説明

行動案内システム、行動案内方法およびプログラム

【課題】電子スケジュール帳の機能を備えた携帯端末において、ユーザが次の行動を開始すべき時刻の所定時間前になったときにその旨が通知できるようにすると共に、スケジュールの行動途中で確認が行えるようにして行動が予定通りか否かが判定できるようにする。
【解決手段】制御部11が、スケジュールと、行動及びその行動の所要時間とに基づいて、ユーザが次の行動を開始すべき時刻を求め、ユーザが次の行動を開始すべき時刻の所定時間前になると、アラーム起動手段19がアラームを起動してユーザに通知する。所定の行動を行ったユーザによる、行動を行ったことを示す入力を入力手段12が受け付け、制御部11が、当該入力に基づいて行動が予定通りか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行動案内システムとその行動案内方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子スケジュール帳の機能を備えた携帯端末の中には、登録されているスケジュールに基づいてアラーム通知を行えるようにしたものが各種提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ユーザの携帯端末に登録されているコンサート等のチケットの開催日時及び開催場所情報に基づいて、その開催日時に間に合うようにアラーム通知を行うと共に、携帯端末の現在位置情報に基づいて開催場所までのルート案内を行えるようにすることが提案されている。
また、特許文献2では、ユーザの行動予定情報の入力されている携帯端末において、次の行動の時刻が到来したときに所定の機器を制御できるようにすると共に、アラームを鳴動させてユーザに通知することが提案されている。
また、特許文献3では、予め登録されている移動スケジュールに基づいて移動経路上の適切な位置でアラーム通知ができるようにすることが提案されている。
さらに、特許文献4では、ユーザがどんな場所にいても予定の時刻までに予定場所に到着できるように、現在地を出発すべき時期をアラーム通知すると共に、予定の場所までのルート案内ができるようにすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−56166号公報
【特許文献2】特開2008−306454号公報
【特許文献3】特開2010−147664号公報
【特許文献4】特開平7−209451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的な電子スケジュール帳の機能を備えた携帯端末では、アラーム通知を行うことができるが、登録されているスケジュールの行動開始前の案内、すなわち出発前の準備案内が得られないという欠点があった。例えば、アラーム通知時にユーザが登録した予定場所から遠く離れている場合に、スケジュールに合った行動がとれずに予定に遅れる、あるいは、ユーザが目覚し時計のセット忘れやセット間違いを起こして起床が遅れた場合に、スケジュールに合った行動がとれずに予定に遅れるという欠点があった。
【0006】
この点、特許文献1から4までに示される技術を用いれば、ユーザが予定場所から遠く離れている場合に、移動時刻に応じてアラーム通知またはルート案内をし得るものの、出発前の朝の準備など、移動を伴わない行動に要する時間に応じて行動開始時刻の通知を行うことは出来ず、また、目覚し時計のセット忘れやセット間違いに対応することはできない。
【0007】
また、電子スケジュール帳の機能を備えた携帯端末では、行動途中の行動確認が行われないために、実際の行動に対応した自動案内ができず、予定に遅れてしまうというような不都合があった。例えば、ユーザがアラーム通知後に行動を開始しても、その後、予定通りに行動ができていない場合は、実際の行動に対応した適切な自動案内が得られないために予定に遅れてしまうおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明は、出発前の準備案内ができると共に、行動途中の行動確認が行える行動案内システムとその行動案内方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るスケジュールの行動案内システムは、ユーザのスケジュールを記憶するスケジュール記憶手段と、スケジュールの開始時刻前に、ユーザが行うべき行動及びその行動の所要時間を対応付けて記憶する行動記憶手段と、前記スケジュール記憶手段の記憶するスケジュールと、前記行動記憶手段の記憶する行動及びその行動の所要時間とに基づいて、ユーザが次の行動を開始すべき時刻を求める開始時刻取得手段と、ユーザが前記次の行動を開始すべき時刻の所定時間前になったときに、前記次の行動の存在をユーザに通知する通知手段と、ユーザが当該行動を行ったことの確認の入力を受け付ける確認操作入力手段と、を具備し、前記開始時刻取得手段は、前記確認操作入力手段が、ユーザが当該行動を行ったことの確認の入力を受け付けると、スケジュールの遅れの有無を検出することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るスケジュールの行動案内方法は、ユーザのスケジュールを記憶するスケジュール記憶手段と、スケジュールの開始時刻前に、ユーザが行うべき行動及びその行動の所要時間を対応付けて記憶する行動記憶手段と、を具備する行動案内システムの行動案内方法であって、開始時刻取得手段が、前記スケジュール記憶手段の記憶するスケジュールと、前記行動記憶手段の記憶する行動及びその行動の所要時間とに基づいて、ユーザが次の行動を開始すべき時刻を求める開始時刻取得ステップと、通知手段が、ユーザが前記次の行動を開始すべき時刻の所定時間前になったときに、前記次の行動の存在をユーザに通知する通知ステップと、確認操作入力手段が、ユーザが当該行動を行ったことの確認の入力を受け付ける確認操作入力ステップと、前記開始時刻取得手段が、前記確認操作入力ステップにてユーザが当該行動を行ったことの確認の入力が行われると、スケジュールの遅れの有無を検出する遅れ検出ステップと、を具備することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るプログラムは、ユーザのスケジュールを記憶するスケジュール記憶手段と、スケジュールの開始時刻前に、ユーザが行うべき行動及びその行動の所要時間を対応付けて記憶する行動記憶手段と、を具備し、スケジュールの行動案を行うコンピュータに、前記スケジュール記憶手段の記憶するスケジュールと、前記行動記憶手段の記憶する行動及びその行動の所要時間とに基づいて、ユーザが次の行動を開始すべき時刻を求める開始時刻取得ステップと、ユーザが前記次の行動を開始すべき時刻の所定時間前になったときに、前記次の行動の存在をユーザに通知する通知ステップと、確認操作入力手段が、ユーザが当該行動を行ったことの確認の入力を受け付ける確認操作入力ステップと、前記確認操作入力ステップにてユーザが当該行動を行ったことの確認の入力が行われると、スケジュールの遅れの有無を検出する遅れ検出ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザが次の行動を開始すべき時刻の所定時間前になったときに次の行動の存在がユーザに通知されるので、ユーザは次の行動に余裕をもって移ることができるという効果を得ることができる。また、ユーザが所定の行動を行ったときに確認の入力を受け付けることができるので、行動の完成状況を確認することができる。これにより、途中で行動が予定より早くなる場合、あるいは予定より遅れが発生する場合には、その状況を的確に把握でき、その後の行動を的確に行うことができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のスケジュールの行動案内システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】情報収集・管理センターのデータベースの一例である。
【図3】行動案内システムの全体処理のフローチャートである。
【図4】目覚しアラーム案内処理のフローチャートである。
【図5】起床案内処理のフローチャートである。
【図6】行動案内処理のフローチャートである。
【図7】到着後案内処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明のスケジュールの行動案内システムの一実施形態に係るブロック図である。本発明に係るスケジュールの行動案内システムは、携帯端末10と、経路検索サーバ30と、情報収集・管理センター40とを備えている。そして、携帯端末10と、経路検索サーバ30と、情報収集・管理センター40とは、ネットワーク50に接続されている。このうち、携帯端末10は、ネットワーク50に設けられた基地局と無線通信を行うことにより、ネットワーク50に接続される。また、携帯端末10は、GPS測位システム(Global Positioning System )20から送信される測位用の情報を取得する。
【0015】
携帯端末10は、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)端末機、あるいはPDA(Personal Digital Assistance )等の携帯型の情報処理装置により実現されている。この携帯端末10は、制御部(開始時刻取得手段、設定誤り検出手段)11と、入力手段(確認操作入力手段)12と、表示手段(通知手段)13と、記憶手段(スケジュール記憶手段、行動記憶手段)14と、時間カウント手段15と、GPS測位手段16と、通信手段17と、アラーム設定手段18と、アラーム起動手段19とを備えている。
【0016】
制御部11はCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)を含んで構成されていて、携帯端末10を統括的に制御する。また、制御部11は、予め記憶されているスケジュール管理アプリケーションプログラム及びアラーム管理アプリケーションプログラムを読み出して実行することにより、アラーム付きの電子スケジュール帳の機能をする。
【0017】
入力手段12は、テンキーやファンクションキー等により構成されていて、ユーザによる携帯端末10への所定の情報の入力を受け付ける。
【0018】
表示手段13は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面で構成されていて、文字や図形、あるいは画像等の情報を表示してユーザに提供する。なお、表示手段13および入力手段12は、両手段の機能を備えたタッチパネルで構成することができる。
【0019】
記憶手段14は、上述のスケジュール管理アプリケーションプログラムやアラーム管理アプリケーションプログラムなど、CPUが実行する各種プログラムを予め記憶している。
また、記憶手段14は、ユーザが入力手段12を用いて入力する、ユーザのスケジュールを記憶する。さらに、記憶手段14は、スケジュールの開始前にユーザが行うべき行動と、その行動の所要時間とを対応付けて予め記憶している。
加えて、記憶手段14は、入力手段12から入力された情報を一時記憶するなど、携帯端末10を駆動制御するための各種情報を記憶する。
【0020】
時間カウント手段15は、設定された時間や、設定されたルート(以下、「ルート」を「経路」というときもある。)の移動に必要な時間など、所定の時間をカウント処理する。
【0021】
GPS測位手段16は、GPS測位システム20から得られた情報に基づいてユーザの位置、すなわち携帯端末10の位置を検出する。
【0022】
通信手段17は、無線通信を行う手段であり、ネットワーク50に設けられた基地局と無線通信を行うことにより、経路検索サーバ30及び情報収集・管理センター40と通信する。また、通信手段17は、GPS測位システム20から送信される測位用の信号を受信する。
【0023】
アラーム設定手段18は、入力手段12が受け付けるユーザの操作に基づいて、目覚し時刻等の所定の時刻を設定する。また、アラーム設定手段18は、入力手段12が受け付けるユーザの操作に基づいて、警告音やバイブレーション等のアラームの種別やアラーム音の大きさ等を設定する。
【0024】
アラーム起動手段19は、所定の通知時刻到来時に警告音やバイブレーション等を発してユーザに通知する。加えて、アラーム起動手段19が、表示手段13を介して点滅表示等の所定の警告表示を行うようにすることもできる。
【0025】
経路検索サーバ30は周知の経路検索サーバからなり、携帯端末10の入力手段12にて入力された出発地及び目的地から、両地間の経路、移動手段、移動時間等を検索する。なお、出発地は、初期値(デフォルト値)としてGPS測位手段16が検出するユーザ位置(携帯端末10の位置)となるように設定しておくことができる。
【0026】
情報収集・管理センター40は、空港や駅等の旅行に関する案内情報を収集して携帯端末10に提供する。情報収集・管理センター40は、制御部41と、検索手段42と、通信手段(現在必要時間取得手段)43と、データ部(通常必要時間記憶手段)44とを備える。
【0027】
制御部41はCPUを含んで構成されていて、情報収集・管理センター40を統括的に制御する。
【0028】
検索手段42は、携帯端末10(のユーザ)から要求された内容に基づいてデータ部44に格納されている情報を検索する。
【0029】
通信手段43は、ネットワーク50を介して携帯端末10と通信できるように構成されている。また、通信手段43は、次に説明する現在の必要時間を受信する。
【0030】
データ部44には、ユーザに案内すべき施設毎の情報のデータベースが予め記録されている。図2は、そのデータベースの一例を示していて、二つの空港(○○空港,□□空港)の例が示されている。ここに示されているデータベースには、空港内における所定の起点から終点までの移動に必要な時間や、空港内の搭乗等の手続きに必要な手続時間が記録されている。この手続きに必要な時間は、空港内の混雑等によって変動するので、待ち時間を含めた現在の必要時間(図2中の「現在の必要時間」)及び通常の場合の必要時間(図2中の「通常必要時間」)の二種類が用意されている。この通常必要時間は、データ部44のデータベースに予め記憶されている。一方、現在の必要時間としては、例えば、空港の係員が、混雑状況に基づいて算出した見込み時間を専用端末に入力する。そして、専用端末から送信される現在の必要時間を通信手段43が受信し、制御部41が、データ部44のデータベースに書き込む。後述の図7を用いて説明する空港到着後に行われる行動案内の際には、現在の時刻と手続きを行うべき時刻とが大きく離れている場合(現在の時刻と手続きを行うべき時刻との差が予め定められた閾値以上の場合)は「通常必要時間」が用いられ、他方、現在の時刻と手続きを行うべき時刻とが近い場合(現在の時刻と手続きを行うべき時刻との差が予め定められた閾値未満の場合)は「現在の必要時間」が用いられる。
【0031】
ネットワーク50は公衆回線網からなり、図示しない基地局を介して携帯端末10と無線で交信する。また、このネットワーク50には、経路検索サーバ30及び情報収集・管理センター40が接続されている。
【0032】
GPS測位システム20は周知のGPS測位システムからなり、GPS衛星あるいは地上の基地局から測位用の信号(GPS信号)を出力する。この測位用信号は、携帯端末10の通信手段17が携帯端末10の現在位置を検出するために用いられる。
【0033】
以下、上記構成からなるスケジュールの行動案内システムの動作についてフローチャートを用いて説明する。なお、動作の理解を容易にするために、ここでは、あるユーザが自宅から○○空港に移動し、その○○空港から所定の航空機に搭乗するスケジュールを例に説明する。
【0034】
図3は、行動案内システムの全体処理のフローチャートである。先ず、入力手段12の受け付けるユーザ操作に従って、制御部11は、スケジュール管理アプリケーションプログラムを起動する。そして、入力手段12が、ユーザのスケジュール(以下、「スケジュール」を「予定」というときもある。)の内容である搭乗日時と航空機の便名の入力を受け付けると、制御部11は、これら予定の情報を記憶手段14に登録する(記憶させる。ステップS11)。また、制御部11は、登録された予定の情報を、通信手段17を介して経路検索サーバ30に送信する(ステップS12)。
【0035】
携帯端末10から情報を受信した経路検索サーバ30は、出発地が特に指定されていない場合、デフォルト設定であるユーザの自宅を出発地として経路検索を行う。そして、検索結果を携帯端末10に送信し、携帯端末10の通信手段17が、当該検索結果を受信する(ステップS13)。次いで、制御部11は、受信された結果に基づいて出発時刻が午前中か否かを判定する(ステップS14)。出発時刻が午前中と判定した場合は(ステップS14:肯定(以下、「肯定」を「Y」、「否定」を「N」とする。))、次に説明する目覚しアラーム案内処理を行い(ステップS15)、その後、同図の処理を終了する。一方、出発時刻が午後と判定した場合は(ステップS14:N)、後述する行動案内処理を行い(ステップS16)、その後、同図の処理を終了する。
【0036】
図4は、目覚しアラーム案内処理のフローチャートである。このフローチャートを用いてユーザが午前中に出発しなければならない場合について説明する。携帯端末10の記憶手段14には、ユーザの基本情報として朝の洗顔や食事等の朝準備時間が予め登録されている。制御部11は、経路検索結果に基づいて得られた出発時刻から、記憶手段14の記憶する朝準備時間を減算して起床すべき時刻を算出する。そして、起床すべき時刻の所定時間前、例えば8時間前(つまり予定前日の夜)になると、GPS測位手段16がユーザ(携帯端末10)の現在位置を検出する(ステップS21)。
【0037】
そして、制御部11は、検出された現在位置がユーザの自宅か否かを判定する(ステップS22)。自宅でないと判定した場合は(ステップS22:N)、翌朝の出発地を変更するか否かについて、表示手段13および入力手段12を介して、ユーザに確認する(ステップS23)。この確認により出発地が変更される場合は(ステップS23:Y)、入力手段12が新たな出発地の入力を受け付け、当該新たな出発地が記憶手段14に登録される(ステップS24)。そして、通信手段17が、新たな出発地を経路検索サーバ30に送信し、経路検索サーバ30は、この新たな出発地を基に経路および出発時刻の再検索を行う(ステップS25)。その後、ステップS26に進む。一方、ステップSユーザが自宅にいる場合(ステップS22:Y)および出発地の変更の必要がない場合(ステップS23:N)は、経路の再検索を行わずにステップS26に進む。
【0038】
次いで、制御部11は、アラーム管理アプリケーションプログラムを起動し、翌朝の目覚ましアラームが設定されているか否かを確認する(ステップS26)。この確認において、目覚ましアラームが設定されていないと判定した場合は(ステップS26:N)、アラーム起動手段19が警告音を鳴動させると共に、表示手段13が「目覚ましアラームを設定するか」と表示することにより、目覚ましアラームを設定するか否かをユーザに問い合わせる(ステップS27)。この問いに対してユーザがアラーム設定を選択した場合は(ステップS27:Y)、表示手段13がアラーム設定画面を表示し、入力手段12が、ユーザによる目覚ましアラームの設定操作を受け付ける。これにより目覚しアラームが設定される(ステップS28)。その後、ステップS29に進む。一方、ステップS26において、目覚ましアラームが設定されていると判定した場合は(ステップS26:Y)、そのままステップS29に進む。
また、ステップS27において、アラーム設定が選択されない場合は(ステップS27:N)、行動案内処理を行い(ステップS33)、その後、同図の処理を終了する。
【0039】
ステップS29において、制御部11は、アラーム時刻が起床すべき時刻より遅いか否かを判定する。遅くないと判定した場合は(ステップS29:N)、起床案内処理(ステップS32)を行った後、同図の処理を終了する。一方ステップS29で、アラーム時刻が起床すべき時刻より遅いと判定した場合は(ステップS29:Y)、表示手段13が、アラーム時刻を起床すべき時刻に変更するか否かを問い合わせるメッセージを表示することにより、ユーザに当該問い合わせを行う(ステップS30)。アラーム時刻を変更する場合は(ステップS30:Y)、表示手段13がアラーム設定画面を表示し、入力手段12がアラーム時刻の変更を受け付ける(ステップS31)。そして、起床案内処理を行った後(ステップS32)、同図の処理を終了する。一方、ステップS30において、アラーム時刻を変更しない場合は(ステップS30:N)、ステップS32に進む。
【0040】
図5は、起床案内処理(図4のS32参照)のフローチャートである。このフローチャートを用いて、起床案内処理について説明する。図4の処理手順においてアラーム時刻を設定した翌朝、携帯端末10のアラーム時刻(アラーム設定手段18に設定されている目覚ましアラームの設定時刻)になったことを、例えば時間カウント手段15のカウントにより検出すると、アラーム起動手段19がアラームを鳴動させ(ステップS41)、ユーザに起床を促す。
【0041】
起床したユーザにより携帯端末10の入力手段12の起床確定ボタンが押下されると(ステップS42)、ユーザが起床したとみなされる。ここで、例えば、携帯端末10は、入力手段12と表示手段13とを兼ねたタッチパネルを具備し、タッチパネル上に起床確定ボタンを表示する。そして、タッチパネル上の起床確定ボタン表示箇所がタッチされると、ユーザが起床したとみなされる。
次いで、表示手段13が、出発時刻及び出発までの残り時間を表示し(ステップS43)、行動案内処理を行った後(ステップS44)、同図の処理を終了する。
【0042】
図6は行動案内処理を示すフローチャートである。このフローチャートを用いて行動案内処理を説明する。なお、以下では、携帯端末10が、入力手段12と表示手段13とを兼ねたタッチパネルを具備する場合について説明する。携帯端末10が、テンキーなどタッチパネル以外の入力デバイスによりユーザの操作を受け付ける場合の処理手順も以下に説明するのと同様である。
携帯端末10の記憶手段14にユーザの当日の予定が登録されている場合、GPS測位手段16は、一定の時間間隔で携帯端末10の現在位置、すなわちユーザの現在位置を検出している。そして、検出された現在位置が以前の位置と異なる場合は、経路検索サーバ30がルートおよび出発時刻の再検索を行う(ステップS51)。これにより、ユーザの位置が変更しても、自動的に最新のルートを検索でき、最新の情報でユーザを案内するができる。
【0043】
出発時刻や、乗車時刻や、受け付け手続きを行う時刻など、ユーザが行動を開始すべき時刻の所定時間前、例えば10分前になったことを、例えば時間カウント手段15が検出すると、アラーム起動手段19がアラームを鳴動させ、又はバイブレータを起動させてユーザに通知する(ステップS52)。以下、ユーザへの通知はアラームのみで説明するが、バイブレータを用いて通知を行うようにしてもよいし、表示手段13の表示によってもよいし、複数の手段を併用するようにしてもよい。
【0044】
ユーザが予定の行動を実行した場合、当該ユーザにより、携帯端末10のタッチパネルに表示された行動確認ボタンが押下される(ステップS53)。そして、制御部11は、この行動が予定の最終行動(記憶手段14の記憶する当日のスケジュールの最後の行動)か否かを判定する(ステップS54)。最終行動であると判定した場合(ステップS54:Y)、制御部11は、到着後の案内の要否を判定する(ステップS5A)。到着後の案内を必要としないと判定した場合(ステップS5A:N)は、同図の処理(行動案内処理)を終了し、到着後の案内が必要であると判定した場合(ステップS5A:Y)は、到着後案内処理(ステップS5B)を行った後、同図の処理を終了する。
【0045】
他方、ステップS54において、最終行動ではないと判定した場合は(ステップS54:N)、制御部11は、既に検索した結果に基づいて、現在の行動が予定通りか否かを判定する(ステップS55)。そして、予定通りと判定した場合は(ステップS55:Y)、タッチパネル(表示手段13)が、次の行動の実行時刻及び次の行動までの残り時間を表示することによりユーザに通知し(ステップS59)、再び行動案内を続行する(ステップS52に戻る)。
【0046】
一方、ステップS55において、予定通りでないと判定した場合は(ステップS55:N)、経路検索サーバ30がルートの再検索を行なう(ステップS56)。例えば、10時に自宅から出発して10時15分の電車に乗る予定となっていたが、自宅から出発した際、既に10時15分となっており、10時15分の電車に間に合わなくなった場合、経路検索サーバ30は再検索を行う。または、予定より早く9時50分に自宅から出発した場合、より早い電車に乗ることができてユーザが時間を有効利用できる可能性がある。そこで、この場合も経路検索サーバ30が再検索を行う。
【0047】
ユーザがこの再検索の結果を利用したい場合、タッチパネルの表示する「再検索結果で案内」がユーザにより選択される(ステップS57:Y)。そして、タッチパネルが、再検索結果における次の行動情報を表示してユーザに通知し(ステップS59)、携帯端末10は行動案内を続行する(ステップS52に戻る)。他方、タッチパネルの表示する「元の検索結果で案内」がユーザにより選択された場合は(ステップS58:Y)、タッチパネルが、元の検索結果における次の行動情報を表示してユーザに通知し(ステップS59)、携帯端末10は行動案内を続行する(ステップS52に戻る)。なお、ユーザが、再検索結果の案内と元の検索結果の案内のいずれも選択しなかった場合は(ステップS57:N、S58:N)、同図の処理(行動案内処理)を終了する。また、到着後の案内を必要としない場合(ステップS54:Y、S5A:N)も、同図の処理を終了する。
【0048】
一方、ユーザが○○空港に到着後、その空港における案内を必要とする旨の情報が携帯端末10の記憶手段14に記憶されている場合など、ステップS5Aにおいて制御部11が、到着後案内を必要と判定した場合は(ステップS5A:Y)、到着後案内処理を行う(ステップS5B)。その後、同図の処理を終了する。
【0049】
図7は到着後案内処理(図6のS5参照)のフローチャートである。以下、このフローチャートを用いてユーザが○○空港に到着後に受けることのできる案内について説明する。
先ず、制御部11は、ユーザの予定時刻、すなわちユーザの搭乗する航空機の搭乗時刻と情報収集・管理センター40から受信した情報とに基づいて、行動の実行開始時刻を算出する(ステップS61)。そして、次は何の行動を行うべきか、次の行動は何時までに終わらせるべきか、あるいは、余り時間がどのぐらいあるかを、タッチパネル(表示手段13)が表示することにより、ユーザに通知する(ステップS62)。なお、この到着後案内処理で用いられる時間のうち、空港内の搭乗手続等に必要な時間は、上述したように、情報収集・管理センター40のデータ部44が記憶する、「通常必要時間」と「現在の必要時間」とのいずれかを、制御部11が選択して使用する。
【0050】
また、ユーザが航空機に搭乗する前に買い物をする場合に備えて、ユーザの便利性を高めるために、携帯端末10が空港案内を行う際に、余り時間を買い物できる時間としてユーザに知らせるようにしてもよい。例えば、搭乗手続後に「○○時までに安全検査に入ってね!今から安全検査に行く場合、約○○分の買い物時間があるよ!」というような案内がタッチパネルに表示される。
【0051】
○○空港内においても、ユーザが次に行動を行うべき時刻の所定時間前になると、例えば10分前になると、アラーム起動手段19がアラームを鳴動させてユーザに通知する(ステップS63)。この通知に対して、ユーザによりタッチパネルの行動確認ボタンが押下され(ステップS64)、制御部65は、今回の行動が、到着案内処理として登録されている行動の最終行動か否かを判定する(ステップS65)。最終行動であると判定した場合(ステップS65:YES)、同図の処理(到着後案内処理)を終了する。一方、最終行動でないと判定した場合(ステップS65:NO)、制御部11は、当該行動が予定より遅れているか否かを判定する(ステップS66)。遅れていないと判定した場合は(ステップS66:N)、次の動作案内を行なう(ステップS61に戻る)。一方、ステップS66において、予定より遅れていると判定した場合は(ステップS66:Y)、予定より遅れていることをユーザに通知(ステップS67)した後、次の行動案内を行なう(ステップS61に戻る)。
【0052】
上述の到着後案内は空港の例であるが、この到着後案内は、大きなデパート、買い物センター、総合病院内等の各施設の案内でも利用できる。この場合、図7のデータベースには、それら施設の情報が用意される。また、図7のデータベースに起点から終点までの移動時間以外に、移動ルートも記録しておくことができる。この場合は、ユーザは到着後の空港等の施設内部でのルート案内を受けることができる。
【0053】
上記実施の形態に係るスケジュールの行動案内システムでは、ユーザによって携帯端末10に登録されたスケジュールが翌日の午前中に出発しなければならないときは、目覚ましアラーム案内処理が実行されるので、目覚しの設定忘れを防止することができると共に、設定ミスが生じたときもアラームにより警告されるので、正確な目覚ましアラームを設定することができる。しかも、そのアラーム案内処理は、ユーザの睡眠時間、洗顔や朝食等の必要時間を加味して設定されるので、最適な目覚しの設定を行うことができる。また、ユーザがスケジュール前日の午後に初期設定地の自宅にいないときは、実際のユーザの位置に合わせて目覚しの再設定ができるので、ユーザが移動したときでも最適な目覚しの設定を行うことができる。さらに、アラームで起床したユーザがタッチパネルの起床確定ボタンが押下すると出発までの残り時間が案内されるので、その後のユーザの行動に役立たせることができる。このように、ユーザは起床遅れがなくなると共に、出発までの残り時間が案内されるので、余裕をもって行動することができる。
【0054】
上記実施の形態に係るスケジュールの行動案内システムでは、行動案内処理を行うことで、予定の所定時間前(上述の実施例では10分前)にユーザにアラーム通知ができるだけでなく、タッチパネルにて、ユーザが実行すべき行動毎の情報を案内し、その行動が実際に実行された確認の入力を、行動確認ボタンが受け付けることにより、ユーザは、行動の完成状況を確認することができる。このように、ユーザには行動毎に案内が行われるので、遅れが発生する確率を減少させる効果を得ることができる。また、携帯端末10は、ユーザの行動の完成状況を確認することができるので、途中で行動が予定より早くなる場合、あるいは予定より遅れが発生する場合には、その状況を的確に把握でき、その後の行動を的確に案内することができ、ユーザは、案内に従って的確に行動することができる。特に、ユーザの行動が予定通りでないときは、経路検索サーバ30が最新のルートを自動的に検索することにより、携帯端末10は、的確なルートをユーザに案内することができる。これにより、行動が予定よりも早くなった場合には、ユーザは時間の有効利用を図ることができる。他方、遅れが発生した場合には、ユーザが素早く遅れに気づくことができ、予定遅れに伴う不都合を未然に防止することができる。
【0055】
上記実施の形態に係るスケジュールの行動案内システムは、到着後案内処理を実行することで、上述した行動案内処理を実行したときと同様に、予定の所定時間前(上述の実施例では10分前)にユーザにアラーム通知を行うことができる。また、タッチパネルにてユーザが実行すべき行動毎の情報を案内し、その行動が実際に実行された確認の入力を行動確認ボタンが受け付けることにより、ユーザの行動の完成状況を確認することができる。しかも、この到着後案内処理で用いられる時間は、「現在の必要時間」及び「通常必要時間」の中から選択されるので、すなわち、現在の時刻と手続きを行うべき時刻とが大きく離れている場合は「通常必要時間」が用いられ、他方、現在の時刻と手続きを行うべき時刻とが近い場合は「現在の必要時間」が用いられるので、ユーザは到着後の時間を有効に活用することができる。
【0056】
なお、携帯端末10や、情報収集・管理サーバ50の全部または一部の機能は、プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより実現できる。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0057】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0058】
10 携帯端末
11 制御部
12 入力手段
13 表示手段
14 記憶手段
15 時間カウント手段
16 GPS測位手段
17 通信手段
18 アラーム設定手段
19 アラーム起動手段
20 GPS測位システム
30 経路検索サーバ
40 情報収集・管理センター
50 ネットワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのスケジュールを記憶するスケジュール記憶手段と、
スケジュールの開始時刻前に、ユーザが行うべき行動及びその行動の所要時間を対応付けて記憶する行動記憶手段と、
前記スケジュール記憶手段の記憶するスケジュールと、前記行動記憶手段の記憶する行動及びその行動の所要時間とに基づいて、ユーザが次の行動を開始すべき時刻を求める開始時刻取得手段と、
ユーザが前記次の行動を開始すべき時刻の所定時間前になったときに、前記次の行動の存在をユーザに通知する通知手段と、
ユーザが当該行動を行ったことの確認の入力を受け付ける確認操作入力手段と、
を具備し、
前記開始時刻取得手段は、前記確認操作入力手段が、ユーザが当該行動を行ったことの確認の入力を受け付けると、スケジュールの遅れの有無を検出することを特徴とする行動案内システム。
【請求項2】
前記開始時刻取得手段がスケジュールの遅れを検出すると、スケジュールに係る経路を検索する経路検索サーバを具備することを特徴とする請求項1に記載の行動案内システム。
【請求項3】
目覚ましの設定時刻の入力を受け付けるアラーム設定手段と、
前記アラーム設定手段が入力を受け付ける前記目覚ましの設定時刻が、スケジュールから求められた起床すべき時刻より遅いか否かを判定する設定誤り検出手段と、
前記設定誤り検出手段が、前記目覚ましの設定時刻が前記起床すべき時刻より遅いと判定すると、目覚ましの設定時刻が正常でないことを示す警告を発するアラーム起動手段と、
を具備することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の行動案内システム。
【請求項4】
所定の行動を行うために通常必要な時間を記憶する通常必要時間記憶手段と、
現在の必要時間を取得する現在必要時間取得手段と、
を具備し、
前記開始時刻取得手段は、現在の時刻と前記所定の行動を行うべき時刻との差が予め定められた閾値以上の場合は、前記通常必要な時間を用いて前記ユーザが次の行動を開始すべき時刻を算出し、現在の時刻と前記所定の行動を行うべき時刻との差が前記閾値未満の場合は、前記現在の必要時間を用いて前記ユーザが次の行動を開始すべき時刻を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の行動案内システム。
【請求項5】
ユーザのスケジュールを記憶するスケジュール記憶手段と、スケジュールの開始時刻前に、ユーザが行うべき行動及びその行動の所要時間を対応付けて記憶する行動記憶手段と、を具備する行動案内システムの行動案内方法であって、
開始時刻取得手段が、前記スケジュール記憶手段の記憶するスケジュールと、前記行動記憶手段の記憶する行動及びその行動の所要時間とに基づいて、ユーザが次の行動を開始すべき時刻を求める開始時刻取得ステップと、
通知手段が、ユーザが前記次の行動を開始すべき時刻の所定時間前になったときに、前記次の行動の存在をユーザに通知する通知ステップと、
確認操作入力手段が、ユーザが当該行動を行ったことの確認の入力を受け付ける確認操作入力ステップと、
前記開始時刻取得手段が、前記確認操作入力ステップにてユーザが当該行動を行ったことの確認の入力が行われると、スケジュールの遅れの有無を検出する遅れ検出ステップと、
を具備することを特徴とする行動案内方法。
【請求項6】
ユーザのスケジュールを記憶するスケジュール記憶手段と、スケジュールの開始時刻前に、ユーザが行うべき行動及びその行動の所要時間を対応付けて記憶する行動記憶手段と、を具備し、スケジュールの行動案を行うコンピュータに、
前記スケジュール記憶手段の記憶するスケジュールと、前記行動記憶手段の記憶する行動及びその行動の所要時間とに基づいて、ユーザが次の行動を開始すべき時刻を求める開始時刻取得ステップと、
ユーザが前記次の行動を開始すべき時刻の所定時間前になったときに、前記次の行動の存在をユーザに通知する通知ステップと、
確認操作入力手段が、ユーザが当該行動を行ったことの確認の入力を受け付ける確認操作入力ステップと、
前記確認操作入力ステップにてユーザが当該行動を行ったことの確認の入力が行われると、スケジュールの遅れの有無を検出する遅れ検出ステップと、
を実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−88945(P2012−88945A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235181(P2010−235181)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】