説明

蛍光ランプ及びそれを用いた照明装置

【課題】紫外線による口金の変色や機械的強度の低下の発生を防止し、口金の透光性を長期間維持でき、蛍光ランプの点灯中に生じる蛍光管と口金との明暗差を低減した蛍光ランプを提供する。
【解決手段】本発明の蛍光ランプ1は、蛍光管2と、蛍光管2の端部に配置された口金3とを備え、口金3の少なくとも一部が透光性ガラスで形成されている。また、前記透光性ガラスは、水銀の励起による紫外光を受けたときに可視光を励起放射する励起発光成分を含むことが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプとその蛍光ランプを用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般照明用の蛍光ランプとして、直管形蛍光ランプ;蛍光管が丸形や四角状であり、電極を備えた端部同士を口金で跨いで連結した環形蛍光ランプ;直管状のバルブを複数本ブリッジ状に接続して端部で保持した、いわゆる直管形のツイン形蛍光ランプ;丸形や四角状のバルブを複数本ブリッジ状に接続して形成した、いわゆるツイン形状の環形蛍光ランプ等が知られている。
【0003】
蛍光ランプは口金を備え、その口金は、蛍光管の保持又は連結のために、蛍光管の端部に配置されている。蛍光ランプにおける口金部分は発光部分ではないため、蛍光ランプの点灯中において発光部分(蛍光管部分)と非発光部分(口金部分)とで明暗差が現れる。通常、蛍光ランプの口金は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はポリカーボネート(PC)等の合成樹脂から形成され、外観上、全体的に白色に見えるように、バルブ内に塗布された蛍光体の白色に合わせて、口金の色も白色とされている。しかし、口金を白色にしても、蛍光ランプの点灯時には明暗差が現れ、特に、環形蛍光ランプでは、環状の蛍光管の一部が口金により暗部となり、外観上好ましいものではない。このため、口金に透光性を持たせて口金から光を取り出し、明暗差を無くすことが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0004】
また、従来の蛍光ランプにおいては、太陽光からの紫外線や、蛍光ランプ自身や他の蛍光ランプから放射される紫外線によって、樹脂材料で形成された口金が変色したり機械的強度の低下が生じたりする。そのため、紫外線吸収剤を混合させた樹脂により口金を形成することも提案されている(例えば、特許文献4、特許文献5参照。)。
【特許文献1】実開昭50−7381号公報
【特許文献2】実開昭57−127456号公報
【特許文献3】特開平1−255126号公報
【特許文献4】特開昭61−153917号公報
【特許文献5】特開平10−162722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、紫外線吸収剤を混合させた樹脂により前述の透光性を有する口金を形成しようとすると次のような問題が生じる。即ち、紫外線吸収性能を上げるために紫外線吸収剤の混合量を増加させると口金の透光性が損なわれる一方、口金の透光性を得るために紫外線吸収剤の混合量を減少させると、紫外線吸収性能が低下して、口金が変色したり機械的強度が低下したりする。このため、蛍光ランプの寿命末期までの長期間にわたり口金の透光性を維持させることが難しく、透光性の口金を備えた蛍光ランプは実用化されていないのが現状である。
【0006】
また、従来の蛍光ランプをシーリング器具に用いた場合においては、上記明暗差がはっきりと視認され、特に近時においては器具の薄型化によって、シーリングカバーと蛍光ランプとの距離が小さくなると、上記明暗差、即ち口金の影がシーリングカバーに写り込み、明暗差が一層はっきりと視認されるようになってきた。
【0007】
なお、特許文献3には、ガラスやセラミック等の耐熱性の透光性部材からなる筒状の口金を備えた放電灯が記載されているが、特許文献3に記載の口金24は、電極を備えた口金であって、一般にはフレアステムに該当し、発光管の一部として機能するものであり、その製造のためには複雑な製造工程と新たな製造設備等が要求されるものである。
【0008】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、紫外線による口金の変色や機械的強度の低下の発生を防止し、口金の透光性を長期間維持でき、蛍光ランプの点灯中に生じる蛍光管と口金との明暗差を低減した蛍光ランプを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の蛍光ランプは、蛍光管と、前記蛍光管の端部に配置された口金とを含む蛍光ランプであって、前記口金の少なくとも一部が透光性ガラスで形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の照明装置は、上記本発明の蛍光ランプを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、紫外線による口金の変色や機械的強度の低下の発生を防止し、口金の透光性を長期間維持でき、蛍光ランプの点灯中に生じる蛍光管と口金との明暗差を低減することのできる蛍光ランプを提供できる。また、本発明の蛍光ランプを用いることで、点灯中に生じる蛍光管と口金との明暗差を低減でき、外観品質を向上することのできる照明装置を提供できる。さらに、口金が樹脂よりも耐熱性の高いガラスで形成されていることから、ランプ寿命末期にまれに発生する電極部分の温度上昇による口金変形も防止できる照明装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。但し、下記実施形態は、本発明の一例であって、本発明は下記実施形態に限定されない。
【0013】
(実施形態1)
先ず、本発明の蛍光ランプの一例である環形蛍光ランプの実施形態について説明する。図1は、本実施形態の環形蛍光ランプの平面図である。図1において、蛍光ランプ1は、消費電力が30Wであって、蛍光管2と口金3とを備えている。
【0014】
蛍光管2は、内部に一対の電極(図示せず。)を有し、内部に水銀を供給するための粒状の亜鉛スズ水銀合金と、希ガスとしてのアルゴンガスとが封入されている。
【0015】
口金3は、2つの部材を合体して形成される分割形であり、蛍光管2の両端部を覆い且つその両端部を跨いで配置されている。
【0016】
蛍光管2の内面には、保護膜と蛍光体層とが順次積層(図示せず。)されている。蛍光管2は、ソーダライムガラス製であって、管内径が28mm、肉厚が1.0mm、管軸方向の長さが540mmである。蛍光管2の両端部は、鉛ガラス製のフレアステム(図示せず。)により封止されている。フレアステムにはタングステン製のフィラメントコイルからなる電極を架設した2本のリード線が封着されている(図示せず。)。蛍光管2の端部にはフレアステムを固着するために蛍光体が塗布されていない透明部分、即ち蛍光体非塗布部が形成されている(図示せず。)。これは蛍光体を塗布した後、フレアステムを固着する箇所の蛍光体を削り取って形成するものであり、口金3はこのような蛍光管2の端部の透明の蛍光体非塗布部を覆って配置されている。これは、蛍光体非塗布部では蛍光体塗布部よりも紫外線が若干多く放射されるので、それらを口金3で遮断するためでもある。
【0017】
図2は、本実施形態の蛍光ランプ1に用いた口金3の分解斜視図である。口金3を構成する第一部材4は、蛍光ランプ1の主発光面とはほぼ反対側に位置する部分であり、半円筒形状を有し、第一部材4には4本の電力供給用のピン6が立設されている。第一部材4は、PBT、PC等の難燃性の樹脂で形成されている。第一部材4の樹脂には、紫外線による第一部材4の変色や機械的強度の低下を防止するため、紫外線吸収材料としてTiO2等の白色顔料が混合されており、第一部材4は白色を呈している。なお、さらなる劣化防止策として、第一部材4の表面に紫外線吸収層を設けてもよい。
【0018】
上記紫外線吸収層は、蛍光ランプ自体から発せられる紫外線や、蛍光ランプの周囲に位置する他の蛍光灯等からの紫外線による口金3の変色や機械的強度の低下を防ぐ効果を有している。上記紫外線吸収層は、無機粒子からなる紫外線吸収材料により形成できる。紫外線吸収材料として使用できる無機粒子としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)、酸化セリウム(CeO2)等を挙げることができ、特にZnOは紫外線吸収能力が高いため最も好ましい。紫外線吸収材料は、これらの無機粒子を単独又は混合して使用することができる。
【0019】
ここで、蛍光ランプ1の主発光面とは、被照射物のある方向に向かう面をいい、例えば蛍光ランプを通常の天井灯等に用いる場合において、例えば下方向に向かう面を指す。具体的には、電力供給用のピン6が立設されている側とは反対側の部分をいう。
【0020】
口金3を構成する第二部材5は、半円筒形状を有し、蛍光ランプ1のほぼ主発光面に位置する部分であり、第二部材5は透光性を有するガラス、例えばソーダライムガラスで形成されている。ガラスを用いることで、樹脂と比較すると紫外線に対する耐変色性は格段に優れたものとなる。また、第二部材5を透光性ガラスから形成することにより、蛍光管2の端部からの光を口金3を通じて外部へ放出することができ、ランプ点灯時には、蛍光管2と口金3との明暗差を低減することができる。
【0021】
口金3に用いる透光性ガラスとしては、例えば、SiO2を55〜80重量%、Al23を0.5〜5重量%、B23を0〜5重量%、Na2Oを2〜20重量%、K2Oを0.5〜15重量%、Li2Oを0〜5重量%、MgOを0.1〜10重量%、CaOを0.1〜10重量%、SrOを0〜10重量%、BaOを0〜10重量%、ZnOを0〜5重量%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOを合計で1〜20重量%、Sb23を0〜1重量%、CeO2を0〜1重量%の範囲で含有するガラス組成物を用いることができる。
【0022】
SiO2は、ガラスの網目構造を形成する主成分であり、その含有率は55〜80重量%である。SiO2の含有率が55重量%よりも低くなると、ガラスの化学的耐久性が悪くなり、湿度の影響でソーダ吹きと呼ばれる外観不良を引き起こす恐れがある。一方、SiO2の含有率が80重量%よりも高くなると、ガラスの粘度が高くなって当該ガラスの溶融性が悪くなり、口金の成型加工が困難になる。
【0023】
Al23は、ガラスの化学耐久性を改善させる成分であり、その含有率は0.5〜5重量%である。Al23の含有率が0.5重量%よりも低くなると、ガラスの化学的耐久性が悪くなり、湿度の影響でソーダ吹きと呼ばれる外観不良を引き起こす恐れがある。一方、Al23の含有率が5重量%よりも高くなると、ガラスの粘度が高くなって当該ガラスの溶融性が悪くなり、口金の成型加工が困難になる。
【0024】
23は、ガラスの溶融性の向上及び粘度調整のための成分であり、その含有率は0〜5重量%である。B23の含有率が5重量%よりも高くなると、ガラスの化学的耐久性が悪くなり、湿度の影響でソーダ吹きと呼ばれる外観不良を引き起こす恐れがある。
【0025】
Na2Oは、ガラスの溶融性を向上させるための必須の成分であり、その含有率は2〜20重量%である。Na2Oの含有率が2重量%よりも低くなると、ガラスの粘度が高くなって当該ガラスの溶融性が悪くなり、口金の成型加工が困難になる。一方、Na2Oの含有率が20重量%よりも高くなると、ガラスの化学的耐久性が悪くなり、湿度の影響でソーダ吹きと呼ばれる外観不良を引き起こす恐れがある。
【0026】
2Oは、Na2Oと同様の効果を有し、その含有率は0.5〜15重量%である。K2Oの含有率が0.5重量%よりも低くなると、ガラスの粘度が高くなって当該ガラスの溶融性が悪くなり、口金の成型加工が困難になる。一方、K2Oの含有率が15重量%よりも高くなると、ガラスの化学的耐久性が悪くなり、湿度の影響でソーダ吹きと呼ばれる外観不良を引き起こす恐れがある。
【0027】
Li2Oは、Na2OやK2Oと同様の効果を有し、その含有率は0〜5重量%である。Li2Oの含有率が5重量%よりも高くなると、ガラスの化学的耐久性が悪くなり、湿度の影響でソーダ吹きと呼ばれる外観不良を引き起こす恐れがある。Li2Oは高価な材料であるため、コスト抑制を考慮すると少ない添加量のほうが望ましい。
【0028】
MgOは、ガラスの二次加工性を向上させるための必須成分であり、その含有率は0.1〜10重量%である。MgOの含有率が0.1重量%よりも低くなると、ガラスの粘度が高くなって当該ガラスの溶融性が悪くなり、口金の成型加工が困難になる。一方、MgOの含有率が10重量%よりも高くなると、ガラスが結晶化してしまう恐れがある。
【0029】
CaOは、ガラスの二次加工性を向上させるための必須成分であり、その含有率は0.1〜10重量%である。CaOの含有率が0.1重量%よりも低くなると、ガラスの粘度が高くなって当該ガラスの溶融性が悪くなり、口金の成型加工が困難になる。一方、CaOの含有率が10重量%よりも高くなると、ガラスが結晶化してしまう恐れがある。
【0030】
SrOやBaOはMgOやCaOと同様の効果を有し、その含有率は0〜10重量%である。SrOやBaOの含有率が10重量%よりも高くなると、ガラスが結晶化してしまう恐れがある。SrOやBaOは高価な材料であるため、コスト抑制を考慮すると少ない添加量のほうが望ましい。
【0031】
ZnOは、ガラスの二次加工性を向上させるための成分であり、その含有率は0〜5重量%である。ZnOの含有率が5重量%よりも高くなると、ガラスが結晶化してしまう恐れがある。
【0032】
Sb23は、溶融時のガラスを清澄させる効果を有し、スジ不良や泡不良等による一次加工の歩留まり悪化を防止するための成分であり、その含有率は0〜1重量%である。Sb23の含有率が1重量%よりも高くなると、ガラスに着色が発生して口金用ガラスとして不向きになる。
【0033】
CeO2は、溶融時のガラスを清澄させる効果を有するとともに、紫外線カット効果を有する成分であって、その含有率は0〜1重量%である。CeO2の含有率が1重量%よりも高くなると、ガラス着色が発生して口金用ガラスとして不向きになる。CeO2は、後述する励起発光成分にも該当する。
【0034】
なお、CeO2とSb23は、共存するとガラスの着色が顕著になるため、どちらか一方のみを含有していることが好ましい。
【0035】
また、紫外線カット性能を有するCeO2の代わりとして、Fe23、TiO2、MoO3等の成分が1重量%以下で添加されていてもよい。
【0036】
また、清澄させる効果として、Sb23やCeO2以外に、SO3、SnO2、FやCl等を1重量%以下で添加してもよい。
【0037】
また、上記透光性ガラスは、水銀の励起による紫外光を受けたときに可視光を励起放射する励起発光成分を含むことが好ましい。これにより、透光性ガラスからなる第二部材5が、蛍光管2の蛍光体から発せられる可視光を透過させるだけでなく、蛍光管2からもれ出てくる余剰な紫外光を可視光変換することで、蛍光管2と口金3との明暗差がより一層なくなり、蛍光ランプ1全体がより円に近い外観を有することができる。
【0038】
上記励起発光成分としては、4A、5A、6A族に属する元素の酸化物、3B、4B、5B族に属する元素の酸化物、及びランタノイドに属する元素の酸化物が使用できる。上記4A、5A、6A族に属する元素としては、例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等が挙げられる。
【0039】
上記3B、4B、5B族に属する元素としては、例えば、タリウム(Tl)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)等が挙げられる。上記ランタノイドに属する元素としては、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等が挙げられる。
【0040】
上記励起発光成分の含有量は、0.1重量%〜10重量%以下とすればよい。0.1重量%未満では紫外光の吸収が十分ではなく、10重量%を超えると、前述の透光性ガラス本来の組成割合が変動するため好ましくない。
【0041】
第二部材5を形成している上記透光性ガラスは、蛍光管2を形成しているガラス管のガラスと同一のガラス成分を含むことが好ましい。外部の蛍光灯や太陽光等から受ける紫外線により、ガラス部材もわずかに変色する可能性を有しているが、蛍光管2と口金3のガラス組成物が同じであれば、変色の度合いも同程度になる。これにより、経時変化により蛍光管2と口金3との明暗差をより小さくできる。
【0042】
口金3の上記透光性ガラスで形成された部分の表面は、凹凸を有することが好ましく、本実施形態の第二部材5の外面8及び内面7には凹凸が形成されている。このような凹凸は、例えばサンドブラスト加工により形成できる。凹凸を設けることにより、第二部材5(口金3)から照射される光を拡散させる効果もある。これにより、ランプ点灯時には口金3の内部の光を効率よく外部に取り出せる取出し効果や、口金3の内部に収納されているリード線等が外から見えにくくする遮蔽効果を発揮させることができる。
【0043】
本実施形態では、第二部材5の外面8及び内面7の両面に凹凸を形成したが、外面8及び内面7のうち、いずれか一方に凹凸を形成すれば上記効果を得ることができる。特に、内面7に凹凸を形成すると、上記遮蔽効果を大きくすることができる。
【0044】
また、本実施形態では、第二部材5のみを透光性ガラスで形成したが、口金3の少なくとも一部が透光性ガラスで形成されていればよく、例えば、第二部材5の中央部分あるいは蛍光管の端部を含む中央部分を窓のように透光性ガラスで形成し、その周囲を樹脂で形成してもよく、第二部材5及び第一部材4の両方が透光性ガラスで形成されていてもよい。
【0045】
また、第二部材5は、ガラスで形成されているため、その強度を補強するための補強部材10を含めて一体成形することが困難であるので、その成型加工を容易にするために、別体として補強部材10のみを樹脂で形成して合体して組み立ててもよく、その他の部分を透光性ガラスで形成してもよい。また、前述のように第二部材5の中央部分を透光性ガラスで形成し、その周囲を窓わくのように樹脂で形成した場合、又は、補強部材10を樹脂で形成した場合、それぞれの樹脂に透光性樹脂を用いれば一層光を取り出しやすくなり好ましい。
【0046】
以上のように、本実施形態の蛍光ランプ1に用いる口金3では、点灯時には光を問題なく通し、しかも、消灯時にも第一部材4の白色が反映されて白色に見えるため、点灯時だけでなく消灯時における蛍光管2の外観性をも向上できる。
【0047】
第一部材4と第二部材5とは嵌合されて組み立てられて口金3を構成する。第二部材5の第一部材4と向かい合う端面には、そのほぼ中央部に第一部材4に向かって突出する2つの係止凸部9が設けられている。第一部材4の第二部材5と向かい合う端面には、第二部材5の2つの係止凸部9が挿入され、且つ嵌合するための係止凹部(図示せず。)が形成されている。ここで上記とは逆に、第一部材4に係止凸部を設け、第二部材5に係止凹部を設けてもよい。
【0048】
また、第二部材5のほぼ中央部には、蛍光ランプ1の両端部間を仕切るよう補強部材10が設けられている。さらに、第一部材4にはねじ穴11が設けられ、このねじ穴11に挿入されたねじ12が、第二部材5の補強部材10に設けられたねじ穴13にねじ込まれ、第一部材4と第二部材5とが固定される。ねじ穴13は、口金成型時にガラスで一体成型してもよいし、金属製のねじ穴をあらかじめ準備しておき、口金成型時にインサート成型してもよい。
【0049】
また、第一部材4にねじ穴11のような貫通穴を設け、第二部材5にねじ穴13のような溝を設け、第一部材4から第二部材5へ向かってねじをねじ込む構成には限定されず、第一部材4に溝を設け、第二部材5に貫通穴を設けてもよい。但し、このねじによる固定は上記嵌合組み立てを補強するものであり、必ずしも必要であるわけではなく、嵌合だけで構成されても組み立てという点では問題はない。
【0050】
口金3の肉厚は、本実施形態では約1mmとしたが、例えば、0.8mm〜1.5mmとしてもよい。この範囲内であれば、サンドブラスト加工等の光拡散手段の加工が行いやすく、また、一般的な照明器具への取り付け、取り外しに対する口金3の強度を付与することができる。口金3の肉厚を厚くすると、口金強度は高まるものの光透過性能が低下していき、肉厚が薄いと光透過性能は高まるものの強度が低下したり、サンドブラスト加工が難しくなる。
【0051】
また、口金3の上記透光性ガラスで形成された部分の波長380nm〜780nmの分光透過率は、50%以上であることが好ましい。この範囲内であれば、口金3の部分の輝度L1と、蛍光管2の発光部分の輝度L2との輝度比L1/L2を、従来の1/100程度から1/10程度へと向上でき、口金3と蛍光管2との明暗差を確実に低減できる。分光透過率は、日立製作所製の分光光度計“U−4000”によって測定できる。
【0052】
透光性ガラスで形成していない部分としての第一部材4は、前述のように白色を呈しているため、蛍光ランプ1の消灯時にも第一部材4の白色が反映されて口金3が白色に見え、点灯時だけでなく消灯時における蛍光管2の外観性を向上できる。但し、第一部材4の全体を白色にする必要は必ずしもなく、少なくとも第一部材4の内面を白色にすればよい。
【0053】
また、第一部材4の内面は、蛍光管2の発光色と同系色とすることが好ましく、例えば本実施形態の蛍光ランプ1の発光色が昼白色の場合には、白色系に形成すればよい。これにより蛍光ランプ1の点灯中において第一部材4の内面に当たった蛍光ランプ1からの光が白色の反射光を作り出し、この白色の反射光が透光性を有する第二部材5を透過して主発光面側から外方へ放射されることとなる。このため、従来、点灯中において暗部となっていた口金部分が明るく視認されることとなり、蛍光ランプ1の発光色と合わさって蛍光ランプ1全体が白色に発光しているように見える。言い換えれば、いわゆる環形蛍光ランプの場合、従来、口金部分において暗部が存在し、点灯中に発光部の一部が欠けることにより、外観視としていわゆるC形に見えていたものが、口金から光を透過させることで明暗差が低減し、外観視としていわゆるO形、即ち環状に視認することができる。また、例えば蛍光ランプ1の発光色が電球色の場合には、オレンジ系の塗料によって第一部材4の内面を着色しておけば、蛍光ランプ1の点灯中、上記と同様に、このオレンジ色の光が透明な第二部材5を透過して主発光面側から外方へ放射されるため、従来、点灯中において暗部となっていた口金部分がオレンジ色に明るく視認され、蛍光ランプ1の発光色と合わさって蛍光ランプ1全体が電球色系に発光しているように見える。
【0054】
また、第一部材4の内面、即ち口金3の主発光面側とは反対側に位置する口金部分の内面が凹凸加工されていてもよい。蛍光管2から発せられる光の一部はランプ端部から口金3の内部へ放射されるが、それらの光は第二部材5に当たり、透光性部分を透過するか、第一部材4に当たり、反射ないしは吸収されてしまうことになる。この第一部材4に当たる光を効率よく第二部材5の方向へ反射させるためには、第一部材4の内面を凹凸加工することが好ましい。
【0055】
さらに、口金内部に収納されているガラス管の端部は、ランプ作製時の排気管部分であり、ガラスどうしを封着している部分に相当するが、それらのガラス材料には通常、電気絶縁性を確保するため鉛ガラスが使用されている。その鉛ガラスを加熱溶着加工すると、その加工部分が黒く変色することが知られている。この黒色化は口金3が透光性を有する状態になると外観上好ましくない。従って、加工部分が黒くならないような加工方法を施したランプと組み合わせてガラス管の端部を無色透明にすることにより、口金3にガラス管の端部の影が見えない状態にでき、外観性を維持できる。さらには、ガラス管を鉛を含まないガラス材料で形成することで、より好ましい外観性を有する蛍光ランプとなりうる。
【0056】
また、蛍光ランプの主発光面側とほぼ反対側に位置する部分の蛍光管の内側だけにハロリン酸系蛍光体を蛍光体層とほぼ同じ膜厚(約20μm)で塗布し、その上側に三波長形蛍光体を塗布して形成した蛍光ランプに本実施形態の口金3を用いた場合、ハロリン酸系蛍光体を塗布しない場合に比べて、直下照度の改善に加えて、口金部分の発光があり、外観視としていわゆるO形、即ち環状が強調される。これは、ハロリン酸系蛍光体層は、反射層としても機能するからである。
【0057】
さらに、上記口金3を構成する第一部材4の内側に、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等の白色の酸化物、金属薄膜を形成することで、さらに第二部材5への発光の反射が促進される。
【0058】
(実施形態2)
次に、本発明の蛍光ランプの他の例である直管形ツイン蛍光ランプの実施形態について説明する。図3は、本実施形態の直管形ツイン蛍光ランプの平面図である。図3では、図1及び図2と共通する部分には同一の符号を付けてその説明を省略する場合がある。図3において、蛍光ランプ20は、複数の蛍光管2と口金3とを備えている。蛍光管2は、直管状のバルブを複数本ブリッジ接続して、両端部にそれぞれ電極を設けたものであって、蛍光ランプ20は、その蛍光管2の端部を口金3で保持したものである。蛍光管2は、形状を除けば実施形態1の蛍光管2とほぼ同様に構成されている。口金3は、主発光面側の少なくとも一部分が実施形態1と同様の透光性ガラスで形成されている。ここでいう主発光面側とは、明かりを照らす方向を指す。なお、図3では、口金3から透視される内部構造の図示は省略している。口金3の外面には、サンドブラスト加工が施されている。これにより、口金3の内部構造が見えにくくなり、外観品位が向上するだけでなく、蛍光管2からの光を外へ透過して口金3全体も明るくなることから、蛍光管2と口金3との明暗差を少なくできる。
【0059】
また、本実施形態の蛍光ランプ20の他の構成は、実施形態1の蛍光ランプ1と矛盾しない範囲で同様に形成することができ、同様の効果を有する。
【0060】
(実施形態3)
次に、本発明の蛍光ランプの他の例であるボール形蛍光ランプの実施形態について説明する。図4は、本実施形態のボール形蛍光ランプの平面図である。図4では、図1及び図2と共通する部分には同一の符号を付けてその説明を省略する場合がある。図4において、蛍光ランプ30は、U字状バルブの両端部にそれぞれ電極を設けた蛍光管2と、この蛍光管2を覆うグローブ31と、蛍光管2を支持するホルダを備えた口金3とからなる。蛍光管2の端部は口金3のホルダに固着され、口金3で保持されている。蛍光管2は、形状を除けば実施形態1の蛍光管2とほぼ同様に構成されている。口金3は、全体が実施形態1と同様の透光性ガラスで形成されている。なお、図4では、口金3から透視される内部構造の図示は省略している。口金3の外面には、サンドブラスト加工が施されている。これにより、口金3の内部構造が見えにくくなり、外観品位が向上するだけでなく、蛍光管2からの光を外へ透過して口金3全体も明るくなることから、蛍光管2と口金3との明暗差を少なくできる。
【0061】
また、本実施形態の蛍光ランプ30の他の構成は、実施形態1の蛍光ランプ1と矛盾しない範囲で同様に形成することができ、同様の効果を有する。
【0062】
図4では、蛍光ランプ30は、U字状バルブからなる蛍光管2を用いたが、スパイラル状のバルブからなる蛍光管を用いてもよい。
【0063】
(実施形態4)
次に、本発明の蛍光ランプの他の例である直管形蛍光ランプの実施形態について説明する。図5は、本実施形態の直管形蛍光ランプの平面図である。図5では、図1及び図2と共通する部分には同一の符号を付けてその説明を省略する場合がある。図5において、蛍光ランプ40は、直管状バルブの両端部にそれぞれ電極を設けた蛍光管2と、蛍光管2の両端に設けられた口金3とからなる。蛍光管2は、形状を除けば実施形態1の蛍光管2とほぼ同様に構成されている。口金3は、全体が実施形態1と同様の透光性ガラスで形成されている。なお、図5では、口金3から透視される内部構造の図示は省略している。口金3の外面には、サンドブラスト加工が施されている。これにより、口金3の内部構造が見えにくくなり、外観品位が向上するだけでなく、蛍光管2からの光を外へ透過して口金3全体も明るくなることから、蛍光管2と口金3との明暗差を少なくできる。
【0064】
また、本実施形態の蛍光ランプ40の他の構成は、実施形態1の蛍光ランプ1と矛盾しない範囲で同様に形成することができ、同様の効果を有する。
【0065】
(実施形態5)
次に、本発明の蛍光ランプを備えた照明装置の一例である吊り下げ式蛍光灯の実施形態について説明する。図6は、本実施形態の吊り下げ式蛍光灯の側面図である。図6において、蛍光灯50は、蛍光ランプ51と、傘部52とを備えている。蛍光ランプ51は、実施形態1の蛍光ランプ1と同様の蛍光ランプを用いており、蛍光管2と口金3とを備えている。また、傘部52の下方は円形開口部を形成し、蛍光ランプ50の発光が直接照射されるように構成されている。
【0066】
本実施形態の蛍光灯50は、実施形態1の蛍光ランプを備えているので、点灯中に生じる蛍光管2と口金3との明暗差を低減でき、外観上好ましい蛍光灯を提供できる。
【0067】
(実施形態6)
次に、本発明の蛍光ランプを備えた照明装置の他の例であるドーム型蛍光灯の実施形態について説明する。図7は、本実施形態のドーム型蛍光灯の斜視図である。図7において、蛍光灯60は、天井に設置され、蛍光ランプ61と、シーリングカバー62とを備えている。蛍光ランプ61は、実施形態1の蛍光ランプ1と同様の蛍光ランプを用いており、蛍光管2と口金3とを備えている。また、シーリングカバー62は、半透明の樹脂から形成され、蛍光ランプ61の発光がシーリングカバー62を通して照射されるように構成されている。
【0068】
本実施形態の蛍光灯60は、実施形態1の蛍光ランプを備えているので、蛍光ランプ61とシーリングカバー62とが近接していても、点灯中に生じる蛍光管2と口金3との明暗差を低減でき、外観上好ましい蛍光灯を提供できる。特に、蛍光ランプ61とシーリングカバー62との間隔が10cm以下の時に、より効果的である。
【実施例】
【0069】
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0070】
(実施例1〜6)
実施形態1と同様の構成の蛍光ランプ1の口金3を下記の次のとおり作製した。口金3の第一部材4は、TiO2を1重量%添加したPBTで形成した。第二部材5は、その全体を透光性ソーダライムガラスで形成した。そのソーダライムガラスの組成を表1に示す。表1において、実施例3〜6が、ガラス組成に励起発光成分を含む実施例である。
【0071】
【表1】

【0072】
(比較例1)
口金3の第二部材5を第一部材4と同じくTiO2を1重量%添加したPBTで形成した以外は、実施例1と同様にして蛍光ランプを作製した。
【0073】
<輝度の測定>
実施例1の口金を用いた環形蛍光ランプ(FCL40)と、口金の全体をTiO2を1重量%添加したPBTで形成した口金を用いた比較例1の環形蛍光ランプ(FCL40)とを用いて、ランプ点灯時の主発光面側の輝度測定を行った。環形蛍光ランプ(FCL40)における口金部分は、円周弧にして約5cmほどである。口金部分の中央部(円周弧の半分)から両方2.5cmずつの領域を0.5cmごとに輝度を測定した。測定位置の表示として、右側(ランプマークの表示側)を正値、左側(ランプマークの表示側の反対側)を負値とした。表面輝度を比較するために、口金中央から10cm離れた蛍光ランプの位置(ほぼ、ランプマークが表示された位置)の点灯時の表面輝度を基準とした。各点の表面輝度をトプコン社製の表面輝度分光測定装置“SR−3”で測定した。ランプと測定装置“SR−3”との距離は1mとし、測定スポットの大きさは約2mm径とした。その結果を図8に示す。図8において、曲線Cは実施例1の口金を示し、曲線Dは比較例1の口金を示す。口金中央部の右手側(ランプマーク付近)、即ち発光管部分の表面輝度は17500cd/m2であり、口金中央部の左手側、即ち中央部から10cm左側の位置(反ランプマーク側)は15000cd/m2であるのに対して、比較例1の口金部分の中央部は最高130cd/m2、口金を透明にした実施例1の中央部の輝度は1900cd/m2となり、ランプの発光管との輝度差が、比較例1の口金は約1:135(反ランプマーク側であれば1:115)だったものが、口金を透明にした実施例1の口金の場合約1:10(反ランプマーク側であれば1:8)までにすることができ、目視で十分環状が認識できるものとなった。また、図8中に示した実施例1の表面輝度曲線CはU字状の曲線を有するのに対し、比較例1の蛍光ランプにおける表面輝度曲線Dは口金部分付近(口金の中央部から両方に2.5cm振り分けた領域)においてほぼ平坦な特性を有していた。
【0074】
また、実施例2〜6の口金を用いて上記同様にして輝度を測定したが、実施例1と同様の結果を得た。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上のように、本発明は、紫外線による口金の変色や機械的強度の低下の発生を防止し、口金の透光性を長期間維持でき、蛍光ランプの点灯中に生じる蛍光管と口金との明暗差を低減した蛍光ランプを提供できる。また、本発明の蛍光ランプを用いることで、点灯中に生じる蛍光管と口金との明暗差を低減した照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施形態1の環形蛍光ランプの平面図である。
【図2】実施形態1の蛍光ランプ1に用いた口金3の分解斜視図である。
【図3】実施形態2の直管形ツイン蛍光ランプの平面図である。
【図4】実施形態3のボール形蛍光ランプの平面図である。
【図5】実施形態4の直管形蛍光ランプの平面図である。
【図6】実施形態5の吊り下げ式蛍光灯の側面図である。
【図7】実施形態6のドーム型蛍光灯の斜視図である。
【図8】表面輝度と口金中心からの距離との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1、20、30、40 蛍光ランプ
2 発光管
3 口金
4 第一部材
5 第二部材
6 ピン
7 内面
8 外面
9 係止凸部
10 補強部材
11 ねじ穴
12 ねじ
13 ねじ穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光管と、前記蛍光管の端部に配置された口金とを含む蛍光ランプであって、前記口金の少なくとも一部が透光性ガラスで形成されていることを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項2】
前記透光性ガラスは、水銀の励起による紫外光を受けたときに可視光を励起放射する励起発光成分を含む請求項1に記載の蛍光ランプ。
【請求項3】
前記透光性ガラスは、前記蛍光管を形成しているガラス管のガラスと同一のガラス成分を含む請求項1又は2に記載の蛍光ランプ。
【請求項4】
前記口金の前記透光性ガラスで形成された部分の、波長380nm〜780nmの分光透過率が、50%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光ランプ。
【請求項5】
前記口金の前記透光性ガラスで形成された部分の表面が、凹凸を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光ランプ。
【請求項6】
前記口金の前記透光性ガラスで形成されていない部分の色が、白色である請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光ランプ。
【請求項7】
前記口金の前記透光性ガラスで形成されていない部分の色が、前記蛍光管の発光色と同系色である請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光ランプ。
【請求項8】
前記蛍光管を形成しているガラス管の端部は、無色透明である請求項1〜7のいずれか1項に記載の蛍光ランプ。
【請求項9】
前記ガラス管は、鉛を含有していないガラスで形成されている請求項8に記載の蛍光ランプ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の蛍光ランプを含むことを特徴とする照明装置。
【請求項11】
シーリングカバーをさらに含む請求項10に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−300223(P2008−300223A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−145696(P2007−145696)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】