説明

術前及び/又は術後環境におけるプロバイオティックス

本発明は、一般に栄養の分野に関し、より具体的には栄養におけるプロバイオティックスの使用に関する。特に本発明は、術前及び/又は術後環境で、結腸に作用する栄養組成物又は薬剤の製造でのプロバイオティックス又はプロバイオティックス混合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、一般に栄養の分野に関し、より具体的には栄養におけるプロバイオティックスの使用及び特に術前及び/又は術後環境での栄養におけるプロバイオティックスの使用に関する。
【0002】
早くも1907年に、ロシアの科学者、E・メチニコフ(1845〜1919)はパリのパストゥール研究所に勤務中、ヨーグルトに含まれる乳酸菌の有益な効果を示す研究を発表した。メチニコフは、腸管内菌叢中の高濃度の乳酸桿菌が人間の健康及び長寿にとって重要になり得るのではないかという仮説を立てた(Metchnikoff EMら、The prolongation of life:optimistic studies.London、Heinemann 1907、161〜183)。
【0003】
この時から、乳酸菌、主に乳酸桿菌及びビフィドバクテリウム属ほど、多くの異なる有益な効果を担っていると提唱された細菌群は他にない。有益な効果としては、サルモネラ生菌のマクロファージ食作用の刺激(Hatcher Gら、J.Dairy.Sci.1993、76、2485〜2492)、腸分泌物におけるIgA産生の増進(Perdigon Gら、J.Food.Proct.1990、53、404〜410)、抗菌物質の産生(Shahani KMら、Am.J.Clin.Nutr.1980、33、2448〜2457、Silvia Mら、Antimicr.Agen.Chemother.1987、31、1231〜1233)、腸毒性細菌による細胞付着及び細胞侵入の抑制(Bernet MFら、Gut 1994、35、483〜489)及びロタウイルス誘導性下痢発症中の巨大分子に対する腸浸透性の低減(Isolauri Eら、Pediatr Res 1993、33、548〜553)が挙げられる。ラクトバシラス属の細菌は、再発性クロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)結腸炎の治療にも成功裏に使われてきた(Gorbach SLら、Lancet、1987、2、1519)。
【0004】
これらの有益な性質は、全てのラクトバシラス属及びビフィドバクテリウム属の菌株が共通して備えているわけではない。有益な生物活性を示す乳酸菌は、プロバイオティックスであるとみなされる。しかし、全てのプロバイオティックスが同一種の有益な生物活性を共通して備えているわけではない。プロバイオティックスのグループに属するラクトバシラス属の菌株の1つの例は、ラクトバシラス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)(La1)菌である(ネスレ、Lactobacillus johnsonii(La1)Scientific Overview、1999)。この菌株は数年前、ローザンヌのネスレ研究センターで人体腸管内菌叢から単離された。
【0005】
La1菌はプロバイオティックスとみなすことができるが、それは、La1菌株が以下の性質を備えているためである。
・非病原性である
・生きたまま小腸又は結腸に到達する
・腸粘膜への良好な付着を示す
・人体の腸管内菌叢の天然要素である
【0006】
さらに、研究によって、La1菌株は、以下を含む有益な性質を他にもいくつか備えていることが証明された。
・in vitroでのヒト腸細胞への数種の腸病原性細菌(大腸菌(E Coli)種及びサルモネラ属菌種)の付着抑制
・抗下痢効果及び浸襲性大腸菌種の抑制
・H.ピロリ関連疾患の予防効果
・免疫防御の刺激
・食作用の刺激
・IgA産生の刺激
・ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)のコロニー形成に対する拮抗作用
【0007】
La1菌株は、現在、健康的な食事の新しいコンセプトとして、ヨーロッパで広く市販されている発酵乳特製品(ネスレLC1製品群)で使われている。一般集団によって用いられた際、有害事象は記録されていないので、La1プロバイオティックス菌株は、安全であるとみなすことができる。
【0008】
一般的なプロバイオティックス細菌の投与は、腸内細菌叢の組成に影響を及ぼし、病原菌を減らし、非病原菌に有利になるという仮説が立てられている。このような事象は、免疫応答及び炎症性反応並びに消化管機能を調節する可能性がある(Llopis,Mら、Gut 2005 54、955〜959)。
【0009】
ラクトバシラス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)による粘膜機能及び腸内細菌叢の調節は、動物において敗血症の罹患率及び死亡率を低下させることが、実験データによって示された。プロバイオティックス混合物の投与は、人間の回腸嚢炎の治癒に、抗生物質よりも有効であることが示された(Gionchetti,Paoloら、Gastroenterology 2003、124、1202〜9)。
【0010】
今日の通常の生活環境下における現代栄養の一面として、プロバイオティックスのプラス効果は広く受け入れられているが、臨床前及び/又は後の環境における栄養の一部として、プロバイオティックスを使用することは、これまで提唱されたことがない。この理由の1つとしては、手術は無菌状態下で行うべきものと一般に知られていることが考えられる。手術の準備として及び術後すぐに細菌を摂取することは、推奨されている無菌状態に反するように見える。
【0011】
通常の生活条件下にある健康な人と著しく対照的に、普通、臨床前又は後の環境にある人は、通常かなりの量のストレスを強いられ、大量の抗生物質による治療を受け、免疫系の障害に苦しんでいる場合があり、及び/又は病院等のように繰り返し滅菌される環境で増々頻繁に出現する病原性の抗生物質耐性細菌がコロニー形成する重大な危険にある。
【0012】
したがって、臨床前及び/又は臨床後環境を通常の生活環境と比較することはできない。
【0013】
しかし、手術を受ける患者は、例えば、腸の内容物による術中汚染及び細菌転位の発生等を原因とする感染症を発症するリスクが高いため、そのような合併症及び術後敗血症の予防及び/又は減少を可能にする方法を利用できれば望ましかろう。
【0014】
この技術状態に基づき、本発明の目的は、術前及び/又は術後環境での特殊な条件に、できる限り良好に患者を準備させるための方法を当業技術に提供することだった。
【0015】
この目的は、請求項1に記載の使用により解決される。
【0016】
特に、本発明者らは、プロバイオティックス又はプロバイオティックス混合物が、術前又は術後環境において、結腸に作用する栄養組成物又は薬剤の製造に使用することができることを、思いがけなく発見した。
【0017】
プロバイオティックスは、本発明の目的では、適量を投与したときに、宿主に健康上の利点を与える死菌若しくは生菌微生物又はその一部である。好ましくは、プロバイオティックスは、適量投与したときに、宿主に健康上の利点を与える生菌微生物である。
【0018】
栄養組成物は、本発明の目的では、適度な割合で主要及び微量栄養素を含む、バランスの取れた栄養製剤である。当業者は、バランスの取れた栄養製剤の組成は、治療対象者の年齢、性別、状態等、数々の要因に依存することを理解されよう。しかし、当業者は、該製剤の組成を適切に決定することができよう。
【0019】
本発明の枠組みにおいて、プロバイオティックスが結腸に作用する方法は、特に制限されない。死菌プロバイオティックスを使用する場合、これらは、例えば免疫反応を刺激し、遠位腸粘膜で恒常性調節状態を促進することのできる、細菌関連分子パターンを有意量放出することにより、遠位小腸及び近位結腸に作用することができよう。したがって、細菌の産物又は保存分子は、粘膜部の上皮細胞及び樹状細胞上の宿主細胞受容体と主に相互作用することになろう(S.Rakoff−Nahoumら、Cell、2004 118、229〜241)。
【0020】
対照的に、生菌プロバイオティックスは結腸を通過することにより、結腸に作用することができよう。結腸を通過する生菌プロバイオティックスがもたらし得る効果は、増殖し、それにより遠位腸環境において利用できる生息域を争い、病原菌に取って代わるその能力によって発揮することができる。これに加え又は代わりとして、プロバイオティックスは代謝活性を維持するため、短鎖脂肪酸等の代謝産物、及び他の細菌を抑える静菌又は殺菌活性を発揮し得る生物活性分子の放出により、病原菌の異常増殖を防止することができる。さらに、生菌及び代謝活性又は細胞自然死の結果として放出される分子は、粘膜表面上に発現した宿主免疫分子と相互作用し、それにより、免疫反応を刺激し、又は粘膜細胞の細胞保護反応を誘発する能力を備えている。
【0021】
しかしプロバイオティックスは結腸に生きたまま到達して、結腸にコロニー形成することが好ましい。こうして、プロバイオティックスは永久的な存在を確立し、遥かに顕著な効果を生み出すことができる。特に、コロニー形成により局所的な存在を確立するプロバイオティックスは、その代謝活性により結腸の生態的状況を変化させるのに有効である。
【0022】
したがって、本発明の1つの好ましい実施形態では、プロバイオティックスは生きたまま結腸に到達し、特に結腸にコロニー形成することにより作用する。
【0023】
プロバイオティックスは結腸にコロニー形成する場合、結腸内腔及び粘膜面にコロニー形成することが好ましい。こうして、プロバイオティックスは最も顕著な効果を生み出すことができる。
【0024】
結腸にプロバイオティックスが作用する結果として、非感染性下痢を本発明の使用により調製される栄養組成物又は薬剤により予防及び/又は管理することができる。
【0025】
結腸に対するこの作用のさらなる結果として、吻合部の漏れ又は細菌転位に続発する骨盤液貯留を原因とする術後の腹部・骨盤感染症を、本発明の使用により調製される栄養組成物又は薬剤により予防することができる。
【0026】
結腸に対するこの作用のさらなる結果として、腸管の微生物生態及び微生物叢代謝活性の全般的変化に続発する胃腸症状、好ましくは、感染性又は毒素性下痢症を、本発明の使用により調製される栄養組成物又は薬剤により予防及び/又は緩和することができる。特に抗生物質の使用後及び/又は結腸手術後、正常な胃腸管内菌叢の撹乱があると、患者に、Cディフィシルがコロニー形成しやすくなると信じられている。結腸、特に結腸内腔及び/又は粘膜面にコロニー形成できる、選択されたプロバイオティックスを含む、本発明の栄養組成物又は薬剤は、変容した胃腸管内菌叢の平衡を回復することにより、潜在的病原細菌のコロニー形成又は細菌異常増殖を防ぐことができる。
【0027】
結腸へのこの作用のさらなる結果としては、胃腸感染症、好ましくは院内胃腸感染症が、本発明の使用により調製される栄養組成物又は薬剤により、予防又は治療できることである。このような胃腸感染症は、しばしば下痢の発症に関与するので、そのような下痢は本発明に従って、予防及び/又は治療することができる。
【0028】
さらに、本発明の使用により調製される栄養組成物又は薬剤は、院内環境で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)及びバンコマイシン耐性腸球菌又はその他の抗生物質耐性微生物による院内コロニー形成の予防に、有利に使用することができる。
【0029】
特に、本発明に従い、プロバイオティックスは、栄養組成物及び/又は薬剤の製造に使用して、特に治癒過程での炎症反応を調節、特に増加することができる。本発明の使用により獲得可能な製品のこの作用は、例えば、粘膜の分泌抗体の産生の刺激により、達成することができる。
【0030】
本発明の使用により調製される栄養組成物及び/又は薬剤は、免疫系の調節の目的及び/又は粘膜の分泌抗体の産生を刺激する目的に利用することができる。
【0031】
本発明で利用可能なプロバイオティックスの種類は特に限定されない。既知のプロバイオティックスであれば、いずれも適用可能である。
【0032】
しかし、好ましくは、プロバイオティックスは、ビフィドバクテリウム属、ラクトバシラス属、レンサ球菌属及びサッカロミセス属又はそれらの混合物から成る群から選択される。より好ましくは、プロバイオティックスはビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)、ラクトバシラス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバシラス・ラムノスス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバシラス・ジョンソニイ、ラクトバシラス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシラス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ストレプトコッカス・フェシウム(Streptococcus faecium)、サッカロマイセス・ボウラディ(Saccharomyces boulardii)及びラクトバシラス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)又はそれらの混合物から成る群から選択され、最も好ましくは、選択されるプロバイオティックスはラクトバシラス・ジョンソニイLa1(CNCM I−1225)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(CNCM I−2170)、ビフィドバクテリウム・ラクティスBb12(ドイツ培養物コレクション(GermanCulture Collection)、DSM20215)、(ラクトバシラス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)(CNCM I−2116、CNCM I−1292))、ラクトバシラス・ラムノススGG、ストレプトコッカス・フェシウムSF 68及びそれらの混合物から成る群から選択される。
【0033】
本発明の1つの実施形態において、栄養組成物及び/又は薬剤は、さらに、生存不可能なプロバイオティックス細菌及び/又はプロバイオティックス由来物質を追加として含む。プロバイオティックス由来物質は、プロバイオティックスそのものに由来する任意の物質、例えば、プロバイオティックスから単離された細胞片、化合物又は化合物の集合等とすることができる。又は、プロバイオティックスの助けを借りて産生された物質、例えば、プロバイオティックスが培養されていた培地若しくはその一部、又はプロバイオティックスの助けを借りて変えられた生成物、又はそれらの混合物とすることができる。
【0034】
好ましくは、本発明の使用により調製される栄養組成物及び/又は薬剤は、さらに、プロバイオティックスの発酵基質を含む。これは、例えば、保管期間中等に、プロバイオティックスの生存可能性をサポートすることが明らかになった。
【0035】
本発明の1つの実施形態において、本発明の使用により調製される組成物及び/又は薬剤は、さらに、1つ又は複数のプレバイオティックスを含む。プレバイオティックスは、本発明の目的では、選択的に結腸内の1つ又は複数の細菌の成長及び/又は活性を刺激することにより、宿主に有益な効果を与える消化できない食物成分である。
【0036】
プレバイオティックスには、患者の結腸内の有益な細菌の成長をサポートするという利点がある。プレバイオティックスは、さらに、本発明の使用により調製された組成物及び/又は薬剤に存在する、生菌プロバイオティックスの生存可能性を、保管中及び患者による摂取後の両方でサポートする。
【0037】
患者はヒト又は動物であり得る。好ましい動物は愛玩動物及び家畜である。
【0038】
本発明の1つの実施形態において、本発明の使用により調製される栄養組成物及び/又は薬剤は、約10〜1011cfu/ml、好ましくは約10〜10cfu/ml、最も好ましくは約10〜10cfu/mlの量でプロバイオティックスを含む。しかし、プロバイオティックスの最適量は、例えば製品の性質及び患者の種類、年齢、性別、状態、体重等の数々の要因に依存するため、医療関係者が決定すべきものと理解される。大抵の場合、薬剤は栄養組成物よりも多い量のプロバイオティックスを含む。一般に、プロバイオティックスはどんな量でも、有益な効果を生み出す。
【0039】
本発明の組成物は、1つの実施形態において、さらに炭水化物源、脂質源及び/又はタンパク源を含む。
【0040】
本発明の組成物は、本発明の使用により調製される栄養組成物及び/又は薬剤として理解されるべきである。
【0041】
栄養組成物及び/又は薬剤は、脂質源を含んでもよい。
【0042】
好ましくは、脂質源は栄養組成物のエネルギーの約18%から約50%を供給し、より好ましくは、栄養組成物の全エネルギーの約25%から約35%を供給し、最も好ましくは、組成物の全エネルギーの約30%を供給する。
【0043】
脂質源は、中鎖トリグリセリド(MCT)を、例えば総脂質の最高20重量%のレベルまで含んでもよい。このような中鎖トリグリセリドは、急性疾患の異化期患者の体内で容易に吸収及び代謝される。好ましい実施形態では、中鎖トリグリセリド源は分別ココナツ油である。
【0044】
脂質プロフィールは、さらに長鎖トリグリセリドの混合物を含んでもよい。適切な長鎖トリグリセリド源は、キャノーラ油、コーン油、大豆レシチン及び残留乳脂肪である。脂質源は、さらに多価不飽和脂肪酸を含んでもよい。好ましくは、脂質源は、多価不飽和脂肪酸を約15重量%から約30重量%、例えば多価不飽和脂肪酸を約20重量%含む。
【0045】
長鎖トリグリセリドを含む脂質プロフィールは、ポリ不飽和脂肪酸でω−6(n−6)対ω−3(n−3)比率が約1:1から10:1のものを有することを意図している。好ましくは、n−6対n−3の脂肪酸比率は約5:1から約9:1、例えば、約7:1である。提案されたn−6対n−3の比率は、ω−3脂肪酸の高濃度に関連する免疫抑制を低減すること及び適切な必須脂肪酸を提供することを意図している。ある実施形態において、組成物が含むω−6対ω−3の比率は7.7:1である。
【0046】
脂質源は一価不飽和脂肪酸が豊富であることが好ましい。特に、脂質源は一価不飽和脂肪酸を少なくとも約40重量%含む。脂質源は一価不飽和脂肪酸を約45重量%〜約65重量%、例えば約55重量%含むことが好ましい。
【0047】
脂質源は、好ましくは、中鎖トリグリセリドを含め、約35重量%未満の飽和脂肪酸を含有する。脂質源は、より好ましくは、約30重量%未満の飽和脂肪酸を含有する。
【0048】
適切な脂質源としては、高オレイン酸ヒマワリ油、高オレイン酸サフラワー油、ヒマワリ油、サフラワー油、菜種油、大豆油、オリーブ油、キャノーラ油、コーン油、ピーナッツ油、糠油、バター脂肪、へーゼルナッツ油及び構造脂質が挙げられる。分別ココナツ油は、適切な中鎖トリグリセリド源である。
【0049】
脂質源はまた、ビタミンEを含有してもよく、好ましくは、脂質源100gに対し、少なくとも約30mgのビタミンEを含有してもよい。
【0050】
栄養組成物及び/又は薬剤は炭水化物源を含んでもよい。
【0051】
好ましくは、炭水化物源はマルトデキストリン、コーンシロップ、コーンスターチ、加工でんぷん又はスクロース若しくはフルクトース又はその混合物を含む。炭水化物源は、好ましくは、組成物の総カロリーの少なくとも約15%、好ましくは約20%から40%を、又は栄養補助食品のエネルギーの約40%から約65%、特に栄養組成物のエネルギーの約50%から約60%を供給する。例えば、炭水化物源は補助食品のエネルギーの約54%を供給することができる。
【0052】
所望の場合、栄養組成物及び/又は薬剤はラクトースなしとすることができる。
【0053】
例えば、下痢の発症を防ぐために、組成物は食物繊維も含有してもよく、含有量は、好ましくは少なくとも8g/l、最も好ましくは少なくとも14g/lである。
【0054】
したがって、栄養組成物及び/又は薬剤は、可溶性のプレバイオティック繊維源をさらに含むことが好ましい。プレバイオティック繊維は、細菌の結腸内での増殖及び/又は活性を選択的に刺激することにより、宿主に有益な影響を与え、宿主健康の改善能を有する繊維である。適切な可溶性のプレバイオティック繊維としては、フラクトオリゴ糖(FOS)及びイヌリンが挙げられる。適切なイヌリン抽出物は、ベルギー国チルルモン3300のオラフティSAから「ラフチリン(Raftiline)」の商標で入手可能である。同様に、適切なフラクトオリゴ糖は、ベルギー国チルルモン3300のオラフティSAから「ラフチロース(Raftilose)」の商標で入手可能である。
【0055】
好ましくは、FOS及びイヌリンはどちらも、約60:約40から約80:約20の比率で供給され、最も好ましくは約70:約30の比率で供給される。他の可能な繊維としては、グァーガム、キサンタンガム、キシロオリゴ糖、アラビアガム、ペクチン、アカシアガム、難消化性でんぷん、デキストラン又はこれらの混合物等のガムが挙げられる。好ましくは、選択される繊維は、満腹感を誘発すべきではない。
【0056】
可溶性プレバイオティック繊維は、胃腸管内でのビフィズス菌の成長を促進し、ある種の状況では、クロストリジウム属等の病原菌の成長を予防又は低下すると報告されている。さらに、ビフィズス菌の成長を促進することは、他にも多様な有益な効果を及ぼすことが報告されている。また、結腸での繊維の発酵過程で、短鎖脂肪酸が生成される。これらの脂肪酸は、腸細胞にとって燃料である。
【0057】
可溶性プレバイオティック繊維は、1日当たり患者に、可溶な発酵性繊維約4gから約9gを供給するのに十分な量存在することが好ましい。したがって、プレバイオティック繊維は、1000kcal当たり約6gから約12gの量で存在することができる。これに代わる実施形態では、プレバイオティック繊維のブレンドを9g以下の量、例えば、4g含む。
【0058】
所望の場合、栄養補助食品は不溶性食物繊維源を含有してもよい。適切な不溶性食物繊維源は、豆類及び穀物類由来の外皮繊維、例えばエンドウ豆の外皮繊維、オート麦の外皮繊維、大麦の外皮繊維及び大豆の外皮繊維である。
【0059】
同様に、栄養組成物の浸透圧は、下痢を防ぐ等の意図した用途に応じて、特に500mOsm未満、より好ましくは、300mOsm未満、例えば、約100から250mOsmの浸透圧に調節することができる。大抵の場合、風味付けされた生成物は風味付けされていない生成物よりも浸透圧が高くなる。
【0060】
栄養組成物及び/又は薬剤はタンパク源を含んでもよい。
【0061】
タンパク源は、好ましくは、少なくとも部分的に加水分解した乳清タンパクを少なくとも約50重量%含むことができる。加水分解産物を産生するために使用する乳清タンパクは、市販されている乳清タンパク源とすることができ、甘い乳清若しくは酸乳清又はその組合せをベースとするもののいずれでもよい。好ましくは、乳清タンパクは乳清タンパクを80重量%より多く含む乳清タンパク源である。適切な乳清タンパク濃縮物はLACPRODAN 9087であり、適切な乳清タンパク単離源としては、ALACEN 895(New Zealand Milk Products社)、BiPRO(ミネソタ州ル・シュアーのLe Sueur Isolates)、PROVON−190(ウィスコンシン州モンローのAvonmore Ingredients社)及びLACPRODAN 9212(イリノイ州ローズモントのRoyal Proteins社)が挙げられる。
【0062】
タンパク源は、所望の場合、他の適切な種類のタンパク質を一定量含んでもよい。例えば、タンパク源はさらに、少量のカゼインタンパク質、大豆タンパク質、米タンパク質、エンドウマメタンパク質、イナゴ豆タンパク質、オートタンパク質、乳タンパク質、カゼイノグリコマクロペプチド又はこれらのタンパク質の混合物を含んでもよい。さらに、所望の場合、タンパク源は少量の遊離アミノ酸を含んでもよい。他の適切な種類のタンパク質は、好ましくは、タンパク源を約50重量%未満、より好ましくは約30重量%未満含む。
【0063】
患者の状態に応じて、タンパク源は、完成する食物組成物が消化し易くなるように選択することが好ましい。
【0064】
高タンパク質濃度は、タンパク質の損失が上昇した患者の除脂肪体重を補うのに十分なタンパク質を補給する目的に使用することができる。褥瘡、重傷、外傷、タンパク漏出性腸障害を伴うクローン病、慢性下痢症、HIV/AIDS吸収不良及び下痢等の患者集団で、タンパク質所要量の上昇が確認されている。これらの状態の代謝要求には、窒素損失量の増加、タンパク質所要量の増加又はこの両方が付き物である。
【0065】
本発明の組成物は、ペプチド主体の食事にすることを意図してもよい。タンパク源の選択にあたり、本発明は加水分解タンパク質の使用により、耐性及び吸収を最大化する。好ましい実施形態では、タンパク源は酵素的に加水分解した乳清タンパクである。この種のタンパク源は、胃内容排出がカゼイン又は全乳清を含有する食事に比べて速いため、胃逆流の発生を減らす。また、加水分解乳清タンパクは、アミノ酸システインの豊富な提供源としての役割も果たす。アミノ酸システインはグルタチオンの形成の制限アミノ酸である。
【0066】
好ましくは、タンパク源は栄養補助食品のエネルギーの約8%〜約25%を供給する。本発明の1つの実施形態によれば、タンパク源は組成物の総カロリーの少なくとも約8%、好ましくは約15%〜25%を供給する。例えば、タンパク源は成人に適した実施形態で、組成物のエネルギーの約15%から約18%を供給することができ、小児への使用に適した実施形態では、補助食品のエネルギーの約8%から約14%を供給することができる。
【0067】
本発明の特に好ましい実施形態では、タンパク源は組成物の総カロリーの少なくとも約8%、好ましくは約15%〜25%を供給し、脂質源は組成物の総カロリーの少なくとも約18%、好ましくは約30%〜50%を供給し、好ましくは、ω6対ω3の脂肪酸比率が約2:1から約10:1であり、炭水化物源は組成物の総カロリーの少なくとも約15%、好ましくは約20%〜40%を供給する。
【0068】
本発明の1つの実施形態において、栄養組成物又は薬剤はさらに、好ましくは少なくともビタミンE及びビタミンCから成る群から選択される微量栄養素を含む。
【0069】
さらに一層好ましくは、栄養組成物及び/又は薬剤は、ビタミン及びミネラルの完全なプロフィールを含む。例えば、十分なビタミン及びミネラルは、栄養補助食品1000カロリー当たりビタミン及びミネラルの1日当たりの推奨摂取量の約50%から約500%を補給するように、提供することができる。栄養組成物及び/又は薬剤は、ビタミンEが豊富であることが好ましい。例えば、栄養組成物及び/又は薬剤は、1000kcal当たりビタミンEを80IUから120IU含有することができる。より好ましくは、栄養補助食品は該補助食品250ml当たり、ビタミンEを約30IU含有する。
【0070】
さらに、栄養組成物及び/又は薬剤はビタミンCも豊富であり、1000kcal当たり約150から約250mgの間、又は好ましくは一食当たり約60mgを提供する。ビタミンCは、治癒要件が厳しい患者において、治癒及び肉芽形成を促進すると信じられている。ビタミンCは要件の増加/術後の減少を支持しよう。
【0071】
栄養組成物及び/又は薬剤は、好ましくは、1つの剤形当たり、200gの葉酸及び3gのビタミンB−12も含む。これに代わる、小児への使用向けの栄養組成物及び/又は薬剤の実施形態は、この年齢層の特別な必要に特に合わせて調節されたビタミン及びミネラルのプロフィールを持つ。
【0072】
本発明に従って、組成物は亜鉛の含有量を増加することもできる。好ましくは、1000kcal当たり組成物で亜鉛のUSRDAの少なくとも約150%を提供する。ある実施形態では、1000カロリー当たり、19から29mgの亜鉛が提供される。好ましい実施形態では、1000カロリー当たり、24mgの亜鉛が提供される。亜鉛量の増加は亜鉛の損失を補い、治癒要件が増加した患者の組織修復のために所要量が増加した亜鉛を提供する。
【0073】
本発明に従って、組成物はセレニウムの含有量を増加してもよい。セレニウム欠乏症は治癒所要量が上昇した患者で発症する可能性がある。本発明に従って、1000カロリーの処方で、少なくとも約40から60μgのセレニウムが提供される。好ましい実施形態において、1000カロリー当たり約50μgのセレニウムが提供される。
【0074】
本発明の組成物は、βカロテン源を含有してもよい。βカロテンは、長期の経管栄養補給患者で、βカロテンの血清血漿濃度を正常化し、βカロテン欠乏症を防ぐ目的で、組成物に添加することができる。組成物は、好ましくは1000カロリー当たり約1.6から2.4mgを含有する。この量は欠乏症を予防し、治癒段階の患者において高まる可能性のある要求量に備える。さらに、このβカロテン濃度は、血漿濃度を正常最適濃度である500mcg/L前後まで増加させることができる。
【0075】
本発明の組成物はまた、急性疾患の異化期患者の所要量の増加に対応するために、L−カルニチン及びタウリンの含有量を増加して提供することもできる。タウリン及びL−カルニチンのどちらも、好ましくは、1000カロリー当たり約80から120mgの量で存在する。好ましい実施形態では、タウリン及びL−カルニチンはどちらも、1000カロリー当たり約100mgの量で存在する。
【0076】
さらに加えて、本発明の組成物はマグネシウムの含有量を減らすこともできる。マグネシウムは下痢と関連づけられてきた。ある実施形態では、マグネシウムは1000カロリー当たり約237mgから355mgの量で存在する。好ましい実施形態では、マグネシウムは1000カロリー当たり約300mgの量で存在する。
【0077】
本発明の栄養組成物は、好ましくは、約800kcal/lから約2000kcal/lのエネルギー含有量、例えば約1000kcal/l又は約1500kcal/lのエネルギー含有量を有する。好ましくは、組成物のカロリー密度は1.0kcal/mlである。
【0078】
栄養組成物及び/又は薬剤は、可溶性粉末、液体濃縮物、プディング、バー/スナック、又は経口摂取若しくは経腸投与に適した即使用可能製剤の形態にすることができる。即飲製剤は特に好ましい。様々な香味料、甘味料及びその他の添加物を含んでいてもよい。アセトスルファム及びL−アスパルチル系甘味料等の人工甘味料、例えばアセスルファムK若しくはアスパルテーム又はその混合物等を使用することもできる。
【0079】
本発明の組成物は、好ましくは、すぐに使用できる経腸製剤である。組成物は、栄養補助食品として使用するか、又は完全な経腸栄養サポートの目的に利用することができる。組成物の投与法としては、患者に経管補給する方法又は患者に飲ませる方法が可能である。
【0080】
患者に補給する必要のある栄養組成物及び/又は薬剤の量は、患者の状態、患者の体重、患者の年齢及びその他の栄養源等の要因に応じて変化する。しかし、所要量は医師が容易に設定することができる。栄養補助食品は1日の所要量の不足を補うために、複数回、例えば2回から5回に分けて摂取することも、単回で摂取することもできる。
【0081】
当業者は、開示されている本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されている特徴を任意に組み合わせることができることを理解するであろう。
【0082】
本発明のさらなる実施形態及び利点は、以下の実施例及び図から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】log10のスケールで表されたラクトバシラス・ジョンソニイLa1の大腸内コロニー形成レベルを示す図である。グループA(プラシーボ)、グループB(10cfu)及びグループC(10cfu)の平均値及び対応する標準導出を表示する。
【0084】
実施例1
腸管微生物叢には、互い同士及び宿主と情報交換できる異なる細胞系統の微生物が極めて多数存在する。全体として、微生物叢は宿主の健康に寄与する多数の機能に関与する実際の器官である。微生物叢は小腸で宿主の酵素による消化を免れる複合炭水化物からエネルギーを回収し、病原菌のコロニー形成を予防する上で重要な役割を果たし、粘膜関門の維持及び粘膜の炎症/免疫反応性の調節に寄与する。興味深いことに、亜全及び全結腸摘除術の後、微生物叢の代謝及び防護活性は減少するので、微生物叢機能の一過性の低下を原因として、術後合併症が増進する可能性がある。結腸直腸手術を受ける患者は、術後感染のリスクが高いことが知られている。プロバイオティック防御株を優位にすることで、できるだけ早期に結腸内微生物叢を回復させる能力が、この決定的な短期間に、防護的な役割を果たすことができる。
【0085】
この研究の目標は、治療の対象となる患者の特殊な状態にかかわらず、手術の前後に栄養補助食品として投与することで、手術前後の患者の結腸にプロバイオティックス菌株でコロニー形成することが可能なことを示すことである。大抵の場合、患者はかなりの量のストレスを強いられ、大量の抗生物質による治療を受け、免疫系の障害に苦しんでいる場合があり、及び/又は病院等のように繰り返し滅菌される環境でより頻繁に出現する病原性で抗生物質耐性の細菌がコロニー形成する重大な危険にある。
【0086】
患者及び方法
結腸腺癌を患っている被験者30名を二重盲検試験に登録し、無作為に以下の3つのグループに分けた。
グループ1:プロバイオティックス高投与量(10cfu)。
グループ2:プロバイオティックス低投与量(10cfu)。
グループ3:プラシーボ。
【0087】
治療
治療はマルトデキストリンを混ぜたラクトバシラス・ジョンソニイLa1及びビフィドバクテリウムBB536(どちらの菌株も2つの生成物で同じcfuレベルで存在した)から構成された。プラシーボはマルトデキストリンのみだった。治療は手術の3日前から開始し、手術当日に中止し、手術後に再開し、手術から12日後まで続行した。
【0088】
主要パラメーター
この試験の主要な結果は、手術時に査定した内腔又は粘膜におけるコロニー形成だった。
【0089】
結果
グループコードはA(プラシーボ)、B(プロバイオティックス10)及びC(プロバイオティックス10)だった。D0(手術当日)におけるラクトバシラス・ジョンソニイLa1の結腸内容物又は粘膜生検でのコロニー形成は、グループBの患者11名のうち3名で、グループCの患者9名のうち4名で明らかに示された。
【0090】
【表1】

【0091】
結論
以上の結果は、代表的なプロバイオティックス、ラクトバシラス・ジョンソニイLa1は、結腸直腸腺癌を原因として結腸切除を受ける患者の遠位結腸にコロニー形成することが可能であることを示している。このような状態を患い、外科処置を受ける患者は、ストレスを受け、結腸での局所的で大きな生態的変化に苦しむ。実際、結腸環境の酸化還元状態の劇的な変容、抗生物質治療及び内腔バイオマスのほとんどを除去する洗腸の結果として、結腸内微生物相の変化が起きる。プロバイオティックス細菌の安定したコロニー形成を維持することができれば、微生物叢の再構成の基本的な条件が創出されよう。これが、次に、感染合併症を予防し、代謝的に活性な微生物叢に依存する結腸の生理学を回復することにより、患者の術後の臨床状態を向上する結果となる。
【0092】
実施例2
本発明により調製される代表的な栄養製剤を以下に示す。
【0093】
栄養製剤は、この場合、500mlを摂取したときに、成人の1日の栄養所要量の33%を満たすことを目的とした量の混合タンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミン及びミネラルから成る食品調製である。
【0094】
エネルギーの16%はタンパク質画分により、34%は脂肪により、50%は炭水化物により供給される。
【0095】
タンパク源は、乳清タンパク50%及びカゼイン50%であり、再構成粉末は100ml(100Kcal)当たりタンパク質4gを含有する。
【0096】
脂質画分は菜種油、中鎖トリグリセリド(MCT)及びコーン油で構成される。MCTは脂質の25%を占める。脂肪酸プロフィールは飽和脂肪酸(FA)20%、一価不飽和脂肪酸40%及び多価不飽和脂肪酸40%で構成される。n−6/n−3脂肪酸比率は4:1である。
【0097】
炭水化物量は再構成粉末100ml当たり12.6gであり、マルトデキストリンにより提供される。生成物はラクトースを含有しない。
【0098】
組成物はオリゴ糖(イヌリン)により供給される繊維を100ml当たり1.5gの濃度で含有する。
【0099】
粉末は噴霧乾燥したラクトバシラス・ジョンソニイLa1を粉末1g当たり10cfuの濃度で含有する。
【0100】
完成する生成物は、この標準再構成では、100ml分で粉末22g及び水84mlを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
術前又は術後環境で結腸に作用する栄養組成物又は薬剤の製造におけるプロバイオティックス又はプロバイオティックスの混合物の使用。
【請求項2】
プロバイオティックスが結腸に生きたまま到達し、特に結腸にコロニー形成することにより作用する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
栄養組成物又は薬剤が、非感染性下痢の予防及び管理のためである、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
栄養組成物又は薬剤が、吻合部の漏れ又は細菌転位に続発する骨盤液貯留を原因とする術後の腹部・骨盤感染症を予防するためである、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
栄養組成物又は薬剤が、腸管の微生物生態及び微生物叢代謝活性の全般的変化に続発する胃腸症状、好ましくは、感染性又は毒素性下痢症を予防又は緩和するためである、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
栄養組成物又は薬剤が、胃腸感染症、好ましくは院内胃腸感染症を予防又は治療するためである、請求項1に記載の使用。
【請求項7】
栄養組成物又は薬剤が、特に治癒過程の間の炎症反応を調節するためである、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
栄養組成物又は薬剤が、免疫系の調節及び/又は粘膜の分泌抗体の産生の刺激をするためである、請求項1に記載の使用。
【請求項9】
選択されるプロバイオティックスが、ビフィドバクテリウム属、ラクトバシラス属、レンサ球菌属及びサッカロミセス属又はその混合物から成る群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
選択されるプロバイオティックスが、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ラクトバシラス・アシドフィルス、ラクトバシラス・ラムノスス、ラクトバシラス・ジョンソニイ、ラクトバシラス・プランタルム、ラクトバシラス・サリバリウス、ストレプトコッカス・フェシウム、サッカロマイセス・ボウラディ及びラクトバシラス・ロイテリ又はその混合物から成る群から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
選択されるプロバイオティックスが、ラクトバシラス・ジョンソニイLa1(CNCM I−1225)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(CNCM I−2170)、ビフィドバクテリウム・ラクティスBb12(ドイツ培養物コレクション、DSM20215)、(ラクトバシラス・パラカゼイ(CNCM I−2116、CNCM I−1292))、ラクトバシラス・ラムノススGG、ストレプトコッカス・フェシウムSF 68及びその混合物から成る群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
栄養組成物又は薬剤が、生存不可能なプロバイオティックス細菌及び/又はプロバイオティックス由来物質をさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
栄養組成物又は薬剤が、プロバイオティックスの発酵基質をさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
栄養組成物又は薬剤が、さらにプレバイオティックスを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
プロバイオティックスが、約10〜1011cfu/mlの量、好ましくは約10〜10cfu/mlの量、最も好ましくは約10〜10cfu/mlの量で存在する、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
栄養組成物がさらに炭水化物源、脂質源及びタンパク源を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。
【請求項17】
タンパク源が組成物の総カロリーの少なくとも約8%、好ましくは約15%〜25%を供給し、脂質源が組成物の総カロリーの少なくとも約18%、好ましくは約30%〜50%を供給し、好ましくはω6対3の脂肪酸の比率が約2:1から約10:1であり、炭水化物源が組成物の総カロリーの少なくとも約15%、好ましくは約20%〜40%を供給する、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
栄養組成物又は薬剤が、好ましくは少なくともビタミンE及びビタミンCから成る群から選択される微量栄養素をさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の使用。


【図1】
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【公表番号】特表2010−527343(P2010−527343A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507914(P2010−507914)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055898
【国際公開番号】WO2008/141989
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】