説明

血液連続濾過システム及びその使用方法

【課題】システムを通過する血液製剤を連続的に濾過する血液濾過システムおよび血液濾過方法を提供する。
【解決手段】全血又はその成分の何らかのもの(単数又は複数)、赤血球、白血球、血小板、血漿の単体もしくは組み合わせを含む血液製剤を連続的に濾過するシステムに関する。システムは、血液製剤を受容するコネクタ202、このコネクタ202に連結され、受容された血液製剤を濾過するフィルタ204、このフィルタ204に連結され、濾過された血液製剤を採取する採取バッグ206、コネクタ202に接続され、受容された血液製剤を一時的に蓄えるとともに受容された血液製剤をコネクタ202を介してフィルタ204に供給し連続的な濾過を維持する貯蔵バッグ208を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して血液濾過システム及び血液濾過方法に関する。より詳細には、本発明は、そのシステムを通過する血液製剤を連続的に濾過するシステムに関し、またそのシステムの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、供血者から採取された全血の大半は、一般的に全血として保管されず、輸血用に使用されない。その代わりに、血液は、先ず赤血球(赤血球 RBC)、白血球(白血球 WBC)、血小板、血漿を含むその成分に分離され、その後成分は別個に保管され、特定の病気及び病状を治療するのに使用される。例えば、赤血球は貧血症を治療するのに使用される。血小板は、血小板減少性出血のような病気を抑制するのに使用され、血漿は、増量剤又は、血友病の治療に利用される凝固因子VIIIの原料として使用される。
【0003】
当分野の血液採取システムは、一般的に多数のプラスチックチューブにより相互に接続されている多数のプラスチックバッグを含む。このようなシステムは、大気に開放される非殺菌システム及び、大気との連絡が遮断されている殺菌システムを含む。開放型採取システムは、多数の相互に接続された血液バッグを製造するのに使用されるプラスチック材料を管理する政府規制に従っている。またそれらのシステムは、それらを利用して採取された血液成分に対する最長保管期間を制限する政府規制に従っている。
【0004】
閉鎖型血液採取システムは、血液保管の期間延長を可能にし、より広範な採用が達成される。例えば、採取された赤血球は、使用される抗凝血剤及び保管容器の型式にしたがって、最大42日まで保管することができる。血小板は、使用される保管容器の型式にしたがい、最大5日まで保管することが可能である。血漿は凍結され、より長い期間保管することができる。また閉鎖型保管システムは、そのシステムが、可能保管期間を最大とし、受容者に好ましくない副作用を生じさせることのある混入物又は他の物質の存在を最小とするさらなる無菌環境をもたらすので、一層信頼される。
【0005】
当分野で公知の閉鎖型血液採取システムは、一般的に、互換性のある血液導管により互いに接続されている互換性のある多くの密閉型血液バッグを含み、いずれかの2つのバッグ間の導管に配置されているフィルタを含む。このシステムによる血液成分採取は、供血者又はそれらのバッグの最初の血液源から全血を採取し、その最初のバッグから導管及びフィルタを介して第2のバッグへと血液を押し出すことにより血液をその成分に分離することによって達成される。この濾過方法は、血液製剤が所望の程度濾過されるまで、繰り返される。このような血液採取システムは、Garberらに発行された米国特許第3,986,506号、Wisdomに発行された米国特許第4,596,657号、Bellottiらに発行された米国特許第5,527,472号に例示されている。重力による力を利用して、濾過による分離工程を達成する同様に構成された閉鎖型血液採取システムが、Wolf,Jr.に発行された米国特許第5,527,472号に例示されている。そのようなシステムが実際に規定された濾過目的を達成するのに効果的であるか否かは不明である。しかしながら、そのようなことに関係なく、所望の血液製剤を製造するのに血液の連続濾過ができない又は不可能であるために、そのようなシステムは好ましくない。またそれらのシステムは、構造が複雑であり、使用が面倒であり、一般的に製造するのに費用がかかる。
【0006】
図1は、複数のバッグにより採取するという概念を利用した閉鎖型連続濾過血液採取システムの一型式を示す。図1に示すシステムは、米国マサチューセッツ州ブレーントリーのヘモネティクスコーポレーションにより製造された994CF型血液採取システムである。994CF型システムは、血小板が多く含まれる血漿から白血球を濾過してより純粋な又はより濃縮された血小板製剤を製造するのに適している。血小板が多く含まれている血漿は、一般的にアフェレーシスの間のサイクルにおいて994CF型システムに供給され、アフェレーシスにおいて、全血は供血者から取り出され、さらに1つ又はそれ以上の成分が採取され、残る成分は供血者に戻されるように、その構成成分に分離される。図1に示すように、994CF型システム100は、貯蔵バッグ102、血小板採取バッグ104、フィルタ106、貯蔵バッグ102を血小板採取バッグ104に接続する導管108を含む。
【0007】
貯蔵バッグ102は、導管116を介して血小板が多く含まれている血漿を受容する上部ポート又は「チムニー」ポート114、バッグの中間点からその底部に垂直に配列されているチャネル110、チャネル110の底部に設けられている出口ポート112を含む。フィルタ106は、貯蔵バッグ102と血小板採取バッグ104の間の導管108に配置されている白血球除去フィルタである。白血球除去フィルタは、濾過方法を実施するのに必要な2つの特徴を有する。第一に、フィルタ106がプライミングされる(はじめて湿らされる)と、フィルタはもはや気体を通過させない。フィルタ106内に導入されている如何なる気体も濾過膜に引っ掛かるようになり、フィルタ106の濾過容量を事実上低減させる。大量の空気はフィルタ106を完全に詰まらせ、流れを停止させる。第二に、濾過されるべき溶液の流量は、フィルタ106の効率に影響を与える。チャネル110はおおよそ15mlの容積容量を有する。一般的に、血小板採取バッグ104及び貯蔵バッグ102はどちらも同じIVポールに吊されている。
【0008】
994CF型システム100による最初の血小板採取サイクルの初期において、導管108、貯蔵バッグ102、白血球除去フィルタ106、血小板採取バッグ104は、空であり、乾燥している。最初の血小板が貯蔵バッグ102内に送り出されると、流体の細い流れは垂直なチャネル110を下り、白血球除去フィルタ106内に移動する。細い流れの中の流体の体積は、垂直なチャネル110を満たすには不十分である。数秒の後、フィルタ106の固有の抵抗が、流体を垂直なチャネル110内に後退させる。流体は垂直なチャンネル110を満たし、満たされた垂直なチャネル110と空の血小板採取バッグ104の間で流体の高差が生じる。垂直なチャネル110内の液面が血小板採取バッグ104内の液面と等しくなるまで、重力が流体に力を及ぼす。貯蔵バッグ102と血小板採取バッグ104は、一般的に単一のIVポールに同じ高さで吊されるため、幾らかの流体が垂直なチャネル110内に常に保持されている。これにより、後続のサイクルにおいて、フィルタ106内への幾らかの空気の導入が防がれる。垂直なチャネル110の幅が狭いことにより、貯蔵バッグ102と血小板採取バッグ104の間の流体の高差が全てのサイクルの初期において存在することが確実となる。
【0009】
アフェレーシスの間の血小板採取工程は非連続的である。各サイクルは、導管108を介して送り出され、貯蔵バッグ102内に入れられる血小板製剤を20 ml〜70 ml製造する。後続の血小板採取サイクルとの間の遅延時間は、一般的に12秒〜15秒である。最後の血小板採取サイクルの後、垂直なチャネル110はおおよそ10ml〜15mlの流体を保持する。したがってオペレータは、IVポールから血小板採取バッグ104を取り外し、貯蔵バッグ102に対して低くして、チャネル110内に残る量の流体が濾過されるようにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
当分野の複数のバッグによる他の血液採取システムよりもより有利であるが、また994CF型システム100には欠点も存在する。例えば、最初のサイクルの間、貯蔵バッグ内に導入される流体の細い流れは、垂直なチャネル110を満たすのに不十分である。これにより流体と空気の混合物がフィルタ106に入り、フィルタ106の部分が詰まる可能性がある。また貯蔵バッグの構造は、乾燥したフィルタに流れる流体の圧力(プライミング圧力)を緩衝し、又は低減する。低減された流体の圧力は、フィルタ全体が完全に湿らされ、又は最初にプライミングされることをより困難にする。最後のサイクルの後、フィルタ106を介する流体の流量は、オペレータが血小板採取バッグ104を下げる速さに依存する。フィルタ106を介して最後の10〜15mlの流体が高速で流れる工程は、フィルタ106から白血球を取り除き得る。加えて貯蔵バッグ102のチムニーポート114は、導管116がチムニーポート114に結合される個所に捩れを形成することがあるので、容器効率に問題を生じさせる。さらに貯蔵バッグ102の製造は、チムニーポート114が付加的な製造ステップを必要とするために、一般的なバッグの製造よりも一層費用がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様においては、血液製剤を連続的に濾過するシステム及び方法が提供される。システムはフィルタと導管を含む。導管は血液製剤源から血液製剤を受容する入口及び、血液製剤をフィルタに供給する出口を有する。導管は、入口とフィルタの間の血液製剤の流量の変化を調整するように、容器と流体が流れるように連通している。導管は、一度血液製剤がフィルタに受容されたならば、空気と血液の混合物がフィルタに入らないように、及び/又はフィルタにおいて所定のプライミング圧力が結果生じる血液製剤の流量をもたらすように大きさが決められている。
【0012】
上記した態様に関連する態様において、導管は、フィルタのプライミングの間、血液製剤の流量が断面を満たすのに十分であるように寸法決めされた断面を有する。入口は、容器とフィルタの間で導管に配置されている。代替的には、容器は、入口とフィルタの間で直列に、導管に配置されている。所定の圧力は、少なくとも容器の物理的特性及び材料面での特性に基づく。容器は、フィルタに及ぼす圧力を調節できるように調整可能な容積を有する。例えば、容器は外側表面を有し、容器の容積は、外側表面に圧力を機械的に適用することによって縮小させることができる。容器の容積を拡大又は縮小などにより変化させることができ、それによって入口とフィルタの間の血液製剤の流量における変化を調節することができる。
【0013】
本発明の他の態様によれば、血液製剤を連続的に濾過するシステムは、血液製剤を受容する三方コネクタ、血液製剤を濾過するための、コネクタと流体が流れるように連絡するフィルタ、フィルタを通過する血液製剤を採取する採取バッグ、濾過工程の間、コネクタを介しフィルタから逆流する如何なる血液製剤をも一時的に受容するように構成され、またコネクタに結合されている貯蔵バッグを含む。システムの貯蔵バッグは、フィルタが受容する準備のできるまで、フィルタから逆流した血液製剤を採取し、保持することによって、血液製剤を連続的に濾過することを可能とする。フィルタ、採取バッグ、貯蔵バッグはそれぞれ、密閉された状態でコネクタと連通し、閉鎖型連続血液濾過システムを画定する。
【0014】
コネクタは濾過システムを介して血液製剤を伝える。コネクタは、血液製剤源から血液製剤を受容する第1のコネクタ入口、第2のコネクタ入口、コネクタ出口を含む。フィルタは、コネクタから血液製剤を受容するフィルタ入口、濾過された血液製剤を採取バッグへ伝えるフィルタ出口を含む。貯蔵バッグは、第2のコネクタ入口と流体が流れるように接続され、コネクタを介してフィルタへ流れるように、第2のコネクタ入口を介して逆流する血液製剤を受容する。貯蔵バッグは、血液製剤が第1のコネクタ入口を介して受容されない場合にも、第2の入口を介してコネクタ及びフィルタへ採取された血液製剤を供給し、連続的な濾過を維持する。貯蔵バッグ及び採取バッグは、コネクタが採取バッグの底部の下方に位置し、貯蔵バッグの底部が採取バッグの底部の上方に位置するように吊り下げられている。他の態様では、コネクタを、採取バッグの底部に近接し又は採取バッグの底部の僅かに上方であるが、最初のサイクルの後の採取バッグの液面の下方に位置させることができる。
【0015】
本発明の関連した態様では、システムが、コネクタ、フィルタ、貯蔵バッグ、採取バッグの各間に配置されている一連の導管を含み、システムを介して、流体が流れるように血液製剤が連絡されていることが好ましい。システムの各導管は、システムから空気を排除し、システムを介して流れる血液製剤の一定の流量を維持するように構成されている。本システムでは、コネクタはYコネクタであり、フィルタは白血球フィルタであり、貯蔵バッグ及び採取バッグは一般的に同じIVポールから下げられ、血小板が濾過されて、より純粋な血小板製剤が製造される。
【0016】
また血液製剤を連続的に濾過するシステムを利用して血液製剤を濾過する方法を提供する。方法の発明は、システムに血液製剤を導入するステップ、システムを介して血液製剤を濾過するステップ、採取バッグに濾過された血液製剤を採取するステップを含む。
【0017】
本発明のさらに他の態様によれば、血液製剤を連続的に濾過するシステムは、フィルタ及び導管を含み、導管は、血液製剤源から血液製剤を受容する入口を有し、また血液製剤をフィルタへ送り出す出口を有する。導管の部分は、入口とフィルタの間の血液製剤の流量の変化に適合するように種々の断面を有する。導管は、一度血液製剤がフィルタに受容されると、フィルタ内に空気-血液の混合物が侵入しないように、及び/又はフィルタにおける所定のプライミング圧力を結果生じる血液製剤の流量をもたらすように、大きさが決められている。
【0018】
本発明の関連した態様では、導管の部分は、拡大又は縮小可能である。導管の部分は、弾性があり、伸縮可能な、弾性体材料から製造され得る。
【0019】
さらに本発明の他の態様によれば、血液製剤を連続的に濾過する方法は、供給流量で血液源からの血液製剤を受容することを含むことによって示される。一度血液製剤がフィルタに受容されると、フィルタへの空気-血液の混合物の侵入が妨げられ、及び/又は所定のプライミング圧力を結果生じる血液製剤の流量をもたらすように、血液製剤は導管を介してフィルタへ運ばれる。血液製剤は、濾過流量を有するフィルタを介して濾過される。濾過された血液は、採取バッグに採取される。導管の部分は、入口とフィルタの間の血液製剤の流量の変化に適合するように種々の断面を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来技術の血液濾過システムのブロック図である。
【図2】本発明の血液濾過システムのブロック図である。
【図3】本発明の三方コネクタを拡大して示す図であり、受容された血液製剤のコネクタを介する流路を示している。
【図4】本発明の一態様による、リザーバが血液入口及びフィルタと直列に並ぶ血液濾過システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図面を参照し、以下の詳細な説明を参照することによって、本発明の上記の特徴がより容易に理解される。
【0022】
血液製剤を連続的に濾過するためのシステムを示す。本発明によれば、熟語「血液製剤」は、全血又はその成分の何らかのもの(単数又は複数)、赤血球、白血球、血小板、血漿の単体もしくは組み合わせを含む。本発明は、アフェレーシス装置の部分として機能し、血小板を多く含む血漿の白血球を除去し、「より純粋な」血小板製剤を製造する連続的な濾過システムとして有利に利用される。
【0023】
概して本システムはフィルタと導管を含む。導管は、血液製剤源から血液製剤を受容する入口、血液製剤をフィルタへ送り出す出口を有する。導管は、一度血液製剤がフィルタに受容されると、フィルタ内への空気-血液の混合物の侵入を防ぐように大きさが決められている。他の態様では、導管は、所定のプライミング圧力をフィルタに加えるように大きさが決められている。
【0024】
図2は、本発明の一態様による血液連続濾過システム200の説明図である。システム200は、血液製剤を受容する三方コネクタ202、製剤を濾過するフィルタ204、濾過された血液製剤を採取する採取バッグ206、濾過工程中、コネクタ202を介して逆流する如何なる血液製剤をも一時的に蓄える貯蔵バッグ208を含む。コネクタ202は、血液製剤を受容する第1のコネクタ入口210、第2のコネクタ入口212、コネクタ出口214を含む。フィルタ204は、コネクタ出口214からの血液製剤を受容するフィルタ入口216、製剤を濾過するフィルタ媒体226、フィルタ出口218を含む。採取バッグ206は、フィルタ出口218からの濾過された血液製剤を採取する。貯蔵バッグ208は、第2のコネクタ入口212に接続され、製剤がコネクタ入口210からコネクタ出口214へ流れる際、第2のコネクタ入口212を介して逆流する血液製剤を一時的に蓄える。貯蔵バッグ208は、第2のコネクタ入口202を介してフィルタ204へ、採取された血液製剤を供給し、血液製剤が第1のコネクタ入口210を介して受容されない場合に、連続した濾過を維持する。
【0025】
本発明のシステム200は、適応される米国基準による無菌環境を構成する。フィルタ204、採取バッグ206、貯蔵バッグ208はそれぞれ、密封され、コネクタ202と流体が流れるように連通し、閉鎖型連続濾過システムを画定する。システム200は、工程の間、閉鎖されたままであり、長期にわたる認可された保管間隔が採取された血液成分に対して利用可能であることを確実にする。利用に際して、本発明のシステム200は、フィルタ204を介した採取バッグ206内への血液製剤の流れが容易となるような仕方で、従来型のIVポールのようなスタンド(図示せず)から吊り下げられている。使用後、システム200は、また適応される米国基準にしたがって、適切に処理される。
【0026】
図2に示すように、三方コネクタ202が一体的に形成され、「Y」の2つの枝部が第1及び第2のコネクタ入口210、212を形成し、幹部がコネクタ出口214を形成する「Y」コネクタを画定することが好ましい。また三方コネクタ202が、コネクタ202によって画定される枝分かれした流体流路をもたらすように組み立てられている一連の構成要素から形成されることが認められるであろう。同様にコネクタ202が、「T」コネクタのような他の同様の構成を有することが認められる。さらに三方コネクタ202の他の態様が等しく予測可能である。
【0027】
フィルタ204は、ハウジング222及び、赤血球、白血球、血小板のような1つの血液成分を血漿から又は他の血液成分から濾過するのに適した濾過媒体226を含む。フィルタハウジング222は濾過媒体226を収容し、一体化された無菌の濾過環境を保護する。フィルタハウジング222は、ポリ塩化ビニルのような硬いプラスチック材料から製造されていることが好ましい。濾過媒体226は、綿、羊毛、酢酸セルロース、ポリエステルやポリアミドなどのような何らかの他の合成繊維のような繊維媒体から構成されていることが好ましい。先に説明したように、本発明によれば、フィルタ204は、血小板を多く含む血漿の白血球を除去する白血球除去フィルタであることが好ましく、システム200は、アフェレーシスシステム内に組み込まれ、「より純粋な」血小板製剤を自動的に製造する。
【0028】
採取バッグ206は、底部242、バッグをスタンドから下げられるようにする吊り開口246、バッグ206の底部242に近接して配置され、フィルタ出口218からの濾過された血液製剤を受容する採取入口220を含む。同様に貯蔵バッグ208は、底部244、バッグ208をスタンドから下げるための吊り開口248、底部244に近接して配置され、第2のコネクタ入口212を介して逆流する血液製剤を受容する貯蔵入口224を含む。図2に示すように、貯蔵バッグ208及び採取バッグ206はスタンドから吊り下げられ、コネクタ204は、採取バッグ206の底部の下方、おおよその高差H1に配置され、貯蔵バッグ208の底部244は採取バッグ206の底部242の上方、おおよその高差H2に配置されている。他の態様では、コネクタ204は、採取バッグ206の底部の上方又は採取バッグの底部に近接するが、最初のサイクルの後の採取バッグ206内の液面の下方に配置される。
【0029】
採取バッグ及び貯蔵バッグは、医療グレードの可塑化ポリ塩化ビニル樹脂から製造されている。しかしながら他のグレード、型式の可撓性樹脂材料を使用することもできる。貯蔵バッグの容量は、最小でも、採取される製剤の少なくとも1サイクル分を保持するのに十分であることが有利である。貯蔵バッグ208の最大の容量というものは存在しないが、その長さが採取バッグ206よりも短く製造されていることが有利である(それらが同じポールから吊されると仮定して)。
【0030】
図2にさらに示すように、本発明の血液濾過システム200は、血液製剤を受容し、閉鎖型連続システム200を介して採取バッグ206へと製剤を伝える一連の導管を含むことが好ましい。
【0031】
より詳細には、システム200は、第1のコネクタ入口210と結合され、供血者又は血液製剤を収容する血液バッグのような容器のような源から、第1のコネクタ入口へと、血液製剤を流体が流れるように連絡する第1の導管228を含む。第2の導管230は、コネクタ出口214及びフィルタ入口216と結合され、コネクタ202からフィルタ204へと血液製剤を流体が流れるように連絡する。第3の導管232は、貯蔵入口224及び第2のコネクタ入口212と結合され、コネクタ202から貯蔵バッグ208へと血液製剤を流体が流れるように連絡する。第4の導管234は、フィルタ出口218及び採取入口220と結合され、フィルタ204から採取バッグ206へと濾過された血液製剤が流体が流れるように連絡する。第1の導管228、第2の導管230、第3の導管232は、一度システム200が作動すると、フィルタ204内に空気が侵入することを防ぐように寸法決めされていることが好ましい。
【0032】
導管は、血液に適合し、可撓性、半透明の殺菌された医療グレードのプラスチック材料から製造されている。したがって導管は、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、これらの材料の混合物から形成されていることが好ましい。しかしながら他の可撓性の医療グレードのプラスチック材料を利用することもできる。
【0033】
ここで説明するように、本発明の血液濾過システム200は、従来技術を超えるいくつかの明確な利点をもたらす。
【0034】
第1の利点は、貯蔵バッグ208とフィルタ204の間のコネクタ202の配置によってもたらされる。バッグ208とフィルタ204の間にコネクタを位置づけることによって、上述したヘモネティクスシステムの貯蔵バッグのチムニーポートに対する必要性が排除される。結果生じる貯蔵バッグ208は、より簡単に包装することができ、より安価に製造することができる。
【0035】
第2の利点は、貯蔵バッグ208とコネクタ202の間に導管が配置され、貯蔵バッグ208と採取バッグ206の間で、流体に高差が生じることによってもたらされる。垂直なチャネルの換わりに導管232を利用することによって、処理の最後における保持体積を10ml〜15mlからおおよそ1mlへと減少させることができる。本発明による流量の変化はオペレータの技術に依然として依存するが、必要とされる体積が非常に少なくなるので、危険性は低減する。したがって導管232は、従来技術の装置の狭い垂直なチャネルの必要性を排除する。
【0036】
導管228、230、232の寸法決めが第3の利点をもたらす。導管228、230、232は、最初のサイクルの間、導管を介する流体の流量が導管228及び230の断面を満たすのに十分であるように寸法決めされている。これにより、空気が流体と混合されることが防止され、かつ空気が導管230を介してフィルタ204に侵入することが防止される。また導管232は、採取バッグ206及び貯蔵バッグ208がIVポール(単数又は複数)に下げられた場合に、Yコネクタ202が採取バッグ206の底部の下方に位置することを確実とするように寸法決めされている。これにより、後続のサイクルの間、貯蔵バッグ208内の如何なる空気もフィルタ204に侵入することが防止される。他の態様では、導管232は、Yコネクタ202が採取バッグの底部242に近接して、又は体部242の僅か上方であるが、最初のサイクルの後の採取バッグ206の水面の下方に位置するように寸法決めされている。
【0037】
さらなる利点は、システムに入る流体をフィルタ内に直接連絡させることにおいて見出される。流体の直接的な連絡はプライミング圧力の増大を可能とし、それにより、最初の濾過サイクルの間、従来技術で顕著な緩衝効果を排除し、濾過媒体が全体的に濡れ、又はプライミングされることをより確実とする。
【0038】
さらなる他の利点は、本血液濾過システム200を使用して血液製剤を濾過する方法によりもたらされる。
【0039】
本方法によれば、血液製剤は、本発明のシステム200に血液製剤を導入するステップ、血液製剤を濾過するステップ、採取バッグ206に濾過された血液製剤を採取するステップを実施することにより濾過される。特に血小板が多く含まれている血漿を、第1の導管228を介して、導入し、第1の導管入口210を介してYコネクタ202に導く。血小板が多く含まれている血漿は、矢印Aにより示すように(図3)、Yコネクタの出口214を介して、フィルタ204内へ流れる。フィルタ204は、もたらされる流量で、血小板が多く含まれている血漿を処理することができないので、過剰の血漿は第2のコネクタ入口212を介して、貯蔵バッグ208内へと流れる(矢印B)。この濾過及び一時的な採取工程は、血小板が多く含まれている血漿の外部供給が使い果たされるまで継続する。
【0040】
血漿の供給が一時的に停止すると(例えば次の採取サイクルまで)、血小板が多く含まれている血漿は、2つのバッグ206、208の間の流体の水面が同じになるまで、貯蔵バッグ208からコネクタ202を経て(矢印C)、フィルタ204を介して採取バッグ206内へと流れ続ける。フィルタ入口216に続く導管228、230、232の直径が小さいことによる効果によって、フィルタが一度濡れてしまうと、空気が濾過媒体226に接触することが妨げられる。血小板の採取が完了すると、オペレータは、導管232及び/又はバッグ208内に残る幾らかの血小板を濾過し、回収する目的で、スタンドから採取バッグ206を取り外し、貯蔵バッグ208よりも低くする。採取バッグ206に対する貯蔵バッグ208の位置と関連して、フィルタ204の上流で小径の導管を利用することによって、最終の採取サイクルの後に濾過されなければならない血小板が多く含まれている血漿の量を最小化することができ、フィルタ204に過度の負荷をかけ、過度の力を加える機会が減少する。
【0041】
本発明の他の態様によれば、リザーバ401が、図4に示すように、血液を受容する入口228とフィルタ204の間の導管に直列に配置されている。当初、先に議論したように大きさが決められている導管と関連して、リザーバ401の断面積を導管の断面積と実質上同じとすることができ、それによって一度血液製剤がフィルタに受容され、及び/又は適切なプライミング圧力がフィルタ204において受容されると、空気-血液の混合物はフィルタに侵入できない。しかしながらリザーバの物理的及び材料面での特性により、入口とフィルタの間の血液製剤の流量の変化に適合するように、縮小又は拡大するなどによって(例えば線401aにより示す)、リザーバ401の断面積及び容積は変化可能である。このような態様におけるリザーバ401は、制限するのではなく、ゴムのような、弾力がある伸縮性の弾力的な材料から製造される。
【0042】
上記した態様におけるリザーバの容積は、フィルタに加わる圧力を調節するように調整可能である。例えば圧力は、容器の容積を縮小させるように、リザーバの外側表面に適用される。所定の圧力が、容器材料の弾性及び/又は弾力性のような、容器の物理的及び材料面での特性に基づいて、フィルタに適用される。
【0043】
本発明の開示される態様は単に例示を意図したものであり、多くの変化及び変更が、当業者には明らかである。そのような変化及び変更の全てが、添付の特許請求の範囲の記載に画定される本発明の範囲内にあることを意図されている。
【0044】
以下においては、本発明の種々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施態様を示す。
【0045】
1.血液製剤を受容する第1の入口、第2の入口、出口を有するコネクタと、
フィルタ入口を有し、前記コネクタ出口に結合されているフィルタと、
前記フィルタに結合され、濾過された血液製剤を採取する採取バッグと、
前記第2のコネクタ入口に接続されている貯蔵バッグであって、前記コネクタの前記第1の入口から受容された血液製剤を一時的に蓄え、前記コネクタを介して前記フィルタに前記一時的に蓄えた血液製剤を供給して連続的な濾過を維持する貯蔵バッグとを含む、血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0046】
2.前記コネクタがYコネクタであり、前記フィルタが白血球除去フィルタであり、前記血液製剤が血小板を含む、1項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0047】
3.前記フィルタが、ハウジング及び、そのハウジング内に配置されている濾過媒体を含む、1項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0048】
4.前記濾過媒体が、綿、羊毛、酢酸セルロース及び合成繊維からなる群より選択される、3項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0049】
5.前記第1のコネクタ入口に配置され、前記受容された血液製剤を当該第1のコネクタ入口に流体が流れるように連絡する第1の導管と、前記コネクタ出口と前記フィルタ入口の間に配置されている第2の導管とをさらに含む、1項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0050】
6.前記貯蔵バッグと前記第2のコネクタ入口の間に配置され、前記第2のコネクタ入口を介して、前記コネクタから及び前記コネクタへ、流体が流れるように血液製剤を連絡する第3の導管をさらに含む、5項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0051】
7.前記フィルタ出口と前記採取バッグの間に配置され、前記フィルタから前記採取バッグへ、濾過された血液製剤を流体が流れるように連絡する第4の導管をさらに含む、5項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0052】
8.前記第1及び第2の導管が、一度前記システムが作動すると、前記フィルタ内への空気の侵入を防ぐように寸法決めされている、5項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0053】
9.前記貯蔵バッグ及び前記採取バッグがそれぞれ底部を画定し、前記貯蔵バッグ及び前記採取バッグが吊り下げられ、前記コネクタが、前記採取バッグの底部の下方に位置し、前記貯蔵バッグの底部が前記採取バッグの底部の上方に位置する、1項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0054】
10.血液製剤を受容する第1の入口、第2の入口、出口を有するコネクタと、
前記第1のコネクタ入口に接続され、受容された血液製剤を前記第1のコネクタ入口に流体が流れるように連絡する第1の導管と、
フィルタ入口を有し、前記コネクタ出口に結合されているフィルタと、
前記フィルタに結合され、濾過された血液製剤を採取する採取バッグと、
前記コネクタ出口と前記フィルタ入口の間に配置されている第2の導管と
前記第2のコネクタ入口に接続され、前記コネクタの前記第1の入口から受容された血液製剤を一時的に蓄える貯蔵バッグであって、前記コネクタを介して前記フィルタに前記一時的に蓄えた血液製剤を供給して連続的な濾過を維持する貯蔵バッグとを含む、血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0055】
11.前記コネクタがYコネクタであり、前記フィルタが白血球除去フィルタであり、前記血液製剤が血小板を含む、10項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0056】
12.前記貯蔵バッグ及び前記採取バッグがそれぞれ底部を含み、前記貯蔵バッグ及び前記採取バッグが吊り下げられ、前記コネクタが、前記採取バッグの底部の下方に位置し、前記貯蔵バッグの底部が前記採取バッグの底部の上方に位置する、10項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0057】
13.前記採取バッグが底部を含み、前記採取バッグが吊り下げられた場合に、前記コネクタが前記採取バッグの底部の上方であるが、最初のサイクルの後の前記採取バッグの液面の下方に位置する、10項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0058】
14.前記貯蔵バッグと前記第2のコネクタ入口の間に配置され、前記第2のコネクタ入口を介して、前記コネクタから及び前記コネクタへ、流体が流れるように受容された血液製剤を連絡する第3の導管をさらに含む、10項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0059】
15.前記フィルタ出口と前記採取バッグの間に配置され、前記フィルタから前記採取バッグへ、濾過された血液製剤を流体が流れるように連絡する第4の導管をさらに含む、10項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0060】
16.前記第1及び第2の導管が、一度前記システムが作動すると、前記フィルタ内への空気の侵入を防ぐように寸法決めされている、10項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0061】
17.システムに血液製剤を導入し、当該システムが、前記血液製剤を受容する第1の入口、第2の入口、出口を有するコネクタと、フィルタ入口を有し、前記コネクタ出口に結合されているフィルタと、前記フィルタに結合されている採取バッグと、前記第2のコネクタ入口に接続され、前記コネクタの前記第1の入口から受容された血液製剤を一時的に蓄え、前記フィルタへ前記コネクタを介して前記一時的に蓄えた血液製剤を供給して連続した濾過を維持する貯蔵バッグとを備え、
前記システムを介して前記血液製剤を濾過し、
前記濾過された血液製剤を前記採取バッグに採取することを含む、システムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0062】
18.前記コネクタがYコネクタであり、前記フィルタが白血球除去フィルタであり、前記血液製剤が血小板を含む、17項に記載のシステムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0063】
19.前記システムが、前記第1のコネクタ入口に配置され、前記受容された血液製剤を前記コネクタ入口に流体が流れるように連絡する第1の導管と、前記コネクタと前記フィルタ入口の間に配置されている第2の導管とをさらに含む、17項に記載のシステムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0064】
20.前記システムが、前記貯蔵バッグと前記第2のコネクタ入口の間に配置され、前記第2のコネクタ入口を介して、前記コネクタから及び前記コネクタへ、流体が流れるように前記受容された血液製剤を連絡する第3の導管をさらに含む、19項に記載のシステムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0065】
21.前記システムが、前記フィルタ出口と前記採取バッグの間に配置され、前記フィルタから前記採取バッグへ、濾過された血液製剤を流体が流れるように連絡する第4の導管をさらに含む、19項に記載のシステムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0066】
22.前記第1及び第2の導管が、一度前記システムが作動すると、前記フィルタ内への空気の侵入を防ぐように寸法決めされている、19項に記載のシステムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0067】
23.前記貯蔵バッグ及び前記採取バッグがそれぞれ底部を含み、
前記貯蔵バッグ及び前記採取バッグが吊り下げられ、前記コネクタが、前記採取バッグの底部の下方に位置し、前記貯蔵バッグの底部が前記採取バッグの底部の上方に位置する、17項に記載のシステムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0068】
24.前記採取バッグが底部を有し、前記採取バッグが吊り下げられた場合に、前記コネクタが前記採取バッグの底部の上方であるが、最初のサイクルの後の前記採取バッグの液面の下方に位置する、17項に記載のシステムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0069】
25.システムに血液製剤を導入し、当該システムが、前記血液製剤を受容する第1の入口、第2の入口、出口を有するコネクタと、前記第1のコネクタ入口に配置され、前記受容された血液製剤を前記第1のコネクタ入口に流体が流れるように連絡する第1の導管と、フィルタ入口を有し、前記コネクタ出口に結合されているフィルタと、前記コネクタ出口と前記フィルタ入口の間に配置されている第2の導管と、前記フィルタに結合され、濾過された血液製剤を採取する採取バッグと、前記第2のコネクタ入口に接続され、前記コネクタの前記第1の入口から受容された血液製剤を一時的に蓄え、前記フィルタへ前記コネクタを介して前記一時的に蓄えた血液製剤を供給して連続した濾過を維持する貯蔵バッグとを備え、
前記システムを介して前記血液製剤を濾過し、
前記濾過された血液製剤を前記採取バッグに採取することを含む、システムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0070】
26.前記コネクタがYコネクタであり、前記フィルタが白血球除去フィルタであり、前記濾過された血液製剤が血小板を含む、25項に記載のシステムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0071】
27.前記貯蔵バッグ及び前記採取バッグがそれぞれ底部を含み、前記貯蔵バッグ及び前記採取バッグが吊り下げられ、前記コネクタが、前記採取バッグの底部の下方に位置し、前記貯蔵バッグの底部が前記採取バッグの底部の上方に位置する、25項に記載のシステムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0072】
28.前記採取バッグが底部を含み、前記採取バッグが吊り下げられた場合に、前記コネクタが前記採取バッグの底部の上方であるが、最初のサイクルの後の前記採取バッグの液面の下方に位置する、25項に記載のシステムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0073】
29.前記貯蔵バッグと前記第2のコネクタ入口の間に配置され、前記第2のコネクタ入口を介して、前記コネクタから及び前記コネクタへ、流体が流れるように前記受容された血液製剤を連絡する第3の導管をさらに含む、25項に記載のシステムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0074】
30.前記フィルタ出口と前記採取バッグの間に配置され、前記フィルタから前記採取バッグへ、濾過された血液製剤を流体が流れるように連絡する第4の導管をさらに含む、25項に記載のシステムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0075】
31.前記第1及び第2の導管が、一度前記システムが作動すると、前記フィルタ内への空気の侵入を防ぐように寸法決めされている、25項に記載のシステムを介して血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0076】
32.血液製剤を受容する手段と、
前記受容手段に受容された前記血液製剤を濾過する手段と、
前記濾過手段から濾過された血液製剤を採取する手段と、
前記受容手段に受容された血液製剤を受け取って一時的に蓄え、前記一時的に蓄えた血液製剤を前記濾過手段に供給して連続的な濾過を維持する手段とを含む、血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0077】
33.前記受容する手段に配置され、前記血液製剤を前記受容する手段に流体が流れるように連絡する第1の手段と、前記受容する手段と前記濾過する手段の間に配置され、前記受容された血液製剤を前記濾過する手段に流体が流れるように連絡する第2の手段と、前記一時的に蓄える手段と前記受容する手段の間に配置され、前記一時的に蓄える手段に一時的に蓄えられた受容された血液製剤を前記濾過する手段に流体が流れるように連絡する第3の手段と、前記濾過する手段と前記採取する手段の間に配置され、前記濾過された血液製剤を前記濾過する手段から前記採取する手段に流体が流れるように連絡する第4の手段をさらに含む、32項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0078】
34.フィルタと、
血液製剤を血液製剤源から受容する入口を有し、前記フィルタに前記血液製剤を送り出す出口を有する導管であって、この導管の部分が、前記入口と前記フィルタの間の血液製剤の流量の変化に適合する可変の断面を有し、一度前記血液製剤が前記フィルタに受容されると、空気-血液の混合物の前記フィルタへの侵入が防がれるように大きさが決められている導管とを含む、血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0079】
35.前記導管の部分が拡大可能である、34項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0080】
36.前記導管の部分が縮小可能である、35項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0081】
37.前記導管の部分が、弾性があり、伸縮可能な、弾性体材料から製造されている、34項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0082】
38.所定のプライミング圧力を有し、当初に血液製剤を受容するフィルタと、
前記血液製剤を血液製剤源から受容する入口を有し、前記フィルタに前記血液製剤を送り出す出口を有する導管であって、この導管の部分が、前記入口と前記フィルタの間の血液製剤の流量の変化に適合する可変の断面を有し、前記フィルタにおける前記所定のプライミング圧力が結果生じる血液製剤の流量をもたらすように大きさが決められている導管とを含む、血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0083】
39.前記導管の部分が拡大可能である、38項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0084】
40.前記導管の部分が縮小可能である、39項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0085】
41.前記導管の部分が、弾性を有し、伸縮可能な、弾性体材料から製造されている、38項に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【0086】
42.源の流量で血液源から血液製剤を受容し、
一度前記血液製剤がフィルタに受容されると、空気-血液の混合物の前記フィルタへの侵入が防止されるように、前記血液製剤を前記フィルタへ導管を介して移し、
フィルタ流量を有する前記フィルタを介して前記血液製剤を濾過し、
前記濾過された血液製剤を採取バッグに採取することを含み、前記導管の部分が、前記入口と前記フィルタの間の血液製剤の流量の変化に適合する可変の断面を有する、血液製剤を連続的に濾過する方法。
【0087】
43.源の流量で血液源から血液製剤を受容し、
前記血液製剤をフィルタへ導管を介して移し、該フィルタが、所定のプライミング圧力を有し、前記血液製剤を受容し、該導管が、前記所定のプライミング圧力が結果生じる血液製剤の流量をもたらし、
フィルタ流量を有する前記フィルタを介して前記血液製剤を濾過し、
前記濾過された血液製剤を採取バッグに採取することを含み、前記導管の部分が、前記入口と前記フィルタの間の血液製剤の流量の変化に適合する可変の断面を有する、血液製剤を連続的に濾過する方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタと、
血液製剤を血液製剤源から受容する入口を有し、前記フィルタに前記血液製剤を送り出す出口を有する導管であって、この導管の部分が、前記入口と前記フィルタの間の血液製剤の流量の変化に適合する可変の断面を有し、一度前記血液製剤が前記フィルタに受容されると、空気-血液の混合物の前記フィルタへの侵入が防がれるように大きさが決められている導管とを含む、血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【請求項2】
前記導管の部分が拡大可能である、請求項1に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【請求項3】
前記導管の部分が縮小可能である、請求項2に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【請求項4】
前記導管の部分が、弾性があり、伸縮可能な、弾性体材料から製造されている、請求項1に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【請求項5】
所定のプライミング圧力を有し、当初に血液製剤を受容するフィルタと、
前記血液製剤を血液製剤源から受容する入口を有し、前記フィルタに前記血液製剤を送り出す出口を有する導管であって、この導管の部分が、前記入口と前記フィルタの間の血液製剤の流量の変化に適合する可変の断面を有し、前記フィルタにおける前記所定のプライミング圧力が結果生じる血液製剤の流量をもたらすように大きさが決められている導管とを含む、血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【請求項6】
前記導管の部分が拡大可能である、請求項5に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【請求項7】
前記導管の部分が縮小可能である、請求項6に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【請求項8】
前記導管の部分が、弾性を有し、伸縮可能な、弾性体材料から製造されている、請求項5に記載の血液製剤を連続的に濾過するシステム。
【請求項9】
源の流量で血液源から血液製剤を受容し、
一度前記血液製剤がフィルタに受容されると、空気-血液の混合物の前記フィルタへの侵入が防止されるように、前記血液製剤を前記フィルタへ導管を介して移し、
フィルタ流量を有する前記フィルタを介して前記血液製剤を濾過し、
前記濾過された血液製剤を採取バッグに採取することを含み、前記導管の部分が、前記入口と前記フィルタの間の血液製剤の流量の変化に適合する可変の断面を有する、血液製剤を連続的に濾過する方法。
【請求項10】
源の流量で血液源から血液製剤を受容し、
前記血液製剤をフィルタへ導管を介して移し、該フィルタが、所定のプライミング圧力を有し、前記血液製剤を受容し、該導管が、前記所定のプライミング圧力が結果生じる血液製剤の流量をもたらし、
フィルタ流量を有する前記フィルタを介して前記血液製剤を濾過し、
前記濾過された血液製剤を採取バッグに採取することを含み、前記導管の部分が、前記入口と前記フィルタの間の血液製剤の流量の変化に適合する可変の断面を有する、血液製剤を連続的に濾過する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−31685(P2013−31685A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−221323(P2012−221323)
【出願日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【分割の表示】特願2008−261855(P2008−261855)の分割
【原出願日】平成16年4月27日(2004.4.27)
【出願人】(594202615)ヘモネティクス・コーポレーション (22)
【氏名又は名称原語表記】Haemonetics Corporation
【住所又は居所原語表記】400 Wood Road,Braintree,Massachusetts 02184,United Statesof America
【Fターム(参考)】