説明

蛍光ランプ、照明装置、照明装置の製造方法および画像表示装置

【課題】略コの字または略U字形状の蛍光ランプにおいて、マーキングを施すことなく、一端部と他端部とを判別しやすくすることを目的とする。
【解決手段】内面に蛍光体層101が形成され、略コの字または略U字形状のバルブ102と、バルブ102の両端部の内部に設けられた電極103、104と、一端部が電極に接続されかつ他端部が前記バルブの外部に導出したリード線105、106と、リード線105、106に接続された給電端子107、108とを有する蛍光ランプ100において、バルブ102の管軸を含む平面に対して略垂直な向きから見た場合に、一方の給電端子107と他方の給電端子108とが判別可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプ、照明装置、照明装置の製造方法および画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置の斜視図を図11に示す。従来の照明装置(以下、「照明装置1」という。)は、例えば直下型のバックライトユニットであって、複数のU字形の蛍光ランプ2が配置されている(例えば特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−273750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、蛍光ランプは、管軸が略重力方向に沿う状態で直管形状のバルブの内部に蛍光体層を形成するための懸濁液を塗布するため、塗布した後の懸濁液が重力方向に流れ落ちていくことで、一端部と他端部とで、蛍光体層の厚みが異なることが多い。
【0005】
略コの字または略U字形状の蛍光ランプにおいても、例えば照明装置に複数の蛍光ランプを備え付ける場合には、一端部と他端部とを判別して、一端部と他端部とが交互となるように備え付ける等しなければ、一端部と他端部との蛍光体層の厚みの差異によって、照明装置の輝度にむらが生じてしまうおそれがある。
【0006】
また、近年、蛍光ランプには、照明装置への備え付けの簡易化のために、両端部に給電端子が装着されている。給電端子が装着されている場合には、照明装置に設けられたソケットに給電端子を嵌め込めばよく、従来のように半田付けにより照明装置に備え付けなくてよいためである。
【0007】
両端部に給電端子が装着された蛍光ランプの一端部と他端部とを判別するには、どちらか一方の給電端子にマーキングを施すことが考えられる。
【0008】
しかしながら、略U字または略コの字形状の蛍光ランプは、その両端部が略水平となるようにして保管されることが多く、マーキングがバルブを周回するように施されていなければ、マーキングを認識することができない場合がある。すなわち、その両端部が略水平となるように保管されている蛍光ランプを見る向き(バルブの管軸を含む平面に対して略垂直な向き)から見た場合に、蛍光ランプの一端部と他端部とを判別できることが好ましい。さらに、バルブを周回するようにマーキングを施すには、そのためのマーキング装置が必要となり、作業性および費用の面での負担が大きい。
【0009】
そこで、本発明に係る蛍光ランプは、略コの字または略U字形状の蛍光ランプにおいて、マーキングを施すことなく、一端部と他端部とを判別しやすくすることを目的とする。
【0010】
また、本発明に係る照明装置、照明装置の製造方法および画像表示装置は、略コの字または略U字形状の蛍光ランプを備える場合に、輝度むらを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明に係る蛍光ランプは、内面に蛍光体層が形成され、略コの字または略U字形状のバルブと、前記バルブの両端部の内部に設けられた電極と、一端部が前記電極に接続されかつ他端部が前記バルブの外部に導出したリード線と、前記リード線に接続された給電端子とを有する蛍光ランプにおいて、前記バルブの管軸を含む平面に対して略垂直な向きから見た場合に、一方の給電端子と他方の給電端子とが判別可能であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る蛍光ランプは、一方の給電端子と他方の給電端子との見かけ上の形状が異なることが好ましい。ここで、「見かけ上の形状」とは、バルブの管軸を含む平面に対して略垂直な向きから蛍光ランプを見た場合の平面形状のことをいう。
【0013】
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記一方の給電端子と前記他方の給電端子との周回方向の向きが異なることが好ましい。ここで、「周回方向の向き」とは、リード線の長手方向を回転軸とした回転方向の向きのことをいう。
【0014】
さらに、本発明に係る蛍光ランプは、前記一方の給電端子と前記他方の給電端子との周回方向の向きが15[°]以上165[°]以下の範囲内で異なることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記給電端子の長手方向において、前記一方の給電端子と前記他方の給電端子との位置が異なることが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記給電端子は、前記バルブの端部を覆う本体部と、前記本体部から延伸し、前記リード線に接続される接続部とを有し、前記一方の給電端子と、前記他方の給電端子との接続部の形状が異なることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記給電端子は、前記バルブの端部を覆う本体部と、前記本体部から延伸し、前記リード線に接続される接続部とを有し、前記本体部には、スリットが設けられ、前記一方の給電端子と前記他方の給電端子のそれぞれのスリットを介して見える前記蛍光体層の端の位置が異なることが好ましい。
【0018】
本発明に係る照明装置は、前記蛍光ランプを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る照明装置の製造方法は、前記蛍光ランプの前記一方の給電端子と他方の給電端子とを判別する工程と、前記蛍光ランプを照明装置に備え付ける工程とを有することを特徴とする。
【0020】
本発明に係る画像表示装置は、前記照明装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る蛍光ランプは、略コの字または略U字形状の蛍光ランプにおいて、マーキングを施すことなく、一端部と他端部とを判別しやすくすることができる。
【0022】
また、本発明に係る照明装置、照明装置の製造方法および画像表示装置は、略コの字または略U字形状の蛍光ランプを備える場合に、輝度むらを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの正面図
【図2】同じく蛍光ランプの管軸を含む断面図
【図3】(a)同じく蛍光ランプの要部拡大側面図、(b)同じく蛍光ランプの要部拡大正面図、(c)一方の給電端子の接続前の蛍光ランプの要部拡大側面図、(d)同じく蛍光ランプの要部拡大正面図
【図4】(a)一方の給電端子と他方の給電端子との周回方向の向きが15[°]異なる場合の蛍光ランプの要部拡大側面図、(b)同じく蛍光ランプの要部拡大正面図、(c)一方の給電端子と他方の給電端子との周回方向の向きが45[°]異なる場合の蛍光ランプの要部拡大側面図、(d)同じく蛍光ランプの要部拡大正面図
【図5】本発明の第2の実施形態に係る照明装置の一部切欠正面図
【図6】本発明の第3の実施形態に係る画像表示装置の斜視図
【図7】(a)本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例1の要部拡大正面図、(b)同じく蛍光ランプの変形例2の要部拡大正面図
【図8】(a)同じく蛍光ランプの変形例3の要部拡大正面図、(b)同じく蛍光ランプの変形例4の要部拡大側面図(c)同じく蛍光ランプの変形例4の要部拡大正面図
【図9】(a)同じく蛍光ランプの変形例5の要部拡大正面図、(b)同じく蛍光ランプの変形例6の要部拡大正面図
【図10】(a)給電端子の変形例1の要部拡大正面図、(b)給電端子の変形例2の要部拡大正面図、(c)給電端子の変形例3の要部拡大正面図
【図11】従来の照明装置の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの正面図を図1に、管軸X100を含む断面図を図2にそれぞれ示す。本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプ(以下、「ランプ100」という。)は、内面に蛍光体層101が形成され、略コの字または略U字形状のバルブ102と、バルブ102の両端部の内部に設けられた電極103、104と、一端部が電極103、104に接続されかつ他端部がバルブ102の外部に導出したリード線105、106と、リード線105、106に接続された給電端子107、108とを有する。
【0025】
バルブ102は、例えばタングステン線封着用のホウ珪酸ガラス製で、その管軸が略コの字形状であって、管軸に対して垂直に切った断面が略円環形状である。具体的には、例えば外径が4[mm]、内径が3[mm]、全長が1500[mm]である。なお、バルブ102は、その管軸が略コの字形状のものに限られず、例えばその管軸が略U字形状のものでもよい。
【0026】
バルブ102の内部には、例えば3[mg]の水銀が封入され、またアルゴンやネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば40[Torr]で封入されている。なお、希ガスとしては、例えばアルゴンとネオンとの混合ガスがAr=10[mol%]、Ne=90[mol%]の比率で用いられる。
【0027】
また、バルブ102の内面に形成されている蛍光体層101は、例えば赤色蛍光体(Y23:Eu3+)、緑色蛍光体(LaPO4:Ce3+,Tb3+)および青色蛍光体(BaMg2Al1627:Eu2+)からなる希土類蛍光体で形成されている。また、バルブ102の内面と蛍光体層101との間には、例えば酸化イットリウム(Y23)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)等の金属酸化物の保護膜(図示せず)が設けられていてもよい。
【0028】
電極103、104は、例えば有底筒状であって、内径が2.3[mm]、外径が2.7[mm]、底部の肉厚が0.2[mm]、全長が10[mm]であって、ニッケル(Ni)製である。電極103、104の材料は、ニッケルに限らず、ニッケル、ニオビウム(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)およびタングステン(W)のいずれか1種以上等を用いることができる。なお、電極103、104の材料がニッケルとニオビウムとの合金の場合には、安価でかつ耐スパッタ性を向上させることができる。
【0029】
電極103、104は、その外側底面の略中央部においてリード線105、106の一端面と接続されている。なお、電極103、104とリード線105、106とは、直接的に接続されていてもよいが、コバール製やニッケル製のろう材を介して間接的に接続されていてもよい。
【0030】
リード線105、106は、例えば、電極103、104の外側底面と一端面が接続され、側面の一部においてバルブ102に封着される内部リード線105a、106aと、内部リード線105a、106aの他端部と一端部とが接続される外部リード線105b、106bとの継線からなる。
【0031】
内部リード線105a、106aは、例えば線径が0.8[mm]であって、タングステン製である。なお、内部リード線105a、106aは、バルブ102やビード109、110の材料として用いるガラスの熱膨張係数に併せた材料を用いることが好ましい。例えば、バルブ102がコバール線封着用のホウ珪酸ガラスの場合、鉄とニッケルとコバルトとの合金(コバール)を用いることが好ましい。また、バルブ102が鉛フリーガラスやソーダガラス等の軟質ガラスの場合、鉄とニッケルとの合金等を用いることが好ましい。
【0032】
外部リード線105b、106bは、例えば線径が0.6[mm]であって、ニッケル製である。なお、外部リード線105b、106bの材料は、ニッケルに限らず、例えばニッケルとマンガンの合金またはジュメット線でもよい。
【0033】
リード線105、106(ランプ100の場合、内部リード線105a、106a)は、ビード109、110を介してバルブ102に封着されている。
【0034】
ビード109、110は、略球形状であって、その略中心軸に沿って内部リード線105a、106aを封着しており、例えばタングステン線封着用のホウ珪酸ガラス製である。なお、ビード109、110は、封着性の観点から、バルブ102と同一の材料、またはバルブ102と熱膨張係数が同一または近似する材料からなることが好ましい。なお、図1では、内部リード線105a、106aは、ビード109、110を介してバルブ102に封着されているが、ピンチシール法等によりバルブ102に直接封着されていてもよい。
【0035】
給電端子107、108は、バルブ102の端部を覆う本体部107a、108aと、本体部107a、108aから延伸し、リード線105、106(ランプ100の場合、外部リード線105b、106b)に接続される接続部107b、108bとを有する。給電端子107、108は、導電性であって、一枚の金属板を加工して、本体部107a、108aおよび接続部107b、108bが一体的に形成されている。給電端子107、108は、例えば、鉄とニッケルとの合金製である。給電端子107,108の材料は、鉄とニッケルとの合金に限らず、例えばステンレス等の鉄合金、リン青銅、黄銅または洋白等の銅合金等を用いることができる。なお、本体部107a、108aと接続部107b、108bとが別の材料により形成されていてもよい。
【0036】
本体部107a、108aは、略円筒形状である。
【0037】
本体部107a、108aの側面には径方向内側に突出して、バルブ102を支持する支持部107c、108cが形成されている。これにより、本体部107a、108aの支持部107c、108cを除く部分がバルブ102と接触することを抑制し、バルブ102と本体部107a、108aとの接触面積を小さくすることで、ランプ100の点灯時に、電極103、104で発生した熱が給電端子107、108を通じて放熱されすぎるのを抑制することができ、電極103、104の周囲の温度が低下することによって電極103、104の周囲の水銀濃度が薄くなり、ランプ100が点灯しにくくなるのを抑制することができる。
【0038】
ランプ100の場合、本体部107a、108aの側面の一部を切り欠いて、給電端子107、108の長手方向の接続部107b、108b側から、接続部107b、108bとは反対側に向かって延出する支持部107c、108cが形成されている。
【0039】
さらに、支持部107c、108cは、その先端部近傍において、バルブ102とは反対側に折り曲げられていることが好ましい。支持部107c、108cは、給電端子107、108の長手方向の接続部107b、108b側から、接続部107b、108bとは反対側に向かって延出しているため、支持部107c、108cがバルブ102とは反対側に折り曲げられていることで、バルブ102を本体部107a、108aに挿入する際、支持部107c、108cの先端部がバルブ102の径方向外側に開きやすく、バルブ102を挿入しやすくすることができる。
【0040】
なお、支持部107c、108cは、本体部107a、108aの側面において周方向略等間隔に3つ以上形成されていることが好ましい。この場合、バルブ102をより安定して支持することができる。
【0041】
支持部107c、108cと本体部107a、108aの支持部107c、108c以外の部分との間には、隙間が設けられていることが好ましい。この場合、給電端子107、108の取付け等の際、支持部107c、108cが本体部107a、108aに引っ掛かることを防止することができる。具体的には、図1に示すように、支持部107c、108cの延出方向に沿う隙間S1は、0.1[mm]以上であることが好ましい。さらにより好ましくは、隙間S1は、0.2[mm]以上1.0[mm]以下の範囲内である。また、本体部107a、108aの延出方向端部側の隙間S2は、0.2[mm]以上であることがより好ましい。さらにより好ましくは、隙間S2は、0.3[mm]以上1.0[mm]以下の範囲内である。
【0042】
さらに、本体部107a、108aの側面において、支持部107c、108cとは給電端子107、108の長手方向反対側の向きに補助支持部材107d、108dが形成されていてもよい。この場合、本体部107a、108aのバルブ102に対する傾きを抑制することができ、バルブ102への負荷を低減することができる。
【0043】
なお、本体部107a、108aの内面とバルブ102の外面との間の空隙S3は、0.1[mm]以上であることが好ましい。この場合、本体部107a、108aにバルブ102を挿入しやすくすることができる。さらには、空隙S3は、0.1[mm]以上0.5[mm]以下の範囲内であることがより好ましい。さらにより好ましくは、空隙S3は、0.1[mm]以上0.3[mm]以下の範囲内である。
【0044】
接続部107b、108bは、本体部107a、108aから延伸し、リード線105、106(ランプ100の場合、外部リード線105b、106b)に接続される。具体的には、接続部107b、108bは、外部リード線105b、106bに接続される接触部107e、108eと、一端部が接触部107e、108eに接続され、他端部が本体部107a、108aに接続された連結部107f、108fとを有する。
【0045】
接触部107e、108eは、例えば、筒状であって、その内部に外部リード線105b、106bを通した後に、抵抗溶接やレーザー溶接等の溶接により、接続を安定させる。なお、接触部107e、108eと外部リード線105b、106bとの接続は、溶接に限らず、かしめや半田付け等を用いてもよい。
【0046】
連結部107f、108fは、接触部107e、108eと本体部107a、108aとを接続している。なお、連結部107f、108fの延出方向に対して略垂直に切った断面積は、外部リード105b、106bの線軸方向に対して略垂直に切った断面積よりも小さいことが好ましい。この場合、電極103、104で発生した熱が、外部リード線105b、106bから連結部107f、108fを介して本体部107a、108aに放熱されすぎるのを防止することができる。
【0047】
図1に示すように、バルブ102の管軸を含む平面に対して略垂直な向きから見た場合に、一方の給電端子107と他方の給電端子108とが判別可能である。
【0048】
図1に示すランプ100の場合、一方の給電端子107と他方の給電端子108との周回方向の向きが異なる。この場合、バルブ102の管軸を含む平面に対して略垂直な向きから見たときに、一方の給電端子107と他方の給電端子108との見かけの形状が異なることで、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することができる。
【0049】
ランプ100の要部拡大側面図を図3(a)に、要部拡大正面図を図3(b)にそれぞれ示す。図3(a)に示すように、ランプ100の一方の給電端子107と他方の給電端子108とは周回方向の向きが略90[°]異なる。これにより、バルブ102の管軸を含む平面に対して略垂直な向きから見た場合に、一方の給電端子107と他方の給電端子108とが判別可能となる。なお、周回方向の向きは、例えば図3(a)に示すように、給電端子107、108の連結部107f、108fと外部リード線105b、106bとを含む線の角度によって求められる。すなわち、一方の給電端子107の連結部107fと外部リード線105bとを含む線(破線)と、他方の給電端子108の連結部108fと外部リード線106bとを含む線(一点鎖線)との角度の差Rにより求められる。
【0050】
図3(b)に示すように、バルブ102の管軸を含む平面に対して略垂直な向きから見た場合に、一方の給電端子107は、その連結部107fが外部リード線105bと重なり合って見えないが、他方の給電端子108は、その連結部108fが外部リード線106bと重なり合っていない部分が見える。この違いにより、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することができる。
【0051】
また、一方の給電端子107と他方の給電端子108のそれぞれの接触部107e、108eの見かけ上の大きさが異なることで、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することができる。この場合、一方の給電端子107と他方の給電端子108のそれぞれの接触部107e、108eと外部リード線105b、106bとの接続の際、給電端子107、108の周回方向の向きに合わせて、抵抗溶接やかしめの挟む方向を異ならせることが好ましい。
【0052】
一方の給電端子107の接続前のランプ端部の要部拡大側面図を図3(c)に、同じく要部拡大正面図を図3(d)にそれぞれ示す。図3(c)および(d)に示すように、外部リード線105bと接続される前の接触部107eは、略円筒形状であって、外部リード線105bをその空洞部に挿入した状態で、その外側側面の対向する位置から挟み込むことで、外部リード線105bと接続される。この際、接触部107eは、挟み込まれる方向に対して略垂直な方向に引き伸ばされるように押しつぶされる。これにより、バルブ102の管軸を含む面に対して略垂直な向きから見た場合に、給電端子107が周回方向に回転するに伴い、接触部107eの見かけ上の形状(大きさ)を変化させることができる。
【0053】
一方の給電端子107と他方の給電端子108との周回方向の向きが15[°]異なる場合(すなわちR=15[°]の場合)のランプ100の要部拡大側面図を図4(a)に、同じく要部拡大正面図を図4(b)にそれぞれ示す。図4(b)に示すように、一方の給電端子107は、その連結部107fが外部リード線105bと重なり合って見えないが、他方の給電端子108は、その連結部108fが外部リード線106bと重なり合っていない部分が見える。この違いにより、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することができる。なお、これは、一方の給電端子107と他方の給電端子108との周回方向の向きが165[°]異なる場合においても、他方の給電端子108の連結部108fと外部リード線105bとの重なりが逆になることを除いては同様である。そして、一方の給電端子107と他方の給電端子108との周回方向の向きが15[°]から大きくなるほど、または165[°]から小さくなるほど他方の給電端子108の連結部108fが外部リード線106bと重なっていない部分が見かけ上大きくなるため、一方の給電端子107と他方の給電端子108とをより判別しやすくなる。すなわち、一方の給電端子107と他方の給電端子108との周回方向の向きは、15[°]以上165[°]以下の範囲内で異なることが好ましい。この場合、給電端子107、108の連結部107f、108fとリード線105、106(ランプ100の場合、外部リード線105b、106b)との重なりかたの違いにより、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別しやすくすることができる。さらに、バルブ102の管軸を含む平面に対して略垂直な向きから見た場合に、一方の給電端子107の連結部107fと外部リード線105bとが重なりあっていない場合を考慮すると、一方の給電端子107と他方の給電端子108との周回方向の向きは、30[°]以上150[°]以下の範囲内で異なることが好ましい。この場合、バルブ102の管軸を含む平面に対して略垂直な向きから見た場合に、一方の給電端子107と他方の給電端子108の連結部107f、108fが共に外部リード線105b、106bと重なり合っていなくても、連結部107f、108fの見かけ上の形状(大きさ)を検出して、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別しやすくすることができる。
【0054】
一方の給電端子107と他方の給電端子108との周回方向の向きが45[°]異なる場合(すなわちR=45[°]の場合)のランプ100の要部拡大側面図を図4(c)に、同じく要部拡大正面図を図4(d)にそれぞれ示す。図4(c)および(d)に示すように、一方の給電端子107の接触部107eよりも他方の給電端子108の接触部108eの方が見かけ上の大きさが大きくなっている。この違いにより、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することができる。なお、これは、一方の給電端子107と他方の給電端子108との周回方向の向きが135[°]異なる場合においても、同様である。そして、一方の給電端子107と他方の給電端子108との周回方向の向きが45[°]から大きくなるほど、または135[°]から小さくなるほど他方の給電端子108の接触部108eの見かけ上の大きさが大きくなるため、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別しやすくなる。すなわち、一方の給電端子107と他方の給電端子108との周回方向の向きは、45[°]以上135[°]以下の範囲内で異なることがより好ましい。この場合、一方の給電端子107と他方の給電端子108の接触部107e、108eの見かけ上の大きさの違いにより、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別しやすくすることができる。
【0055】
上記のとおり、本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプ100の構成によれば、略コの字または略U字形状の蛍光ランプ100において、マーキングを施すことなく、一端部と他端部とを判別しやすくすることができる。
【0056】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る照明装置の一部切欠正面図を図5に示す。本発明の第2の実施形態に係る照明装置(以下、「照明装置200」という。)は直下方式のバックライトユニットであって、一つの面が開口した直方体状の筐体201と、この筐体201の内部に収納された複数のランプ100と、ランプ100を点灯回路(図示せず)に電気的に接続するためのソケット202と、筐体201の開口部を覆う光学シート類203とを備える。ランプ100は、本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプ100である。
【0057】
筐体201は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面に銀などの金属が蒸着されて反射面204が形成されている。なお、筐体201の材料としては、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウムや冷間圧延材(例えばSPCC)等の金属材料により構成してもよい。また、内面の反射面204として金属蒸着膜以外、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に炭酸カルシウム、二酸化チタン等を添加することにより反射率を高めた反射シートを筐体201に貼付したものを用いてもよい。
【0058】
筐体201の内部には、ソケット202が配置されている。具体的には、ソケット202は、ランプ200の配置に対応して筐体201の短手方向(縦方向)に各々所定間隔を空けて設けられている。ソケット202は、給電端子107、108と電気的に接続するための電気接続部202aと、給電端子107、108と電気接続部202aとの接触部付近を周囲から絶縁するための絶縁部202bとを有する。
【0059】
電気接続部202aは、例えばステンレスやりん青銅からなる板材を加工したものであって、給電端子107、108を嵌め込むことが可能なように略U字形状となっている。そして、給電端子107、108を、電気接続部202aを押し拡げるように弾性変形させて嵌め込む。その結果、電気接続部202aに嵌め込まれた給電端子107、108は、電気接続部202aの復元力によって押圧され、外れにくくなる。これにより、給電端子107、108を電気接続部202aへ容易に嵌め込むことができつつ、外れにくくすることができる。なお、電気接続部202aは、給電リード線(図示せず)等を介して点灯回路(図示せず)に接続されている。なお、電気接続部202aは、略U字形状のものに限らず、例えば、キャップ状、コイル状のもの等であってもよい。
【0060】
絶縁部202bは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製であって、給電端子107、108と電気接続部202aとを囲むように設けられている。なお、絶縁部202bは、上記の構成に限定されない。電気接続部202aはランプ100の動作中に比較的高温となる電極103、104の近傍にあることから絶縁部202bは耐熱性のある材料で構成することが好ましい。耐熱性のある絶縁部202bの材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂やシリコンゴム等を適用することができる。
【0061】
筐体201の内部には、必要に応じた場所にランプホルダ205が設けられていてもよい。筐体201内側でのランプ100の位置を固定するランプホルダ205は、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂であり、ランプ100の外面形状に沿うような形状を有している。「必要に応じた場所」とは、ランプ100の長手方向の中央部付近のように、ランプ100が例えば全長600[mm]を越えるような長尺のものである場合に、ランプ100のたわみを解消するために必要な場所である。なお、照明装置200においては、ランプ100の屈曲部付近を支えるためにランプホルダ205が設けられている。
【0062】
筐体201の開口部は、透光性の光学シート類203で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。光学シート類203は、拡散板206、拡散シート207およびレンズシート208を積層してなる。
【0063】
拡散板206は、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂製の板状体であって、筐体201の開口部を塞ぐように配置されている。拡散シート207は、例えばポリエステル樹脂製である。レンズシート208は、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂の貼り合わせである。これらの光学シート類203は、それぞれ拡散板206に順次重ね合わせるようにして配置されている。
【0064】
次に、照明装置200の製造方法を以下に説明する。
【0065】
照明装置200の製造方法は、ランプ100の一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別する工程(判別工程)と、ランプ100を照明装置200の内部に備え付ける工程(備付工程)とを有する。
1.判別工程
まず、包装箱や台等に載置されたランプ100の一方の給電端子107と他方の給電端子108とを見て、その見かけ上の形状の違い等により、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別する。
【0066】
判別された一方の給電端子と他方の給電端子の向きに対応して、ランプ100を回転させることによりランプ100の向き合わせを行う。
【0067】
なお、判別工程は、センサ等を用いて行ってもよい。センサは、例えば光学式センサの一種である画像センサであり、例えば外部リード線105b、106bと給電端子107、108の接続部107b、108bとの重なりの有無等を検出することにより一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することができる。
2.備付工程
次に、ランプ100を照明装置200の内部に備え付ける。
【0068】
図5に示すように、ソケット202の電気接続部202aに給電端子107、108をそれぞれ嵌め込む。これにより、ランプ100が照明装置200に電気的に接続される。なお、照明装置200にランプホルダ205が設けられている場合には、ランプホルダ205にバルブ102を嵌め込む。
【0069】
図5に示すように、一方の給電端子107と他方の給電端子108とが交互となるようにランプ100を照明装置200に備え付けることで、蛍光体層101の厚い部分と薄い部分とが交互となるようになり、照明装置200の輝度むらを抑制することができる。
【0070】
なお、照明装置200の大きさ、ランプ100の本数、ランプ100間の間隔等によって、ランプ100の挿入する方向および位置は、適宜変更し得る。
【0071】
以上の工程を経ることにより、照明装置200が完成される。
【0072】
上記のとおり、本発明の第2の実施形態に係る照明装置200の構成によれば、輝度むらを抑制することができる。
【0073】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る画像表示装置の概要を図6に示す。図6に示すように画像表示装置300は、例えば32[inch]液晶テレビ(液晶表示装置)であり、液晶パネル等を含む液晶画面ユニット301と本発明の第2の実施形態に係る照明装置200と点灯回路302とを備える。
【0074】
液晶画面ユニット301は、公知のものであって、液晶パネル(カラーフィルター基板、液晶、TFT基板等)(図示せず)、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
【0075】
点灯回路302は、照明装置200内部のランプ100を点灯させる。そして、ランプ100は、点灯周波数40[kHz]〜100[kHz]、ランプ電流3.0[mA]〜25[mA]で動作される。
【0076】
上記のとおり、本発明の第3の実施形態に係る画像表示装置300の構成によれば、輝度むらを抑制することができる。
【0077】
(変形例)
以上、本発明を上記した各実施形態に示した具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施形態に示した具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
1.蛍光ランプの変形例
1−1.変形例1
本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例1の正面図を図7(a)に示す。本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例1(以下、「ランプ111」という。)は、他方の給電端子108の構成が異なる点を除いて、ランプ100と実質的に同じ構成を有するものである。よって、他方の給電端子108について詳細に説明し、その他の点については、説明を省略する。
【0078】
ランプ111は、給電端子107、108の長手方向において、一方の給電端子107と他方の給電端子108との位置が異なる。
【0079】
図7(a)に示すように、給電端子107、108の長手方向において、一方の給電端子107と他方の給電端子108のそれぞれの本体部107a、108aにおけるランプ111中央部側の端の位置の違いP1を検出することにより、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することができる。また、一方の給電端子107と他方の給電端子108のそれぞれの接触部107e、108eの先端の位置の違いP2を検出することによっても一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することができる。さらに、一方の給電端子107と他方の給電端子107の支持部107c、108cや補助支持部107d、108dの位置の違いを検出することによって、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することもできる。
【0080】
ランプ111は、他方の給電端子108が一方の給電端子107よりも外部リード線の先端部側にあるため、他方の給電端子108に接続される外部リード線106bが一方の給電端子107に接続される外部リード線105bよりも長い。なお、他方の給電端子108に接続される外部リード線106bは、一方の給電端子107に接続される外部リード線105bと略同じ長さであってもよい。
【0081】
なお、P1およびP2は、1[mm]以上5[mm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、一方の給電端子107と他方の給電端子とを判別しやすく、他方の給電端子108側の外部リード線106bを長くしすぎることによって無効発光長が長くなるのを抑制することができる。より好ましくは、P1およびP2は、2[mm]以上4[mm]以下の範囲内である。
1−2.変形例2
本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例2の正面図を図7(b)に示す。本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例2(以下、「ランプ112」という。)は、給電端子107、108の長手方向における他方の給電端子108の位置が異なる点を除いては、ランプ111と実質的に同じ構成を有する。よって、給電端子107、108の長手方向における他方の給電端子108の位置について詳細に説明し、その他の点については、説明を省略する。
【0082】
ランプ112は、バルブ102の管軸に対して略垂直な方向から見た場合、一方の給電端子107側のバルブ102の端部は、一方の給電端子107の本体部107aに隠れて見えないが、他方の給電端子108側のバルブ102の端部は、他方の給電端子108の本体部108aよりも外部リード線106bの先端部側にあるために見える。よって、給電端子107、108の本体部107a、108aより外部リード線105b、106b側において、バルブ102の端部が見えるか否かにより、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することができる。なお、他方の給電端子108側のバルブ102の端から他方の給電端子108の本体部108aの外部リード線106b側の端までの長さP3は、1[mm]以上5[mm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別しやすく、他方の給電端子108の接触部108eがバルブ102の端部に近づきすぎて、外部リード線106bとの接続の際、バルブ102が熱衝撃等により損傷するのを防止することができる。より好ましくは、P3は、2[mm]以上4[mm]以下の範囲内である。
【0083】
なお、バルブ102の管軸に対して略垂直な方向から見た場合、一方の給電端子107に接続される外部リード線105bの見かけ上の長さP4と他方の給電端子108に接続される外部リード線106bの見かけ上の長さP5の違いにより、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することもできる。P4とP5との差は、1[mm]以上5[mm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別しやすく、他方の給電端子108側の外部リード線106bを長くしすぎることによって無効発光長が長くなるのを抑制することができる。より好ましくは、P4とP5との差は、2[mm]以上4[mm]以下の範囲内である。
【0084】
なお、P5は、1[mm]以上7[mm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別しやすく、他方の給電端子108の接触部108eがバルブ102の端部に近づきすぎて、外部リード線106bとの接続の際、バルブ102が熱衝撃等により損傷するのを防止することができる。より好ましくは、P5は、3[mm]以上5[mm]以下の範囲内である。
1−3.変形例3
本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例3の要部拡大正面図を図8(a)に示す。本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例3(以下、「ランプ113」という。)は、給電端子107、108の長手方向における他方の給電端子108の位置が異なる点を除いては、ランプ111と実質的に同じ構成を有する。よって、給電端子107、108の長手方向における他方の給電端子108の位置について詳細に説明し、その他の点については、説明を省略する。
【0085】
ランプ113は、給電端子107、108の長手方向において、一方の給電端子107と他方の給電端子108の位置が略同じで、他方の給電端子108に接続される外部リード線106bが、一方の給電端子107に接続される外部リード線105bよりも長い。具体的には、一方の給電端子107に接続される外部リード線105bの先端が一方の給電端子107の接触部107eの先端と略同じ位置にあるのに対して、他方の給電端子108に接続される外部リード線106bの先端が他方の給電端子108の接触部108eから突出した位置にある。よって、外部リード線105b、106bの長さの違いを検出することによって、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することができる。
【0086】
なお、他方の給電端子108に接続される外部リード線106bが他方の給電端子108の接触部108eから突出している部分の長さP6は、1[mm]以上4[mm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別しやすく、他方の給電端子108側の外部リード線106bを長くし過ぎることによって無効発光長が長くなるのを抑制することができる。より好ましくは、P6は、2[mm]以上3[mm]以下の範囲内である。
1−4.変形例4
本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例4の要部拡大正面図を図8(b)に示す。本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例4(以下、「ランプ114」という。)は、他方の給電端子108に接続される外部リード線106bと他方の給電端子108の接触部108eの構成が異なる点を除いては、ランプ113と実質的に同じ構成を有する。よって、他方の給電端子108に接続される外部リード線106bと他方の給電端子108の接触部108eについて詳細に説明し、その他の点については、説明を省略する。
【0087】
ランプ114は、一方の給電端子107と他方の給電端子108の接触部107e、108eの形状が異なる。具体的には、一方の給電端子107と他方の給電端子108とで、接触部107e、108eのかしめられる方向が異なる。これにより、例えば、図8(b)に示すように、一方の給電端子107の接触部107eは、バルブ102の管軸を含む平面に対して略垂直な方向の長さが略平行な方向の長さよりも長く、他方の給電端子108の接触部108eは、バルブ102の管軸を含む平面に対して略垂直な方向の長さが略平行な方向の長さよりも短いため、バルブ102の管軸に対して略垂直な方向から見た場合、一方の給電端子107の接触部107eの幅P7と、他方の給電端子108の接触部108eの幅P8とが異なる。
【0088】
なお、P7とP8との差は、0.5[mm]以上3[mm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別しやすく、接触部107e、108eの成形時に負荷がかかり難くすることができる。より好ましくは、P7とP8との差は、1[mm]以上3[mm]以下の範囲内である。
1−5.変形例5
本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例5の要部拡大正面図を図9(a)に示す。本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例5(以下、「ランプ115」という。)は、他方の給電端子108の接触部108eの構成が異なる点を除いて、ランプ114と実質的に同じ構成を有する。よって、他方の給電端子108の接触部108eについて詳細に説明し、その他の点については、説明を省略する。
【0089】
ランプ115は、一方の給電端子107と他方の給電端子108の接触部107e、108eの溶接方法が異なる。これにより、一方の給電端子107と他方の給電端子108の接触部107e、108eの形状が異なり、この違いを検出することにより、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することができる。
【0090】
具体的には、一方の給電端子107は、抵抗溶接により外部リード線105bと接続されている。この場合、完全に溶けることなく、かしめによって、つぶれたような形状になっている、一方、他方の給電端子108の接触部108eは、レーザー溶接により外部リード線106bに接続されている。この場合、他方の給電端子108の接触部108eは、完全に溶けてしまい、原型をとどめずに略球形状となっている。
【0091】
なお、一方の給電端子107と他方の給電端子108の接触部107e、108eの接続方法は、抵抗溶接とレーザー溶接とに限られず、例えば、かしめと半田付け等のように種々の方法を選択することが可能である。
1−6.変形例6
本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例6の要部拡大正面図を図9(b)に示す。本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例6(以下、「ランプ116」という。)は、給電端子107、108と蛍光体層101の構成が異なる点を除いては、ランプ115と実質的に同じ構成を有する。よって、給電端子107、108と蛍光体層101の構成について詳細に説明し、その他の点については、説明を省略する。
【0092】
ランプ116は、本体部107a、108aにスリットが設けられ、一方の給電端子107と他方の給電端子108のスリットを介して見える蛍光体層101の端の位置が異なる。ランプ116の場合、スリットとは、例えば、支持部107c、108cと本体部107a、108aの支持部107c、108c以外の部分との間であって、支持部107c、108cの延出方向に沿う隙間S1である。この場合、一方の給電端子107と他方の給電端子108の隙間S1を介して見える蛍光体層101の端の位置が異なることで、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することができる。
【0093】
なお、一方の給電端子107と他方の給電端子108のスリットを介して見える蛍光体層101の端の位置の差P9は、1[mm]以上6[mm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別しやすく、他方の給電端子107、108を長くしすぎることによって無効発光長が長くなるのを抑制することができる。さらに、より好ましくは、P9は、2[mm]以上6[mm]以下の範囲内である。
【0094】
なお、スリットを介して見える蛍光体層の端の位置で一方の給電端子と他方の給電端子とを判別する場合、隙間S1は、0.5[mm]以上3[mm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを識別しやすく、給電端子107,108の強度を維持することができる。より好ましくは、隙間S1は、2[mm]以上3[mm]以下の範囲内である。
【0095】
さらに、スリットは、例えば、補助支持部材107d、108dと本体部107a、108aの補助支持部材107d、108d以外の部分との間であって、補助支持部材107d、108dの延出方向に沿う隙間S4であってもよい。
【0096】
さらに、一方の給電端子107のスリットを介して見える位置に蛍光体層101の一端があり、他方の給電端子108のスリットを介して見える位置に蛍光体層101の他端がないという構成であってもよい。この場合、給電端子107、108のスリットを介して見える蛍光体層101の端の有無により、一方の給電端子107と他方の給電端子108とを判別することができる。
2.給電端子の変形例
給電端子は、給電端子107、108に限らず、種々の構成のものを用いることができる。
2−1.変形例1
給電端子の変形例1の要部拡大正面図を図10(a)に示す。給電端子の変形例1(以下、「給電端子117」という。)は、筒状の本体部117aと、本体部117aから延伸した接続部117bとを有し、本体部117aの側面には、スリット117cにより弾性片が形成されている。給電端子117は、本体部117aに形成される弾性片によって、バルブ102を支持することができる。
【0097】
なお、スリット117cは、本体部117aの周方向に略等間隔に3つ以上形成されていることが好ましい。この場合、本体部117aの弾性片によるバルブ102の支持を安定化しやすくすることができる。
【0098】
なお、本体部117aは、接続部117b側とは反対側の端部に本体部117aの他の部分よりも縮径した部分を有することが好ましい。この場合、その縮径した部分において、バルブ102の外面と接触することで、本体部117aの弾性片によるバルブ102の支持を安定化しやすくすることができる。
【0099】
給電端子117は、本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプおよびその変形例1〜6に適用することができる。特に、本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例1〜6を適用する場合に、一方の給電端子と他方の給電端子とを判別しやすくすることができる。
2−2.変形例2
給電端子の変形例2の要部拡大正面図を図10(b)に示す。給電端子の変形例2(以下、「給電端子118」という。)は、本体部118aの構成を除いては、給電端子117と実質的に同じ構成を有する。よって、本体部118aについて詳細に説明し、その他の点については、説明を省略する。
【0100】
給電端子118は、本体部118aの接続部118b側とは反対側の端部に、バルブ102の側に突出した支持部118dを有する。給電端子118は、この支持部118dがバルブの外面に接触することにより、本体部118aによるバルブ102の支持を安定化させることができる。
【0101】
給電端子118は、本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプおよびその変形例1〜6に適用することができる。特に、本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例1〜6を適用する場合に、一方の給電端子と他方の給電端子とを判別しやすくすることができる。
2−3.変形例3
給電端子の変形例3の要部拡大正面図を図10(c)に示す。給電端子の変形例3(以下、「給電端子119」という。)は、本体部および接続部がコイルにより形成されている。この場合、本体部119aをバルブ102の外径に合わせて縮径または拡径することができ、本体部119aによるバルブ102の支持を安定化させることができる。
【0102】
さらに、接続部119bは、外部リード線105bに接続される接触部119cと、接触部119cと本体部119aとを接続する連結部119dとを有する。なお、連結部119dは、本体部119aおよび接触部119cよりもコイルが粗く巻装されていることが好ましい。この場合、給電端子119を照明装置のソケットに装着させる際等に、本体部119aから接続部119bを介して外部リード線105bに伝わる負荷を連結部119dが緩衝材の役割を果たして緩和することができる。
【0103】
給電端子119は、本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプおよびその変形例1〜6に適用することができる。特に、本発明の第1の実施形態に係る蛍光ランプの変形例1〜6を適用する場合に、一方の給電端子と他方の給電端子とを判別しやすくすることができる。なお、変形例6を適用する場合には、給電端子119の本体部119aのコイルのピッチ間に形成される隙間をスリットとすることができる。コイルのピッチ間は、1[mm]以上5[mm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、コイルのピッチ間に形成される隙間から見える蛍光体層の端の位置によって、一方の給電端子と他方の給電端子とを判別しやすくすることができる。より好ましくは、2[mm]以上4[mm]以下の範囲内である。
3.一方の給電端子および他方の給電端子
本発明の第1の実施形態および各変形例において、一方の給電端子と他方の給電端子とを逆の構成としても、上述した作用効果は、同様に有するものである。
4.電子放射性物質
電極103、104の表面には、電子放射性物質層(図示せず)が形成されていてもよい。この場合、電子放射性物質層が設けられていないランプに比べてランプ電圧を下げることができる。具体的には、電子放射性物質層は、例えば電極103、104の内面に形成されている。電子放射性物質層は、例えば希土類元素を含む。冷陰極蛍光ランプにおいて、ランプ電圧を下げるのに効果的なためである。さらに、希土類元素は、ランタン(La)およびイットリウム(Y)のうちいずれか1種以上であることがより好ましい。
【0104】
電子放射性物質層は、さらに珪素(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、硼素(B)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、リン(P)および錫(Sn)のうちいずれか1種以上を含むことが好ましい。この場合、ランプ電圧の低減効果をより持続させることができる。
【0105】
さらに、電子放射性物質層に、セシウム(Cs)化合物が含まれていてもよい。この場合、ランプの暗黒始動特性をさらに向上させることができる。また、電子放射性物質層として、電極103、104の内面や外面にセシウム化合物を付着させてもよいし、電子放射性物質層とは別に、電極103、104の内面や外面にセシウム化合物を付着させてもよい。なお、セシウム化合物は、例えば、硫酸セシウム、アルミン酸セシウム、ニオブ酸セシウム、タングステン酸セシウム、モリブデン酸セシウムおよび塩化セシウムのうちいずれか1種以上を用いることが好ましい。また、セシウム化合物は、電極103、104の外側側面に付着されていることがより好ましい。この場合、冷陰極蛍光ランプの製造工程において、セシウム化合物を適度に活性化させやすくすることができる。さらには、電極103、104の外側側面におけるランプ中央部側の先端部に付着されていることがさらにより好ましい。
5.ガラスバルブ
(1)バルブ102の熱膨張係数は、3.0×10-6[K-1]以上10.0×10-6[K-1]以下の範囲内のものを用いることができる。特に、バルブ102の熱膨張係数は、8.0×10-6[K-1]以上10.0×10-6[K-1]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、ガラスの強度が弱くなるため、本発明の作用効果を特に発揮できる。
【0106】
(2)紫外線吸収
バルブ102の材料であるガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。具体的には、例えば酸化チタン(TiO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0107】
また、酸化セリウム(CeO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
【0108】
また、酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率20[mol%]より多くドープした場合、ガラスが失透してしまうおそれがあるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上20[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0109】
また、酸化鉄(Fe23)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0110】
(3)赤外線透過係数
バルブ102の材料であるガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、長尺の冷陰極蛍光ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
【0111】
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
【0112】
[数1]X=(log(a/b))/t
a:3840[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
(4)鉛フリーガラス
バルブ102に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt]%、Al23が1[wt%]〜5[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜12[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極放電ランプを提供することができる。さらには、バルブ102に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt]%、Al23が1[wt%]〜5[wt%]、B23が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが0[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜11[wt%]、Na2Oが3[wt%]〜12[wt%]、CaOが0[wt%]〜9[wt%]、MgOが0[wt%]〜9[wt%]、SrOが0[wt%]〜12[wt%]、BaOが0[wt%]〜12[wt%]の組成を有していることがより好ましい。
【0113】
また、バルブ102に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が60[wt%]〜75[wt]%、Al23が1[wt%]〜5[wt%]、Li2Oが0.5[wt%]〜5[wt%]、K2Oが3[wt%]〜7[wt%]、Na2Oが5[wt%]〜12[wt%]、CaOが1[wt%]〜7[wt%]、MgOが1[wt%]〜7[wt%]、SrOが0[wt%]〜5[wt%]、BaOが7[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、ランプへの加工を行いやすく、かつ鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極蛍光ランプを提供することができる。
【0114】
さらに、バルブ102に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が65[wt%]〜75[wt]%、Al23が1[wt%]〜5[wt%]、B23が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが0.5[wt%]〜5[wt%]、 K2Oが3[wt%]〜7[wt%]、Na2Oが5[wt%]〜12[wt%]、 CaOが2[wt%]〜7[wt%]、MgOが2.1[wt%]〜7[wt%]、SrOが0[wt%]〜0.9[wt%]、BaOが7.1[wt%]〜12[wt%]の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、照明用途に適した電気絶縁性を有し、かつ、失透を起こりにくくすることができる。さらには、バルブ102に用いるガラスは、酸化物換算で、SiO2が65[wt%]〜75[wt]%、Al23が1[wt%]〜3[wt%]、B23が0[wt%]〜3[wt%]、Li2Oが1[wt%]〜3[wt%]、K2Oが3[wt%]〜6[wt%]、Na2Oが7[wt%]〜10[wt%]、 CaOが3[wt%]〜6[wt%]、MgOが3[wt%]〜6[wt%]、SrOが0[wt%]〜0.9[wt%]、BaOが7.1〜10[wt%]の組成を有していることがより好ましい。
【0115】
(5)バルブの形状
バルブ102の管軸に対して略垂直に切った断面は、略円形状のものに限られず、例えばトラック形状や角丸形状のような扁平形状や楕円形状等であってもよい。
6.蛍光体層の蛍光体
(1)紫外線吸収
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313[nm]の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
【0116】
(a)青色
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl1017]又は[Ba1-x-ySrxEuyMg2-zMnzAl1627
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であるであることが好ましい。
【0117】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al1627:Eu2+]、[BaMgAl1017:Eu2+] (略号:BAM−B)や、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al1627:Eu2+]、[(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+](略号:SBAM−B)等がある。
【0118】
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa24:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al1119:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl1119:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl1017]又は[Ba1-x-ySrxEuyMg2-zMnzAl1627
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
【0119】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al1627:Eu2+,Mn2+]、[BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+](略号:BAM−G)や、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al1627:Eu2+,Mn2+]、[(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+,Mn2+](略号:SBAM−G)等がある。
【0120】
(c)赤色
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O4:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[Y22S:Eu3+](略号:YOS)
・マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313[nm]を吸収する。)のみ、緑色にLAP(313[nm]を吸収しない。)とBAM−G(313[nm]を吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313[nm]を吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313[nm]を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラスバルブ外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層101に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
【0121】
ここで、「313[nm]の紫外線を吸収する」とは、254[nm]付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光強度をプロットしたものである。)の強度を100[%]としたときに、313[nm]の励起波長スペクトルの強度が80[%]以上のものと定義する。すなわち、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体とは、313[nm]の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
【0122】
(2)高色再現について
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極蛍光ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
【0123】
このような要請に対して、例えば、以下の蛍光体を用いることで、実施の形態での蛍光体を用いる場合よりも、色度範囲の拡大を図ることができる。具体的には、CIE1931色度図において、高色再現用の当該蛍光体の色度座標値が、実施の形態で使用した3つの蛍光体の色度座標値を結んでできる三角形を含んで色再現範囲を広げる座標に位置する。
【0124】
(a)青色
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(PO46Cl2:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.151、y=0.065
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(PO46Cl2:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313(nm)の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
【0125】
(b)緑色
・BAM−G、色度座標:x=0.139、y=0.574
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.267、y=0.663
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
【0126】
(c)赤色
・YOS、色度座標:x=0.651、y=0.344
・YPV、色度座標:x=0.658、y=0.333
・MFG、色度座標:x=0.711、y=0.287
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YVO、YDSも高色再現用に使用することもできる。
【0127】
また、上記で示した色度座標値は各々の蛍光体の粉体のみで測定した代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、各蛍光体の粉体が示す色度座標値は、上掲した値と若干異なる場合があり得る。参考として上記実施の形態1の各蛍光体の粉体の色度座標値は、YOX(x=0.644、y=0.353)、LAP(x=0.351、y=0.585)、BAM−B(x=0.148、y=0,056)で構成されている。
【0128】
さらに、赤、緑、青の各色を発光させるために用いる蛍光体は各波長につき1種類に限らず、複数種類を組み合わせて用いることとしても良い。
【0129】
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いて蛍光体層101を形成した場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCtriangle)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行なう。
【0130】
例えば、青色としてBAM−B、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例1)NTSC比が92[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例2)NTSC比が100[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYOXを用いると(例3)、NTSC比が95[%]となり、例1及び2に比べて輝度を10[%]向上させることができる。
【0131】
なお、ここでの評価に用いた色度座標値は、ランプ等が組み込まれた液晶表示装置とした状態で測定したものである為、カラーフィルターとの組み合わせにより色再現範囲が上記値より前後する可能性がある。
7.封入ガス
希ガスにクリプトンが含まれていてもよい。この場合、低圧放電ランプが冷陰極蛍光ランプである場合に赤外線放射を抑制することができる。さらには、希ガスにクリプトンが0.5[mol%]以上5[mol%]以下の範囲内で含まれていることが好ましい。この場合、ランプ電圧を大きく変化させることなく、冷陰極蛍光ランプの赤外線放射を抑制することができる。例えば、アルゴンが0[mol%]以上9.5[mol%]以下の範囲内、ネオンが90[mol%]以上95.5[mol%]以下の範囲内、クリプトンが0.5[mol%]以上5[mol%]以下の範囲内である。さらには、希ガスにクリプトンが0.5[mol%]以上3[mol%]以下の範囲内で含まれていることがより好ましい。さらには、希ガスにクリプトンが1[mol%]以上3[mol%]以下の範囲内で含まれていることがより好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、蛍光ランプ、照明装置、照明装置の製造方法および表示装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0133】
100、111、112、113、114、115、116 蛍光ランプ
101 蛍光体層
102 バルブ
103、104 電極
105、106 リード線
107 一方の給電端子
108 他方の給電端子
107a、108a 本体部
107b、108b 接続部
200 照明装置
300 画像表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面に蛍光体層が形成され、略コの字または略U字形状のバルブと、前記バルブの両端部の内部に設けられた電極と、一端部が前記電極に接続されかつ他端部が前記バルブの外部に導出したリード線と、前記リード線に接続された給電端子とを有する蛍光ランプにおいて、
前記バルブの管軸を含む平面に対して略垂直な向きから見た場合に、一方の給電端子と他方の給電端子とが判別可能であることを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項2】
前記一方の給電端子と前記他方の給電端子との見かけ上の形状が異なることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
【請求項3】
前記一方の給電端子と前記他方の給電端子との周回方向の向きが異なることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光ランプ。
【請求項4】
前記一方の給電端子と前記他方の給電端子との周回方向の向きが15[°]以上165[°]以下の範囲内で異なることを特徴とする請求項3に記載の蛍光ランプ。
【請求項5】
前記給電端子の長手方向において、前記一方の給電端子と前記他方の給電端子との位置が異なることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
【請求項6】
前記給電端子は、前記バルブの端部を覆う本体部と、前記本体部から延伸し、前記リード線に接続される接続部とを有し、
前記一方の給電端子と、前記他方の給電端子との接続部の形状が異なることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
【請求項7】
前記給電端子は、前記バルブの端部を覆う本体部と、前記本体部から延伸し、前記リード線に接続される接続部とを有し、
前記本体部には、スリットが設けられ、
前記一方の給電端子と前記他方の給電端子のそれぞれのスリットを介して見える前記蛍光体層の端の位置が異なることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の蛍光ランプを備えることを特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の蛍光ランプの前記一方の給電端子と他方の給電端子とを判別する工程と、前記蛍光ランプを照明装置の内部に備え付ける工程とを有することを特徴とする照明装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8に記載の照明装置を備えることを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−23166(P2011−23166A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165776(P2009−165776)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】