説明

蛍光照明システムのための発光ダイオード組込み装置

【課題】1つ以上の発光ダイオード光源を蛍光灯装置に組込む装置及び方法を提供する。
【解決手段】蛍光灯器具104は、フレーム、交流電源に接続可能な既存のバラスト114、及び該バラスト114の出力に接続可能なコネクタを有する少なくとも1つのLED光源120からなる。該コネクタに接続可能な少なくとも1つのピン122を有し、高電圧交流信号を既存のバラスト114から受ける。少なくとも1つのLED光源120と、既存のバラスト114からの高電圧交流信号を受けて低電圧交流信号に変換する変圧回路116と、前記低電圧交流信号を受けて前記LED光源120を駆動するための直流電圧を発生する整流回路118と、前記変圧回路116を前記既存のバラスト114に電気結合する少なくとも一つのピン122と、前記LED組込システムを前記蛍光灯器具104に着脱自在に接続可能にする手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固体照明光源に関し、詳しくは蛍光照明システムにおける発光ダイオード(LED)組込み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光照明は多くの応用分野で使用されている。蛍光照明システムの一つの形式には、交流電圧源に接続されたバラストと1個以上の蛍光灯をこのバラストに電気接続する複数のピンを有する蛍光灯器具がある。バラストは制御された交流電力を蛍光灯に供給するように構成される。蛍光照明は一般に白熱電灯による照明よりも効率がよいが、蛍光照明には若干の欠点が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の蛍光照明システムの一つの欠点は多くの蛍光灯がリン、水銀等の障害性又は有害性物質を利用する点にある。他の欠点は蛍光灯の寿命が頻繁にオン・オフされるような用途においてかなり短命になることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一般に本発明は1つ以上の発光ダイオード(LED)光源を蛍光灯装置に組込む装置及び方法を提供する。より具体的には、LED光源を含むLED組込み装置は蛍光照明器具の既存のピンに電気接続することができる。このLED組込み装置は蛍光灯照明器具に関連しているバラストから高電圧交流入力を受けることができる。このLED改良装置は、絶縁と高電圧交流電圧からLED組込み装置のLEDの駆動に適した低電圧交流電圧へ降圧するための変圧回路を備えることができる。次いで整流器を用いて低電圧交流電圧をより低圧の直流電圧に変換することができる。整流器の出力は交流リップルを有する可能性があるので、たとえば平滑コンデンサ等を用いて平滑化してもよい。
【発明の効果】
【0005】
本発明の装置及び方法は、照明器具の何らの修正も要しないでLED光源に給電するように蛍光照明装置を組込むことを可能にする。さらに、本発明の装置及び方法は、バラストの効率に匹敵する高い効率を提供することができる。これに加えて本発明の装置及び方法は、部品点数や寸法を減じ、それにより電力効率を上げ、従来のLED駆動装置に比してLED組込み装置のコストを減じることができ、あるいはLED組込み装置をより広い用途に適したものにしうる。さらに、本発明の装置及び方法はバラスト出力を絶縁して設置作業中の潜在的な電気ショックや障害を防ぐ変圧回路を含むことができ、それにより、設計時の光学素子の広範囲な選択の余地を与えるこができる。
【0006】
ある実施例では、既存のバラストを有する蛍光灯器具とともに使用する発光ダイオード(LED)組込み装置が提供される。LED組込み装置は少なくとも1つのLED光源と、既存のバラストから高電圧交流信号を受け次いで低電圧交流電圧を出力する変圧回路と、この低電圧交流電圧を受けてLED光源を駆動するための直流電圧に変換する整流器と、変圧回路を既存のバラストに電気接続するように構成された少なくとも1つのピンとより構成され、このLED組込み装置は蛍光灯器具に取り外し可能に結合される構造を有する。
【0007】
関連した実施形態では、LED組込み装置はさらに上記少なくとも1つのピン、LED光源、変圧器及び整流回路が結合された基板を含み、ここ少なくとも1つのピンは蛍光灯器具の少なくとも1つのコネクターにLED組込み装置を取り外し可能に組込みまれるように構成できる。他の実施形態では、整流回路は変圧回路からの低電圧交流信号を全波整流する全波ブリッジ整流器及びLED光源に並列な濾波コンデンサを含むことができ、濾波コンデンサは全波整流直流電圧を濾波してLED光源を駆動するための直流電圧にする。さらに他の関連した実施形態では、変圧回路は既存のバラストの定格値で動作するように負荷を提供することができる。
【0008】
さらなる実施形態では、電圧回路は約350Ωの負荷を与える変圧器を有してもよい。他の関連した実施形態では、20kHz以上で動作する高周波変圧器を含んでもよい。かかる高周波変圧器は一次巻線と二次巻線を有し、一次巻線が既存のバラストから高電圧交流電圧を受け、二次巻線がLED光源に基づく低電圧信号を与えることができる。さらなる関連した実施形態では、変圧器の一次側は、既存のバラストが蛍光灯に対して定格であるように、蛍光灯のインダクタンスと動作周波数に基づいて同調されうる。
【0009】
他の関連した実施形態では、LED組込み装置はさらにLED光源への電力を調整する制御回路を含むことができる。さらに他の関連した実施形態では、制御回路は制御器、スイッチ回路、及び温度センサを含み、制御器がLED光源の温度を表す信号を温度センサから受けとり、スイッチ回路の導通状態を制御するためのPWM信号(パルス幅変調信号)を出力するようにしてもよい。さらに他の実施形態では、制御回路は制御器、スイッチ回路、及び電流感知回路を含み、制御器がLED光源を流れる電流を表す信号を電流感知回路から受けとり、スイッチ回路の導通状態を制御する信号を出力して過電流状態を回避するようにしてもよい。
【0010】
他の実施形態では、組込み照明システムが提供される。組込み照明システムは、蛍光灯器具と、この蛍光灯器具に着脱自在の発光ダイオード(LED)組込み装置とを有する。蛍光灯器具は、フレームと、交流電源に接続可能で蛍光灯を駆動する交流電圧を供給する交流電源に接続される既存のバラストと、この既存のバラストの出力に接続されうる少なくとも1つのコネクタを含む。このコネクタは蛍光灯に接続されるように構成されている。LED組込み装置は、既存のバラストから高電圧交流信号を受ける少なくとも1つの前記コネクタに着脱自在に結合される少なくとも1つのピン、少なくとも1つのLED光源、前記ピンに接続されていて前記高電圧交流信号を受けて低電圧交流信号を出力する変圧回路、及びこの低電圧交流信号を受けて直流電圧に変換してLED光源を駆動する整流回路から構成される。
【0011】
関連した実施形態では、整流回路は変圧回路からの低電圧交流信号を全波整流する全波ブリッジ整流器及びLED光源に並列な濾波コンデンサを含むことができ、濾波コンデンサは全波整流電圧を濾波してLED光源を駆動するための直流電圧にする。さらに他の関連した実施形態では、変圧回路は既存のバラストの定格値で動作するように負荷を提供することができる。
他の実施形態では、変圧器は一次巻線と二次巻線を含み、一次巻線が既存のバラストから高電圧交流電圧信号を受け、二次巻線がLED光源に基づく低電圧交流信号を与えることができる。さらなる関連した実施形態では、変圧器の一次側は、蛍光灯のインダクタンスと動作周波数に基づいて同調されうる。
【0012】
関連した他の実施形態では、LED組込み装置はさらに、制御器、スイッチ回路、及び温度センサを有する制御回路を含み、この制御器はLED光源の温度を表す信号を温度センサから受けとり、スイッチ回路の導通状態を制御するためのPWM信号を出力するようにしてもよい。さらに他の実施形態では、LED組込み装置は制御器、スイッチ回路、及び電流感知回路を含み、制御器がLED光源を流れる電流を表す信号を電流感知回路から受けとり、スイッチ回路の導通状態を制御する信号を出力して過電流状態を回避するようにしてもよい。
【0013】
一つの実施形態では、蛍光ランプ器具の既存のバラストを使用するLED光源を駆動する方法を提供する。この方法は、蛍光灯器具の既存のバラストから高電圧交流信号を受け取り、この高電圧交流信号を変圧回路を用いて低電圧交流信号に変換し、この変換された低電圧交流信号を整流して整流された低電圧直流電圧を生成し、次いでこの低直流電圧でLED光源を駆動する方法である。
【0014】
関連した実施形態では、整流工程では、変圧回路からの低電圧交流信号を全波整流する全波ブリッジ整流器及びLED光源に並列な濾波コンデンサを使用することができる。濾波コンデンサは全波整流電圧を濾波してLED光源を駆動するための直流電圧にする。この変圧回路は一次巻線と二次巻線をふくみ、一次巻線が既存のバラストから高電圧交流電圧信号を受け、二次巻線がLED光源に基づく低電圧を有する低電圧交流信号を与えることができる。変圧器の一次側は、蛍光灯のインダクタンスと動作周波数に基づいて同調されることができ、そのために既存のバラストは、変圧器が既存のバラストの定格で動作するようにバラストに負荷を提供するようになっている。
【0015】
以上の目的及び他の目的、特徴及び利点は、添付図面に関連して例示される以下の実施例の記述から明らかになるであろう。各図において同じ同一の部材には同一の参照符号を付した。図面は本発明の原理を例示するものであって寸法通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例によるLED組込み装置を含む組込み照明システム図を例示する。
【図2】本発明の実施例による図1のLED組込み装置をより具体的に例示するシステム図である。
【図3】本発明の実施例による組込み照明システムを例示する回路図である。
【図4】図3に例示した組込み照明システムの性能を例示するための、電流と電圧の時間経過を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例に例示したLED組込み照明システムを例示する回路図である。
【図6】本発明の実施例の方法を例示する工程フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施例)
本発明はここに記載された特定の形態に限定されず、各種の省略や均等手段の置換などが本発明の範囲で可能である。ここに使用される用語は説明のためであって限定のためではないことを理解されたい。
【0018】
図1は本発明の実施例による組込み照明システム100を例示するシステムダイアグラムである。図1において、照明システム100は交流電圧源102、蛍光灯器具104、及びLED組込みシステム106を含む。交流電圧源102は交流電圧、例えば正弦波電圧を発生する。例えば交流電圧源102は120VAC/60Hz、277VAC/60Hz、204VAC/60Hz及び/又は220V−240VAC/50Hz、347VAC/60Hzの電源を含みうる。当業者には他の形式の交流電源102が組込み照明システム100を駆動するのに使用できることが明かであろう。
【0019】
蛍光灯器具104は任意の設計の蛍光灯器具であってよく、一個以上の蛍光灯(図示せず)と機械的及び/又は電気的に結合する一個以上のコネクタ108、110を有する。コネクタ108、110はフレーム112に結合されるかまたは蛍光灯と結合するための任意のコネクタ形状を有する。限定でない例には標準の線形円筒チューブT8、T10、T12などの構造、U形湾曲管のランプ形、円形T5形ランプ形、小型蛍光灯(CFL)形、PLランプ形などがある。
【0020】
蛍光灯器具104はまた一以上のバラスト114を含む。バラスト114の出力は一以上のコネクタ108、110に直接または間接に接続できる。バラスト114はコネクタ108、110に適正な電圧を供給して蛍光灯(図示せず)の電極間にアークを形成するとともに、蛍光灯に制御された量の電気エネルギーを供給し、これにより蛍光灯の設計された動作仕様に基づく制御された電圧を使用する蛍光灯への電流量を制御する。例えば、バラスト114は周波数25 kHz〜100 kHzで動作する電圧範囲200〜600 VAC (例えば400VAC)の出力電圧を供給する。バラスト114の設計は一部は交流電源102と蛍光灯の数と型式に依存して決められる。バラスト114はたとえば磁気バラスト、電気バラスト及び/又は各種のハイブリッドバラスト、例えば限定ではないが瞬時始動、急速始動及び/又はプログラマブルバラストなどとして構成できる。バラスト114はフレーム112と一体の部品であるか、または、例えば交換が可能なバラスト114でありうる。
【0021】
LED組込みシステム106はコネクタ108、110を介してバラスト114に接続できる。図1に示したようにLED組込システム106は、変圧回路116、整流回路118、LED光源120及び一個以上の電気的または機械的コネクタ(例えばピン122a−122n)を含む。このLED光源120は支持基板124に取り付けた一個以上のLEDでありうる。ある例ではLED光源120は直列に結合したLEDの列、または別々に独立して制御できるLEDの列である。LED光源120中のLEDは固体光源及び/又は半導体光源であり、例えば、従来の高輝度半導体LED、有機発光ダイオード(OLED),二色LED、三色LED、重合体発光ダイオード(PLED)、エレクトロルミネッセンスストリップ(EL)等である。LED光源120中のLEDはパッケージ型または非パッケージ型LED、チップオンボードLED、または表面実装LEDなどでありうる。LEDはまたLEDから放出されるエネルギーを異なった波長の光に変換するリン等を含有するLEDでありうる。
【0022】
LED光源120のほかに、変圧回路116、整流回路118、及びピン122a―122nもすべて支持基板124に結合することで、LED組込みシステム106が蛍光灯器具104のコネクタ108、110へ着脱できる。図2に例示したように、ピン122a−122nは支持基板124の両端に設けた端部キャップ121a、121bに嵌められてもよい。端部キャップ121a、121bはピン122a−122nが図1のコネクタ108、110に電気的及び/又は機械的に対合するように間隔を置いて構成されうる。LED組込みシステム106の全体的な寸法及び/又は形状(例えば支持基板124)は、LED組込みシステム106が置換しようとする標準蛍光管の寸法及び/又は形状に等価でありうる。
【0023】
図2に示す、支持基板124は、変圧回路116、整流回路118、LED光源120及びピン122a〜122nを結合できる一個以上の印刷回路版(PCB)及び/又はその他の基板でありうる。支持基板124は任意に拡散器、レンズ、その他の光学手段126を含みうる。光学手段126LはLED光源120から与えられる光を整形して、所望の視野角度及び/又は分布パターンが達成されるようにしてもよい。光学手段126は支持基板124の一部の回り(例えばLED光源120の近くだけ)に配置してもよいし、支持基板124の全体をカバーしてもよいし及び/又は各LEDに配置してもよいし、あるいはLED光源120の内部にLED小セットを配置してもよい。
【0024】
さらに、LED組込みシステム106は蛍光灯器具104に着脱自在に結合してもよいが、LED組込みシステム106は蛍光灯器具104とは別個の構成部分と考えられる。したがって、LED組込みシステム106は蛍光灯(図示せず)とともに使用されるように設計された蛍光灯器具104へ組込まれる。こうしてLED組込みシステム106はバラスト114を取り外す必要なしに元の装置の蛍光灯器具104に対する直接置換光源として作用しうるか、又は既存の(例えば設置されている)蛍光灯器具104の配線に対する修正となる。
【0025】
変圧回路116はバラスト114の高電圧出力をLED組込みシステム106の残りの部分から隔離することができる。かかる隔離は変圧回路116が広範囲の部品例えばLED光源120に電力を供給する一方で、LED組込みシステム106の残りの部分での有害な電圧を減少または消去し、あるいは種々のチャンネル間のクロストークを減少または消去することができる。一般に変圧回路116はバラスト114により生成された高い交流電圧をより低い交流電圧に低減することができる。変圧回路116からの低い交流電圧は少なくとも一部はLED光源120で使用されるLEDの数及び型に依存する。変圧回路116は接地により浮遊条件をなくすることができる。バラスト114は高周波(限定でない例は20kHz以上、例えば40kHz以上)で動作できるので、変圧回路116は図2に示したようにバラスト114の周波数と両立しうるように設計された高周波変圧器117を含みうる。例えば高周波変圧器117は高周波例えば25kHzから100kHzで効率よく動作するフェライトを用いた公知の変圧器構造を有することができる。一般に、変圧器117は一次巻線と1本以上の二次巻線(例えば図3の一次巻線L2と二次巻線L3)により、バラスト114の高電圧出力を残りのLED組込みシステム106から絶縁することができる。一次巻線と二次巻線の間の巻線比は変圧回路116により決定できる。高周波変圧器117の使用は、変圧回路116を小型化し、LED組込みシステム106の総合寸法を減じることができる。
【0026】
整流回路118は変圧回路116からの交流出力を直流出力(または直流出力波形)に変換する任意の整流器を含むことができる。例えば、整流回路118は全波整流器を含むことができる。任意に、整流回路118は平滑または濾波フィルタ128を含むことができる。平滑フィルタ128は全波整流回路118に関連したリップルを除去して全波整流電圧から実質的に平滑な直流電圧出力を生成することができる。例えば平滑フィルタ128は整流回路118の直流出力に置かれた蓄積または平滑コンデンサを含むことができる。平滑又は濾波フィルタ(フィルタコンデンサ)128は整流されたDC電圧を平滑化して直流またはほぼ直流にするが、この平滑化された信号は交流電源102のピークツーピーク値に関係した有意な交流変動を有する可能性がある。従って、フィルタコンデンサの不完全な平滑作用により知覚可能なちらつき(フリッカー)を減少または消去するために、フィルタコンデンサ128は例えば交流電源102の動作周波数やLED光源120への所要の供給電流に基づいた時定数を有するように選択される。このリップルをさらに減じるには、公知のコンデンサ入力フィルタが使用できる。平滑コンデンサをチョーク(コイル)と第2のフィルタコンデンサで補足して、フィルタコンデンサ128の端子間により安定な直流出力を得ることができる。
【0027】
図3を参照するに、組込み照明システム100aの回路構成が示されている。組込み照明システム100aはバラスト回路114a、変圧回路116a、整流回路118a及びLED光源120aを含むことができる。バラスト回路114aは蛍光灯照明システムに関連した既存のバラストであってよい。ここに「既存のバラスト」とは、蛍光照明システムとともに使用されるように設計され或いは販売されているバラストを意味し、LEDを用いた照明システム用を意味しない。バラスト回路114aは交流信号V1(例えば120V,60Hzの交流信号)に結合された1個以上のL1とバラストコンデンサC1、C2を含みうる。バラスト回路114a(既存のバラスト)は駆動しようとする蛍光灯に基づいて、特定の周波数と負荷(限定でない例は、40kHz、交流600Vで350Ω)で動作するように設計されうる。バラスト回路114aは例えばUnderwriters Laboratories,Inc.(UL)、UnitedStates Occupational Safety and Health Administration (OSHA)、CEマーク、工業規格等により、蛍光灯に対して確立され一般に受け入れられている標準に基づいて設計されうる。
【0028】
バラスト回路114aの出力はコネクタ(例えば図1の108、110)を介して変圧回路116aに接続できる。変圧回路116aは一次巻線L2と二次巻線L3を有する高周波変圧器117aを含んでいる。バラスト回路114aの出力は一次巻線L2が受け取り、二次巻線L3と共同してバラスト回路114aからの交流電圧を下げて二次側巻線L3側により低い交流電圧を生じる。一次巻線L2と二次巻線L3の巻線比は変圧回路116aにより供給される電圧を決定するもので、これは少なくとも一部はLED光源120aを駆動するのに必要な最低電圧に基づいて決定される。
【0029】
変圧回路116aはバラスト回路114aの設計と両立するように構成される。例えば変圧回路116aは、バラスト回路114aが最高電力(例えば40kHzで350Ω)を供給するように設計されている場合の負荷に近接するような負荷を、バラスト回路114aに提供しうる。変圧回路116aはまたバラスト回路114aの動作周波数またはその近傍(40kHzに限定されない)で動作するように設計できる。変圧回路116aの一次巻線L2は例えば抵抗器R3を介して任意に接地部332に接地できる。
【0030】
整流回路118aは変圧回路116aの出力に結合され、変圧回路116aの交流出力を整流し、濾波することができる。図3に示すように、整流回路118aは全波整流ブリッジの形に配置された4個のダイオードD1〜D4を含み、変圧回路116aの交流出力を全波整流して直流出力を生じる。この装置は全波整流として知られており、後の説明では全波整流ブリッジ、FWBまたは全波整流器とも称する。濾波コンデンサCfは全波整流器の直流出力を濾波してリップルの少ない直流または疑似直流出力にする。濾波コンデンサCfは整流された直流出力を直流または疑似直流出力に平滑化するが、このような平滑化された電圧は依然として、図1の交流電源102のような交流電源のピークツーピーク値の変動に関連したわずかな交流変動を有する。したがって、濾波コンデンサCfの不完全な平滑効果に起因する知覚可能なフリッカ(ちらつき)を減じるために、例えば濾波コンデンサCfは交流電源の動作周波数の変動及びLED光源120aの駆動に必要な供給電圧に基づいた時定数を選択することができる。
【0031】
図3において、LED光源120aは整流回路118aの直流で出力に直列(コンデンサCfに対して直列)に接続された複数個のLED321a〜321nを含む。整流回路118aの出力はLED321a〜321nを駆動してそれらの素子を発光させる。LED光源120aは接地部332に接地されてもよく、例えばシステムMAINS接地及び/又は共通(地面)接地でもよい。LED光源120aを接地すると、LED光源120aは浮遊状態を防止されるので、LED光源120aが発生する或いは受る電磁干渉(ノイズ)を減少または消去できる。単一LED光源120aが示されているが、各々が数及び/又は形式が異なるLED321a〜321nよりなる複数個のLED光源120aでもよい。例えば、変圧回路116aは複数個の二次巻線L3により複数のLEDチャンネル(例えば複数個のLED光源120a)を単一の交流電源V1から駆動し、各LEDチャンネルは各自の整流回路118aを有するように構成することができる。
【0032】
図4は図3に例示した組込み照明システム100aの電流、電圧の時間に対する波形402、404、406、408を示す。
波形402は図3に示したバラスト回路114aの出力例である。図示のようにバラスト回路の出力はほぼ200VAC(400VACのピークツーピーク値)である。
波形404は、波形402に例示されたバラスト回路の出力電圧に応答する変圧回路116a(二次巻線L3)の出力を例示する。図示のように、変圧回路の出力電圧はほぼ40VACである。
波形406は整流回路118aの出力、すなわち、波形404に例示した変圧回路116の出力電圧に応答してLED光源120aに加わる整流直流電圧を例示する。図示のように、整流回路118aの出力電圧は約40VDCである。
波形408は波形406に示された整流回路118aの出力電圧に応答してLED光源120aを流れる電流である。図示のように、組込み照明システム100aは既存のバラスト回路114aを用いてLED光源120aを駆動する実質的に一定の電圧及び/又は電流を供給できることがわかる。
【0033】
図5は組込み照明システム100bを例示する。組込み照明システム100bは、バラスト回路114、変圧回路116、整流回路118及びLED光源120を含みこれらは図1−3に関連して説明した構造を有する。組込み照明システム100bはまた制御回路550を含む。制御回路550はLED光源120への電力の制御をおこなう。例えば、制御回路550は、過電流状況の場合にLED光源120の破損を防ぐため、及び/又はLED光源120の温度変動を補償してLED光源120からの一定の全体的な輝度(光度)を保証するために、供給すべき電力を制御するように構成できる。ある実施形態では、制御回路550は制御器552、温度センサ554及びスイッチ回路556を含む。制御器552は温度センサ554からLED光源120の温度(例えばLED光源120内部のLEDの温度及び/又はその近傍の温度を表す信号を受け取るプロセッサ、マイクロコントローラ又は用途向き集積回路(ASIC)を含みうる。制御器552はついでこの信号の値を照合表(LUT)558に記憶されている値と照合し、それらの値の差に基づいてパルス幅変調(PWM)信号560を発生し、スイッチ回路556の導通状態を制御する。スイッチ回路556は一般化スイッチング回路として描いたが、当業者はスイッチ回路556がFETスイッチ(例えばMOSFET)、BJTスイッチ、または他の導通状態を切り替えることができる回路を含みうる。
【0034】
制御器552により発生されたPWM信号560は、LED光源120の輝度及び/又は色を制御するための調整可能なデューティーサイクルを有することができる。たとえばデューティーサイクルが50%とすると、スイッチ回路556がON(導通)時間中に駆動電流がLED光源120へ供給され、スイッチ回路556のOFF(遮断)時間中に遮断される。LED光源120の光出力の全体的な輝度の制御のためには、PWM信号560のデューティーサイクルが調整できる。例えば、デューティーサイクルは0%(スイッチの常時開放)から100%(スイッチの常時閉鎖)の範囲で、LED光源120の総合輝度(光度)を制御することができる。PWM信号560がON(高)の時、スイッチ回路556は閉じてスイッチ回路556からLED光源120及び整流回路118を通じる導通路が形成される。PWM信号560がOFFの時、スイッチ回路556は開放し、整流回路118からスイッチ回路556への回路は開いてLED光源120を遮断する。したがって、LED光源120を通して流れる電流は調整され、それによりLED光源120の光度が温度補正される。PWM信号560の周波数はLED光源120の視覚で認識できるフリッカーを防止できるように選択できる。
【0035】
これに加え、あるいは別法として、制御回路550は電流感知回路562を含むことができる。ある実施形態では、電流感知回路562は例えば感知抵抗Rsenseを使用して光源120を流れる電流を表す信号564を発生することができる。制御器552は信号564を受け、これを1以上の閾値、例えば照合表(LUT)558に記憶された1以上の閾値と照合できる。もしも信号564が第1の閾値よりも大きい(例えば過電流状況)時には、制御器552はスイッチ回路556を開くための信号を発生する。例えば、制御器552はデューティーサイクル0%のPWM信号560を発生してスイッチ回路556を開放し、それによりLED光源120とスイッチ回路556をスイッチ回路556と整流回路118から隔離する。別法として制御器552が単純なオン・オフ信号を発生スイッチ回路556の状態を制御してもよい。
【0036】
制御回路550は制御器552及び/又は制御回路550の他の構成部分が必要とする供給電圧を供給する電源566を含むことができる。例えば、電源566は図示のように構成された、1個以上の公知のゼナーダイオード568、コンデンサ570及び/又は抵抗器572を含む公知のゼナーダイオード電圧調整器であって、制御器552に対してたとえば5VDCまたは3.3VDCを供給するものを含むことができる。図5に示したように、制御器552は接地部532に結合されており、接地部は例えばMAINS接地及び/又は共通(地面)接地でもよい。制御器552を接地部532に接続すると、制御器552が浮遊状態から防止され、それによりスイッチ556の調波ノイズを減少または消去し、LED光源120のより精細な制御を可能にする。
【0037】
勿論、図5は使用できる制御回路550の一例を例示するものに過ぎず、他の制御回路550の実施形態も使用できることは当業者には明らかであろう。たとえば、制御回路550は制御器552以外の回路の形でも提供できる。別法として光検知器をLED光源120の近傍に配置して受光し、LED光源120から放射される光に比例したフィードバックをかけることも可能である。制御器552はフィードバック信号とユーザが定義した及び/又はプリセット値(対照表LUT558に記憶した値)を比較して制御信号を発生し、それにより制御器552(またはPWM回路)により生成されるPWM信号560のデューティーサイクル、最終的にはスイッチ回路556の導通状態を制御して、LED光源120の光度を制御することができる。
【0038】
図6は本発明の実施例による蛍光灯器具の既存のバラストを用いてLED光源を駆動する方法のブロックフロー図600である。ブロックフロー図は特定の逐次行程をふくむ。しかし、この逐次行程はここに説明した一般的な機能がいかにして実施されるかを示す一例に過ぎない。各工程は特に指定しない限り記載された順序に実行されなくてもよい。
【0039】
図6において、蛍光灯器具の既存のバラストから高電圧交流信号を受け取る(行程610)。高電圧交流信号は変圧回路を利用して低電圧交流信号に変換される(行程620)。この低電圧交流信号は整流されて整流直流電圧を生成する(行程630)。LED光源は直流電圧により駆動される(行程640)。ある実施形態では、ここに記載された方法は制御器、例えば図5の制御器552及び/又は他のプログラマブル装置を用いて実施される。この目的で、本書に記載した実施例による方法は命令を記憶したコンピュータ読取り可能媒体に基づいて実行可能であり、それが一個以上のプロセッサで実行された時、その又はそれらの方法を実行する。したがって例えば図5の制御器552は本書に記載した動作を実行する命令(ファームウエア又はソフトウエア)を記憶した記憶媒体(図5には示さず)を含む。
【0040】
実施例または実施の形態に関連して使用した「回路」は例えば「配線回路」、プログラマブル回路、状態マシン回路、プログラマブル回路により実施可能な命令を記憶したファームウエア、等が含まれる。少なくとも1つの実施例では、回路は集合として又は個別に一個以上の集積回路を含む。ここに「集積回路」にはデジタル、アナログ、又は混合信号半導体装置及び/又はマイクロエレクトロニック装置、たとえば、半導体集積回路チップがある。
【0041】
ここに記載した方法及びシステムは特定のハードウエアやソフトウエア構成に限定されず、多くの計算又は処理環境での用途を見出し得る。方法及びシステムはハードウエア又はソフトウエア、またはそれらの組み合わせで実施可能である。ここに記載した方法及びシステムは一以上のコンピュータプログラムで実施可能であり、この場合プログラムはプロセッサが実行可能な一以上の命令を含むものと理解できる。コンピュータプログラムは一以上のプログラマブルプロセッサ、一以上の入力装置、又は一以上の出力装置で実行でき、プロセッサで読み取り可能な一以上の記憶媒体(揮発性又は非揮発性メモリ及び/又は記憶素子)。プロセッサは入力データを取得するために一以上の入力装置にアクセスでき、出力データを通信するために一以上の出力装置にアクセスできる。入力及び/又は出力装置は一以上の下記装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)、独立ディスクのリダンダントアレイ(RAID)、フロッピー(登録商標)ドライブ、CD、DVD、磁気ディスク、内蔵ハードディスク、外付けハードディスク、メモリスティック、その他のプロセッサーによりアクセス可能な記憶媒体、を含む。かかる例は他の手段を排除せず、例示であって限定ではない。
【0042】
コンピュータプログラムは、コンピュータシステムと交信できる一以上の高レベル手法またはオブジェクト指向プログラム言語を使用して実現できる。しかし、所望ならプログラムは機械語又はアセンブリ言語でも記述できる。言語はコンパイル又はインタープリター言語でよい。
【0043】
ここに記載したプロセッサはネットワーク環境で独立又は一緒に動作できる一以上の装置に埋め込むことができる。ここに、ネットワークはローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)等があり、イントラネット、インターネット、その他のネットワークがある。ネットワークは有線又は無線またはそれらの組み合わせが可能であり、一以上の通信プロトコルを使用して異なったプロセッサ間の通信を容易にすることができる。プロセッサは分散処理用に構成されてもよいし、ある実施形態では必要ならクライエントサーバモデルを利用できる。したがって、本方法及びシステムは複数のプロセッサ及び/又はプロセッサを使用でき、またプロセッサ指示を単一または複数のプロセッサ/装置に分割してもよい。
【0044】
プロセッサを備えた装置またはコンピュータシステムは、例えば、パソコン、ワークステイション(例えばSun、HP)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話やスマートフォンのような携帯装置、携帯計算器、その他プロセッサを合体できる装置でありうる。したがってここに記載した装置は例示であって限定ではない。マイクロプロセッサ、プロセッサ、制御器は独立又は分散環境で通信できる一以上のマイクロプロセッサであって、有線又は無線で他のプロセッサと通信できるものと理解されたい。ここに一以上のマイクロプロセッサは一以上の同じ又は異なったプロセッサ制御される装置上で動作するように構成できる。このようなマイクロプロセッサ、プロセッサ、または制御器の語は、中央処理装置、演算論理装置、特定用途集積回路(IC)及び/又はタスクエンジン等を含むものと理解される。
【0045】
さらに、メモリ及び/又は記憶媒体は、特に断らない限り、一以上のプロセッサ読み取り及びアクセス可能なメモリ要素及び/又は素子を含むことができ、これらはプロセッサー制御された装置の外部にあっても内部にあってもよいし、各種の通信プロトコルを使用する有線又は無線経由でアクセスできてもよいし、特に断らない限り、応用に基づいて連続した又は区分された内部または外部メモリの組み合わせであってもよい。したがってデータベースへの言及は一以上のメモリ連携を含み、それらへの言及は市販のデータベース製品(例えばSQL,Informix、Oracleなど)や独自データベースを含み、またメモリを共同させるためのリンク、キュー、グラフ、ツリー、その他の構造を含む。
【0046】
「ネットワーク」の語は、特に断らない限り、インターネットまたはイントラネットを含む。マイクロプロセッサ命令又はマイクロプロセッサ実行命令の語は、特に断らない限りプログラマブルハードウエアの命令を含む。
本書で使用した用語「結合される」の語は、一つのシステム要素が運ぶ信号を他の要素に結合する任意の結合手段、カップリングまたはリンクを指す。結合される装置、または信号と装置は、たがいに直結されるとは限らず、かかる信号を処理または修正する中間素子または装置により分離されることもありうる。
本書で随所に現れる「実施例」又は「実施形態」の語は、実施形態に関して記述した特定の特徴、構造、又は特性が本書に開示された少なくとも1つの実施形態であることを意味する。したがって、「1つの実施形態」とは同じ実施形態であることを意味しない。
用語「第1」、「第2」等は、順序、品質又は重要性を意味せず、1つの要素を他の要素から区別するためである。
特に断らない限り用語「実質的に」は正確な関係、条件、配置、向き、及び/又は他の特性、並びに、記載されている方法及びシステムに大きな偏りに至らない範囲の偏りを含むことは当業者には容易に理解できる。
用語「包含する」、「含む」、「有する」の語は包摂を意味し、記載の要素の他の要素を排除しないことを意味する。
記載及び/又は図示されていて、何らかの他の物と通信し、連携し、関連している要素、素子、モジュール、それらの部品は、特に断らない限り、直接及び/又は間接に、他の物と通信し、連携し、関連しているものと理解することができる。
【0047】
本発明の方法とシステムを特定の実施例に関して説明したが、本発明はそれらに限らない。上記の説明から本発明には多くの修正例や変形例がありうることは当業者には明らかであろう。本書に記載され、例示された細部、材料、部品の配置の多くの追加的な変更が可能なことは当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0048】
102 交流電源
104 蛍光灯器具
108、110 コネクタ
112 フレーム
114 バラスト
116 変圧回路
117 高周波変圧器
118 整流回路
120 LED光源
122a〜122n ピン
402、404、406、408 波形
550 制御回路
552 制御器
554 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存のバラストを有する蛍光灯器具とともに使用するためのLED組込みシステムにおいて、
少なくとも1つのLED光源と、
既存のバラストからの高電圧交流信号を受けて低電圧交流信号に変換する変圧回路と、
前記低電圧交流信号を受けて前記LED光源を駆動するための直流電圧を発生する整流回路と、
前記変圧回路を前記既存のバラストに電気結合する少なくとも一つのピンと、
前記LED組込みシステムを前記蛍光灯器具に着脱自在に接続可能にする手段と、
よりなるLED組込みシステム。
【請求項2】
さらに、支持基板を含み、該支持基板には、前記少なくとも1つのピンと、前記変圧回路と、前記整流回路と、前記少なくとも1つのLED光源とが結合されており、前記少なくとも1つのピンは、前記LED組込みシステムを前記蛍光灯器具の少なくとも1つのコネクタに着脱自在に接続可能に構成されている、請求項1に記載のLED組込みシステム。
【請求項3】
前記整流回路は前記変圧回路からの低電圧交流信号から全波整流直流を発生する全波整流ブリッジ回路と、前記全波整流直流電圧を平滑化する濾波回路と、前記LED光源と並列の濾波コンデンサとよりなり、前記濾波コンデンサは前記全波整流直流電圧を濾波して前記LED光源を駆動するための直流電圧に変換する、請求項1に記載のLED組込みシステム。
【請求項4】
前記変圧回路は、前記既存のバラストの定格値で動作するために前記既存のバラストに対する負荷を提供するように構成されている、請求項1に記載のLED組込システム。
【請求項5】
前記変圧回路は約350Ωの負荷を提供する変圧器をふくむ、請求項4に記載のLED組込みシステム。
【請求項6】
前記変圧器は20kHz以上で動作する高周波変圧器をふくむ、請求項4に記載のLED組込みシステム。
【請求項7】
前記高周波変圧器は、一次巻線と二次巻線で構成され、前記一次巻線は前記既存のバラストからの高電圧交流信号を受け取り、前記二次巻線は前記LED光源に基づく電圧を有する低電圧交流信号を提供するように構成されている請求項6に記載のLED組込みシステム。
【請求項8】
前記高周波変圧器の前記一次側は、既存のバラストが蛍光灯に対して定格であるように、蛍光灯のインダクタンスと動作周波数に基づいて同調される請求項7に記載のLED組込みシステム。
【請求項9】
さらに、前記LED光源への電力を調整する制御回路を有する請求項1に記載のLED組込みシステム。
【請求項10】
前記制御回路は、制御器、スイッチ回路、及び温度センサを含み、前記制御器が前記LED光源の温度を表す信号を前記温度センサから受けとり、前記スイッチ回路の導通状態を制御するためのPWM信号を出力する、請求項9に記載のLED組込みシステム。
【請求項11】
前記制御回路は、制御器、スイッチ回路及び電流感知回路を含み、前記制御器がLED光源を流れる電流を表す信号を電流感知回路から受けとり、前記スイッチ回路の導通状態を制御する信号を出力して過電流状態を回避するようにする、請求項9に記載のLED組込みシステム。
【請求項12】
フレームと、交流電源に接続可能で蛍光灯を駆動する高圧交流電圧を供給する既存のバラストと、前記既存のバラストの出力に接続されうる少なくとも1つのコネクタであって蛍光灯器具に接続されるように構成されているコネクタとを含む蛍光灯器具;及び、前記蛍光灯器具に着脱自在に結合されるLED組込み装置よりなり、
前記LED組込み装置は、前記既存のバラストから高電圧交流信号を受ける少なくとも1つの前記コネクタに着脱自在に結合される少なくとも1つのピンと、少なくとも1つのLED光源と、前記ピンに接続されていて前記高電圧交流信号を受けて低電圧交流信号を出力する変圧回路と、この低電圧交流信号を受けて直流電圧に変換し前記LED光源を駆動する整流回路とから構成される、組込み照明システム。
【請求項13】
前記整流回路は前記変圧回路からの低電圧交流信号を全波整流する全波ブリッジ整流器及びLED光源に並列な濾波コンデンサを含み、前記濾波コンデンサは全波整流電圧を濾波してLED光源を駆動するための直流電圧にする、請求項12に記載のLED組込み照明システム。
【請求項14】
前記変圧回路は前記既存のバラストの定格値で動作するように前記既存のバラストに対して負荷を提供するように構成される、請求項12に記載のLED組込み照明システム。
【請求項15】
前記変圧器は一次巻線と二次巻線をふくみ、前記一次巻線が前記既存のバラストから高圧交流電圧信号を受け、前記二次巻線が前記LED光源に基づく低電圧を与え、前記変圧器の一次側は、前記蛍光灯のインダクタンスと動作周波数に基づいて同調されるものである、請求項14に記載のLED組込み照明システム。
【請求項16】
前記LED組込み装置はさらに、制御器、スイッチ回路、及び温度センサを有する制御回路を含み、前記制御器はLED光源の温度を表す信号を前記温度センサから受けとり、前記スイッチ回路の導通状態を制御するためのPWM信号を出力する請求項12に記載の組込み照明システム。
【請求項17】
前記LED組込みシステムはさらに制御器、スイッチ回路、及び電流感知回路を有する制御回路を含み、前記制御器はLED光源を流れる電流を表す信号を電流感知回路から受けとり、前記スイッチ回路の導通状態を制御する信号を出力して過電流状態を回避するように動作する、請求項12に記載のLED組込み照明システム。
【請求項18】
蛍光灯器具の既存のバラストを使用してLED光源を駆動する方法であって、前記方法は、蛍光灯器具の既存のバラストから高電圧交流信号を受け取り、この高電圧交流信号を変圧回路を用いて低電圧交流信号に変換し、この変換された低電圧交流信号を整流して整流された低電圧直流電圧を生成し、次いでこの低電圧直流電圧でLED光源を駆動するLED光源駆動方法。
【請求項19】
前記整流する工程では、前記変圧回路からの低交流電圧信号を、全波ブリッジ整流器により全波整流し、LED光源に並列な濾波コンデンサを用いて前記全波整流電圧を濾波してLED光源を駆動するための直流電圧にし、前記変圧回路は一次巻線と二次巻線をふくみ、一次巻線が前記既存のバラストから高圧交流電圧信号を受け、二次巻線がLED光源に基づく低電圧を有する低電圧交流信号を与え、前記変圧器の一次側は、前記蛍光灯のインダクタンスと動作周波数に基づいて同調され、そのために前記既存のバラストは、前記変圧器が前記既存のバラストの定格で動作するように前記既存のバラストに対して負荷を提供するようになっている請求項18に記載のLED光源駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−134153(P2012−134153A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−281526(P2011−281526)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(311006504)オスラム・シルバニア・インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】