説明

藻類核酸液濃縮調製方法

【課題】浸出作用の原理を利用し、冷凍、解凍の操作により、濃縮球藻内から核酸を含むエキスを抽出する目的を達成する藻類核酸液濃縮調製方法の提供。
【解決手段】浸出作用の原理を利用し、冷凍、解凍の操作により、濃縮球藻内から核酸を含むエキスを抽出する目的を達成することができる。上記した操作により、本発明は濃度が最適な藻類核酸液を得ることができる。本発明は上記した藻類核酸液濃縮調製方法により調製された藻類核酸液の風味は、自然の甘みを備える自然な味わいで、しかも藻類核酸液の色艶は緑色がかった琥珀色の純天然の色艶で、風味、口当たり共に純天然の風合いを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は球藻中から核酸を含むエキス(小球藻熱水抽出物「Chlorella Extracts; C.E.:C.G.F.」)を抽出し、浸出作用(leaching function)を利用し、溶質遷移の特性を生じ、冷凍、解凍の操作により、藻中のエキスを抽出する藻類核酸液濃縮調製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
藻類Chlorella sp.は、1890年、オランダ人微生物学者、バイエリンクが発見した淡水の単細胞藻類植物である。
その大きさは人類の赤血球とほぼ相同で、観察には顕微鏡を用いる必要があり、「緑色血球」とも呼ばれる運動性を備えない単細胞植物である。
植物学上の分類に基づけば、球藻は球状単細胞体の淡水浮遊生物で、形状は多くは球形或いは楕円形である。
【0003】
藻類の光合成は、他の植物の数十倍速の効率を呈し、葉緑素含有量も他の植物より豊富である。
同時に、天然の球藻は他の光合成作用生物が持たない特殊な分裂構造を備え、新しく生まれた天然藻類は水中から栄養と光エネルギーを吸収し、20〜24時間で成熟し母細胞となり、4個の新細胞に分裂する。
このような急速な繁殖は、多量の特殊生長ホルモンを含有するためである。
藻類の植物性タンパク質含有量は55%以上である。
藻類は葉緑素、食物繊維、ビタミンA、B、C、D、E、ナイアシン、葉酸、カルシウム、鉄、マグネシウム、多種のミネラル、アミノ酸等の栄養成分を含む。
【0004】
球藻は特に、ベジタリアンに、菜食で不足しがちなビタミンB群、特にビタミンB12を提供することができる。
ビタミンB12は赤血球及び神経システムの健康を維持する重要な物質であるが、一般の野菜や果物からは摂取しにくい。
しかし、緑藻5g中には4mgのビタミンB12を含有する。
下表に示すように、緑藻の核酸含有量は他の食品より高い。表1は日本政府が公表している食品成分表である。
【0005】
【表1】

【0006】
藻類はアルカリ性食物で、長期的な食用により体質を調整することができる。
それが含む多種の栄養成分は生理機能調節、消化管機能の維持、滋養強壮、美肌美容、体力増強、健康維持、長寿延命に効果があり、産前産後、或いは病後の影響補給に用いることもできる。
現在各国は次々と藻類の研究に進出しており、培養が大量に行われ、製品の開発と販売も盛んである。
【0007】
球藻中には藻エキス(Chlorella Extracts; C.E.:C.G.F.)を含み、藻類生長促進因子とも呼ばれる藻中のエキスである。
100g当たりの藻中には通常4〜5gの藻類エキスしか含まれないが、藻類エキス中には核酸、ヌクレオチド、葉酸、ニコチン、リジン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、アスパラギン、パントテン酸、小分子タンパク質、水溶性ビタミン、ミネラルを含み、動物のプラセンタ成分と類似の物質である。
よって植物プラセンタとも呼ばれ、これが藻類の生長を急速なものとしている。
【0008】
従来の藻類エキスの濃縮抽出方法において、濃縮ステップは、藻類の応用範囲と商業価値を向上させるためのカギとなる手段である。
現行の濃縮ステップは、藻類を直接加熱し、水分の一部を蒸発させ濃縮の目的を達成し、或いは関連の減圧設備を対応させ、この部分の製造工程の効率を高める。
しかし、藻類エキス中の複雑な栄養成分は長時間の加熱により、破壊を免れることはできない。
また各成分相互の間には、予期できない相互反応を発生し易く、さらには長時間の加熱は、藻類エキス製品の色艶と風味を明らかに低下させる。
本発明は、従来の藻類核酸液濃縮調製方法の上記した欠点に鑑みてなされたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする主要な課題は、浸出作用が溶質遷移現象を生じる特性を利用し、冷凍法により藻類エキス液中の核酸を含む成分を濃縮抽出する目的を達成し、本発明により製造される藻類核酸液の風味は、自然の甘みを備える自然な味わいで、その色艶は緑色に近い藻類中から核酸を含む濃縮液を抽出する藻類核酸液濃縮調製方法を提供することである。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は下記の藻類核酸液濃縮調製方法を提供する。
藻類核酸液濃縮調製方法は、球藻中から核酸を抽出する方法で、
先ず球藻混合液を形成し、球藻混合液は少なくとも原料球藻と混合液を相互に混合し浸潤し形成し、
抽出手順を行い、球藻混合液を均一に摂氏90度〜120度の間まで加熱し、一定の時間維持し、加熱後の球藻混合液を冷却し球藻抽出液を形成し、
球藻抽出液の残渣とセストンを除去し、残留葉緑素により藻エキス核酸一次製品を形成し、
最後に少なくとも一回の浸出プロセスを行い、浸出作用により藻エキス核酸液一次製品を冷凍し、自然溶解において濃縮藻エキス核酸液を形成する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、藻類核酸液濃縮調製方法であって、以下のステップを含み、
球藻混合液を形成し、該球藻混合液は少なくとも原料球藻と混合液を相互に混合、浸潤、形成し、
抽出手順を行い、該球藻混合液を均一に第一温度まで加熱し、一定の時間維持し、加熱後の該球藻混合液を第二温度まで冷却し球藻抽出液を形成し、
該球藻抽出液の残渣とセストンを除去し、残留葉緑素により藻エキス核酸一次製品を形成し、
少なくとも一回の浸出プロセスを行い、浸出作用により藻エキス核酸液一次製品を冷凍し、自然溶解において濃縮藻エキス核酸液を形成することを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記第一温度は摂氏90度〜120度の間であることを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法としている。
請求項3の発明は、請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記球藻混合液は均一に第一温度まで加熱し、維持する一定の時間は30〜40分間であることを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法としている。
請求項4の発明は、請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記第二温度は摂氏20度〜30度の間であることを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法としている。
請求項5の発明は、請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記原料球藻のOD(Optical Density:光学密度)値は1.5から2.5の間であることを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法としている。
請求項6の発明は、請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記藻エキス核酸一次製品のOD(Optical Density:光学密度)値は150以上であることを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法としている。
請求項7の発明は、請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記浸出作用はさらに以下のステップを含み、
冷凍プロセスを行い、該藻エキス核酸一次製品を摂氏零度以下まで冷凍し、
解凍プロセスを行い、冷凍した該藻エキス核酸一次製品を摂氏24度から28度の間で自然解凍し、濃縮藻エキス核酸液を形成することを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法としている。
請求項8の発明は、請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記浸出作用はさらに以下のステップを含み、
第一回冷凍プロセスを行い、該藻エキス核酸一次製品を摂氏零度以下まで冷凍し、
第一回解凍プロセスを行い、冷凍した該藻エキス核酸一次製品を摂氏24度から28度の間で自然解凍し、
第二冷凍プロセスを行い、解凍により溶解し、液態となった該藻エキス核酸一次製品を、再度摂氏零度以下まで冷凍し、
第二回解凍プロセスを行い、冷凍した該藻エキス核酸一次製品を摂氏24度から28度の間で自然解凍し、濃縮藻エキス核酸液を形成することを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法としている。
請求項9の発明は、請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記藻類核酸液濃縮調製方法により調製される藻エキス核酸液は、
植物性タンパク質、
脂質、
葉緑素、
数種の微量元素を含むことを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明が提供する藻エキス核酸液濃縮調製方法は、従来の直接加熱の方式を捨て、冷凍、解凍の操作により濃縮抽出を行う。該方法は、生産設備の設置とメンテナンスをシンプルにすることができ、生産コストを低下させることができる。また本発明が濃縮抽出する球藻エキス核酸液の風味は自然な甘さを保持し、しかもその色艶は従来の濃縮製法により得られた球藻エキス核酸液に比べ優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明が提供する藻エキス核酸液濃縮調製方法は、従来の直接加熱の方式を捨て、冷凍、解凍の操作により濃縮抽出を行う。該方法は、生産設備の設置とメンテナンスをシンプルにすることができ、生産コストを低下させることができる。
本発明が濃縮抽出する球藻エキス核酸液の風味は自然な甘さを保持し、しかもその色艶は従来の濃縮製法により得られた球藻エキス核酸液に比べ優れている。
【0014】
本発明中の藻類核酸液とは、小球藻の熱水濃縮抽出物で、該抽出物の成分は、タンパク質、多糖類、ビタミン、ミネラル等の水溶液で、長期の食用により体質を調整し、健康増進の機能を備えることができる。
また球藻核酸液中の特殊栄養成分藻エキス生長促進因子(CGF)は、多くの生理活性機能を備えるため、藻類の熱水抽出物は特別に重視されている。
【0015】
球藻核酸液品質の優劣の判断は、通常はその質(色艶)とそのCGF量(濃度)によって行われる。
球藻CGF含有量の測定と表示法は、台湾商品検験局CNS4202 N5134方法により規定する。
天然培養の藻類のCGF含有量は、1.3〜2.5が多く、株と培養条件によって異なる。
藻類核酸液のCGF含有量は、光波長260nm下での吸光質により、OD200或いはOD400等と濃度を表示する(OD:Optical Density:光学密度)。
【0016】
図1は本発明第一実施例が設置する藻エキス核酸液濃縮調製方法のフローチャートである。
図1に示すように、藻エキス核酸液濃縮調製方法100は、以下のステップを含む。
球藻混合液を形成し110、抽出プロセスを行い120、球藻抽出液の残渣とセストンを除去し、葉緑素を残し130、少なくとも一回の浸出プロセスを行う140。
上記した球藻混合液を形成するステップ110において、該球藻混合液は、少なくとも原料球藻と混合液を相互に混合し、浸潤し、形成する。
該混合液は水、二次水、イオン除去水、或いはあらゆる無毒溶剤等である。
上記した原料球藻のOD(Optical Density:光学密度)値は1.5〜2.5の間で、最適な原料球藻OD(Optical Density:光学密度)値は2.3である。
【0017】
抽出プロセス120において、球藻混合液を第一温度まで均一に加熱し、一定時間維持する。
加熱後の球藻混合液を第二温度まで冷却し球藻抽出液を形成する。
上記した第一温度は摂氏80度から120度の間で、最適な第一温度は摂氏85度から95度の間である。
上記した球藻混合液を第一温度温度まで均一に加熱し、維持する時間は30〜40分である。
上記した第二温度は摂氏20度から30度の間である。
【0018】
抽出プロセス120の完成後、球藻抽出液の残渣とセストンを除去し、葉緑素を残し130、藻エキス核酸一次製品を形成する。
最後に、少なくとも一回の浸出プロセス(leaching process)を行い140、浸出作用により藻エキス核酸一次製品を冷凍し、自然に溶解し、濃縮藻エキス核酸液を形成する。
上記した藻エキス核酸一次製品のOD(Optical Density:光学密度)値は150以上である。
上記した濃縮藻エキス核酸液のOD(Optical Density:光学密度)値は400以上である。
上記した浸出プロセス140は、少なくとも3回繰り返すことが望ましい。
【0019】
図2は本発明第二実施例が設置する藻エキス核酸液濃縮調製方法のフローチャートである。
図2に示すように、藻エキス核酸液濃縮調製方法200は、以下のステップを含む。
球藻混合液を形成し210、抽出プロセスを行い220、球藻抽出液の残渣とセストンを除去し、葉緑素を残し230、冷凍プロセスを行い240、解凍プロセスを行う250。
上記した球藻混合液を形成するステップ210において、該球藻混合液は、少なくとも原料球藻と混合液を相互に混合し、浸潤し、形成する。
【0020】
上記した抽出プロセス220において、球藻混合液を第一温度まで均一に加熱し、一定時間維持する。
加熱後の球藻混合液を第二温度まで冷却し球藻抽出液を形成する。
次に、球藻抽出液の残渣とセストンを除去し、葉緑素を残すプロセス230を行い、藻エキス核酸一次製品を形成する。
続いて冷凍プロセスを行い240、藻エキス核酸一次製品を摂氏零度以下まで冷凍する。
最後に、解凍プロセスを行い250、冷凍した藻エキス核酸一次製品を摂氏24度から28度の間で自然解凍させ、濃縮藻エキス核酸液を形成する。
上記した原料球藻OD値、第一温度、第一温度を維持する時間、第二温度、藻エキス核酸一次製品OD値、濃縮藻エキス核酸液OD値は、第一実施例の条件と相同である。
【0021】
図3は本発明第三実施例が設置する藻エキス核酸液濃縮調製方法のフローチャートである。
図3に示すように、藻エキス核酸液濃縮調製方法300は、以下のステップを含む。
球藻混合液を形成し310、抽出プロセスを行い320、球藻抽出液の残渣とセストンを除去し、葉緑素を残し330、第一回の冷凍プロセスを行い340A、第一回の解凍プロセスを行う350A、第二回の冷凍プロセスを行い340B、第二回の解凍プロセスを行う350B。
上記した球藻混合液を形成するステップ310において、該球藻混合液は、少なくとも原料球藻と混合液を相互に混合し、浸潤し、形成する。
上記した抽出プロセス320において、球藻混合液を第一温度まで均一に加熱し、一定時間維持する。
加熱後の球藻混合液を第二温度まで冷却し球藻抽出液を形成する。
次に、球藻抽出液の残渣とセストンを除去し、葉緑素を残すプロセス330を行い、藻エキス核酸一次製品を形成する。
続いて、第一回の冷凍プロセスを行い340A、藻エキス核酸一次製品を摂氏零度以下まで冷凍する。
さらに、第一回の解凍プロセスを行い350A、冷凍した藻エキス核酸一次製品を摂氏24度から28度の間で自然解凍させる。
次に、第二回の冷凍プロセスを行い340B、解凍により溶解し液態となった藻エキス核酸一次製品を摂氏零度以下まで冷凍する。
最後に、第二回の解凍プロセスを行い350B、冷凍した藻エキス核酸一次製品を摂氏24度から28度の間で自然解凍させ、濃縮藻エキス核酸液を形成する。
上記した原料球藻OD値、第一温度、第一温度を維持する時間、第二温度、藻エキス核酸一次製品OD値、濃縮藻エキス核酸液OD値は、第一実施例の条件と相同である。
上記した冷凍プロセス(340A;340B)及び解凍プロセス(350A;350B)は、数回繰り返し行うことができる。
【0022】
第一実施例
一般の球藻原料(Chlorella sp.)粉末に、球藻原料粉末の8〜10倍(w/w)の水を加え、十分に浸潤混合後、均一に加熱し、90〜100℃に達したなら、50〜60分維持する。
その後、常温(室温)まで冷却し、得られる混合物から固形物(藻体残骸)を分離し、セストンを除去し、葉緑素を残す等のステップを経る。
こうして得られた、緑色がかった琥珀色の澄んだ液体が、藻エキス生長促進因子(CGF)を含む球藻抽出液である。
またすなわち、これが未濃縮の藻エキス核酸液一次製品(通常、そのOD値は130〜170の間)である。
該未濃縮の藻エキス核酸液一次製品を一般容器に入れ、冷凍庫に入れ凍結させる。
該凍結した未濃縮の藻エキス核酸液一次製品を冷凍庫から取り出し、室温で自然に溶解させる。
溶解状態の持続進行(固体融合共存の状態)により浸出作用(leaching function)を発生し、溶解後の液態部分(浸出溶液或いは滴濾液と呼ぶ)を集め、こうして濃縮藻エキス核酸液を得る。
未溶解部分の溶質含有量は極めて少ないため、廃棄、或いは再度調製し上記したステップを繰り返すことができる。
いわゆる「浸出作用」とは、氷の初期溶化の液態部分から、(その溶質含有量は氷中の溶質平均含有量よりはるかに大きい)、氷の溶水作用が氷中の化学成分に遷移を起こさせる現象を言う。
【0023】
図4本発明が確立する操作のフローチャートである。
図4に示すように、上記したステップを三回繰り返し、OD値が170の藻エキス核酸液一次製品を、OD値が400以上の緑藻核酸液に濃縮することができる。
OD指標値が1.5の原料球藻は、上記したステップを経ることで、OD130の藻エキス核酸液一次製品とすることができる。
さらに、一回の凍結、解凍、取得のプロセス後、得られる濃度はOD170以上である。
もし該原料球藻のOD指標値が2.3であれば、上記したステップを経ることで、OD170の藻エキス核酸液一次製品を得ることができる。
さらに、一回の凍結、解凍、取得のプロセス後、最終製品の濃度はOD230以上である。
上記した冷凍と溶解、取得のステップを三回繰り返すことで、OD値400以上の藻エキス核酸液を得ることができる。
濃縮方式は生産ラインにおける応用について、操作上、極めて良好なフレキシビリティを有する。
しかも操作は便利で、該藻エキス核酸液一次製品を、一般の25〜35リットル容器に入れ、冷凍庫に入れ、凍結させる。
該凍結した藻エキス核酸液一次製品を冷凍庫から取り出し、逆さまに置き、室温下で自然に溶解される。
溶解状態は持続進行し、固液共存の状態を形成し、浸出作用を生じる。
この浸出液(滴濾液とも呼称)を容器で受け取り、本発明の藻エキス核酸液を得る。
図5は、本発明の濃縮ステップを行う、つまり浸出作用の発生時には、溶解持続の過程において、各段階で得られる浸出液(滴濾液とも呼称)中の溶質含有量と時間の関係図である。
【0024】
第二実施例
日本食品分析センターが2007年(平成19年)8月6日、申請人が提出した濃縮藻エキス核酸液に対して行った分析試験結果を以下に示す。
【0025】
【表2】

【0026】
【表3】

【0027】
【表4】

【0028】
【表5】

【0029】
【表6】

【0030】
上記した実施例の説明により、本発明には多くの修正と差異があり得る。よって請求項の範囲内において理解する必要がある。上記した詳細な記述の他に、本発明は他の実施例中に広く実施することができる。本発明が開示した上記の具体的実施例は最適実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の製品と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、したがって本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明第一実施例が確立する藻エキス核酸液濃縮調製方法のフローチャートである。
【図2】本発明第二実施例が確立する藻エキス核酸液濃縮調製方法のフローチャートである。
【図3】本発明第三実施例が確立する藻エキス核酸液濃縮調製方法のフローチャートである。
【図4】本発明が確立する操作のフローチャートである。
【図5】本発明の濃縮ステップにおいて、各段階で得られる浸出液の溶質含有量と時間の関係図である。
【符号の説明】
【0032】
100 藻エキス核酸液濃縮調製方法
110 球藻混合液を形成する
120 抽出プロセスを行う
130 球藻抽出液の残渣とセストンを除去し、葉緑素を残す
140 少なくとも一回の浸出プロセスを行う
200 藻エキス核酸液濃縮調製方法
210 球藻混合液を形成する
220 抽出プロセスを行う
230 球藻抽出液の残渣とセストンを除去し、葉緑素を残す
240 冷凍プロセスを行う
250 解凍プロセスを行う
300 藻エキス核酸液濃縮調製方法
310 球藻混合液を形成する
320 抽出プロセスを行う
330 球藻抽出液の残渣とセストンを除去し、葉緑素を残す
340A 第一回の冷凍プロセスを行う
350A 第一回の 解凍プロセスを行う
340B 第二回の冷凍プロセスを行う
350B 第二回の解凍プロセスを行う

【特許請求の範囲】
【請求項1】
藻類核酸液濃縮調製方法であって、以下のステップを含み、
球藻混合液を形成し、該球藻混合液は少なくとも原料球藻と混合液を相互に混合、浸潤、形成し、
抽出手順を行い、該球藻混合液を均一に第一温度まで加熱し、一定の時間維持し、加熱後の該球藻混合液を第二温度まで冷却し球藻抽出液を形成し、
該球藻抽出液の残渣とセストンを除去し、残留葉緑素により藻エキス核酸一次製品を形成し、
少なくとも一回の浸出プロセスを行い、浸出作用により藻エキス核酸液一次製品を冷凍し、自然溶解において濃縮藻エキス核酸液を形成することを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法。
【請求項2】
請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記第一温度は摂氏90度〜120度の間であることを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法。
【請求項3】
請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記球藻混合液は均一に第一温度まで加熱し、維持する一定の時間は30〜40分間であることを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法。
【請求項4】
請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記第二温度は摂氏20度〜30度の間であることを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法。
【請求項5】
請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記原料球藻のOD(Optical Density:光学密度)値は1.5から2.5の間であることを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法。
【請求項6】
請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記藻エキス核酸一次製品のOD(Optical Density:光学密度)値は150以上であることを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法。
【請求項7】
請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記浸出作用はさらに以下のステップを含み、
冷凍プロセスを行い、該藻エキス核酸一次製品を摂氏零度以下まで冷凍し、
解凍プロセスを行い、冷凍した該藻エキス核酸一次製品を摂氏24度から28度の間で自然解凍し、濃縮藻エキス核酸液を形成することを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法。
【請求項8】
請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記浸出作用はさらに以下のステップを含み、
第一回冷凍プロセスを行い、該藻エキス核酸一次製品を摂氏零度以下まで冷凍し、
第一回解凍プロセスを行い、冷凍した該藻エキス核酸一次製品を摂氏24度から28度の間で自然解凍し、
第二冷凍プロセスを行い、解凍により溶解し、液態となった該藻エキス核酸一次製品を、再度摂氏零度以下まで冷凍し、
第二回解凍プロセスを行い、冷凍した該藻エキス核酸一次製品を摂氏24度から28度の間で自然解凍し、濃縮藻エキス核酸液を形成することを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法。
【請求項9】
請求項1記載の藻類核酸液濃縮調製方法において、前記藻類核酸液濃縮調製方法により調製される藻エキス核酸液は、
植物性タンパク質、
脂質、
葉緑素、
数種の微量元素を含むことを特徴とする藻類核酸液濃縮調製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−45064(P2009−45064A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−214490(P2008−214490)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(508256709)緑爾満地富國際股▲ふん▼有限公司 (1)
【出願人】(508256710)
【Fターム(参考)】