説明

蛇腹

【課題】蛇腹本体に対して隙間が発生することがないとともに、蛇腹本体の最大伸長長さや最大縮小長さに大きく悪影響を与えることがない状態で該蛇腹本体を前述した異物から保護することができる新規な蛇腹を提供する。
【解決手段】シート体が折曲され山部25aと谷部25bとが交互に形成されてなる蛇腹本体25と、この上記蛇腹本体25を構成する上記山部25aと谷部25bとの間に形成された各傾斜面部25fのそれぞれに金属又は樹脂を素材とする保護板26が固定されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、マシニングセンタやダイシングマシン、或いは、研削機等或いはレーザ加工機や溶接機等の工作機械に取り付けられる蛇腹に関するものである。
【背景技術】
【0002】
研削機により金属を研削する場合、研削屑やクーラント液が飛散する場合が多く、また、ダイシングマシンでは、半導体ウェハの破片が飛散し、それらの機械や装置に装着された蛇腹にそれらが付着した場合には、該蛇腹に穴が開いてしまったり溶融してしまったりする場合がある。そこで、本願出願人は、こうした研削屑等の飛散により蛇腹本体に穴が開く等の不都合を解消するために、伸縮する蛇腹本体の上部に、もう一つの保護用の蛇腹を取り付けるとともに、上記保護用の蛇腹が蛇腹本体と一体的に伸縮動作を繰り返すとともに、該保護用の蛇腹の傾斜面(山部と谷部との間)に保護板を固定したものを提案した(特許文献1参照)。すなわち、この特許文献1に開示された蛇腹は、第1のシート体を折曲し本体側山部と本体側谷部とが交互に形成されてなる蛇腹本体と、第2のシート体からなり上記蛇腹本体の正面側に固定され上記蛇腹本体の伸縮動作に伴って伸縮される保護部材(上記もう一つの保護用の蛇腹)と、を備えてなり、上記保護部材は、上記蛇腹本体に形成された各本体側山部に固定されることにより形成された保護部材側山部と、この保護部材側山部と保護部材側山部との間に形成され収縮時には本体側谷部方向に移動する保護部材側谷部と、から構成され上記各保護部材側山部から各保護部材側谷部までの長さは、上記本体側山部から本体側谷部までの長さよりも短い長さとなされてなるとともに、該保護部材側山部と保護部材側谷部との間には、金属板又は熱可塑性樹脂からなる保護板が固定されてなるものである。
【0003】
したがって、上記蛇腹では、蛇腹本体の正面側に保護部材が形成され、この保護部材には保護板が固定されてなることから、該蛇腹本体が溶融金属等により損傷することを十分防止することができ、該蛇腹の耐久性を十分向上させることができ、また、この蛇腹では、各保護部材側山部から各保護部材側谷部までの長さは、上記本体側山部から本体側谷部までの長さよりも短い長さとなされてなることから、保護部材が最も伸長された場合でも蛇腹本体は完全に伸長されることはないので、該蛇腹本体に形成された本体側谷部が、伸長された際に谷部として再び折り曲げられず形が崩れてしまう(型崩れの)危険性も有効に防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4205249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した蛇腹では、上記保護用の蛇腹や該保護用の蛇腹に固定された保護板により、蛇腹本体が溶融金属等により損傷することを十分防止することはできるものの、該蛇腹本体と保護用の蛇腹との間には隙間が形成されていることから、以下に説明する課題が発生している。先ず、上記蛇腹本体と保護用の蛇腹との間には隙間から、該蛇腹本体と保護用の蛇腹との間に研削屑や半導体ウェハの破片等の異物が侵入する場合がある。これは各種の機械器具や装置に対する蛇腹の配置方法(方向)によって様々ではあるが、蛇腹本体に形成された山部や谷部の長さ方向が鉛直方向と同じである場合には、言うまでもなく上記隙間から異物が侵入する危険性は最も高く、侵入した異物が(例えばクーラント液とともに)蛇腹本体の途中で残置されると、蛇腹本体が損傷することは避けられない。また、蛇腹本体に形成された山部や谷部の長さ方向が水平方向となるように配置された場合には、上述した頻度は少ないとしても、飛散した異物が他の部材に衝突して上記隙間に侵入することは稀ではない。したがって、上記特許文献1に開示された蛇腹では、蛇腹本体と保護用の蛇腹との間に隙間が形成されてしまうことを原因に、やはり蛇腹本体が損傷してしまうことを避けられない。また、蛇腹では、各保護部材側山部から各保護部材側谷部までの長さは、上記本体側山部から本体側谷部までの長さよりも短い長さとなされてなることから、保護部材が最も伸長された場合でも蛇腹本体は完全に伸長されることはないことから、型崩れの危険性は解消されるものの、最大伸長長さや最大縮小長さは、上記保護用の蛇腹が存在する限り大きく制約される。
【0006】
そこで、本発明は、上述した従来の蛇腹が有する課題を解決するために提案されたものであって、蛇腹本体に対して上述した隙間が発生することがないとともに、蛇腹本体の最大伸長長さや最大縮小長さに大きく悪影響を与えることがない状態で該蛇腹本体を前述した異物から保護することができる新規な蛇腹を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、第1の発明(請求項1記載の発明)は、シート体が折曲され山部と谷部とが交互に形成されてなる蛇腹本体と、この上記蛇腹本体を構成する上記山部と谷部との間に形成された各傾斜面部のそれぞれに金属又は樹脂を素材とする保護板が固定されてなることを特徴とするものである。
【0008】
この第1の発明に係る蛇腹によれば、従来の蛇腹のように、蛇腹本体に隙間を介して保護用の蛇腹が配置されているものではないことから、該隙間から異物が侵入し蛇腹本体に損傷を与えることがない。また、この蛇腹は、先に説明した従来の蛇腹と比較して、極めて簡素な構造であり、保護用の蛇腹を固定する作業は全く不要であるばかりか、蛇腹本体に山部と谷部とが交互に形成されるように折曲することによるのみで蛇腹本体が形成され、上記保護板が配置されることから、製造プロセスも極めて簡単となり安価に製造することができる。
【0009】
なお、上記第1の発明において、蛇腹本体の形状は、山部と谷部とが交互に形成された主伸縮部と、この主伸縮部の両端から該主伸縮部の長さ方向と直交する方向に折曲された一端側伸縮部と他端側伸縮部とからなる門型の蛇腹以外に、上記主伸縮部(一方の主伸縮部)と平行となされた他方の主伸縮部が形成され、上記一端側伸縮部と他端側伸縮部とは、上記一方の主伸縮部と他方の主伸縮部との双方に連続してなる筒状の蛇腹であっても良い。
【0010】
また、上記保護板は、山部と谷部との間に形成された各傾斜面部のそれぞれに配置されるものであり、素材は、金属又は樹脂の何れであっても良い。但し、異物の硬度との関係では、該異物よりも高い硬度を有するものであることが望ましい。また、この保護板は、蛇腹本体が最も縮小した際の全長を短くすることを考慮すると、可能な限り薄く且つ硬度が高い素材を選択することが望ましい。
【0011】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、シート体が折曲され山部と谷部とが交互に形成されてなる蛇腹本体と、この蛇腹本体の表面に貼付された接着シートと、上記蛇腹本体と接着シートとの間であって上記山部と谷部との間に形成された各傾斜面部のそれぞれに金属又は樹脂を素材とする保護板が配置されてなることを特徴とするものである。
【0012】
この第2の発明において、上記接着シートは、少なくとも保護板が全て隠れる幅であることが望ましく、例えば、蛇腹本体の形状が上記門型である場合には、上記主伸縮部の幅と同じ幅とすることが好ましく、さらには、上記一端側伸縮部や他端側伸縮部までカバーされているものであっても良い。また、上記蛇腹本体の形状が上記筒状である場合には、一方及び他方の主伸縮部の双方の幅とほぼ同じ幅の接着シートがそれぞれ接着されていることが好ましく、さらには上述した一端側伸縮部や他端側伸縮部までカバーされているものであっても良い。
【0013】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は第2の発明の何れかにおいて、前記保護板は、金属製のバネ鋼であることを特徴とするものである。
【0014】
なお、この第3の発明において、金属製のバネ鋼の素材は、鉄でも良いがクーラント液等を同時に使用する場合のように液体を使用しながら加工を施す機械器具に装着されることによる腐食を考慮すると、ステンレススチールを素材として選択することが望ましい。
【0015】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、上記第1、第2又は第3の発明の何れかにおいて、ダイシングマシンに装着される蛇腹であって、前記保護板の硬度は、半導体ウェハを切断する事により発生するワークチップの硬度よりも高いものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)に係る蛇腹によれば、従来の蛇腹のように、蛇腹本体に隙間を介して保護用の蛇腹が配置されているものではないことから、該隙間から異物が侵入し蛇腹本体に損傷を与えることがない。また、この蛇腹は、先に説明した従来の蛇腹と比較して、極めて簡素な構造であり保護用の蛇腹を固定する作業は全く不要であり、蛇腹本体に山部と谷部とが交互に形成されるように折曲することによるのみで蛇腹本体が形成され、上記保護板が配置されることから、製造プロセスも極めて簡単となり安価に製造することができる。
【0017】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)に係る蛇腹では、保護板は、上記蛇腹本体と接着シートとの間であって上記山部と谷部との間に形成された各傾斜面部のそれぞれに配置されていることから、直接保護板が外部に露出していない。したがって、保護板の素材として、腐食する素材でも使用することができ、保護板の材料に関して選択の幅を広げることができる。また、この第2の発明では、必ずしも、保護板を前記傾斜面部に一つ一つ固定(接着)する工程を取る必要はなく、展開された(折曲する前段階における)蛇腹本体に、適宜載置し、その上から上記接着シートを接着することが個々の保護板を固定し、その後に山部や谷部が交互に形成されるように折曲するという工程を採用することができるので、こうした工程を採用した場合には、極めて短時間に製造することができ、ひいてはコストの削減にも寄与することができる。
【0018】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)に係る蛇腹では、前記保護板は、金属製のバネ鋼であることから、異物が傾斜面部と傾斜面部との間に載置(位置)され、蛇腹本体が縮小されて保護板により挟まれることにより、保護板に対して部分的に力が作用しても、その部分が凹む等の変形が無く常に平板状態を保つことができる。
【0019】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)に係る蛇腹は、ダイシングマシンに装着される蛇腹であって、前記保護板の硬度は、半導体ウェハを切断する事により発生するワークチップの硬度よりも高いものであることから、異物であるワークチップが傾斜面部と傾斜面部との間に載置(位置)され、蛇腹本体が縮小されて保護板により挟まれることにより、該ワークチップは細かく破砕され、或いは、蛇腹本体に突き刺さることなく廃棄又は回収される。したがって、破砕される前のワークチップが存在した状態において最も蛇腹が縮小した際における全体の長さよりも、該全体の長さを短いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ダイシングマシンから蛇腹を分解した状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す蛇腹から保護板の一部を分解した状態を示す斜視図である。
【図3】第2の実施の形態に係る蛇腹を一部分解してして示す斜視図である。
【図4】図3に示す蛇腹の側断面を拡大するとともにワークチップが載置された状態を示す側断面図である。
【図5】図4に示す蛇腹が縮小し、ワークチップが破砕された状態を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態に係る蛇腹について図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、第1の実施の形態に係る蛇腹について説明する。なお、この実施の形態に係る蛇腹は、図1に示すように、ダイシングマシン2(半導体ウェハの加工装置)に装着される蛇腹に、本発明を適用したものである。そこで、先ず、上記ダイシングマシン2について簡単に説明し、その後に実施の形態に係る蛇腹について詳細に説明する。
【0022】
このダイシングマシン2は、図1に示すように、加工テーブル3と、この加工テーブル3を左右(又は前後)に駆動する駆動装置12が構成要素とされている。上記加工テーブル3は、円盤状に成形されてなるものであり、上方に開口を有するボックス4内に固定され、このボックス4の一側面には、後述する第1の蛇腹20を固定するための一方の固定金具5が固定され、他側面には、後述する第2の蛇腹21を固定するための他方の固定金具6が固定されている。また、このボックス4は、円柱状に成形された支軸7を介してスライド部材8に支持されている。なお、このスライド部材8の下面には、後述する一方及び他方のスライドガイド部材15,16が挿通されるガイド溝(符号は省略する。)が形成されている。また、上記ダイシングマシン2は、図示しないノズルから上記加工テーブル3上に供給され、切削の際に該加工テーブル3上から流れた切削液の廃液が収容される廃液トレー10が構成要素となされている。この廃液トレー10は、略長方形状に成形されてなるものであり、中央には開口10aが形成され、外周には外側起立部10bが形成され、内周には、内側起立部10cが形成されている。なお、この廃液トレー10を構成する底板部10dには、ドレン管11に接続された排出口10eが形成され、外側起立部10b、内側起立部10c及び底板部10dからなる廃液収容部(符号は省略する)内に流入した廃液は、上記排出口10eを経てドレン管11から排出される。
【0023】
そして、上記廃液トレー10に形成された上記開口10aの下方には、上記駆動装置12が配置されている。この駆動装置12は、外周にネジ(符号は省略する。)が螺刻されたボールネジ13と、このボールネジ13を時計正転方向及び逆転方向に回転駆動させるモータ14とから構成されている。また、上記ボールネジ13の左右(又は前後)両側には、一方のスライドガイド部材15と、他方のスライドガイド部材16が互いに面対向した状態で配置されている。したがって、上記駆動装置12を構成するモータ14が駆動し、ボールネジ13が正転又は逆転させられると、上記加工テーブル3は、上記一方及び他方のスライドガイド部材15,16にガイドされながら、該一方及び他方のスライドガイド部材15,16の長さ方向(ボールネジ13の長さ方向)に往復駆動される。
【0024】
また、上記廃液トレー10を構成する上記内側起立部10cには、上記一方の固定金具5に対向する位置に一方の外側固定金具18が固定され、上記他方の固定金具6に対向する位置には、他方の外側固定金具19が固定されている。そして、上記一方の固定金具5と一方の外側固定金具18との間には、第1の蛇腹20が固定され、上記他方の固定金具6と他方の外側固定金具19との間には、第2の蛇腹21が固定されている。なお、これら第1及び第2の蛇腹20,21の基本構成はそれぞれ同一であることから、以下、上記第1の蛇腹20について詳細に説明する。
【0025】
上記第1の蛇腹20は、先に説明したように、水平方向に伸縮動作するように配置されてなるものであって、蛇腹本体25と、この蛇腹本体25に固定された保護板26とを備えている。上記蛇腹本体25は、合成皮革等の樹脂製シートを折曲することにより、図2に示すように、山部25aと谷部25bとが交互に形成されてなるものであり、これら山部25a及び谷部25bがそれぞれ水平方向に長さを有するように形成された主伸縮部25cと、この主伸縮部25cの左側に形成され縦方向に山部25a及び谷部25bが形成された左側脚部25dと、上記主伸縮部25cの右側に形成され縦方向に山部25a及び谷部25bが形成された右側脚部25eとから構成されている。そして、この実施の形態に係る蛇腹20では、上記主伸縮部25cに形成された山部25aと谷部25bとの間に形成された傾斜面部25fの全てに、両面接着テープ27を介して上記保護板26が固定されている。これらの保護板26は、ステンレススチールを素材とするとともにバネ加工されてなる(圧延処理されたバネ鋼からなる)ものであり、その肉厚は0.1mmとされている。
【0026】
したがって、上述した蛇腹20によれば、上記ダイシングマシン2の上述した動作に伴って伸縮されている間に、上記加工テーブル3上で切断加工された図示しない半導体ウェハのワークチップが飛び散った場合であっても、該ワークチップにより蛇腹本体25が破損し穴が開くことはない。
【0027】
なお、上記実施の形態に係る蛇腹20に固定した保護板26の厚みは0.1mmとしたが、この保護板26の厚みは上記厚みに限定されないことは言うまでもないが、上記蛇腹20が最も縮小した場合における(伸縮方向における)全長を可能な限り短いものとする観点からは、厚い場合でも2.00mmとすべきであり、最も薄い場合は、0.05mm程度とすることが好ましい。また、上述したダイシングマシン2に装着することを前提とする場合には、保護板26の肉厚は、半導体ウェハの硬度との関係で、約1.00〜0.10mmの肉厚とすることが望ましい。
【0028】
また、上記実施の形態に係る蛇腹20では、蛇腹本体25に形成された傾斜面部25fに保護板26を固定し、該保護板26を露出させたものを図示して説明したが、以下に説明する第2の実施の形態に係る蛇腹30のように、接着シート31で被覆したものであっても良い。すなわち、この第2の実施の形態に係る蛇腹30は、図3又は図4に示すように、蛇腹本体25を構成する上記主伸縮部25cの表面に上記接着シート31が貼付され、本発明を構成する上記保護板26の全ては、上記蛇腹本体25と接着シート31との間に配置されている。
【0029】
すなわち、この第2の実施の形態に係る蛇腹30は、蛇腹本体25となる樹脂製シートを折曲する前段階において、所定の位置に上記各保護板26を載置し、これらの保護板26上から上記接着シート31を貼付し、その上で上記山部25aと谷部25bとが交互に形成されるように該接着シート31も含めて折曲することにより、製造される。
【0030】
したがって、この第2の実施の形態に係る蛇腹30によれば、より一層蛇腹本体25を保護することができるばかりではなく、一つ一つに保護板26を蛇腹本体25に貼付・固定する作業は不要であることから、製造工程も簡素化することができる。また、(先に説明した実施の形態に係る蛇腹20も同様であるが)上記蛇腹30では、ダイシングマシン2に装着された場合、上記各保護板26はワークチップCが、図4に示すように、蛇腹30上に乗り、その後に蛇腹30が縮小されることにより両側の保護板26,26により圧縮されると、該ワークチップCはこれらの保護板26,26により細かく破砕され、上記切削液と共に廃液トレー10に流れ落ちる。この結果、蛇腹30が縮小された場合、その縮小された際の全長が上記ワークチップCの存在により長くなってしまったり、蛇腹30全体が縮小されることにより蛇腹本体25が損傷し穴が開いてしまったりする等の問題も解消することができる。
【符号の説明】
【0031】
2 ダイシングマシン
20 蛇腹
25 蛇腹本体
25a 山部
25b 谷部
26 保護板
30 蛇腹
31 接着シート
C ワークチップ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート体が折曲され山部と谷部とが交互に形成されてなる蛇腹本体と、この上記蛇腹本体を構成する上記山部と谷部との間に形成された各傾斜面部のそれぞれに金属又は樹脂を素材とする保護板が固定されてなることを特徴とする蛇腹。
【請求項2】
シート体が折曲され山部と谷部とが交互に形成されてなる蛇腹本体と、この蛇腹本体の表面に貼付された接着シートと、上記蛇腹本体と接着シートとの間であって上記山部と谷部との間に形成された各傾斜面部のそれぞれに金属又は樹脂を素材とする保護板が配置されてなることを特徴とする蛇腹。
【請求項3】
前記保護板は、金属製のバネ鋼であることを特徴とする請求項1又は2記載の何れかの蛇腹。
【請求項4】
ダイシングマシンに装着される蛇腹であって、前記保護板の硬度は、半導体ウェハを切断する事により発生するワークチップの硬度よりも高いものであることを特徴とする請求項1,2又は3記載の何れかの蛇腹。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−92178(P2013−92178A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233673(P2011−233673)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(593208751)株式会社ナベル (20)
【Fターム(参考)】