説明

衛生テープ

【課題】靴内の足指部に発生した汗を吸収し汗蒸れ発生を防止するとともに、悪臭、湿疹、水虫等の発生をも予防する。
【解決手段】 吸水性素材で構成された不織布、織物、ニット等の布帛から成る巾1.5cm〜5.0cmのソフトな吸汗テープを、手撚りを加えた紙縒り状紐で足の指の間を∞状に巻付けた後、靴下等を履き歩行、走行した時に発生する汗を吸収し汗蒸れ発生を防止する。更に、悪臭、湿疹、水虫等の発生を予防し、衛生的な快適感を得る事が出来る特徴を有した衛生テープである。 更に、吸水素材で構成された2枚重ね以上の不織布からなる衛生テープに防臭剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、水虫剤等の機能剤を含浸加工、又は、微粉末散布加工、又は、微カプセル散布加工等で機能を付加し保持させ、悪臭、湿疹、水虫等の発生を高レベルで予防する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紳士靴、婦人靴、スポーツ靴、作業靴等の足指部の汗蒸れ発生を防止し、足指部を衛生に保つ吸汗性素材の衛生テープと取扱い方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の天然皮革、合成皮革、布帛からなる紳士靴、婦人靴、スポーツ靴、作業靴等は、靴底が合成ゴム、合成接着剤等の使用で耐久性、防水性は向上した反面、靴内密閉度が向上し汗蒸れが発生し易くなった。特に、足指部の汗蒸れ度が高くなり、人により悪臭、湿疹、水虫等が発生し易くなる非衛生な欠点が発生していた。特に、ゴルフ靴、野球靴、サッカー靴等のスポーツ靴、作業靴は、運動時、作業時の汗蒸れ度が紳士靴、婦人靴等に比較して高くなりより高い非衛生な欠点が発生していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、紳士靴、婦人靴、スポーツ靴、作業靴等の靴内の汗蒸れ、特に、足指部に発生した汗を吸収し汗蒸れ発生を防止する。更に、悪臭、湿疹、水虫等の発生を予防し非衛生の欠点を解決する衛生テープを提供することを課題とした発明である。
【0004】
本発明は、上述の問題点を解決するため、種々の衛生テープを試作、着用試験を重ねた結果、以下に示すような本発明に到着できたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る第1は、衛生テープは吸水性素材で構成された不織布、織物、ニット等の布帛から成る巾1.5cm〜5.0cmのソフトな吸汗テープである。そして、ソフトな吸汗テープは使用時に手撚りを加えた紙縒り状紐で足の指の間を∞状に巻付けた時、肌にソフトにタッチし着用時の不快感は無く、足指部に発生した汗を吸収し汗蒸れ発生を防止する衛生的な快適感を得る事が出来る特徴を有した衛生テープである。
【0006】
衛生テープの使用は、手撚りを加えた紙縒り状紐を足の指の間を∞状に巻付けた後、靴下、ソックス、パンティストッキング等を履き、靴を履くので、衛生テープの紙縒り状紐は自然な状態で拘束され抵抗感が無く着用でき、歩行時、走行時に紙縒り状紐が解ける欠点、切断する欠点等は発生しない。 そして、着用時に靴内の足指部に発生した汗の大半は、衛生テープの紙縒り状紐に吸収され汗蒸れ発生を防止する衛生的な快適感を得る事が出来る特徴を有した衛生テープである。
【0007】
衛生テープの色は、靴下、ソックス、パンティストッキング等と同様な色に着色するので、靴を脱ぎ座る等で足部を人に見せる機会が発生しても、着用衛生テープの紙縒り状紐は目立たなく他人に違和感を与えることは少ない。更に、悪臭の発生も軽減するので近くの人に不快感を与える事も少なく、精神的に衛生的な快適感を得る事が出来る特徴を有した衛生テープである。
【0008】
衛生テープの素材は、成分がセルロースの天然素材の綿糸、再生繊維素材のキュプラ、レーヨン、パルプ素材。シルク素材。合成繊維(ナイロン、エステル、アクリル)の機能吸水素材等から成る不織布、織物、ニット等の布帛が適当である。
その中でも、吸水性に優れ成分がセルロース素材から成る薄くてソフトな不織布素材が好ましい。
又、成分がセルロースから成る不織布吸水素材は、生分解性で自然の土に還ることが出来るので地球環境の面からも優れた素材である。
【0009】
衛生テープの不織布素材の構成枚数は、ソフト性、吸汗性、肌触り性、取扱い性等の機能を向上させるため、構成枚数は2枚以上が好ましい。
【0010】
第2は、衛生テープを使用する時、手撚りを加えた紙縒り状紐で着用することである。その結果、衛生テープの引張強度は向上するので、足の指の間を∞状に巻付け着用するのが容易になり、着用時の衛生テープの切断等の耐久性を向上させることが出来る方法である。
更に、衛生テープを足の指の間を∞状に巻付ける回数を多くし、足の指の皮膚と足の指の皮膚が直接触れないように巻付けることで、吸汗性を向上させより衛生的な快適感を得る事が出来る。
【0011】
第3は、吸水素材で構成された2枚重ね以上の不織布から成る衛生テープに防臭剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、水虫剤等の機能剤を含浸加工、又は、微粉末散布加工、又は、微カプセル散布加工等で機能を付加保持させた衛生テープである。
【0012】
更に、吸水素材で構成された2枚重ね以上の不織布から成る衛生テープに、2種以上の防臭剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、水虫剤等の機能剤を含浸加工と微粉末散布加工、又は、含浸加工と微カプセル散布加工の組合せで多機能を付加し保持した衛生テープである。
例▲1▼、吸水素材で構成された不織布の1枚以上と1枚以上に異なる機能剤を含浸加工した後、重ね構成した衛生テープ。
例▲2▼、吸水素材で構成された不織布の1枚以上を含浸加工、他の1枚以上に微粉末散布加工、又は、微カプセル散布加工で異なる機能剤を付加した後、重ね構成した衛生テープ。
【実施例】
【0013】
以下、本発明の衛生テープの実施の形態を図1〜図3に基づいて説明をする。
【0014】
図1、図2、図3は、衛生テープ(6)、(7)、(8)、(9)に手撚りを加えた紙縒り状紐を左足の指の間を∞字状に巻付けた形態を示す。
図1は、衛生テープ(16)、(17)を3本の足指に∞字状に巻付けた形態で、足指の断

図2は、衛生テープ(26)、(27)を5本の足指に∞字状に巻付けた形態で、足指の断

図3は衛生テープ(36)、(37)、(38)、(39)を3本足指に∞字状に巻付ける回数を多くし、足指の皮膚と足指の皮膚が直接触れる部分を少ないよう巻付けた形態で、足

【0015】
以下、本発明の衛生テープの適正な引張強度と快適性を着用試験、別紙「衛生テープの着用試験 表1」に基づいて説明をする。
【0016】
着用試験の本発明の衛生テープの足指への巻付け方法は、手撚り回数8回/5cm、図1の3本の足指に巻付けた形態で実施した。
【0017】
衛生テープの引張強度は、ソフト性、肌触り性を重視し重さを軽くすると引張強度は弱くなり手撚りを加えた紙縒り状紐にする時、又は、紙縒り状紐を足の指の間を∞状に巻付ける時に切断する欠点が発生する。
そして、紙縒り状紐を巻付け靴下、ソックス、パンティストッキング等を履き、靴を履いての歩行時、走行時に生ずる外力で紙縒り状紐は切断する欠点が発生する。更に、歩行時、走行時に足指から発汗した汗吸収で、成分がセルロースの不織布は湿潤引張強度が低下し、紙縒り状紐の切断を助長する欠点が発生する。
着用時の引張強度不足と湿潤引張強度低下等で切断した紙縒り状紐は、吸汗機能の低下と快適性の低下を発生する上に、靴下内、ソックス内、パンティストッキング内で切断屑になり除去に手間を取る欠点が発生するので、本発明の衛生テープは引張強度が一定以上の適正な引張強度が必要である。
適正な引張強度と快適性は、「衛生テープの着用試験 表1」の通勤着用試験、ゴルフ着用試験より決定した。
【0018】
衛生テープの撚り回数の引張強度は、「衛生テープの着用試験 表1」に記述の通り2.5cm巾の衛生テープに手撚りで0回/5cm、5回/5cm、8回/5cm加えた時の引張強度を測定した。
衛生テープに手撚りを加えた紙縒り状紐は、引張強度が向上し足の指の間を∞字状に巻付けるのが容易になる。更に、着用時に衛生テープの紙縒り状紐が切断する欠点と繊維切断屑を発生する欠点を防ぎ、吸汗性能と快適性を向上させる効果がある。
【0019】
衛生テープの着用試験素材は、パルプ素材から成る吸水性に優れたセルロース繊維で構成された不織布で、目付(重さ)22.0g/m42.9g/m、その厚さは0.11mm〜 0.22mmの6点である。
ソフト性、肌触り性を良くするため2枚重ね不織布、3枚重ね不織布の衛生テープを着用試験した。
【0020】
衛生テープの着用試験は、巾2.5cmの衛生テープに手撚りを加えた紙縒り状紐を、足の指の間を∞状に1往復巻付けた。そして、通勤着用試験は紳士靴下に革靴(着用時間10〜13時間、歩数7000〜10000歩)で評価をした。同様に、ゴルフ着用試験はソックスにゴルフシューズ(着用時間7〜8時間、19000〜21000歩)で試験をした。そして、通勤評価は歩行時の評価。ゴルフ評価は運動時の評価に位置付け着用試験をした。又、着用試験回数は通勤評価を3回、ゴルフ評価を2回実施した。
但し、通勤評価で「△→×」、「×→ 」の評価になった衛生テープは、より過酷なゴルフ試験は省略した。
【0021】
衛生テープの着用試験評価は、下記の通りに決め評価をした。
○→○:巾2.5cmの衛生テープに撚りを加えた紙縒り状紐を、足の指の間を∞状に1往復巻付け、通勤着用(紳士靴下に革靴)、ゴルフ着用(ソックスにゴルフシューズ)で紙縒り状紐が切断しなく良好な評価。
◎ :汗蒸れ防止の快適性は優れた評価。
○→×:巾2.5cmの衛生テープに撚りを加えた紙縒り状紐を、足の指の間を∞状に1往復巻付け、通勤着用(紳士靴下に革靴)、ゴルフ着用(ソックスにゴルフシューズ)で紙縒り状紐が切断する時があり、少し悪い評価。
× :汗蒸れ防止の快適性は少し悪い評価。
△→×:巾2.5cmの衛生テープに撚りを加えた紙縒り状紐を、足の指の間を∞状に1往復巻付けをした時、衛生テープの引張強度が弱く紙縒り状紐が切断する時がある。そして、通勤着用(紳士靴下に革靴)、ゴルフ着用(ソックスにゴルフシューズ)で紙縒り状紐が全部切断し悪い評価。
× :汗蒸れ防止の快適性は悪い評価。
×→ :巾2.5cmの衛生テープに撚りを加えた紙縒り状紐を、足の指の間を∞状に1往復巻付けをした時、衛生テープの引張強度が弱過ぎて紙縒り状紐が全部切断した。着用試験が出来なかった評価。
快適性の評価は通勤評価とゴルフ評価が「○→○」の格付けで、快適性が得られた評価のみを「◎」の格付けにした。
【発明を実施するための最良の形態】
【衛生テープの着用試験評価】
【0022】
衛生テープの初期引張強度(無撚)は、引張強度が弱いと着用時に紙縒り状紐が切断をする。反対に引張強度が強いと風合いが硬くなりソフト性、肌触り性が低下する欠点が発生する。更に、引張強度が強過ぎると紙縒り状紐が硬くなり足の指が痛くなる時がある。衛生テープの初期引張強度は200g/2.5cm巾〜700g/2.5cm巾が好ましい。
【0023】
衛生テープの目付(重さ)は、軽いと吸汗性が低下し、重いと紙縒り状紐は太く足の指の間を∞状に巻付けた時、足の指を圧迫し痛くなる欠点が発生するので、目付(重さ)は20g/m〜40g/mが好ましい。
【0024】
衛生テープの厚さは、目付と同様、薄いと吸汗性が低下し、厚いと紙縒り状紐は太く足の指の間を∞状に巻付けた時、足の指を圧迫し痛くなる欠点が発生するので、厚さは0.10mm〜0.20mmが好ましい。
【0025】
衛生テープの巾は、目付と同様、狭いと吸汗性が低下し、広いと紙縒り状紐は太く足の指の間を∞状に巻付けた時、足の指を圧迫し痛くなる欠点が発生するのと、紙縒り状紐にする時等の取扱い性から、巾は1.5cm〜5.0cmが好ましい。
【0026】
衛生テープの重ね枚数は、ソフト性、肌触り性、吸汗性、取扱い性等より2枚〜3枚が好ましい。
又、重ね枚数の有効効果として、防臭剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、水虫剤等の機能剤を枚数毎に含浸加工、散布加工等で保持させた後、重ね構成することで多機能を付加させることが容易である。
【発明の効果】
【0027】
上述したように本発明の衛生テープは、靴内の足指部に発生した汗を吸収し汗蒸れ発生を防ぎ、衛生的な快適感と精神的な快適感を提供する優れた衛生テープである。
【0028】
具体的には、吸水性に優れたセルロースから成る薄くてソフトな不織布の巾1.5cm〜5.0cmの衛生テープに手撚りを加えた紙縒り状紐を、足の指の間を∞状に巻付け、足指部から発汗する汗を吸収し汗蒸れを防止する。更に、悪臭、湿疹、水虫等の発生を予防し衛生的な快適感と精神的な快適感を提供する優れた衛生テープである。
【0029】
更に、吸水性に優れたセルロースから成る薄くてソフトな不織布に防臭剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、水虫剤等の機能剤を含浸加工する方法。微粉末散布加工する方法。
微カプセル散布加工する方法。含浸加工と散布加工の組合せ加工をする方法等で機能を付加し保持させた巾1.5cm〜5.0cmから成る機能衛生テープに手撚りを加えた紙縒り状紐を、足の指の間を∞状に巻付け、足指部に発生した汗を吸収し汗蒸れを防ぎ、悪臭、湿疹、水虫等の発生を高レベルで予防し、高レベルの衛生的な快適感と高レベルの精神的な快適感を提供する優れた機能衛生テープである。
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】

【図2】

【図3】

【符号の説明】
【0031】
1 左足親指
2 左足人差指
3 左足中指
4 左足薬指
5 左足小指
6 衛生テープに撚りを加えた紙縒り状紐
7 衛生テープに撚りを加えた紙縒り状紐
8 衛生テープに撚りを加えた紙縒り状紐
9 衛生テープに撚りを加えた紙縒り状紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水性素材で構成された不織布、織物、ニット等の布帛から成る巾1.5cm〜5.0cmのテープに手撚りを加えた紙縒り状紐を、足の指の間を∞状に巻付け、足指部に発生した汗を吸収し汗蒸れを防止する衛生テープ。
【請求項2】
吸水性素材で構成された2枚重ね以上の不織布から成る巾1.5cm〜5.0cmのテープに、防臭剤、消臭剤、芳香剤、抗菌剤、水虫剤等の機能剤を含浸加工、又は、微粉末散布加工、又は、微カプセル散布加工等で機能を付加保持させた衛生テープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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