説明

蛍光表示管駆動用マイクロコントローラ

【課題】少ないハードウエア構成でソフトウエアに負担を掛けることなく、容易にデジット駆動端子の並列駆動ができる蛍光表示管駆動用マイクロコントローラを提供する。
【解決手段】表示出力制御回路12から順次出力されるデジットスキャン表示データを、デジット時間シフトレジスタ15の設定に基づいて、外部で並列接続されるデジット駆動端子(デジット表示データ用の高耐圧出力端子2)からデジット駆動信号が同時に出力されるようにデジット波形制御回路14において時間シフトする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光表示管(VFD)を直接駆動するための機能を備えた蛍光表示管駆動用マイクロコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、蛍光表示管においては多彩な表示が主流になってきており、それに伴い、蛍光表示管駆動用マイクロコントローラが蛍光表示管を直接駆動する場合に、デジット電流能力が不足するケースがでてきた。
【0003】
従来は、この問題を解決するために、デジットデータを任意出力することができるユニバーサルグリッド機能と呼ばれる専用ハードウエアを搭載して、デジット駆動端子を並列接続し、その並列接続されたデジット駆動端子から同時にデジット駆動信号を出力させて、電流能力を補う方法がとられていた。
【0004】
例えば、デジットデータをあらかじめRAM領域の一部にデータ設定し、順次デジット(桁)をスキャンする際に、ユニバーサルグリッド機能によりデジットデータをRAM領域から読み出し並列接続されたデジット駆動端子へ同時に転送することで、並列接続されたデジット駆動端子から同時にデジット駆動信号を出力させる蛍光表示管駆動用マイクロコントローラが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら、デジットデータをあらかじめRAM領域の一部にデータ設定する従来の蛍光表示管駆動用マイクロコントローラでは、デジットデータを設定するための表示専用RAM領域が別途必要であり、かつ順次デジットをスキャンする際には、表示専用RAM領域に設定されたデジットデータを並列接続されたデジット駆動端子へ同時に転送するための処理を実行する専用回路が必要になるため、回路規模が増大し、チップのコストが高くなるという問題を有していた。さらに、ソフトウエアによってデジットデータをあらかじめ表示専用RAM領域に設定する必要が生じ、ソフトウエア開発者の負担が増えるという問題を有していた。
【特許文献1】特開2002−40991号公報(第一図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、並列接続されるデジット駆動端子からデジット駆動信号が同時に出力されるように、順次出力されるデジットデータを時間シフトすることにより、または、順次出力されるデジットデータを所定期間保持して、その保持している期間デジット駆動端子へ出力することにより、少ないハードウエア構成でソフトウエアに負担を掛けることなく、容易にデジット駆動端子の並列駆動ができる蛍光表示管駆動用マイクロコントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1記載の蛍光表示管駆動用マイクロコントローラは、蛍光表示管を駆動する蛍光表示管駆動用マイクロコントローラであって、デジットデータを入力して蛍光表示管へデジット駆動信号を出力する複数の端子と、デジットデータを順次出力する表示出力制御回路と、外部で並列接続される前記端子からデジット駆動信号が同時に出力されるようにデジットデータを時間シフトさせるためのレジスタ値を格納するレジスタと、前記表示出力制御回路から出力された各デジットデータを前記レジスタのレジスタ値に基づいて時間シフトして出力するデジット波形制御回路と、を具備し、前記デジット波形制御回路から出力された各デジットデータを前記各端子へ入力することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2記載の蛍光表示管駆動用マイクロコントローラは、蛍光表示管を駆動する蛍光表示管駆動用マイクロコントローラであって、デジットデータを入力して蛍光表示管へデジット駆動信号を出力する複数の端子と、デジットデータを順次出力する表示出力制御回路と、前記各端子からデジット駆動信号が所定期間出力されるようにデジットデータを所定期間保持させるためのレジスタ値を格納するレジスタと、前記表示出力制御回路から出力された各デジットデータを前記レジスタのレジスタ値に基づいて所定期間保持して、その保持している期間出力するデジット波形制御回路と、を具備し、前記デジット波形制御回路から出力された各デジットデータを前記各端子へ入力することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3記載の蛍光表示管駆動用マイクロコントローラは、蛍光表示管を駆動する蛍光表示管駆動用マイクロコントローラであって、デジットデータを入力して蛍光表示管へデジット駆動信号を出力する複数の端子と、デジットデータを順次出力する表示出力制御回路と、外部で並列接続される前記端子からデジット駆動信号が同時に出力されるようにデジットデータを時間シフトさせるためのレジスタ値を格納するレジスタと、前記表示出力制御回路から出力されたデジットデータを選択し、その選択したデジットデータを前記レジスタのレジスタ値に基づいて時間シフトして出力する複数の選択回路と、を具備し、前記各選択回路から出力されたデジットデータを前記各端子へ入力することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4記載の蛍光表示管駆動用マイクロコントローラは、蛍光表示管を駆動する蛍光表示管駆動用マイクロコントローラであって、デジットデータを入力して蛍光表示管へデジット駆動信号を出力する複数の端子と、デジットデータを順次出力する表示出力制御回路と、前記各端子からデジット駆動信号が所定期間出力されるようにデジットデータを所定期間保持させるためのレジスタ値を格納するレジスタと、前記表示出力制御回路から出力されたデジットデータを選択し、その選択したデジットデータを前記レジスタのレジスタ値に基づいて所定期間保持して、その保持している期間出力する複数の選択回路と、を具備し、前記各選択回路から出力されたデジットデータを前記各端子へ入力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、少ないハードウエア構成(回路規模)でソフトウエアに負担を掛けることなく、容易にデジット駆動端子の並列駆動ができる。すなわち、ソフトウエアによるレジスタの設定により、デジット駆動端子の並列駆動が可能となるので、デジットデータ専用のRAM空間を設ける必要がなく、ソフトウエア設計時に、自由に使用できるRAM空間が増す。さらに、デジットデータをあらかじめRAM領域に設定する必要がなく、その分ソフトウエア設計の開発に伴う複雑性を軽減させることができる。また、デジットデータを並列接続されたデジット駆動端子へ同時に転送するためのユニバーサルグリッド回路を設ける必要がなく、回路規模を削減でき、チップのコストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における蛍光表示管駆動用マイクロコントローラについて、図面を参照して説明する。図1に、本実施の形態1における蛍光表示管駆動用マイクロコントローラの概略構成の一例を示す。図1において、1は蛍光表示管駆動用マイクロコントローラである。
【0013】
蛍光表示管駆動用マイクロコントローラ1において、2は図示しない蛍光表示管を駆動するための複数の高耐圧出力端子である。これらの高耐圧出力端子2はデジット表示データ用とセグメント表示データ用に分けられる。デジット表示データ用の高耐圧出力端子(デジット駆動端子)は、入力されたデジット表示データ(デジットデータ)を、蛍光表示管を駆動するために高電圧に変換して、デジット駆動信号として出力する。一方、セグメント表示データ用の高耐圧出力端子(セグメント駆動端子)も同様に、入力されたセグメント表示データ(セグメントデータ)を、蛍光表示管を駆動するために高電圧に変換して、セグメント駆動信号として出力する。
【0014】
3は表示タイミングに合わせてデジット表示データあるいはセグメント表示データをラッチする出力ラッチであり、各高耐圧出力端子2へデジット表示データまたはセグメント表示データを出力する。4は各デジット表示データと各セグメント表示データを各出力ラッチ3へ伝達するための表示データバスである。
【0015】
また、5はデータバス、6はアドレスバス、7は任意にデータ設定できるRAM(メモリ)、8はプログラムを格納するROMである。RAM7とROM8は共にデータバス5とアドレスバス6に接続している。
【0016】
9はデータバス5とアドレスバス6に接続し、ROM8に格納されているプログラムに基づいてセグメント表示データをRAM7の所定の位置に格納するCPUである。セグメント表示データは、RAM7においてSEG0からSEGnまで規則正しく順に配列される。
【0017】
10はセグメントデータライン、11はセグメントアドレスライン、12は表示出力制御回路であり、セグメントデータライン10は表示出力制御回路12とデータバス5を接続し、セグメントアドレスライン11は表示出力制御回路12とアドレスバス6を接続する。
【0018】
表示出力制御回路12は、セグメントアドレスライン11とアドレスバス6を経て、RAM7から読み出すセグメント表示データのアドレスを指定し、その指定したアドレスのセグメント表示データを、データバス5とセグメントデータライン10を経て読み出し、出力する。また、表示出力制御回路12は、デジットスキャン表示データ(デジットデータ)を生成して順次出力する。
【0019】
また、表示出力制御回路12は、CPU9へバス解放要求信号を出力する。13は表示出力制御回路12から出力されたバス解放要求信号をCPU9へ伝達するバス解放要求信号ラインである。CPU9はこのバス解放要求信号を受けて、データバス5とアドレスバス6を表示出力制御回路12に解放する。これにより、表示出力制御回路12はRAM7に自由にアクセスすることができるようになる。
【0020】
14はデジット波形制御回路、15はデジット時間シフトレジスタである。また、16はデジットスキャン表示データラインであり、表示出力制御回路12から出力されたデジットスキャン表示データをデジット波形制御回路14へ伝達する。
【0021】
デジット波形制御回路14は、表示出力制御回路12から出力された各デジットスキャン表示データを、デジット時間シフトレジスタ15のレジスタ値に基づいて時間シフトして、デジット表示データ(デジットデータ)として出力する。デジット時間シフトレジスタ15には、外部で並列接続される複数のデジット駆動端子(高耐圧出力端子2)からデジット駆動信号が同時に出力されるようにデジット波形制御回路14による時間シフト動作を制御するためのレジスタ値が格納されている。
【0022】
17はセグメント表示データラインであり、表示出力制御回路12から出力されるセグメント表示データを表示データバス4へ伝達する。また、18はデジット表示データラインであり、デジット波形制御回路14から出力されるデジット表示データを表示データバス4へ伝達する。
【0023】
このように構成された蛍光表示管駆動用マイクロコントローラ1の動作について説明する。まず、表示出力制御回路12が、CPU9へバス解放要求信号を出力して、RAM7から順次セグメント表示データを読み出す。表示出力制御回路12によりRAM7から読み出されたセグメント表示データは、出力ラッチ3を経て高耐圧出力端子(セグメント駆動端子)2へ出力される。
【0024】
一方、表示出力制御回路12は、デジットスキャン表示データを生成してデジット波形制御回路14へ順次出力する。デジット波形制御回路14は、デジット時間シフトレジスタ15に設定されたレジスタ値の内容に基づいて、外部で並列接続される複数のデジット駆動端子からデジット駆動信号が同時に出力されるようにデジットスキャン表示データを時間シフトして、一単位時間にデジット表示データを複数出力する。デジット表示データは、出力ラッチ3を経て、高耐圧出力端子(デジット駆動端子)2へ出力される。よって、デジット駆動端子の並列駆動が可能になる。なお、セグメント表示データをラッチする出力ラッチ3のタイミングは、時間シフトされたデジット表示データが入力されて並列駆動されるデジット駆動端子の動作タイミングに合わせる必要がある。
【0025】
図2に、高耐圧出力端子(デジット駆動端子)を並列接続した場合の構成の概要を示す。蛍光表示管を駆動する蛍光表示管駆動用マイクロコントローラ1においてデジット電流能力が低い場合には、図2に示すように、隣接する2つのデジット駆動端子を蛍光表示管駆動用マイクロコントローラ1の外部で接続して並列駆動を行うことで、蛍光表示管の仕様を満たすデジット電流能力を供給することが可能になる。
【0026】
続いて、デジット波形制御回路14による時間シフトの一具体例について説明する。図3は、蛍光表示管駆動用マイクロコントローラ1の動作の一例を示すタイミングチャート図であり、図4は、デジット表示データを時間シフトしない場合の標準タイミングチャート図である。
【0027】
図4において、41〜46はデジット駆動端子(高耐圧出力端子)1〜6に対するデジット表示データであり、デジット表示データを時間シフトしない場合、単位時間ごとに順次桁1〜6が表示される。
【0028】
一方、図3において、31〜36はデジット駆動端子(高耐圧出力端子)1〜6に対するデジット表示データであり、図4に示すデジット表示データ41〜46と同等である。また、3A〜3Eは、デジット波形制御回路14によりデジット表示データ31〜35が時間シフトされたものであり、デジット表示データ31〜35と同等のデータである。
【0029】
本実施の形態1では、デジット時間シフトレジスタ15を設定することで、デジット表示データを隣接するデジット駆動端子(高耐圧出力端子2)へ同時に出力することができ、隣接するデジット駆動端子からデジット駆動信号を同時に出力させることができる。
【0030】
図3に示す例では、デジット時間シフトレジスタ15を2桁の並列駆動設定にすることで、端子1と端子2、端子3と端子4、端子5と端子6へ同時にデジット表示データを入力している。
【0031】
すなわち、端子1に対するデジット表示データ31をデジット波形制御回路14により3単位時間分シフトさせてデジット表示データ3Aにし、端子2に対するデジット表示データ32をデジット波形制御回路14により2単位時間分シフトさせてデジット表示データ3Bにすることで、端子1と端子2から同時にデジット駆動信号を出力させる。
【0032】
同様に、端子3に対するデジット表示データ33をデジット波形制御回路14により2単位時間分シフトさせてデジット表示データ3Cにし、端子4に対するデジット表示データ34をデジット波形制御回路14により1単位時間分シフトさせてデジット表示データ3Dにすることで、端子3と端子4から同時にデジット駆動信号を出力させる。また、端子5に対するデジット表示データ35をデジット波形制御回路14により1単位時間分シフトさせてデジット表示データ3Eにし、端子6に対するデジット表示データ36についてはデジット波形制御回路14からそのまま出力させることで、端子5と端子6から同時にデジット駆動信号を出力させる。
【0033】
また、図3に示すように、2桁の並列駆動設定では、デジット表示データ(デジットスキャン表示データ)の繰り返し周期Tcycに対して、繰り返し周期Tcyc/2での表示が可能になる。なお、2桁の並列駆動設定に限らず、n桁の並列駆動設定が可能である。n桁の並列駆動設定では、繰り返し周期Tcyc/nでの表示が可能になる。
【0034】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における蛍光表示管駆動用マイクロコントローラについて、図面を参照して説明する。図5に、本実施の形態2における蛍光表示管駆動用マイクロコントローラの概略構成の一例を示す。但し、前述した実施の形態1において説明した部材に対応する部材には同一符号を付して、説明を省略する。本実施の形態2では、実施の形態1に対して、デジット波形制御回路14の制御要素にデジット保持シフトレジスタを追加した構成となっている。
【0035】
図5において、19はデジット保持シフトレジスタである。デジット波形制御回路14は、表示出力制御回路12から出力された各デジットスキャン表示データ(デジットデータ)を、デジット保持シフトレジスタ19のレジスタ値に基づいて所定期間保持して、その保持している期間デジット表示データ(デジットデータ)として出力する。デジット保持シフトレジスタ19には、各デジット駆動端子(高耐圧出力端子2)からデジット駆動信号が所定期間出力されるようにデジット波形制御回路14による保持シフト動作を制御するためのレジスタ値が格納されている。
【0036】
このように構成された蛍光表示管駆動用マイクロコントローラ1の動作について説明する。まず、表示出力制御回路12が、CPU9へバス解放要求信号を出力して、RAM7から順次セグメント表示データを読み出す。表示出力制御回路12によりRAM7から読み出されたセグメント表示データは、出力ラッチ3を経て高耐圧出力端子(セグメント駆動端子)2へ出力される。
【0037】
一方、表示出力制御回路12は、デジットスキャン表示データを生成してデジット波形制御回路14へ順次出力する。デジット波形制御回路14は、デジット保持シフトレジスタ19に設定されたレジスタ値の内容に基づいて、外部で並列接続される複数のデジット駆動端子からデジット駆動信号が同時に出力されるようにデジットスキャン表示データを所定期間保持して、一単位時間にデジット表示データを複数出力する。デジット表示データは、出力ラッチ3を経て、高耐圧出力端子(デジット駆動端子)2へ出力される。よって、デジット駆動端子の並列駆動が可能になる。なお、セグメント表示データをラッチする出力ラッチ3のタイミングは、保持シフトされたデジット表示データが入力されて並列駆動されるデジット駆動端子の動作タイミングに合わせる必要がある。
【0038】
以下、デジット波形制御回路14による保持シフトの一具体例について説明する。図6は、蛍光表示管駆動用マイクロコントローラ1の動作の一例を示すタイミングチャート図である。
【0039】
図6において、61〜66は端子(高耐圧出力端子2)1〜6に対するデジット表示データであり、図4に示すデジット表示データ41〜46と同等である。また、6A〜6Fは、デジット波形制御回路14によりデジット表示データ61〜66が1単位時間保持されたものであり、1単位時間前のデジット表示データ61〜66と同等のデータである。
【0040】
本実施の形態2では、デジット保持シフトレジスタ19を設定することで、デジット表示データを隣接するデジット駆動端子(高耐圧出力端子2)へ同時に出力することができ、隣接するデジット駆動端子からデジット駆動信号を同時に出力させることができる。
【0041】
図6に示す例では、デジット保持シフトレジスタ19を1桁設定にすることで、端子1と端子2、端子2と端子3、端子3と端子4、端子4と端子5、端子5と端子6、端子6と端子1へ同時にデジット表示データを入力している。
【0042】
すなわち、端子1に対するデジット表示データ61をデジット波形制御回路14により1単位時間保持することにより、端子2へデジット表示データ62が入力されるのと同時に、デジット表示データ61と同等のデジット表示データ6Aを端子1に入力することで、端子1と端子2から同時にデジット駆動信号を出力させる。
【0043】
同様に、例えば、端子2に対するデジット表示データ62をデジット波形制御回路14により1単位時間保持することにより、端子3へデジット表示データ63が入力されるのと同時に、デジット表示データ62と同等のデジット表示データ6Bを端子2に入力することで、端子2と端子3から同時にデジット駆動信号を出力させる。
【0044】
また、デジット表示データ(デジットスキャン表示データ)の繰り返し周期Tcycが終了するときであっても同様に、端子6に対するデジット表示データ66をデジット波形制御回路14により1単位時間保持することにより、端子1へデジット表示データが入力されるのと同時に、デジット表示データ66と同等のデジット表示データ6Fを端子6に入力することで、端子6と端子1から同時にデジット駆動信号を出力させることができる。
【0045】
なお、デジット保持シフトレジスタ19の設定値n(桁数n)を増やせば、各端子からデジット駆動信号が連続出力される期間も長くなり、1単位時間に同時に出力されるデジット駆動信号の数が増える。また、デジット波形制御回路14は、前述した実施の形態1で説明した機能も有しており、デジット時間シフトレジスタ15およびデジット保持シフトレジスタ19の組み合わせにより、レジスタ設定のみで所望のデジット表示を簡易にできる。
【0046】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3における蛍光表示管駆動用マイクロコントローラについて、図面を参照して説明する。図7に、本実施の形態3における蛍光表示管駆動用マイクロコントローラの概略構成の一例を示す。但し、前述した実施の形態1、2において説明した部材に対応する部材には同一符号を付して、説明を省略する。
【0047】
図7において、20は選択回路としてのマルチプレクサ(MPX)であり、各出力ラッチ3ごとに設けられている。また、本実施の形態3では、デジットスキャン表示データライン16は、表示出力制御回路12から出力されたデジットスキャン表示データを表示データバス4へ伝達する。また、表示データバス4は、デジットスキャン表示データとセグメント表示データをマルチプレクサ20へ伝達する。
【0048】
これらのマルチプレクサ20はデジット表示データ用とセグメント表示データ用に分けられる。デジット表示データ用のマルチプレクサ20は、表示データバス4に伝達されたデジットスキャン表示データ(デジットデータ)を選択し、その選択したデジットスキャン表示データをデジット時間シフトレジスタ15のレジスタ値の内容に基づいて時間シフトして出力する機能、および、選択したデジットスキャン表示データをデジット保持シフトレジスタ19のレジスタ値の内容に基づいて所定期間保持して、その保持している期間出力する機能を有する。
【0049】
一方、セグメント表示データ用のマルチプレクサ20は、表示データバス4に伝達されたセグメント表示データ(セグメントデータ)を選択して、デジット時間シフトレジスタ15のレジスタ値の内容を基に、時間シフトされたデジット表示データが入力されて並列駆動されるデジット駆動端子の動作タイミングに合わせて出力ラッチ3へ出力する。または、デジット保持シフトレジスタ19のレジスタ値の内容を基に、保持シフトされたデジット表示データが入力されて並列駆動されるデジット駆動端子の動作タイミングに合わせて出力ラッチ3へ出力する。
【0050】
また、21はデジット時間シフトレジスタ15またはデジット保持シフトレジスタ19のレジスタ値を反映した信号を各マルチプレクサ(選択回路)20へ伝達するデータラインである。
【0051】
このように、本実施の形態3では、デジット表示データ用のマルチプレクサに、前述した実施の形態1、2で説明したデジット波形制御回路14の機能と同等の機能を持たせており、その動作は、実施の形態1、2における蛍光表示管駆動用マイクロコントローラと同様である。
【0052】
すなわち、まず、表示出力制御回路12が、CPU9へバス解放要求信号を出力して、RAM7から順次セグメント表示データを読み出す。データライン21によりデジット時間シフトレジスタ15の内容を反映した信号が伝達されている場合、表示出力制御回路12によりRAM7から読み出されたセグメント表示データは、セグメント表示データ用のマルチプレクサ20により選択され、デジット時間シフトレジスタ15に設定されたレジスタ値の内容を基に出力され、出力ラッチ3を経て高耐圧出力端子(セグメント駆動端子)2へ入力される。
【0053】
一方、表示出力制御回路12は、デジットスキャン表示データを生成して表示データバス4へ順次出力する。デジット表示データ用のマルチプレクサ20は、表示データバス4に伝達されたデジットスキャン表示データを選択し、その選択したデジットスキャン表示データをデジット時間シフトレジスタ15に設定されたレジスタ値の内容に基づいて、外部で並列接続される複数のデジット駆動端子からデジット駆動信号が同時に出力されるように時間シフトして、デジット表示データとして出力する。
【0054】
一方、データライン21によりデジット保持シフトレジスタ19の内容を反映した信号が伝達されている場合、表示出力制御回路12によりRAM7から読み出されたセグメント表示データは、セグメント表示データ用のマルチプレクサ20により選択され、デジット保持シフトレジスタ19に設定されたレジスタ値の内容を基に出力され、出力ラッチ3を経て高耐圧出力端子(セグメント駆動端子)2へ入力される。
【0055】
デジット表示データ用のマルチプレクサ20は、表示データバス4に伝達されたデジットスキャン表示データを選択し、その選択したデジットスキャン表示データをデジット保持シフトレジスタ19に設定されたレジスタ値の内容に基づいて、外部で並列接続される複数のデジット駆動端子からデジット駆動信号が同時に出力されるように所定時間保持して、その保持している期間デジット表示データとして出力する。
【0056】
マルチプレクサ20から出力されたデジット表示データは、出力ラッチ3を経て、高耐圧出力端子(デジット駆動端子)2へ出力される。よって、デジット駆動端子の並列駆動が可能になる。
【0057】
以上のように、本実施の形態3によれば、デジット表示データ用のマルチプレクサに、前述した実施の形態1、2で説明したデジット波形制御回路14の機能と同等の機能を持たせているので、デジット時間シフトレジスタ15およびデジット保持シフトレジスタ19の組み合わせにより、レジスタ設定のみで所望のデジット表示を簡易にできる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明にかかる蛍光表示管駆動用マイクロコントローラは、少ないハードウエア構成(回路規模)でソフトウエアに負担を掛けることなく、容易にデジット駆動端子の並列駆動ができ、多彩な表示が可能な蛍光表示管を駆動する半導体装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態1における蛍光表示管駆動用マイクロコントローラの概略構成の一例を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における蛍光表示管駆動用マイクロコントローラのデジット駆動端子を並列接続した構成の概要を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における蛍光表示管駆動用マイクロコントローラの動作の一例を示すタイミングチャート図
【図4】従来の蛍光表示管駆動用マイクロコントローラの動作を示すタイミングチャート図
【図5】本発明の実施の形態2における蛍光表示管駆動用マイクロコントローラの概略構成の一例を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態2における蛍光表示管駆動用マイクロコントローラの動作の一例を示すタイミングチャート図
【図7】本発明の実施の形態3における蛍光表示管駆動用マイクロコントローラの概略構成の一例を示すブロック図
【符号の説明】
【0060】
1 蛍光表示管駆動用マイクロコントローラ
2 高耐圧出力端子
3 出力ラッチ
4 表示データバス
5 データバス
6 アドレスバス
7 RAM
8 ROM
9 CPU
10 セグメントデータライン
11 セグメントアドレスライン
12 表示出力制御回路
13 バス開放要求信号ライン
14 デジット波形制御回路
15 デジット時間シフトレジスタ
16 デジットスキャン表示データライン
17 セグメント表示データライン
18 デジット表示データライン
19 デジット保持シフトレジスタ
20 マルチプレクサ
21 データライン
31〜36、41〜46、61〜66 デジット表示データ
3A〜3E 時間シフトされたデジット表示データ
6A〜6F 保持シフトされたデジット表示データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光表示管を駆動する蛍光表示管駆動用マイクロコントローラであって、
デジットデータを入力して蛍光表示管へデジット駆動信号を出力する複数の端子と、
デジットデータを順次出力する表示出力制御回路と、
外部で並列接続される前記端子からデジット駆動信号が同時に出力されるようにデジットデータを時間シフトさせるためのレジスタ値を格納するレジスタと、
前記表示出力制御回路から出力された各デジットデータを前記レジスタのレジスタ値に基づいて時間シフトして出力するデジット波形制御回路と、
を具備し、前記デジット波形制御回路から出力された各デジットデータを前記各端子へ入力することを特徴とする蛍光表示管駆動用マイクロコントローラ。
【請求項2】
蛍光表示管を駆動する蛍光表示管駆動用マイクロコントローラであって、
デジットデータを入力して蛍光表示管へデジット駆動信号を出力する複数の端子と、
デジットデータを順次出力する表示出力制御回路と、
前記各端子からデジット駆動信号が所定期間出力されるようにデジットデータを所定期間保持させるためのレジスタ値を格納するレジスタと、
前記表示出力制御回路から出力された各デジットデータを前記レジスタのレジスタ値に基づいて所定期間保持して、その保持している期間出力するデジット波形制御回路と、
を具備し、前記デジット波形制御回路から出力された各デジットデータを前記各端子へ入力することを特徴とする蛍光表示管駆動用マイクロコントローラ。
【請求項3】
蛍光表示管を駆動する蛍光表示管駆動用マイクロコントローラであって、
デジットデータを入力して蛍光表示管へデジット駆動信号を出力する複数の端子と、
デジットデータを順次出力する表示出力制御回路と、
外部で並列接続される前記端子からデジット駆動信号が同時に出力されるようにデジットデータを時間シフトさせるためのレジスタ値を格納するレジスタと、
前記表示出力制御回路から出力されたデジットデータを選択し、その選択したデジットデータを前記レジスタのレジスタ値に基づいて時間シフトして出力する複数の選択回路と、
を具備し、前記各選択回路から出力されたデジットデータを前記各端子へ入力することを特徴とする蛍光表示管駆動用マイクロコントローラ。
【請求項4】
蛍光表示管を駆動する蛍光表示管駆動用マイクロコントローラであって、
デジットデータを入力して蛍光表示管へデジット駆動信号を出力する複数の端子と、
デジットデータを順次出力する表示出力制御回路と、
前記各端子からデジット駆動信号が所定期間出力されるようにデジットデータを所定期間保持させるためのレジスタ値を格納するレジスタと、
前記表示出力制御回路から出力されたデジットデータを選択し、その選択したデジットデータを前記レジスタのレジスタ値に基づいて所定期間保持して、その保持している期間出力する複数の選択回路と、
を具備し、前記各選択回路から出力されたデジットデータを前記各端子へ入力することを特徴とする蛍光表示管駆動用マイクロコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−147929(P2007−147929A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341303(P2005−341303)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】