説明

血液型判定装置および血液型判定方法

【課題】
輸血直前または緊急輸血時において、患者の血液型を容易に判断することができる血液型判定装置を提供することが求められている。
【解決手段】
本発明は、供血側の輸血ラインに接続可能な接続口、受血側の輸血ラインに接続可能な接続口および血液型判定部に接続する接続口を備えた三方活栓と、該血液型判定部に接続する接続口に接続された第1の導通路と、該第1の導通路に接続した接続口、A型判定部に接続する接続口およびB型判定部に接続する接続口を備えた分岐管と、該A型判定部に接続する接続口に接続された第2の導通路と、該第2の導通路に接続し、A型判定用試薬を収容したA型判定部と、該B型判定部に接続する接続口に接続された第3の導通路ならびに該第3の導通路に接続し、B型判定用試薬を収容したB型判定部からなる血液型判定装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受血側の輸血ラインに接続可能であり、輸血直前に受血者の血液型の判定を可能にする判定手段を設けた血液型判定装置に関する。具体的には、受血側の輸血ラインに接続可能な接続口、供血側の輸血ラインに接続可能な接続口および血液型判定部に接続する接続口を備えた三方活栓と、該血液型判定部に接続する接続口に接続された第1の導通路と、該第1の導通路に接続した接続口、A型判定部に接続する接続口およびB型判定部に接続する接続口を備えた分岐管と、該A型判定部に接続する接続口に接続された第2の導通路と、該第2の導通路に接続し、A型判定用試薬を収容したA型判定部と、該B型判定部に接続する接続口に接続された第3の導通路ならびに該第3の導通路に接続し、B型判定用試薬を収容したB型判定部からなる請求項3に記載の血液型判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カール・ランドシュタイナーによる血液型の発見より約100年が経過するが、未だに医療ミスによるABO不適合輸血医療事故が発生している。日本輸血学会による実態調査結果によれば、1995〜1999年の5年間におけるABO型不適合輸血を経験している病院の割合は全体の20%を占めていることが明らかとなっている。
【0003】
不適合輸血を防止する手段として、患者または赤血球製剤に認識ラベルを設けるなどの発明がいくつか開示されている(特許文献1〜4)。しかしながら、このような対策を行っても、術者が患者の誤認しまうことがあり、不適合輸血などの医療ミスが生じるケースも少なくなくない。
【0004】
また、なるべく人為的な操作を減らすためにコンピュータなどで患者を認識するシステムが開示されている(特許文献5)。しかしながら、これらの機械は高価であるために、使用することができる病院または機関は限定されてしまう。機器の故障時やバッテリ−切れでは使用できない。
【0005】
一方で、出血性ショックなどの緊急時の輸血においては、先ずO型の赤血球製剤を用いる場合もあるが、その後の誤判定を避けるためにも出来れば患者型の輸血を行うことが望ましい。しかしながら、出血性ショックでは患者からの採血は困難で時間がかかる場合もある。その様な場合、「輸血療法の実施に関する指針(厚生省、1999年)」には出血した血液を用いて検査しても良いとあるが、フィブリンや異物が混入し、好ましい方法とは言えない。
【0006】
【特許文献1】特開2001−070401号公報
【特許文献2】特開2001−276219号公報
【特許文献3】特開2002−136603号公報
【特許文献4】特開2003−006332号公報
【特許文献5】特開2001−306704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のことより、輸血直前または緊急輸血時において、患者の血液型を容易に判断することができる血液型判定装置を提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち本発明は、
(1) 受血側の輸血ラインに接続可能であり、輸血直前に受血者の血液型の判定を可能にする判定手段を設けた血液型判定装置、
(2) 判定手段が、輸血直前におもて試験による受血者の血液型の判定を可能にする構成からなる(1)に記載の血液型判定装置、
(3) 判定手段が、少なくともA型抗原を認識するA型判定部とB型抗原を認識するB型判定部からなる(2)に記載の血液型判定装置、
(4) 判定手段が、受血側の輸血ラインに接続可能な接続口、供血側の輸血ラインに接続可能な接続口および血液型判定部に接続する接続口を備えた三方活栓と、該三方活栓の血液型判定部に接続する接続口と連通した接続口、A型判定部に接続する接続口およびB型判定部に接続する接続口を備えた分岐管と、該A型判定部に接続する接続口に接続された第2の導通路と、該第2の導通路に接続し、A型判定用試薬を収容したA型判定部と、該B型判定部に接続する接続口に接続された第3の導通路ならびに該第3の導通路に接続し、B型判定用試薬を収容したB型判定部からなる(3)に記載の血液型判定装置、
(5) さらに、第2の導通路および第3の導通路に流量制御手段を設けた(4)に記載の血液型測定装置、
(6) 流量制御手段が、クランプ、フィルターまたは液体吸収性多孔材料である(5)に記載の血液型測定装置、
(7) さらに、第2の導通路および第3の導通路に液滴化手段を設けた(4)に記載の血液型測定装置、
(8) (1)〜(7)のいずれか1に記載の血液型判定装置を、受血側の輸血ラインに接続し、輸血直前に受血者の血液型を判定することを特徴とする血液型判定方法、
および(9) (4)〜(7)のいずれか1に記載の血液型判定装置を、受血側の輸血ラインに接続し、三方活栓を受血側および血液型判定部を連通させることで受血者の血液を少量採取し、該血液をA型判定部内のA型判定用試薬と反応させた結果およびB型判定部内のB型判定用試薬と反応させた結果から血液型を判定することを特徴とする血液型判定方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、輸血直前に判定した血液型と、赤血球製剤のラベルに記された血液型を輸血の現場において照合し適合性を判断することができ、不適合輸血による医療事故を防止することができる。さらに、緊急輸血時においては患者の採血を兼ねた輸血が可能であり、O型で輸血を開始した場合でもより速やかに適切な赤血球製剤に切り替えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の血液型判定装置は、輸血直前に患者の血液型を容易に判定することができる装置である。さらに、血液型を判定後、赤血球製剤にラベルされた血液型と照合し、輸血可能と判断された場合に輸血を開始することができる。尚、本発明における血液型とは一般的なABO式血液型を意味する。
【0011】
さらに、本発明の血液型判定装置は、受血側の輸血ラインに接続可能であり、輸血直前に受血者の血液型の判定を可能にする判定手段を設けたものであり、輸血の際に最も重要でかつ必要最低限の測定が可能な構成であればよい。即ち判定手段は、ABO式血液型の判定法のひとつであるおもて試験を行う構成であれば良い。
【0012】
上記判定手段の構成は、少なくともA型抗原を認識するA型判定部とB型抗原を認識するB型判定部からなる。該A型判定部およびB型判定部には、受血者の血液型を判定する手段として試薬を具備することが可能とする容器状のものであり、内部の試薬の反応を目視することができる透明のものであれば、その形状および材料は特に限定されるものではない。該試薬は、市販されている抗A血清または抗B血清を含む市販の試薬を用いることができるが、その反応結果を色変化または凝集塊の発生など目視で容易に判定することができるものが好ましい。
【0013】
本発明の血液型判定装置における判定手段の具体的構成として、輸血系における受血側(患者)と供血側(赤血球製剤)との間に配置され、受血側および供血側に接続可能であり、かつ血液型測定部に受血者の血液を導入することにより、受血者の血液型を判定するものである。
【0014】
したがって、受血側の輸血ラインに接続可能な接続口、供血側の輸血ラインに接続可能な接続口および血液型判定部に接続する接続口を備えた三方活栓を具備している。該三方活栓は、3つの接続口を有し、そのうち2つまたは3つの接続口を連通する手段を備えた汎用の三方活栓であり、市販されている医療用のものを用いることができる。3つの接続口とはそれぞれ受血側の輸血ラインに接続する接続口、供血側の輸血ラインに接続する接続口および血液型判定部に接続する接続口に相当する。
【0015】
また、本発明の主旨として、上記三方活栓は、受血側の輸血ラインに接続可能な接続口および血液型判定部に接続する接続口の2つが連通され、供血側の輸血ラインに接続可能な接続口は連通しない状態、ならびに受血側の輸血ラインに接続可能な接続口および供血側の輸血ラインに接続可能な接続口の2つが連通され、血液型判定部に接続する接続口は連通しない状態の2つ状態を可能とするものであればよく、逆に操作ミスによる事故防止のために、該三方活栓には上記2つの状態のみに制限する制御手段を設けたものが好ましい。
【0016】
上記血液型判定部は、それぞれ独立したA型判定部およびB型判定部からなり、受血者から採取した血液をA型判定部およびB型判定部それぞれに分配する手段を設ける。
【0017】
したがって、三方活栓の血液型判定部に接続する接続口と連通した接続口、A型判定部に接続する接続口およびB型判定部に接続する接続口を備えた分岐管を具備している。該分岐管は、3つの接続口を有する市販されている医療用のY字管またはT字管、さらには上記三方活栓などを用いることができる。
【0018】
また、上記三方活栓と上記分岐管とを連通する手段としては、特に限定されるものではなく、医療用のチューブなどを用いればよい。
【0019】
上記分岐管と、上記A型判定部およびB型判定部を接続する手段として、それぞれ第1の導通路および第2の導通路を設ける。該第1の導通路および第2の導通路は、特に限定されるものではなく、医療用のチューブなどを用いればよい。
【0020】
本発明におけるA型判定部およびB型判定部には抗A血清および抗B血清をそれぞれ含有した試薬を用いて測定する場合、該試薬に反応する血液量は適当な量でなければならない。具体的には、約1〜5ml、好ましくは約2〜4mlであり、A型判定部およびB型判定部にそれぞれ導入することから、上記三方活栓によって採取する血液量は、その2倍の約2〜10mlであり、より好ましくは約4〜8mlになる。
【0021】
しかしながら、上記三方活栓によって、毎回上記の血液量を採取できるとは限らず、特に必要以上の血液量を採取してしまう場合がある。したがって、本発明の好ましい例として、上記第1の導通路および第2の導通路には、流量制御手段を設けることが好ましい。これは、上記三方活栓で血液判定部に血液を採取した際に、必要以上の血液を採取した場合であっても、A型判定部およびB型判定部に到達する血液を少量にすることを可能にする手段である。該流量制御手段として、例えばクランプまたは液体吸収性多孔材料などが挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
上記クランプは、上記第1の導通路および第2の導通路がチューブであるときは特に有効である。該クランプは市販の医療用のものを用いればよく、中でもローラークランプを用いることが好ましい。
【0023】
上記液体吸収性多孔材料とは、血液を吸収すると同時に、重力により該液体吸収性多孔材料から吸収した血液が少量したたり落ちるものであればよく、上記第1の導通路および第2の導通路を敷き詰める。該液体吸収性多孔材料は、例えば、スポンジ、綿布またはろ紙などの安価な市販の材料が挙げられ、上記の機能を有するものであればよい。上記第1の導通路および第2の導通路に敷き詰める際の厚さは、約1〜20mm、好ましくは約2〜10mm、さらに好ましくは約3〜5mmである。
【0024】
また、判定部に到達した血液が該判定部壁面を伝わり、判定が手際よく行うことができない場合がある。このような事態を想定した場合、本発明の血液型判定装置には試薬に液滴を滴下することが可能な液滴化手段を設けることが好ましい。該液滴化手段は、上記第1の導通路および第2の導通路に、内部が中空であり、先端が細くなるようなテーパー状の形状の管を設けることなどが挙げられるが、採取された血液が、液滴として試薬に滴下することを可能にする構造であれば特に限定されるものではない。
【0025】
さらに、本発明の血液型判定装置は、A型判定部およびB型判定部に試薬を具備した状態で、冷蔵条件(約10℃以下)でそのまま保存することができる。保存の際に試薬が逆流しないように、該第1の導通路および第2の導通路に逆流防止弁、連通ピースなどの逆流防止手段を設けてもよい。
【0026】
以下に本発明の血液型判定装置を図面を用いて説明する。
【0027】
図1は本発明のある実施例を示したものである。受血側の輸血ラインに接続可能な接続口11、供血側の輸血ラインに接続可能な接続口12および血液型判定部に接続する接続口13を備えた三方活栓1を具備する。該三方活栓の血液型判定部に接続する接続口13と連通した接続口21、A型判定部に接続する接続口22およびB型判定部に接続する接続口23を備えた分岐管2を設け、該三方活栓の血液型判定部に接続する接続口13と該分岐管の接続口21はチューブ3によって連通されている。さらに、該分岐管のA型判定部に接続する接続口22には第1の導通路としてチューブ41を接続し、該チューブ41はA型判定用試薬51を収容したA型判定部5に接続されている。一方で、該分岐管のA型判定部に接続する接続口23には第2の導通路としてチューブ42を接続し、該チューブ42はB型判定用試薬61を収容したB型判定部6に接続されている。
【0028】
図2は本発明の図1に示した血液型判定装置に改良を加えたものである。基本的な構成は実施例1と同様であるが、チューブ41、42にはそれぞれ流量制御手段としてローラークランプ71、71を設けており、上記三方活栓1によって採取された血液をローラークランプ71、72で流量を調節することができる。
【0029】
図3は本発明の図1に示した血液型判定装置に改良を加えたものである。基本的な構成は実施例1と同様であるが、チューブ41、42にはそれぞれ流量制御手段として液体吸収性多孔材料73、74を設けており、上記三方活栓1によって採取された血液の流量を調節することができる。さらに、チューブ41、42の先端には液滴化手段として先端が先細になるようにテーパー形状を有する管81、82が設けられている。
【0030】
以上に説明した本発明の血液型判定装置を用いて、輸血直前に受血者の血液型を判定することができる。血液型の判定方法は公知の判定方法である。例えば、おもて試験の場合、A型抗原のみが存在すると判定された場合はA型、B型抗原のみが存在すると判定された場合はB型、A型およびB型抗原が存在すると判定された場合はAB型、A型およびB型抗原がともに存在しないと判定された場合はO型と判断する。その判定表を表1に示した。尚、表1ではA型またはB型抗原が存在する場合を+、存在しない場合−としている。
【0031】
【表1】

【0032】
さらに、上記で判定された受血者の血液型と、供血側の赤血球製剤に表示された血液型表示手段に表示された血液型と照会することにより輸血の適合性を判定する。基本は同型血輸血であるが、マイナ−ミスマッチの輸血(供血者血漿中の抗A、または抗B抗体が受血者の血球と反応するパタ−ン)も許される。即ち具体的には、A型の受血者には、A型血輸血が基本であるが、上述した状況下ではO型の血液も輸血可能である。同様に、B型の受血者には、B型を、場合によってはO型の血液が輸血可能であり、AB型の受血者には、AB型を、場合によってはO型、A型、B型の全ての血液が輸血可能であり、O型の受血者は、O型の血液のみ輸血が可能となる。以上をまとめた表を表2に示す。
【0033】
【表2】


【実施例】
【0034】
以下に本発明を図面で説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
<実施例1>
図1の血液型判定装置を用いた血液判定方法および輸血適合性の判定方法について説明する。上記三方活栓1の受血側の輸血ラインに接続可能な接続口12に受血側の輸血ラインに接続する。一方で、供血側の輸血ラインに接続可能な接続口11には、輸血の適合性を確認後に輸血を開始するためのコネクタ手段を設ける。該コネクタ手段は、供血側の輸血ラインに設けた被コネクタ手段と接続可能なものであり、接続後は連通され輸血を開始するものを用いる。例えば、雄コネクタまたは雌コネクタの組み合わせが挙げられ、コネクタ手段として雄コネクタを選択した場合は、供血側の輸血ラインには雌コネクタを設ける。
【0036】
次に上記三方活栓1は、受血側の輸血ラインに接続可能な接続口11および血液型判定部に接続する接続口13の2つが連通され、供血側の輸血ラインに接続可能な接続口12は連通しない状態で、供血者から血液を輸血ラインを通じて、血液型判定部に少量の血液を採取する。血液採取後、該三方活栓1を受血側の輸血ラインに接続可能な接続口11および供血側の輸血ラインに接続可能な接続口12の2つが連通され、血液型判定部に接続する接続口13は連通しない状態にし、血液型を測定する。
【0037】
そして、受血者の血液型が判定されたら、赤血球製剤のバッグに表示された血液型と照会し、輸血の適合性を判断し、輸血可能であると判断した場合は、コネクタ手段を接続し、輸血を開始する。
【0038】
<実施例2>
図1の血液型判定装置を用いた緊急輸血(最初にO型血輸血を開始する)の方法について説明する。まず、上記三方活栓1の受血側の輸血ラインに接続可能な接続口11に受血側の輸血ラインを接続する。一方で、供血側の輸血ラインに接続可能な接続口には、供血側の輸血ラインに接続可能なコネクタ手段を設ける。共血側に用いる赤血球製剤はO型のものを用いる。
【0039】
次に上記三方活栓は、受血側の輸血ラインに接続可能な接続口11および血液型判定部に接続する接続口13の2つが連通され、供血側の輸血ラインに接続可能な接続口12は連通しない状態で、供血者から血液を輸血ラインを通じて、血液型判定部に少量の血液を採取する。血液採取後、該三方活栓1を受血側の輸血ラインに接続可能な接続口11および供血側の輸血ラインに接続可能な接続口12の2つが連通され、血液型判定部に接続する接続口13は連通しない状態にし、血液型を判定する。同時にコネクタ手段を接続して、輸血を開始する。
【0040】
そして、受血者の血液型が判定されたら、O型の赤血球製剤から、輸血に適切な赤血球製剤に切り替えて引き続き輸血を行う。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、輸血直前に判定した血液型と、赤血球製剤のラベルに記された血液型を輸血の現場において照合し適合性を判断することができ、不適合輸血による医療事故を防止することができる。さらに、緊急輸血時においては患者の採血を兼ねた輸血が可能であり、O型で輸血を開始した場合でもより速やかに適切な赤血球製剤に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の血液型判定装置の実施形態を示した図である。
【図2】図1の血液型判定装置の改良形態を示した図である。
【図3】図1の血液型判定装置の図2とは異なる改良形態を示した図である。
【符号の説明】
【0043】
1 三方活栓
11 受血側の輸血ラインに接続可能な接続口
12 供血側の輸血ラインに接続可能な接続口
13 血液型判定部に接続する接続口
2 分岐管
21 該三方活栓の血液型判定部に接続する接続口と連通した接続口
22 A型判定部に接続する接続口
23 B型判定部に接続する接続口
3、41、42 チューブ
5 A型判定部
51 A型判定試薬
6 B型判定部
61 A型判定試薬
71、72 ローラークランプ
73、74 綿布
81、82 液滴化手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受血側の輸血ラインに接続可能であり、輸血直前に受血者の血液型の判定を可能にする判定手段を設けた血液型判定装置。
【請求項2】
判定手段が、輸血直前におもて試験による受血者の血液型の判定を可能にする構成からなる請求項1に記載の血液型判定装置。
【請求項3】
判定手段が、少なくともA型抗原を認識するA型判定部とB型抗原を認識するB型判定部からなる請求項2に記載の血液型判定装置。
【請求項4】
判定手段が、受血側の輸血ラインに接続可能な接続口、供血側の輸血ラインに接続可能な接続口および血液型判定部に接続する接続口を備えた三方活栓と、該三方活栓の血液型判定部に接続する接続口と連通した接続口、A型判定部に接続する接続口およびB型判定部に接続する接続口を備えた分岐管と、該A型判定部に接続する接続口に接続された第2の導通路と、該第2の導通路に接続し、A型判定用試薬を収容したA型判定部と、該B型判定部に接続する接続口に接続された第3の導通路ならびに該第3の導通路に接続し、B型判定用試薬を収容したB型判定部からなる請求項3に記載の血液型判定装置。
【請求項5】
さらに、第2の導通路および第3の導通路に流量制御手段を設けた請求項4に記載の血液型測定装置。
【請求項6】
流量制御手段が、クランプ、フィルターまたは液体吸収性多孔材料である請求項5に記載の血液型測定装置。
【請求項7】
さらに、第2の導通路および第3の導通路に液滴化手段を設けた請求項4に記載の血液型測定装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1に記載の血液型判定装置を、受血側の輸血ラインに接続し、輸血直前に受血者の血液型を判定することを特徴とする血液型判定方法。
【請求項9】
請求項4〜7のいずれか1に記載の血液型判定装置を、受血側の輸血ラインに接続し、三方活栓を受血側および血液型判定部を連通させることで受血者の血液を少量採取し、該血液をA型判定部内のA型判定用試薬と反応させた結果およびB型判定部内のB型判定用試薬と反応させた結果から血液型を判定することを特徴とする血液型判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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