融着接続機および融着接続機の制御方法
【課題】低い接続損失を安定して得ることができる融着接続機および融着接続機の制御方法を提供すること。
【解決手段】アーク放電によって対向して配置した光ファイバを融着接続する融着接続機であって、放電開始後の所定時間以降に対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定する測定手段と、前記発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する演算手段と、前記差分Dの値に応じて放電強度を増減して前記発光幅Wfnを前記目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行う放電制御手段と、を備える。
【解決手段】アーク放電によって対向して配置した光ファイバを融着接続する融着接続機であって、放電開始後の所定時間以降に対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定する測定手段と、前記発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する演算手段と、前記差分Dの値に応じて放電強度を増減して前記発光幅Wfnを前記目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行う放電制御手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アーク放電によって対向して配置した光ファイバを融着接続する融着接続機および融着接続機の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光ファイバの融着接続機は、接続すべき光ファイバを所定の間隔で対向して配置し、各光ファイバの対向した端面近傍に備えた対向する2本の電極棒からアーク放電を行い、光ファイバに熱を与えて溶融しながら端面をより近づけることによって融着して、所定の接続損失で接続するものである。このような光ファイバの融着接続方法として、電極からの放電パターンの広がり幅を監視しながら融着接続を行う方法が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−5814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の融着接続機は、低い接続損失値が安定して得られないという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、低い接続損失を安定して得ることができる融着接続機および融着接続機の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る融着接続機は、アーク放電によって対向して配置した光ファイバを融着接続する融着接続機であって、放電開始後の所定時間以降に対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定する測定手段と、前記発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する演算手段と、前記差分の値に応じて放電強度を増減して前記発光幅Wfnを前記目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行う放電制御手段と、を備えたことを特徴とする。なお、D=Wfn−Waである。
【0007】
また、本発明に係る融着接続機は、上記の発明において、前記目標発光幅Waは、光ファイバの接続損失が許容接続損失よりも小さいときの発光幅であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る融着接続機は、上記の発明において、前記所定時間は0.5秒以上であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る融着接続機の制御方法は、アーク放電によって対向して配置した光ファイバを融着接続する融着接続機の制御方法であって、放電開始後の所定時間以降に対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定する測定ステップと、前記発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する演算ステップと、前記差分の値に応じて放電強度を増減して前記発光幅Wfnを前記目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行う放電制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る融着接続機の制御方法は、上記の発明において、前記目標発光幅Waは、光ファイバの接続損失が許容接続損失よりも小さいときの発光幅であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る融着接続機の制御方法は、上記の発明において、前記所定時間は0.5秒以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に従い、放電開始後の所定時間以降に対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定し、発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dの値に応じて放電強度を増減して発光幅Wfnを目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行えば、常に最適な放電条件でアーク放電を行うように制御することができるので、低い接続損失を安定して得ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、図面を参照して本発明に係る融着接続機および融着接続機の制御方法の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態である融着接続機の融着接続時の放電制御にかかわる構成を示す図である。図1において、この融着接続機は、光ファイバを収容するV溝を形成したホルダ3a、3bが、接続すべき4芯の多芯光ファイバ1、2をクランプしている。ホルダ3a、3bにクランプされて対向配置した1対の多芯光ファイバ1、2は、ホルダ3a、3bが多芯光ファイバ1、2の長手方向に移動することによってお互いの端面が所定位置で突き合わせた状態となる。つぎに、この状態で多芯光ファイバ1、2の長手方向に垂直なX軸方向において対向配置された電極棒4a、4bからアーク放電することによって多芯光ファイバ1、2に熱が与えられて溶融し、融着接続される。なお、放電の間、多芯光ファイバ1、2は熱によって発光する。
【0015】
多芯光ファイバ1、2の長手方向に垂直なX軸方向の一方には光源5が配置され、他方には受光系6が配置される。すなわち、いわゆる1軸観察の構成をとっている。受光系6には、CCDなどの撮像素子7を有した光学系であり、この撮像素子7は、光源5から出力された光によって映し出される多芯光ファイバ1、2を撮像する。
【0016】
電極棒4a、4b、光源5および撮像素子7は、制御部Cに接続され、制御部Cの制御によって駆動される。制御部Cは、画像処理部8と、記憶部9と、演算部10と、放電強度処理部11とを有する。画像処理部8は、撮像素子7によって撮像された光ファイバの画像を画像処理することによって、多芯光ファイバ1、2の最外部に位置する対向する光ファイバ1a、2aの発光幅Wfnを測定する。また、記憶部9は、発光幅Wfnの測定開始までの時間、融着に必要な放電時間、目標発光幅Wa、差分Dの絶対値の上限値などのデータを記憶しており、記憶されたデータは適宜読み出されて使用される。また、演算部10は、発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する。また、放電制御手段11は、差分Dの値に応じて放電強度を増減して発光幅Wfnを目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行う。また、差分Dの絶対値が上限値以上の場合は、制御部Cに接続される入出力部12から放電異常を知らせる警告を表示する、警報音を発生するか、またはその両方を行う。
【0017】
ここで、図2に示すフローチャートを参照して、制御部Cによる制御処理手順について説明する。図2において、まず制御部Cは、放電制御部11において、電極棒4a、4bからのアーク放電を開始する(ステップS101)。つぎに、制御部Cは、放電時間が終了か否かを判断する(ステップS102)。その後、放電時間が終了の場合(ステップS102、Yes)には、ステップS111に進むが、放電時間が終了ではない場合(ステップS102、No)には、放電開始から所定時間以上経過したか否かを判断する(ステップS103)。この所定時間とは、放電開始から発光幅Wfnの測定開始までの時間に対応する。その後、所定時間以上経過していない場合(ステップS103、No)には、ステップS102に戻る。また、所定時間以上経過した場合(ステップS103、Yes)には撮像素子7による撮像を行い、画像処理部8が、撮像結果をもとに画像処理を行い、対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定する(ステップS104)。その後、演算部10において発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する(ステップS105)。ここで目標発光幅Waとは、光ファイバの接続損失が許容接続損失よりも小さいときの発光幅である。
【0018】
その後、この演算した差分Dの絶対値が上限値以上か否かを判断する(ステップS106)。差分Dの絶対値が上限値以上の場合には、放電状態が異常であることを意味する。差分Dの絶対値が上限値以上の場合(ステップS106,Yes)には、入出力部12から放電異常を知らせる警告を表示するか警報音を発生する、またはその両方を行うフラグを立てる(ステップS110)。その後、差分Dが零以上か否かを判断する(ステップS107)。差分Dが零以上である場合(ステップS107,Yes)は、放電強度制御部11が放電強度を減少し(ステップS109)、差分Dが零より小さい場合(ステップS107,No)は、放電強度制御部11が放電強度を増加し(ステップS108)、ステップS102に戻る。そして、所定の放電時間が終了していない場合(ステップS102、No)は、上述したステップS103以降を繰り返す。一方、所定の放電時間が終了した場合(ステップS102、Yes)は、フラグが立てられている(フラグ=1)か否かを判断する(ステップS111)。この判断結果、フラグが立てられている場合(ステップS111、Yes)は、警告の表示および警報音を発生し(ステップS112)、フラグが立てられていない場合(ステップS111、No)は、放電を終了する。なお、放電時間は、放電が多芯光ファイバ1,2に与える熱量の積分値が融着接続に必要な所定の値になるまでの時間であり、放電強度や光ファイバの種類などに応じて決定される。4芯の多芯光ファイバの場合はたとえば10〜20秒程度である。
【0019】
本実施の形態では、差分Dの値に応じて放電強度を増減して発光幅Wfnを目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行うことによって、常に最適な放電条件でアーク放電を行うように制御することができるので、低い接続損失を安定して得ることができる。
【0020】
つぎに、本実施の形態についてより具体的に説明する。はじめに、発光幅Wfnについて説明する。図3および4は、多芯光ファイバ1、2の融着接続の際に入出力部12に備えた表示部13に表示される画像を模式的に示した図である。多芯光ファイバ1、2の融着接続の際には、まず、図3に示すように、ホルダ3a、3bの移動によって多芯光ファイバ1、2が長手方向に移動し、端面が所定位置で突き合わされた状態となる。つぎに、3秒以下の短時間のアーク放電(クリーニング放電)を行って光ファイバ表面の異物を除去した後、図4に示すように、アーク放電を行い、多芯光ファイバ1、2に熱を与えて溶融しながら端面をより近づけることによって融着して接続する。なお、このとき表示部13の表示上ではアーク放電の放電パターンの周辺領域と、多芯光ファイバ1、2が熱を与えられて高温化した部分に発光が観察される。符号Daは発光領域を示す。このとき、発光幅Wfnとは、図4に示すように、対向して接続すべき光ファイバが発光している領域の幅のことである。この発光幅Wfnは多芯光ファイバ1、2に実際に与えられる熱量を反映する。従って、この発光幅Wfnを放電強度の制御パラメータに用いることで、たとえば放電電圧などを制御パラメータに用いる場合に比べて、常に光ファイバに最適な量の熱を与えることができるので、より安定して低い接続損失が得られるとともに、従来融着接続の度に必要であった放電強度の確認のための試験放電を行う必要がない。
【0021】
なお、発光幅Wfnの測定は、放電開始後の所定時間以降に行うが、この所定時間は0.5秒以上であることが好ましい。その理由を以下に説明する。
【0022】
図5は、異なる融着接続機における放電開始後の経過時間と発光幅との関係を示す図である。曲線L1は本実施の形態に係る融着接続機の場合を示し、曲線L2、L3は本実施の形態に係る融着接続機と同一型式の他の融着接続機の場合を示す。図5に示すように、放電開始後には放電強度が安定しないので放電強度を反映する発光幅も安定せず、曲線L1〜L3の形状も機器によってばらばらであるが、放電開始後0.5秒経過するといずれの曲線も安定して変化する形状になる。したがって、放電開始後の0.5秒経過後に発光幅Wfnを測定すれば、融着接続機の機器によらず発光幅Wfnを安定して測定できるので、より安定した放電強度の制御ができ、安定して低い接続損失を実現できる。
【0023】
つぎに、目標発光幅Waについて説明する。目標発光幅Waは、光ファイバの接続損失が許容接続損失よりも小さいときの発光幅であることが好ましいが、融着接続機の製造時、メンテナンス時、または融着接続の作業開始前に予備的に試験放電をして求めるものである。以下説明する。
【0024】
目標発光幅Waを求める際には、まず試験放電によって光ファイバの後退量と呼ばれる量を測定し、この後退量を目安として目標発光幅Waを求める。すなわち、まず図6に示すように、接続すべき多芯光ファイバを所定の間隔だけ隔てて対向して配置し、所定の時間だけ試験放電を行い、多芯光ファイバの端面部を溶かす。ここで、符号16は試験放電によって後退した部分を示す。この後退した部分16の長手方向の長さを後退量と規定する。
【0025】
図7は、後退量、放電強度、発光幅と接続損失との関係を示す図である。図7に示すように、接続損失が所定の許容接続損失Loss1となるような発光幅が発光幅Wfn1とWfn2との間に存在するので、これを目標発光幅Waとする。なお、後退量と放電強度と発光幅とには相関があるので、目標発光幅Waに対応する後退量Maとなるような放電強度Paで放電を行えばそのときの発光幅は目標発光幅Waとなっていると仮定して、試験放電の際には放電幅を測定せずに後退量のみを測定して、最適な放電条件を決めてもよい。
【0026】
なお、図8は、放電強度と後退量との関係を測定した結果を示す図である。図8に示すように、放電強度と後退量とは相関関係があり、この相関関係は機器によって異なるが、予め放電試験によって放電強度と後退量との相関関係を知ることができる。
【0027】
つぎに、差分Dの絶対値が上限値以上の場合について説明する。図9は、差分Dの絶対値と接続損失との関係について示す図である。図9に示すように、放電時間が一定という条件で差分Dの絶対値が大きくなると接続損失が急激に上昇し、上限値Dmaxを超えると接続損失が接続損失Loss2を超えてしまう。そこで、本実施の形態の融着接続機は、差分Dの絶対値が上限値以上の場合は放電異常を知らせる警告の表示および警報音の発生を接続後に行うので、より安全な融着接続作業が可能となる。
【0028】
つぎに、本実施の形態に係る融着接続機を用いて融着接続を行った結果について説明する。図10は、本実施の形態に係る融着接続機を用いて融着作業を行った際の電源投入後の経過時間と接続損失および10分間の接続損失の平均値との関係を示す図である。なお、接続する多芯光ファイバとしてそれぞれ同様の特性を有した4芯の多芯光ファイバであるサンプル#1〜4の多芯光ファイバを用いた。図10に示すように、電源投入後150分間の接続損失の平均値は極めて安定した低い値であった。
【0029】
一方、図11は、従来の融着接続機を用いて融着作業を行った際の電源投入後の経過時間と接続損失および10分間の接続損失の平均値との関係を示す図である。なお、接続する多芯光ファイバとしてサンプル#1〜4の多芯光ファイバと同様の特性を有した4芯の多芯光ファイバであるサンプル#5〜8の多芯光ファイバを用いた。図11に示すように、電源投入後の接続損失の平均値は徐々に増加し、不安定であった。
【0030】
ここで、図12は、具体的な融着接続機30の外観を示す斜視図であり、図13は、この融着接続機30の風防カバー36を開き、光ファイバ45を把持したホルダをホルダ台に設置した状態を示す図である。図12および図13において、この融着接続機30は、光ファイバの融着接続に必要な最小限の機能を備え、手持部30aと融着接続部30bとがT字形に配置され、手持部30aに表示部32および入出力部31を有する。表示部32は、たとえば、接続損失の設定値、推定損失、警告などの文字を表示することができる。なお、この場合、光ファイバ種類を選択できるようにしてもよい。さらに、表示部32は、その画面から各種操作が可能なようにタッチパネル式としてもよい。
【0031】
入出力部31は、ランプ32a,32bおよび音出力部33を有する。ランプ32a,32bは、放電状態を表示するLEDであり、ランプ32aは、放電が正常に行われた場合に緑色を点灯し、ランプ32bは、異常放電の場合に赤色を点灯あるいは点滅させる。また、音出力部33は、異常放電の場合に、ブザー音を出力し、警告する。また、入出力部31は、電源のオン/オフ操作を行う電源キーKp、表示部32におけるカーソルの上移動並びに接続操作を開始させるカーソルキーKcu、カーソルの上移動を素須佐するカーソルキーKcd、リセットキーKr、選択決定キーKe、動作開始あるいは位置停止を入力する操作キーKopなどの各種操作キーの他、電源のオン/オフ状態を表示するモニタランプLmなどを有する。
【0032】
融着接続部30bは、1組のホルダ台34と、放電電極35と、風防カバー36とを有する。ここで、1組のホルダ台34と放電電極35とは、内部の支持基板43上に設置され、支持基板43は磁性金属によって形成される。ホルダ台34は、光ファイバ45を把持した磁性金属からなりホルダ46をそれぞれ対向させて配置する台で、融着接続部30bの中央に配置される支持部材37の両側に1つずつ配置される。放電電極35は、光ファイバ45に対して直交させて対向配置され、対向配置された光ファイバ45の端部を放電によって融着接続する。
【0033】
なお、上述した実施の形態では、多芯光ファイバを接続する場合について説明したが、これに限らず、単芯光ファイバを接続する場合についても同様に適用することができる。
【0034】
また、上述した実施の形態において、電極棒の経時劣化や異物の付着などによって、放電パターンが電極棒を中心として左右非対称になり、接続損失が増大する場合がある。そこで、上述した実施の形態の融着接続機に、発光幅だけでなく発光幅の中心位置も測定して記憶し、次回の融着接続時には対向する光ファイバの端面の突合せの位置と発光幅の中心位置とが一致するように突合せの位置を調整する手段を備えてもよい。さらに、異種の光ファイバを接続する際には、各光ファイバは融着接続に必要な熱量が異なる場合があるので、対向する光ファイバの端面の突合せの位置と発光幅の中心位置とが一致しているとかえって接続損失が増大する場合がある。そこで、各光ファイバの種類を考慮して、光ファイバの端面の突合せの位置と発光幅の中心位置の位置関係を適宜調整してもよい。
【0035】
また、上述のクリーニング放電の際にも光ファイバがある程度発光するので、クリーニング放電の際の光ファイバの発光幅を測定し、この発光幅を目標発光幅の目安としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態である融着接続機の融着接続時の放電制御にかかわる構成を示す図である。
【図2】図1に示した融着接続機における制御処理手順を示すフローチャートである。
【図3】多芯光ファイバの融着接続の際に入出力部に備えた表示部に表示される画像を模式的に示した図である。
【図4】多芯光ファイバの融着接続の際に入出力部に備えた表示部に表示される画像を模式的に示した図である。
【図5】異なる融着接続機における放電開始後の経過時間と発光幅との関係を示す図である。
【図6】後退量を説明する図である。
【図7】後退量、放電強度、発光幅と接続損失との関係を示す図である。
【図8】放電強度と後退量との関係を測定した結果を示す図である。
【図9】差分Dの絶対値と接続損失との関係について示す図である。
【図10】実施の形態に係る融着接続機を用いて融着作業を行った際の電源投入後の経過時間と接続損失および10分間の接続損失の平均値との関係を示す図である。
【図11】従来の融着接続機を用いて融着作業を行った際の電源投入後の経過時間と接続損失および10分間の接続損失の平均値との関係を示す図である。
【図12】融着接続機の一例を示す斜視図である。
【図13】図12に示した融着接続機であって、風防カバーを開き、光ファイバを把持したホルダをホルダ台に設置した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1、2 多芯光ファイバ
3a、3b ホルダ
4a、4b 電極棒
5 光源
6 受光系
7 撮像素子
8 画像処理部
9 記憶部
10 演算部
11 放電強度制御部
12 入出力部
C 制御部
【技術分野】
【0001】
この発明は、アーク放電によって対向して配置した光ファイバを融着接続する融着接続機および融着接続機の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光ファイバの融着接続機は、接続すべき光ファイバを所定の間隔で対向して配置し、各光ファイバの対向した端面近傍に備えた対向する2本の電極棒からアーク放電を行い、光ファイバに熱を与えて溶融しながら端面をより近づけることによって融着して、所定の接続損失で接続するものである。このような光ファイバの融着接続方法として、電極からの放電パターンの広がり幅を監視しながら融着接続を行う方法が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−5814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の融着接続機は、低い接続損失値が安定して得られないという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、低い接続損失を安定して得ることができる融着接続機および融着接続機の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る融着接続機は、アーク放電によって対向して配置した光ファイバを融着接続する融着接続機であって、放電開始後の所定時間以降に対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定する測定手段と、前記発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する演算手段と、前記差分の値に応じて放電強度を増減して前記発光幅Wfnを前記目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行う放電制御手段と、を備えたことを特徴とする。なお、D=Wfn−Waである。
【0007】
また、本発明に係る融着接続機は、上記の発明において、前記目標発光幅Waは、光ファイバの接続損失が許容接続損失よりも小さいときの発光幅であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る融着接続機は、上記の発明において、前記所定時間は0.5秒以上であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る融着接続機の制御方法は、アーク放電によって対向して配置した光ファイバを融着接続する融着接続機の制御方法であって、放電開始後の所定時間以降に対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定する測定ステップと、前記発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する演算ステップと、前記差分の値に応じて放電強度を増減して前記発光幅Wfnを前記目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行う放電制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る融着接続機の制御方法は、上記の発明において、前記目標発光幅Waは、光ファイバの接続損失が許容接続損失よりも小さいときの発光幅であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る融着接続機の制御方法は、上記の発明において、前記所定時間は0.5秒以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に従い、放電開始後の所定時間以降に対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定し、発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dの値に応じて放電強度を増減して発光幅Wfnを目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行えば、常に最適な放電条件でアーク放電を行うように制御することができるので、低い接続損失を安定して得ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、図面を参照して本発明に係る融着接続機および融着接続機の制御方法の実施の形態について説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態である融着接続機の融着接続時の放電制御にかかわる構成を示す図である。図1において、この融着接続機は、光ファイバを収容するV溝を形成したホルダ3a、3bが、接続すべき4芯の多芯光ファイバ1、2をクランプしている。ホルダ3a、3bにクランプされて対向配置した1対の多芯光ファイバ1、2は、ホルダ3a、3bが多芯光ファイバ1、2の長手方向に移動することによってお互いの端面が所定位置で突き合わせた状態となる。つぎに、この状態で多芯光ファイバ1、2の長手方向に垂直なX軸方向において対向配置された電極棒4a、4bからアーク放電することによって多芯光ファイバ1、2に熱が与えられて溶融し、融着接続される。なお、放電の間、多芯光ファイバ1、2は熱によって発光する。
【0015】
多芯光ファイバ1、2の長手方向に垂直なX軸方向の一方には光源5が配置され、他方には受光系6が配置される。すなわち、いわゆる1軸観察の構成をとっている。受光系6には、CCDなどの撮像素子7を有した光学系であり、この撮像素子7は、光源5から出力された光によって映し出される多芯光ファイバ1、2を撮像する。
【0016】
電極棒4a、4b、光源5および撮像素子7は、制御部Cに接続され、制御部Cの制御によって駆動される。制御部Cは、画像処理部8と、記憶部9と、演算部10と、放電強度処理部11とを有する。画像処理部8は、撮像素子7によって撮像された光ファイバの画像を画像処理することによって、多芯光ファイバ1、2の最外部に位置する対向する光ファイバ1a、2aの発光幅Wfnを測定する。また、記憶部9は、発光幅Wfnの測定開始までの時間、融着に必要な放電時間、目標発光幅Wa、差分Dの絶対値の上限値などのデータを記憶しており、記憶されたデータは適宜読み出されて使用される。また、演算部10は、発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する。また、放電制御手段11は、差分Dの値に応じて放電強度を増減して発光幅Wfnを目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行う。また、差分Dの絶対値が上限値以上の場合は、制御部Cに接続される入出力部12から放電異常を知らせる警告を表示する、警報音を発生するか、またはその両方を行う。
【0017】
ここで、図2に示すフローチャートを参照して、制御部Cによる制御処理手順について説明する。図2において、まず制御部Cは、放電制御部11において、電極棒4a、4bからのアーク放電を開始する(ステップS101)。つぎに、制御部Cは、放電時間が終了か否かを判断する(ステップS102)。その後、放電時間が終了の場合(ステップS102、Yes)には、ステップS111に進むが、放電時間が終了ではない場合(ステップS102、No)には、放電開始から所定時間以上経過したか否かを判断する(ステップS103)。この所定時間とは、放電開始から発光幅Wfnの測定開始までの時間に対応する。その後、所定時間以上経過していない場合(ステップS103、No)には、ステップS102に戻る。また、所定時間以上経過した場合(ステップS103、Yes)には撮像素子7による撮像を行い、画像処理部8が、撮像結果をもとに画像処理を行い、対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定する(ステップS104)。その後、演算部10において発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する(ステップS105)。ここで目標発光幅Waとは、光ファイバの接続損失が許容接続損失よりも小さいときの発光幅である。
【0018】
その後、この演算した差分Dの絶対値が上限値以上か否かを判断する(ステップS106)。差分Dの絶対値が上限値以上の場合には、放電状態が異常であることを意味する。差分Dの絶対値が上限値以上の場合(ステップS106,Yes)には、入出力部12から放電異常を知らせる警告を表示するか警報音を発生する、またはその両方を行うフラグを立てる(ステップS110)。その後、差分Dが零以上か否かを判断する(ステップS107)。差分Dが零以上である場合(ステップS107,Yes)は、放電強度制御部11が放電強度を減少し(ステップS109)、差分Dが零より小さい場合(ステップS107,No)は、放電強度制御部11が放電強度を増加し(ステップS108)、ステップS102に戻る。そして、所定の放電時間が終了していない場合(ステップS102、No)は、上述したステップS103以降を繰り返す。一方、所定の放電時間が終了した場合(ステップS102、Yes)は、フラグが立てられている(フラグ=1)か否かを判断する(ステップS111)。この判断結果、フラグが立てられている場合(ステップS111、Yes)は、警告の表示および警報音を発生し(ステップS112)、フラグが立てられていない場合(ステップS111、No)は、放電を終了する。なお、放電時間は、放電が多芯光ファイバ1,2に与える熱量の積分値が融着接続に必要な所定の値になるまでの時間であり、放電強度や光ファイバの種類などに応じて決定される。4芯の多芯光ファイバの場合はたとえば10〜20秒程度である。
【0019】
本実施の形態では、差分Dの値に応じて放電強度を増減して発光幅Wfnを目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行うことによって、常に最適な放電条件でアーク放電を行うように制御することができるので、低い接続損失を安定して得ることができる。
【0020】
つぎに、本実施の形態についてより具体的に説明する。はじめに、発光幅Wfnについて説明する。図3および4は、多芯光ファイバ1、2の融着接続の際に入出力部12に備えた表示部13に表示される画像を模式的に示した図である。多芯光ファイバ1、2の融着接続の際には、まず、図3に示すように、ホルダ3a、3bの移動によって多芯光ファイバ1、2が長手方向に移動し、端面が所定位置で突き合わされた状態となる。つぎに、3秒以下の短時間のアーク放電(クリーニング放電)を行って光ファイバ表面の異物を除去した後、図4に示すように、アーク放電を行い、多芯光ファイバ1、2に熱を与えて溶融しながら端面をより近づけることによって融着して接続する。なお、このとき表示部13の表示上ではアーク放電の放電パターンの周辺領域と、多芯光ファイバ1、2が熱を与えられて高温化した部分に発光が観察される。符号Daは発光領域を示す。このとき、発光幅Wfnとは、図4に示すように、対向して接続すべき光ファイバが発光している領域の幅のことである。この発光幅Wfnは多芯光ファイバ1、2に実際に与えられる熱量を反映する。従って、この発光幅Wfnを放電強度の制御パラメータに用いることで、たとえば放電電圧などを制御パラメータに用いる場合に比べて、常に光ファイバに最適な量の熱を与えることができるので、より安定して低い接続損失が得られるとともに、従来融着接続の度に必要であった放電強度の確認のための試験放電を行う必要がない。
【0021】
なお、発光幅Wfnの測定は、放電開始後の所定時間以降に行うが、この所定時間は0.5秒以上であることが好ましい。その理由を以下に説明する。
【0022】
図5は、異なる融着接続機における放電開始後の経過時間と発光幅との関係を示す図である。曲線L1は本実施の形態に係る融着接続機の場合を示し、曲線L2、L3は本実施の形態に係る融着接続機と同一型式の他の融着接続機の場合を示す。図5に示すように、放電開始後には放電強度が安定しないので放電強度を反映する発光幅も安定せず、曲線L1〜L3の形状も機器によってばらばらであるが、放電開始後0.5秒経過するといずれの曲線も安定して変化する形状になる。したがって、放電開始後の0.5秒経過後に発光幅Wfnを測定すれば、融着接続機の機器によらず発光幅Wfnを安定して測定できるので、より安定した放電強度の制御ができ、安定して低い接続損失を実現できる。
【0023】
つぎに、目標発光幅Waについて説明する。目標発光幅Waは、光ファイバの接続損失が許容接続損失よりも小さいときの発光幅であることが好ましいが、融着接続機の製造時、メンテナンス時、または融着接続の作業開始前に予備的に試験放電をして求めるものである。以下説明する。
【0024】
目標発光幅Waを求める際には、まず試験放電によって光ファイバの後退量と呼ばれる量を測定し、この後退量を目安として目標発光幅Waを求める。すなわち、まず図6に示すように、接続すべき多芯光ファイバを所定の間隔だけ隔てて対向して配置し、所定の時間だけ試験放電を行い、多芯光ファイバの端面部を溶かす。ここで、符号16は試験放電によって後退した部分を示す。この後退した部分16の長手方向の長さを後退量と規定する。
【0025】
図7は、後退量、放電強度、発光幅と接続損失との関係を示す図である。図7に示すように、接続損失が所定の許容接続損失Loss1となるような発光幅が発光幅Wfn1とWfn2との間に存在するので、これを目標発光幅Waとする。なお、後退量と放電強度と発光幅とには相関があるので、目標発光幅Waに対応する後退量Maとなるような放電強度Paで放電を行えばそのときの発光幅は目標発光幅Waとなっていると仮定して、試験放電の際には放電幅を測定せずに後退量のみを測定して、最適な放電条件を決めてもよい。
【0026】
なお、図8は、放電強度と後退量との関係を測定した結果を示す図である。図8に示すように、放電強度と後退量とは相関関係があり、この相関関係は機器によって異なるが、予め放電試験によって放電強度と後退量との相関関係を知ることができる。
【0027】
つぎに、差分Dの絶対値が上限値以上の場合について説明する。図9は、差分Dの絶対値と接続損失との関係について示す図である。図9に示すように、放電時間が一定という条件で差分Dの絶対値が大きくなると接続損失が急激に上昇し、上限値Dmaxを超えると接続損失が接続損失Loss2を超えてしまう。そこで、本実施の形態の融着接続機は、差分Dの絶対値が上限値以上の場合は放電異常を知らせる警告の表示および警報音の発生を接続後に行うので、より安全な融着接続作業が可能となる。
【0028】
つぎに、本実施の形態に係る融着接続機を用いて融着接続を行った結果について説明する。図10は、本実施の形態に係る融着接続機を用いて融着作業を行った際の電源投入後の経過時間と接続損失および10分間の接続損失の平均値との関係を示す図である。なお、接続する多芯光ファイバとしてそれぞれ同様の特性を有した4芯の多芯光ファイバであるサンプル#1〜4の多芯光ファイバを用いた。図10に示すように、電源投入後150分間の接続損失の平均値は極めて安定した低い値であった。
【0029】
一方、図11は、従来の融着接続機を用いて融着作業を行った際の電源投入後の経過時間と接続損失および10分間の接続損失の平均値との関係を示す図である。なお、接続する多芯光ファイバとしてサンプル#1〜4の多芯光ファイバと同様の特性を有した4芯の多芯光ファイバであるサンプル#5〜8の多芯光ファイバを用いた。図11に示すように、電源投入後の接続損失の平均値は徐々に増加し、不安定であった。
【0030】
ここで、図12は、具体的な融着接続機30の外観を示す斜視図であり、図13は、この融着接続機30の風防カバー36を開き、光ファイバ45を把持したホルダをホルダ台に設置した状態を示す図である。図12および図13において、この融着接続機30は、光ファイバの融着接続に必要な最小限の機能を備え、手持部30aと融着接続部30bとがT字形に配置され、手持部30aに表示部32および入出力部31を有する。表示部32は、たとえば、接続損失の設定値、推定損失、警告などの文字を表示することができる。なお、この場合、光ファイバ種類を選択できるようにしてもよい。さらに、表示部32は、その画面から各種操作が可能なようにタッチパネル式としてもよい。
【0031】
入出力部31は、ランプ32a,32bおよび音出力部33を有する。ランプ32a,32bは、放電状態を表示するLEDであり、ランプ32aは、放電が正常に行われた場合に緑色を点灯し、ランプ32bは、異常放電の場合に赤色を点灯あるいは点滅させる。また、音出力部33は、異常放電の場合に、ブザー音を出力し、警告する。また、入出力部31は、電源のオン/オフ操作を行う電源キーKp、表示部32におけるカーソルの上移動並びに接続操作を開始させるカーソルキーKcu、カーソルの上移動を素須佐するカーソルキーKcd、リセットキーKr、選択決定キーKe、動作開始あるいは位置停止を入力する操作キーKopなどの各種操作キーの他、電源のオン/オフ状態を表示するモニタランプLmなどを有する。
【0032】
融着接続部30bは、1組のホルダ台34と、放電電極35と、風防カバー36とを有する。ここで、1組のホルダ台34と放電電極35とは、内部の支持基板43上に設置され、支持基板43は磁性金属によって形成される。ホルダ台34は、光ファイバ45を把持した磁性金属からなりホルダ46をそれぞれ対向させて配置する台で、融着接続部30bの中央に配置される支持部材37の両側に1つずつ配置される。放電電極35は、光ファイバ45に対して直交させて対向配置され、対向配置された光ファイバ45の端部を放電によって融着接続する。
【0033】
なお、上述した実施の形態では、多芯光ファイバを接続する場合について説明したが、これに限らず、単芯光ファイバを接続する場合についても同様に適用することができる。
【0034】
また、上述した実施の形態において、電極棒の経時劣化や異物の付着などによって、放電パターンが電極棒を中心として左右非対称になり、接続損失が増大する場合がある。そこで、上述した実施の形態の融着接続機に、発光幅だけでなく発光幅の中心位置も測定して記憶し、次回の融着接続時には対向する光ファイバの端面の突合せの位置と発光幅の中心位置とが一致するように突合せの位置を調整する手段を備えてもよい。さらに、異種の光ファイバを接続する際には、各光ファイバは融着接続に必要な熱量が異なる場合があるので、対向する光ファイバの端面の突合せの位置と発光幅の中心位置とが一致しているとかえって接続損失が増大する場合がある。そこで、各光ファイバの種類を考慮して、光ファイバの端面の突合せの位置と発光幅の中心位置の位置関係を適宜調整してもよい。
【0035】
また、上述のクリーニング放電の際にも光ファイバがある程度発光するので、クリーニング放電の際の光ファイバの発光幅を測定し、この発光幅を目標発光幅の目安としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態である融着接続機の融着接続時の放電制御にかかわる構成を示す図である。
【図2】図1に示した融着接続機における制御処理手順を示すフローチャートである。
【図3】多芯光ファイバの融着接続の際に入出力部に備えた表示部に表示される画像を模式的に示した図である。
【図4】多芯光ファイバの融着接続の際に入出力部に備えた表示部に表示される画像を模式的に示した図である。
【図5】異なる融着接続機における放電開始後の経過時間と発光幅との関係を示す図である。
【図6】後退量を説明する図である。
【図7】後退量、放電強度、発光幅と接続損失との関係を示す図である。
【図8】放電強度と後退量との関係を測定した結果を示す図である。
【図9】差分Dの絶対値と接続損失との関係について示す図である。
【図10】実施の形態に係る融着接続機を用いて融着作業を行った際の電源投入後の経過時間と接続損失および10分間の接続損失の平均値との関係を示す図である。
【図11】従来の融着接続機を用いて融着作業を行った際の電源投入後の経過時間と接続損失および10分間の接続損失の平均値との関係を示す図である。
【図12】融着接続機の一例を示す斜視図である。
【図13】図12に示した融着接続機であって、風防カバーを開き、光ファイバを把持したホルダをホルダ台に設置した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1、2 多芯光ファイバ
3a、3b ホルダ
4a、4b 電極棒
5 光源
6 受光系
7 撮像素子
8 画像処理部
9 記憶部
10 演算部
11 放電強度制御部
12 入出力部
C 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーク放電によって対向して配置した光ファイバを融着接続する融着接続機であって、
放電開始後の所定時間以降に対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定する測定手段と、
前記発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する演算手段と、
前記差分Dの値に応じて放電強度を増減して前記発光幅Wfnを前記目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行う放電制御手段と、
を備えたことを特徴とする融着接続機。
【請求項2】
前記目標発光幅Waは、光ファイバの接続損失が許容接続損失よりも小さいときの発光幅であることを特徴とする請求項1に記載の融着接続機。
【請求項3】
前記所定時間は0.5秒以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の融着接続機。
【請求項4】
アーク放電によって対向して配置した光ファイバを融着接続する融着接続機の制御方法であって、
放電開始後の所定時間以降に対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定する測定ステップと、
前記発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する演算ステップと、
前記差分Dの値に応じて放電強度を増減して前記発光幅Wfnを前記目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行う放電制御ステップと、
を含むことを特徴とする融着接続機の制御方法。
【請求項5】
前記目標発光幅Waは、光ファイバの接続損失が許容接続損失よりも小さいときの発光幅であることを特徴とする請求項4に記載の融着接続機の制御方法。
【請求項6】
前記所定時間は0.5秒以上であることを特徴とする請求項4または5に記載の融着接続機の制御方法。
【請求項1】
アーク放電によって対向して配置した光ファイバを融着接続する融着接続機であって、
放電開始後の所定時間以降に対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定する測定手段と、
前記発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する演算手段と、
前記差分Dの値に応じて放電強度を増減して前記発光幅Wfnを前記目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行う放電制御手段と、
を備えたことを特徴とする融着接続機。
【請求項2】
前記目標発光幅Waは、光ファイバの接続損失が許容接続損失よりも小さいときの発光幅であることを特徴とする請求項1に記載の融着接続機。
【請求項3】
前記所定時間は0.5秒以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の融着接続機。
【請求項4】
アーク放電によって対向して配置した光ファイバを融着接続する融着接続機の制御方法であって、
放電開始後の所定時間以降に対向する光ファイバの発光幅Wfnを測定する測定ステップと、
前記発光幅Wfnと目標発光幅Waとの差分Dを演算する演算ステップと、
前記差分Dの値に応じて放電強度を増減して前記発光幅Wfnを前記目標発光幅Waに近づける制御を繰り返し行う放電制御ステップと、
を含むことを特徴とする融着接続機の制御方法。
【請求項5】
前記目標発光幅Waは、光ファイバの接続損失が許容接続損失よりも小さいときの発光幅であることを特徴とする請求項4に記載の融着接続機の制御方法。
【請求項6】
前記所定時間は0.5秒以上であることを特徴とする請求項4または5に記載の融着接続機の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−96833(P2008−96833A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280507(P2006−280507)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
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