血液浄化装置の搬入・搬出方法及び搬送具
【課題】血液浄化装置の車両に対する搬入・搬出を、きわめて安全かつ容易に実現させることができる搬送具を提供する。
【解決手段】底板部11に接合された背板部12と背板部12に設けられた軸部13とを有する装置載置部材10と、装置載置部材10の軸部13を回動可能に支持する軸受部22を有する脚部材20と、を備える搬送具1である。装置載置部材10は、底板部11が床面Fに配置された際に背板部12が略鉛直方向に延在し軸部13が床面Fから所定高さの位置に配置された立位状態をとり、底板部11に載置された立位状態の血液浄化装置を背板部12に当接させる。脚部材20は、立位状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を軸部13を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を軸部13を中心に一体的に回動させて立位状態とする。
【解決手段】底板部11に接合された背板部12と背板部12に設けられた軸部13とを有する装置載置部材10と、装置載置部材10の軸部13を回動可能に支持する軸受部22を有する脚部材20と、を備える搬送具1である。装置載置部材10は、底板部11が床面Fに配置された際に背板部12が略鉛直方向に延在し軸部13が床面Fから所定高さの位置に配置された立位状態をとり、底板部11に載置された立位状態の血液浄化装置を背板部12に当接させる。脚部材20は、立位状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を軸部13を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を軸部13を中心に一体的に回動させて立位状態とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液浄化装置の搬入・搬出方法及び搬送具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、患者の体内から血液を取り出しこの血液から病因物質や特定の白血球等を除去して体内に戻す血液浄化治療が実施されている。このような血液浄化治療においては、体内から取り出した血液を循環させて体内に戻すための血液回路と、特定の物質を除去・分離する吸着材や分離材等の処理材を有する血液処理器と、を備える血液浄化装置が使用されている(例えば、特許文献1参照)。血液浄化装置は、看護師によって操作されるものであるため、成人の身長に対応するような鉛直方向に長い縦長の構造を有しており、操作部や表示部が比較的高い位置に配置されている。
【0003】
ところで、近年においては、このような血液浄化治療のデモンストレーション等を実施する目的で、血液浄化装置を車両に搬入して搬送した後、顧客先で搬出する機会が生じている。従来は、血液浄化装置を車両に搬入する際に、図14に示すような簡易な構造を有する車載治具100を図15に示すように血液浄化装置200に装着し、血液浄化装置200を徐々に傾けて車載治具100の車輪110を車両の荷台に当接させながら、血液浄化装置200を荷台に押し込む、という方法を採用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−273662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、現在使用されている血液浄化装置は、その構造上の特性から比較的重量が大きく高い重心を有しているため、前記したような従来の車載治具を使用しても車両に対する搬入・搬出は容易ではなく、特に血液浄化装置を傾ける際に使用者に過大な負荷がかかっていた。このため、状況によっては血液浄化装置が転倒するリスクもあり、早急な改善が要求されていた。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、比較的重量が大きく高重心の血液浄化装置の車両に対する搬入・搬出を、きわめて安全かつ容易に実現させることができる搬送具を提供するとともに、この搬送具を用いた血液浄化装置の搬入・搬出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明に係る第一の搬送具は、血液浄化装置を車両に対して搬入及び搬出するための搬送具であって:底板部と、この底板部に対して略垂直に接合された背板部と、この背板部に取り付けられた軸部と、を有し、底板部が床面又は地面に配置された際に背板部が略鉛直方向に延在し軸部が床面又は地面から所定高さの位置に配置された立位状態をとり、かつ底板部に載置された立位状態の血液浄化装置を背板部に当接させることを可能とする装置載置部材と;装置載置部材の軸部を分離可能及び回動可能に支持する軸受部を有し、立位状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とすることを可能とする脚部材と;を備えたものである。
【0008】
また、本発明に係る第二の搬送具は、血液浄化装置を車両に対して搬入及び搬出するための搬送具であって:底板部と、底板部に対して略垂直に接合された背板部と、背板部に設けられた軸受部と、を有し、底板部が床面又は地面に配置された際に背板部が略鉛直方向に延在し軸受部が床面又は地面から所定高さの位置に配置された立位状態をとり、かつ底板部に載置された立位状態の血液浄化装置を背板部に当接させることを可能とする装置載置部材と;装置載置部材の軸受部を分離可能及び回動可能に支持する軸部を有し、立位状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とすることを可能とする脚部材と;を備えたものである。
【0009】
かかる構成を採用すると、比較的重量の大きい(例えば70kg〜80kg程度の)血液浄化装置の車両に対する搬入・搬出を、きわめて安全かつ容易に実現させることができる。
【0010】
血液浄化装置を車両に搬入する際には、立位状態の装置載置部材の軸部(軸受部)を脚部材の軸受部(軸部)に支持させて搬送具を組み立てた後、立位状態の血液浄化装置を装置載置部材の底板部に乗り上げ(載置)させるとともに背板部に当接させ、軸部を中心に装置載置部材の背板部及び底板部を一体的に回動させて立位状態の血液浄化装置を横倒し状態とする。この際、大重量の血液浄化装置を脚部材で支持しながら梃子の原理で簡単に傾けて横倒しにすることができるので、使用者への負荷が軽減される。次いで、横倒し状態の装置載置部材の背板部の頂部を車両の荷台に当接させ、この頂部を支点として装置載置部材の底板部を上方に持ち上げて装置載置部材の軸部(軸受部)を脚部材の軸受部(軸部)から分離させ、装置載置部材及び血液浄化装置を一体的にスライドさせて車両の内部に押し込む。続いて、脚部材を車両に別途搬入する。このようにして、血液浄化装置を安全かつ容易に車両に搬入することができる。
【0011】
一方、血液浄化装置を車両から搬出する際には、脚部材を車両から取り出して床面又は地面に設置し、横倒し状態の血液浄化装置とともに車両から装置載置部材を引き出し、脚部材の軸受部(軸部)に装置載置部材の軸部(軸受部)を支持させる。この際、大重量の血液浄化装置を脚部材によって支持させることができるので、使用者への負荷が軽減される。次いで、横倒し状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態の血液浄化装置を立位状態とするとともに底板部を床面又は地面に着地させる。続いて、装置載置部材の底板部に載置されている立位状態の血液浄化装置を床面又は地面へと引き出す。このようにして、血液浄化装置を安全かつ容易に車両から搬出することができる。
【0012】
ここで、血液浄化装置の底部にキャスタが設けられ、血液浄化装置が立位状態で走行可能に構成されている場合には、前記搬送具の装置載置部材の底板部に溝状のキャスタ走行部を設けることが好ましい。
【0013】
かかる構成を採用すると、装置載置部材の底板部に立位状態の血液浄化装置を乗り上げ(載置)させる際に、底板部に設けられた溝状のキャスタ走行部によって血液浄化装置のキャスタの走行状態を安定させることができる。また、乗り上げ(載置)後においても溝状のキャスタ走行部により、血液浄化装置のキャスタの横移動が阻止される。この結果、立位状態の血液浄化装置を、装置載置部材の底板部に安定した状態で乗せ続けることができる。
【0014】
また、前記搬送具において、装置載置部材の背板部の少なくとも一部は、装置載置部材が横倒し状態とされた際に搬入のための車両の荷台に接触し、かつ車両の荷台との干渉を低減させるように、その頂部が背側に傾斜又は湾曲していることが好ましい。
【0015】
かかる構成を採用すると、血液浄化装置の搬入時に、装置載置部材の背板部が車両の荷台に引っ掛かることを防止することができ、血液浄化装置及び装置載置部材を車両の荷台上で容易にスライドさせることが可能となる。
【0016】
また、前記搬送具において、血液浄化装置を装置載置部材の底板部に載置させ背板部に当接させた際に、血液浄化装置を装置載置部材に縛り付ける緊縛用バンドを備えることもできる。
【0017】
かかる構成を採用すると、緊縛用バンドを用いて装置載置部材に血液浄化装置を縛り付けることができるので、立位状態から横倒し状態への移行時や横倒し状態から立位状態への移行時において、血液浄化装置が装置載置部材から離れて落下したり転倒したりすることを防止することができる。
【0018】
また、前記搬送具において、装置載置部材及び脚部材の少なくとも一部を折り畳み可能とする折り畳み機構を備えることもできる。例えば、装置載置部材の背板部と、装置載置部材の背板部と底板部との接合部と、に折り畳み機構を配置し、折り畳み機構で折り畳むことにより、背板部を二つ折り状態とし、かつ、二つ折り状態とされた背板部と底板部とが略平行になるようにすることができる。また、脚部材に折り畳み機構を配置し、折り畳み機構で折り畳むことにより、脚部材の容積を縮小することもできる。
【0019】
また、前記搬送具において、装置載置部材の底板部に、立位状態の装置載置部材を軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする際又は横倒し状態の装置載置部材を軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とする際に使用者によって把持される把持部を設けることができる。そして、この把持部を底板部の裏面に配置することができる。
【0020】
また、前記搬送具において、装置載置部材の背板部と底板部との接合部付近に、軸部を中心に一体的に回動させる際に床面又は地面との干渉を低減させるような切欠き部を形成することが好ましい。
【0021】
また、前記第一の搬送具において、装置載置部材の軸部を、背板部の左右側部から各々外方に延在するように略一直線上に設けられた左右一組の短柱部材から構成し、装置載置部材が立位状態とされた際に床面又は地面から所定の高さの位置で水平軸を形成することができる。かかる場合には、間隔をおいて配置された状態で立設された左右一組のフレーム部を有する脚部材を採用し、脚部材の軸受部を、各フレーム部の上部に設けられて各短柱部材を支持する左右一組の軸受部材から構成することができる。そして、脚部材のフレーム部同士を連結するように水平方向に配置されて軸受部材間の間隔を一定に維持する間隔維持部材を採用することができる。
【0022】
かかる構成を採用すると、脚部材の軸受部を構成する左右一対の軸受部材間の間隔を、間隔維持部材により一定に維持することができる。従って、装置載置部材の軸部(左右一対の短柱部材)を脚部材の軸受部(左右一対の軸受部材)で安定的に支持することが可能となる。
【0023】
また、前記第二の搬送具において、間隔をおいて配置された状態で立設された左右一組のフレーム部を有する脚部材を採用し、脚部材の軸部を、各フレーム部の上部から各々左右外方に延在するように略一直線上に設けられた左右一組の短柱部材から構成し、脚部材が床面又は地面に設置された際に床面又は地面から所定の高さの位置で水平軸を形成することができる。かかる場合には、装置載置部材の軸受部を、背板部の左右側部に設けられて各短柱部材によって支持される左右一組の軸受部材から構成することができる。
【0024】
また、本発明に係る第一の搬入方法は、前記第一の搬送具を用いて血液浄化装置を車両に搬入する方法であって、立位状態の装置載置部材の軸部を脚部材の軸受部に支持させて搬送具を組み立てる搬送具組立工程と、立位状態の血液浄化装置を装置載置部材の底板部に載置させるとともに背板部に当接させる装置載置工程と、立位状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて装置載置部材及び血液浄化装置を横倒し状態とする回動工程と、横倒し状態の装置載置部材の背板部の頂部を車両の荷台に当接させ、頂部を支点として装置載置部材の底板部を上方に持ち上げて装置載置部材の軸部を脚部材の軸受部から分離させ、装置載置部材及び血液浄化装置を一体的に車両の内部に押し込む搬入工程と、を備えるものである。
【0025】
また、本発明に係る第一の搬出方法は、前記第一の搬送具を用いて血液浄化装置を車両から搬出する方法であって、脚部材を車両から搬出して床面又は地面に配置する脚部材配置工程と、横倒し状態の血液浄化装置とともに車両から装置載置部材を引き出し、脚部材の軸受部に装置載置部材の軸部を支持させる軸部支持工程と、横倒し状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて血液浄化装置を立位状態とするとともに底板部を床面又は地面に着地させる回動工程と、装置載置部材の底板部に乗り上げている立位状態の血液浄化装置を床面又は地面へと引き出す搬出工程と、を備えるものである。
【0026】
また、本発明に係る第二の搬入方法は、前記第二の搬送具を用いて血液浄化装置を車両に搬入する方法であって、立位状態の装置載置部材の軸受部を脚部材の軸部に支持させて搬送具を組み立てる搬送具組立工程と、立位状態の血液浄化装置を装置載置部材の底板部に載置させるとともに背板部に当接させる装置載置工程と、立位状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて装置載置部材及び血液浄化装置を横倒し状態とする回動工程と、横倒し状態の装置載置部材の背板部の頂部を車両の荷台に当接させ、頂部を支点として装置載置部材の底板部を上方に持ち上げて装置載置部材の軸受部を脚部材の軸部から分離させ、装置載置部材及び血液浄化装置を一体的に車両の内部に押し込む搬入工程と、を備えるものである。
【0027】
また、本発明に係る第二の搬出方法は、前記第二の搬送具を用いて血液浄化装置を車両から搬出する方法であって、脚部材を車両から搬出して床面又は地面に配置する脚部材配置工程と、横倒し状態の血液浄化装置とともに車両から装置載置部材を引き出し、脚部材の軸部に装置載置部材の軸受部を支持させる軸受部支持工程と、横倒し状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて血液浄化装置を立位状態とするとともに底板部を床面又は地面に着地させる回動工程と、装置載置部材の底板部に載置されている立位状態の血液浄化装置を床面又は地面へと引き出す搬出工程と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、比較的重量が大きく高重心の血液浄化装置の車両に対する搬入・搬出を、きわめて安全かつ容易に実現させることができる搬送具を提供するとともに、この搬送具を用いた血液浄化装置の搬入・搬出方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第一実施形態に係る搬送具(組み立てた状態)を示す説明図である。
【図2】図1に示す搬送具を分解した状態を示す説明図である。
【図3】図1に示す搬送具を構成する装置載置部材を示すものであり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図4】図1に示す搬送具を構成する脚部材を示すものであり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図5】図1に示す搬送具の装置載置部材に血液浄化装置を載置した状態を示す説明図である。
【図6】図5の状態から装置載置部材を回動させた状態を示す動作説明図である。
【図7】図6の状態から装置載置部材をさらに回動させて血液浄化装置を横倒しにした状態を示す動作説明図である。
【図8】横倒し状態にした血液浄化装置を装置載置部材とともに車両に搬入している状態を示す説明図である。
【図9】本発明の第二実施形態に係る搬送具(組み立てた状態)を示すものであり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図10】図9に示す搬送具を構成する装置載置部材を示すものであり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図11】図9に示す搬送具を構成する脚部材を示すものであり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は一部平面図である。
【図12】図9に示す搬送具の装置載置部材を回動させた状態を示す動作説明図である。
【図13】(A)は図10に示す装置載置部材を折り畳んだ状態を示す側面図、(B)は図11に示す脚部材を折り畳んだ状態を示す平面図、(C)は図11に示す脚部材を折り畳んだ状態を示す正面図である。
【図14】従来の車載治具の斜視図である。
【図15】従来の車載治具を血液浄化装置に装着した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る搬送具について説明する。以下の各実施形態に係る搬送具は、血液浄化装置を車両に搬入したり車両から搬出したりする際に使用されるものである。なお、本実施形態に係る搬送具で搬入・搬出される血液浄化装置200(図5、図8等参照)は、看護師によって使用されることを想定して鉛直方向に長い縦長の構造とされ比較的高い重心を有するとともに70kg〜80kgと比較的大きい重量を有するものであって、底部にはキャスタ210が設けられて立位状態で走行可能に構成されている。
【0031】
<第一実施形態>
最初に、図1〜8を用いて、本発明の第一実施形態に係る搬送具1について説明する。まず、本実施形態に係る搬送具1の構成について説明する。本実施形態に係る搬送具1は、図1、図2、図5等に示すように、血液浄化装置200を載置させる装置載置部材10と、装置載置部材10を回動自在に支持する脚部材20と、を備えている。
【0032】
装置載置部材10は、図2及び図3に示すように、底板部11と、底板部11に対して略垂直に剛接合された背板部12と、背板部12に取り付けられた軸部13(左右一組の短柱部材13a、13b)と、を有している。装置載置部材10は、図2に示すように底板部11が床面Fに配置された際に背板部12が略鉛直方向に延在し軸部が床面Fから所定高さの位置に配置された立位状態をとる。そして、装置載置部材10は、このような立位状態をとるときに、図5に示すように底板部11に載置された立位状態の血液浄化装置200を背板部12に当接させることを可能とする。
【0033】
装置載置部材10の底板部11は、板状部材にプレス成形等を施して構成したものであり、平面視で略矩形状に形成されている。底板部11には、血液浄化装置200のキャスタ210を乗り上げ(載置)させる左右一組の平行な溝状のキャスタ走行部11a、11bを有している。底板部11に立位状態の血液浄化装置200を乗り上げさせる際に、かかるキャスタ走行部11a、11bによって血液浄化装置200のキャスタ210の走行状態を安定させることができる。また、乗り上げ後においてもキャスタ走行部11a、11bにより、血液浄化装置200のキャスタ210の横移動が阻止される。この結果、立位状態の血液浄化装置200を底板部11に安定した状態で乗せ続けることができる。底板部11は、アルミニウム等の金属材料や樹脂材料から構成することができる。
【0034】
装置載置部材10の背板部12は、図2に示すように、1本の管状部材を逆U字状に折曲して構成したフレーム部12aと、フレーム部12aを構成する相互に平行な2つの直線状部分12aLに掛け渡される複数(4枚)の板状部12bと、を有している。背板部12を構成するフレーム部12a及び板状部12bは、アルミニウム等の金属材料や樹脂材料から構成することができる。フレーム部12aの両端部は底板部11に剛接合されており、フレーム部12aを構成する2つの直線状部分12aLが底板部11に対して略垂直に配置され、2つの直線状部分12aLの間に位置する湾曲状部分12aCが底板部11から最も離隔した頂部となっている。
【0035】
背板部12のフレーム部12aの湾曲状部分12aCは、図3(B)に示すように、若干内側(底板部11側)に傾斜している。これにより、装置載置部材10が横倒し状態とされた際に背板部12のフレーム12aの湾曲状部分12aCが車両の荷台に接触し、装置載置部材10を血液浄化装置200とともに車両の内部に押し込む際に荷台との干渉を低減させることができる。なお、本実施形態においては、図2及び図3(A)に示すように、4枚の板状部12bを採用した例を示したが、面積の広い1枚の板状部材を採用することもできる。
【0036】
装置載置部材10の軸部13となる短柱部材13a、13bは、図2及び図3(A)に示すように、背板部12を構成するフレーム部12aの2つの直線状部分の側部(左右側部)から各々外方に延在するように略一直線上に設けられている。軸部(短柱部材13a、13b)は、装置載置部材10が立位状態とされた際に床面Fから所定の高さの位置で水平軸AHを形成する。
【0037】
脚部材20は、図2及び図4に示すように、1本の管状部材を折曲して正面視平面視略U字状・側面視略三角形状に構成されており、間隔をおいて相互に平行に配置された三角形状の左右一組のフレーム部20a、20bを有している。折曲された1本の管状部材の両端部は、長尺幅狭の板状部材21によって連結されている。各フレーム部20a、20bの上部(頂部)には、装置載置部材10の軸部13(左右一組の短柱部材13a、13b)を分離可能及び回動可能に支持する軸受部22(左右一組の軸受部材22a、22b)が設けられている。
【0038】
脚部材20は、図1に示すように、立位状態の装置載置部材10の軸部13を軸受部22で支持する。そして、脚部材20は、図6に示すように、立位状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を軸部13を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を軸部13を中心に一体的に回動させて立位状態とすることを可能とする。
【0039】
脚部材20は、左右のフレーム部20a、20b同士を連結するように水平方向に配置されて左右一組の軸受部材22a、22b間の間隔を一定に維持する間隔維持部材23を有している。間隔維持部材23は、金属等の剛性を有する材料で構成された直線状の管状部材であり、その両端部には、各フレーム部20a、20bの上部付近に設けられた凸部に嵌合する凹部が設けられている。各フレーム部20a、20bの凸部に、間隔維持部材23の両端部に設けられた凹部を嵌合させることにより、各フレーム部20a、20bの上部間の間隔(左右一組の軸受部材22a、22b間の間隔)が間隔維持部材23の剛性により維持されることとなる。なお、各フレーム部20a、20bの上部付近に凹部を設け、間隔維持部材23の両端部に凸部を設けて両者を嵌合させることもできる。
【0040】
次に、本実施形態に係る搬送具1を用いて、血液浄化装置200を車両に搬入する方法について説明する。
【0041】
まず、図1に示すように、立位状態の装置載置部材10の軸部13(左右一組の短柱部材13a、13b)を、脚部材20の軸受部22(左右一組の軸受部材22a、22b)に支持させて搬送具1を組み立てる(搬送具組立工程)。そして、図5に示すように、立位状態の血液浄化装置200を、装置載置部材10の底板部11に乗り上げ(載置)させるとともに背板部12に当接させる(装置載置工程)。装置載置工程においては、緊縛用バンド等を用いて、血液浄化装置200を装置載置部材10に縛り付けて固定することが好ましい。
【0042】
次いで、図6及び図7に示すように、立位状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を軸部13を中心に一体的に回動させて装置載置部材10及び血液浄化装置200を横倒し状態とする(回動工程)。続いて、図8に示すように、横倒し状態の装置載置部材10の背板部12の頂部(フレーム部12aの湾曲状部分12aC)を車両の荷台Tに当接させ、頂部を支点として装置載置部材10の底板部11を上方に持ち上げて装置載置部材10の軸部13を脚部材20の軸受部22から分離させ、装置載置部材10及び血液浄化装置200を一体的に車両の内部に押し込む。その後、別途脚部材20を車両の内部に搬入する(搬入工程)。以上の工程群を経て、血液浄化装置200を搬送具1とともに車両に搬入することが可能となる。
【0043】
続いて、本実施形態に係る搬送具1を用いて、血液浄化装置200を車両から搬出する方法について説明する。
【0044】
まず、搬送具1の脚部材20を車両から搬出して床面又は地面に配置する(脚部材配置工程)。次いで、横倒し状態の血液浄化装置200とともに車両の荷台から装置載置部材10を引き出し、図8に示すように、脚部材20の軸受部22に装置載置部材10の軸部13を支持させる(軸部支持工程)。
【0045】
次いで、横倒し状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を、図7及び図6に示すように軸部13を中心に一体的に回動させて、図5に示すように血液浄化装置200を立位状態とするとともに底板部11を床面又は地面に着地させる(回動工程)。その後、装置載置部材10の底板部に載置されている立位状態の血液浄化装置200を床面又は地面へと引き出す(搬出工程)。以上の工程群を経て、血液浄化装置200を車両から搬出することが可能となる。
【0046】
以上説明した実施形態に係る搬送具1を採用すると、比較的重量の大きい血液浄化装置200の車両に対する搬入・搬出を、きわめて安全かつ容易に実現させることができる。血液浄化装置200を車両に搬入する際には、立位状態の装置載置部材10の軸部13を脚部材20の軸受部22に支持させて搬送具1を組み立てた後、立位状態の血液浄化装置200を装置載置部材10の底板部11に乗り上げさせるとともに背板部12に当接させ、軸部13を中心に装置載置部材10の背板部12及び底板部11を一体的に回動させて立位状態の血液浄化装置200を横倒し状態とする。この際、大重量の血液浄化装置200を脚部材20で支持しながら梃子の原理で簡単に傾けて横倒しにすることができるので、使用者への負荷が軽減される。次いで、横倒し状態の装置載置部材10の背板部12の頂部を車両の荷台に当接させ、この頂部を支点として装置載置部材10の底板部11を上方に持ち上げて装置載置部材10の軸部13を脚部材20の軸受部22から分離させ、装置載置部材10及び血液浄化装置200を一体的にスライドさせて車両の内部に押し込む。続いて、脚部材20を車両に別途搬入する。このようにして、血液浄化装置200を安全かつ容易に車両に搬入することができる。一方、血液浄化装置200を車両から搬出する際には、脚部材20を車両から取り出して床面又は地面に設置し、横倒し状態の血液浄化装置200とともに車両から装置載置部材10を引き出し、脚部材20の軸受部22に装置載置部材10の軸部13を支持させる。この際、大重量の血液浄化装置200を脚部材20によって支持させることができるので、使用者への負荷が軽減される。次いで、横倒し状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を軸部13を中心に一体的に回動させて横倒し状態の血液浄化装置200を立位状態とするとともに底板部11を床面又は地面に着地させる。続いて、装置載置部材10の底板部11に載置されている立位状態の血液浄化装置200を床面又は地面へと引き出す。このようにして、血液浄化装置200を安全かつ容易に車両から搬出することができる。
【0047】
また、以上説明した実施形態に係る搬送具1においては、装置載置部材10の底板部11に溝状のキャスタ走行部11a、11bが設けられているので、底板部11に立位状態の血液浄化装置200を乗り上げさせる際に、キャスタ走行部によって血液浄化装置200のキャスタ210の走行状態を安定させることができる。また、乗り上げ後においても、キャスタ走行部11a、11bにより、血液浄化装置200のキャスタ210の横移動が阻止される。この結果、立位状態の血液浄化装置200を、装置載置部材10の底板部11に安定した状態で乗せ続けることができる。
【0048】
また、以上説明した実施形態に係る搬送具1においては、装置載置部材10の背板部12を構成するフレーム部12aの湾曲状部分12aCが内側(底板部11側)に傾斜しているので、血液浄化装置200の搬入時に、装置載置部材10の背板部12が車両の荷台に引っ掛かることを防止することができ、血液浄化装置200及び装置載置部材10を車両の荷台上で容易にスライドさせることが可能となる。
【0049】
また、以上説明した実施形態に係る搬送具1においては、脚部材20の軸受部22を構成する左右一対の軸受部材22a、22b間の間隔を、間隔維持部材23により一定に維持することができる。従って、装置載置部材10の軸部13(左右一対の短柱部材13a、13b)を脚部材20の軸受部22(左右一対の軸受部材22a、22b)で安定的に支持することが可能となる。
【0050】
また、以上説明した実施形態に係る搬送具1においては、緊縛用バンドを用いて装置載置部材10に血液浄化装置200を縛り付けることができるので、立位状態から横倒し状態への移行時や横倒し状態から立位状態への移行時において、血液浄化装置200が装置載置部材10から離れて落下したり転倒したりすることを防止することができる。
【0051】
<第二実施形態>
次に、図9〜図13を用いて、本発明の第二実施形態に係る搬送具1Aについて説明する。本実施形態に係る搬送具1Aは、装置載置部材及び脚部材に折り畳み機構を設けたものであり、第一実施形態に係る搬送具1と多くの共通の構成を有している。従って、変更した構成についてのみ説明することとし、重複する構成については第一実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
本実施形態に係る搬送具1Aは、図9〜図11に示すように、血液浄化装置を載置させる装置載置部材10Aと、装置載置部材10Aを回動自在に支持する脚部材20Aと、を備えている。
【0053】
装置載置部材10Aは、図9及び図10に示すように、底板部11Aと、底板部11Aに対して略垂直に接合された背板部12Aと、背板部12Aに取り付けられた軸部13(左右一組の短柱部材13a、13b)と、を有している。装置載置部材10Aは、底板部11Aが床面又は地面に配置された際に背板部12Aが略鉛直方向に延在し軸部13が床面又は地面から所定高さの位置に配置された立位状態をとる。そして、装置載置部材10Aは、このような立位状態をとるときに、底板部11Aに載置された立位状態の血液浄化装置を背板部12Aに当接させることを可能とする。なお、装置載置部材10Aの軸部13(左右一組の短柱部材13a、13b)は、第一実施形態と実質的に同一であるので、詳細な説明を省略する。
【0054】
装置載置部材10Aの底板部11Aは、第一実施形態における底板部11とほぼ共通の構成を有している。本実施形態における底板部11Aは、後述する接合部ヒンジ機構を介して、背板部12Aに対して回動可能に連結されている。このため、底板部11Aは、図13(A)に示すように背板部12Aに対して折り畳み可能となっている。また、本実施形態における底板部11Aの背板部12Aとの接合部近傍には、図10(B)に示すように角部を斜めに切り欠いた切欠き部11Aaが設けられている。切欠き部11Aaは、図12に示すように装置載置部材10Aを軸部13を中心に一体的に回動させる際に、床面又は地面との干渉を低減させるように機能するものである。
【0055】
本実施形態における底板部11Aの裏面には、図10(A)、(B)に示すように、2本の棒状の把持部11Abが設けられている。把持部11Abは、図12に示すように立位状態の装置載置部材10Aを軸部13を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする際又は横倒し状態の装置載置部材10Aを軸部13を中心に一体的に回動させて立位状態とする際に使用者によって把持される部分である。
【0056】
装置載置部材10Aの背板部12Aは、図9及び図10に示すように、3本の柱状部材(12AaH、12AaV)を接合してコ字状に構成したフレーム部12Aaと、フレーム部12Aaの相互に平行な2本の垂直柱状部材12AaVに掛け渡される複数(2枚)の板状部12Abと、を有している。背板部12Aを構成するフレーム部12Aa及び板状部12Abは、アルミニウム等の金属材料や樹脂材料から構成することができる。
【0057】
背板部12Aのフレーム部12Aaを構成する水平柱状部材12AaHは、底板部11Aに平行に配置された状態で底板部11Aの1辺にヒンジ14を介して回動可能に連結されている。また、フレーム部12Aaを構成する垂直柱状部材12AaVは、水平柱状部材12AaHに対して略直角に配置された状態で、その端部が水平柱状部材12AaHに剛接合される。これにより、コ字状のフレーム部12Aaが形成される。また、フレーム部12Aaの垂直柱状部材12AaVと底板部11Aとの間には連結部材15が配置されている。連結部材15は、図10(B)に示すように、2つの部材が回動軸15aを介して回動可能に連結されて構成されたものであり、一方の端部はフレーム部12Aaの垂直柱状部材12AaVに回動軸15bを介して回動可能に接続され、他方の端部は底板部11Aに回動軸15cを介して回動可能に接続されている。背板部12Aは、このような連結部材15及びヒンジ14から構成される接合部ヒンジ機構により、図13(A)に示すように底板部11Aに対して折り畳み可能とされている。接合部ヒンジ機構(ヒンジ14及び連結部材15)は、本発明における折り畳み機構に相当するものである。
【0058】
また、背板部12Aのフレーム部12Aaを構成する2本の柱状部材12AaVは、図10(A)に示すように、2つの部材が背板部ヒンジ機構16を介して回動可能に連結されて構成されたものである。背板部12Aは、このような背板部ヒンジ機構16で折り畳まれることにより、図13(A)に示すように二つ折り状態となることが可能である。背板部ヒンジ機構16は、本発明における折り畳み機構に相当するものである。
【0059】
背板部12Aのフレーム部12Aaを構成する垂直柱状部材12AaVの底板部11A側と反対側の端部は、底板部11Aから最も離隔した頂部となっている。このような垂直柱状部材12AaVの端部(頂部)は、図10(B)に示すように、先端になるに従ってその幅が漸次小さくなるように形成されており、側面視で滑らかな曲線を描く湾曲面17を有している。これにより、装置載置部材10Aが図12に示すように回動して横倒し状態とされた際に背板部12Aのフレーム12Aaの湾曲面17が車両の荷台に接触し、装置載置部材10Aを血液浄化装置とともに車両の内部に押し込む際に荷台との干渉を低減させることができる。
【0060】
脚部材20Aは、図9及び図11に示すように、間隔をおいて相互に平行に配置された三角形状の左右一組のフレーム部21Aa、21Abを有している。各フレーム部21Aa、21Abの上部(頂部)には、装置載置部材10Aの軸部13(左右一組の短柱部材13a、13b)を分離可能及び回動可能に支持する軸受部22(左右一組の軸受部材22a、22b)が設けられている。脚部材20Aは、第一実施形態と同様の間隔維持部材23を有している。また、脚部材20Aの左右のフレーム部21Aa、21Abの間には、これらフレーム間の間隔を維持し脚部材20A全体を補強するように斜めに架け渡された補強部材23Aが設けられている。補強部材23Aはフレーム部21Aa、21bから取り外し自在とされている。
【0061】
脚部材20Aは、図9に示すように、立位状態の装置載置部材10Aの軸部13を軸受部22で支持する。そして、脚部材20Aは、図12に示すように、立位状態の装置載置部材10Aの背板部12A及び底板部11Aを軸部13を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の装置載置部材10Aの背板部12A及び底板部11Aを軸部13を中心に一体的に回動させて立位状態とすることを可能とする。
【0062】
脚部材20Aの左右のフレーム部21Aa、21Abは、図11(C)に示すように、平面視矩形状の板部材24に脚部ヒンジ機構25を介して回動可能に接続されている。脚部材20Aは、このような脚部ヒンジ機構25で折り畳まれることにより、図13(B)、(C)に示すように容積が縮小された三つ折り状態となることが可能である。脚部ヒンジ機構25は、本発明における折り畳み機構に相当するものである。
【0063】
なお、第二実施形態においては、折り畳み機構の例として、背板部12Aを二つ折り可能とする背板部ヒンジ機構16と、背板部12Aを底板部11に対して折り畳み可能とする接合部ヒンジ機構(ヒンジ14及び連結部材15)と、脚部材20Aを三つ折り可能とする脚部ヒンジ機構25と、を採用した例を示したが、折り畳み機構の構成はこれに限られるものではない。
【0064】
以上の各実施形態においては、軸部を装置載置部材に取り付け、軸受部を脚部材に設けた搬送具(本発明に係る第一の搬送具)を例示したが、軸受部を装置載置部材に設け、この軸受部を分離可能及び回動可能に支持する軸部を脚部材に取り付けた搬送具(本発明に係る第二の搬送具)を採用することもできる。
【0065】
例えば、脚部材の軸部を、各フレーム部の上部から各々左右外方に延在するように略一直線上に設けられた左右一組の短柱部材から構成し、脚部材が床面又は地面に設置された際に床面又は地面から所定の高さの位置で水平軸を形成することができる。そして、装置載置部材の軸受部を、背板部の左右側部に設けられて各短柱部材によって支持される左右一組の軸受部材から構成することができる。このような構成を有する搬送具を用いた場合においても、第一実施形態と同様の手順で、血液浄化装置200を車両に搬入したり車両から搬出したりすることができる。
【符号の説明】
【0066】
1・1A…搬送具
10・10A…装置載置部材
11・11A…底板部
11a・11b…キャスタ走行部
11Aa…切欠き部
11Ab…把持部
12・12A…背板部
12aC…湾曲状部分(頂部)
17…湾曲面(頂部)
13…軸部
13a・13b…短柱部分
14…ヒンジ(折り畳み機構)
15…連結部材(折り畳み機構)
16…背板部ヒンジ機構(折り畳み機構)
20・20A…脚部材
20a・20b・21Aa・21Ab…フレーム部
22…軸受部
22a・22b…軸受部材
23…間隔維持部材
25…脚部ヒンジ機構(折り畳み機構)
200…血液浄化装置
210…キャスタ
AH…水平軸
F…床面
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液浄化装置の搬入・搬出方法及び搬送具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、患者の体内から血液を取り出しこの血液から病因物質や特定の白血球等を除去して体内に戻す血液浄化治療が実施されている。このような血液浄化治療においては、体内から取り出した血液を循環させて体内に戻すための血液回路と、特定の物質を除去・分離する吸着材や分離材等の処理材を有する血液処理器と、を備える血液浄化装置が使用されている(例えば、特許文献1参照)。血液浄化装置は、看護師によって操作されるものであるため、成人の身長に対応するような鉛直方向に長い縦長の構造を有しており、操作部や表示部が比較的高い位置に配置されている。
【0003】
ところで、近年においては、このような血液浄化治療のデモンストレーション等を実施する目的で、血液浄化装置を車両に搬入して搬送した後、顧客先で搬出する機会が生じている。従来は、血液浄化装置を車両に搬入する際に、図14に示すような簡易な構造を有する車載治具100を図15に示すように血液浄化装置200に装着し、血液浄化装置200を徐々に傾けて車載治具100の車輪110を車両の荷台に当接させながら、血液浄化装置200を荷台に押し込む、という方法を採用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−273662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、現在使用されている血液浄化装置は、その構造上の特性から比較的重量が大きく高い重心を有しているため、前記したような従来の車載治具を使用しても車両に対する搬入・搬出は容易ではなく、特に血液浄化装置を傾ける際に使用者に過大な負荷がかかっていた。このため、状況によっては血液浄化装置が転倒するリスクもあり、早急な改善が要求されていた。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、比較的重量が大きく高重心の血液浄化装置の車両に対する搬入・搬出を、きわめて安全かつ容易に実現させることができる搬送具を提供するとともに、この搬送具を用いた血液浄化装置の搬入・搬出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明に係る第一の搬送具は、血液浄化装置を車両に対して搬入及び搬出するための搬送具であって:底板部と、この底板部に対して略垂直に接合された背板部と、この背板部に取り付けられた軸部と、を有し、底板部が床面又は地面に配置された際に背板部が略鉛直方向に延在し軸部が床面又は地面から所定高さの位置に配置された立位状態をとり、かつ底板部に載置された立位状態の血液浄化装置を背板部に当接させることを可能とする装置載置部材と;装置載置部材の軸部を分離可能及び回動可能に支持する軸受部を有し、立位状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とすることを可能とする脚部材と;を備えたものである。
【0008】
また、本発明に係る第二の搬送具は、血液浄化装置を車両に対して搬入及び搬出するための搬送具であって:底板部と、底板部に対して略垂直に接合された背板部と、背板部に設けられた軸受部と、を有し、底板部が床面又は地面に配置された際に背板部が略鉛直方向に延在し軸受部が床面又は地面から所定高さの位置に配置された立位状態をとり、かつ底板部に載置された立位状態の血液浄化装置を背板部に当接させることを可能とする装置載置部材と;装置載置部材の軸受部を分離可能及び回動可能に支持する軸部を有し、立位状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とすることを可能とする脚部材と;を備えたものである。
【0009】
かかる構成を採用すると、比較的重量の大きい(例えば70kg〜80kg程度の)血液浄化装置の車両に対する搬入・搬出を、きわめて安全かつ容易に実現させることができる。
【0010】
血液浄化装置を車両に搬入する際には、立位状態の装置載置部材の軸部(軸受部)を脚部材の軸受部(軸部)に支持させて搬送具を組み立てた後、立位状態の血液浄化装置を装置載置部材の底板部に乗り上げ(載置)させるとともに背板部に当接させ、軸部を中心に装置載置部材の背板部及び底板部を一体的に回動させて立位状態の血液浄化装置を横倒し状態とする。この際、大重量の血液浄化装置を脚部材で支持しながら梃子の原理で簡単に傾けて横倒しにすることができるので、使用者への負荷が軽減される。次いで、横倒し状態の装置載置部材の背板部の頂部を車両の荷台に当接させ、この頂部を支点として装置載置部材の底板部を上方に持ち上げて装置載置部材の軸部(軸受部)を脚部材の軸受部(軸部)から分離させ、装置載置部材及び血液浄化装置を一体的にスライドさせて車両の内部に押し込む。続いて、脚部材を車両に別途搬入する。このようにして、血液浄化装置を安全かつ容易に車両に搬入することができる。
【0011】
一方、血液浄化装置を車両から搬出する際には、脚部材を車両から取り出して床面又は地面に設置し、横倒し状態の血液浄化装置とともに車両から装置載置部材を引き出し、脚部材の軸受部(軸部)に装置載置部材の軸部(軸受部)を支持させる。この際、大重量の血液浄化装置を脚部材によって支持させることができるので、使用者への負荷が軽減される。次いで、横倒し状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態の血液浄化装置を立位状態とするとともに底板部を床面又は地面に着地させる。続いて、装置載置部材の底板部に載置されている立位状態の血液浄化装置を床面又は地面へと引き出す。このようにして、血液浄化装置を安全かつ容易に車両から搬出することができる。
【0012】
ここで、血液浄化装置の底部にキャスタが設けられ、血液浄化装置が立位状態で走行可能に構成されている場合には、前記搬送具の装置載置部材の底板部に溝状のキャスタ走行部を設けることが好ましい。
【0013】
かかる構成を採用すると、装置載置部材の底板部に立位状態の血液浄化装置を乗り上げ(載置)させる際に、底板部に設けられた溝状のキャスタ走行部によって血液浄化装置のキャスタの走行状態を安定させることができる。また、乗り上げ(載置)後においても溝状のキャスタ走行部により、血液浄化装置のキャスタの横移動が阻止される。この結果、立位状態の血液浄化装置を、装置載置部材の底板部に安定した状態で乗せ続けることができる。
【0014】
また、前記搬送具において、装置載置部材の背板部の少なくとも一部は、装置載置部材が横倒し状態とされた際に搬入のための車両の荷台に接触し、かつ車両の荷台との干渉を低減させるように、その頂部が背側に傾斜又は湾曲していることが好ましい。
【0015】
かかる構成を採用すると、血液浄化装置の搬入時に、装置載置部材の背板部が車両の荷台に引っ掛かることを防止することができ、血液浄化装置及び装置載置部材を車両の荷台上で容易にスライドさせることが可能となる。
【0016】
また、前記搬送具において、血液浄化装置を装置載置部材の底板部に載置させ背板部に当接させた際に、血液浄化装置を装置載置部材に縛り付ける緊縛用バンドを備えることもできる。
【0017】
かかる構成を採用すると、緊縛用バンドを用いて装置載置部材に血液浄化装置を縛り付けることができるので、立位状態から横倒し状態への移行時や横倒し状態から立位状態への移行時において、血液浄化装置が装置載置部材から離れて落下したり転倒したりすることを防止することができる。
【0018】
また、前記搬送具において、装置載置部材及び脚部材の少なくとも一部を折り畳み可能とする折り畳み機構を備えることもできる。例えば、装置載置部材の背板部と、装置載置部材の背板部と底板部との接合部と、に折り畳み機構を配置し、折り畳み機構で折り畳むことにより、背板部を二つ折り状態とし、かつ、二つ折り状態とされた背板部と底板部とが略平行になるようにすることができる。また、脚部材に折り畳み機構を配置し、折り畳み機構で折り畳むことにより、脚部材の容積を縮小することもできる。
【0019】
また、前記搬送具において、装置載置部材の底板部に、立位状態の装置載置部材を軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする際又は横倒し状態の装置載置部材を軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とする際に使用者によって把持される把持部を設けることができる。そして、この把持部を底板部の裏面に配置することができる。
【0020】
また、前記搬送具において、装置載置部材の背板部と底板部との接合部付近に、軸部を中心に一体的に回動させる際に床面又は地面との干渉を低減させるような切欠き部を形成することが好ましい。
【0021】
また、前記第一の搬送具において、装置載置部材の軸部を、背板部の左右側部から各々外方に延在するように略一直線上に設けられた左右一組の短柱部材から構成し、装置載置部材が立位状態とされた際に床面又は地面から所定の高さの位置で水平軸を形成することができる。かかる場合には、間隔をおいて配置された状態で立設された左右一組のフレーム部を有する脚部材を採用し、脚部材の軸受部を、各フレーム部の上部に設けられて各短柱部材を支持する左右一組の軸受部材から構成することができる。そして、脚部材のフレーム部同士を連結するように水平方向に配置されて軸受部材間の間隔を一定に維持する間隔維持部材を採用することができる。
【0022】
かかる構成を採用すると、脚部材の軸受部を構成する左右一対の軸受部材間の間隔を、間隔維持部材により一定に維持することができる。従って、装置載置部材の軸部(左右一対の短柱部材)を脚部材の軸受部(左右一対の軸受部材)で安定的に支持することが可能となる。
【0023】
また、前記第二の搬送具において、間隔をおいて配置された状態で立設された左右一組のフレーム部を有する脚部材を採用し、脚部材の軸部を、各フレーム部の上部から各々左右外方に延在するように略一直線上に設けられた左右一組の短柱部材から構成し、脚部材が床面又は地面に設置された際に床面又は地面から所定の高さの位置で水平軸を形成することができる。かかる場合には、装置載置部材の軸受部を、背板部の左右側部に設けられて各短柱部材によって支持される左右一組の軸受部材から構成することができる。
【0024】
また、本発明に係る第一の搬入方法は、前記第一の搬送具を用いて血液浄化装置を車両に搬入する方法であって、立位状態の装置載置部材の軸部を脚部材の軸受部に支持させて搬送具を組み立てる搬送具組立工程と、立位状態の血液浄化装置を装置載置部材の底板部に載置させるとともに背板部に当接させる装置載置工程と、立位状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて装置載置部材及び血液浄化装置を横倒し状態とする回動工程と、横倒し状態の装置載置部材の背板部の頂部を車両の荷台に当接させ、頂部を支点として装置載置部材の底板部を上方に持ち上げて装置載置部材の軸部を脚部材の軸受部から分離させ、装置載置部材及び血液浄化装置を一体的に車両の内部に押し込む搬入工程と、を備えるものである。
【0025】
また、本発明に係る第一の搬出方法は、前記第一の搬送具を用いて血液浄化装置を車両から搬出する方法であって、脚部材を車両から搬出して床面又は地面に配置する脚部材配置工程と、横倒し状態の血液浄化装置とともに車両から装置載置部材を引き出し、脚部材の軸受部に装置載置部材の軸部を支持させる軸部支持工程と、横倒し状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて血液浄化装置を立位状態とするとともに底板部を床面又は地面に着地させる回動工程と、装置載置部材の底板部に乗り上げている立位状態の血液浄化装置を床面又は地面へと引き出す搬出工程と、を備えるものである。
【0026】
また、本発明に係る第二の搬入方法は、前記第二の搬送具を用いて血液浄化装置を車両に搬入する方法であって、立位状態の装置載置部材の軸受部を脚部材の軸部に支持させて搬送具を組み立てる搬送具組立工程と、立位状態の血液浄化装置を装置載置部材の底板部に載置させるとともに背板部に当接させる装置載置工程と、立位状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて装置載置部材及び血液浄化装置を横倒し状態とする回動工程と、横倒し状態の装置載置部材の背板部の頂部を車両の荷台に当接させ、頂部を支点として装置載置部材の底板部を上方に持ち上げて装置載置部材の軸受部を脚部材の軸部から分離させ、装置載置部材及び血液浄化装置を一体的に車両の内部に押し込む搬入工程と、を備えるものである。
【0027】
また、本発明に係る第二の搬出方法は、前記第二の搬送具を用いて血液浄化装置を車両から搬出する方法であって、脚部材を車両から搬出して床面又は地面に配置する脚部材配置工程と、横倒し状態の血液浄化装置とともに車両から装置載置部材を引き出し、脚部材の軸部に装置載置部材の軸受部を支持させる軸受部支持工程と、横倒し状態の装置載置部材の背板部及び底板部を軸部を中心に一体的に回動させて血液浄化装置を立位状態とするとともに底板部を床面又は地面に着地させる回動工程と、装置載置部材の底板部に載置されている立位状態の血液浄化装置を床面又は地面へと引き出す搬出工程と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、比較的重量が大きく高重心の血液浄化装置の車両に対する搬入・搬出を、きわめて安全かつ容易に実現させることができる搬送具を提供するとともに、この搬送具を用いた血液浄化装置の搬入・搬出方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第一実施形態に係る搬送具(組み立てた状態)を示す説明図である。
【図2】図1に示す搬送具を分解した状態を示す説明図である。
【図3】図1に示す搬送具を構成する装置載置部材を示すものであり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図4】図1に示す搬送具を構成する脚部材を示すものであり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図5】図1に示す搬送具の装置載置部材に血液浄化装置を載置した状態を示す説明図である。
【図6】図5の状態から装置載置部材を回動させた状態を示す動作説明図である。
【図7】図6の状態から装置載置部材をさらに回動させて血液浄化装置を横倒しにした状態を示す動作説明図である。
【図8】横倒し状態にした血液浄化装置を装置載置部材とともに車両に搬入している状態を示す説明図である。
【図9】本発明の第二実施形態に係る搬送具(組み立てた状態)を示すものであり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図10】図9に示す搬送具を構成する装置載置部材を示すものであり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図11】図9に示す搬送具を構成する脚部材を示すものであり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は一部平面図である。
【図12】図9に示す搬送具の装置載置部材を回動させた状態を示す動作説明図である。
【図13】(A)は図10に示す装置載置部材を折り畳んだ状態を示す側面図、(B)は図11に示す脚部材を折り畳んだ状態を示す平面図、(C)は図11に示す脚部材を折り畳んだ状態を示す正面図である。
【図14】従来の車載治具の斜視図である。
【図15】従来の車載治具を血液浄化装置に装着した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る搬送具について説明する。以下の各実施形態に係る搬送具は、血液浄化装置を車両に搬入したり車両から搬出したりする際に使用されるものである。なお、本実施形態に係る搬送具で搬入・搬出される血液浄化装置200(図5、図8等参照)は、看護師によって使用されることを想定して鉛直方向に長い縦長の構造とされ比較的高い重心を有するとともに70kg〜80kgと比較的大きい重量を有するものであって、底部にはキャスタ210が設けられて立位状態で走行可能に構成されている。
【0031】
<第一実施形態>
最初に、図1〜8を用いて、本発明の第一実施形態に係る搬送具1について説明する。まず、本実施形態に係る搬送具1の構成について説明する。本実施形態に係る搬送具1は、図1、図2、図5等に示すように、血液浄化装置200を載置させる装置載置部材10と、装置載置部材10を回動自在に支持する脚部材20と、を備えている。
【0032】
装置載置部材10は、図2及び図3に示すように、底板部11と、底板部11に対して略垂直に剛接合された背板部12と、背板部12に取り付けられた軸部13(左右一組の短柱部材13a、13b)と、を有している。装置載置部材10は、図2に示すように底板部11が床面Fに配置された際に背板部12が略鉛直方向に延在し軸部が床面Fから所定高さの位置に配置された立位状態をとる。そして、装置載置部材10は、このような立位状態をとるときに、図5に示すように底板部11に載置された立位状態の血液浄化装置200を背板部12に当接させることを可能とする。
【0033】
装置載置部材10の底板部11は、板状部材にプレス成形等を施して構成したものであり、平面視で略矩形状に形成されている。底板部11には、血液浄化装置200のキャスタ210を乗り上げ(載置)させる左右一組の平行な溝状のキャスタ走行部11a、11bを有している。底板部11に立位状態の血液浄化装置200を乗り上げさせる際に、かかるキャスタ走行部11a、11bによって血液浄化装置200のキャスタ210の走行状態を安定させることができる。また、乗り上げ後においてもキャスタ走行部11a、11bにより、血液浄化装置200のキャスタ210の横移動が阻止される。この結果、立位状態の血液浄化装置200を底板部11に安定した状態で乗せ続けることができる。底板部11は、アルミニウム等の金属材料や樹脂材料から構成することができる。
【0034】
装置載置部材10の背板部12は、図2に示すように、1本の管状部材を逆U字状に折曲して構成したフレーム部12aと、フレーム部12aを構成する相互に平行な2つの直線状部分12aLに掛け渡される複数(4枚)の板状部12bと、を有している。背板部12を構成するフレーム部12a及び板状部12bは、アルミニウム等の金属材料や樹脂材料から構成することができる。フレーム部12aの両端部は底板部11に剛接合されており、フレーム部12aを構成する2つの直線状部分12aLが底板部11に対して略垂直に配置され、2つの直線状部分12aLの間に位置する湾曲状部分12aCが底板部11から最も離隔した頂部となっている。
【0035】
背板部12のフレーム部12aの湾曲状部分12aCは、図3(B)に示すように、若干内側(底板部11側)に傾斜している。これにより、装置載置部材10が横倒し状態とされた際に背板部12のフレーム12aの湾曲状部分12aCが車両の荷台に接触し、装置載置部材10を血液浄化装置200とともに車両の内部に押し込む際に荷台との干渉を低減させることができる。なお、本実施形態においては、図2及び図3(A)に示すように、4枚の板状部12bを採用した例を示したが、面積の広い1枚の板状部材を採用することもできる。
【0036】
装置載置部材10の軸部13となる短柱部材13a、13bは、図2及び図3(A)に示すように、背板部12を構成するフレーム部12aの2つの直線状部分の側部(左右側部)から各々外方に延在するように略一直線上に設けられている。軸部(短柱部材13a、13b)は、装置載置部材10が立位状態とされた際に床面Fから所定の高さの位置で水平軸AHを形成する。
【0037】
脚部材20は、図2及び図4に示すように、1本の管状部材を折曲して正面視平面視略U字状・側面視略三角形状に構成されており、間隔をおいて相互に平行に配置された三角形状の左右一組のフレーム部20a、20bを有している。折曲された1本の管状部材の両端部は、長尺幅狭の板状部材21によって連結されている。各フレーム部20a、20bの上部(頂部)には、装置載置部材10の軸部13(左右一組の短柱部材13a、13b)を分離可能及び回動可能に支持する軸受部22(左右一組の軸受部材22a、22b)が設けられている。
【0038】
脚部材20は、図1に示すように、立位状態の装置載置部材10の軸部13を軸受部22で支持する。そして、脚部材20は、図6に示すように、立位状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を軸部13を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を軸部13を中心に一体的に回動させて立位状態とすることを可能とする。
【0039】
脚部材20は、左右のフレーム部20a、20b同士を連結するように水平方向に配置されて左右一組の軸受部材22a、22b間の間隔を一定に維持する間隔維持部材23を有している。間隔維持部材23は、金属等の剛性を有する材料で構成された直線状の管状部材であり、その両端部には、各フレーム部20a、20bの上部付近に設けられた凸部に嵌合する凹部が設けられている。各フレーム部20a、20bの凸部に、間隔維持部材23の両端部に設けられた凹部を嵌合させることにより、各フレーム部20a、20bの上部間の間隔(左右一組の軸受部材22a、22b間の間隔)が間隔維持部材23の剛性により維持されることとなる。なお、各フレーム部20a、20bの上部付近に凹部を設け、間隔維持部材23の両端部に凸部を設けて両者を嵌合させることもできる。
【0040】
次に、本実施形態に係る搬送具1を用いて、血液浄化装置200を車両に搬入する方法について説明する。
【0041】
まず、図1に示すように、立位状態の装置載置部材10の軸部13(左右一組の短柱部材13a、13b)を、脚部材20の軸受部22(左右一組の軸受部材22a、22b)に支持させて搬送具1を組み立てる(搬送具組立工程)。そして、図5に示すように、立位状態の血液浄化装置200を、装置載置部材10の底板部11に乗り上げ(載置)させるとともに背板部12に当接させる(装置載置工程)。装置載置工程においては、緊縛用バンド等を用いて、血液浄化装置200を装置載置部材10に縛り付けて固定することが好ましい。
【0042】
次いで、図6及び図7に示すように、立位状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を軸部13を中心に一体的に回動させて装置載置部材10及び血液浄化装置200を横倒し状態とする(回動工程)。続いて、図8に示すように、横倒し状態の装置載置部材10の背板部12の頂部(フレーム部12aの湾曲状部分12aC)を車両の荷台Tに当接させ、頂部を支点として装置載置部材10の底板部11を上方に持ち上げて装置載置部材10の軸部13を脚部材20の軸受部22から分離させ、装置載置部材10及び血液浄化装置200を一体的に車両の内部に押し込む。その後、別途脚部材20を車両の内部に搬入する(搬入工程)。以上の工程群を経て、血液浄化装置200を搬送具1とともに車両に搬入することが可能となる。
【0043】
続いて、本実施形態に係る搬送具1を用いて、血液浄化装置200を車両から搬出する方法について説明する。
【0044】
まず、搬送具1の脚部材20を車両から搬出して床面又は地面に配置する(脚部材配置工程)。次いで、横倒し状態の血液浄化装置200とともに車両の荷台から装置載置部材10を引き出し、図8に示すように、脚部材20の軸受部22に装置載置部材10の軸部13を支持させる(軸部支持工程)。
【0045】
次いで、横倒し状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を、図7及び図6に示すように軸部13を中心に一体的に回動させて、図5に示すように血液浄化装置200を立位状態とするとともに底板部11を床面又は地面に着地させる(回動工程)。その後、装置載置部材10の底板部に載置されている立位状態の血液浄化装置200を床面又は地面へと引き出す(搬出工程)。以上の工程群を経て、血液浄化装置200を車両から搬出することが可能となる。
【0046】
以上説明した実施形態に係る搬送具1を採用すると、比較的重量の大きい血液浄化装置200の車両に対する搬入・搬出を、きわめて安全かつ容易に実現させることができる。血液浄化装置200を車両に搬入する際には、立位状態の装置載置部材10の軸部13を脚部材20の軸受部22に支持させて搬送具1を組み立てた後、立位状態の血液浄化装置200を装置載置部材10の底板部11に乗り上げさせるとともに背板部12に当接させ、軸部13を中心に装置載置部材10の背板部12及び底板部11を一体的に回動させて立位状態の血液浄化装置200を横倒し状態とする。この際、大重量の血液浄化装置200を脚部材20で支持しながら梃子の原理で簡単に傾けて横倒しにすることができるので、使用者への負荷が軽減される。次いで、横倒し状態の装置載置部材10の背板部12の頂部を車両の荷台に当接させ、この頂部を支点として装置載置部材10の底板部11を上方に持ち上げて装置載置部材10の軸部13を脚部材20の軸受部22から分離させ、装置載置部材10及び血液浄化装置200を一体的にスライドさせて車両の内部に押し込む。続いて、脚部材20を車両に別途搬入する。このようにして、血液浄化装置200を安全かつ容易に車両に搬入することができる。一方、血液浄化装置200を車両から搬出する際には、脚部材20を車両から取り出して床面又は地面に設置し、横倒し状態の血液浄化装置200とともに車両から装置載置部材10を引き出し、脚部材20の軸受部22に装置載置部材10の軸部13を支持させる。この際、大重量の血液浄化装置200を脚部材20によって支持させることができるので、使用者への負荷が軽減される。次いで、横倒し状態の装置載置部材10の背板部12及び底板部11を軸部13を中心に一体的に回動させて横倒し状態の血液浄化装置200を立位状態とするとともに底板部11を床面又は地面に着地させる。続いて、装置載置部材10の底板部11に載置されている立位状態の血液浄化装置200を床面又は地面へと引き出す。このようにして、血液浄化装置200を安全かつ容易に車両から搬出することができる。
【0047】
また、以上説明した実施形態に係る搬送具1においては、装置載置部材10の底板部11に溝状のキャスタ走行部11a、11bが設けられているので、底板部11に立位状態の血液浄化装置200を乗り上げさせる際に、キャスタ走行部によって血液浄化装置200のキャスタ210の走行状態を安定させることができる。また、乗り上げ後においても、キャスタ走行部11a、11bにより、血液浄化装置200のキャスタ210の横移動が阻止される。この結果、立位状態の血液浄化装置200を、装置載置部材10の底板部11に安定した状態で乗せ続けることができる。
【0048】
また、以上説明した実施形態に係る搬送具1においては、装置載置部材10の背板部12を構成するフレーム部12aの湾曲状部分12aCが内側(底板部11側)に傾斜しているので、血液浄化装置200の搬入時に、装置載置部材10の背板部12が車両の荷台に引っ掛かることを防止することができ、血液浄化装置200及び装置載置部材10を車両の荷台上で容易にスライドさせることが可能となる。
【0049】
また、以上説明した実施形態に係る搬送具1においては、脚部材20の軸受部22を構成する左右一対の軸受部材22a、22b間の間隔を、間隔維持部材23により一定に維持することができる。従って、装置載置部材10の軸部13(左右一対の短柱部材13a、13b)を脚部材20の軸受部22(左右一対の軸受部材22a、22b)で安定的に支持することが可能となる。
【0050】
また、以上説明した実施形態に係る搬送具1においては、緊縛用バンドを用いて装置載置部材10に血液浄化装置200を縛り付けることができるので、立位状態から横倒し状態への移行時や横倒し状態から立位状態への移行時において、血液浄化装置200が装置載置部材10から離れて落下したり転倒したりすることを防止することができる。
【0051】
<第二実施形態>
次に、図9〜図13を用いて、本発明の第二実施形態に係る搬送具1Aについて説明する。本実施形態に係る搬送具1Aは、装置載置部材及び脚部材に折り畳み機構を設けたものであり、第一実施形態に係る搬送具1と多くの共通の構成を有している。従って、変更した構成についてのみ説明することとし、重複する構成については第一実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
本実施形態に係る搬送具1Aは、図9〜図11に示すように、血液浄化装置を載置させる装置載置部材10Aと、装置載置部材10Aを回動自在に支持する脚部材20Aと、を備えている。
【0053】
装置載置部材10Aは、図9及び図10に示すように、底板部11Aと、底板部11Aに対して略垂直に接合された背板部12Aと、背板部12Aに取り付けられた軸部13(左右一組の短柱部材13a、13b)と、を有している。装置載置部材10Aは、底板部11Aが床面又は地面に配置された際に背板部12Aが略鉛直方向に延在し軸部13が床面又は地面から所定高さの位置に配置された立位状態をとる。そして、装置載置部材10Aは、このような立位状態をとるときに、底板部11Aに載置された立位状態の血液浄化装置を背板部12Aに当接させることを可能とする。なお、装置載置部材10Aの軸部13(左右一組の短柱部材13a、13b)は、第一実施形態と実質的に同一であるので、詳細な説明を省略する。
【0054】
装置載置部材10Aの底板部11Aは、第一実施形態における底板部11とほぼ共通の構成を有している。本実施形態における底板部11Aは、後述する接合部ヒンジ機構を介して、背板部12Aに対して回動可能に連結されている。このため、底板部11Aは、図13(A)に示すように背板部12Aに対して折り畳み可能となっている。また、本実施形態における底板部11Aの背板部12Aとの接合部近傍には、図10(B)に示すように角部を斜めに切り欠いた切欠き部11Aaが設けられている。切欠き部11Aaは、図12に示すように装置載置部材10Aを軸部13を中心に一体的に回動させる際に、床面又は地面との干渉を低減させるように機能するものである。
【0055】
本実施形態における底板部11Aの裏面には、図10(A)、(B)に示すように、2本の棒状の把持部11Abが設けられている。把持部11Abは、図12に示すように立位状態の装置載置部材10Aを軸部13を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする際又は横倒し状態の装置載置部材10Aを軸部13を中心に一体的に回動させて立位状態とする際に使用者によって把持される部分である。
【0056】
装置載置部材10Aの背板部12Aは、図9及び図10に示すように、3本の柱状部材(12AaH、12AaV)を接合してコ字状に構成したフレーム部12Aaと、フレーム部12Aaの相互に平行な2本の垂直柱状部材12AaVに掛け渡される複数(2枚)の板状部12Abと、を有している。背板部12Aを構成するフレーム部12Aa及び板状部12Abは、アルミニウム等の金属材料や樹脂材料から構成することができる。
【0057】
背板部12Aのフレーム部12Aaを構成する水平柱状部材12AaHは、底板部11Aに平行に配置された状態で底板部11Aの1辺にヒンジ14を介して回動可能に連結されている。また、フレーム部12Aaを構成する垂直柱状部材12AaVは、水平柱状部材12AaHに対して略直角に配置された状態で、その端部が水平柱状部材12AaHに剛接合される。これにより、コ字状のフレーム部12Aaが形成される。また、フレーム部12Aaの垂直柱状部材12AaVと底板部11Aとの間には連結部材15が配置されている。連結部材15は、図10(B)に示すように、2つの部材が回動軸15aを介して回動可能に連結されて構成されたものであり、一方の端部はフレーム部12Aaの垂直柱状部材12AaVに回動軸15bを介して回動可能に接続され、他方の端部は底板部11Aに回動軸15cを介して回動可能に接続されている。背板部12Aは、このような連結部材15及びヒンジ14から構成される接合部ヒンジ機構により、図13(A)に示すように底板部11Aに対して折り畳み可能とされている。接合部ヒンジ機構(ヒンジ14及び連結部材15)は、本発明における折り畳み機構に相当するものである。
【0058】
また、背板部12Aのフレーム部12Aaを構成する2本の柱状部材12AaVは、図10(A)に示すように、2つの部材が背板部ヒンジ機構16を介して回動可能に連結されて構成されたものである。背板部12Aは、このような背板部ヒンジ機構16で折り畳まれることにより、図13(A)に示すように二つ折り状態となることが可能である。背板部ヒンジ機構16は、本発明における折り畳み機構に相当するものである。
【0059】
背板部12Aのフレーム部12Aaを構成する垂直柱状部材12AaVの底板部11A側と反対側の端部は、底板部11Aから最も離隔した頂部となっている。このような垂直柱状部材12AaVの端部(頂部)は、図10(B)に示すように、先端になるに従ってその幅が漸次小さくなるように形成されており、側面視で滑らかな曲線を描く湾曲面17を有している。これにより、装置載置部材10Aが図12に示すように回動して横倒し状態とされた際に背板部12Aのフレーム12Aaの湾曲面17が車両の荷台に接触し、装置載置部材10Aを血液浄化装置とともに車両の内部に押し込む際に荷台との干渉を低減させることができる。
【0060】
脚部材20Aは、図9及び図11に示すように、間隔をおいて相互に平行に配置された三角形状の左右一組のフレーム部21Aa、21Abを有している。各フレーム部21Aa、21Abの上部(頂部)には、装置載置部材10Aの軸部13(左右一組の短柱部材13a、13b)を分離可能及び回動可能に支持する軸受部22(左右一組の軸受部材22a、22b)が設けられている。脚部材20Aは、第一実施形態と同様の間隔維持部材23を有している。また、脚部材20Aの左右のフレーム部21Aa、21Abの間には、これらフレーム間の間隔を維持し脚部材20A全体を補強するように斜めに架け渡された補強部材23Aが設けられている。補強部材23Aはフレーム部21Aa、21bから取り外し自在とされている。
【0061】
脚部材20Aは、図9に示すように、立位状態の装置載置部材10Aの軸部13を軸受部22で支持する。そして、脚部材20Aは、図12に示すように、立位状態の装置載置部材10Aの背板部12A及び底板部11Aを軸部13を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の装置載置部材10Aの背板部12A及び底板部11Aを軸部13を中心に一体的に回動させて立位状態とすることを可能とする。
【0062】
脚部材20Aの左右のフレーム部21Aa、21Abは、図11(C)に示すように、平面視矩形状の板部材24に脚部ヒンジ機構25を介して回動可能に接続されている。脚部材20Aは、このような脚部ヒンジ機構25で折り畳まれることにより、図13(B)、(C)に示すように容積が縮小された三つ折り状態となることが可能である。脚部ヒンジ機構25は、本発明における折り畳み機構に相当するものである。
【0063】
なお、第二実施形態においては、折り畳み機構の例として、背板部12Aを二つ折り可能とする背板部ヒンジ機構16と、背板部12Aを底板部11に対して折り畳み可能とする接合部ヒンジ機構(ヒンジ14及び連結部材15)と、脚部材20Aを三つ折り可能とする脚部ヒンジ機構25と、を採用した例を示したが、折り畳み機構の構成はこれに限られるものではない。
【0064】
以上の各実施形態においては、軸部を装置載置部材に取り付け、軸受部を脚部材に設けた搬送具(本発明に係る第一の搬送具)を例示したが、軸受部を装置載置部材に設け、この軸受部を分離可能及び回動可能に支持する軸部を脚部材に取り付けた搬送具(本発明に係る第二の搬送具)を採用することもできる。
【0065】
例えば、脚部材の軸部を、各フレーム部の上部から各々左右外方に延在するように略一直線上に設けられた左右一組の短柱部材から構成し、脚部材が床面又は地面に設置された際に床面又は地面から所定の高さの位置で水平軸を形成することができる。そして、装置載置部材の軸受部を、背板部の左右側部に設けられて各短柱部材によって支持される左右一組の軸受部材から構成することができる。このような構成を有する搬送具を用いた場合においても、第一実施形態と同様の手順で、血液浄化装置200を車両に搬入したり車両から搬出したりすることができる。
【符号の説明】
【0066】
1・1A…搬送具
10・10A…装置載置部材
11・11A…底板部
11a・11b…キャスタ走行部
11Aa…切欠き部
11Ab…把持部
12・12A…背板部
12aC…湾曲状部分(頂部)
17…湾曲面(頂部)
13…軸部
13a・13b…短柱部分
14…ヒンジ(折り畳み機構)
15…連結部材(折り畳み機構)
16…背板部ヒンジ機構(折り畳み機構)
20・20A…脚部材
20a・20b・21Aa・21Ab…フレーム部
22…軸受部
22a・22b…軸受部材
23…間隔維持部材
25…脚部ヒンジ機構(折り畳み機構)
200…血液浄化装置
210…キャスタ
AH…水平軸
F…床面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液浄化装置を車両に対して搬入及び搬出するための搬送具であって、
底板部と、前記底板部に対して略垂直に接合された背板部と、前記背板部に取り付けられた軸部と、を有し、前記底板部が床面又は地面に配置された際に前記背板部が略鉛直方向に延在し前記軸部が床面又は地面から所定高さの位置に配置された立位状態をとり、かつ前記底板部に載置された立位状態の前記血液浄化装置を前記背板部に当接させることを可能とする装置載置部材と、
前記装置載置部材の前記軸部を分離可能及び回動可能に支持する軸受部を有し、立位状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とすることを可能とする脚部材と、
を備えた、
搬送具。
【請求項2】
前記血液浄化装置は、底部にキャスタが設けられて立位状態で走行可能に構成され、
前記装置載置部材の前記底板部は、溝状のキャスタ走行部を有する、
請求項1に記載の搬送具。
【請求項3】
前記装置載置部材の背板部の少なくとも一部は、前記装置載置部材が横倒し状態とされた際に搬入のための車両の荷台に接触し、かつ前記車両の荷台との干渉を低減させるように、その頂部が背側に傾斜又は湾曲している、
請求項1又は2に記載の搬送具。
【請求項4】
前記装置載置部材の前記軸部は、前記背板部の左右側部から各々外方に延在するように略一直線上に設けられた左右一組の短柱部材から構成され、前記装置載置部材が立位状態とされた際に床面又は地面から所定の高さの位置で水平軸を形成し、
前記脚部材は、間隔をおいて配置された状態で立設された左右一組のフレーム部を有し、
前記脚部材の前記軸受部は、前記各フレーム部の上部に設けられて前記各短柱部材を支持する左右一組の軸受部材から構成され、
前記脚部材は、前記フレーム部同士を連結するように水平方向に配置されて前記軸受部材間の間隔を一定に維持する間隔維持部材を有する、
請求項1から3の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項5】
前記血液浄化装置を前記装置載置部材の前記底板部に載置させ前記背板部に当接させた際に、前記血液浄化装置を前記装置載置部材に縛り付ける緊縛用バンドを備える、
請求項1から4の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項6】
前記装置載置部材及び前記脚部材の少なくとも一部を折り畳み可能とする折り畳み機構を備える、
請求項1から5の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項7】
前記折り畳み機構は、前記装置載置部材の背板部と、前記装置載置部材の前記背板部と前記底板部との接合部と、に配置され、
前記折り畳み機構で折り畳まれることにより、前記背板部は二つ折り状態とされ、かつ、この二つ折り状態とされた前記背板部と前記底板部とが略平行に配置された状態とされる、
請求項6に記載の搬送具。
【請求項8】
前記折り畳み機構は、前記脚部材に配置され、
前記折り畳み機構で折り畳まれることにより、前記脚部材はその容積が縮小された状態となる、
請求項6又は7に記載の搬送具。
【請求項9】
前記装置載置部材の前記底板部は、立位状態の前記装置載置部材を前記軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする際又は横倒し状態の前記装置載置部材を前記軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とする際に使用者によって把持される把持部を有する、
請求項1から8の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項10】
前記把持部は、前記底板部の裏面に配置されている、
請求項9に記載の搬送具。
【請求項11】
前記装置載置部材の前記背板部と前記底板部との接合部付近に、前記軸部を中心に一体的に回動させる際に床面又は地面との干渉を低減させるような切欠き部が形成されてなる、
請求項1から10の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項12】
請求項1から11の何れか一項に記載の搬送具を用いて血液浄化装置を車両に搬入する方法であって、
立位状態の前記装置載置部材の前記軸部を前記脚部材の前記軸受部に支持させて搬送具を組み立てる搬送具組立工程と、
立位状態の前記血液浄化装置を前記装置載置部材の前記底板部に載置させるとともに前記背板部に当接させる装置載置工程と、
立位状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて前記装置載置部材及び前記血液浄化装置を横倒し状態とする回動工程と、
横倒し状態の前記装置載置部材の前記背板部の頂部を前記車両の荷台に当接させ、前記頂部を支点として前記装置載置部材の前記底板部を上方に持ち上げて前記装置載置部材の前記軸部を前記脚部材の前記軸受部から分離させ、前記装置載置部材及び前記血液浄化装置を一体的に前記車両の内部に押し込む搬入工程と、を備える、
血液浄化装置の搬入方法。
【請求項13】
請求項1から11の何れか一項に記載の搬送具を用いて血液浄化装置を車両から搬出する方法であって、
前記脚部材を車両から搬出して床面又は地面に配置する脚部材配置工程と、
横倒し状態の前記血液浄化装置とともに前記車両から前記装置載置部材を引き出し、前記脚部材の前記軸受部に前記装置載置部材の前記軸部を支持させる軸部支持工程と、
横倒し状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて前記血液浄化装置を立位状態とするとともに前記底板部を床面又は地面に着地させる回動工程と、
前記装置載置部材の前記底板部に載置されている立位状態の前記血液浄化装置を床面又は地面へと引き出す搬出工程と、を備える、
血液浄化装置の搬出方法。
【請求項14】
血液浄化装置を車両に対して搬入及び搬出するための搬送具であって、
底板部と、前記底板部に対して略垂直に接合された背板部と、前記背板部に設けられた軸受部と、を有し、前記底板部が床面又は地面に配置された際に前記背板部が略鉛直方向に延在し前記軸受部が床面又は地面から所定高さの位置に配置された立位状態をとり、かつ前記底板部に載置された立位状態の前記血液浄化装置を前記背板部に当接させることを可能とする装置載置部材と、
前記装置載置部材の前記軸受部を分離可能及び回動可能に支持する軸部を有し、立位状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とすることを可能とする脚部材と、
を備えた、
搬送具。
【請求項15】
前記血液浄化装置は、底部にキャスタが設けられて立位状態で走行可能に構成され、
前記装置載置部材の前記底板部は、溝状のキャスタ走行部を有する、
請求項14に記載の搬送具。
【請求項16】
前記装置載置部材の背板部の少なくとも一部は、前記装置載置部材が横倒し状態とされた際に搬入のための車両の荷台に接触し、かつ前記車両の荷台との干渉を低減させるように、その頂部が背側に傾斜又は湾曲している、
請求項14又は15に記載の搬送具。
【請求項17】
前記脚部材は、間隔をおいて配置された状態で立設された左右一組のフレーム部を有し、
前記脚部材の前記軸部は、前記各フレーム部の上部から各々左右外方に延在するように略一直線上に設けられた左右一組の短柱部材から構成され、前記脚部材が床面又は地面に設置された際に床面又は地面から所定の高さの位置で水平軸を形成し、
前記装置載置部材の前記軸受部は、前記背板部の左右側部に設けられて前記各短柱部材によって支持される左右一組の軸受部材から構成される、
請求項14から16の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項18】
前記血液浄化装置を前記装置載置部材の前記底板部に載置させ前記背板部に当接させた際に、前記血液浄化装置を前記装置載置部材に縛り付ける緊縛用バンドを備える、
請求項14から17の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項19】
前記装置載置部材及び前記脚部材の少なくとも一部を折り畳み可能とする折り畳み機構を備える、
請求項14から18の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項20】
前記折り畳み機構は、前記装置載置部材の背板部と、前記装置載置部材の前記背板部と前記底板部との接合部と、に配置され、
前記折り畳み機構で折り畳まれることにより、前記背板部は二つ折り状態とされ、かつ、この二つ折り状態とされた前記背板部と前記底板部とが略平行に配置された状態とされる、
請求項19に記載の搬送具。
【請求項21】
前記折り畳み機構は、前記脚部材に配置され、
前記折り畳み機構で折り畳まれることにより、前記脚部材はその容積が縮小された状態となる、
請求項19又は20に記載の搬送具。
【請求項22】
前記装置載置部材の前記底板部は、立位状態の前記装置載置部材を前記軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする際又は横倒し状態の前記装置載置部材を前記軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とする際に使用者によって把持される把持部を有する、
請求項14から21の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項23】
前記把持部は、前記底板部の裏面に配置されている、
請求項22に記載の搬送具。
【請求項24】
前記装置載置部材の前記背板部と前記底板部との接合部付近に、前記軸部を中心に一体的に回動させる際に床面又は地面との干渉を低減させるような切欠き部が形成されてなる、
請求項14から23の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項25】
請求項14から24の何れか一項に記載の搬送具を用いて血液浄化装置を車両に搬入する方法であって、
立位状態の前記装置載置部材の前記軸受部を前記脚部材の前記軸部に支持させて搬送具を組み立てる搬送具組立工程と、
立位状態の前記血液浄化装置を前記装置載置部材の前記底板部に載置させるとともに前記背板部に当接させる装置載置工程と、
立位状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて前記装置載置部材及び前記血液浄化装置を横倒し状態とする回動工程と、
横倒し状態の前記装置載置部材の前記背板部の頂部を前記車両の荷台に当接させ、前記頂部を支点として前記装置載置部材の前記底板部を上方に持ち上げて前記装置載置部材の前記軸受部を前記脚部材の前記軸部から分離させ、前記装置載置部材及び前記血液浄化装置を一体的に前記車両の内部に押し込む搬入工程と、を備える、
血液浄化装置の搬入方法。
【請求項26】
請求項14から24の何れか一項に記載の搬送具を用いて血液浄化装置を車両から搬出する方法であって、
前記脚部材を車両から搬出して床面又は地面に配置する脚部材配置工程と、
横倒し状態の前記血液浄化装置とともに前記車両から前記装置載置部材を引き出し、前記脚部材の前記軸部に前記装置載置部材の前記軸受部を支持させる軸受部支持工程と、
横倒し状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて前記血液浄化装置を立位状態とするとともに前記底板部を床面又は地面に着地させる回動工程と、
前記装置載置部材の前記底板部に載置されている立位状態の前記血液浄化装置を床面又は地面へと引き出す搬出工程と、を備える、
血液浄化装置の搬出方法。
【請求項1】
血液浄化装置を車両に対して搬入及び搬出するための搬送具であって、
底板部と、前記底板部に対して略垂直に接合された背板部と、前記背板部に取り付けられた軸部と、を有し、前記底板部が床面又は地面に配置された際に前記背板部が略鉛直方向に延在し前記軸部が床面又は地面から所定高さの位置に配置された立位状態をとり、かつ前記底板部に載置された立位状態の前記血液浄化装置を前記背板部に当接させることを可能とする装置載置部材と、
前記装置載置部材の前記軸部を分離可能及び回動可能に支持する軸受部を有し、立位状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とすることを可能とする脚部材と、
を備えた、
搬送具。
【請求項2】
前記血液浄化装置は、底部にキャスタが設けられて立位状態で走行可能に構成され、
前記装置載置部材の前記底板部は、溝状のキャスタ走行部を有する、
請求項1に記載の搬送具。
【請求項3】
前記装置載置部材の背板部の少なくとも一部は、前記装置載置部材が横倒し状態とされた際に搬入のための車両の荷台に接触し、かつ前記車両の荷台との干渉を低減させるように、その頂部が背側に傾斜又は湾曲している、
請求項1又は2に記載の搬送具。
【請求項4】
前記装置載置部材の前記軸部は、前記背板部の左右側部から各々外方に延在するように略一直線上に設けられた左右一組の短柱部材から構成され、前記装置載置部材が立位状態とされた際に床面又は地面から所定の高さの位置で水平軸を形成し、
前記脚部材は、間隔をおいて配置された状態で立設された左右一組のフレーム部を有し、
前記脚部材の前記軸受部は、前記各フレーム部の上部に設けられて前記各短柱部材を支持する左右一組の軸受部材から構成され、
前記脚部材は、前記フレーム部同士を連結するように水平方向に配置されて前記軸受部材間の間隔を一定に維持する間隔維持部材を有する、
請求項1から3の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項5】
前記血液浄化装置を前記装置載置部材の前記底板部に載置させ前記背板部に当接させた際に、前記血液浄化装置を前記装置載置部材に縛り付ける緊縛用バンドを備える、
請求項1から4の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項6】
前記装置載置部材及び前記脚部材の少なくとも一部を折り畳み可能とする折り畳み機構を備える、
請求項1から5の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項7】
前記折り畳み機構は、前記装置載置部材の背板部と、前記装置載置部材の前記背板部と前記底板部との接合部と、に配置され、
前記折り畳み機構で折り畳まれることにより、前記背板部は二つ折り状態とされ、かつ、この二つ折り状態とされた前記背板部と前記底板部とが略平行に配置された状態とされる、
請求項6に記載の搬送具。
【請求項8】
前記折り畳み機構は、前記脚部材に配置され、
前記折り畳み機構で折り畳まれることにより、前記脚部材はその容積が縮小された状態となる、
請求項6又は7に記載の搬送具。
【請求項9】
前記装置載置部材の前記底板部は、立位状態の前記装置載置部材を前記軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする際又は横倒し状態の前記装置載置部材を前記軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とする際に使用者によって把持される把持部を有する、
請求項1から8の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項10】
前記把持部は、前記底板部の裏面に配置されている、
請求項9に記載の搬送具。
【請求項11】
前記装置載置部材の前記背板部と前記底板部との接合部付近に、前記軸部を中心に一体的に回動させる際に床面又は地面との干渉を低減させるような切欠き部が形成されてなる、
請求項1から10の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項12】
請求項1から11の何れか一項に記載の搬送具を用いて血液浄化装置を車両に搬入する方法であって、
立位状態の前記装置載置部材の前記軸部を前記脚部材の前記軸受部に支持させて搬送具を組み立てる搬送具組立工程と、
立位状態の前記血液浄化装置を前記装置載置部材の前記底板部に載置させるとともに前記背板部に当接させる装置載置工程と、
立位状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて前記装置載置部材及び前記血液浄化装置を横倒し状態とする回動工程と、
横倒し状態の前記装置載置部材の前記背板部の頂部を前記車両の荷台に当接させ、前記頂部を支点として前記装置載置部材の前記底板部を上方に持ち上げて前記装置載置部材の前記軸部を前記脚部材の前記軸受部から分離させ、前記装置載置部材及び前記血液浄化装置を一体的に前記車両の内部に押し込む搬入工程と、を備える、
血液浄化装置の搬入方法。
【請求項13】
請求項1から11の何れか一項に記載の搬送具を用いて血液浄化装置を車両から搬出する方法であって、
前記脚部材を車両から搬出して床面又は地面に配置する脚部材配置工程と、
横倒し状態の前記血液浄化装置とともに前記車両から前記装置載置部材を引き出し、前記脚部材の前記軸受部に前記装置載置部材の前記軸部を支持させる軸部支持工程と、
横倒し状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて前記血液浄化装置を立位状態とするとともに前記底板部を床面又は地面に着地させる回動工程と、
前記装置載置部材の前記底板部に載置されている立位状態の前記血液浄化装置を床面又は地面へと引き出す搬出工程と、を備える、
血液浄化装置の搬出方法。
【請求項14】
血液浄化装置を車両に対して搬入及び搬出するための搬送具であって、
底板部と、前記底板部に対して略垂直に接合された背板部と、前記背板部に設けられた軸受部と、を有し、前記底板部が床面又は地面に配置された際に前記背板部が略鉛直方向に延在し前記軸受部が床面又は地面から所定高さの位置に配置された立位状態をとり、かつ前記底板部に載置された立位状態の前記血液浄化装置を前記背板部に当接させることを可能とする装置載置部材と、
前記装置載置部材の前記軸受部を分離可能及び回動可能に支持する軸部を有し、立位状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする一方、横倒し状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とすることを可能とする脚部材と、
を備えた、
搬送具。
【請求項15】
前記血液浄化装置は、底部にキャスタが設けられて立位状態で走行可能に構成され、
前記装置載置部材の前記底板部は、溝状のキャスタ走行部を有する、
請求項14に記載の搬送具。
【請求項16】
前記装置載置部材の背板部の少なくとも一部は、前記装置載置部材が横倒し状態とされた際に搬入のための車両の荷台に接触し、かつ前記車両の荷台との干渉を低減させるように、その頂部が背側に傾斜又は湾曲している、
請求項14又は15に記載の搬送具。
【請求項17】
前記脚部材は、間隔をおいて配置された状態で立設された左右一組のフレーム部を有し、
前記脚部材の前記軸部は、前記各フレーム部の上部から各々左右外方に延在するように略一直線上に設けられた左右一組の短柱部材から構成され、前記脚部材が床面又は地面に設置された際に床面又は地面から所定の高さの位置で水平軸を形成し、
前記装置載置部材の前記軸受部は、前記背板部の左右側部に設けられて前記各短柱部材によって支持される左右一組の軸受部材から構成される、
請求項14から16の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項18】
前記血液浄化装置を前記装置載置部材の前記底板部に載置させ前記背板部に当接させた際に、前記血液浄化装置を前記装置載置部材に縛り付ける緊縛用バンドを備える、
請求項14から17の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項19】
前記装置載置部材及び前記脚部材の少なくとも一部を折り畳み可能とする折り畳み機構を備える、
請求項14から18の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項20】
前記折り畳み機構は、前記装置載置部材の背板部と、前記装置載置部材の前記背板部と前記底板部との接合部と、に配置され、
前記折り畳み機構で折り畳まれることにより、前記背板部は二つ折り状態とされ、かつ、この二つ折り状態とされた前記背板部と前記底板部とが略平行に配置された状態とされる、
請求項19に記載の搬送具。
【請求項21】
前記折り畳み機構は、前記脚部材に配置され、
前記折り畳み機構で折り畳まれることにより、前記脚部材はその容積が縮小された状態となる、
請求項19又は20に記載の搬送具。
【請求項22】
前記装置載置部材の前記底板部は、立位状態の前記装置載置部材を前記軸部を中心に一体的に回動させて横倒し状態とする際又は横倒し状態の前記装置載置部材を前記軸部を中心に一体的に回動させて立位状態とする際に使用者によって把持される把持部を有する、
請求項14から21の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項23】
前記把持部は、前記底板部の裏面に配置されている、
請求項22に記載の搬送具。
【請求項24】
前記装置載置部材の前記背板部と前記底板部との接合部付近に、前記軸部を中心に一体的に回動させる際に床面又は地面との干渉を低減させるような切欠き部が形成されてなる、
請求項14から23の何れか一項に記載の搬送具。
【請求項25】
請求項14から24の何れか一項に記載の搬送具を用いて血液浄化装置を車両に搬入する方法であって、
立位状態の前記装置載置部材の前記軸受部を前記脚部材の前記軸部に支持させて搬送具を組み立てる搬送具組立工程と、
立位状態の前記血液浄化装置を前記装置載置部材の前記底板部に載置させるとともに前記背板部に当接させる装置載置工程と、
立位状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて前記装置載置部材及び前記血液浄化装置を横倒し状態とする回動工程と、
横倒し状態の前記装置載置部材の前記背板部の頂部を前記車両の荷台に当接させ、前記頂部を支点として前記装置載置部材の前記底板部を上方に持ち上げて前記装置載置部材の前記軸受部を前記脚部材の前記軸部から分離させ、前記装置載置部材及び前記血液浄化装置を一体的に前記車両の内部に押し込む搬入工程と、を備える、
血液浄化装置の搬入方法。
【請求項26】
請求項14から24の何れか一項に記載の搬送具を用いて血液浄化装置を車両から搬出する方法であって、
前記脚部材を車両から搬出して床面又は地面に配置する脚部材配置工程と、
横倒し状態の前記血液浄化装置とともに前記車両から前記装置載置部材を引き出し、前記脚部材の前記軸部に前記装置載置部材の前記軸受部を支持させる軸受部支持工程と、
横倒し状態の前記装置載置部材の前記背板部及び前記底板部を前記軸部を中心に一体的に回動させて前記血液浄化装置を立位状態とするとともに前記底板部を床面又は地面に着地させる回動工程と、
前記装置載置部材の前記底板部に載置されている立位状態の前記血液浄化装置を床面又は地面へと引き出す搬出工程と、を備える、
血液浄化装置の搬出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−81128(P2012−81128A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230663(P2010−230663)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000116806)旭化成クラレメディカル株式会社 (133)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000116806)旭化成クラレメディカル株式会社 (133)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]