時に、薬液供給装置内に入り、流出孔に流れ込んだ流水は、水平に延びる延長路を通過し、さらに上方に延びる案内路を経なければ、薬液容器には到達しない。したがって、装置内に入った流水における薬液容器へ至る上向きの経路の中に、水平に延びる経路を配置しているので、水が進入しにくくなり、その結果、薬液容器内への流水の進入を確実に防止することができる。
【0011】
上述した延長路は、種々の構成にすることができる。例えば、1つの延長路で構成してもよいし、2つ以上の延長路を設け、流出孔で合流させることもできる。2以上の延長路を設ける場合には、例えば、案内路を挟む両側へ円弧状に延ばし、それぞれの中心角が60度以上となるように構成することができ、90度以上にするとさらに好ましい。こうすることで、案内路から流出孔へ至る経路を長くまた複雑にすることができ、水の進入をさらに確実に防止することができる。また、案内路は下方へ延びるように構成されるが、必ずしも鉛直方向に延びていなくてもよく、斜め方向に下方に延びていてもよい。また、延長路に関しても、必ずしも正確な水平方向に延びていなくてもよく、案内路への水の進入を防止する役割を果たせる限度において、水平方向から多少ずれていてもよい。
【0012】
ところで、延長路については、次の点を検討することが好ましい。例えば、延長路の断面積が一定であるとして、容積が小さすぎると、延長路を逆流する流水の浸入を防止できないおそれがある。一方、容積が大きすぎると、本発明の薬液排出機構では、案内路を通過する薬液は下向きに流れるため、自重の作用で薬液は延長路を流されるが、例えば、薬液の粘度が極端に大きい場合などに、延長路を薬液が通って、流出孔へ流れるのが遅くなり過ぎたり、流れなくなったりするおそれがある。
【0013】
また、例えば、延長路の容積が一定であるとして、断面積が大きすぎると、延長路を逆流する流水の浸入を防止できないおそれがある。一方、断面積が小さ過ぎると、本機構では、案内路を通過する薬液は下向きに流れるため、自重の作用で薬液は延長路を流されるが、例えば、薬液の粘度が極端に大きい場合などに、延長路を薬液が通って、流出孔へ流れるのが遅くなり過ぎたり、流れなくなったりするおそれがある。
【0014】
以上のような観点から、各延長路の容積は、0.05〜0.3mm3であることが好ましく、0.07〜0.15mm3であることがさらに好ましい。また、各延長路の断面積は、0.02〜0.1mm2であることが好ましく、0.03〜0.05mm2であることがさらに好ましい。そして、延長路の容積と断面積がともに上記範囲内であることが特に好ましい。
【0015】
また、上記第1から第3の発明においては、流出孔の周囲を囲む壁部材を設けることができる。このような壁部材を設けると、壁部材で囲まれた領域に空気の壁を形成することができ、これによって流水が流出孔に流入するのを防止することができる。このような壁部材は、例えば、流出孔の周囲から下方や斜め下方に延びるように構成することができる。また、流出孔の下方にある部材、例えば、液体を受ける支持部材から上方に向けて壁部材を形成し、これによって流出孔の周囲を囲んでもよい。或いは、流出孔の周囲から下方に延ばした壁部材と、下方から上方へ延びる壁部材とを連結することで、流出孔の周囲を囲むこともできる。
【0016】
特に、第1の発明においては、薬液排出機構に、流出孔の周囲を囲み、支持部材側へ突出する壁部材を設けることもできる。
【0017】
上記第3の発明においては、案内部材を種々の構成にすることができる。例えば、案内部材を薬液排出機構の下方へ向けて突出させ、手洗い部の排出口に挿入するようにしたり、或いは、側方、斜め下方などへ延ばすこともできる。こうすることで、薬液排出機構から排出された薬液を広い範囲に拡げることができ、フラッシュ時により流水に接触させやすくすることができる。このように、案内部材は、流水に接触しやすい位置に延ばすことが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る薬液供給装置によれば、流水が薬液容器内に流れ込むのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る薬液供給装置の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る薬液供給装置の斜視図、図2は図1の断面図、図3は図2のA−A線における図1の断面図、図4は図1の平面図、図5は図1の分解斜視図である。
【0020】
この薬液供給装置は、便器のリムに吊り掛けて使用されるものであり、図1〜図5に示すように、薬液が収容された薬液容器1と、これを下方から支持する装置本体2と、装置をリムに吊り掛けるための吊掛部材3とを有している。また、装置本体2の内部には、薬液容器1から流れ出た薬液を装置本体2の底面へと供給する薬液排出機構4が配置されている。以下、上述した各部材をさらに詳細に説明する。
【0021】
図5に示すように、薬液容器1は、透明のドーム状に形成され、下面に排出口11を有している。そして、この排出口11には、キャップ13が取り付けられている。このキャップ13は、環状の本体部131と、その中央の穴を塞ぐ薄膜部132とで構成されており、使用に際しては、薄膜部132を破断させて薬液を排出させる。
【0022】
図4及び図5に示すように、装置本体2は、底面を構成する支持プレート(支持部材)21と、その周囲を囲む壁体22とを有している。支持プレート21は、平面視略矩形状の基部211と、その一辺に揺動自在に連結された可動部212とで構成されており、可動部212が設けられている辺以外の3辺に、上述した壁体22がコ字状に設けられている。したがって、装置本体2は、一辺の壁が切り欠かれて開放するカップ状に形成されており、この開放部分23から基部211の一部及び可動部212が突出するように構成されている。そして、後述するように、この開放部分23から装置本体2内に流水が流れ込むようになっている。
【0023】
また、基部211の中央には、上方へ延びる支柱24が取り付けられており、この支柱24と後述するカバー部材411との間の空間に、吊掛部材3が上下動可能に取り付けられている。吊掛部材3は、弾性変形可能に2箇所で折り曲げられた帯状に形成されており、初期状態では、図1のように折り畳まれている。また、吊掛部材3は、上下動可能に構成されているため、装置とリムとが干渉しないように、リムに対する薬液容器1及び装置本体2の高さを調整することができる。
【0024】
次に、支持プレート21についてさらに詳細に説明する。図2に示すように、本実施形態の支持プレート21においては、基部211と可動部212とが樹脂などで一体的に形成されており、基部211が可動部212側に向かって約6度で下方に傾斜している。これにより、後述するように、排出された薬液がリム側へ流れやすいようにしている。基部211の傾斜角度αは、これ以外に設定することも可能であり、例えば、0〜45度にすることができ、3〜30度であることが好ましい。
【0025】
そして、支持プレート21の裏面には、基部211と可動部212との境界線に沿って溝213が形成されている。したがって、この溝213によって基部211と可動部212との境界が薄膜状になるため、可動部212が基部211に対して揺動可能となっている。また、溝213は支持プレート21の裏面に形成されているため、可動部212を下方に傾斜させようとすると、溝213において対向する側壁面同士が当接し、これによって下方への傾斜が規制される(図2(a))。一方、上方への傾斜も可能であり、力を付与すれば、可動部212を上方へ揺動させることができる。但し、上方への傾斜も次のように規制されている。図1及び図2に示すように、基部211の両側には、略矩形状の側板214が取り付けられており、この側板214において、可動部212側を向く垂直に延びる端面が、可動部212と当接可能となっている。すなわち、可動部212を、傾斜角βが90度以上に傾斜させようとすると、側板214の端面と可動部212とが接触し、可動部212がそれ以上傾斜しないようになっている(図2(b))。なお、初期状態では、可動部212は基部211に対して、約30°の傾斜角度βで上方に傾斜しており、この状態から境界部分の弾性変形によって、基部211に対し約0〜90°程度の範囲で傾斜が可能となっている。以上のように構成された装置本体2には、基部211の周縁、壁体22に複数の流水孔25が形成されており、開放部分23から流入した流水がこれら流水孔25を介して、装置本体2から排出されるようになっている(図1及び図5参照)。
【0026】
続いて、薬液排出機構4について説明する。図2〜図5に示すように、薬液排出機構4は、薬液容器1と支持プレート21との間に配置されており、上側に配置される上部材41と、下側に配置される下部材42とで構成されている。上部材41は、平面視楕円型の筒状に形成されており、下方が開放している。一方、下部材42は、平面視楕円状の板状部421と、その周囲に上下方向に延びるように形成された低い壁部材423とで構成されており、上部材41の下部開口を塞ぐように配置される。そして、上部材41と下部材42とが組み合わされることで、両者の間には、薬液を保持する緩衝空間43が形成される。以下、上部材41及び下部材42についてさらに詳細に説明する。
【0027】
図2及び図5に示すように、上部材41の側面には、上方に延びるレール状のカバー部材411が取り付けられており、このカバー部材411は、上述した通り、支柱24に当接し、吊掛部材3を収容する空間を形成する。また、上部材41の上面中央部には、先端が斜めに切りかかれて鋭利な円筒状の連通管412が設けられるとともに、上面の端部には合計4つの空気流通孔413が形成されている。連通管412は、上述した薬液容器1のキャップ13に突き刺され、薄膜部132を破断させる役割を果たす。また、連通管412の周縁には、環状の溝417が形成されており、この溝417にキャップ13の本体部131が嵌るようになっている。一方、図2に示すように、連通管412の内部底面には、下部材42側へ延びる円筒状の固定管414と、その近傍に配置された複数の薬液連通孔415とが形成されている。そして、これら薬液連通孔415と、上述した空気流通孔413とは、緩衝空間43と連通している。
【0028】
続いて、下部材42について図6及び図7も合わせて説明する。図6は下部材の下面からの見た斜視図(a)、平面図(b)、正面図(c)、及び底面図(d)、図7は下部材の一部斜視図(a)及びそのB−B線断面図(b)ある。まず、図5に示すように、下部材42の中央には、上部材41の固定管414に嵌合する円筒状の案内管424と、その周囲を囲むように設けられた円形の固定壁425とが設けられている。そして、案内管424と固定壁425との間の隙間には、上述した固定管414が嵌るようになっている。案内管424の上部開口は、斜めに切り取られた形状となっており、その開口の低い側から案内管424の外周面に沿って上下方向に延びる案内溝426が形成されている。ここで、図6及び図7に示すように、案内管424は固定管414の内部に嵌っているため、固定管414の内壁面と、案内溝426とで薬液の通路(案内路)が形成される。また、案内管424と固定壁425との隙間の底面と、固定管414の下端部との隙間にも薬液が通過する空間、つまり延長路427が形成される。より詳細に説明すると、上記隙間の底面においては、案内溝426の両側の各約90度が薬液の延長路427を構成するとともに、案内溝426とは反対側には、約180度に亘る半円形の流出孔428が形成されている。そして、延長路427を通過した薬液が流出孔428から支持プレート21側へ流れ出るようになっている。なお、各延長路427の容積は、0.05〜0.3mm3であることが好ましく、0.07〜0.15mm3であることがさらに好ましい。また、延長路427の断面積は、0.02〜0.1mm2であることが好ましく、0.03〜0.05mm2であることがさらに好ましい。
【0029】
図6に示すように、下部材42における壁部材423の下端の両端には、一対の脚部429が取り付けられており、この脚部429によって下部材42の下面と、支持プレート21との間に空間が形成される。この空間が後述するように、薬液及び流水の通路となる。また、下部材42の下面には、上述した流出孔428の両端を結ぶ突片431と、この突片431の両端から延びる一対の突条部432とが形成されている。そして、各突条部432は、互いに離間するように、可動部212側へ斜め方向に延びるとともに、図6(c)に示すように、先端にいくにしたがって、下部材42下面からの突出高さが大きくなっている。すなわち、図2に示すように、各突条部432は、先端にいくにしたがって、支持プレート21との隙間が小さくなっていき、最も先端では、支持プレート21と接触している。
【0030】
次に、上記のように構成された薬液供給装置の使用方法について図8も参照しつつ説明する。図8は薬液供給装置の取り付け状態を示す側面図である。まず、薬液容器1を上部材41上に配置する。これにより、薬液容器1のキャップ13に連通管412が突き刺さり、薬液容器1が固定される。続いて、この装置を便器のリムに取り付ける際には、吊掛部材3を、支柱24から引き出して高さを調整しつつ、図1の状態からコ字状に押し広げる。そして、図8(a)に示すように、リムRを挟むように配置する。このとき、可動部212は、便器の内壁面に当接するのであるが、基部211に対して揺動可能となっているため、基部211と便器内壁面Sとの距離に応じて、傾斜する。すなわち、図8(a)に示すように基部211と便器内壁面Sとの距離が小さい場合、可動部212は、便器内壁面Sに押しつけられながら、大きく傾斜し、便器内壁面Sとの隙間を埋める。一方、距離が大きい場合には、図8(b)に示すように、傾斜角βは小さくなるが、いずれの場合でも、基部211と便器内壁面Sとの隙間は埋められる。その結果、基部211に流れ出た薬液を効率よくさらって、便器へ流すことができるため、便器の形状にかかわらず、優れた洗浄効果を得ることができる。
【0031】
続いて、薬液の流れについて説明する。連通管412によりキャップ13の薄膜部132が破断されると、薬液は、薬液容器1から薬液排出機構4へと流れ出て、一部は連通管412及び薬液連通孔415を介して緩衝空間43内に流れ込む。一方、残りの薬液は、図6及び図7に示すように、案内溝426を通過して下方へ流れた後、延長路427及び流出孔428を介して下部材42の下面側に流れ出る。そして、この薬液は、突片431及び突条部432を伝って、可動部212側へ移動し、支持プレート21と突条部432との接触部分において、支持プレート21上へ移る。支持プレート21の基部211は、やや下方に傾斜しているので、薬液は下方へ流れ、可動部212との境界部分に蓄積される。このとき、薬液に含まれる芳香剤が揮散し、芳香効果が得られる。
【0032】
ここで、上述した緩衝空間43の機能について説明する。この緩衝空間43は、温度変化によって薬液容器1内に圧力変化が生じた場合の緩衝作用をなす。例えば、温度が上昇して薬液容器1が暖められた場合には、容器1内の空気が膨張し容器1内部は正圧になる。この場合、薬液容器1内の薬液は押し出されて排出されるが、この薬液は案内溝426のほか、薬液連通孔415を介して緩衝空間43内にも流れ込むため、薬液が案内溝426から過剰に流出されるのが防止される。一方、流水によって冷やされるなどして薬液容器1の温度が低下し、薬液容器1内の空気が収縮して負圧になると、薬液は、空気流通孔413を介して空気の圧力が作用している緩衝空間43から薬液連通孔415を介して薬液容器1内に吸い込まれる。その結果、装置本体側に流入してきた水の薬液容器への吸い上げや薬液の排出が制限されるのを防止することができる。このように、緩衝空間43は、温度変化によって薬液容器1内に圧力変化が生じた場合であっても、ほとんどの薬液が薬液容器1と緩衝空間43との間で流通するため、容器1内の薬液が過剰に流出したり、或いは流出が制限されるのを防止することができる。
【0033】
上記のように装置が設置された後、便器内に水が流されると、流された水は、図8に示すように、リムRの内側から便器内壁面Sを伝い、可動部212によって基部211側へ案内される(矢印X)。そして、基部211と可動部212との境界部分に貯まった薬液をさらいつつ、流水孔25から外部へ流れ出したり、或いは、装置内で壁体22などにぶつかりながら跳ね返り、開放部分23から装置の外部へ流れ出す。こうして、薬液は流水とともに、便器内壁面Sに供給され、便器の清浄が行われる。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、装置内に流入した流水が、薬液容器1内に流入するのを以下のように防止している。すなわち、本実施形態に係る装置では、薬液は、案内溝426及び延長路427を介して支持プレート21上に流れ出る。特に、延長路427は水平に延びているため、突片431及び突条部432を介して上方に流れた水は、一旦水平に延びる延長路427を通過した後、さらに垂直に延びる案内溝426を通過しなければ、薬液容器1には到達しない。したがって、この装置では、支持プレート21から薬液容器1に至る垂直方向の経路の中に水平に延びる経路を配置しているので、水の進入を防止することができる。
【0035】
また、下部材42の下方に延びる壁部材423は、流出孔428の周囲を囲むような空間を形成しており、この空間によって流出孔428を覆う空気の壁が形成される。したがって、この空間によっても、流出孔428へ流水が進入するのを防止することができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る薬液供給装置の第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。図9は、水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置される本実施形態の薬液供給装置の正面図(a)及び側面図(b)であり、図10は薬液供給装置の分解図である。上述した第1実施形態が便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であるのに対し、本実施形態の装置は、水洗トイレの貯水タンク上に配置されるタイプの装置である。
【0037】
図9及び図10に示すように、この薬液供給装置は、貯水タンクの手洗い部Zに設置されるものであり、手洗い部Zの排出口Hを塞ぐように配置される。その際、排出口Hには、装置の下面から延びる2本の長脚250が挿入される。そして、この装置は、芳香洗浄剤等の薬液を収容する薬液容器100と、この薬液容器100を支持するカップ状の装置本体(支持体)200と、を備えている。装置本体200の内部には、薬液容器100から流れ出た薬液を装置本体200の底面へと供給する薬液排出機構が配置されており、この薬液供給機構は、図10に示すようなカバー部材300と、装置本体200内部に形成された後述する下部材2000とで構成されている。また、装置本体200の下面には、薬液排出機構から流れ出た薬液を装置の下方へ案内する板状の案内部材500が設けられている。以下、各部材について詳細に説明する。
【0038】
図11は 薬液容器100の縦断正面図である。同図に示すように、薬液容器100は、ドーム型に形成され、薬液が収納される1対の薬液収納部110を備えている。両薬液収納部110は、隣接して配置され、その下端には、薬液を排出するための排出口120がそれぞれ形成されている。また、各薬液収納部110は、一部又は全体が透明又は半透明の材料で構成され、外部から芳香洗浄剤などの薬液の残量が確認できるようになっている。排出口120は、製造後の流通及び保管時には図外のキャップで閉じられ、使用時に開封される。
【0039】
図12はカバー部材の平面図(a)及び正面断面図(b)である。同図に示すように、カバー部材300は、1対の円筒状部分310が板状の結合部320で結合されて平面視瓢箪形をなしている。各円筒状部分310は、その周縁に沿う側面を構成する内側壁330と、上面を構成する上壁340とを備えており、下部は開放されている。そして、上壁340には、薬液容器100から薬液が通過する筒状の供給部400が貫通している。円筒状部分310の上壁340は、供給部400の周囲を囲む下段壁3410と、1対の円筒状部分310の外側において下段壁3410より高い位置にあり、平面視三日月状をなす上段壁3420とで構成されている。そして、上段壁3420には、カバー部材300の内部と連通する空気流通孔3430が複数個(この例で は4個)設けられている。このカバー部材300は、後述する装置本体200の下部材2000と組み合わされることで、両者の間には、薬液を保持する緩衝空間600が形成される。
【0040】
供給部400は、下段壁3410を貫いて上下に延びる連通管410を有しており、この連通管410の上端は開放するとともに、斜めに切り取られた鋭利な形状をしている。この鋭利な部分4110が薬液容器1のキャップを破断するように、排出口120に挿入される。一方、連通管410の内部底面4130には、下部材2000側へ延びる円筒状の固定管4120と、その近傍に配置された複数の薬液連通孔4140とが形成されている。そして、これら薬液連通孔4140と、上述した空気流通孔3430とは、緩衝空間600と連通している。
【0041】
図13は、装置本体の平面図(a)及び正面断面図(b)であり、図14は、装置本体とカバー部材とを分解して示す斜視図(a)、及びこれらを合体した状態で示す正面断面図(b)であり、図15は薬液排出機構の一部斜視図(a)及びそのB−B線断面図(b)ある。
【0042】
図13に示すように、装置本体200は、板状の基部210と、その周縁を囲むように形成された壁体220とを備えている。基部210上には、カバー部材300と連結される下部材2000が設けられている。この下部材2000は、カバー部材300の内側壁330外面に嵌合する瓢箪形の外側壁230を備えている。そして、外側壁230にカバー部材300を嵌め込むことにより、1対の円筒状部分310と基部210との間に上述した緩衝空間600が形成される(図14(b)参照)。なお、下部材2000は上記のように装置本体200と一体的に設けてもよいし、別個に形成して装置本体200に接着、ねじ止め等により結合して設けるようにしてもよい。なお、壁体220には、装置内部へ流入した水を外部へ排出するための流水孔240が複数形成されている。
【0043】
下部材2000についてさらに詳細に説明すると、図13に示すように、外側壁230の内側には、カバー部材300の固定管4120に嵌合する円筒状の案内柱420と、その周囲を囲むように設けられた円形の固定壁430とが、2箇所に設けられている。そして、案内柱420の外周面には、上下方向に延びる案内溝4210が形成されている。ここで、図15に示すように、案内柱420は固定管4120の内部に嵌っているため、固定管4120の内壁面と、案内溝4210とで薬液の通路(案内路)が形成される。また、案内柱420と固定壁430との隙間の底面と、固定管4120の下端部との間にも薬液が通過する空間、つまり延長路4270が形成される。より詳細に説明すると、この隙間の底面においては、案内溝4210の両側の各約90度が薬液の延長路4270を構成するとともに、案内溝4210とは反対側には、約180度に亘る半円形の流出孔4280が形成されている。そして、延長路4270を通過した薬液が流出孔4280から後述する案内部材500側へ流れ出るようになっている。
【0044】
案内部材500は、1対の流出孔4280に跨る幅を有した板状に形成されており、上端部が各流出孔4280の下端の開口縁部に当接し、下方へ延びている。案内部材500の表裏面の面状部分には、流出孔4280から導出される薬液を広げるために、上下方向に延びる多数の細溝510が形成されている(図9(a)参照)。
【0045】
また、装置本体200の底面には、案内部材500表裏面から間隔をおいて位置する2本の長脚250と、これら長脚250の周囲に配置された4本の短脚260とが下方へ延びるように設けられている。これらの脚250、260のうち、長脚250は、上述したように、手洗い部の排水口Hに挿入可能となっており、各短脚260は長脚250が排水口Hに挿入された状態で、装置本体200を手洗い部Z上にほぼ水平に支持する。また、案内部材500と長脚250との間には、装置本体200底面から遮蔽部材270が下方へ延びている。長脚250に対し案内部材500、遮蔽部材270は、これらの順に長さが短くなっており、長脚250は装置本体200を排水口に位置決めし、案内部材500は排水口Hに流下する水に接し、遮蔽部材270は流下する水が流出孔4280に達しないように、各々の長さが決められている。
【0046】
上記のように構成された薬液供給装置は、次のように使用される。まず、カバー部材300の内側壁330の外側に、装置本体体200の外側壁230を嵌合して緩衝空間600を形成した後、カバー部材300から上方へ延びる連通管410に薬液容器100の排出口120を嵌入することにより組み立てられる。
【0047】
続いて、薬液の流れについて説明する。薬液容器100から薬液排出機構へと流れ出た薬液のうち、一部は連通管410及び薬液連通孔4140を介して緩衝空間600内に流れ込む。一方、残りの薬液は、図15に示すように、案内溝4210を通過して下方へ流れた後、延長路4270及び流出孔4280を介して案内部材500に流れ出て、ここで保持される。そして、案内部材500上の薬液は、フラッシュ時に供給される流水に洗い流されて貯水タンクの中に流れ込む。なお、緩衝空間600の役割については、第1実施形態と同様であるので、省略する。
【0048】
以上のように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、薬液は、案内溝4210及び延長路4270を介して案内部材500上に流れ出るため、流水は、一旦水平に延びる延長路4270を通過した後、さらに垂直に延びる案内溝4210を通過しなければ、薬液容器100には到達しない。したがって、薬液容器内に水が進入するのを防止することができる。
【0049】
また、案内部材500は、下端部が手洗い部の排水口Hに挿入されるので、排出された薬液は、案内部材500に沿って排水口H内に案内される。手洗い部の排水口Hには、手洗い部の形態に関わらず、放水タップからの流水が流れ込むため、案内部材500上の薬液は流水によって確実に洗い流される。したがって、本実施形態に係る薬液供給装置は、例えば放水タップの位置、手洗い部の形態に依存することなく、種々のトイレで使用することができる。また、案内部材500上の薬液は、流水に洗い流されることにより、直接排水口Hに流入するため、例えば薬液に色素などの成分が含まれている場合であっても、この色素によって手洗い部が汚されるのを防止することができる。
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、案内部材を支持体の下方へ突出させ、直接排水構内へ案内しているが、手洗い部上に流れ出すように構成することもできる。以下、本発明の第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。図16は第3実施形態に係る薬液供給装置の正面図(a)及び側面図(b)、図17は図16の分解図、図18は案内部材の平面図(a)及び正面図(b)である。
【0050】
図16に示すように、この薬液供給装置は、芳香洗浄剤等の薬液を収納する薬液容器700と、この薬液容器700を支持し、手洗い部Z上に配置される支持体701とを備えている。支持体は、カップ状に形成され、その内部には、薬液容器700から排出された薬液を排出する薬液排出機構702と、薬液排出機構702を経た薬液を支持体701の外部へ案内する板状の案内部材703とが配置されている。支持体701の下面には、下方へ突出し、手洗い部Zの排水口Hに挿入される複数の脚部720が設けられている。また、支持体701の側面には、後述するように、案内部材703が突出する開口704のほか、水を流入させるための複数の開口705が形成されている。
【0051】
図17に示すように、薬液容器700はドーム状に形成され、下端部に薬液を排出する排出口706が形成されている。また、薬液排出機構702は、正面視U字型の箱状に形成された本体部707と、その上部に配置された連通管708とを備えている。連通管708は、先端が斜めに切り欠かれており、薬液容器の排出口706に差し込まれる。そして、この連通管708を介して薬液容器700内の薬液が本体部707の内部に流入する。本体部707の内部には、図15に示すものと同等の排出構造が配置されており、これを経た薬液が本体部707の下面に設けられた板状の案内部材703に排出される。なお、排出構造については、図15を参照して説明する。また、本体部707には、図14に示すものと同様の緩衝空間600が設けられており、第1実施形態と同様の役割を果たす。
【0052】
図18に示すように、案内部材703は、矩形状の基部709と、この基部709の両側縁(同図の上下辺)から下方へ傾斜する一対の案内板710とを備えている。基部709は、排出構造の流出孔4280と対向する近接した位置に配置されており、流出孔4280から流れ出した薬液を受けるものである。そして、基部709において流出孔4280が近接する部分及びその近傍には薬液が流通可能な複数の溝711が幅方向(同図の左右方向)に形成されており、これらの溝711のうち、中央に配置されたものが案内溝712を構成している。この案内溝712は基部709を横切って両案内板710の端部まで延びており、薬液を基部709から案内板710側へ導くようになっている。また、図16(b)に示すように、各案内板710の端部は、支持体701の底面から側面に亘って形成された開口704から突出している。
【0053】
上記のように構成された薬液供給装置は、次のように動作する。まず、薬液容器700から薬液が流出し、薬液供給機構を介して案内部材703上に流れ出す。案内部材703上では、一部が基部709上に保持されるとともに、案内溝712を伝って案内板710上に流れ出し、この上で保持される。そして、フラッシュ時に水が供給されると、この水が支持体701の開口704から突出した案内板710上の薬液に接触し、これを洗い流す。また、流水の一部は支持体701の開口705から内部に流れ込み、案内部材703の基部709上にある薬液も洗い流す。こうして薬液は、流水とともに、手洗い部Z上に流れ出し、排水口Hから貯水タンクの中に流れ込む。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、薬液は、図15に示す案内溝4210及び延長路4270を介して案内部材703上に流れ出るため、流水は、一旦水平に延びる延長路4270を通過した後、さらに垂直に延びる案内溝4210を通過しなければ、薬液容器700には到達しない。したがって、薬液容器700内に水が進入するのを防止することができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0056】
例えば、案内溝426,4210の位置は特には限定されず、連通管424、案内柱420の外周面のいずれの位置に形成されていてもよい。また、延長路427,4270は、上記実施形態のように、円弧を描くように形成されているが、下方に向かう案内溝426,4210から略水平方向に延びていればその形状と特には限定されず、直線状であってもよい。また、その数も1つまたは3つ以上設けることもできる。さらに、上記実施形態では、2つの延長路427,4270が1つの流出孔428,4280で合流するように形成されているが、複数の流出孔を設けてもよい。また、案内溝426,4210についても、複数設けることもでき、また上記各実施形態では、溝を利用して案内路を形成しているが、管部材を用いてもよい。
【0057】
また、第2実施形態においては、一対の案内溝4210が形成されるように、供給部400を2つ形成しているが、1つだけ設けてもよい。また、案内部材500のような形態に限定されるものではなく、薬液を保持できるのであれば、その形態は、平板状以外でもよく、また案内部材500を垂直でなく、水平またはその他の角度で配置することもできる。
【0058】
また、第3実施形態に示したように、案内部材703の構成は、特には限定されず、斜め下方のほか、側方に延ばすこともできる。また、案内部材703は、板状だけではなく、薬液を受けることができる形状であれば、特には限定されず、棒状、ブロック状など種々の形態にすることができる。また、支持体701も必ずしも必要ではなく、何らかの構成で薬液容器700、薬液排出機構702、及び案内部材703を支持できれば、形状は特には限定されない。この点は、第1及び第2実施形態についても同様である。
【0059】
また、薬液容器、薬液排出機構の構成は、上述したような、案内路、延長路、及び流出孔が形成されていればよく、その他の構成は、特には限定されない。また、第1実施形態の支持プレート21は、必ずしもプレート状に形成していなくてもよく、薬液を受ける面が形成されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る薬液供給装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】図2のA−A線における図1の断面図である。
【図4】図1の平面図である。
【図5】図1の分解斜視図である。
【図6】下部材の斜視図、平面図、正面図及び底面図である。
【図7】下部材の一部斜視図、及びそのB−B線断面図である。
【図8】図1の薬液供給装置の使用状態を示す側面図である。
【図9】水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置される第2実施形態の薬液供給装置の正面図(a)及び側面図(b)である。
【図10】図9の薬液供給装置の分解図である。
【図11】図9の薬液容器100の縦断正面図である。
【図12】図10に示すカバー部材の平面図(a)及び正面断面図(b)である。
【図13】図9の装置本体の平面図(a)及び正面断面図(b)である。
【図14】装置本体とカバー部材とを分解して示す斜視図(a)、及びこれらを合体した状態で示す正面断面図(b)である。
【図15】薬液排出機構の一部斜視図(a)及びそのB−B線断面図(b)ある。
【図16】第3実施形態に係る薬液供給装置の正面図(a)及び側面図(b)である。
【図17】図16の分解図である。
【図18】案内部材の平面図(a)及び正面図(b)である。
【符号の説明】
【0061】
1、100 薬液容器
21 支持プレート
3 吊掛部材
4 薬液排出機構
426、4210 案内溝(案内路)
427、4270 延長路
428、4280 流出孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水洗トイレにおける便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であって、
薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、
前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、
前記薬液排出機構から排出された薬液を、便器内を流れる流水と接触可能に支持する支持部材と、
前記薬液容器、薬剤排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、
前記薬液排出機構は、
薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、
前記案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、
前記延長路と連通し、薬液を前記支持部材側へ排出する流出孔と、
を備えている、薬液供給装置。
【請求項2】
水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置され、当該手洗い部に供給される水とともに前記貯水タンク内に薬液を供給する薬液供給装置であって、
薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、
前記薬液容器を支持し、前記手洗い部上に配置される支持体と、
前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、
前記薬液排出機構から排出された薬液を前記支持体の下方へ案内する案内部材と、を備え、
前記薬液排出機構は、
薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、
前記案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、
前記延長路と連通し、薬液を前記支持体側へ排出する流出孔と、
を備えている、薬液供給装置。
【請求項3】
水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置され、当該手洗い部に供給される水とともに前記貯水タンク内に薬液を供給する薬液供給装置であって、
薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、
前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、
前記薬液排出機構から排出された薬液を案内する案内部材と、を備え、
前記薬液排出機構は、
薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、
前記案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、
前記延長路と連通し、薬液を排出する流出孔と、
を備えている、薬液供給装置。
【請求項4】
2つの前記延長路が、前記案内路を挟む両側へ円弧状に延びており、それぞれの中心角が60度以上である、請求項1から3のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項5】
前記各延長路の容積が、0.05〜0.3mm3である、請求項1から4のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項6】
前記薬液排出機構は、
前記流出孔の周囲を囲む壁部材を有している、請求項1から5のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項1】
水洗トイレにおける便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であって、
薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、
前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、
前記薬液排出機構から排出された薬液を、便器内を流れる流水と接触可能に支持する支持部材と、
前記薬液容器、薬剤排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、
前記薬液排出機構は、
薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、
前記案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、
前記延長路と連通し、薬液を前記支持部材側へ排出する流出孔と、
を備えている、薬液供給装置。
【請求項2】
水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置され、当該手洗い部に供給される水とともに前記貯水タンク内に薬液を供給する薬液供給装置であって、
薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、
前記薬液容器を支持し、前記手洗い部上に配置される支持体と、
前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、
前記薬液排出機構から排出された薬液を前記支持体の下方へ案内する案内部材と、を備え、
前記薬液排出機構は、
薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、
前記案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、
前記延長路と連通し、薬液を前記支持体側へ排出する流出孔と、
を備えている、薬液供給装置。
【請求項3】
水洗トイレにおける貯水タンク上部の手洗い部に配置され、当該手洗い部に供給される水とともに前記貯水タンク内に薬液を供給する薬液供給装置であって、
薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、
前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、
前記薬液排出機構から排出された薬液を案内する案内部材と、を備え、
前記薬液排出機構は、
薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、
前記案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、
前記延長路と連通し、薬液を排出する流出孔と、
を備えている、薬液供給装置。
【請求項4】
2つの前記延長路が、前記案内路を挟む両側へ円弧状に延びており、それぞれの中心角が60度以上である、請求項1から3のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項5】
前記各延長路の容積が、0.05〜0.3mm3である、請求項1から4のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項6】
前記薬液排出機構は、
前記流出孔の周囲を囲む壁部材を有している、請求項1から5のいずれかに記載の薬液供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−74350(P2009−74350A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40488(P2008−40488)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】
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