説明

行燈

【課題】行燈において、側面パネルを安定的且つ、取替え自在に取付ける。
【解決手段】筒体枠を形成する対面する四本の柱体3は対面側に上下方向にガイド溝10が開穿されており、且つ、該ガイド溝10の上端部には天枠4の下端部と略一致する位置を段設して該段設部10aの上方部を巾広部10bに形成し、更に、前記下枠5の上面に前記ガイド溝10に連通し、側面パネル12の下端部を受け入れて支持する受溝11が開穿されており、一方、前記ガイド溝10に前記側面パネル12を嵌挿したとき、対面する前記四本の柱体3間に架設されて、前記ガイド溝10の上端部に設けた段設部10a上方に位置するガイド溝10の巾広部10bに嵌着されたことを特徴とする行燈を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は行燈に関するものであり、特に、側面パネルを安定的に取付け、且つ、四季に対応する絵を取替え自在に装着して成る行燈に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、此種行燈は特許文献1記載のものが知られている。該特許文献1記載の行燈は光触媒装置に用いるものであって、縦長な直方体状の筒形枠体フレームと、このフレームの側面に取付けられた光触媒紙を有する側面パネルと、筒形枠体フレームの内部に設置された紫外線の照射が可能な蛍光灯等の照明ランプとから構成されている。又、側面パネルは筒形枠体フレームに縦方向に取付けられた溝部材を介して交換可能に取付けられる。更に、照明ランプから照射された紫外線が光触媒紙に直接当たり、光化学反応が積極的に起き、空気洗浄効果等が向上するように形成されて成るものである。而も、前記側面パネルは筒形枠体フレームに縦方向に取付けられた溝部材に遊嵌されて取付けられるように構成されている。
【特許文献1】特開2002−95724号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1記載の発明において、側面パネルは筒形枠体フレームの縦方向に取付けられている溝部材を介して交換可能に取付けられるのであるから、該側面パネルの取付は極めて不安定であり、任意に離脱する虞れがある。而も、該行燈は光触媒装置として用いられるものであるから、該側面パネルは空気洗浄効果等が衰退したときには随時新しいものと交換される関係上、固定的に取付けられる必要はないものと考えられる。
【0004】
そこで、行燈において、側面パネルを安定的且つ取替自在に取付けられ、又は、四季に対応した様々の情景が表現できる行燈を提供するために解決せられるべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は該課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、直方体形状の筒体枠を有し、該筒体枠は四隅に立設される柱体と、該柱体の上端部に架設される天枠と、下方部に架設される下枠とから成り、且つ、前記柱体の夫々対面する面には側面パネルの左右縁部をガイドして嵌挿するためのガイド溝が形成され、該ガイド溝の上面から前記側面パネルを嵌挿して該側面パネルを前記柱体間に架設して成る行燈において、
前記対面する四本の柱体は対面側に上下方向にガイド溝が開穿されており、且つ、該ガイド溝の上端部には天枠の下端部と略一致する位置を段設して該段設部の上方部を巾広部に形成し、更に、前記下枠の上面に前記ガイド溝に連通し、側面パネルの下端部を受け入れて支持する受溝が開穿されており、
一方、前記ガイド溝に前記側面パネルを嵌挿したとき、対面する前記四本の柱体間に架設されて、前記ガイド溝の上端部に設けた段設部上方に位置するガイド溝の巾広部に嵌着され、且つ、前記天枠の外側面に当接される側面パネルの押え板が設けられており、更に該押え板は、一側面下半部を切欠して段設されて成る薄板部内側面にて前記側面パネルの上端部側面を前記天枠外側面に圧接させると共に、該薄板部の両端部を前記ガイド溝の巾広部に嵌挿して該薄板部の下端部を該ガイド溝の段設部に係止させ、更に、該押え板に設けた前記段部の下向きの面によって前記側面パネルの上端部を下方向へ押圧できるように構成された行燈を提供するものである。
【0006】
この構成によれば、四本の柱体の夫々対面する側面に開穿されているガイド溝の上面から側面パネルを挿入してその下端部を下枠の受溝に嵌挿し、上端部を天枠の外側面下方部に当接させる。即ち、側面パネルは予め下枠の受溝と天枠の外側面の下方部間の高さを有するように形成される。そこで、該側面パネルの上端部の外側面に当接して該側面パネルの上端部を前記天枠の外側面に圧接できるように、押え板に切欠されて形成された段設部側を内側にして、その両端部を前記ガイド溝の巾広部に嵌合する。このとき、該押え板の薄板部は前記側面パネルを天枠外側面に圧接させると同時に、該押え板の段設によって形成された下向きの面が該側面パネルの上端縁を下方へ押圧する。更に、該薄板部の両端部の下面が前記ガイド溝の段設部に係止されて該押え板はガイド溝の巾広部に嵌着され、天枠の一部を形成した状態となる。
【0007】
請求項2記載の発明は、上記側面パネルには四季に対応する絵が描写されている行燈を提供するものである。
【0008】
この構成によれば、四季に対応した様々の絵が側面パネルとして用いられる。
【0009】
請求項3記載の発明は上記押え板は取外自在であって、且つ、上記側面パネルも取替え自在に上記柱体に固定される行燈を提供するものである。
【0010】
この構成によれば、押え板はガイド溝から容易に取外すことができ、従って、ガイド溝に沿って嵌挿されている側面パネルも自在に取外し、更に、他の側面パネルと取替えることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の行燈における側面パネルは筒体枠の四側面に安定的に固定される。即ち、四本の柱体に設けたガイド溝に沿って嵌挿された側面パネルは左右両縁部を該ガイド溝に支持され、そして、下端部は下枠に設けた受溝に受け入れられて支持され、且つ、該側面パネルの上端部が天枠の外側面に押え板の内側面に形成された薄板部内側面にて圧接され、そして、該押え板の薄板部が前記ガイド溝の上端部の巾広部に嵌合して該押え板が天枠の一部も兼ねることになり、該側面パネルは安定的に筒体枠に張設され、不慮離脱することなく行燈を効果的に楽しむことができる。
【0012】
又、該押え板は取外し自在であるから前記側面パネルも容易に取替えることもできる。そこで、四季に対応した絵が描写された側面パネルを予め用意しておくことにより、その季節に対応する絵を鑑賞し乍ら行燈を楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
行燈において、側面パネルを安定的且つ、取替自在に取付けることができると云う目的を達成するために筒体枠を形成する四本の柱体は対面側に上下方向にガイド溝が開穿されており、且つ、該ガイド溝の上端部には天枠の下端部と略一致する位置を段設して該段設部の上方部を巾広部に形成し、更に、前記下枠の上面に前記ガイド溝に連通し、側面パネルの下端部を受け入れて支持する受溝が開穿されており、一方、前記ガイド溝に前記側面パネルを嵌挿したとき、対面する前記四本の柱体間に架設されて、前記ガイド溝の上端部に設けた段設部上方に位置するガイド溝の巾広部に嵌着され、且つ、前記天枠の外側面に当接される側面パネルの押え板が設けられており、更に該押え板は、一側面下半部を切欠して段設されて成る薄板部内側面にて前記側面パネルの上端部側面を前記天枠外側面に圧接させると共に、該薄板部の両端部を前記ガイド溝の巾広部に嵌挿して該薄板部の下端部を該ガイド溝の段設部に係止させ、更に、該押え板に設けた前記段部の下向きの面によって前記側面パネルの上端部を下方向へ押圧できるように構成されたことにより実現した。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施例を図1乃至図6に従って詳述する。図1は本発明の行燈1の正面図、図2は同平面図、図3は図1のA−A線断面図である。図1〜図3に示す行燈1は直方体形状の筒体枠2を有し、該筒体枠2は四隅に立設された四本の柱体3,3,3,3と、該柱体3,3,3,3の上端部に架設される天枠4,4,4,4と下方部に架設される下枠5,5,5,5とから成る。尚、この実施例においては下枠5,5,5,5は上下二段に設けてあるが、之に限定せられるべきではない。
【0015】
又、上方部の下枠5,5,5,5のうち、対向する下枠5,5間の中間部に架渡し板6が架設されており、そして、該架渡し板6の中心部上面に照明灯7が設けられている。更に、天枠4,4,4,4のうち対向する天枠4,4間の中間部にも補強枠8と把手部9が架設されている。
【0016】
而して、前記四本の柱体3,3,3,3は夫々対面する側面に上下縦方向にガイド溝10,10…が開穿されている。即ち、各柱体3は図2及び図4に示すように各対面する柱体3において平面視直角方向へ夫々二条のガイド溝10,10が開穿され、そして、該ガイド溝10,10の上端面は開放されている。而も、該ガイド溝10,10…の下端部は前記下枠5,5,5,5まで達し、且つ、各下枠5,5,5,5の上面に開穿された受溝11,11,11,11と連通されている。又、該ガイド溝10,10…及び受溝11,11…の巾は側面パネル12が遊嵌し、且つ、揺動しない程度のものが採択される。
【0017】
又、該側面パネル12には四季に対応する様々の絵13が描写されており、且つ、横巾は両縁部が前記ガイド溝10,10間に丁度介装できる巾であり、高さは該側面パネル12の下端部が前記受溝11に嵌挿され、そして、上端部側面が前記天枠4の下半部の面に当接できる長さに形成される。
【0018】
又、前記各ガイド溝10,10…の上端部は天枠4の下端面の位置において夫々段設部10aが形成され、該段設部10aの上方部位のガイド溝10,10…は夫々巾広部10bに形成されている。
【0019】
そこで、該巾広部10bに丁度嵌合して対向する双方の柱体3,3間に架設される押え板14が設けられている。該押え板14は天枠としての補強も兼ねることができる。該押え板14は図5及び図6に示すように、その高さは前記天枠4と同一高さに形成され、且つ、両端部の一側面は下半部を切欠して段部14aが形成され、該段部14aの下向きの面14cによって前記側面パネル12の上端縁を下方向へ押圧し、且つ、該側面パネル12の上端部側面を前記切欠によって形成された段部14aの下方部に位置する薄板部14bの内側面にて前記天枠4の外側面に押圧できるように形成されている。又、該押え板14の他側面の両端部も切欠され、そして、その切欠面15,15が、該押え板14の両端部を前記ガイド溝10,10の巾広部10b,10bに夫々嵌合したとき、丁度前記柱体3の側面に当接するように形成されている。
【0020】
斯くして、該押え板14は前記ガイド溝10の巾広部10bに嵌合して前記天枠4の一部も兼ねることになり、且つ、該押え板14は取外しも自在である。
【0021】
そこで、四季に対応した絵13が描写されている側面パネル12を対向する前記ガイド溝10,10間に介装するとき、該側面パネル12の縦方向両端縁を該ガイド溝10,10の上面解放部より挿入して該側面パネル12の下端部を下枠5に設けられている受溝11内に嵌挿し、そして、その上端部を前記天枠4の外側面の略下半部に当接する。その後、前記押え板14の前記一側面に設けた切欠面即ち、段部14aを有する方の側面を内側にして該押え板14の両端部を前記ガイド溝10,10の上端部の巾広部10bに嵌合す
る。このとき、該押え板14の両端部の下端縁は該ガイド溝10,10の上端部に形成されている段設部10a,10a上面に係止されて安定する。
【0022】
斯くして、側面パネル12は柱体3,3間に安定的に固定されることになる。又、該押え板14は取外しが自在であるため、四季に対応した絵を描写した側面パネル12も四季に対応させて取替えることにより、四季の絵13を鑑賞することも可能となる。
【0023】
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例を示し、行燈の正面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】図1のA−A線断面図。
【図4】筒体枠の斜視図。
【図5】押え板を内側から見た斜視図。
【図6】押え板を外側から見た斜視図。
【符号の説明】
【0025】
1 行燈
2 筒体枠
3 柱体
4 天枠
5 下枠
6 架渡し板
7 照明灯
10 ガイド溝
10a 段設部
10b 巾広部
11 受溝
12 側面パネル
13 絵
14 押え板
14a 段部
14b 薄板部
14c 下向きの面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体形状の筒体枠を有し、該筒体枠は四隅に立設される柱体と、該柱体の上端部に架設される天枠と、下方部に架設される下枠とから成り、且つ、前記柱体の夫々対面する面には側面パネルの左右縁部をガイドして嵌挿するためのガイド溝が形成され、該ガイド溝の上面から前記側面パネルを嵌挿して該側面パネルを前記柱体間に架設して成る行燈において、
前記対面する四本の柱体は対面側に上下方向にガイド溝が開穿されており、且つ、該ガイド溝の上端部には天枠の下端部と略一致する位置を段設して該段設部の上方部を巾広部に形成し、更に、前記下枠の上面に前記ガイド溝に連通し、側面パネルの下端部を受け入れて支持する受溝が開穿されており、
一方、前記ガイド溝に前記側面パネルを嵌挿したとき、対面する前記四本の柱体間に架設されて、前記ガイド溝の上端部に設けた段設部上方に位置するガイド溝の巾広部に嵌着され、且つ、前記天枠の外側面に当接される側面パネルの押え板が設けられており、更に該押え板は、一側面下半部を切欠して段設されて成る薄板部内側面にて前記側面パネルの上端部側面を前記天枠外側面に圧接させると共に、該薄板部の両端部を前記ガイド溝の巾広部に嵌挿して該薄板部の下端部を該ガイド溝の段設部に係止させ、更に、該押え板に設けた前記段部の下向きの面によって前記側面パネルの上端部を下方向へ押圧できるように構成されたことを特徴とする行燈。
【請求項2】
上記側面パネルには四季に対応する絵が描写されていることを特徴とする請求項1記載の行燈。
【請求項3】
上記押え板は取外自在であって、且つ、上記側面パネルも取替え自在に上記柱体に固定されることを特徴とする請求項1又は2記載の行燈。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−42518(P2007−42518A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−227303(P2005−227303)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(505260453)有限会社ICE (1)
【出願人】(505260464)
【出願人】(505260475)
【Fターム(参考)】